JP3513247B2 - 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置 - Google Patents

周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置

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JP3513247B2 JP05344595A JP5344595A JP3513247B2 JP 3513247 B2 JP3513247 B2 JP 3513247B2 JP 05344595 A JP05344595 A JP 05344595A JP 5344595 A JP5344595 A JP 5344595A JP 3513247 B2 JP3513247 B2 JP 3513247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数シフター及びそ
れを用いた光学式変位計測装置に関し、特に移動する物
体や流体(以下「移動物体」と称する)の変位情報を、
移動物体の移動速度に応じてドップラーシフトを受けた
散乱光の周波数の偏移を検知することにより非接触で測
定する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動物体の変位情報を非接触
且つ高精度に測定する装置として、レーザードップラー
速度計やレーザーエンコーダー(光学式変位計測装置)
が使用されている。レーザードップラー速度計では、移
動物体にレーザー光を照射し、移動物体による散乱光の
周波数が、移動速度に比例して偏移(シフト)する効果
(ドップラー効果)を利用して、移動物体の移動速度を
測定している。
【0003】このようなレーザードップラー速度計を本
出願人は、例えば特開平2−262064号公報,特開
平4−230885号公報等で提案している。これらの
速度計では移動物体の移動方向の検出は行っておらず、
また移動物体の速度が0に近い場合は検出が難しくなる
傾向があった。
【0004】レーザードップラー速度計において、電気
光学結晶の平板(以後「電気光学素子」と略称する)を
使用した周波数シフターを2光束の光路に設置し、該周
波数シフターにより2光束間に所定の周波数差を与えて
移動物体に入射させ、これにより移動物体の移動方向及
び移動速度が0に近い場合であっても精度良く検出する
ことができる方法がFoord 逹により発表されている(Ap
pl. Phys.,Vol.7,1974,136〜 139) 。
【0005】図7はその検出原理を利用したレーザード
ップラー速度計の要部斜視図である。同図において10
0は周波数シフターであり、2つの電気光学素子10
a,10bとその駆動回路等から構成されている。
【0006】光源1からの波長λの光束はコリメーター
レンズ22で平行光3とし、該平行光3はビームスプリ
ッター4により2つの光束5a,5bに分離し、夫々の
光束はミラー6a,6bを介して周波数シフター100
を構成する電気光学素子10a,10bに入射してい
る。
【0007】この際、光束5aは電気光学素子10aの
鋸歯波電圧駆動(セロダイン駆動)により周波数シフト
を受ける。これによって2光束5a,5b間に周波数差
を付与し、該2光束はミラー6c及び6dにより偏向さ
れ、速度V0で矢印の方向に移動している移動物体7の
表面に入射角θで互いに交差するように入射する。入射
した光束のうち移動物体7から生じた散乱光を集光レン
ズ8で集光し、光検出器9に導光して、これより該光検
出器9からドップラー信号を得ている。
【0008】このとき2光束による散乱光の周波数は移
動速度V0に比例してドップラーシフトを受けて検出面
上で互いに干渉しあって明暗の変化をもたらす。このと
きの明暗の周波数、即ちドップラー周波数Fは2光束の
周波数差fRにより次の式の様になる。 F=2・V0 ・sin(θ)/λ+fR (1)
【0009】これによって、移動物体7の速度V0 が遅
い場合でも、周波数差fRを適当な値に設定することによ
り、移動物体7の速さが0に近い場合であっても測定で
き、又その速度方向も同時に測定できるようにしてい
る。この構成は主に流速計として利用される形態であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般にレ−ザ−等の可
干渉性の高い光束を物体に照射すると、物体表面の微細
な凹凸により生ずる散乱光はランダムな位相変調を受け
て観察面上に斑点模様、いわゆるスペックルパタ−ンを
形成する。レ−ザ−ドップラ−速度計においては、移動
物体が移動すると、散乱光の検出用の光検出器の検出面
