JP3191204B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

ヒンジ装置

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JP3191204B2
JP3191204B2 JP05557597A JP5557597A JP3191204B2 JP 3191204 B2 JP3191204 B2 JP 3191204B2 JP 05557597 A JP05557597 A JP 05557597A JP 5557597 A JP5557597 A JP 5557597A JP 3191204 B2 JP3191204 B2 JP 3191204B2
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二郎 梅田
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株式会社梅田金属
杉田エース株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば公衆トイレ
などのドアに適用され、開放または閉塞されたドアを自
動的に開閉動作前の位置へ戻すヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヒンジ装置は、ドアの上
下端に取り付けた可動部材と、開口部の支柱などに取り
付けた固定部材と、可動部材と固定部材とを回動自在に
連結するピンとにより構成されている。ピンは、固定部
材の円筒部の中心位置に立設され、可動部材の円筒部の
中心部に形成されたピン穴に遊挿されている。また、固
定部材および可動部材の円筒部は、相互に端面同士で突
き合うように配設されており、端面はピンの軸方向に螺
旋状に形成されている。このようなヒンジ装置が適用さ
れ、開閉のための力が作用していないドアの状態(定常
状態)が、例えば開放した状態(開状態)である場合
に、そのドアを閉塞させる際には、可動部材は固定部材
に対して回転しながら上方へ移動する。つまりこの場
合、可動部材が固定部材の端面に沿って回転しながら上
方へ移動し、それとともにドアが上方へ移動しながら閉
塞されることになる。その後、ドアを閉塞させた力を除
去すると、扉体の自重によって可動部材が固定部材の端
面を滑り落ちるように回転しながら下方へ移動し、同時
に扉体も回動しながら下方へ移動して、元の開状態に戻
る。
【0003】また、他のヒンジ装置として、ドアに取り
付けられる板状の可動部材と、支柱に固定される板状の
固定部材と、可動部材および固定部材を相互に連結する
ナックルと、このナックルに内蔵されたばねとにより構
成されたばね付き丁番がある。このようなばね付き丁番
が設けられたドアを開閉すると、巻き締められたばねの
付勢力によって、ドアは自動的に元の定常状態に戻る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のヒン
ジ装置では、ドアの開閉の際にドアが上下に移動するた
め、開口部を形成する際には、あらかじめドアの移動を
考慮してドアと開口部の上下縁部との間に、隙間を設け
ておく必要がある。しかし、このような隙間が形成され
ていると、トイレの使用者のプライバシーや、ドアの外
観を損なうという問題が生じる。また、このようなヒン
ジ装置を永年使用すると、ドアの自重によって固定部材
および可動部材の端面が磨耗し、ドアが定常状態に戻り
にくくなってしまうという問題もある。さらに、ドアの
勝手(左勝手、右勝手)が決まっている場合には、固定
部材および可動部材の円筒部の端面に形成された螺旋の
方向(右ねじ方向、左ねじ方向)によって、ドアの開閉
方向が室内側への開放(内開き)または室外側への開放
(外開き)の一方向に決まってしまう。このことは、固
定部材と可動部材とを上下反転させても、同様である。
このため、勝手が決まっているドアを開口部に組み付け
る場合には、ドアを内開きとするか、あるいは外開きと
