JP2004067744A - 自己消火性難燃シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)ウレタン樹脂100〜30重量%に対し、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体0〜70重量%と、(c)エチレン−エチルアクリレート共重合体と、低密度ポリエチレンから選んだ1または2の合計を10〜70重量%を配合し、全樹脂100重量部に対し、難燃剤としてジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートから選んだ1又は2以上を5〜80重量部を配合してなる微量灰分組成物で成形した、自己消火性難燃シートである。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性物質取扱所等において使用する自己消火性難燃シートに関する。
詳しくは、燃焼時にハロゲン系ガス、SO2ガス等の発生がなく、かつ、燃焼ガスが通過するフィルターの目詰まりを起こす燐系ガスを発生せず、灰分が微量で取扱性が容易で、放射性物質取扱所の床面、機器類、資材置場、壁面等を被覆するために使用する難燃シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オレフィン系樹脂等の可燃性の合成樹脂の難燃化方法には、臭素等のハロゲン系化合物と三酸化アンチモンを併用して配合する方法がよく知られている。
また、焼却の際に有毒ガスを発生しないように、可燃性の非塩素系ポリマーに塩素系添加剤を配合することなく、オルガノポリシロキサンと有機金属化合物とを配合してなる難燃性組成物も公知である。
これらの組成物は焼却時に臭素ガス等のハロゲンガスや、NO2ガスや、SO2ガスを発生し、さらに灰分が多量に発生する問題がある。
また、特開平3−7767号公報、特開平3−15539号公報、特開平4−332640号公報、特開平7−164594号公報には、難燃剤として尿素を用いた組成物やフイルムが記載されているが、尿素は極性が強く、熱可塑性重合体との相溶性が悪い。また尿素は水に対する溶解性が大きく、吸湿性が大なので凝集し取扱が難しい。さらに132℃で溶融し、分解するので加工性が悪い欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特に放射性物質を取り扱う場所、たとえば原子力発電所や放射性物質研究所等では、床、壁、天井、間仕切り機器類等に放射性物質が付着しないように、熱可塑性合成樹脂フイルムで被覆している。そして一定期間経過後に新しいフイルムと交換し、取り除いた古いフイルムは焼却している。しかし、焼却後の残留灰分に放射性は残るので、灰分量が増加すれば、放射性灰分を密封するのに必要な材料費や保管の空間が増加するため、焼却後の残留灰分が少ないことが要求され、同時に、使用中に損傷して床等が露出することのないような強度が必要とされる。
また、近年、難燃剤としてハロゲン含有物質だけでなく燐系の含有物質も焼却時にフィルターの目詰まりを起こすので使用しないことになった。
本発明は、上記の従来の問題点を解消し、難燃性でありながら焼却可能であり、焼却に際して有害ガスを発生せず、灰分の発生も少なく、フィルターの目詰まりも生ぜず、強度が強く、柔軟で取扱性のよいシートを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. (a)ウレタン樹脂100〜30重量%に対し、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体0〜70重量%と、(c)エチレン−エチルアクリレート共重合体と、低密度ポリエチレンから選んだ1または2の合計を10〜70重量%を配合し、全樹脂100重量部に対し、難燃剤としてジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートから選んだ1又は2以上を5〜80重量部を配合してなる微量灰分組成物で成形した、自己消火性難燃シート。
2. エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル含有量が10〜35重量%、メルトフローレート0.5〜30 g/10min の共重合体である、請求項1に記載された自己消火性難燃シート。
3. エチレン−エチルアクリレート共重合体は、エチルアクリレート含有量が5〜35重量%、メルトフロレート0.5〜30g/10minの共重合体である、請求項1に記載された自己消火性難燃シート。
4. 低密度ポリエチレンは、分岐低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.925、メルトフロレート0.2〜20g/10min)、線状低密度ポリエチレン(密度0.910〜0918、メルトフロレート0.2〜20g/10min)である、請求項1または2に記載された自己消火性難燃シート。
5. 難燃剤がヒドラゾジカルボンアミドにジシアンジアミドとメラミンシアヌレートを単独または併用して配合したものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
6. 難燃剤がヒドラゾジカルボンアミド100重量部に対し、ジシアンジアミドとメラミンシアヌレートが単独もしくは併用して10重量部〜80重量部である、請求項4項に記載された自己消火性難燃シート。
7. 厚さが20〜1000μmで酸素指数が26以上である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
8. 難燃シートがカレンダーロールで成形されたシートである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