上でのドップラ−シフトによる明暗の変化が、スペック
ルパタ−ンの流れによる不規則な明暗の変化で変調さ
れ、また、光検出器からの出力信号は被検物体の透過率
(あるいは反射率)の変化によっても変調を受ける。
【0011】レ−ザ−ドップラ−速度計では、一般にス
ペックルパタ−ンの流れによる明暗の変化の周波数およ
び移動物体の透過率(あるいは反射率)の変化の周波数
が変位情報に基づくドップラ−周波数に比べて低い。こ
のため、光検出器からの出力をハイパスフィルタ−に通
して低周波成分を電気的に除去し、ドップラ−信号のみ
を取り出す方法が用いられている。
【0012】しかし移動物体の速度が遅くてドップラ−
周波数が低くなると、これと低周波変動成分との周波数
差が小さくなり、ハイパスフィルタ−が使えず移動物体
の変位情報を精度良く測定することが難しいという問題
点が生じてくる。また、速度方向は原理的に検出できな
い。
【0013】これに対してFoord 達が発表した前述の方
法(周波数シフター)は、2光束を移動物体に照射する
前に2光束に所定の周波数差を付けて、移動物体の静止
状態及び速度方向も含めて測定を可能としている。
【0014】周波数シフターの構成としては種々ある
が、例えば電気光学結晶を適用する場合、電気光学結晶
の常屈折率no、異常屈折率neが温度により大きく変わっ
てくる。特に、電気光学結晶は図8に示すようにその屈
折率が温度に非常に敏感である。この為、電気光学素子
の僅かな温度差や温度勾配で周波数シフトが不安定にな
る。また、光束通過部で温度勾配が生ると光束波面が歪
み、厳密な干渉系を組む事が難しくなってくる。
【0015】以上の様な問題により、今まで電気光学結
晶を適用した周波数シフターはバルク型では実用化が難
しかった。また、僅かの周波数シフトを生じさせる為に
は電気光学素子に与える印加電圧を小さくする必要があ
るが、電気光学素子10aへの印加電圧を小さくするこ
とは印加する電気光学素子近傍の構造が複雑になってく
るという問題点があった。
【0016】本発明は、移動物体を照射する2光束に周
波数差を付与する周波数シフターにおいて、電気光学素
子を同一熱伝導体に密着させている事により、2つの電
気光学素子の温度勾配、光束通過部での温度勾配を無く
し、これにより精度の安定した周波数シフターを達成
し、これを使用して2光束に適切な周波数差を付与し、
移動物体の速度が遅い場合であっても変位情報を高精度
に検出することができる周波数シフター及びそれを用い
た光学式変位計測装置の提供を目的とする。
【0017】また本発明は周波数シフターの構成を適切
に設定することにより、例えば2つの電気光学素子をそ
の結晶軸が電界方向に沿って互いに逆向きになるように
配置し、該2つの電気光学素子に共通の電極で電圧を印
加し、該印加電圧によって該2つの電気光学素子を透過
する2光束間に所定の周波数変調を与えることにより、
簡易な構成により、小さな印加電圧を容易に与えること
のできる周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計
測装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の周波数
シフターは、電圧によって屈折率が変化する二つの電気
光学素子をその結晶軸方向が電界方向に沿って互いに逆
向きになるように配置し、該二つの電気光学素子に電源
手段から共通の電極で電圧を印加し、該印加電圧によっ
て該電気光学素子を透過する光束に周波数変調を与える
ことを特徴としている。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て前記電気光学素子は電圧によって屈折率が変化する電
気光学結晶を平板状に構成したものであることを特徴と
している。請求項3の発明は、請求項1又は2の発明に
おいて前記電気光学素子の少なくとも一部に温度均一化
手段を密着させていることを特徴としている。請求項4
の発明は、請求項3の発明において前記温度均一化手段
は前記共通の電極を兼ねていることを特徴としている。
【0020】請求項5の発明の光学式変位計測装置は、
前記請求項1〜4のいずれか1項の周波数シフターを用
いたことを特徴としている。
【0021】請求項6の発明の光学式変位計測装置は、
光源からの光束を光分割部材により2つの光束に分割
し、該2つの光束間に印加電圧により屈折率が変化する
電気光学結晶より成る電気光学素子と該電気光学素子に
電圧を印加する電源手段とを有する周波数シフターを利
用して周波数差を付与し、該周波数差を付与した2光束
を移動物体に入射させ、該移動物体でドップラーシフト
を受けた散乱光を検出手段で検出することにより該移動
物体の変位情報を検出する光学式変位計測装置におい
て、前記周波数シフターは前記2つの光束に対応した2
