JP3525909B2 - 断熱容器を持った電気貯湯容器 - Google Patents

断熱容器を持った電気貯湯容器

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JP3525909B2 JP2001137062A JP2001137062A JP3525909B2 JP 3525909 B2 JP3525909 B2 JP 3525909B2 JP 2001137062 A JP2001137062 A JP 2001137062A JP 2001137062 A JP2001137062 A JP 2001137062A JP 3525909 B2 JP3525909 B2 JP 3525909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属製の真空二重容
器など各種の断熱容器を持った電気貯湯容器に関するも
のであり、例えば家庭用の電気ポットなどに利用され
る。
【0002】
【従来の技術】電気ポットは家庭や職場、食堂などで広
く使用され、四六時中使用状態に置かれることもある。
一方では、環境問題や省資源の面から省エネルギーが叫
ばれるなか、電気ポットでのヒータによる高い消費電力
が改善の対象になってきている。
【0003】そこで、従来、図20に示すような金属製
の真空二重容器aを持った電気ポットが提供され、真空
二重容器aの真空空間bにより保温性が向上する分だ
け、沸騰させた内容液を所定の温度にて保温するときの
ヒータcの消費電力が低減する。
【0004】図20に示す従来の電気ポットは特に、真
空二重容器aに口部dに内筒eが内側に張り出した絞り
部fと、胴部の真空空間bが底部に回り込んだ回り込み
部gとを有しているとともに、このような真空二重容器
aを外装ケースhに収容して器体iを構成し、この器体
iにおける真空二重容器aの口部dに通じる開口jにこ
れを覆いかつ真空二重容器aの口部dに及ぶ蓋kを設け
ている。これにより、沸騰後ヒータcによる加熱を停止
して2時間経過した時点でも実用に耐える90℃程度の
通常保温状態を確保することができる。因みに口部dの
内径は145mm程度に設定してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ヒータcによ
る加熱を行わない魔法瓶保温モードが実用される中、さ
らなる保温力向上が望まれている。そこで、本発明者等
は種々に実験を繰り返し検討を重ねた結果、真空二重容
器aまわりにおける真空空間bの領域が多いほど保温効
果が高いこと、および、内容液の熱は蓋kが閉じていて
も真空二重容器aの口部dから上方に逃げやすく、小さ
くするほど保温力は向上する。これは、真空二重容器以
外の断熱壁ないしは断熱構造を持った各種の断熱容器に
共通している。
【0006】一方、電気ポットの場合断熱容器の上部に
自然吐出に対する安全空間pが設けられる。これは、内
容液の加熱による膨張、沸騰や位置を移すときなどの液
面の揺れ、傾きといったことによって、蓋kに設けられ
た蒸気通路mの内側開口nを塞いでしまうのを防止する
ためのものであって、この安全空間pを確保するために
満水位が設定され、その位置を使用者に示す満水位指標
rが設けられる。
【0007】しかし、上記のように保温力を高めるため
に口部dの内径を小さくすればするほど、前記満水位指
標rは蓋kを開いた状態でも外部から見え難くなり、満
水位を越えた状態で使用されかねない。そのようなこと
があると内容液が蒸気通路mを塞いで蒸気を外部に逃が
せなくなり異常昇圧やそれによる自然吐出を招くので危
険である。
【0008】本発明の目的は、断熱容器の口部の内径を
小さくして保温力を高めても満水位指標が見やすく使用
に安全な断熱容器を持った電気貯湯容器を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の断熱容器を持った電気貯湯容器は、器体
に断熱容器を持ち、この断熱容器の非断熱底部に外部か
らヒータを当てがい、断熱容器に口部内径が胴部内径よ
りも小さい絞り形状の口部を形成したものにおいて、満
水位にて胴部内径面よりも内側に突出した突出面に満水
位指標を表示したことを1つの特徴とするものである。
【0010】このような構成では、口部内径が胴部内径
よりも断熱容器により高い保温力を発揮するとともに、
ヒータが非断熱底部にて内容液を加熱するので熱効率よ
く加熱することができる上、満水位に対応する満水位指
標が胴部内径面よりも内側に突出した突出面に設けられ
ているので、口部の開口に対して奥まった胴部内径面か
ら突出面が突出した量だけ口部の内径面に近くなって外
部から視認するのに絞り形状をした口部に隠れ難く、口
部を通じた外部からの視認範囲が広がる。これにより、
口部の内径を従来よりも小さくしても満水位指標が外部
から見にくくならず安全使用されやすいので、保温力を
高めるのに好適である。
【0011】突出面の突出量は、口部内径と胴部内径と
の差より小さい程度としたり、突出面が口部の内径面に
並ぶかそこからストレートに延びた状態にしたりするこ
とができ、突出量が大きいほど視認範囲が広がりより見
やすくなる。また、突出面は断熱容器の内面まわり一部
に設けられても、環状に設けられてもよい。環状に設け
られると満水位から口部開口端までの安全空間の径が突
出面の突出量相当分狭まり、安全空間が徒に大きくなっ
て熱が逃げやすくなるのを抑えることができるし、内容
液の空気に接する面積が小さくなり熱が上部に逃げ難く
これによっても保温力が高まる。