するかに応じて、ヒンジ装置が2種類必要となってい
た。
【0005】一方、後者のヒンジ装置では、例えば右勝
手のドアに適用されるヒンジ装置を上下反転させること
により、左勝手のドアに適用することができるとして
も、一つのヒンジ装置で、ドアの定常状態を開状態また
は閉状態に使い分けることはできない。つまり、ナック
ルに内蔵されたばねは、固定部材および可動部材を相互
に平行に対峙させるように付勢するか、あるいは固定部
材および可動部材を相互に略直交するように付勢するこ
としかできないため、このようなヒンジ装置が取り付け
られたドアの定常状態は、開状態または閉状態のいずれ
か一方に決まってしまう。このため、ドアの定常状態を
開状態とするか、あるいは閉状態とするかに応じてヒン
ジ装置が2種類必要となっていた。
【0006】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたものであり、ドアの開閉方向(内開き、外
開き)および定常状態(開状態、閉状態)に関係なく、
いかなるドアにも適用することができ、ドア自体を上下
動させることなく開閉したドアを自動的に元の位置へ戻
すことができるヒンジ装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒンジ装置
は、扉体を、開口部を構成する支持体に開閉自在に連結
するとともに、開閉した扉体を自動的に開閉前の位置へ
回動させるヒンジ装置において、支持体に固定される固
定部材と、扉体に取り付けられ扉体とともに回動する可
動部材と、可動部材に支持された状態で固定部材に取り
付けられるとともに、可動部材に対して相対的に回動す
る軸部材と、回動した軸部材を回動前の位置へ戻す戻し
手段とを有し、軸部材は、その回動方向の位置関係を自
在に変えて固定部材に取付け可能であることを特徴とす
る。
【0008】この構成によれば、扉体を開閉させると、
可動部材が扉体の開閉に伴って回動し、固定部材に取り
付けられた軸部材が可動部材に対して相対的に回動した
状態になる。その後、扉体を開閉した力を除去すると、
戻し手段の付勢力によって、軸部材は可動部材に対し回
動前の位置(定常位置)へ戻される。このように、戻し
手段は、軸部材が可動部材に対して相対的に回動したと
きに初めて機能し、軸部材を定常位置へ戻すように付勢
する。つまり、戻し手段は、固定部材とは関係なく、軸
部材と可動部材との相対的な回動に基づいて作用するも
のであり、軸部材が可動部材に対して回動しない限り、
軸部材を定常位置に回動させる付勢力が生じることはな
い。このため、固定部材に対する軸部材の回動方向の位
置関係を自在に変えて、軸部材を固定部材に取り付ける
ことができる。したがって、本発明のヒンジ装置は、扉
体の開閉方向および定常状態に制限されることなく、種
々の扉体に適用可能となる。
【0009】この場合、可動部材には、軸部材の回動前
の位置から逆方向への回動を阻止するストッパー部が形
成されていることが好ましい。
【0010】この構成によれば、扉体を開閉することに
よって、可動部材に対し正方向へ回動していた軸部材
は、扉体の開閉の戻りにより、逆方向へ回動し、定常位
置へ戻ったところで、可動部材のストッパー部にその回
動を阻止される。すなわち、軸部材は、定常位置を越え
て逆方向へ回動することはなく、定常位置まで戻ったと
ころで回動が停止する。したがって、例えば、扉体の定
常状態を室内側に開状態として、本発明のヒンジ装置を
適用した場合には、閉状態から開状態に回動する扉体
が、室内の壁面に衝突することを確実に回避することが
できる。また、ストッパー部によって軸部材の回動が阻
止されている際にも、逆方向へ回動させる付勢力を軸部
材に作用させておけば、扉体を定常位置で安定的に保持
することができる。
【0011】またこの場合、軸部材は、上下反転させた
状態で固定部材に取り付け可能であることが好ましい。
【0012】この構成によれば、上記のように、軸部材
が定常位置から逆方向への回動を阻止されている場合で
