JPH08233940A - 光学式変位計測装置 - Google Patents

光学式変位計測装置

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JPH08233940A
JPH08233940A JP7066993A JP6699395A JPH08233940A JP H08233940 A JPH08233940 A JP H08233940A JP 7066993 A JP7066993 A JP 7066993A JP 6699395 A JP6699395 A JP 6699395A JP H08233940 A JPH08233940 A JP H08233940A
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JP
Japan
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light
electro
optical element
moving object
temperature
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Application number
JP7066993A
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English (en)
Inventor
Shinji Ueda
伸治 上田
Hidejiro Kadowaki
秀次郎 門脇
Makoto Takamiya
誠 高宮
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気光学素子のセロダイン駆動に際して温度
変化によって光位相が非連続になる問題を解決して、高
精度で安定した計測を可能とする光学式変位計測装置を
得ること。 【構成】 光源からの光束を分割して得た2光束のうち
1光束または2光束を、電気光学素子を透過させた後、
該2光束を所定の入射角で移動物体に入射させ、該移動
物体からの散乱光の周波数偏移を光検出器で検知し、該
光検出器で検知された信号に基づいて該移動物体の変位
情報を検出する際、該電気光学素子の温度に応じて、該
電気光学素子に印加する電界を制御している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式変位計測装置に関
し、特にレーザー光の周波数の偏移を検出して移動する
物体や流体(以下「移動物体」と称する)等の移動速
度、移動距離等の変位情報を非接触且つ高精度で測定す
る際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動物体の変位情報を非接触
且つ高精度に測定する装置として、レーザードップラー
速度計(LDV)やレーザーエンコーダー等の光学式変
位計測装置が使用されている。レーザードップラー速度
計では、移動物体にレーザー光を照射し、移動物体によ
る散乱光の周波数が、移動速度に比例して偏移(シフ
ト)する効果(ドップラー効果)を利用して、移動物体
の移動速度を測定している。
【0003】図10は従来のレーザードップラー速度計
の要部概略図である。図中、1Aは速度計の測定ヘッド
である。1は光源であり、例えばレーザーダイオードや
半導体レーザ等(以下「レーザー」と称する)で構成し
ている。2はコリメーターレンズ、10は透過型の回折
格子であり、格子ピッチpが 3.2μm で±1次回折光を
回折角θ1 (θ1 =12°)で発生するように設定されて
いる。
【0004】16は光学系であり、夫々単レンズ又は複
数のレンズよりなるレンズ群11、12(以下「レンズ
群」と総称する)より構成され、両レンズ群の焦点距離
は略等しい。7は移動物体であり、速度Vで矢印a方向
に移動している。8は集光レンズ、9は光検出器であ
る。
【0005】この従来例の作用を説明する。レーザーダ
イオード1から出射したレーザー光は、コリメーターレ
ンズ2によって平行光束3となり、回折格子10で回折
され、±1次回折光束5a及び5bに分割されて、レン
ズ11で集光され光束13a,13bとなり、次いでレ