【0012】以上のような口部と満水位指標の位置およ
びその見やすさの関係から、突出面の突出量は、口部の
内径に比例して大きくするのが好適である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発
明の各特徴は可能な限りにおいて、それ単独で、あるい
は種々な組合せで複合して用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1〜図19
を参照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
【0021】本実施例は、家庭用の電気ポットの場合の
一例であり、ステンレス鋼製の真空二重容器を断熱容器
の外装ケースに収容した基本構成を有している。しか
し、本発明はこれに限定されることはなく、用途や断熱
容器の材質、構造、外装ケースの有無は自由に選択する
ことができる。もっとも、ステンレス鋼は金属の中で熱
伝導性が低く、かつ曲げ剛性、強度が十分であり、しか
も防錆効果を持つので、飲料用の電気貯湯容器には好適
である。
【0022】本実施例の電気ポットは図1に示すよう
に、ステンレス鋼製の内筒4と外筒5により構成される
金属製の真空二重容器3と、内筒4内の内容液を加熱す
るように真空二重容器3の非断熱部としての一重底部3
cに当てがったヒータ11とを備え、これらを合成樹脂
製の外装ケース2に収容して器体1を構成している。こ
のように真空二重容器3が曲げ剛性および強度共に高い
金属製であることにより壁厚および真空空間63の層が
小さくてよくスリムでありながらその材質と相まって高
い保温力を発揮することができる。しかし、真空二重容
器3はその胴部が外部に露出して器体1を構成するよう
にしてもよい。真空二重容器3の一重底部3cには内容
液を器体1外に吐出する吐出路25が接続され、この吐
出路25は真空二重容器3と外装ケース2との間を立ち
上がり、器体1の前部に吐出口25dが臨んでいる。吐
出路25の途中には電動ポンプ26が設けられ、内容液
を電動にて吐出できるようにしている。これに併せ、真
空二重容器3の口部3aに通じる器体1の開口12を開
閉できるように覆う蓋13に手動のベローズポンプ50
が設けられ、押圧板61による押圧操作で真空二重容器
3内に加圧空気を吹き込み内容液を加圧して吐出路25
を通じ押し出し外部に吐出させられるようにしている。
【0023】吐出路25の立上がり部25aは透明管と
してそこでの液量が器体1の図16に示す液量表示窓6
2から透視できるようにしている。しかし、内容液の液
量は立上がり部25aの液量をフォトカプラなどによっ
て段階的に検出して表示し、また各種の制御のための液
量データとして用いることもできる。また液量の自動検
出は静電容量方式によってもよいし、内容液をヒータ1
1で加熱するときの昇温特性や、ヒータ11の加熱を停
止したときの降温特性によっても液量を自動検出するこ
とができる。
【0024】ところで、真空二重容器3を持った電気ポ
ットにおいて沸騰した内容液をヒータ11による加熱な
しに放置したときの魔法瓶保温状態での保温特性は、図
17に線で示すように口部3aの内径Dの大きさにほ
ぼ反比例する。線は内容液の2時間後の降温幅を示
し、120mmでは5℃程度、145mmでは10℃程
度、180mmでは17℃程度となっている。
【0025】そこで、口部3aの内径Dを従来の145
mm未満に設定すると、本発明の目的である保温力の改
善を一応図ることができ、保温力増大の面からは口部3
aの内径Dを極力小さくするのが好適である。しかし、
それには制限がある。例えば真空二重容器3内を洗浄や
拭き取りなどのお手入れをすることを考えると、大人の
人の手、特にこぶしが入るにはD=80mm程度が限度
であり、D=100mm程度になると作業しやすく、D
=120mm程度を越えると作業が自由になる。これを
内径Dとお手入れ性の良し悪し性との関係を判定すると
図17の線で示すようになる。
【0026】また、蓋13のベローズポンプ50を収容
している部分を進入部13aとして図1、図2に示すよ
うに口部3a内に進入させることにより、真空二重容器
3内の空気を口部3a外からできるだけ遠ざけて熱が上
部へ逃げるのを抑え、かつ、ベローズポンプ50を収容
した蓋13が外方に大きく張り出さないようにできる
が、実用上差し支えない吐出流量を確保できる容量のベ
ローズポンプ50に対して、内径Dが120mmを下回
ると進入部13aを口部3aに進入させるのが勢い困難
になり、内径Dが100mmを切るとベローズポンプ5
0は口部3aの上にしか配置できないので、蓋13は外
方へ大きく張り出し電気ポットが大型化する原因にな
る。このような口部3aの内径Dと小型化に対する良し
悪し性との関係を評価すると図17に線で示すように
なる。
【0027】また、口部3aの内径Dが胴よりも小さく
なる部分は絞り加工により形成するが、口部3aの内径
が小さければ小さいほど絞り加工が困難で、複数部分に
切り離して加工した後溶接して一体にする必要が生じコ
スト上昇の原因になったり、絞り加工ができても割れな
どにより歩留まりや信頼性が低下したり、歩留まりや信
頼性は確保できても加工に時間が掛かってコスト上昇の
原因になったりする。例えば、JISのSUS304、
SUS436などの材料からなる内筒4につき、胴径1
80mmからの絞り加工にて口部3aの内径Dとして1
20mm以下を目指すと胴部と絞り部とを切り離して加
工する必要がある。このような内径Dと加工の難易によ
る良し悪し性との関係につき評価すると、図17に線
