JP3512941B2 - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP3512941B2
JP3512941B2 JP05678596A JP5678596A JP3512941B2 JP 3512941 B2 JP3512941 B2 JP 3512941B2 JP 05678596 A JP05678596 A JP 05678596A JP 5678596 A JP5678596 A JP 5678596A JP 3512941 B2 JP3512941 B2 JP 3512941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に装備される作業装置のピン結合部等に
好適に用いられる軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の建設機械に装備される
作業装置には、ブーム、アームおよびバケット等を連結
ピンを介して回動可能に支持するために複数の軸受装置
が設けられている。
【0003】そして、この種の従来技術による軸受装置
として、例えば実開昭59−135951号公報には、
油圧ショベルのアーム先端とバケットとの間に設けら
れ、バケットをアームに対して回動可能に連結するピン
結合部に適用されたものが開示されている。
【0004】この軸受装置は、アームの先端側に設けら
れたボス部材としてのアーム側ボス部と、バケットに設
けられた相手方部材としての左,右一対のバケット側の
ブラケット部と、アーム側ボス部とバケット側のブラケ
ット部とを相対回動可能に連結する連結ピンと、アーム
側ボス部の軸方向両端側に位置して連結ピンと該ボス部
との間に設けられた左,右一対のブッシュ等とから大略
構成されている。そして、アームの先端側に配設された
バケットは、リンク機構を介してバケットに連結された
バケットシリンダを作動させることにより、連結ピンを
中心としてアームに対して回動し掘削作業等を行なうよ
うになっている。
【0005】ここで、軸受装置の一部を構成する一対の
ブッシュは、連結ピンの軸方向両端側に挿通された内側
ブッシュと、外周側がアーム側ボス部の軸方向両端側に
圧入され、内周側が内側ブッシュの外周側に摺動可能に
嵌合した外側ブッシュとからなり、内側ブッシュには、
ノックピンを介してバケット側のブラケット部に固定さ
れる拡径した鍔部が設けられている。そして、外側ブッ
シュの軸方向外側の端面と内側ブッシュの鍔部との間に
は、両者の隙間を介して内側ブッシュと外側ブッシュと
の摺動面に土砂等が侵入するのを防止するシール部材が
設けられている。また、内側ブッシュと外側ブッシュと
の間には、該シール部材よりも径方向内側に位置してス
ペーサが設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるピン結合装置では、バケットによる掘削作
業時において内側ブッシュと外側ブッシュとの間に土砂
等が侵入するのを防止するため、互いに摺動する内側ブ
ッシュと外側ブッシュとの間に形成される軸方向の隙間
を小さくする必要がある。
【0007】さらに、上述の軸受装置では、内側ブッシ
ュの鍔部と外側ブッシュの端縁部との隙間内にシール部
材を設けるために、内側ブッシュの鍔部と外側ブッシュ
の端面とに、それぞれシール部材を保持するためのシー
ル受部を形成する必要があり、シール部材の取付構造が
複雑化して、製造コストの上昇を招くという問題があ
る。
【0008】また、内側ブッシュの鍔部と外側ブッシュ
の端面との間に配設したスペーサは、その軸方向寸法
(肉厚)が小さいため、掘削作業時に軸方向荷重を受け
て比較的早期に摩耗してしまい、内側ブッシュの鍔部と
外側ブッシュとの摺動面にガタ等が発生することによ
り、アームに対するバケットの円滑な回動が長期に亘っ
て補償できなくなるという不具合がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みて
なされたもので、ボス部材と相手方部材との間の摺動部
にダスト等が浸入するのを確実に防止でき、構造を大幅