ンズ12で屈折作用を受けて、平行光束14a,14b
となり測定ヘッド1Aから出射し、移動物体7を照射角
θで2光束照射する。
【0006】移動物体7の2光束照射された部分からの
散乱光は集光レンズ8を介して光検出器9で検出され
る。
【0007】2光束による散乱光の周波数は移動速度V
に比例して各々+、−△fのドップラーシフトを受け
る。ここでレーザー光の波長をλとすれば、ドップラー
シフト△fは次式で表せる: △f=V・sin(θ) /λ (1) +△f,−△fのドップラーシフトを受けた散乱光は互
いに干渉し合って光検出器9の受光面で明暗の変化をも
たらし、その明暗の周波数Fは次式で与えられる: F=2・△f=2・V・sin(θ) /λ (2) 従って光検出器9が検出する信号の周波数F(以後ドッ
プラー周波数と呼ぶ)を測定すれば式(2)から被測定
物7の速度Vが求められる。以上が従来のレーザードッ
プラー速度計の作用である。
【0008】一般にレーザー等の可干渉性の高い光を物
体に照射すると、物体表面の微細な凹凸により散乱光は
ランダムな位相変調を受けて観察面上に斑点模様、所謂
スペックルパターンが形成される。
【0009】レーザードップラー速度計においては、移
動物体が移動すると光検出器9の検出面上でのドップラ
ーシフトによる明暗の変化がスペックルパターンの流れ
による不規則な明暗の変化で変調されることになる。
【0010】又、光検出器9に入射する散乱光は被測定
物7の透過率(或は反射率)の変化によっても変調を受
ける。
【0011】前記従来のレーザードップラー速度計で
は、一般にスペックルパターンの流れによる明暗の変化
の周波数及び被測定物7の透過率(或は反射率)の変化
の周波数は式(2)で示されるドップラー周波数Fに比
べて低周波であるため、光検出器9からの出力をハイパ
スフィルターに通すことによってこれらの低周波成分を
電気的に除去し、ドップラー信号Fのみを取り出す方法
がよく用いられている。
【0012】しかし、被測定物7の速度Vが遅くてドッ
プラー周波数Fが低い場合では低周波変動成分との周波
数差が小さくなり、ハイパスフィルターが使えず被測定
物7の速度Vが測定出来ないという問題が生じる。又、
前記従来のレーザードップラー速度計では速度の方向は
原理的に検出出来ない。
【0013】レーザードップラー速度計において、電気
光学結晶の平板(以後「電気光学素子」と略称する)を
使用した周波数シフターを2光束の光路に設置し、2光
束間に周波数差を与えて移動物体の移動方向及び0に近
い速度をも精度良く検出する方法がFoord 逹により発表
されている(Appl. Phys.,Vol.7,1974,136〜 139) 。
【0014】図11はその原理を利用したレーザードッ
プラー速度計の要部概略図である。同図において周波数
シフター100は電気光学素子15a,15bとその駆
動回路30等から構成されている。
【0015】このレーザードップラー速度計の作用につ
いて説明する。光源1からの平行光はビームスプリッタ
ー4により2光束5a,5bに分離し、夫々の光束はミ
ラー6a,6bを介して周波数シフター100を構成し
ている電気光学素子15a,15bを透過する。その際
電気光学素子15aは駆動回路30により電圧振幅が光
位相2πに相当する鋸歯波電圧駆動(セロダイン駆動)
を受けて光束5aに周波数シフトを与える。同様に光束
5bも電気光学素子15bの鋸歯波電圧駆動により周波
数シフトを受ける。夫々周波数シフトを受けた2光束は
レンズ31により偏向され、移動物体7を照射角θで2
光束照射する。
【0016】移動物体7の2光束照射された部分からの
散乱光は不図示の集光レンズを介して光検出器で検出さ
れ、移動物体の速度V及びその方向が検出される。
【0017】この構成は主に流速計として利用される形
態で、被測定物体の静止状態から速度の方向も含めて測
定を可能としている。
【0018】図12は図10の従来のレーザードップラ
ー速度計に電気光学結晶による周波数シフターを適用し
た場合の要部概略図である。
【0019】この場合、ドップラー周波数Fは、2光束
に与えられた周波数差fRにより次式のようになる:
【0020】
【数1】 よって、被測定物7の速度Vが遅い場合でも、周波数差