9. 難燃シートが押出成形されたシートである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では、成形に使用する樹脂が粉体またはペレット等の固形の樹脂を使用する。樹脂としては、(a)ウレタン樹脂に対し(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、(c)エチレン−エチルアクリレート共重合体と低密度ポリエチレンから選んだ1または2の合計を配合して使用する。
難燃シートの製造方法としてはカレンダーロール法、Tダイ押出法、インフレーション押出法により成形加工するのが好ましい。
従来の水性ディスパージョン樹脂及び有機溶剤溶解樹脂を使用し、難燃シートをドクターナイフ等を用いたフローティングコート法で製造する場合は、難燃性樹脂水溶液または難燃性樹脂溶液を熱可塑性樹脂フイルム上に流延し、その後加熱炉で加熱し、水分または溶剤を揮散熱処理加工して難燃シートとするが水分または溶剤の揮散を早めるために加熱炉温度を高くすると難燃シートに気泡が発生する問題がある。水性ディスパージョン樹脂と有機溶剤溶解樹脂との両者間には気泡発生の差はあるが両者共生産ラインの速度を速くするのに限度がある。カレンダーロール法、Tダイ押出法、インフレーション押出法等の押出法では、気泡発生はなく生産ラインの速度を速くでき、生産性はよいので好ましい。
【0006】
本発明で使用するウレタン樹脂は流動開始温度Tf145〜190℃のものが好ましい。190℃以上ではカレンダーロール成形性や押出成形性が悪くなる。145℃以下では、ベタツキ感が強くなり、ブロッキングが生じ好ましくない。ウレタン樹脂の例としては日本ミラクトラン株式会社製のP22M、P25M、P−480RSUI、E785PSPK、E790PSPK、住友バイエル株式会社製のデスモコール530、デスモコール540、デスモコールKA8634等がある。
本発明で使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体はメルトフローレート0.5〜30 g/10min 、酢酸ビニル含有量10〜35重量%のものが好ましい。メルトフローレート0.5 g/10min 以下ではカレンダーロール成形性や押出成形性が悪くなる。30 g/10min 以上では、ベタツキ感が生じ、ブロッキングが生じる。また機械的強度が悪くなるので好ましくない。エチレン−酢酸ビニル共重合体の例としては、三井デュポンケミカル株式会社製 エバフレックスP−2807、エバフレックスP−2805、エバフレックスP−1405、エバフレックスP−1905、エバフレックスP−1207、昭和電工株式会社製 ショウレックスFL14−1、ショウレックスEF12−9等が挙げられる。
本発明で使用するエチレン−エチルアクリレート共重合体はエチルアクリレート含有量が5〜35重量部、メルトフロレート0.5〜30g/10minのものが好ましい。メルトフロレート0.5g/10min以下ではカレンダーロール成形性や押出成形性が悪くなる。30g/10min以上ではべた付きブロッキングが生じる。
また、機械的強度が悪くなるので好ましくない。エチレン−エチルアクリレート共重合体の例としては、三井デュポンケミカル株式会社製 EVAFLEX−EEA A−701、EVAFLEX−EEA A−702が挙げられる。
本発明で使用する低密度ポリエチレンとしては分岐低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.925、メルトフロレート0.2〜20g/10min)、線状低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.918、メルトフロレート0.2〜20g/10min)が好ましい。分岐低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンでは線状低密度ポリエチレンの方が破断強度、破断伸度が大きく好ましい。メルトフロレート0.2g/10min以下ではカレンダーロール加工性や押出性が悪くなる。メルトフロレート20g/10min以上では機械的強度が悪くなるので好ましくない。線状低密度ポリエチレンの例としては、NUCポリエチレンDFDJ−6775(日本ユニカー株式会社製)などが挙げられる。
【0007】
ウレタン樹脂単独またはウレタン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体は混合して使用する。混合して使用する場合、両者の使用割合はウレタン樹脂100〜30重量%に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体0〜70重量%である。好ましくはウレタン樹脂80〜30重量%に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体20〜70重量%である。
ウレタン樹脂単独の場合は防炎性が良好である。しかし、タックがある。難燃剤を5重量部以上添加し難燃シートをワインダーに巻き取る場合、工程紙、タフターを使用して一旦巻き取ることが多い。この場合巻き替え時、工程紙、タフター等を取り除いて紙管に巻き取ることにより、ブロッキングを起こすことなく製品とすることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は成形加工性がよい。しかし、シートを防炎性にするために難燃剤の添加量を多くする必要がある。添加量を多くすると成形加工性が悪くなり好ましくない。エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合をウレタン樹脂に、70重量%以上配合すると防炎性が悪くなり好ましくない。
更に前記にエチレン−エチルアクリレート共重合体又は低密度ポリエチレンを混合して使用する。