あっても、軸部材を上下反転させた状態で固定部材に取
り付けることにより、回動が阻止されていた方向(逆方
向)へ軸部材を回動させることができるようになる。
【0013】例えば、軸部材が時計回り(可動部材は反
時計回り)に回動するヒンジ装置を、左勝手のドア(ド
アを室外側から見て扉体の左側にヒンジ装置が設けられ
ているドア)に適用する場合には、扉体の定常状態が
室外側に開状態のドア、および扉体の定常状態が閉状
態のドア(扉体が室内側に開く)に適用することがで
き、さらにヒンジ装置を上下に反転させず、そのままの
状態で右勝手のドア(ドアを室外側から見て扉体の右側
にヒンジ装置が設けられているドア)に適用する場合に
は、扉体の定常状態が室内側に開状態のドア、および
扉体の定常状態が閉状態のドア(扉体が室外側に開
く)に適用することができる。これらに加えて、軸部材
を上下に反転させた状態で固定部材に取り付けると、軸
部材が反時計回り(可動部材は時計回り)に回動するこ
とになるので、ヒンジ装置を左勝手のドアに適用する場
合には、扉体の定常状態が室内側に開状態のドア、お
よび扉体の定常状態が閉状態のドア(扉体が室外側に
開く)に適用することができ、さらに上下に反転させた
ままの状態で右勝手のドアに適用する場合は、扉体の
定常状態が室外側に開状態のドア、および扉体の定常
状態が閉状態のドア(扉体が室内側に開く)に適用する
ことができる。したがって、軸部材を上下反転させた状
態で固定部材に取付け可能とすることにより、扉体のす
べての開閉パターン(上記8パターン)のドアについ
て、本発明のヒンジ装置を適用することができる。
【0014】この場合、戻し手段は、軸部材をクランク
とするスライダクランク機構と、スライダクランク機構
のスライダを移動前の位置へ戻す戻しばねとにより構成
されていることが好ましい。
【0015】この構成によれば、扉体の開閉により、ク
ランクとなる軸部材が回動するとともに、スライダが移
動し、これに伴い戻しばねによる付勢力がスライダに作
用する。この付勢力は、スライダを元の位置へ戻すよう
に作用するため、扉体を開閉した力を除去すると、スラ
イダが元の位置へ戻るとともに、軸部材が定常位置へ回
動する。このように、簡単な機構によって、扉体を定常
位置に容易に戻すことができる。また、軸部材の軸線に
直交した方向に戻しばねを配設することができるため、
例えば戻しばねを扉体に平行に配設することができる。
【0016】さらに、可動部材には、戻しばねの付勢力
を調整する調整手段が設けられており、調整手段は、ス
ライダリンク機構のスライダからスライド方向に延設し
た調整軸と、調整軸の先端部に螺合する調整部材とを有
し、戻しばねは、調整軸に遊挿され、一端を可動部材に
設けられた係止部に係止し、他端を調整部材に係止して
いることが好ましい。
【0017】この構成によれば、調整部材を調整軸に沿
って移動させることにより、戻しばねを圧縮または伸張
させて、付勢力の大きさを変えることができる。このた
め、扉体の開閉により移動したスライダを元の位置へ戻
す力を調整して、扉体の大きさや重量などに応じて、扉
体を開閉させるのに要する力や、開閉後の戻り具合を適
宜調整することができる。
【0018】本発明の他のヒンジ装置は、扉体を、開口
部を構成する支持体に開閉自在に連結するとともに、開
閉した扉体を自動的に開閉前の位置へ回動させるヒンジ
装置において、支持体に取り付けられる固定部材と、扉
体に取り付けられ扉体とともに回動する可動部材と、固
定部材に支持された状態で可動部材に取り付けられると
ともに、固定部材に対して相対的に回動する軸部材と、
回動した軸部材を回動前の位置へ戻す戻し手段とを有
し、軸部材は、その回動方向の位置関係を自在に変えて
可動部材に取り付け可能であることを特徴とする。
【0019】この構成によれば、請求項1に係る発明と
は逆に、軸部材が固定部材に支持され、かつ可動部材に
取り付けられており、この軸部材が固定部材に対して回
動しない限り、定常位置に回動させる付勢力が軸部材に
生じることはない。このため、可動部材に対する軸部材