で示すようになる。
【0028】また、内筒4の内面にフッ素コーティング
や研磨処理などを施すのに、ガンやノズルなどの器具が
入らないといけないし、処理が均一であるためには器具
を自由に動かせることも必要である。従って、口部3a
の内径Dが小さいほど処理は困難になるし、処理できて
も時間が掛かったり均一に処理できないといった問題が
ある。また、フッ素コーティング前の内面をブラスト処
理して荒らしフッ素コート層の付着力を高める工程にお
いては、内筒4の内に吹き付けたブラスト材が内筒4外
に戻り難く作業性が悪くなる。例えば、口部3aの内径
Dが100mmを切るとコーティング材を吹き付けるガ
ンが内筒4内に入らなくなり、フッ素コーティングは不
可能になる。このような内径Dと内筒4の内面の加工や
処理の難易による良し悪し性との関係につき評価する
と、図17に線で示すようになる。
【0029】以上の線〜に示す保温特性および各種
良し悪し性との関係を総合判断すると、お手入れ性、小
型化性、絞り加工性・コスト性、および内筒4の内面の
加工・処理の容易性のいずれも満足できる限度となる1
20mmを内径Dの下限とするのが好適である。また、
内径D=140mmでは上記したように2時間後の降温
幅が8℃程度で、内容液温度は中温保温温度92℃程度
をまだ保っており、内径Dが145mmである従来の場
合の2時間後の降温幅が10℃程度、内容液温度が通常
保温温度90℃程度となるのに対して十分な保温力の向
上が見られ好適である。3Lの容量の電気ポットの場
合、従来年間6500円程度の節電になっていたのが、
内径D=140mmでは内容液が従来の場合と同じ実用
保温温度90℃程度になるまでヒータ11の通電を停止
したままにすると7000円強の節電になる。これは3
年で商品価額に達し元が取れることになる。
【0030】しかし、内径Dの上限を決める要素として
は前記実測データの各種特性の他に、公的な省エネ基
準、愛用者カードやインターネット情報などによるユー
ザの希望事項、エアコン、テレビ、冷蔵庫などの他の家
電製品との消費電力などとの比較、省エネ率など各種の
要素がある。
【0031】以上のように、保温力を高めるために口部
3aの内径Dを従来よりも小さくすると、図2に示すよ
うな真空二重容器3の上部に内容液によって、蓋13の
蒸気を外部に逃がす蒸気通路17が内容液によって塞が
れないための既述した安全空間100を残すための満水
位67に対応した満水位指標67aを、既述した従来の
ように真空二重容器3の胴部3bの内径面に設けるので
は、口部3aの内径Dが従来よりも小さくなる分、満水
位指標67aは口部3aの口縁から奥まっていき、外部
から見にくくなる。従って、使用の安全を図りにくい。
【0032】これに対応するのに本実施例では、満水位
67にて胴部2bの内径面よりも内側に突出した突出面
4nに満水位指標67aを表示してある。図示する例で
は部分的に突出させた突出面4nの一部に内側への浮き
出し線として刻印加工した満水位指標67aを形成して
ある。しかし、これの表示態様は線以外にも自由に選択
できるし、表示も外部に浮き出すように刻印加工した
り、塗装や印刷のような後付け方式によるものなどでも
よい。
【0033】このように満水位67に対応する満水位指
標67aが胴部2bの内径面、つまり内筒4の胴部内面
よりも内側に突出した突出面4nに設けられていること
により、口部3aの開口縁に対して奥まった胴部2bの
内径面から突出面4nが突出した量Hだけ口部3aの内
径面に近くなって外部から視認するのに絞り形状をした
口部3aに隠れ難く、口部3aを通じた外部からの図2
に示す視認範囲θが広がる。従って、口部3aの内径を
上記のように従来よりも小さくしても満水位指標67a
が外部から見にくくならず安全使用されやすいので、保
温力を高めるのに好適である。ここに、視認範囲θは満
水位指標67aの部分から口部3aの輪郭を経て外部に
延びる包絡線がなす領域である。
【0034】突出面4nの突出量Hは、図1、図2に示
す例や図16、図18に示す例のように口部3aの内径
と胴部3bの内径との差Sより小さい程度としたり、突
出面4nが口部3aの内径面に並ぶか図19に示す例の
ように口部3aの内径面からストレートに延びた状態に
したりすることができる。いずれにしても、突出量Hが
大きいほど視認範囲θが広がり満水位指標67aはより
見やすくなる。しかし、図2(a)(b)に示す例のよ
うな円周方向および縦方向のいずれにも部分的に内側に
浮き出し加工されたものでもよいし、図16、図18に
示す例や図19に示す例のように環状に連続して形成さ
れたものでもよい。
【0035】突出面4nが環状に連続していると、それ
を利用して満水位指標67aも環状に連続して設けた
り、断続的に多数個所に形成して、電気ポットの軸線ま
わりのどの方向からも見やすくすることができる。ま
た、環状な突出面4nは満水位67から口部3aの開口
端までの安全空間100の径が突出面4nの突出量H相
当分狭まるので、安全空間100が徒に大きくなって熱
が逃げやすくなるのを抑えることができる。
【0036】以上のような口部3aと満水位指標67a
の位置およびその見やすさの関係から、突出面4nの突
出量Hは、口部3aの前記内径120〜140mmとい
った大きさの違いに比例して大きくするのが好適といえ
る。
【0037】一方、器体1の前部の上面には操作パネル
32が設けられ、各種の設定や、この設定状態および動
作状態などの表示を行うようにされ、これを操作しまた
見る使用者の眼線の範囲は図2に示すほぼαの範囲が標