に簡略化できる上に、外側ブッシュと内側ブッシュとの
耐摩耗性を大幅に高めることができ、ボス部材に対する
相手方部材の円滑な回動を長期に亘って補償できるよう
にした軸受装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は軸方向にブッシュ嵌合穴が形成された
ボス部材と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結
する連結ピンとからなる軸受装置に適用される。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、軸方向にブッシュ嵌合穴が形成されたボス部材
と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結する連結
ピンとからなる軸受装置において、焼結含油合金から筒
状に形成され、前記ボス部材のブッシュ嵌合穴内に嵌着
された外側ブッシュと、外周側が該外側ブッシュ内に摺
動可能に嵌合し、内周側に前記連結ピン用のピン挿通穴
が形成された内側ブッシュと、前記外側ブッシュの端面
に摺接するように該内側ブッシュの外周側に形成され、
前記ボス部材との間にシール収容空間を形成する鍔部
と、該鍔部と前記ボス部材との間のシール収容空間内に
配設され、前記外側ブッシュと内側ブッシュとの間をシ
ールするシール部材とを備え、前記内側ブッシュには、
少なくとも前記外側ブッシュとの摺動面側に表面硬化層
を形成したことにある。
【0012】このように構成することにより、外側ブッ
シュ全体を焼結含油合金から形成できると共に、外側ブ
ッシュに対する内側ブッシュの摺動面を表面硬化層とし
て形成することができ、外,内側ブッシュの耐摩耗性を
確実に高めることができる。そして、焼結含油合金とし
ての外側ブッシュからの潤滑油を外側ブッシュと内側ブ
ッシュとの摺動面間に供給することができ、該摺動面間
を常時潤滑状態に保持することができる。また、前記シ
ール収容空間内に配設されるシール部材によって外部か
らダスト等が前記摺動面間に侵入してしまうのを確実に
防止できる。
【0013】また、請求項2に記載の発明が採用する構
成の特徴は、前記ボス部材のブッシュ嵌合穴内に嵌着さ
れた外側ブッシュと、外周側が該外側ブッシュ内に摺動
可能に嵌合し、内周側に前記連結ピン用のピン挿通穴が
形成された内側ブッシュと、前記外側ブッシュの端面に
摺接するように該内側ブッシュの外周側に形成され、前
記ボス部材との間にシール収容空間を形成する鍔部と、
該鍔部と前記ボス部材との間のシール収容空間内に配設
され、前記外側ブッシュと内側ブッシュとの間をシール
するシール部材とを備え、該内側ブッシュの表面と外側
ブッシュの表面のうち、少なくとも該外側ブッシュと内
側ブッシュとの摺動面側には表面硬化層を形成し、該摺
動面に潤滑剤を供給したことにある。
【0014】これにより、外側ブッシュと内側ブッシュ
との摺動面を表面硬化層として形成することができ、相
手方部材をボス部材に対して回転させるときには、この
表面硬化層が形成された摺動面の耐摩耗性を確実に高め
ることができる。そして、内側ブッシュと外側ブッシュ
との摺動面間に供給される潤滑剤によって該摺動面を確
実に潤滑状態に保持でき、該摺動面間に作用する摺動抵
抗を確実に小さくすることができる。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明が採用する
構成の特徴は、銅系合金によって筒状に形成され、前記
ボス部材のブッシュ嵌合穴内に嵌着された外側ブッシュ
と、外周側が該外側ブッシュ内に摺動可能に嵌合し、内
周側に前記連結ピン用のピン挿通穴が形成された内側ブ
ッシュと、前記外側ブッシュの端面に摺接するように該
内側ブッシュの外周側に形成され、前記ボス部材との間
にシール収容空間を形成する鍔部と、該鍔部と前記ボス
部材との間のシール収容空間内に配設され、前記外側ブ
ッシュと内側ブッシュとの間をシールするシール部材と
を備え、前記内側ブッシュに少なくとも前記外側ブッシ
ュとの摺動面側に表面硬化層を形成し、かつ前記外側ブ