fRを適当な値に設定すれば、前記のスペックルパターン
の流れや被測定物の透過率(或は反射率)の変化に起因
する低周波成分との周波数差は十分に取ることができ、
低周波成分を電気的に除去して所望のドップラー信号の
みを取り出すことにより移動物体7の速さを0から、又
その速度の方向も測定可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上のように周波数シ
フターを使用するレーザードップラー速度計では移動物
体の速度が0でも速度を検出でき、又速度の方向も検出
できる。
【0022】しかしながら、周波数シフターを構成して
いる電気光学素子はその諸特性が温度によって大きく変
化する。例えば電気光学結晶の異常光線の屈折率、ポッ
ケルス定数、誘電率等は温度によってその値が大きく変
化する。
【0023】従って光位相2πに相当するセロダイン電
圧駆動を行っていても電気光学素子が温度変化を受けれ
ば、光位相2πに相当する電圧値が変化し、光位相が不
連続になり測定が不正確になる問題が生じる。
【0024】又、単位時間あたりの位相変化量が一定で
無くなる為セロダイン周波数fRが変化し、ドップラー信
号は不定量の周波数シフトを受け、測定が不正確になる
問題が生じる。
【0025】本発明の目的は、光学式変位計測装置に使
用する電気光学素子のセロダイン駆動に際して温度変化
によって光位相が非連続になる問題を解決して、高精度
で安定した計測を行う光学式変位計測装置の提供であ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の光学式変位計測
装置は、 (1−1) 光源からの光束を分割して得た2光束のう
ち1光束または2光束を、電気光学素子を透過させた
後、該2光束を所定の入射角で移動物体に入射させ、該
移動物体からの散乱光の周波数偏移を光検出器で検知
し、該光検出器で検知された信号に基づいて該移動物体
の変位情報を検出する際、該電気光学素子の温度に応じ
て、該電気光学素子に印加する電界を制御していること
等を特徴としている。
【0027】特に、(1−1−1) 前記電気光学素子
の温度情報を検出する温度検出手段を設け、該温度検出
手段からの温度情報に基づいて該電気光学素子に印加す
る電界を制御していること等を特徴としている。
【0028】更に、本発明の光学式変位計測装置は、 (1−2) 光源からの光束を分割して得た2光束のう
ち1光束または2光束を、駆動回路によって電界を印加
している電気光学素子を透過させた後、該2光束を所定
の入射角で移動物体に入射させ、該移動物体からの散乱
光の周波数偏移を光検出器で検知し、該光検出器で検知
された信号に基づいて該移動物体の変位情報を検出する
光学式変位計測装置において、該駆動回路は該電気光学
素子を挟む電極に電荷を与える回路と、一定時間間隔で
該電極に蓄積した電荷を放電させるスイッチング回路を
有する。 (1−3) 光源手段からの光束を光分割手段で2つの
光束に分割し、該2つの光束のうち少なくとも一方を電
気光学素子を介して該2光束に周波数差を付与して移動
物体に入射させ、該移動物体からの散乱光の周波数の偏
移に基づく光束を検出手段で検出し、該検出手段からの
信号を利用して該移動物体の速度情報を検出する際、該
電気光学素子に関する温度を検出する温度検出手段を設
け、該温度検出手段からの信号を利用して該電気光学素
子に印加する電界を制御している。 (1−4) 光源手段からの光束を光分割手段で2つの
光束に分割し、該2つの光束のうち少なくとも一方を電
気光学素子を介して該2光束に周波数差を付与して移動
物体に入射させ、該移動物体からの散乱光の周波数の偏
移に基づく光束を検出手段で検出し、該検出手段からの
信号を利用して該移動物体の速度情報を検出する際、該
電気光学素子に印加する電界をスイッチング回路を用い
て制御している。こと等を特徴としている。
【0029】
【実施例】図1は、本発明の実施例1の要部概略図であ
る。ただし周波数シフター101の部分は電気光学素子
15a,15bのみを図示している。図2は実施例1の
周波数シフターの説明図である。
【0030】図1中、1Aは速度計の測定ヘッドであ
る。1は光源(光源手段)であり、例えばレーザーダイ