つの電気光学素子よりなり、前記電気光学素子はその結
晶軸方向が電界方向に沿って互いに逆向きになるように
配置され、該二つの電気光学素子は電源手段から共通の
電極で電圧を印加することを特徴としている。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【実施例】図1は、本発明の周波数シフター及びそれを
用いた光学式変位測定装置の実施例1の要部斜視図であ
る。
【0026】図中、1はレーザー光源、2はコリメータ
ー、4はビームスプリッター、6a〜6dはミラー、7
は速度を計測する速度V0で移動する移動物体、8は集
光レンズ、9は光検出器である。101は本発明の周波
数シフターである。
【0027】まず本発明の周波数シフター101の構成
の特徴について説明する。図1において10は電気光学
結晶LiNb03の平板(電気光学素子)である。11a,1
1bは電気光学素子10の両面につけた電極であり、こ
の電極11(11a,11b)は後述する光束5aの透
過部のみに電界を掛ける様にしてある。12(12a,
12b)は銅などの熱良導体で構成し、2つの光束透過
部分を覆っている熱伝導体(温度均一化手段)である。
13(13a,13b)はシリコンゴムシートであり、
電気光学素子10と熱伝導体12を電気的に絶縁しなが
ら、熱接合を高くするように構成している。
【0028】図2は、本実施例における電気光学素子1
0を用いた周波数シフターの動作説明図である。電気光
学結晶とは印加する電界により媒体の屈折率が変化する
もので、例えば、三方晶系3mのLiNb03やLiTa03、正方晶
系42m の(NH4)H2PO4(ADP) 、KH2PO4(KDP) 等がある。以
下にLiNb03を例にとり説明する。LiNb03(3m)の屈折率
楕円体は次式で表される。
【0029】
【数1】 よって単位時間あたりの変化電圧Vを一定にすると、Li
Nb03透過後の光は単位時間あたりの位相変化量が一定と
なる。つまり、周波数シフターとなる。現実には、電圧
を常に一定に変化させると電圧が無限大になるために、
図3の様な鋸歯波(セロダイン)駆動を行う。その際、
立ち下がり部で光位相が非連続にならない様に一つの電
圧振幅が光位相2πに相当する値で駆動させる。
【0030】次に図1の本実施例の光学式変位測定装置
の動作を説明する。図1においてレーザー1から出射し
たレーザー光は、コリメーターレンズ2によって平行光
束3となり、ビームスプリッター4によって光束5aと
光束5bに分割する。光束5a(5b)はミラー6a
(6b)で反射したのち、共にZ軸に偏光方向を持つ光
束で電気光学素子10に入射し、光束5aのみが周波数
シフター101で周波数シフトを受ける。周波数シフタ
ー101を出射した光束5a(5b)はミラー6c(6
d)で反射して、速度V0 で矢印の方向に移動している
移動物体7に入射角θで入射する。
【0031】移動物体7からの散乱光は、集光レンズ8
を介して光検出器9で検出される。2光束5a,5bに
よる散乱光の周波数は、移動速度V0 に比例して各々
+,−fのドップラーシフトを受ける。ここで、レーザ
ー光の波長をλとすれば、周波数fは次の(7)式で表
すことができる。 f=V0 ・sin(θ)/λ (7)
【0032】周波数+f、−fのドップラーシフトを受
けた散乱光は、互いに干渉しあって光検出器9の受光面
での明暗の変化をもたらし、その明暗の周波数Fは電気
光学素子10による2光束の周波数差をfR とすると次
の(8)式で与えられる。 F=2・f=2・V0 ・sin(θ)/λ+fR (8)
【0033】そこで光検出器9からの周波数F(以下ド
ップラー周波数と呼ぶ)を測定すれば(8)式から移動
物体7の速度V0 が求められる。そして、移動物体7の
速度V0 が遅い場合でも、周波数差fRを適当な値に設定
すれば、前記のスペックルパタ−ンの流れや移動物体の
透過率(あるいは反射率)の変化に起因する低周波成分
との周波数差は十分に取ることができ、低周波成分を電
気的に除去してドップラ−信号のみを取り出すことによ
り、その場合でも速度検出が可能となる。
【0034】ここで、電気光学素子10の形状を厚さd
=1mm 、長さa=20mmとし、レーザー波長をλ=780nm
とすると、電圧振幅V=230Volt にすれば2光束の位相
差が2πとなり、周波数fRでセロダイン駆動すると、fR
だけ周波数シフトする。
【0035】実施例1の場合、光束5a、5bは同一の
電気光学素子10を透過することにより構造的に安定し
ており、さらに熱伝導体12をシリコンゴムシート13
を介して電気光学素子10の上下に全面的に接している
ことにより温度差及び温度勾配の発生を防ぎ、熱に対す
る安定性を確保している。
