JP2948645B2 - 2波長光源素子 - Google Patents

2波長光源素子

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JP2948645B2 JP25875090A JP25875090A JP2948645B2 JP 2948645 B2 JP2948645 B2 JP 2948645B2 JP 25875090 A JP25875090 A JP 25875090A JP 25875090 A JP25875090 A JP 25875090A JP 2948645 B2 JP2948645 B2 JP 2948645B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、音響光学効果を利用して光の周波数遷移
(以後、周波数シフトと呼ぶ。)を実現する光変調装置
に係り、特に薄膜光導波路と音響光変調素子を組み合わ
せることで、1つの入射光から、2つの異なる周波数で
変調を受けた2つの光束を出射する2波長光源素子に関
する。
〔従来の技術〕
光の波長以下の精度で位置や距離の測定を行うサブフ
リンジ干渉計測法の1つとして光ヘテロダイン干渉を利
用する方法がある。光ヘテロダイン干渉計測法では、干
渉する2つの光の周波数が少し異なっているため、参照
光と被験物からの反射光を干渉させた後、光電変換する
と、その電気信号は差周波のビート信号として観測で
き、この場合、被験物の位置情報はビート信号の位相と
基準信号の位相の差として検出できる。
一方、同じ周波数の2つの光を干渉させる通常の干渉
計では、被験物の位置情報が干渉縞の明暗として検出さ
れるため、期待できる測定精度は高々光の1/2波長であ
る。
しかしながら、光ヘテロダイン干渉計測法より得られ
る電気信号の位相は、信号振幅の変化に関係なく比較的
容易に2πの1/1000程度の精度で測定できるので光の位
相情報も精度よく測定できる。例えば、光ヘテロダイン
干渉計測法を表面粗さの測定に利用して、高さの分解能
として0.1nmを得た報告がされている(参考文献 G.E.S
ommargren Appl.Opt.Vol.20 pp.610〜618 1981)。
光ヘテロダイン干渉計測法において重要な技術は、周
波数シフト技術であり、周波数が異なり、かつ現存する
光検出器で検出可能な周波数のビート信号を得ることの
できる光源が必要である。このような光源を得るための
方法は大きく分けて3種類考えられている。第1の方法
は1台のレーザ光源を周波数の異なるモードで同時発振
させる方法、第2の方法は2台の周波数安定化レーザを
周波数オフセットロックして使用する方法である。結論
的に、これらの2方法は大がかりすぎて光ヘテロダイン
干渉計測法に適用するには困難な問題が多い。第3の方
法は現在、最も多く用いられている方法で、1台のレー
ザの光を2分し、その一方もしくは両方に光学位相変調
素子を用いて光の周波数シフトを行う方法である。
光学位相変調素子には初期の頃、回転型回折格子や回
転偏光素子などが用いられていたが、今日ではブラッグ
回折を利用した音響光変調素子がよく用いられている。
音響光変調素子は高密度フリントガラスやモリブデン酸
鉛などの光学材料の中に超音波を進行させて位相格子を
形成し、光と超音波の相互作用で生じるブラッグ回折現
象を利用して周波数シフトを行うものである。
これを干渉計測に使用する方式としては、1個の変調
素子で得られる0次と1次の回折光を利用する方法と、
駆動周波数の異なる2個の変調素子の各々の1次回折光
を利用する方法とがある。後者の方法では、偏光状態の
直交する成分にそれぞれ周波数シフトを与えることがで
き、直交偏光の2周波光源として利用価値が高い。
音響光変調素子は機械的可動部がなく、小型でシフト
周波数も高くすることができるといった長所を有する
が、一方、量産に向かず高価な点、ブラッグの回折条件
を満足させる高精度な光学調整が必要な点、さらに、2
周波光源として構成した場合、ビームスプリッタ、反射
ミラー、波長板等構成部品が多く全体として複雑大型化
し、機械的外乱に弱い点などが欠点として残されてい
る。
以上に述べた音響光変調素子を使用した2周波光源で
の問題点はバルクタイプの光学系を用いたいわゆる、立
体形光学系の持つ宿命的な欠陥である。これらを全面的