エチレン−エチルアクリレート共重合体は成形加工性がよい。しかし、シートを防炎性にするために難燃剤の添加量を多くすると成形加工性が悪くなり好ましくない。エチレン−エチルアクリレート共重合体の配合量はウレタン樹脂に対し、70重量%以上配合すると防炎性が悪くなり好ましくない。10〜70重量%配合するとブロッキングが改善されるので好ましい。
低密度ポリエチレンは成形加工性がよい。しかし、シートを防炎性にするために難燃剤の添加量を多くする必要がある。添加量を多くすると成形加工性が悪くなり好ましくない。低密度ポリエチレンの配合量はウレタン樹脂に対し、70重量%以上配合すると防炎性が悪くなり好ましくない。10〜70重量%を配合するとブロッキングが改善されるので好ましい。
【0008】
本発明においては難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドを使用することが最も好ましい。
ヒドラゾジカルボンアミドの化学式は、
【0009】
【化1】
【0010】
で示される化合物であり、融点257℃、比重1.5である。
ヒドラゾジカルボンアミドはカレンダーロール加工や押出成形加工する場合の樹脂への分散性を考慮すると、平均粒径30μm以下にすることが好ましい。平均粒径が20μm以下のものがさらに好ましい。
ヒドラゾジカルボンアミドはブロッキング防止効果が大きいので、本発明で使用する難燃剤として好適である。
ヒドラゾジカルボンアミドの例として、大塚化学株式会社製 KBH−30が挙げられる。
【0011】
本発明はまた難燃剤としてジシアンジアミドを使用することができる。
ジシアンジアミドの化学式は、
【0012】
【化2】
【0013】
で示される化合物であり、融点209℃、灰分0.03重量%以下、比重1.4である。
ジシアンジアミドはカレンダーロール加工や押出成形加工する場合の樹脂への分散性を考えると、平均粒径30μm以下にすることが好ましい。平均粒径が20μm以下のものがさらに好ましい。
ジシアンジアミドは一般には平均粒径100〜200μmのものが多いが、このものを粉砕して平均粒径が30μm以下として使用する。ジシアンジアミドの例として日本カーバイド工業株式会社製 ヂシアンヂアミド、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエピキュア−DICY 7Aが挙げられる。
【0014】
本発明は難燃剤としてメラミンシアヌレートを使用することもできる。
メラミンシアヌレートの化学式は
【0015】
【化3】
【0016】
で示される化合物であり、融点250℃(300℃付近から昇華開始)比重1.68である。
メラミンシアヌレートはカレンダーロール加工や押出成形加工する場合樹脂への分散性を考えると、平均粒径30μm以下にすることが好ましい。平均粒径が20μm以下のものがさらに好ましい。
メラミンシアヌレートの例として、日産化学工業株式会社製 MC−610、MC−410等が挙げられる。
【0017】
難燃剤ジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートのいずれか1種以上をウレタン樹脂単独またはウレタン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体混合体に混合体100重量部に対し、5〜80重量部、好ましくは10〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部添加する。添加量5重量部以下では、防炎性が悪く、難燃シートを巻き取る時ブロッキングが生じやすい。80重量部以上では押出成形性が悪くなり、難燃シートの機械的強度が悪くなる。
【0018】
難燃剤は単品で使用するより2種以上混合して使用すると相乗効果があり好ましい。
好ましい難燃剤の混合物としては、ヒドラゾジカルボンアミドにメラミンシアヌレートとジシアンジアミドを単独または併用して使用するのが好ましく、ヒドラゾジカルボンアミド100重量部に対し、メラミンシアヌレートとジシアンジアミドを単独または併用して10重量部〜80重量部使用すると防炎性の向上効果が奏されるので好ましい。
【0019】
本発明の難燃シートは厚さが20μm以下では機械的強度が小さくなり、取扱性が悪くなり好ましくない。1000μm以上では防炎性が悪くなり、風合いが硬くなり取扱性が悪い難燃シートになる。
自己消火性、難燃性を示す酸素指数は26以上である。26以下では、自己消火性、難燃性が不充分であって、好ましくない。
【0020】
本発明の難燃シートを成形する場合、スリップ剤、滑剤、安定剤、可塑剤さらに顔料、染料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、カップリング剤、防黴剤等を併用することができる。
本発明の難燃シートをカレンダーロール加工や押出成形加工するにはウレタン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン−エチルアクリレート共重合体、低密度ポリエチレンから選んだ少なくとも1種、難燃剤としてジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートの少なくとも1種及びその他の上記助剤をヘンシェルミキサー、バンバリミキサー、ロールニーダー、加圧ニーダー、三本ロール、二軸押出機等を用いて加熱混練して難燃性樹脂混合物を作り、これを直接またはさらにペレット化し、これをカレンダーロール加工やインフレーション押出法、Tダイ押出法等で難燃シートを成形加工する。
【0021】
【実施例】
実施例1