オードや半導体レーザ等(以下「レーザー」と称する)
で構成している。2はコリメーターレンズ、10は透過
型の回折格子であり、例えば格子ピッチpが 3.2μm で
±1次回折光を回折角θ1 (θ1 =12°)で発生するよ
うに設定している。回折格子10は光分割手段の役割を
持っている。
【0031】16は光学系であり、単レンズ又は複数の
レンズよりなるレンズ群11、12(以下「レンズ群」
と総称する)より成っている。なお、両レンズ群の焦点
距離は略等しく、両レンズ群の間隔は焦点距離の2倍と
なっている。
【0032】15a,15bは電気光学素子である。な
お、それぞれの電気光学結晶は図2(A)に示すように
結晶軸方向を逆に配置し、セロダイン電圧の低電圧化を
はかっている。
【0033】7は移動物体であり、速度Vで矢印a方向
に移動している。8は集光レンズ、9は光検出器(検出
手段)である。
【0034】図2中、17a,17bは電極であり、こ
れを通して電気光学素子15a,15bに電界をかけ
る。なお、電極の周囲には絶縁体18を配置している。
19は銅等の熱伝導体であり、絶縁体18で電気光学素
子15a,15bと熱伝導体19を電気的に絶縁しなが
ら、熱接合を高くして電気光学素子15a,15bの温
度を均一に保っている。なお、図では電気光学素子15
a,15bと熱伝導体19をずらして示しているが、こ
れは説明の便宜上のことであって実際には熱伝導体19
が電気光学素子15の上下側面をカバーしている。
【0035】20は温度検出素子(温度検出手段)であ
り、例えばサーミスターで構成し、熱伝導体19、ひい
ては電気光学素子15a,15bの温度を検出する。2
1はA/D 変換器、22はCPU ,23はD/A 変換器、24
はセロダイン波形発生器、25は乗算器である。
【0036】まず本実施例の周波数シフター101の作
用について説明する。図2(A)は本実施例の周波数シ
フターの要部斜視図である。
【0037】電気光学結晶15a,15bは夫々電気光
学結晶LiNb03の平板で構成している。電気光学結晶とは
印加する電界により媒体の屈折率が変化するもので、例
えば、三方晶系3mのLiNb03やLiTa03、正方晶系42m の(N
H4)H2PO4(ADP) 、KH2PO4(KDP) 等がある。以下にLiNb03
を例にとり説明する。
【0038】LiNb03(3m)の屈折率楕円体は次式で表さ
れる:
【0039】
【数2】 図2(B)に示すようにZ軸方向に電界を印加し(E3
0、E1=E2=0)、X軸に光の伝搬方向を選ぶと、X=
0断面内の屈折率楕円体は次式で表される:
【0040】
【数3】 となる。LiNb03の厚みをdとすると電圧 V=E3dであ
り、長さa のLiNb03透過後の電圧の違いに対する光の位
相差Г(V) は、光束5の波長をλとすると次式で表され
る:
【0041】
【数4】 よってある温度においてNe 3 γ33a/( λd)は一定である
ので、単位時間あたりの変化電圧Vを一定にすると、Li
Nb03透過後の光は単位時間あたりの位相変化量が一定と
なる。つまり、周波数シフターとなる。
【0042】現実には、電圧を常に一定に変化させると
電圧が無限大になるために、図2(B)に示す様な鋸歯
波(セロダイン)駆動を行う。その際、立ち下がり部で
光位相が非連続にならない様に一つの電圧振幅が光位相
2πに相当する値で駆動させる。
【0043】例えば光束5の波長λ=780nm ,LiNb03
電気光学素子の厚さd=1mm ,長さa=20mmとすると、
光位相2πに相当する電圧振幅値はV≒115Vとなり、セ
ロダイン周波数をfRとすると、光束5はfRだけ周波数シ
フトする。
【0044】以上が周波数シフターの基本的な作用であ
る。
【0045】しかしながら、周波数シフターとして電気
光学結晶を使用する場合、温度によって電気光学結晶の
ポッケルス定数γ33、異常屈折率Ne、誘電率ε33が大き
く変わる。図3は異常光線の屈折率Neの温度依存性、図
4はポッケルス定数γ33の温度依存性(Zook,J.D. et a
l.,Appl.Phys.Letters 11,8,1967.pp159-161)、図5は
誘電率ε33の温度依存性を示したものである。
【0046】このように電気光学結晶のこれらの特性値