の回動方向の位置関係を自在に変えて、軸部材を可動部
材に取り付けることができる。したがって、本発明のヒ
ンジ装置は、開閉方向および定常状態に制限されること
なく、種々の扉体に適用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、
本実施形態のヒンジ装置を適用した公衆トイレなどのド
アを外側から示す正面図である。このドア1は、板材か
らなる2枚の支持体2,2で外壁が形成され、これらの
支持体2,2間による開口部3に扉体4を組み付けて構
成されている。この扉体4の左側部の上下端には、それ
ぞれ上ヒンジ装置5および下ヒンジ装置6が設けられて
おり、扉体4がこれらの上下ヒンジ装置5,6で開閉自
在に支持されている。なお、このドア1の定常状態は、
図1に示すように、扉体4が閉塞した状態(閉状態)で
あり、使用者は、扉体4をトイレ内側に開放して(開状
態)出入りする。
【0021】図2は、上ヒンジ装置5および下ヒンジ装
置6回りを示す斜視図である。この図に示すように、上
ヒンジ装置5は、扉体4の上端に固定される固定プレー
ト11と、支持体2に取り付けられる取付片12a、お
よび固定プレート11の上面に重ねられる支持片12b
からなる逆「L」字状の上ブラケット12と、この上ブ
ラケット12の支持片12bに重ねられてねじ止めされ
るとともに、支持片12bおよび固定プレート11にそ
れぞれ設けられた貫通孔12c,11bに挿入されるピ
ン13aを備えた支持プレート13とにより構成されて
いる。このように構成された上ヒンジ装置5によって、
扉体4は、その上端部が回動自在に支持されている。な
お、上ブラケット12の支持片12bに形成された貫通
孔12c、および支持プレート13に形成されたねじ止
め用の貫通孔13bは、扉体4と支持体2との距離を容
易に調整できるように、いずれも長孔に形成されてい
る。
【0022】一方、下ヒンジ装置6は、支持体2に取り
付けられる取付片21a、および1対の長孔21c,2
1cが形成された支持片21bからなる「L」字状の下
ブラケット(固定部材)21と、扉体4に取付け金具2
2を介して取り付けられ、扉体4の開閉とともに回動す
るヒンジ装置本体(可動部材)31と、このヒンジ装置
本体31に回動自在に支持された状態で下ブラケット2
1にねじ止めされる軸部材30と、ヒンジ装置本体31
に内蔵されたスライダクランク機構40(図3参照)と
により構成されている。
【0023】ヒンジ装置本体31は、略直方体状に形成
されており、外殻が相互に対称に形成された上ケース3
2および下ケース33で構成され、相互に重ね合わせて
ねじ止めされている。上下ケース32,33の中央部に
は取付け金具22の爪片22aに係合する切欠き32
a,33aが形成されている。つまり、ヒンジ装置本体
31は、上下反転した状態でも扉体4に取り付けること
ができるようになっている。もちろん、ヒンジ装置本体
31を上下反転させると、軸部材30も上下反転した状
態となり、その状態で下ブラケット21にねじ止めされ
る。また、上下ケース32,33の外面における軸部材
30の近傍には、軸部材30から見たときのヒンジ装置
本体31の回動方向を示す矢印36が形成されている。
【0024】このように構成されたヒンジ装置本体31
は、扉体4の下端面にねじ止めされた取付け金具22を
介して、扉体4の幅方向と平行に、かつ扉体4の開放方
向と矢印36とを合わせて、扉体4に取り付けられてい
る。この場合、取付け金具22の円形形状の開口22b
に、軸部材30の上端部が遊挿されるとともに、取付け
金具22の爪片22a,22aが上ケース32の切欠き
32a,32aに係合する。したがって、扉体4を開放
すると、ヒンジ装置本体31は、扉体4に伴って回動す
る一方、軸部材30は下ブラケット21にねじ止めされ
た位置で保持される。つまり、ヒンジ装置本体31と軸
部材30とは、互いに相対的に回動した状態になる。
【0025】次に、ヒンジ装置本体31の内部構造につ
いて、図3〜6を参照して説明する。図3は、上ケース