に改善する策として、2つの音響光変調素子を薄膜光導
波路と組み合わせて光集積化する方法が考えられる。一
例として同一出願人・同一発明者による発明「2周波光
発生モジュール(特願昭63−229136号)」を参照された
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、光集積化を行うと、次に述べるような
新たな問題点が生ずる。光集積化を行う場合、最も重大
と考えられる問題は、2つの電極から発射された音響波
(表面弾性波)の光に対する不要な干渉効果である。す
なわち、小さな光学基板上に発生させた表面弾性波は容
易に消滅させることが難しく、変調をかけては具合いの
悪い導波光にまで変調作用を及ぼす。薄膜導波型光集積
回路では、光は基板表層部の薄い導波層内に閉じ込めら
れており、また音響波のエネルギーも表面弾性波として
基板表層部に集中しているため、両者は容易に相互作用
を引き起こしてしまう状態で存在する。そこで、一旦不
要となった表面弾性波を減衰もしくは遮断するために従
来では、吸音材を塗布したり、表面弾性波が伝搬する基
板表面を機械的か化学的エッチング処理等により溝をつ
ける方法が用いられていた。しかし、微細の光学部品が
薄膜状で存在する光集積回路への対応策としては吸音材
塗布量の制御や、加工精度の点、さらにこれらの対応策
を行うために手間がかかるといったような問題点が残っ
てしまう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では3つの発明のいずれにおいてもブラッグの
回折条件のもつ性質を利用して光が効率よく回折作用
(周波数シフト)を受けるようにしており、また一方で
は不要な表面弾性波による影響を軽減させている。
特に第1の発明は、ブラッグの回折条件において表面
弾性波の波面が作る格子に対して所定の角度で入射する
光だけが強く回折される性質を利用した(この角度のこ
とを以後ブラッグ角と呼ぶ。)。
この性質を利用すれば、光が回折を受ける場合と受け
ない場合があり、この条件を圧電性基板上に存在する2
つの平行光と2つの表面弾性波に対して適用すれば、不
要な回折作用を除去することができる。例えば、第1図
に示すように、第1の平行光と第2の平行光と表面弾性
波の波面が存在し、この表面弾性波の波面は第1の平行
光に対してはθの角度で、また第2の平行光に対して
はθの角度で入射していくものとする。そして、第1
の平行光は変調を与えたい光であり、第2の平行光は変
調を受けてほしくない光であるという要求があり、この
要求を満たすθとθの条件が定まれば先ほど挙げた
課題は解決できる。導波光と表面弾性波の波面の角度関
係については後で詳しく述べるが、第1図の2つの角度
は、θをブラッグ角に、θをブラッグ角の2倍の角
度に設定することで上の要求を満たすことができる。第
2及び第3の発明でもブラッグの回折条件を利用し、高
い効率で回折作用(周波数シフト)が得られるように光
と表面弾性波の間の角度の関係を利用する。これら2つ
の発明では、圧電性基板上に設けた1つの交差指型電極
で2つの変調された光を出力するようにしている。
第2の発明は、1つの交差指型電極から互いに反対方
向へ向かって励振する表面弾性波を利用し一方の表面弾
性波で+1次回折光が得られるようにブラッグの回折条
件を設定し、かつ、もう一方の表面弾性波で−1次回折
光が得られるようにブラッグの回折条件を設定する。
第3の発明は、1つの交差指型電極から励振する表面
弾性波の中を光が1回もしくは2回通過できるようにす
る。表面弾性波の中を2回通過する光は往路で回折し、
更に復路でも回折するため計2回の回折作用を受けるこ
とで2倍の周波数変調がかけられる。
結果的に第2及び第3の発明はいずれも、1つの交差
指型電極から2つの異なる周波数で変調を受けた2つの
光束を得ることができる。
そして、圧電性基板上には1つの交差指型電極だけ存
在するため表面弾性波同志の干渉による不要な変調作用
も回避できる。
〔作用〕
第1の発明は、圧電性基板上に設けた2つの交差指型
電極より発生する2つの表面弾性波と2つの平行光の間
の設定関係を、ブラッグの回折条件を利用し、この条件
から決定される角度関係を満たすように配置したこと
で、高い回折効率で2つの異なる周波数で変調を受けた
2つの光束を得ることができた。また、ブラッグ角θ
