JP3513804B2 - グレビテイヒンジ - Google Patents

グレビテイヒンジ

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JP3513804B2 JP2000054789A JP2000054789A JP3513804B2 JP 3513804 B2 JP3513804 B2 JP 3513804B2 JP 2000054789 A JP2000054789 A JP 2000054789A JP 2000054789 A JP2000054789 A JP 2000054789A JP 3513804 B2 JP3513804 B2 JP 3513804B2
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    • E05F1/00Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass
    • E05F1/02Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass gravity-actuated, e.g. by use of counterweights
    • E05F1/04Closers or openers for wings, not otherwise provided for in this subclass gravity-actuated, e.g. by use of counterweights for wings which lift during movement, operated by their own weight
    • E05F1/06Mechanisms in the shape of hinges or pivots, operated by the weight of the wing
    • E05F1/061Mechanisms in the shape of hinges or pivots, operated by the weight of the wing with cams or helical tracks
    • E05F1/063Mechanisms in the shape of hinges or pivots, operated by the weight of the wing with cams or helical tracks with complementary, substantially identical and slidingly cooperating cam surfaces

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉扉類に用いら
れるグレビテイヒンジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】グレビテイヒンジはヒンジを軸として回
動により開閉する扉を自由状態で一定方向に向けて維持
可能で、例えば実公昭62−31575号公報に記載の
ものは、扉の下部支持金具と下部受け金具の各当接面を
シングルの山形カム部を扉の自重で重ね合わせて扉を常
時開又は常時閉に保持可能としている。又実開昭60−
40780号公報に記載のものは、扉の下部支持金具と
下部受け金具の各当接面をX字状に交差するように形成
されたダブルの山形カム部を用いて扉を常時開又は常時
閉に保持可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したシングル及び
ダブルの山形カム部を用いたグレビテイヒンジは、簡易
な構造で扉の開閉の円滑化、速度アップ、閉止の確実な
維持等が計れる利点があり普及されているものの、扉の
開閉回数が5万回を超えてくると摩耗により開閉が重く
なり性能が低下するという課題があり、又耐荷重を増す
ためにカム部を肉厚にするとスライド面が増大して開閉
が重くなるという課題があった。本発明は、開閉扉に装
着して該扉の開閉回数を飛躍的に向上させ、耐久性を増