32を取り去ったヒンジ装置本体31の内部を示す平面
図である。この図に示すように、ヒンジ装置本体31の
内部には、軸部材30をクランクとするスライダクラン
ク機構40およびこの機構40のスライダ42をスライ
ド前の元の位置へ戻す戻し機構(戻し手段)41が設け
られている。スライダクランク機構40は、軸部材30
をクランクとし、ヒンジ装置本体31の長手方向に沿っ
てスライドするスライダ42と、軸部材30およびスラ
イダ42を連結する連結板43とにより構成されてい
る。連結板43の先端は、軸部材30の外周寄りの位
置、すなわち偏心位置に連結されており、軸部材30が
回動することにより、連結板43の後端に連結されたス
ライダ42がスライドするようになっている。
【0026】一方、戻し機構41は、先端がスライダ4
2に連結さるとともに後方へ延出し、表面全体に亘って
雄ねじが形成された調整軸45と、この調整軸45に遊
挿され、調整軸45を後方へ付勢することにより、スラ
イドしたスライダ42を元の位置へ戻す戻しばね46
と、この戻しばね46の先端を係止し上下ケース32,
33に固定されるとともに、調整軸45を遊挿するバカ
孔44aが形成された係止板44と、調整軸45の後端
に螺合するとともに、戻しばね46の後端を係止する雌
ねじ部材(調整部材)35とにより構成されている。ま
た、この戻し機構41は、調整軸45と雌ねじ部材35
とにより(調整手段)、戻しばね46による付勢力を調
整できるようになっている。すなわち、戻しばね46を
若干圧縮させた状態で、図3(b)に示すように、雌ね
じ部材35を、調整軸45の後端と雌ねじ部材35の内
側底部との間に隙間が形成されるようにして、調整軸4
5に螺合しておく。そして、雌ねじ部材35を締めた
り、緩めたりすることにより、戻しばね46の伸張力を
調整して、スライダ42を元の位置へ戻す付勢力が調整
可能となる。なお、この戻しばね46は、伸張力を利用
してスライダ42を元の位置へ戻すように付勢している
が、もちろん戻しばね46の先端部をスライダ42に直
接係止するなどして、圧縮力を利用してスライダ42を
元の位置へ戻すように付勢してもよい。
【0027】図4は、上下ケース32,33内を示す斜
視図である。なお、上下ケース32,33は、外形に加
えて内部も対称に形成されているため、以下、下ケース
33を中心に説明する。図4に示すように、下ケース3
3の前部には、円形形状で貫通し、軸部材30を支持す
る支持孔51が形成されている。また、下ケース33の
中央部には、スライダ42がスライドする断面凹状のス
ライド溝55が形成され、さらに後部には、調整軸45
および戻しばね46が遊挿される断面半円形状の調整溝
57が形成されている。
【0028】支持孔51の内側底部(図4では下側)に
は、支持孔51の中心部に突出したリング状の係合部5
2が形成されている。この係合部52が軸部材30に係
合して、軸部材30を上下ケース32,33で回動自在
に支持している。スライド溝55は、スライダ42と略
同程度の幅で、かつ下ケース33の長手方向に沿って形
成されている。なお、スライド溝55の底部には、連結
用ピンの頭部との干渉を回避するための溝55aが形成
されている。
【0029】また、下ケース33には、スライド溝55
と支持孔51とを連通するとともに、連結板43の移動
を許容する凹部53が形成されている。この凹部53の
一方の側壁54aは、下ケース33の長手方向に対して
略平行に形成され、軸部材30が回動する際に、連結板
43の側部が当接して軸部材30の回動を阻止するスト
ッパー部となっている(図6(a)参照)。他方の側壁
54bは、下ケース33の長手方向に対し傾斜して形成
され、軸部材30が回動する際に、連結板43に当接す
ることなく、軸部材30の回動を許容するようになって
いる(図6(b)参照)。さらに、下ケース33におけ
るスライド溝55と調整溝57との間には、上記係止板
44を下ケース33に固定するための差込み溝56が形
成されている。
【0030】図5は、軸部材30を示す斜視図である。