ウレタン樹脂としてE−785PSPK(Tf 173℃、日本ミラクトラン株式会社製) 70重量部を使用し、これに、エチレン−酢酸ビニル共重合体エバフレックスP−1905 20重量部、エチレン−エチルアクリレート共重合体A−702(メルトフロレート5dg/min、エチルアクリレート含有量19重量%、三井デュポンポリケミカル株式会社製)を10重量部を使用した。
難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドの添加量を40重量部にした。該難燃樹脂配合物を造粒機によりペレットにした。 該ペレットを押出機(φ50mm、L/D:24/1、CR:3.0、株式会社日本製鋼所製)を使い、ダイギャップ:0.5mm、押出温度:150℃、160℃、170℃、ダイ温度175℃、押出スピード:10m/min でTダイ押出成形により厚さ、100μmの難燃シートを成形し、冷却ロールで冷却して100μmの難燃シートをワインダーで巻き取った。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0022】
実施例2
実施例1においてエチレン−酢酸ビニル共重合体エバフレックスP−190510重量部、低密度ポリエチレンDFDJ−6775(密度:0.920g/ml、メルトインデックス0.23dg/10min、日本ユニカー株式会社製)を20重量部を使用した。
難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドの添加量を40重量部にした。その他は実施例1と同様にして難燃樹脂配合物を製造した。
該ペレットを押出機(φ40mm、L/D:24/1、CR:2.7、株式会社川田製作所製)を使い、ダイ( φ 70mm、シンコーマシナリー株式会社製)を使用し、ダイギャップ:0.5mm、押出温度:150℃、160℃、170℃、ダイ温度175℃、巻き取りスピード:10m/min でインフレーション押出により厚さ50μmの難燃シートをワインダーで巻き取った。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0023】
実施例3
実施例1においてエチレン−酢酸ビニル共重合体エバフレックスP−1905の代わりに低密度ポリエチレンDFDJ−6775(密度:0.920g/ml、メルトインデックス0.23dg/10min、日本ユニカー株式会社製)を30重量部を使用した。
難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドの添加量を20重量部、シアヌル酸メラミンMC610 20重量部を配合した。その他は実施例1と動揺にして難燃樹脂配合物を製造した。該難燃樹脂配合物を造粒機によりペレットにした。
該ペレットを押出機(φ40mm、L/D:24/1、CR:2.7、株式会社川田製作所製)を使い、ダイ( φ 70mm、シンコーマシナリー株式会社製)を使用し、ダイギャップ:0.5mm、押出温度:150℃、160℃、170℃、ダイ温度170℃、巻き取りスピード:10m/min でインフレーション押出により厚さ30μmの難燃シートをワインダーで巻き取った。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0024】
実施例4
実施例1においてウレタン樹脂F−785 PSPKの代わりに、P22M(Tf 155℃、日本ミラクトラン株式会社製)60重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 エバフレックス P1905の代わりに、P−1405(メルトフロレート 3.5g/10min 酢酸ビニル含有量 14重量%、三井ポリケミカル株式会社製)20重量部、低密度ポリエチレン DFDJ−6775 10重量部、エチレン−エチルアクリレート共重合体は実施例1と同じA−702 10重量部使用した。難燃剤は実施例1と同様のヒドラゾジカルボンアミド KBH−30 40重量部と、ジシアンジアミド DICY 7A ジャパンエポキシレジン株式会社製 10重量部使用した。その他は実施例1と同様にして難燃樹脂混合物を製造した。
該難燃樹脂混合物を造粒機によりペレットにした。
該ペレットを押出機(φ40mm、L/D:24/1、CR:3.0、株式会社日本製銅所製)を使い、ダイギャップ:0.6mm、押出温度:150℃、160℃、170℃、ダイ温度175℃、押出スピード:10m/min でTダイ押出成形により厚さ150μmの難燃シートを成形し、冷却ロールで冷却して150μmの難燃シートをワインダーで巻き取った。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0025】
比較例1
ウレタン樹脂としてE−785PSPK(Tf 173℃、日本ミラクトラン株式会社製) 70重量部を使用し、これに、難燃剤ヒドラゾジカルボンアミドKBH−30(平均粒径5μm、大塚化学株式会社製)の添加量 30重量部を3重量部にした。
その他は実施例1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形して厚さ150μmの難燃シートをワインダーに巻き取った後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得た。酸素指数が低く自己消火性が不良である。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0026】
比較例2
比較例1において、難燃剤ヒドラゾジカルボンアミドKBH−30(平均粒径5μm、大塚化学株式会社製)の添加量 30重量部を90重量部にした。
その他は実施例1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形して厚さ150μmの難燃シートを成形使用としたが、シートの製膜性が悪く、シートの厚さにムラが生じ厚さが一定の難燃シートをワインダーに巻き取ることができなかった。巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得た。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0027】