大させることのできる簡易な構造のグレビテイヒンジを
得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の発明にあっては、開閉扉回りの固定部材
側下方に取付けられる下部支持具と該下部支持具に回動
可能に嵌合され扉下隅部に取付けられる下部枢着具とを
有するグレビテイヒンジにおいて、前記下部支持具は水
平基板と垂直基板と該水平基板の前部に立設された軸と
最も高い頂部から左右に振分けて最も低い谷部まで連続
する勾配にとられた対称形の傾斜カム面をもち少なくと
も該傾斜カム面周り外側を円筒状に形成した下側カム部
とを有し、前記下部枢着具は板状の取付板と該取付板の
端部上方に突設され下端側より筒状開口部をもった嵌挿
筒と該嵌挿筒内に固着され最も低い底部から左右に振分
けて最も高い頭部まで連続する勾配にとられた対称形の
前記下側カム部の傾斜カム面と上下逆向き形状の傾斜カ
ム面をもち少なくとも該傾斜カム面周り外側を円筒状に
形成した上側カム部とを有し、前記下側カム部及び上側
カム部に穿設された中心孔と前記嵌挿筒開口部に前記軸
が挿通され、前記上側カム部において上端面より前記傾
斜カム面の底部から頭部に至る中間位置に向けて一対の
油孔が貫通され、前記扉回動により前記上側カム部の傾
斜カム面底部近傍が前記下側カム部の傾斜カム面に接触
移動するグレビテイヒンジにより解決した。請求項2の
発明にあっては、下側カム部及び上側カム部の傾斜カム
面がそれぞれ位相を180度ずらして内層及び外層に配
設され、前記上側カム部において上端面より前記内層及
び外層の傾斜カム面の底部から頭部に至る中間位置に向
けて各一対の油孔が貫通され、前記扉回動によって前記
上側カム部の内層及び外層の各傾斜カム面底部近傍が
各下側カム部の傾斜カム面にそれぞれ接触移動する請
求項1に記載のグレビテイヒンジとすることができる。
請求項3の発明にあっては、上側カム部上端の油孔入口
及び/又は上側カム部下端の傾斜カム面の油孔出口に連
結された油溜めが設けられている請求項1又は2に記載
のグレビテイヒンジとするのが好ましい。請求項4の発
明にあっては、油溜めが平面視において略扇形で上向き
又は下向き凹状とされている請求項3に記載のグレビテ
イヒンジとすることができる。請求項5の発明にあって
は、嵌挿筒上端面に上側カム部上端の油溜めに注油可能
な注油孔が穿設されている請求項3又は4に記載のグレ
ビテイヒンジとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き以下詳細に説明する。図1は、本発明のグレビテイヒ
ンジを装着した扉の一例で、(a)開閉状態を説明する
概略説明図、(b)上部部材の一例の概略説明図であ
る。図2は、本発明のダブル山形のグレビテイヒンジの
一例で、(a)各要素を分解して示す斜視図、(b)上
側カム部の正面略図、(c)上側カム部を上下転倒した
斜視図、(d)上側カム部の平面図である。図3は、図
2のグレビテイヒンジの作動状態を示し、各上段は上側
カム部及び下側カム部の組付け状態、各下段は上側カム
部及び下側カム部の離隔状態の概略説明図で、それぞれ
扉の(a)閉止位置、(b)90度回転位置、(c)1
80度回転位置を示す。図4は、本発明のシングル山形
のグレビテイヒンジの一例で、(a)各要素を分解して
示す斜視図、(b)上側カム部を上下転倒した斜視図で
ある。図5は、図4のグレビテイヒンジの作動状態を示
す概略説明図で、それぞれ扉の(a)90度回転位置、
(b)180度回転位置を示す。以下において、説明の
便宜上扉の大部分が移動軌跡を占める側を外側とし、そ
の反対側を内側とし、扉が前閉時に外側より内側に向か
って左右、前後、上下として説明する。本発明のグレビ
テイヒンジは、従来品と同様に図1(a)に示す通り扉
Bに取付けて用いられる。扉Bは竪枠A、A及び横
枠Aよりなる固定部材Aに囲まれた空間に装着され
る。ここで、上部部材として固定部材Aの竪枠A側上
方に取付ける上部支持具1と該上部支持具1に回動可能
に嵌合され扉B上隅部に取付けられる上部枢着具2と、
下部部材として固定部材Aの竪枠A側下方に取付けら