ッシュには内側ブッシュとの摺動面側に固体潤滑剤を設
けたことにある。
【0016】これにより、外側ブッシュ全体を銅系合金
から形成できると共に、外側ブッシュに対する内側ブッ
シュの摺動面を表面硬化層として形成することができ、
外,内側ブッシュの耐摩耗性を確実に高めることができ
る。そして、外側ブッシュと内側ブッシュとの摺動面間
に作用する摺動抵抗を外側ブッシュに設けた固体潤滑剤
によって確実に小さくすることができる。
【0017】さらにまた、請求項4に記載の発明が採用
する構成の特徴は、少なくとも内周面側に表面硬化層が
形成され、前記ボス部材のブッシュ嵌合穴内に嵌着され
た外側ブッシュと、外周側が該外側ブッシュ内に摺動可
能に嵌合し、内周側に前記連結ピン用のピン挿通穴が形
成された内側ブッシュと、前記外側ブッシュの端面に摺
接するように該内側ブッシュの外周側に形成され、前記
ボス部材との間にシール収容空間を形成する鍔部と、該
鍔部と前記ボス部材との間のシール収容空間内に配設さ
れ、前記外側ブッシュと内側ブッシュとの間をシールす
るシール部材とを備え、該内側ブッシュは銅系合金によ
って筒状に形成し、かつ該内側ブッシュに前記外側ブッ
シュとの摺動面側に固体潤滑剤を設けたことにある。
【0018】これにより、内側ブッシュ全体を銅系合金
から形成できると共に、内側ブッシュに対する外側ブッ
シュの摺動面を表面硬化層として形成でき、外,内側ブ
ッシュの耐摩耗性を確実に高めることができる。そし
て、外側ブッシュと内側ブッシュとの摺動面間に作用す
る摺動抵抗を内側ブッシュに設けた固体潤滑剤によって
確実に小さくすることができる。
【0019】一方、請求項5の発明では、前記表面硬化
層を浸炭処理により形成したことにある。これによっ
て、外側ブッシュまたは内側ブッシュの摺動面等に浸炭
処理による表面硬化層を容易に形成することができる。
【0020】また、請求項6の発明では、前記表面硬化
層を窒化処理により形成したことにある。これによっ
て、外側ブッシュまたは内側ブッシュの摺動面等に窒化
処理による表面硬化層を容易に形成することができる。
【0021】さらに、請求項7の発明では、内側ブッシ
ュの内周側と連結ピンの外周面との間に他のシール部材
を設けたことにある。これにより、内側ブッシュのピン
挿通穴と連結ピンとの間に外部からダストが侵入するの
を前記他のシール部材によって確実に防止することがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき説明する。
【0023】ここで、図1ないし図4は本発明の第1の
実施例を示している。
【0024】図1において、1は本発明による軸受装置
が適用された油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1の
上部旋回体2には、掘削作業等を行なう作業装置3が俯
仰動可能に配設されている。
【0025】そして、作業装置3は、上部旋回体2にピ
ン結合されたブーム4と、該ブーム4の先端側にピン結
合された支持部材としてのアーム5と、該アーム5の先
端側にピン結合された回動部材としてのバケット6等と
から大略構成され、これらブーム4、アーム5およびバ
ケット6は、それぞれピン結合部を介して連結されたブ
ームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ
9およびリンク10等を作動させることにより回動動作
を行なうようになっている。そして、これら各ピン結合
部には、本実施例の軸受装置が装備されており、例え
ば、アーム5とバケット6とは、図2および図3に示す
軸受装置を介して相対回動可能に結合されている。
【0026】図2および図3において、11はアーム5
の先端側に設けられたボス部材としてのアームボスを示
し、該アームボス11の軸方向には貫通孔12が形成さ
れている。そして、該貫通孔12の軸方向両端側は、後
述の外側ブッシュ16が嵌着される大径のブッシュ嵌合
穴13,13となり、該各ブッシュ嵌合穴13と貫通孔
12との間には、径方向内向きに突出しブッシュ嵌合穴
13よりも小径となった環状突起部14,14が形成さ