比較例3
比較例1において、ウレタン樹脂E−785PSPKの添加量70重量部を10重量部にした。エチレン−酢酸ビニル共重合体 エバフレックス P−1905の添加量30重量部を90重量部にした。難燃剤はヒドラゾジカルボンアミドKBH−30の添加量30重量部を40重量部にした。
その他は実施例1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形して厚さ150μmの難燃シートをワインダーに巻き取った後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得た。酸素指数が低く自己消火性が不良である。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0028】
比較例4
比較例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体 P−1905は使用せず、エチレン−酢酸ビニル共重合体 エバフレックス EV45−LX(メルトフローレート 2.5 g/10min 、酢酸ビニル含有量46重量%) 30重量部を使用した。
その他は実施例1と同様にして、難燃樹脂混合物を製造した。該難燃樹脂混合物を用い、実施例1と同様にしてカレンダーロール成形して厚さ150μmの難燃シートをワインダーに巻き取った後、巻き替えし、工程紙を除去して難燃シートを得た。
該難燃シートは風合いは軟らかく、ベタツキ感があり、ブロッキングの発生が見られた。そのため工程紙を除去した後、該難燃シートを解反しようとしたがブロッキングのため、解反性が実施例1より劣った。これはエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が大きすぎるからである。
該難燃シートについての性能を測定した結果は表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
(註)
1.表中の灰分「<0.1」は「0.1」より少ないことを示す。
2.表中の引張強度の単位B及びCは「kgf/15mm」である。
3.諸性能の測定方は次の通りである。
(1)酸素指数 JIS K 7210
支持方法の区分:B−1号
(2)引張試験 JIS Z 1702
(3)灰分
試料の適量を自金るつぼに採取し、熱板上で炭化した後、電気炉に入れて850℃において30分間加熱し、灰化させて、その残分を灰分の重量とした。
(4)ブロッキング
ブロッキング:なし ○
ブロッキング:僅かにあり △
ブロッキング:あり ×
(5)成形加工性
シートの厚さ:ムラなし ○
シートの厚さ:ムラ僅かにあり △
シートの厚さ:ムラあり ×
【0031】
【発明の効果】
本発明の自己消火性難燃シートは酸素指数が良好で自己消火性があり、しかも使用後焼却することができ、有害ガスを発生せず、灰分の発生も少なく、フィルターの目詰まりも生じない優れた効果を奏する。
Claims (9)
- (a)ウレタン樹脂100〜30重量%に対し、(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体0〜70重量%と、(c)エチレン−エチルアクリレート共重合体と、低密度ポリエチレンから選んだ1または2の合計を10〜70重量%を配合し、全樹脂100重量部に対し、難燃剤としてジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートから選んだ1又は2以上を5〜80重量部を配合してなる微量灰分組成物で成形した、自己消火性難燃シート。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル含有量が10〜35重量%、メルトフローレート0.5〜30 g/10min の共重合体である、請求項1に記載された自己消火性難燃シート。
- エチレン−エチルアクリレート共重合体は、エチルアクリレート含有量が5〜35重量%、メルトフロレート0.5〜30g/10minの共重合体である、請求項1に記載された自己消火性難燃シート。
- 低密度ポリエチレンは、分岐低密度ポリエチレン(密度0.910〜0.925、メルトフロレート0.2〜20g/10min)、線状低密度ポリエチレン(密度0.910〜0918、メルトフロレート0.2〜20g/10min)である、請求項1または2に記載された自己消火性難燃シート。
- 難燃剤がヒドラゾジカルボンアミドにジシアンジアミドとメラミンシアヌレートを単独または併用して配合したものである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
- 難燃剤がヒドラゾジカルボンアミド100重量部に対し、ジシアンジアミドとメラミンシアヌレートが単独もしくは併用して10重量部〜80重量部である、請求項4項に記載された自己消火性難燃シート。
- 厚さが20〜1000μmで酸素指数が26以上である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
- 難燃シートがカレンダーロールで成形されたシートである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
- 難燃シートが押出成形されたシートである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された自己消火性難燃シート。
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