この図に示すように、軸部材30は、略円柱状に形成さ
れた軸部材本体62と、この軸部材本体62の上下の両
端にそれぞれ円柱状に形成され、いずれも軸部材本体6
2の外径より小さく、かつ対称に形成された上凸部63
および下凸部64とから構成されている。軸部材本体6
2の軸方向の中央部には、略半円形状の切欠き部65が
形成されている。このような切欠き部65を形成してお
くことにより、軸部材30が回動した際に、上記連結板
43が切欠き部65内へ入り込むため、軸部材30と連
結板43とが干渉しないようになっている(図6(b)
参照)。一方、上凸部63および下凸部64には、いず
れも表面から内部へ向かい、軸線と平行な4つのねじ孔
66が形成されている。これらのねじ孔66が、上記下
ブラケット21に軸部材30をねじ止めする場合に利用
される。また、軸部材本体62および上下凸部63,6
4には、同軸の貫通孔67が形成されており、この貫通
孔67が、軸部材30と連結板43とを回動自在に連結
するピンの軸受けとなっている。
【0031】次に、以上のように構成された下ヒンジ装
置6におけるヒンジ装置本体31と、軸部材30との動
作について、図3および図6を参照して説明する。図3
に示す状態は、スライダ42が係止板44に近接すると
ともに、戻しばね46に付勢力が生じていない状態であ
り、スライダ42および軸部材30がヒンジ装置本体3
1に対し何ら動くことのない定常状態である。上述した
ように、軸部材30は、ヒンジ装置本体31に回動自在
に支持されているため、時計回りおよび反時計回りのい
ずれにも回動することができる。ただし、図3に示す定
常状態から反時計回りに回動させようとしても、図6
(a)に示すように、連結板43の先端部が上下ケース
32,33のストッパー部54aに当接して、その回動
が阻止される。逆に、軸部材30を時計回りに回動させ
ると、図6(b)に示すように、スライダ42が軸部材
30に接近するようにスライドするとともに、調整軸4
5および雌ねじ部材35も軸部材30に接近するように
移動する。そして、軸部材30を、図6(b)に示すよ
うに、回動させることにより、戻しばね46が圧縮さ
れ、調整軸45を介してスライダ42を元の位置に戻す
方向へ付勢する。したがって、軸部材30を回動させた
力を除去すると、軸部材30は元の位置、すなわち定常
位置に戻ることになる。なお、図6(b)に示すよう
に、軸部材30を回動させた場合、ヒンジ装置本体31
は、軸部材30に対し反時計回りに回動することにな
る。
【0032】次に、上述した上下ヒンジ装置5,6の使
用形態およびこれらで支持された扉体4の開閉動作につ
いて説明する。まず、トイレ内側へ向かって、扉体4を
押し込む。そうすると、扉体4が支持体2に対して略直
交する位置まで回動して、ドア1が開状態となる。この
場合、ヒンジ装置本体31が、扉体4とともに反時計回
りに回動して、ヒンジ装置本体31および軸部材30
は、互いに相対的に回動することになる。そうすると、
ヒンジ装置本体31内のスライダクランク機構40によ
って、ヒンジ装置本体31および軸部材30は定常位置
へ戻るように付勢される。したがって、このときに扉体
4を開放した力を除去すると、ヒンジ装置本体31の回
動に伴って扉体4が元の位置まで回動し閉塞される。
【0033】次に、上述した扉体4の開閉パターンも加
えて、ヒンジ装置本体31の取り付けの違いによる扉体
4の開閉パターンについて、図7〜10を参照して説明
する。なお、図7〜10に示すヒンジ装置本体31は、
定常位置に置かれた状態を示す。まず、左勝手のドア
(ドアをトイレ外側から見て扉体4の左側に上下ヒンジ
装置5,6が設けられているドア)に適用する場合に
は、図7(a)に示すように、扉体4の定常状態がト
イレ外側に開状態のドア(左外開き)となり、この場合
のヒンジ装置本体31を反時計回りに90度回転させれ
ば、図7(b)に示すような、扉体4の定常状態が閉
状態で扉体4がトイレ内側に開くドア(左内締り)とな
る。なお、図7(a)、(b)の外枠内の上部に示す扉
体4の開閉パターンの名称は、左勝手か右勝手か、開状