からはずれることで変調がかからないという性質も併せ
て利用することで、表面弾性波を遮断する吸音材や溝を
設けることなく不要な変調作用を取り除くことができ
た。
第2の発明は、圧電性基板上に設ける交差指型電極を
1つにして、この電極から互いに反対方向へ発生する2
つの表面弾性波に対して第1の発明と同様にブラッグの
回折条件を利用した。
そして、各々の表面弾性波に対して+1次及び−1次
の回折作用が生じる角度関係を設定したことで、結果的
に2つの異なる周波数で、かつ、高効率で変調を受けた
2つの光束を得ることができた。また、互いに反対方向
へ伝搬していく表面弾性波に対して変調を行ったため不
要な変調作用を受ける問題は自ずと回避できた。さら
に、1つの交差指型電極から発生する2つの表面弾性波
を有効に利用したことでより小電力で素子の駆動を行う
ことができた。
第3の発明は、圧電性基板上に設ける交差指型電極を
1つにし、この電極から発生する1方向への表面弾性波
だけに対して、光が往路の1回か、もしくはミラーで反
射されることで光が往路と復路の2回の変調を受ける構
成とした。この場合もブラッグの回折条件を利用してい
るため往路、復路共に高い回折効率で回折作用を受ける
ことができる。また、第2の発明と同様に1つの表面弾
性波に対して変調を行わせたため不要な変調作用を受け
ることなく2つの異なる周波数で変調を受けた2つの光
束を得ることができた。さらに、素子の構造を反射型に
したことで素子の大きさも大幅に小型化することができ
た。
〔第1の実施例〕 第2図に、本発明に係る2波長光源素子の第1の発明
の一実施例を示す。初めに、この実施例で示す素子の構
成要素を述べる。
光透過性を有する圧電性基板1の表層に、分岐型光導
波路2と、該分岐型光導波路2の出力端に接続した平面
型光導波路3が設けてある。
平面型光導波路3の内部には、分岐型光導波路2の出
力端から入射して自然に回折して扇形に分散した光を平
行な導波光に変換する第1の薄膜型レンズ4と第2の薄
膜型レンズ5が設けられている。圧電性基板1の上に
は、平行にされた導波光に対して、ブラッグ角θで表
面弾性波を発生させる第1の交差指型電極6と第2の交
差指型電極7が設けてある。平面型光導波路3の内部に
は、表面弾性波によって回折(変調)された平行光を集
光するための第3の薄膜型レンズ8と第4の薄膜型レン
ズ9が設けられている。この第3及び第4の薄膜型レン
ズ8、9によって集光された位置つまり、第3及び第4
の薄膜型レンズ8、9の焦点の位置に、平面型光導波路
3に接続した第1及び第2の直線型光導波路10、11が設
けてあり回折(変調)された導波光を圧電性基板1の端
面まで導くようにしている。
次にこの素子の中を導波する光の振る舞いについて述
べる。
圧電性基板1の光入射点12に入射した周波数f0の光
は、分岐型光導波路2の中を導波していき2分岐され、
平面型光導波路3の中に入射する。そして、分岐型光導
波路2の2つの出力端から出射する光は自然に回折して
扇状に拡がり、第1の薄膜型レンズ4で光束幅の大きな
第1の平行光13がつくられ、第2の薄膜型レンズ5でも
同様に光束幅の大きな第2の平行光14がつくられる。こ
のように第1及び第2の平行光13、14が存在している状
態において、第1の交差指型電極6へ励振周波数f1の正
弦波信号を印加して発生した第1の表面弾性波15が第1
の平行光13に対しブラッグ角θで入射して効率よく光
の周波数変調を行う。同様に第2の交差指型電極7へ励
振周波数f2の正弦波信号を印加して発生した第2の表面
弾性波16が第2の平行光14に対しブラッグ角θで入射
して効率よく光の周波数変調を行う。第1の平行光13の
うち、第1の表面弾性波15で周波数変調された光は、第
3の薄膜型レンズ8により集光され、第1の直線型光導
波路10内に入射して圧電性基板1の第1の光出射点17へ
導波される。第1の光出射点17から出射する光の周波数
は第1の表面弾性波15により周波数シフトをf1分だけ受
けているためf0+f1となる。また第2の平行光14のう
ち、第2の表面弾性波16で周波数変調された光は、第4
の薄膜型レンズ9により集光され、第2の直線型光導波
路11内に入射して圧電性基板1の第2の光出射点18へ導
波される。第2の光出射点18から出射する光の周波数は
第2の表面弾性波16により周波数シフトをf2分だけ受け