れている。
【0027】15,15はバケット6から外側に突設さ
れ、アーム5のアームボス11を挟むように配置された
相手方部材としての一対のブラケットで、該各ブラケッ
ト15には後述の連結ピン21が挿通されるピン貫通穴
15A,15Aが穿設されている。そして、各ブラケッ
ト15の内側端面はピン貫通穴15Aの周囲に位置する
部位が後述の各鍔部19に対する当接面15B,15B
となっている。
【0028】16,16はアームボス11の軸方向両端
側に位置して各ブッシュ嵌合穴13内に嵌着された一対
の外側ブッシュを示し、該各外側ブッシュ16は、図2
および図3に示す如く焼結含油合金から筒状体として形
成され、その軸方向内側端面を各環状突起部14に当接
させた状態でブッシュ嵌合穴13内に圧入嵌合されてい
る。
【0029】ここで、各外側ブッシュ16は、その内周
面が後述する内側ブッシュ17の摺動面18Cに対する
摺動面16Aとなり、軸方向外側端面の径方向内側部位
は後述する各鍔部19の摺動面19Aに対する各摺動面
16Bとなっている。
【0030】また、外側ブッシュ16の軸方向寸法は図
3に示す如く、アームボス11に穿設されたブッシュ嵌
合穴13の軸方向寸法(深さ)よりも短くなるように設
定され、該各外側ブッシュ16の軸方向外側端面と各ブ
ラケット15との間に、後述する各内側ブッシュ17の
鍔部19を介在させて設ける構成になっている。
【0031】そして、各外側ブッシュ16は、内部に含
浸された潤滑剤としての潤滑油を前記各摺動面16A,
16Bと各摺動面18C,19Aとの間に常時供給させ
ることにより、該摺動面16A,16Bと該摺動面18
C,19Aとの間を常時潤滑状態に保持している。
【0032】17,17は各外側ブッシュ16の内周側
に摺動可能に嵌合された一対の内側ブッシュを示し、該
各内側ブッシュ17は図2ないし図4に示す如く形成さ
れている。そして、該内側ブッシュ17は、鉄鋼材料
(SCM415あるいはSCM420等のクロムモリブ
デン鋼)等から段付筒状体に一体形成され、軸方向にピ
ン挿通穴18Aが穿設された円筒部18と、該円筒部1
8の軸方向外側となる位置から径方向外向きに突出した
短尺円筒状の鍔部19とを備えている。また、前記円筒
部18の外周側にはアームボス11の環状突起部14と
対向する位置に、後述の各ストッパ24が取付けられる
取付溝18Bが形成されている。
【0033】ここで、前記円筒部18は、その外周面が
外側ブッシュ16の摺動面16Aに対する摺動面18C
となり、各ブラケット15を介してバケット6と一体と
なった連結ピン21からのラジアル荷重を、各摺動面1
6A,18C間で受承させる構成になっている。
【0034】また、鍔部19はその軸方向内側端面が外
側ブッシュ16の摺動面16Bに対する摺動面19Aと
なり、軸方向外側端面はブラケット15の当接面15B
に対する当接面19Bとなっている。これによってバケ
ット6と一体となった各ブラケット15からのスラスト
荷重を前記各摺動面16B,19A間で受承するように
なっている。さらに、該各鍔部19はその外周面が後述
の各シール部材23に対する各シール面19Cとなって
いる。
【0035】20,20は表面硬化層で、該各表面硬化
層20は前記各内側ブッシュ17に浸炭処理を施すこと
によって、内側ブッシュ17の表面に硬化層として形成
されている。ここで、該各表面硬化層20は、各ピン挿
通穴18Aの内周面、各摺動面18C,19A,当接面
19Bおよび各シール面19Cを含めた各内側ブッシュ
17の全面に亘って形成され、これら各ピン挿通穴18
Aの内周面、各摺動面18C,19A,当接面19Bお
よび各シール面19Cの硬度を確実に高めるものであ
る。
【0036】21はアームボス11を各ブラケット15
間に連結した連結ピンを示し、該連結ピン21は両端側
が各ブラケット15のピン貫通穴15Aに挿通され、バ
ケット6をアーム5に対して回動可能に結合している。
【0037】そして、連結ピン21は、貫通孔12内に
位置する両側が各内側ブッシュ17のピン挿通穴18A
に圧入した状態で挿通されている。また、該連結ピン2