準となり、その延長線上約30〜40cm程度の位置ま
たはその近傍に位置している。また、蓋13を後方に開
いた状態の電気ポットはその内外の全貌を外観するのに
操作パネル32のある前部側に操作者が位置するのが最
適であるし、内容液を補給するにも電気ポットの前部に
位置して例えば利き手でケトルを持って側方から注ぐの
が蓋13に邪魔されずかつ操作パネル32を濡らさない
上で好適となるが、このような作業時の使用者の眼の標
準位置は操作パネル32を見るときの標準位置ないしは
それに近い位置になる。
【0038】そこで、真空二重容器3の内面の満水位6
7に設けられる満水位指標67aの位置を、この満水位
指標67aから真空二重容器3の口部3a輪郭を通して
外部に延びる最大視認範囲θ内に、器体1の前部上面に
設けられる操作パネル32を見る使用者の眼の位置を含
むように設定することも行う。このような条件は前記し
た各種の突出面4nに設けた満水位指標67aであれば
満足するのに好都合である。しかし、前記した各種の突
出面4nに満水位指標67aを設ける場合に限られるこ
とはなく、それらとともに、あるいはそれらとは別の条
件によって満足することもできる。
【0039】このようにすると、使用者の眼が満水位指
標67aから口部3aの輪郭を通して外部に延びる最大
視認範囲θ内に含まれる確率が高いし、外れても少し調
整すればよく、口部3aの内径の違いにかかわらず満水
位指標67aが見やすく、安全使用されやすいので、口
部3aの内径を種々に小さくして保温力を高めるのに好
適である。
【0040】また、上記の突出面が口部内径面からスト
レートに延びる場合を除いて、従って、図19に示す例
を除いた、図1、図2の例、図16、図18の例の場合
に、満水位から断熱容器の全容量の5%程度上方の位置
にて、口部の胴部内径面から絞り始められていると、満
水位上の安全空間が徒に大きくなって熱が上方に逃げや
すくなるのを抑えることができる。また、この場合、突
出面4n下端部が胴部2bの内径面に対してなす下向き
の段部200は、口部3aにおける絞り形状面4bより
も大きな傾斜角にしてある。これは図16に代表して示
しているように、絞り形状面4bは真空二重容器3の高
い位置にあり、最低視認線202の角度は、それより低
い位置にある段部200の最低視認線201よりも角度
が低く、最低視認線202よりも角度が少し大きければ
絞り形状面4bの汚れ等が外部から視認できるが、段部
200は最低視認線201の角度が絞り形状面4bのそ
れよりも大きい分だけ、絞り形状面4bよりも傾斜角を
大きくされることによって外部から汚れなどを視認する
ことができる。
【0041】さらに、図1に示すように真空二重容器3
の口部3aの外径が真空二重容器3を形成している外筒
5の胴径よりも小さければ、口部3aの内径が小さくな
ったことを利用して外径も小さくして、口部3aまわり
をかさ低くすることができ、器体1のさらなる小型化に
貢献する。本実施例では特に、真空二重容器3の口部3
aの外径が内筒4の胴径よりも小さい。これにより、口
部3aまわりをさらにかさ低くすることができる。
【0042】また、口部3aの外径を小さくする本実施
例において、さらに、真空二重容器3を形成している内
筒4の口部4aと外筒5の口部5aとの接合部64が、
図1〜図4に示すように真空二重容器3の口部3aにお
ける開口端の外径側に位置している。これにより、口部
3aの内径を外径とともに小さくする口部3aの絞り形
状を内筒4と外筒5とで分担し合って、内外筒4、5の
1つに絞り形状が集中しないので、加工しやすく材料面
および加工作業面にて有利でありコストの低減を図るこ
とができる。内外筒4、5ともJISのSUS304、
SUS436などを用いて問題なく製造することができ
る。
【0043】上記の口部3aの外径を小さくするのに併
せ、真空二重容器3の口部3aの外径と胴部3bの外径
との間の口部3aまわりにできる環状空間65を利用し
て、図1〜図3に示すように肩部材6と真空二重容器3
との取り付け部66を設けてある。これにより、金属製
の真空二重容器3の肩部3dに配して口部3aに通じる
器体1の開口12部まわりに必要な形状を与えやすい肩
部材6を取り付けるのに、肩部材6と真空二重容器3と
の取り付け部66を真空二重容器3の胴部外径と口部外
径との間の口部3aまわりにできる環状空間65を利用
して設けるので、取り付け部66のための特別な空間が
不要となり器体1がかさ張らないし、口部3aまわりに
スペースの余裕ができ、必要な取り付け強度やシール部
を持つなどかさ張りやすい取り付け部66を設けたり、
他の必要なものを併設したりするのに好適である。
【0044】図示する例では真空二重容器3の肩部3d
の円周方向数箇所に図1〜図3、図7に示すような取り
付け金具71を溶接などして設け、この取り付け金具7
1に肩部材6の内周にある取り付けフランジ6aを当て
がった上に、さらに金属製で断面L型のワッシャリング
75を当てがい、ワッシャリング75側から取り付け金
具71まで通したねじ72によりねじ止めしてある。こ
のねじ止めは肩部3dが水平であることにより取り付け
金具71および肩部材6ともに単純な形状にて達成する
ことができる。
【0045】肩部材6のねじ止め部は肩部材6の前記取
り付けフランジ6aを一体形成している内周面6bに嵌
め合わせた合成樹脂製の肩リング73により覆い隠すよ
うにしている。肩リング73は図14に示すように円周
方向数箇所に下方に延びるフック片73cを有し、これ
らフック片73cが図4に示すようにワッシャリング7