ているためf0+f2となる。
ところで、本発明の2波長光源素子の第1の発明で
は、2つの平行光それぞれの中に、2つの異なる表面弾
性波が混在することになる。
第2図で、第1の相互作用領域19の中には第1の交差
指型電極6から発生した第1の表面弾性波15と第2の交
差指型電極7から発生した第2の表面弾性波16が混在
し、同様に、第2の相互作用領域20の中にも第1の表面
弾性波15と第2の表面弾性波16が混在する。そこで、第
1の平行光13は2つの表面弾性波のうち、第1の表面弾
性波15だけから効率よく変調を受けることが必要であ
り、また第2の平行光14は2つの表面弾性波のうち第2
の表面弾性波16だけから効率よく変調を受けることが必
要である。本発明においては、これらの課題を次に述べ
る方法により解決した。
まず、第3図に表面弾性波の波面に対する導波光の入
射角度(deg)を変えながら、0次回折光と+1次回折
光の回折効率を測定した実験結果を示す。ここでいう回
折効率とは、出射する全光量のうち回折光量の占める比
率を意味する。実験で用いた素子は、基板としてニオブ
酸リチウムのxカット板を使用し、光導波路はプロトン
交換法で作製されたシングルモード光導波路で、また、
交差指型電極はアルミ蒸着で作製した。電極から発生す
る表面弾性波の波長は約23μm、電極の中心周波数は15
3M Hzであり、回折におけるQ値は本実験で使用した光
源波長633nmの場合で11である。
第3図より光(導波光)の入射角度がブラッグ角θ
(約0.36゜)の近傍である場合には、最大の回折効率
(約93%)が得られ、0゜とブラッグ角θの2倍の角
度2θ(約0.72゜)の近傍で光が入射すると+1次回
折光の回折効率は2%未満となり、入射光はほとんど変
調を受けないことが判る。この実験事実を踏まえて、第
1の発明では第4図に示すように、第1の平行光13と第
2の平行光14の開き角度がブラッグ角θと等しくなる
ように設定した。ただし、ここでは第1の交差指型電極
6と第2の交差指型電極7の励振周波数は同じに設定し
た。
このようにすることにより第1の交差指型電極6から
発生した第1の表面弾性波の波面21は第1の平行光13に
対してブラッグ角θで入射し、第1の回折光22を発生
させる。この第1の回折光22は第1の平行光13からブラ
ッグ角θの2倍の角度だけ方向を変えて導波してい
く。
同様に、第2の交差指型電極7から発生した第2の表
面弾性波の波面23は第2の平行光14に対してブラッグ角
θで入射し、第2の回折光24を発生させる。この第2
の回折光24も第2の平行光14からブラッグ角θの2倍
の角度2θだけ方向を変えて導波していく。一方、第
1の交差指型電極6から発生した第1の表面弾性波15は
第1の平行光13に変調を与えた後、第2の平行光14と第
2の回折光24とも交差して通過していくがこのとき第1
の表面弾性波の波面21と第2の平行光14とのなす角度は
0゜となり、第1の表面弾性波の波面21と第2の回折光
24のなす角度はブラッグ角θの2倍の角度2θとな
る。この角度は先に示した実験結果より回折作用をほと
んど及ぼさない角度関係となっている。同様に、第2の
交差指型電極7から発生した第2の表面弾性波16は第2
の平行光14に変調を与えた後、第1の平行光13と第1の
回折光22とも交差して通過していくがこのとき第2の表
面弾性波の波面23と第1の平行光13とのなす角度は0゜
となり、第2の表面弾性波の波面23と第1の回折光22の
なす角度はブラッグ角θの2倍の角度2θとなり、
回折作用をほとんど及ぼさない角度関係となる。
上述の説明では、第1及び第2の交差指型電極6、7
の励振周波数が等しい場合について考えているが、2つ
の励振周波数がわずかに異なる場合(例えば、変調周波
数の±1%の変化)でも、交差指型電極の励振周波数の
変化に対するブラッグ角度変化への寄与は非常に小さく
互いの影響はほとんど無視できる。このようにして2波
長光源素子の実現が可能となる。
〔第2の実施例〕 第5図に、本発明に係る2波長光源素子の第2の発明
の一実施例を示す。初めに、この実施例で示す素子の構
成要素を述べる。
光透過性を有する圧電性基板1の表層に、分岐型光導
波路2と、該分岐型光導波路2の出力端に接続した平面
型光導波路3が設けてある。平面型光導波路3の内部に
は、分岐型光導波路2の出力端から入射して自然に回折