れる下部支持具3と該下部支持具3に回動可能に嵌合さ
れ扉B下隅部に取付けられる下部枢着具4とからなり、
上部部材は従来ピボット式蝶番又はピボットヒンジと呼
ばれ、下部部材にグレビテイヒンジが取付けて用いられ
る。以下においてダブル山形の傾斜面を用いたグレビテ
イヒンジをグレビテイヒンジW、シングル山形の傾斜面
を用いたをグレビテイヒンジをグレビテイヒンジSとし
て説明する。
【0006】先ずグレビテイヒンジWの構成を図2、
3、を参照して説明する。グレビテイヒンジWは、下部
支持具3、下部枢着具4、下側カム部5及び上側カム部
6を有している。図2(a)を参照して、下部支持具3
は、板状の水平基板32と垂直基板31とでL字形を形
成し、水平基板32の前部に立設された直径Dの断面円
形の軸33とを有し、垂直基板31には全体適所に複数
個の取付孔31aが、水平基板32には軸33を固着す
る1個の取付孔(図示省略)がそれぞれ穿設され、軸3
3の下端部に設けられた軸径より僅かに大きい円に内接
する多角形(本例では六角形)の縁部33aが水平基板
32の表面に接して配設されている。下部枢着具4は、
水平板状の取付板41と、取付板41の端部に上方に突
設され下端側より円筒状の開口部をもった嵌挿筒42と
を有し、取付板41には全体適所に複数個の取付孔41
aが、嵌挿筒42の上端面には長円形状で両側の円弧部
の対向位置に方形の溝が刻まれた開口部42a及び該開
口部42aの直線部外の対向位置に円形の一対の開口部
42bがそれぞれ穿設されている。又嵌挿筒42の上端
面には、後述する油溜め75に潤滑油を注油するための
4個の注油孔42cが設けられているが、これは選択的
構成で当初セット時から後で潤滑油を補給しない場合に
は不要である。下側カム部5は、外層の下端面がフラッ
トで上端面に傾斜カム面52、52をもった円筒状体5
1と、円筒状体51の内層に下端面がフラットで上端面
に傾斜カム面56、56をもち軸芯部に軸33の縁部3
3aが嵌着可能な多角形の中心孔57を有する円筒状体
55とが固着されて形成されている。外層の傾斜カム面
52、52は対称形で最も高い頂部54から左右に振分
けて最も低い谷部53まで連続するなだらかな通常直線
勾配にとられ、頂部54は直線の稜線にとられ谷部53
は上向き溝(開口側上向き、以下同じ)とされている。
又内層の傾斜カム面56、56は対称形で最も高い頂部
58から左右に振分けて最も低い谷部59まで連続する
なだらかな通常直線勾配にとられ、頂部58は直線の稜
線にとられ谷部59は上向き溝とされ、傾斜カム面5
2、52と傾斜カム面56、56とは位相が180度ず
れて配設されている。ここで谷部53、59は、下側カ
ム部5の取付け位置の精度、変形及び摩耗等による影響
を防ぐ逃げのために設けられている。上側カム部6は、
図2(b)、(c)、(d)も参照して、上部は外層の
上端面が略フラットで下端面に傾斜カム面62、62を
もった円筒状体61と、円筒状体61の内層に上端面が
略フラットで下端面に傾斜カム面66、66をもち軸芯
側が軸33と摺動可能な直径dの円形中心孔67を有す
る円筒状体65とが固着されて形成されている。外層の
傾斜カム面62、62は対称形で最も低い底部64から
左右に振分けて最も高い頭部63まで連続するなだらか
な通常直線勾配にとられ、底部64は境界が直線に頭部
63は下向き溝(開口側下向き、以下同じ)とされてい
る。又内層の傾斜カム面66、66は対称形で最も低い
底部68から左右に振分けて最も高い頭部69まで連続
するなだらかな直線勾配にとられ、底部68は境界が直
線に頭部69は下向き溝とされ、傾斜カム面62、62
と傾斜カム面66、66とは位相が180度ずれて配設
されている。傾斜カム面62、62の底部64から頭部
63に至る中間位置に下向き凹状の一対の底部油溜め6
2aが、傾斜カム面66、66の底部68から頭部69
に至る中間位置に下向き凹状の一対の底部油溜め66a
がそれぞれ配設されている。ここで頭部63、69は、
上側カム部6の取付け位置の精度、変形及び摩耗等によ
る影響を防ぐ逃げのために設けられている。下側カム部