5および取り付けフランジ6aに形成した孔75a、6
dに上方から挿入され、その最終挿入位置で孔6dの開
口縁と弾性係合することにより外れ止めされている。肩
リング73は外周の溝73aに嵌め付けたシール部材7
4が肩部材6の内周面6bに圧着して双方間の隙間をシ
ールしている。また、肩リング73は図3、図4に示す
ように内周が真空二重容器3の口部3aにおける内筒4
および外筒5の接合部64に鉤状断面を持って被さり双
方間をそれらに挟み込んだシール部材77によりシール
している。シール部材77は内外筒4、5の接合部64
とされた口部4a、5aに内周側が嵌まり合っている。
【0046】また、図1、図2に示すように前記環状空
間65を利用して、口部3aに通じる器体1の開口12
を開閉する蓋13を器体1に開閉できるようにヒンジ連
結する連結部15を設けてある。このように、器体1の
連結部15を環状空間65を利用して設けることによ
り、蓋13をヒンジ連結する連結部15のための特別な
空間が不要となり器体1がかさ張らないし、口部3aま
わりのスペースに余裕ができ、蓋13を着脱するための
可動部であるストッパ68を持つなど複雑でかさ張りや
すい連結部15を設けたり、他の必要なものを併設する
のに好適である。複雑でかさ張る連結部のために従来図
20に示し、図15に仮想線で示すように器体1の外面
から突出していたのを、図15に実線で示すような胴部
2bから突出しない連結部15とすることが容易にで
き、外観のシンプル化も図れる。
【0047】図示する例では図2に示すようにストッパ
68はばね69により上方に向け付勢されて、連結部1
5におけるヒンジピン16との嵌まり合い凹部171の
横向き開放部171aを常時閉じている。これにより、
蓋13を口部3aおよび器体1の開口12から脱した開
き位置にしておいてヒンジピン16を凹部171から引
出すように移動させて取り外そうとしても、ヒンジピン
16はストッパ68に引っ掛かって凹部171から抜け
出せない。蓋13を外すにはストッパ68をその操作部
68aによりばね69に抗し下動させて凹部171の開
放部171aを開放する必要がある。これによって、蓋
13が不用意に外れるようなことを防止する。
【0048】また、蓋13は図2に示すように真空二重
容器3の口部3a内への進入部13aを有し、口部3a
は蓋13が開閉されるときに進入部13aが描く包絡線
78に対する最近接位置にあるようにしている。このよ
うに、蓋13の一部を進入部13aとして真空二重容器
3の口部3a内への進入を図ることによって、口部3a
から熱が逃げるのを邪魔して保温力を高めるのと同時
に、蒸気通路17や手動ポンプであるベローズポンプ5
0を収容するなどで蓋13に必要となる大きな容量を十
分に確保しながら器体1外部への膨らみを抑えられる。
しかも、真空二重容器3の前記のように内径を小さくし
た口部3aが、蓋13の開閉時に前記進入部13aの輪
郭が描く包絡線78の直近にあるので、蓋13の開閉を
邪魔しない限度一杯まで内径を小さくして熱をより逃げ
にくくすることができる。
【0049】しかも、蓋13の前記進入部13aの基部
まわりには蓋13と進入部13aに当てがった金属製の
内蓋121との間に挟み込んだシール部材122が設け
られ、口部3aの最内径部に圧接して口部3aを閉じて
いる。これにより、満水位と進入部13aとの間の蒸気
通路17の内側開口17aを内容液が閉じないための安
全空間に位置する空気が口部3aよりも外部へ大きく広
がって熱が逃げやすくなるのを防止するので、保温力が
向上する。
【0050】さらに、器体1が外装ケース2内に真空二
重容器3を収容されている構成では、真空二重容器3の
外回りに外装ケース2との間の空間79および外装ケー
ス2そのものによる2つの断熱層ができるので、さらに
保温力が向上する。本発明者等の実験によれば、内容液
を沸騰させた後ヒータ11の通電を絶ったまま2時間放
置した魔法瓶保温状態において、内容液の温度は95℃
程度の高温保温温度が得られた。そこで、実用に耐え得
る90℃程度の中温保温温度になるまで放置したところ
魔法瓶保温状態になってから2時間40分程度経過し
た。これは従来1年間に6500円程度の節電であった
のが7000円程度の節電になる。また、真空二重容器
3と外装ケース2との間の空間79を内容液の吐出手段
としての吐出路25および電動ポンプ26や、制御基板
27、電源基板などを収容するのに好適である。
【0051】また、前記電動ポンプ26およびベローズ
ポンプ50などの手動ポンプの少なくとも一方を備えて
いると、電気貯湯容器を定置したまま内容液を吐出して
使用することができ、近時大型化し持ち上げ難くなって
いる大型タイプのものに好適である。特に手動ポンプを
備えているとヒータ11で加熱しない保温状態での使用
時に通電なしに定置したままでの内容液の吐出ができ、
省エネルギーや電源のないところでの使用に好適であ
る。
【0052】さらに詳述すると、図2に示すように、内
筒4は胴部4mにおける満水位ライン67の少し上から
斜め内側に立ち上がる絞り形状面4bにて前記小径な口
部3aに繋がり、ここから口部3aのストレートな内径
面4cを形成した後、やや斜め上向きとなる口部3aの
開口端面3a1を形成して前記外筒5との溶接接合部6
4に達している。外筒5は胴部5mにおける前記内筒4
の絞り形状面4bの立上がり始点にほぼ対応した位置か
ら絞り形状面4bよりは緩やかに内側斜めに立ち上がる
絞り形状面5bを形成した後、絞り形状面4bの立上が
り終点にほぼ対応した位置の水平な肩部3dに繋がり、