して扇形に分散した光を、平行な導波光に変換する第1
の薄膜型レンズ4と第2の薄膜型レンズ5が設けられて
いる。圧電性基板1の上には、平行にされた導波光に対
して、ブラッグ角θで表面弾性波を発生させる交差指
型電極25が設けてある。平面型光導波路3の内部には、
表面弾性波によって回折(変調)された平行光を集光す
るための第3の薄膜型レンズ8と第4の薄膜型レンズ9
が設けられている。第3及び第4の薄膜型レンズ8、9
によって集光された位置つまり、第3及び第4の薄膜型
レンズ8、9の焦点の位置で、平面型光導波路3に接続
した第1及び第2の直線型光導波路10、11が設けてあり
回折(変調)された導波光を圧電性基板1の端面まで導
くようにしている。
次にこの素子の中を導波する光の振る舞いについて述
べる。
圧電性基板1の光入射点12に入射した周波数f0の光
は、分岐型光導波路2の中を導波していき2分岐され、
平面型光導波路3の中に入射する。そして、分岐型光導
波路2の2つの出力端から出射する光は自然に回折して
扇状に拡がり、第1の薄膜型レンズ4で光束幅の大きな
第1の平行光13がつくられ、第2の薄膜型レンズ5でも
同様に光束幅の大きな第2の平行光14がつくられる。こ
のように第1及び第2の平行光13、14が存在している状
態において、交差指型電極25へ励振周波数f1の正弦波信
号を印加して発生した第1の表面弾性波15が第1の平行
光13に対し正のブラッグ角θで入射して効率よく光の
周波数変調を行う。また同じ交差指型電極25から第1の
表面弾性波15とは反対の方向へ発生した第2の表面弾性
波16が第2の平行光14に対し負のブラッグ角θで入射
して効率よく光の周波数変調を行う。
第1の平行光13のうち、第1の表面弾性波15で周波数
変調された光は、第3の薄膜型レンズ8により集光さ
れ、第1の直線型光導波路10内に入射して圧電性基板1
の第1の光出射点17へ導波される。第1の光出射点17か
ら出射する光の周波数は第1の表面弾性波15により正の
周波数シフトをf1分だけ受けているためf0+f1となる。
また、第2の平行光14のうち、第2の表面弾性波16で周
波数変調された光は、第4の薄膜型レンズ9により集光
され、第2の直線型光導波路11内に入射して圧電性基板
1の第2の光出射点18へ導波される。第2の光出射点18
から出射する光の周波数は第2の表面弾性波16により負
の周波数シフトをf1分だけ受けているためf0−f1とな
る。このようにして2波長光源素子の実現が可能とな
る。
〔第3の実施例〕 第6図に、本発明に係る2波長光源素子の第3の発明
の一実施例を示す。初めに、この実施例で示す素子の構
成要素を述べる。
光透過性を有する圧電性基板1の表層に、第1の直線
型光導波路10と、該第1の直線型光導波路10の出力端に
接続した平面型光導波路3が設けてある。平面型光導波
路3の内部には、第1の直線型光導波路10の出力端から
入射して自然に回折して扇形に分散した光を、平行な導
波光に変換する第1の薄膜型レンズ4が設けられてい
る。圧電性基板1の上には、平行にされた導波光に対し
て、ブラッグ角θで表面弾性波を発生させる交差指型
電極25が設けてある。平面型光導波路3の内部には、表
面弾性波によって回折(変調)された平行光を集光する
ための第2の薄膜型レンズ5が設けられている。第2の
薄膜型レンズ5によって集光された位置つまり、第2の
薄膜型レンズ5の焦点の位置で、平面型光導波路3に接
続した第2の直線型光導波路11が設けてあり回折(変
調)された導波光を圧電性基板1の端面まで導くように
している。また、第2の直線型光導波路11の一端にはミ
ラー26が設けられていて第2の直線型光導波路11を導波
してきた光のうち一部を反射するようにしている。
次にこの素子の中を導波する光の振る舞いについて述
べる。
圧電性基板1の光入射点12に入射した周波数f0の光
は、第1の直線型光導波路10の中を導波していき、平面
型光導波路3の中に入射する。
そして、第1の直線型光導波路10の出力端から出射す
る光は自然に回折して扇状に拡がり、第1の薄膜型レン
ズ4で光束幅の大きな平行光27がつくられる。
このように平行光27が存在している状態において、交
差指型電極25へ励振周波数f1の正弦波信号を印加して発
生した表面弾性波28が平行光27に対しブラッグ角θ
入射して効率よく光の周波数変調を行う。平行光27のう