5の外層の傾斜カム面52、52と上側カム部6の外層
の傾斜カム面62、62のカム線図は通常直線状で上下
逆向き形状にとられている。又下側カム部5の内層の傾
斜カム面56、56と上側カム部6の内層の傾斜カム面
66、66とのカム線図も同様に通常直線状で上下逆向
き形状にとられている。上側カム部6の円筒状体61の
上端部側面に円周状の小溝71及び円筒状のフランジ部
70が形成され、フランジ部70の上端面には軸芯部の
直径dの円形中心孔74の回りに前記下部枢着具4の開
口部42a、42bを雌部としこれらに嵌着可能な雄部
として長円形で円弧部の両側対向位置に方形の張出しを
もった突出部73及び該突出部73の直線部外の対向位
置に円形の一対の突起部72が設けられている。更にフ
ランジ部70の上端面には突出部73及び突起部72と
円形のフランジ部70外周との間に正面視において略扇
形で上向き凹状(開口側が上向き)の4個の頂部油溜め
75が中心孔74の回りに略対称形に配設され、一方側
の一対の頂部油溜め75の外周寄りに一対の油孔75a
が、他方側の一対の頂部油溜め75の中心孔74寄りに
一対の油孔75bが下方に向けて貫通され、前記一対の
底部油溜め62aと一対の頂部油孔75aが、又一対の
底部油溜め66aと一対の頂部油孔75bとがそれぞれ
連通されている。
【0007】図1によりグレビテイヒンジWの組立てに
ついて説明する。図1(a)はグレビテイヒンジSを装
着した例であるが、下部支持具3及び下部枢着具4は共
通であり、グレビテイヒンジSをグレビテイヒンジWに
置換えて説明する。固定部材Aの竪枠A下方に下部支
持具3の垂直基板31の取付孔31aに例えば木ねじ等
の固着具を通し螺合して固着し、水平基板32に立設さ
れた軸33に下側カム部5の中心孔57を挿通して縁部
33aに嵌着せしめるが、縁部33a及び中心孔57が
多角形であるので下側カム部5は軸33に対し上下には
移動可能であるが軸芯回りの回動は不能の状態におか
れ、外層傾斜カム面52、52及び内層傾斜カム面5
6、56は上側が開放状態におかれる。別に予め下部枢
着具4の嵌挿筒42に上側カム部6の突出部73及び突
起部72に下部枢着具4の開口部42a及び42bを嵌
着しておき、上側カム部6の外層傾斜カム面62、62
及び内層傾斜カム面66、66を下側開放状態において
下部支持具3が装着され中心孔57から突出している軸
33に中心孔67、74を挿着し、外層傾斜カム面6
2、62と52、52及び内層傾斜カム面66、66と
56、56とがそれぞれ向合って接触状態におかれてセ
ットされ、扉B下端隅部に予め穿設された円筒状孔に嵌
挿筒42を嵌着して、下部枢着具4の取付板41の取付
孔41aに例えば木ねじ等の固着具を通し扉B下端隅部
に螺合して固着する。
【0008】次に、グレビテイヒンジSの構成を図4を
参照して説明する。グレビテイヒンジSは、下部支持具
3、下部枢着具4、下側カム部8及び上側カム部9を有
している。下部支持具3及び下部枢着具4(図示省略)
は前記グレビテイヒンジWと実質的同じ構成であり、詳
細説明は省略する。下側カム部8は、図4(a)を参照
して、下端面がフラットで上端面に傾斜カム面82、8
2をもった円筒状体81と、円筒状体81の軸芯部に軸
33の縁部33aが嵌着可能な多角形の中心孔85を有
し、傾斜カム面82、82は対称形で最も高い頂部84
から左右に振分けて最も低い谷部83まで連続するなだ
らかな通常直線勾配にとられ、頂部84は直線の稜線に
とられ谷部83は上向き溝とされいる。上側カム部9
は、図4(a)(b)を参照して、上端面がフラットで
下端面に傾斜カム面92、92をもった円筒状体91
と、円筒状体91の軸芯部が軸33と摺動可能な直径d
の円形中心孔95を有し、傾斜カム面92、92は対称
形で最も低い底部94から左右に振分けて最も高い頭部
93まで連続するなだらかな直線勾配にとられ、底部9
4は境界が直線に頭部93は下向きの溝とされている。
傾斜カム面92、92の底部94から頭部93に至る中
間位置に下向き凹状の一対の底部油溜め92aが配設さ
れている。下側カム部8の傾斜カム面82、82と上側
カム部9の傾斜カム面92、92のカム線図は通常直線