【0036】図4は、本発明の実施例2の要部斜視図で
ある。本実施例が実施例1と異なるところは周波数シフ
ター102の部分であり、その他の部分は同一である。
本実施例の周波数シフター102は実施例1の電気光学
素子10の構成に電極11c,11dを追加し、電極1
1a、11bは光束5a透過部に、11c、11dは光
束5b透過部にそれぞれ逆方向に電界を掛ける様にした
ものである。
【0037】本実施例においては、レーザー1からの光
束5a、5bはともにZ軸に偏光方向を持ち、同一の電
気光学素子10を透過し、ここで2つの光束5a,5b
はともに周波数シフトを受ける。
【0038】ここで、電気光学素子10の形状を実施例
1と同じく厚さd=1mm 、長さa=20mmとし、レーザー
波長をλ=780nm とすると、電圧振幅はV=115Volt で
2光束の位相差が2πとなり、実施例1と比べセロダイ
ン駆動電圧を1/2にする事ができる。そして周波数fR
でセロダイン駆動すると、fRだけ周波数シフトする。
【0039】図5は、本発明の実施例3の要部斜視図で
ある。本実施例が実施例1と異なるところは周波数シフ
ター103の構成であり、その他の部分は同一である。
【0040】本実施例の周波数シフター103は2つの
電気光学素子10a,10bを有している。2つの電気
光学素子はともに電気光学結晶より成り、それぞれの厚
さ及び長さは同じであり、さらに2つの電気光学素子1
0a,10bは、Z軸に対し結晶軸方向を互いに逆に配
置している。14a,14bは銅などの熱良導体を構成
する2つの光束透過部分を覆っている熱伝導電極であ
り、電気光学結晶10a,10bの上下面に広く接して
いる。
【0041】本実施例の場合、熱伝導電極14a,14
bは温度均一化手段の一要素を構成している。
【0042】電気光学結晶10a,10bの形状を実施
例1と同じく厚さd=1mm 、長さa=20mmとし、レーザ
ー波長をλ=780nm とすると、電圧振幅はV=115Volt
で2光束の位相差が2πとなり、実施例1と比べ駆動電
圧を1/2にする事ができる。そして周波数fRでセロダ
イン駆動すると、fRだけ周波数シフトする。
【0043】本実施例の場合、2つの電気光学素子10
aと10bとを夫々の結晶軸を逆に配置するだけで、光
束5a,5bの各透過部分に掛ける電界方向を一致させ
る事ができ、電極を共有化できる利点が生じる。また、
熱伝導電極14a,14bを電気光学素子10a,10
bの上下面に広く接していることにより、熱接合もより
よくなり、電気光学素子10a,10bの温度均一性が
一層良好になる。
【0044】図6は本発明の周波数シフターを用いた光
学式変位測定装置の実施例4の要部斜視図である。
【0045】本実施例は図1の実施例1に比べて周波数
シフター104の構成が異なっており、その他の構成は
同じである。
【0046】本実施例の周波数シフター104は電気光
学結晶より成る厚さと長さの等しい2つの電気光学素子
14a,14bをZ軸に対して結晶軸方向が互いに逆に
なるように配置して構成している。
【0047】図中、15a,15cは電気光学素子14
aの表裏に蒸着したAl電極、15b,15dは電気光
学素子14bの表裏に蒸着したAl電極である。Al電
極15aと15bはボンディングワイヤー16aによっ
て電気接続し、Al電極15cと15dはボンディング
ワイヤー16bによって電気接続している。電気光学結
晶14a,14bの形状を実施例1と同じく厚さd=1
mm,長さa=20mmとし、レーザー波長をλ=78
0nmとすると、電圧振幅はV=115Voltで2光
束の位相差が2πとなり、実施例1と比べ印加電圧を1
/2にすることができ、周波数f でセロダイン駆動
すると周波数f だけ周波数シフトする。
【0048】本実施例では、簡単な構成で印加電圧を小
さくすることができ、装置の小型化を可能としている。
【0049】以上、レーザードップラー速度計への周波
数シフターの適用例を示したが、本発明の周波数シフタ
ーはエンコーダにも適用可能である。従来のエンコーダ
では被測定物にスケール(回折格子)を配置し、90度
の位相差の付いた2つの信号(A相、B相)を移動量に
対応してsin波で検出し、A相、B相の比較により方
向検出をしている。そして出力信号としてsin波を更
に電気的に分割して高分解能を達成する手法が良く用い
られている。
【0050】しかしながら、静止状態ではビートがない
DC状態となり、DCドリフトや、1/f ノイズ等により
分割性能が悪くなる問題が発生する。
【0051】周波数シフターをエンコーダに適用すると
静止状態でも所定の周波数がバイアスとして乗ってくる
ので、バンドパス・フィルタ等で電気的にDCをカット
することが出来る。これによってDCドリフトや1/f ノ