ち、表面弾性波28で周波数変調された光は、第2の薄膜
型レンズ5により集光され、第2の直線型光導波路11内
に入射して圧電性基板1の光出射点29へ導波される。光
出射点29から出射する光の周波数は表面弾性波28により
周波数シフトをf1分だけ受けているためf0+f1となる。
また、光出射点29には、ミラー26が設けられているた
め、第2の直線型光導波路11を導波してきた光のうち、
一部は反射されて再び平面型導波路3内に導波してい
く。そして、第2の薄膜型レンズ5により平行光とな
り、再び交差指型電極25から発生してくる表面弾性波28
で回折作用を受け、その後第1の薄膜型レンズ4で集光
されて第1の直線型光導波路10内に入射して、圧電性基
板1の光入射点12から出射していく。光入射点12から出
射する光の周波数は表面弾性波28による周波数シフトを
2回分受けているためf0+2f1となる。このようにして
2波長光源素子の実現が可能となる。
〔発明の効果〕
第1の発明では、光を2つの異なる周波数で変調する
ために、分岐型光導波路により導波光を2分し、それぞ
れの光導波路を伝搬する導波光に対して異なる周波数の
表面弾性波で変調をかける構成とした。また、2つの平
行光の間の配置角度に条件を設け、伝搬する表面弾性波
が互いに他の平行光へ影響を及ぼさないようにした。こ
のようにしたことで音響光学効果を利用した光集積回路
の実現で問題となる不要な音響波の影響を受けることが
なくなった。よって、表面弾性波による光のブラッグ回
折を利用した2波長光源素子が実現可能となった。
第2の発明では、光を2つの異なる周波数で変調する
ために、分岐型光導波路により導波光を2分し、それぞ
れの光導波路を伝搬する導波光に対して同一電極より発
生し互いに反対方向に伝搬する2つの表面弾性波で変調
をかけた。そして、導波光は回折作用において正負逆の
周波数シフトを受ける構成として、表面弾性波が互いに
他の導波光へ影響を及ぼさないようにした。このように
したことで音響光学効果を利用した光集積回路の実現で
問題となる不要の音響波の影響を受けることがなくなっ
た。よって、表面弾性波による光のブラッグ回折を利用
した2波長光源素子が実現可能となった。
第3の発明では、光を2つの異なる周波数で変調する
ために、1つの電極から発生する表面弾性波の伝搬路中
を1回もしくは2回光が通過するようにした。そして、
素子内を往復して導波する光に対しては2倍の周波数シ
フトを受ける構成とした。また光導波路構造を反射型に
したことで素子を大幅に小型化させた。このようにした
ことで音響光学効果を利用した光集積回路の実現で問題
となる不要な音響波の影響を受けることがなくなった。
よって、表面弾性波による光のブラッグ回折を利用した
2波長光源素子が実現可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は,2つの平行光と表面弾性波の波面の模式図を、
第2図は,本発明に係る2波長光源素子の第1の発明の
実施例を、第3図は,表面弾性波の波面に対する導波光
の入射角度と回折効率の関係を、第4図は,2つの平行光
と2つの回折光と2つの表面弾性波の模式図を、第5図
は,本発明に係る2波長光源素子の第2の発明の一実施
例を、第6図は,本発明に係る2波長光源素子の第3の
発明の一実施例をそれぞれ示す。 図において、1は圧電性基板、2は分岐型光導波路、3
は平面型光導波路、4は第1の薄膜型レンズ、5は第2
の薄膜型レンズ、6は第1の交差指型電極、7は第2の
交差指型電極、8は第3の薄膜型レンズ、9は第4の薄
膜型レンズ、10は第1の直線型光導波路、11は第2の直
線型光導波路、12は光入射点、13は第1の平行光、14は
第2の平行光、15は第1の表面弾性波、16は第2の表面
弾性波、17は第1の光出射点、18は第2の光出射点、19
は第1の相互作用領域、20は第2の相互作用領域、21は
第1の表面弾性波の波面、22は第1の回折光、23は第2
の表面弾性波の波面、24は第2の回折光、25は交差指型
電極、26はミラー、27は平行光、28は表面弾性波、29は
光出射点をそれぞれ示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性を有する圧電性基板(1)と; 該圧電性基板の表層に設けられ、該圧電性基板の端面よ