1は、その軸方向一端側に設けられた大径頭部21A側
が一方のブラケット15に取付られると共に、軸方向他
端側は後述の固定リング25および抜止ピン26を介し
て他方のブラケット15に取付られ、一対のブラケット
15に対して抜止め、廻り止め状態に保持されている。
【0038】22,22は各ブラケット15と各外側ブ
ッシュ16との間に位置して、アームボス11の各ブッ
シュ嵌合穴13と各鍔部19との間に形成された環状の
シール収容空間、23,23は該各シール収容空間22
内に配設されたシール部材を示し、該各シール部材23
は、各ブッシュ嵌合穴13内に圧入された金属材料から
なる環状の外殻23Aと、該外殻23A内に金属ホルダ
(図示せず)等を介して固着されたリップシール23B
とから構成されている。
【0039】ここで、各リップシール23Bは、ウレタ
ンゴム等の弾性材料から環状に形成され、その先端側
(内周縁)を各鍔部19のシール面19Cに押付けるよ
うにばね性をもって摺接し、各外側ブッシュ16の摺動
面16A,16Bと各内側ブッシュ17の摺動面18
C,19Aとの摺動面に土砂等が侵入するのを防止して
いる。そして、各シール部材23のリップシール23B
は、内側ブッシュ17が連結ピン21と共に回動すると
きに、内側ブッシュ17の各鍔部19に対して大きな摩
擦抵抗を作用させる。
【0040】24,24は止め輪等からなるストッパ
で、該各ストッパ24は内周側が各内側ブッシュ17の
各取付溝18B内に装着され、外周側は内側ブッシュ1
7の円筒部18から径方向に突出している。そして、各
ストッパ24は当該軸受装置の組付時等において、各内
側ブッシュ17が各外側ブッシュ16に対して軸方向に
位置ずれするのを規制するものである。
【0041】25は各ブラケット15の外側端面で各ピ
ン貫通穴15Aの外周側に固着された固定リングを示
し、該固定リング25の内周側には連結ピン21の他端
側が嵌合した状態で挿通している。そして、抜止めピン
26を連結ピン21の他端側および固定リング25に対
して径方向に貫通させることにより、連結ピン21を各
ブラケット15に対し廻止め、抜止め状態に保持してい
る。
【0042】本実施例による軸受装置は上述の如き構成
を有するもので、各内側ブッシュ17の摺動面18C,
19Aを各外側ブッシュ16の摺動面16A,16Bに
対して摺動させて、連結ピン21に取付けられた各内側
ブッシュ17をアームボス11に取付けられた各外側ブ
ッシュ16に対し相対回動させることにより、アーム5
の先端側で当該軸受装置を介してピン結合されたバケッ
ト6に回動動作を行わせる。
【0043】ここで、バケット6の回動時に、前記各摺
動面16A,18C間には、バケット6からの大きなラ
ジアル荷重が連結ピン21を介して作用すると共に、前
記各摺動面16B,19A間には、バケット6からの大
きなスラスト荷重が各ブラケット15を介して作用して
しまう。また、各鍔部19のシール面19Cには、シー
ル部材23のリップシール23Bから大きな摩擦抵抗が
作用してしまう。
【0044】しかし、本実施例では、各外側ブッシュ1
6全体を焼結含油合金から形成すると共に、各表面硬化
層20を各摺動面18C,19Aおよび各シール面19
Cを含めた各内側ブッシュ17の全面に亘って形成した
から、前記摺動面16A,16Bの硬度を焼結合金によ
り確実に高めることができると共に、前記摺動面18
C,19Aの硬度を前記各表面硬化層20により確実に
高めることができる。
【0045】また、該各摺動面16A,16Bと各摺動
面18C,19Aとの間を各外側ブッシュ16からの潤
滑油によって常時潤滑状態に保持することができ、該各
摺動面16A,16Bと各摺動面18C,19Aとの間
に作用する摺動抵抗を確実に小さくすることができる。
そして、この場合にはアームボス11の貫通穴12と連
結ピン21との間に、グリースまたは前記潤滑油と同一
種類の潤滑油(潤滑剤)を外部から補充することによ
り、この潤滑油を各摺動面16A,16Bと各摺動面1
8C,19Aとの間に補給し続けることができ、該各摺
動面16A、16Bと各摺動面18C、19Aとの間に