状で上下逆向き形状にとられている。上側カム部9の円
筒状体91の上端面には軸芯部の直径dの円形中心孔9
5の回りに正面視において略扇形で下向き凹状の頂部油
溜め96一対が略対称形に配設され、頂部油溜め96か
ら一対の油孔96bが下方に向けて貫通され、油孔96
bによって各一対の底部油溜め92aと頂部油溜め96
とがそれぞれ連通されている。図示省略するが選択的構
成として、下部枢着具4の嵌挿筒上端面に上側カム部9
上端の油溜め96に注油可能な一対の注油孔を穿設して
もよい。
【0009】図1によりグレビテイヒンジSの組立てに
ついて説明する。前記グレビテイヒンジWの組立てと同
様に、固定部材Aの竪枠A下方に下部支持具3を固着
し、水平基板32に立設された軸33に下側カム部8の
中心孔85を挿通して縁部33aに嵌着せしめ、下側カ
ム部8は軸33に対し上下には移動可能であるが軸芯回
りの回動は不能の状態におかれ、傾斜カム面82、82
は上側が開放状態におかれる。別に予め下部枢着具4に
上側カム部9を固着しておき、上側カム部9の傾斜カム
面92、92を下側開放状態において下部支持具3が装
着され中心孔85から突出している軸33に中心孔95
を挿着し、傾斜カム面82、82と92、92とが向合
って接触状態におかれてセットされ、下部枢着具4は扉
B下端隅部に螺固着される。
【0010】前記した頂部油溜め75、96は必須構成
要素ではないが、これを設けることにより比較的高粘度
の潤滑油例えばグリス等を当初の組付け時に纏めて貯溜
できるので、扉の開閉動作中徐々に滴下して開閉回数を
飛躍的に向上することが可能となるので好ましい。又底
部油溜め62a、66a、92aも必須構成要素ではな
いが、これを設けることによりに潤滑油の保有量を確保
でき塵埃等によって油孔75a、75b、96bの出口
が閉塞するのを効果的に防止可能となるので好ましい。
各油溜めは正面視又は底面視でいずれも略扇形をした凹
状とされているが、必ずしもこの形状に限定されず、対
応する油孔より広がりをもった形状で比較的高粘度の潤
滑油が貯溜可能な形状であればよい。油孔75a、75
b及び底部油溜め62a、66aはそれぞれ各カム部の
傾斜カム面62、66の底部64、68から頭部63、
69に至る中間位置に設けられ、油孔96b及び底部油
溜め92aは傾斜カム面92の底部94から頭部93に
至る中間位置に設けられているが、この位置は底部又は
頭部近接位置に設けると耐荷重を損なうことになるの
で不適であるが、そうでなければ厳密なものでなく中間
位置であればよいが、通常ほぼ中点とするのが潤滑油が
万遍なく行渡るので特に好ましい。
【0011】前記したグレビテイヒンジWの変形例とし
て、図示省略するが、下部枢着具4の嵌挿筒42を外形
を円筒形でなく方形とし該嵌挿筒下端よりの開口部も同
様に方形筒状とし、嵌挿筒の開口部に合わせて上側カム
部6は外層の上部を外形方形とし下部の傾斜カム面62
外側回りを円筒状に形成し、下側カム部5も外層の下部
を外形方形とし上部の傾斜カム面52外側回りを円筒状
に形成することとしてもよい。この場合対応する傾斜カ
ム面62と傾斜カム面52とは前記グレビテイヒンジW
と同様に上下逆向き形状にとられている。又同様にグレ
ビテイヒンジSの変形例として、方形の嵌挿筒の開口部
に合わせて上側カム部9の上部を外形方形とし下部の傾
斜カム面92外側回りを円筒状に形成し、下側カム部8
も下部を外形方形とし上部の傾斜カム面82外側回りを
円筒状に形成し、対応する傾斜カム面92と82とは前
記グレビテイヒンジSと同様に上下逆向き形状にとるこ
ととしてもよい。これらの変形例は、組立ての際扉B下
端隅部に孔を穿設して嵌挿筒を嵌着するのではなく、扉
Bが表裏面材とリブによって構成される場合に内部に形
成される方形の空洞部を利用して方形の嵌挿筒を嵌着す
る場合などに好適である。ここでの嵌挿筒等の外形は方
形に限定されず、少なくとも対応する外側の上側カム部
と下側カム部の各傾斜カム面外側回りは円筒状とし、そ
れ以外の部分は方形を超える多角形又は弧状と多角形の
組合わせなどでも使用可能であるが、製造上、使い勝手