が温度によって変化するため、本実施例においては温度
検出素子20によって電気光学素子15a,15bの温
度を検出し、常に光位相2πに相当するセロダイン電圧
駆動を行うように構成している。
【0047】次に本実施例の作用を説明する。図1にお
いてレーザーダイオード1から出射したレーザー光はZ
軸方向に直線偏光している光束であり、コリメーターレ
ンズ2によって平行光束3となり、回折格子10で回折
され、±1次回折光束5a及び5bに分割されて、各々
レンズ群11に入射する。そしてレンズ群11によって
収束光束となって電気光学素子15a,15bを通過す
る。このとき2つの光束は周波数シフトを受けてfRの周
波数差が生じる。その後両光束は集光した後に発散光束
となってレンズ群12に入射する。そしてレンズ群12
で屈折作用を受けて測定ヘッド1Aから光束14a,1
4bとして出射し、移動物体7を照射角θで2光束照射
する。
【0048】移動物体7の2光束照射された部分からの
散乱光は集光レンズ8を介して光検出器9で検出され、
ドップラー周波数Fを得る。
【0049】得られたドップラー周波数Fから式
(3):
【0050】
【数5】 を用いて移動物体の速度Vが得られる。
【0051】本実施例の周波数シフターにおける電気光
学素子の駆動方法について説明する。
【0052】熱伝導体19に配置された温度検出素子2
0によって電気光学素子15a,15bの温度情報を検
出し、その温度情報をA/D 変換器21によってディジタ
ル情報に変換してCPU 22に取り込む。CPU 22は記憶
されている電気光学素子15a,15bのポッケルス定
数γ33、屈折率Neの温度依存性及び式(8)より単位時
間当たりの光の位相変化を一定にするためのセロダイン
電圧を求める。CPU 22は求まった駆動電圧値の標準駆
動電圧に対する倍数を算出し、D/A 変換器23がその倍
数をアナログ変換し、乗算器25はセロダイン波形発生
器24から発生する一定のセロダイン波形に対して倍数
の乗算を行って、得られる電圧で以て電気光学素子15
a,15bのセロダイン駆動を行う。これによって電気
光学素子15a,15bの温度補償を行っている。
【0053】以上のように本実施例では、温度検出素子
20からの温度情報によりセロダイン駆動回路に於いて
電圧振幅の補償を行い、電気光学素子15a,15bの
温度変化があっても光の位相変化を一定にし、かつ光位
相2πに相当する値に電圧振幅を設定している。
【0054】なお、本実施例では温度補償に際して、前
記のように電気光学素子の各特性の温度特性及び式
(8)によって補償したが、これとは別に光位相2πに
相当する電圧値を電気光学素子15a,15bの温度を
変えて実験により求め、その測定値を利用して温度補償
しても良い。図6は厚さd=1mm ,長さa=20mm,幅10
mmのLiNb03の電気光学素子について光位相2πに相当す
る電圧値の温度特性を実験により測定したものである。
【0055】図7は本発明の実施例2の周波数シフター
の説明図である。本実施例が実施例1と異なる点は周波
数シフターの構成のみでその他の構成は同じである。
【0056】本実施例の周波数シフター102は実施例
1の温度検出素子20の代わりに電気光学素子15a,
15bのポッケルス定数γ33、屈折率Neの温度依存性を
補償するような温度特性を持ったセロダイン駆動回路を
構成して、光の位相変化を一定にし、光位相2πに相当
する値に電圧振幅を設定するものである。
【0057】図7(A)は本実施例の位相シフターの要
部概略図である。図中、26は定電流回路、27はスイ
ッチング回路である。
【0058】本実施例の動作を説明する。本実施例は電
気光学素子を容量負荷としてセロダイン駆動回路を定電
流回路26とスイッチング回路27とで構成している。
そしてスイッチング回路27をOFF にして定電流回路2
6によって所定電流iを流す。電気光学素子15にはこ
れを挟む電極17a,17b間に電荷が溜り電界は上昇
する。一定電圧になった時点でスイッチング回路27を
ONして電荷を放電し、両電極間の電圧を0とする。この
ように電気光学素子15a,15bの両端に電荷の充放
電を行うことによって、図7(B)に示す様にセロダイ
ン駆動を行っている。