態の扉体4がトイレの内側か外側か、および扉体の定常
状態が開き(開状態)か締り(閉状態)かによって表示
している。他の図に示す開閉パターンについても同様で
ある。
【0034】次いで、図7に示すヒンジ装置本体31を
そのままの状態で、右勝手のドア(ドアをトイレ外側か
ら見て扉体4の右側に上下ヒンジ装置5,6が設けられ
ているドア)に適用する場合には、図8(a)に示すよ
うに、扉体4の定常状態がトイレ内側に開状態のドア
(右内開き)となる。この場合のヒンジ装置本体31を
反時計回りに90度回転させれば、図8(b)に示すよ
うに、扉体4の定常状態が閉状態で扉体4がトイレ外
側に開くドア(右外締り)となる。
【0035】次に、図7および8に示すヒンジ装置本体
31を上下反転させた状態、すなわち軸部材30および
ヒンジ装置本体31の回動方向を逆にして、左勝手のド
アに適用する場合には、図9(a)に示すように、扉
体4の定常状態がトイレ内側に開状態のドア(左内開
き)となる。この場合のヒンジ装置本体31を時計回り
に90度回転させれば、図9(b)に示すように、扉
体4の定常状態が閉状態で扉体4がトイレ外側に開くド
ア(左外締り)となる。
【0036】さらに、図9に示すヒンジ装置本体31、
すなわち上下反転させたヒンジ装置本体31を右勝手の
ドアに適用する場合には、図10(a)に示すように、
扉体4の定常状態がトイレ外側に開状態のドア(右外
開き)となる。この場合のヒンジ装置本体31を時計回
りに90度回転させれば、図10(b)に示すように、
扉体4の定常状態が閉状態で扉体4がトイレ内側に開
くドア(右内締り)となる。
【0037】このように、ヒンジ装置本体31の取り付
けを種々変えることにより、扉体4が可能なすべての開
閉パターン(上記8パターン)のドアに、上下ヒンジ装
置5,6を適用することが可能となる。
【0038】また、本実施形態においては、軸部材30
を下ブラケット(固定部材)21にねじ止めするととも
に、ヒンジ装置本体(可動部材)31を扉体4に取り付
けた場合について説明したが、逆にヒンジ装置本体31
を下ブラケット21に取り付け、扉体4に取り付けられ
た取付け金具(可動部材)などを介して、軸部材30を
扉体4に取り付けてもよい。この場合も上述した8パタ
ーンで扉体4を自動的に開閉させることが可能となる。
【0039】以上のように、本実施形態によれば、一つ
のヒンジ装置(下ヒンジ装置6)を、扉体4が可能なす
べての開閉パターンのドアに適用させることができ、従
来のように2種類のヒンジ装置を容易する必要がない。
また、軸部材30は、定常位置から一方向にしか回動し
ないため、例えば上記、の開閉パターンのドアにお
いて、閉状態から開状態となる際に扉体4がトイレ内側
の壁面に衝突することを回避することができる。さら
に、戻しばね46の付勢力を調整できるため、扉体4を
開閉させるのに要する力や、開閉後の戻り具合を適宜調
整することができる。さらにまた、直方体形状のヒンジ
装置本体31を扉体4の幅方向と平行に取り付けている
ので、ヒンジ装置本体31が扉体41から突出して邪魔
になるようなことはない。
【0040】なお、本実施形態においては、下ヒンジ装
置6にのみヒンジ装置本体31を設けているが、上ヒン
ジ装置5と下ヒンジ装置6とを上下逆にしてもよく、ま
た上下ヒンジ装置5、6の両方にヒンジ装置本体31を
設けてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヒンジ装
置をドアに適用することにより、扉体の開閉方向、定常
状態および勝手に関係なく、開閉した扉体を自動的に元
の位置へ戻すドアを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヒンジ装置を適用し
た公衆トイレのドアを外側から示す正面図である。
【図2】上下ヒンジ装置回りを示す分解斜視図である。
【図3】定常状態におけるヒンジ装置本体の内部を示す
平面図である。
【図4】ヒンジ装置本体の上下ケースの内部を示す斜視
図である。