ここからストレートに立ち上がって内筒4との溶接接合
部64に達している。
【0053】また、内筒4は図9に示すように胴部4m
下端に少しの内向きフランジ4eを形成し、これを円形
な底板81との溶接接合部80を持った一体化により容
器形状にしている。こうして形成される容器形状をした
内筒4の底部には、外周側から中央側に向け水平部4
f、緩やかな下り傾斜部4g、水平部4h、急な下り傾
斜部4i、中央水平部4jを形成している。一方、外筒
5は図10に示すように胴部5m下端に内向きのフラン
ジ5cを形成し、これにフランジ5c部から内筒4の中
央水平部4jの外周部まで延びる水平な底リング5dと
を溶接接合部90をもって一体化するとともに、底リン
グ5dの内周を内筒4の中央水平部4jとの溶接接合部
80をもって一体化している。底リング5dには2つの
環状の補強ビード5gが折り曲げ形成され、図1、図1
3に示すように内側の補強ビード5gが内筒4の急な下
り傾斜部4iと係合し合うことによって、底リング5d
と中央水平部4jとの溶接接合時に、内外筒4、5の底
部どうしの位置決めができるようにしている。
【0054】以上の結果、外筒5の底リング5dと内筒
4の底部との間に胴部からの空間のまわり込み部が形成
される。つまり真空空間63が形成されたときは真空空
間63の回り込み部63aとなる。内筒4の中央水平部
4jは外筒5の底リング5dとの溶接接合部80から内
側が一重底部3cとなりここにヒータ11を当てがうこ
とで内筒4内に入れた内容液を効率よく加熱することが
できるが、本実施例では中央水平部4jのヒータ11を
当てがう部分を上方へ窪ませた下向きの凹部3eとして
あり、この凹部3eの深さ分だけヒータ11の位置が内
容液側に突出するし、ヒータ11の設置域の内容液との
接触面積が多くなって加熱効率が向上する。
【0055】この凹部3eによる内筒4内への突出部と
回り込み部63aとの間に上向きの凹部84が環状に形
成されており、吐出路25を通じて吐出される内容液が
その凹部84内に幾分残されるように吐出路25の流入
端25eを適度に突出させてある。これによって、流入
端25eが内筒4内に突出している分だけ内容液が吐出
されずに残り、空焚き防止になる。図1〜図15に示す
実施例では吐出路25の流入端25eは前記凹部84の
広くした拡張部84aに接続している。拡張部84aは
図5に示すように円形な凹部3eを偏心させて形成する
と、ヒータ11の面積が小さくならないので、加熱効率
が低下することはない。また、拡張部84aは図6に実
線や仮想線で示すように円形な凹部3eの一部を切り欠
いて形成してもよく、この場合、ヒータ11の面積が切
り欠き分だけ小さくなる。しかし、その割合は少ない。
【0056】一重底部3cに当てがったヒータ11の背
部には、金属製の遮熱板87が設けられ、真空二重容器
3の真空空間まわり込み部と凹部3eの外面に溶接など
して円周方向数箇所に取り付けた図1、図8、図13に
示すような取り付け金具88にねじ89によりねじ止め
し、遮熱板87とヒータ11との間に金属製のバックア
ップ板92およびばね部材91を挟み込み、ばね部材9
1によってヒータ11を一重底部3cに押し付け密着さ
せている。また、ヒータ11の当てがい部および、凹部
84の底部に前記溶接接合部となる内外筒4、5が接し
合った二重構造部が位置している。なお、この底部の取
り付け金具88と肩部の前記取り付け金具71とは同一
のものを採用している。
【0057】また、外筒5は前記絞り形状面5bの部分
から肩部3dを経て内筒4との接合部64に至る口部5
aの範囲を胴部側と独立した別部材83とし、胴部側と
外向きフランジ5e、5f間に溶接接合部85を設けて
いる。この別部材83の溶接接合を最後に行うことによ
り、容器形状の内筒4と別部材83のない外筒5部分と
を嵌め合わせて底部の溶接接合を行って後、別部材83
の溶接接合を行うことによって、内外筒4、5の双方に
絞り形状面4b、5bを持った内外筒4、5を組み合わ
せた二重容器構造が実現する。なお、内筒4の絞り形状
部も別部材にしてもよいのは勿論である。
【0058】内外筒4、5間の真空空間63は、溶接接
合をし終えた内外筒4、5において、図8に示すように
肩部3dの一部に形成された図11に示す真空引き孔1
01を通じ真空排気して封口材により封口処理すること
によって形成される。真空排気は真空状態の加熱炉内に
て行われる。真空空間63内には図12に示すようなゲ
ッタ102が1つまたはそれ以上設けられ、真空空間6
3内で経時的に発生するガスを吸収して真空空間63の
真空度が低下しないようにする。
【0059】蓋13は真空二重容器3からの蒸気を外部
に逃がす蒸気通路17が形成され、蓋13の真空二重容
器3内に面する位置の内側開口17aと、外部に露出す
る外面に形成された外側開口17bとの間で通じてい
る。蒸気通路17の途中には、器体1が横転して内容液
が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂
回させて、外側開口17bに至るのを遅らせる安全経路
17cを設けてある。これにより、器体1が横転して内
容液が蒸気通路17を通じて外部に流出するまでに器体
1を起こすなどの処置ができるようになる。また、蒸気
通路17には器体1の横転時に、蒸気通路17に進入し
ようとし、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止
するように自重などで働く転倒時止水弁18が適所に設
けられている。図示する実施例では内側開口17aの直
ぐ内側の一か所に設けてある。