【0059】以上の動作によって電気光学素子15a,
15bのセロダイン駆動の電圧値を所定の光位相に相当
させることが出来ることを説明する。
【0060】電気光学結晶は電気的には絶縁体で容量成
分のみを持つことがわかっている。LiNb03の電気光学素
子の厚みd=2mm 、長さa=20mm、幅10mmとすると、実
験によりその容量値は図8に示す温度依存性を持つこと
がわかった。図8より容量値は温度 0〜50℃で±1.8 %
の変動があり、温度が上がると電気容量が増加する。ま
た、実験により光位相2πに相当する電圧値も図6に示
す温度依存性を持つことがわかっている。図6よりこの
電圧値は温度 0〜50℃で±1.5 %の変動があり、温度が
上がると電圧値は低下する。
【0061】従ってクーロンの法則Q=CVより、図7
(B)で示す様に定電流回路26に所定電流iを流し、
所定周期でスイッチング回路27をON/OFFすれば、電気
光学素子15a,15bの温度依存性を打ち消し合わ
せ、温度 0〜50℃の間でセロダイン駆動の電圧値を±0.
3 %の変動に抑えることができる。
【0062】図9は本発明の実施例3の周波数シフター
の要部概略図である。本実施例は実施例2をさらに改良
するものであり、実施例2と異なる点は周波数シフター
の構成のみでその他の構成は同じである。
【0063】本実施例の周波数シフター103は実施例
2のセロダイン駆動回路の定電流回路の構成中の一部の
抵抗に温度補償用の抵抗及び抵抗値が温度に対して安定
な精密抵抗を用いるものである。
【0064】図中、28は定電流回路、RSは精密抵抗で
ある。RTは温度補償用抵抗であり、例えばサーミスタで
構成し、電気光学素子15a,15bに密着して配置し
ている。温度補償用抵抗RTは温度検出手段の役割を持っ
ている。
【0065】本実施例の作用を説明する。本実施例は基
本的に実施例2と同様に定電流回路とスイッチング回路
によって電気光学素子の温度依存性を打ち消し合わせて
いる。実施例2で説明したようにこれによっても±0.3%
の変動が残ることになる。本実施例では温度補償用抵抗
RTとしてのサーミスターと精密抵抗を組み合わせて、電
気光学素子15a,15bの温度に応じてさらに定電流
回路28の電流に温度特性を持たせてきめ細かく温度補
償を行っている。
【0066】以上で説明した実施例では温度情報検出素
子(温度検出手段)としてサーミスター等を使用した
が、この他に温度依存性のある抵抗、コンデンサ、トラ
ンジスタ、オペアンプ、ダイオードなどの電子素子を温
度情報検出素子として用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】本発明は以上の構成により、光学式変位
計測装置に使用する電気光学素子のセロダイン駆動に際
して温度変化によって光位相が非連続になる問題を解決
して、高精度で安定した計測を行う光学式変位計測装置
を達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部概略図
【図2】 実施例1の周波数シフターの説明図 (A)周波数シフターの要部斜視図 (B)セロダイン駆動の説明図
【図3】 電気光学結晶の異常光線の屈折率Ne の温度
依存性を示す図
【図4】 電気光学結晶のポッケルス定数γ33の温度依
存性を示す図
【図5】 電気光学結晶の誘電率ε33の温度依存性を示
す図
【図6】 光位相2πに相当する電気光学結晶への印加
電圧値の温度依存性を示す図
【図7】 本発明の実施例2の周波数シフターの説明図 (A)周波数シフターの要部概略図 (B)セロダイン駆動の説明図
【図8】 LiNb03の電気光学結晶(厚み 2mm、 長さ20m
m、 幅10mm)の容量値の温度依存性を示す図
【図9】 本発明の実施例3の周波数シフターの要部概
略図
【図10】 従来のレーザードップラー速度計の要部概
略図
【図11】 従来の周波数シフターを用いたレーザード
ップラー速度計の要部概略図
【図12】 従来の周波数シフターを用いたレーザード
ップラー速度計の要部概略図
【符号の説明】