イズの発生を防ぐことが出来、容易に分解能を上げる事
ができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上述べた様に、電気光学結晶
を温度均一化手段で密着する事により、2光束が透過す
る電気光学結晶の部分間の温度差及び光束の透過領域中
の温度勾配を大幅に減少し、安定した周波数シフトを実
現する。
【0053】さらに、2光束が同一の電気光学結晶を透
過する構成をとることにより、構造的に安定し、2光束
透過部に逆方向に電界を掛ける事により、駆動電圧を半
分にする事ができる。
【0054】また、2光束が透過する2つの電気光学結
晶の結晶軸を逆に配置することにより、熱良導体で電極
を構成することが可能となり、より良い熱接合が得られ
る。
【0055】これらの構成の周波数シフター用いること
により、高精度で安定した光学式変位計測装置を達成し
ている。
【0056】また、2光束が透過する2つの電気光学結
晶の結晶軸を逆に配置することにより、簡単な構成で印
加電圧を小さくすることができ、装置の小型化を可能と
している。そしてこの周波数シフターをを光学式変位計
測装置に適用することにより、高精度で安定した計測を
小型装置で可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の要部斜視図
【図2】電気光学結晶による周波数シフターの説明図
【図3】セロダイン駆動説明図
【図4】本発明の実施例2の要部斜視図
【図5】本発明の実施例3の要部斜視図
【図6】本発明の実施例4の要部斜視図
【図7】周波数シフターを応用したレ−ザ−ドップラー
速度計の従来例の要部斜視図
【図8】電気光学結晶の異常光線の屈折率Neの温度依存
性を示す説明図
【符号の説明】
1 レ−ザ−ダイオード 2 コリメ−タ−レンズ 4 ビ−ムスプリッタ− 5a,5b 光束 6 ミラ− 7 移動物体 8 集光レンズ 9 光検出器 10 電気光学素子 11 電極 12 熱伝導体 13 シリコンゴムシート 14 熱伝導電極 15 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−372927(JP,A) 特開 平3−120416(JP,A) 特開 昭62−36644(JP,A) 実開 平3−20817(JP,U) 実開 平5−15018(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G02F 1/00 - 1/125

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧によって屈折率が変化する二つの電
    気光学素子をその結晶軸方向が電界方向に沿って互いに
    逆向きになるように配置し、該二つの電気光学素子に電
    源手段から共通の電極で電圧を印加し、該印加電圧によ
    って該電気光学素子を透過する光束に周波数変調を与え
    ることを特徴とする周波数シフター。
  2. 【請求項2】 前記電気光学素子は電圧によって屈折率
    が変化する電気光学結晶を平板状に構成したものである
    ことを特徴とする請求項の周波数シフター。
  3. 【請求項3】 前記電気光学素子の少なくとも一部に温
    度均一化手段を密着させていることを特徴とする請求項
    1又は2の周波数シフター。
  4. 【請求項4】 前記温度均一化手段は前記共通の電極を
    兼ねていることを特徴とする請求項の周波数シフタ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項の周波
    数シフターを用いたことを特徴とする光学式変位計測装
    置。
  6. 【請求項6】 光源からの光束を光分割部材により2つ
    の光束に分割し、該2つの光束間に印加電圧により屈折
    率が変化する電気光学結晶より成る電気光学素子と該電
    気光学素子に電圧を印加する電源手段とを有する周波数
    シフターを利用して周波数差を付与し、該周波数差を付
    与した2光束を移動物体に入射させ、該移動物体でドッ
    プラーシフトを受けた散乱光を検出手段で検出すること
    により該移動物体の変位情報を検出する光学式変位計測
    装置において、 前記周波数シフターは前記2つの光束に対応した2つの
    電気光学素子よりなり、前記電気光学素子はその結晶軸
    方向が電界方向に沿って互いに逆向きになるように配置
    され、該二つの電気光学素子は電源手段から共通の電極
    で電圧を印加することを特徴とする光学式変位計測装
    置。
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