からは方形とするのが望ましい。
【0012】以下においては図1を参照して、扉Bの上
部回りを構成する上部支持具1及び上部枢着具2の一例
について説明するが、この部分の構成には各種の変形例
がありこの例に限定されない。上部支持具1は、板状の
水平基板12と垂直基板11とでL字形を形成し、水平
基板12の一端の自由端部側には円形の開口部12aが
穿設されている。垂直基板11の全体には万遍なく複数
個の円形取付孔(図1では挿着された固着具14の頭が
あり見えない)が穿設されている。ここで、開口部12
aは水平基板12に直接穿設されたままでもよいが、通
常無給油軸受けとして例えばナイロン、弗素、ウレタン
等の合成樹脂製軸受けを嵌着するのが好ましい。別に、
水平基板12の自由端縁側より該水平基板12に嵌着可
能な長方形断面の空間部13aをもち下面側に細長の差
込開口部13bが穿設された抜止め具13が備えられて
いる。上部枢着具2は、水平板状の取付板21と、図示
省略するが取付板21の一端部に下方に突設され内側に
下部大径円筒状で上部小径円筒状の段付き円形の開口部
21aをもった外側円筒状のピボット嵌挿筒と、下部が
ピボット嵌挿筒に嵌挿された円筒状のピボット軸22
と、嵌挿筒内に装着されたばね材(図示省略)とを有
し、嵌挿筒に対しピボット軸22を上方に付勢可能とし
ている。取付板21の他端部側には万遍なく複数個の円
形取付孔(挿着された固着具24の頭があり見えない)
が穿設されている。ピボット軸22には上部周囲に溝2
2aが刻設され、上端面に細径の先端頭部22bが同芯
状に連設され、頭部22bは開口部12aと摺動可能な
大きさとされている。扉Bの上方隅部の孔にピボット嵌
挿筒を埋込んだ状態で取付板21の取付孔に例えば木ね
じ等の固着具24を通し扉Bに螺合して固着するが、こ
のときピボット軸22及び頭部22bが扉B上縁面より
突出状態におかれている。
【0013】次に図1を参照して、扉Bと固定部材Aと
の組付けについてグレビテイヒンジSを用いた場合を説
明する。固定部材Aの竪枠A下方側面に下部支持具3
の垂直基板31の取付孔31aに固着具を通して固着
し、水平基板32に立設された軸33に下側カム部8を
挿通して縁部33aに嵌着せしめ傾斜カム面82、82
が上側開放状態におかれる。図示省略するが、扉B下隅
部に上側カム部9を固着した下部枢着具4の嵌挿筒42
を埋込んで取付板41の取付孔41aに固着具を通して
固着し、傾斜カム面92、92は下側開放状態におかれ
る。縦枠A上方側面に上部支持具1の垂直基板11の
取付孔に固着具14を通して固着し、水平基板12が横
枠A下に沿って突設状態におかれる。一方扉B上隅部
に上部枢着具2をピボット嵌挿筒を埋込んで取付板21
の取付孔に固着具24を通して固着し、ピボット軸22
及び頭部22bがばね材により付勢されて扉B上縁面よ
り突出状態におかれている。扉Bを先ず下隅部の上側カ
ム部9の傾斜カム面92、92を下側カム部8の傾斜カ
ム面82、82に向合うように軸33に中心孔95を挿
着し、一方ばね材により付勢されて突出状態にあるピボ
ット軸22及び頭部22bを押下げ扉Bを正規の姿勢に
起こしつつ水平基板12の開口部12aに芯合せして頭
部22bを挿着せしめ、位置が定まった所で抜止め具1
3の空間部13aに水平基板12を嵌着し、開口部13
bにピボット軸22の溝22aを嵌着し、頭部22bが
開口部12aから抜けないようする。以上の手順で扉B
と固定部材Aとの組付けが完了し、扉Bは上部はピボッ
ト軸22及び頭部22b、下部は軸33をそれぞれ軸芯
として実線で示す閉止位置から2点鎖線で示す開放位置
間を方向Xに回動可能となる。図1は、グレビテイヒン
ジSを用いた場合であるが、グレビテイヒンジWを用い
た場合も上側カム部及び下側カム部が異なるのみであり
詳細説明は省略する。
【0014】図3によりグレビテイヒンジWを用いた扉
Bの開閉作動時の上側カム部6及び下側カム部5の各傾
斜カム面の相関関係を説明する。各図において、上段は
上側カム部6及び下側カム部5の組付け状態を示し、各
下段は説明の理解を助ける為に上側カム部6を下側カム
部5から離隔した状態を示している。図3(a)は扉B