【0060】蓋13の前部には閉じ位置で肩部材6側の
係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロ
ック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係
止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によ
ってロック位置に常時突出するようにしている。これに
対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記
ロックを解除するロック解除部材23が設けられてい
る。ロック解除部材23は図1に示すように軸24によ
って蓋13に枢支されたレバータイプのものとされ、前
端23aを親指などで押し下げて反時計回りに回動させ
ることでロック部材21をばね22に抗して後退させて
ロックを解除し、続いてロック解除操作で起き上がった
後端23bを他の指で引き上げることによりロックを解
除された蓋13を持ち上げこれを開くことができる。
【0061】電動ポンプ26は遠心ポンプであって真空
二重容器3の直ぐ下の位置に設けられ、真空二重容器3
内から流れ込む内容液を吐出路25を通じて器体1外に
臨む吐出口25dに向け送りだし、吐出口25dから外
部に吐出させ使用に供する。
【0062】外装ケース2の底2aと真空二重容器3の
底部との間の空間には、前記電動ポンプ26とともに、
ヒータ11や電動ポンプ26を通電制御する制御基板2
7を収容する回路ボックス28が設置されている。図示
する実施例では回路ボックス28は外装ケース2の底の
開口部に一体形成して設けてある。また、回路ボックス
28は下向きに開口しこれを閉じる蓋160を設けてあ
る。真空二重容器3の一重の底部3cの中央には温度セ
ンサ29が下方から当てがわれ、内容液のその時々の温
度を検出して、湯沸しや保温モードで内容液を加熱制御
する場合の温度情報を得る。
【0063】器体1の肩部材6の前部に嘴状に突出する
突出部31の上面には操作パネル32が設けられ、モー
ド設定などの操作部や、操作に対応する表示、あるいは
動作状態を示す表示を行うようにしてある。操作パネル
32の下方、つまり内側には前記操作および表示に対応
する信号の授受および動作を行う操作基板33が設けら
れて操作パネル32と協働して外部からの操作や外部へ
の表示が行えるようにする。吐出路25の上部は器体1
の突出部31と外装ケース2側のパイプカバー部2dと
の間に入った部分で逆U字状のユニット25cを構成
し、このユニット25cに転倒時止水弁134aおよび
前傾時止水弁134bと吐出口25dを設けている。吐
出口25dはパイプカバー部2dを通じて下向きに外部
に開口している。
【0064】外装ケース2の底2aにある開口2cには
下方から蓋板36を当てがってねじ止めや部分的な係合
により取付け、蓋板36の外周部には回転座環37が回
転できるように支持して設けられ、器体1がテーブル面
などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転し
て向きを変えられるようにしてある。
【0065】制御基板27は電源オンによって内容液の
衛生上やカルキ臭除去などの面から一旦沸騰させ、ある
いは、さらに沸騰を持続させるなどのカルキ除去を行っ
て後、温度センサ29による検知温度が所定の保温温度
になるまでヒータ11の加熱を停止し、所定の保温温度
になればヒータ11による断続加熱や通電容量の小さな
加熱によって所定の保温温度を保つようにする。
【0066】保温温度は操作パネル32の操作にて選択
でき、コーヒーや紅茶、緑茶などには即時に間に合い、
あるいは瞬時に再沸騰させてから使用できる98℃程度
の高温保温、それより若干低い90℃程度の保温、玉露
や赤ちゃんのミルク溶きに適当な60℃程度の保温など
が選択対象になっている。また、内容液を沸騰させた後
ヒータ11による加熱を行わずに保温を行う魔法瓶保温
モードも持っている。一方、内容液を電動ポンプ26で
注出したり、内容液が帰宅時や起床時など所定の時点で
湯沸しが終了し、あるいは所定の保温状態になっている
ようにタイマ設定を行うお休みタイマモード、即席めん
や冷凍食品の再生時間などのクッキング時間をカウント
して知らせるキッチンタイマ、内容液の不用意な注出を
防止するための注出ロックモード、などを選択設定する
ことも行われる。さらに、それら設定状態を解除する解
除操作も行われたりもする。
【0067】また、前記狭い突出部31内に吐出路25
のユニット25cと共に設置されるなどしても、前記真
空二重容器3の口部3aまわりの環状空間65を利用し
て真空二重容器3の側に大きく逃がせるので、操作パネ
ル32の内側にある操作基板33やそれを収容している
基板ボックス34などと干渉し合うのを防止しやすく、
突出部31の薄型化、小型化も図れる。また、操作パネ
ル32も口部3aの外径が小さくなった分だけ器体1の
開口12の径も小さくなるので、従来と同じ突出度の突
出部31の先端から開口12までの距離が大きくなり、
操作パネル32の面積が大きくなり、各種の操作キーや
表示部を設けるのに見やすくかつ操作しやすくなるので
好適であり多機能化にも対応しやすい。また、大きな液
晶表示部38aが設けられる利点もある。
【0068】なお、図16に示す例は、ヒータ11を当
てがう凹部3eが胴部2bと同心的に形成され、これら
に凹部84も同心的で部分的な拡張部を有していないこ
とにより、吐出路25の流入端25eは凹部3eの天井