【図5】軸部材を示す図であり、(a)は斜視図、
(b)はA−A線断面図である。
【図6】軸部材を回動させたときのヒンジ装置本体の内
部を示す平面図である。
【図7】ヒンジ装置本体の取り付けの違いによる扉体の
開閉パターンを示す図であり、(a)は左外開き、
(b)は左内締りを示す平面図である。
【図8】ヒンジ装置本体の取り付けの違いによる扉体の
開閉パターンを示す図であり、(a)は右内開き、
(b)は右外締りを示す平面図である。
【図9】ヒンジ装置本体の取り付けの違いによる扉体の
開閉パターンを示す図であり、(a)は左内開き、
(b)は左外締りを示す平面図である。
【図10】ヒンジ装置本体の取り付けの違いによる扉体
の開閉パターンを示す図であり、(a)は右外開き、
(b)は右内締りを示す平面図である。
【符号の説明】 2 支持体 3 開口部 4 扉体 5 上ヒンジ装置 6 下ヒンジ装置 21 下ブラケット(固定部材) 30 軸部材 31 ヒンジ装置本体(可動部材) 35 雌ねじ部材 40 スライダクランク機構 41 戻し機構(調整手段) 42 スライダ 45 調整軸 46 戻しばね 54a ストッパー部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉体を、開口部を構成する支持体に開閉
    自在に連結するとともに、開閉した前記扉体を自動的に
    開閉前の位置へ回動させるヒンジ装置において、 前記支持体に固定される固定部材と、前記扉体に取り付
    けられ前記扉体とともに回動する可動部材と、前記可動
    部材に支持された状態で前記固定部材に取り付けられる
    とともに、前記可動部材に対して相対的に回動する軸部
    材と、回動した前記軸部材を回動前の位置へ戻す戻し手
    段とを有し、 前記軸部材は、その回動方向の位置関係を自在に変えて
    前記固定部材に取付け可能であることを特徴とするヒン
    ジ装置。
  2. 【請求項2】 前記可動部材には、前記軸部材の回動前
    の位置から逆方向への回動を阻止するストッパー部が形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記軸部材は、上下反転させた状態で前
    記固定部材に取り付け可能であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 前記戻し手段は、前記軸部材をクランク
    とするスライダクランク機構と、当該スライダクランク
    機構のスライダを移動前の位置へ戻す戻しばねとにより
    構成されていることを特徴とする請求項1、2または3
    に記載のヒンジ装置。
  5. 【請求項5】 前記可動部材には、前記戻しばねの付勢
    力を調整する調整手段が設けられており、 前記調整手段は、前記スライダリンク機構のスライダか
    らスライド方向に延設した調整軸と、当該調整軸の先端
    部に螺合する調整部材とを有し、 前記戻しばねは、前記調整軸に遊挿され、一端を前記可
    動部材に設けられた係止部に係止し、他端を前記調整部
    材に係止していることを特徴とする請求項4に記載のヒ
    ンジ装置。
  6. 【請求項6】 扉体を、開口部を構成する支持体に開閉
    自在に連結するとともに、開閉した前記扉体を自動的に
    開閉前の位置へ回動させるヒンジ装置において、 前記支持体に取り付けられる固定部材と、前記扉体に取
    り付けられ前記扉体とともに回動する可動部材と、前記
    固定部材に支持された状態で前記可動部材に取り付けら
    れるとともに、前記固定部材に対して相対的に回動する
    軸部材と、回動した前記軸部材を回動前の位置へ戻す戻
    し手段とを有し、 前記軸部材は、その回動方向の位置関係を自在に変えて
    前記可動部材に取り付け可能であることを特徴とするヒ
    ンジ装置。
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