の閉止位置[図1(a)の実線で示す位置]にある場合
であって、下側カム部5の外層の傾斜カム面52、52
は上側カム部6の傾斜カム面62、62と、下側カム部
5の内層の傾斜カム面56、56は上側カム部6の傾斜
カム面66、66とそれぞれ向合って接触状態におかれ
ている。図3(b)は扉Bの開放位置[図1(a)の二
点鎖線で示す位置]であって、閉止位置よりに外側方向
Xに90度回転させた位置の場合である。図3(c)は
扉Bの開放位置であって、閉止位置よりに外側方向Xに
180度回転させた位置の場合であるが、扉Bの構成で
は通常扉Bを180度まで回転させることは少ない。こ
の90度、180度及びその途中の回転作動状態を子細
に観察した所、下側カム部5は軸3下の縁部33aに嵌
着しているので回動しないが、上側カム部6は扉Bの回
動と共に回動し、このとき傾斜カム面52、52との接
触部分で扉Bの荷重を支持しながらスライドするのは上
側カム部6の傾斜カム面62、62の底部64及び傾斜
カム面66、66の底部68の近傍部分に限られること
が判った。このため前記した通り頂部油溜め75から下
方に貫通されている各一対の油孔75a、75b及び底
部油溜め62a、66aはそれぞれ傾斜カム面62、6
6の底部64、68から頭部63、69に至る中間位置
に設けられているので、扉Bの荷重による影響を全く受
けることがなく、頂部油溜め75に供給された潤滑油は
油孔75a、75b及び底部油溜め62a、66aを通
って各傾斜カム面62、66に徐々に且つ万遍なく行渡
り、潤滑油を使用していない従来例に比し扉の開閉回数
を飛躍的に向上させることができる。実際の扉Bについ
て開閉回数を比較した所、従来例の限度の5万回を超え
10万回に達しても何等トラブルが発生しない結果を得
ている。
【0015】図5によりグレビテイヒンジSを用いた扉
Bの開閉作動時の上側カム部9及び下側カム部8の各傾
斜カム面の相関関係を説明する。図5(a)は扉Bの開
放位置[図1(a)の二点鎖線で示す位置]であって、
閉止位置[図1(a)の実線で示す位置]よりに外側方
向Xに90度回転させた位置の場合である。図5(b)
は扉Bの開放位置であって、閉止位置よりに外側方向X
に180度回転させた位置の場合である。前記グレビテ
イヒンジWの場合と同様に、この90度、180度及び
その途中の回転作動状態も、上側カム部9は扉Bの回動
と共に回動し、このとき傾斜カム面82、82との接触
部分で扉Bの荷重を支持しながらスライドするのは上側
カム部9の傾斜カム面92、92の底部94の近傍部分
に限られる。このため頂部油溜め96から下方に貫通さ
れている一対の油孔96b、96b及び底部油溜め92
a、92aは傾斜カム面92、92の底部94から頭部
93に至る中間位置に設けられているので、扉Bの荷重
による影響を全く受けることがなく、頂部油溜め96に
供給された潤滑油は油孔96b、96b及び底部油溜め
92a、92aを通って各傾斜カム面82、96に徐々
に且つ万遍なく行渡り、扉の開閉回数を飛躍的に向上さ
せることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明のグレビテイヒンジによれば、簡
易な構造で開閉扉に装着して扉の開閉回数を飛躍的に向
上させ耐久性を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグレビテイヒンジを装着した扉の一例
で、(a)開閉状態を説明する概略説明図、(b)上部
部材の一例の概略説明図である。
【図2】本発明のダブル山形のグレビテイヒンジの一例
で、(a)各要素を分解して示す斜視図、(b)上側カ
ム部の平面略図、(c)上側カム部を上下転倒した斜視
図、(d)上側カム部の平面図である。
【図3】図2のグレビテイヒンジの作動状態を示し、各
上段は上側カム部及び下側カム部の組付け状態、各下段
は上側カム部及び下側カム部の離隔状態の概略説明図
で、それぞれ扉の(a)閉止位置、(b)90度回転位
置、(c)180度回転位置を示す。
【図4】本発明のシングル山形のグレビテイヒンジの一
例で、(a)各要素を分解して示す斜視図、(b)上側