壁に接続して空焚き防止が図れるようにしている。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、口部内径が胴部内径よ
りも断熱容器により高い保温力を発揮するとともに、ヒ
ータが非断熱底部にて内容液を加熱するので熱効率よく
加熱することができる上、満水位に対応する満水位指標
が胴部内径面よりも内側に突出した突出面に設けられて
いるので、口部の開口に対して奥まった胴部内径面から
突出面が突出した量だけ口部の内径面に近くなって外部
から視認するのに絞り形状をした口部に隠れ難く、口部
を通じた外部からの視認範囲が広がる。これにより、口
部の内径を従来よりも小さくしても満水位指標が外部か
ら見にくくならず安全使用されやすいので、保温力を高
めるのに好適である。
【0070】突出面の突出量は、口部内径と胴部内径と
の差より小さい程度としたり、突出面が口部の内径面に
並ぶかそこからストレートに延びた状態にしたりするこ
とができ、突出量が大きいほど視認範囲が広がりより見
やすくなる。また、突出面は断熱容器の内面まわり一部
に設けられても、環状に設けられてもよいが、環状に設
けられると満水位から口部開口端までの安全空間の径が
突出面の突出量相当分狭まり、安全空間が徒に大きくな
って熱が逃げやすくなるのを抑えることができるし、内
容液が空気に接する面積が小さくなり熱が上部に逃げ難
くこれによっても保温力が高まる。
【0071】以上のような口部と満水位指標の位置およ
びその見やすさの関係から、突出面の突出量は、口部の
内径に比例して大きくするのが好適である。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空二重容器を持った電気ポット
の1つの実施例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの真空二重容器の口部まわり
を示す、その(a)は断面図、その(b)は満水位指標
部の正面図である。
【図3】図1の電気ポットの真空二重容器の口部まわり
の肩部材取り付け部を示す断面図である。
【図4】図1の電気ポットの真空二重容器の口部まわり
の肩部材取り付け部を示す別の位置での断面図である。
【図5】図1の電気ポットにおける吐出路接続状態の1
つの例を示す横断面図である。
【図6】図1の電気ポットにおける吐出路接続状態の別
の例を示す横断面図である。
【図7】図1の電気ポットにおける真空二重容器の半部
を示す平面図である。
【図8】図1の電気ポットにおける真空二重容器の半部
を示す下面図である。
【図9】図1の電気ポットにおける真空二重容器を構成
する内筒の底部を示す一部の断面図である。
【図10】図1の電気ポットにおける真空二重容器を構
成する外筒の底部を示す一部の断面図である。
【図11】図1の電気ポットにおける真空二重容器の口
部を示す一部の断面図である。
【図12】図1の電気ポットにおける真空二重容器の口
部を示す別の位置での一部の断面図である。
【図13】図1の電気ポットにおける真空二重容器の底
部の全体を示す断面図である。
【図14】図1の電気ポットにおける肩部材のねじ止め
部を覆う肩リングの断面図である。
【図15】図1の電気ポットの外観斜視図である。
【図16】図1の電気ポットにおける真空二重容器の別
の例を示す断面図である。
【図17】真空二重容器の口部の開口径と各種の面から
見た良し悪し性との関係を示すグラフである。
【図18】上記とは別の例の満水位指標を持った電気ポ
ットの真空二重容器を示す一部の断面図である。
【図19】上記とはさらに別の満水位指標を持った電気
ポットの真空二重容器を示す一部の断面図である。
【図20】従来の真空二重容器を持った電気ポットの断
面図である。
【符号の説明】
1 器体 2 外装ケース 2b 胴部 3 真空二重容器 3a 口部 3b 胴部 3c 一重底部 4 内筒 4b 絞り形状面 4n 突出面 5 外筒 11 ヒータ 12 開口 13 蓋 32 操作パネル 63 真空空間 67 満水位 67a 満水位指標 θ 視認範囲(満水位指標に対する) α 視認範囲(操作パネルに対する)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 器体に断熱容器を持ち、この断熱容器の
    非断熱底部に外部からヒータを当てがい、断熱容器に口
    部内径が胴部内径よりも小さい絞り形状の口部を形成し
    た断熱容器を持った電気貯湯容器において、 満水位にて胴部内径面よりも内側に突出した突出面に満
    水位指標を表示したことを特徴とする断熱容器を持った
    電気貯湯容器。
  2. 【請求項2】 突出面の突出量は、口部内径と胴部内径
    との差より小さい請求項1に記載の断熱容器を持った電
    気貯湯容器。
  3. 【請求項3】 突出面は口部の内径面からストレートに
    延びている請求項1に記載の断熱容器を持った電気貯湯
    容器。
  4. 【請求項4】 突出面は環状である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の断熱容器を持った電気貯湯容器。
  5. 【請求項5】 突出面の突出量は、口部の内径に比例し
    て大きくする請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱
    容器を持った電気貯湯容器。
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