1A 速度計の測定ヘッド 1 光源(レーザーダイオード) 2 コリメーターレンズ 3 平行光束 5a,5b 光束 6a,6b ミラー 7 移動物体 8 集光レンズ 9 光検出器 10 回折格子 11,12 レンズ 13a,13b 光束 14a,14b 光束 15a,15b 電気光学結晶 16 光学系 17a,17b 電極 18 絶縁体 19 熱伝導体 20 温度検出素子 21 A/D 変換器 22 CPU 23 D/A 変換器 24 セロダイン波形発生器 25 乗算器 26 定電流回路 27 スイッチング回路 28 定電流回路 30 駆動回路 31 レンズ RT 温度補償用抵抗 RS 精密抵抗 100、101、102、103 周波数シフター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光束を分割して得た2光束の
    うち1光束または2光束を、電気光学素子を透過させた
    後、該2光束を所定の入射角で移動物体に入射させ、該
    移動物体からの散乱光の周波数偏移を光検出器で検知
    し、該光検出器で検知された信号に基づいて該移動物体
    の変位情報を検出する際、 該電気光学素子の温度に応じて、該電気光学素子に印加
    する電界を制御していることを特徴とする光学式変位計
    測装置。
  2. 【請求項2】 前記電気光学素子の温度情報を検出する
    温度検出手段を設け、該温度検出手段からの温度情報に
    基づいて該電気光学素子に印加する電界を制御している
    ことを特徴とする請求項1の光学式変位計測装置。
  3. 【請求項3】 光源からの光束を分割して得た2光束の
    うち1光束または2光束を、駆動回路によって電界を印
    加している電気光学素子を透過させた後、該2光束を所
    定の入射角で移動物体に入射させ、該移動物体からの散
    乱光の周波数偏移を光検出器で検知し、該光検出器で検
    知された信号に基づいて該移動物体の変位情報を検出す
    る光学式変位計測装置において、 該駆動回路は該電気光学素子を挟む電極に電荷を与える
    回路と、一定時間間隔で該電極に蓄積した電荷を放電さ
    せるスイッチング回路を有することを特徴とする光学式
    変位計測装置。
  4. 【請求項4】 光源手段からの光束を光分割手段で2つ
    の光束に分割し、該2つの光束のうち少なくとも一方を
    電気光学素子を介して該2光束に周波数差を付与して移
    動物体に入射させ、該移動物体からの散乱光の周波数の
    偏移に基づく光束を検出手段で検出し、該検出手段から
    の信号を利用して該移動物体の速度情報を検出する際、 該電気光学素子に関する温度を検出する温度検出手段を
    設け、該温度検出手段からの信号を利用して該電気光学
    素子に印加する電界を制御していることを特徴とする光
    学式変位計測装置。
  5. 【請求項5】 光源手段からの光束を光分割手段で2つ
    の光束に分割し、該2つの光束のうち少なくとも一方を
    電気光学素子を介して該2光束に周波数差を付与して移
    動物体に入射させ、該移動物体からの散乱光の周波数の
    偏移に基づく光束を検出手段で検出し、該検出手段から
    の信号を利用して該移動物体の速度情報を検出する際、 該電気光学素子に印加する電界をスイッチング回路を用
    いて制御していることを特徴とする光学式変位計測装
    置。
JP7066993A 1995-02-28 1995-02-28 光学式変位計測装置 Pending JPH08233940A (ja)

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JP7066993A JPH08233940A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 光学式変位計測装置
US08/607,115 US5796470A (en) 1995-02-28 1996-02-26 Frequency shifter and optical displacement measuring apparatus using the frequency shifter

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