    り入射した光を導波し分配するための分岐型光導波路
    (2)と; 該分岐型光導波路の2つの出力端に接続された平面型光
    導波路(3)と; 該平面型光導波路の内部に設けられ、前記分岐型光導波
    路の2つの出力端から扇状に回折した薄膜状の導波光を
    受けてそれぞれの導波光を第1及び第2の平行光(1
    3)、(14)にするための第1及び第2の薄膜型レンズ
    (4)、(5)と; 前記第1の平行光に対してはブラッグの回折条件を満足
    し、かつ、前記第2の平行光に対してはブラッグの回折
    条件からはずれた角度で入射する波面と伝搬方向を持つ
    第1の表面弾性波(15)を前記圧電性基板上に発生させ
    る第1の交差指型電極(6)と; 前記第2の平行光に対してはブラッグの回折条件を満足
    し、かつ、前記第1の平行光に対してはブラッグの回折
    条件からはずれた角度で入射する波面と伝搬方向を持つ
    第2の表面弾性波(16)を前記圧電性基板(1)上に発
    生させる第2の交差指型電極(7)と; 前記第1及び第2の表面弾性波で回折された2つの平行
    光をそれぞれ集光するために前記平面型光導波路の内部
    に設けられた第3及び第4の薄膜型レンズ(8)、
    (9)と; 前記2つの平行光が集光された位置で、前記平面型光導
    波路にそれぞれ接続され、回折光を前記圧電性基板の端
    面まで導くための第1及び第2の直線型光導波路(1
    0)、(11)とを備えたことを特徴とする2波長光源素
    子。
  2. 【請求項2】光透過性を有する圧電性基板(1)と; 該圧電性基板の表層に設けられ、該圧電性基板の端面よ
    り入射した光を導波し分配するための分岐型光導波路
    (2)と; 該分岐型光導波路の2つの出力端に接続された平面型光
    導波路(3)と; 該平面型光導波路の内部に設けられ、前記分岐型光導波
    路の2つの出力端から扇状に回折した薄膜状の導波光を
    それぞれ平行光にするための第1及び第2の薄膜型レン
    ズ(4)、(5)と; 前記2つの平行光に対して、1つの平行光に対しては+
    1次回折光が、もう1つの平行光に対しては−1次回折
    光が生じるようなブラッグの回折条件をそれぞれ満足す
    る角度で入射する波面と伝搬方向を持つ第1及び第2の
    表面弾性波(15)、(16)を前記圧電性基板(1)上に
    発生させる交差指型電極(25)と; 前記第1及び第2の表面弾性波で回折された2つの平行
    光をそれぞれ集光するために前記平面型光導波路の内部
    に設けられた第3及び第4の薄膜型レンズ(8)、
    (9)と; 前記2つの平行光が集光された位置で、該平面型光導波
    路にそれぞれ接続され、回折光を前記圧電性基板の端面
    まで導くための第1及び第2の直線型光導波路(10)、
    (11)とを備えたことを特徴とする2波長光源素子。
  3. 【請求項3】光透過性を有する圧電性基板(1)と; 該圧電性基板の表層に設けられ、該圧電性基板の端面よ
    り入射した光を導波するための第1の直線型光導波路
    (10)と; 該第1の直線型光導波路の出力端に接続された平面型光
    導波路(3)と; 該平面型光導波路の内部に設けられ、前記第1の直線型
    光導波路の出力端から扇状に回折した薄膜状の導波光を
    平行光(27)にするための第1の薄膜型レンズ(4)
    と; 前記平行光に対してブラッグの回折条件を満足するよう
    な波面と伝搬方向を持つ表面弾性波(28)を前記圧電性
    基板上に発生させる交差指型電極(25)と; 前記表面弾性波で回折された平行光を集光するために前
    記平面型光導波路の内部に設けられた第2の薄膜型レン
    ズ(5)と; 前記平行光が集光された位置で、前記平面型光導波路に
    接続され、回折光を前記圧電性基板の端面まで導くため
    の第2の直線型光導波路(11)と; 前記第2の直線型光導波路の端面に設けられ、該第2の
    直線型光導波路を導波してきた前記回折光の一部を反射
    するミラー(26)とを備えたことを特徴とする2波長光
    源素子。
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