カム部を上下転倒した斜視図である。
【図5】図4のグレビテイヒンジの作動状態を示す概略
説明図で、それぞれ扉の(a)90度回転位置、(b)
180度回転位置を示す。
【符号の説明】
1 上部支持具 2 上部枢着具 3 下部支持具 31 垂直基板 31a、41a 取付孔 32 水平基板 33 軸 33a 縁部 4 下部枢着具 41 取付板 42 嵌挿筒 42a、42b 開口部 5、8 下側カム部 51、61、65、81、91 円筒状体 52、56、62、66、82、92 傾斜カム面 53、59、83 谷部 54、58、84 頂部 57、67、74、85、95 中心孔 6、9 上側カム部 63、69、93 頭部 64、68、94 底部 62a、66a、92a 底部油溜め 70 フランジ部 71 小溝 72 突起部 73 突出部 75、96 頂部油溜め 75a、75b、96b 油孔 A、A、A、A 固定部材 B 扉 D、d 直径 S、W グレビテイヒンジ X 回動方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05F 1/06 E05F 1/08 E05F 11/12 E05D 7/00 E05D 11/02 E05D 11/08 F16C 11/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉扉回りの固定部材側下方に取付けら
    れる下部支持具と該下部支持具に回動可能に嵌合され扉
    下隅部に取付けられる下部枢着具とを有するグレビテイ
    ヒンジにおいて、前記下部支持具は水平基板と垂直基板
    と該水平基板の前部に立設された軸と最も高い頂部から
    左右に振分けて最も低い谷部まで連続する勾配にとられ
    た対称形の傾斜カム面をもち少なくとも該傾斜カム面周
    り外側を円筒状に形成した下側カム部とを有し、前記下
    部枢着具は板状の取付板と該取付板の端部上方に突設さ
    れ下端側より筒状開口部をもった嵌挿筒と該嵌挿筒内に
    固着され最も低い底部から左右に振分けて最も高い頭部
    まで連続する勾配にとられた対称形の前記下側カム部の
    傾斜カム面と上下逆向き形状の傾斜カム面をもち少なく
    とも該傾斜カム面周り外側を円筒状に形成した上側カム
    部とを有し、前記下側カム部及び上側カム部に穿設され
    た中心孔と前記嵌挿筒開口部に前記軸が挿通され、前記
    上側カム部において上端面より前記傾斜カム面の底部か
    ら頭部に至る中間位置に向けて一対の油孔が貫通され、
    前記扉回動により前記上側カム部の傾斜カム面底部近傍
    前記下側カム部の傾斜カム面に接触移動することを特
    徴とするグレビテイヒンジ。
  2. 【請求項2】 下側カム部及び上側カム部の傾斜カム面
    がそれぞれ位相を180度ずらして内層及び外層に配設
    され、前記上側カム部において上端面より前記内層及び
    外層の傾斜カ厶面の底部から頭部に至る中間位置に向け
    て各一対の油孔が貫通され、前記扉回動によって前記上
    側カム部の内層及び外層の各傾斜カム面底部近傍が前記
    各下側カム部の傾斜カム面にそれぞれ接触移動すること
    を特徴とする請求項1に記載のグレビテイヒンジ。
  3. 【請求項3】 上側カム部上端の油孔入口及び/又は上
    側カム部下端の傾斜カム面の油孔出口に連結された油溜
    めが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のグレビテイヒンジ。
  4. 【請求項4】 油溜めが平面視において略扇形で上向き
    又は下向き凹状とされていることを特徴とする請求項3
    に記載のグレビテイヒンジ。
  5. 【請求項5】 嵌挿筒上端面に上側カム部上端の油溜め
    に注油可能な注油孔が穿設されていることを特徴とする
    請求項3又は4に記載のグレビテイヒンジ。
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