作用する摺動抵抗を長期に亘って確実に小さくすること
ができる。
【0046】さらに、各鍔部19(各内側ブッシュ1
7)のシール面19Cを各表面硬化層20によって形成
することができ、該シール面19Cが各シール収容空間
22内に配設された各シール部材23のリップシール2
3Bとの間で生じる摺動抵抗によって摩耗、損傷等して
しまうのを効果的に低減することができる。
【0047】従って、本実施例では、バケット6の回動
時に各表面硬化層20によって形成された各内側ブッシ
ュ17の摺動面18C,19Aと、焼結含油合金によっ
て形成された各外側ブッシュ16の摺動面16A,16
Bとを、該各外側ブッシュ16からの潤滑油を介して互
いに摺動させることができるから、摺動面16A,16
B,18C,19Aに摩耗、損傷等が生じるのを著しく
低減することができ、各外側ブッシュ16と各内側ブッ
シュ17との間のスラスト方向およびラジアル方向のガ
タツキ等を確実に防止することができ、バケット6のア
ーム5に対する円滑な回動を長期に亘って補償すること
ができる。
【0048】また、各シール部材23のリップシール2
3Bと各表面硬化層20が形成された各鍔部19のシー
ル面19Cとの間を長期に亘って確実にシール状態に保
持することができ、各内側ブッシュ17のピン挿通穴1
8Aと連結ピン21との間に外部から土砂等の異物が侵
入してしまうのを確実に防止することができ、摺動面1
6A,16B,18C,19Aが摩耗、損傷してしまう
のをさらに確実に防止することができる。
【0049】さらに、各内側ブッシュ17の内周面(ピ
ン挿通穴18A)を各表面硬化層20によって形成でき
るから、該各内側ブッシュ17の内周面に生じる摩耗、
損傷等を効果的に防止でき、各内側ブッシュ17に対す
る連結ピン21のガタツキ等を防止することができると
共に、表面硬化層20によって形成された各鍔部19の
当接面19Bを、各ブラケット15の当接面15Bに当
接させることにより、該各当接面19Bの摩耗、損傷等
をも効果的に防止することができ、これによってもバケ
ット6のアーム5に対する円滑な回動を長期に亘って補
償することができる。
【0050】さらにまた、各シール部材23をアームボ
ス11の各ブッシュ嵌合穴13と各鍔部19との間に形
成された各シール収容空間22内に容易に配設すること
ができ、該各シール部材23の取付構造を簡略化でき、
当該軸受装置にかかる製造コスト等を確実に低減するこ
とができる。
【0051】一方、各内側ブッシュ17の表面に浸炭処
理によって各表面硬化層20を形成したから、該各表面
硬化層20を容易に形成することができ、各表面硬化層
20の製作コスト等を大幅に低減することができる。
【0052】次に、図5および図6は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、外側ブッシュおよび内
側ブッシュをそれぞれ金属材料によって形成し、該外側
ブッシュの全面および内側ブッシュの全面には、それぞ
れ各表面硬化層を形成すると共に、連結ピンとアームボ
スとの間にはグリースを収容するための油溜部を形成し
たことにある。なお、本実施例では前記第1の実施例と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0053】図中、31,31は前記第1の実施例で述
べた各外側ブッシュ16に替えて、アームボス11の各
ブッシュ嵌合穴13内に配設された外側ブッシュを示
し、該各外側ブッシュ31は前記各外側ブッシュ16と
ほぼ同様に各摺動面31A,31Bを有しているもの
の、該各外側ブッシュ31は図5および図6に示す如
く、鉄鋼材料(例えば、SCM435、SCM440等
からなるクロムモリブテン鋼)等によって筒状体に形成
され、その表面には後述の表面硬化層35が全面に亘っ
て形成されている。
【0054】32,32は前記第1の実施例で述べた各
内側ブッシュ17に替えて、各外側ブッシュ31の摺動
面31B内に摺動可能に設けられた内側ブッシュを示
し、該各内側ブッシュ32は前記各内側ブッシュ17と
ほぼ同様に、各円筒部33および各鍔部34とを備えて
いる。そして、該円筒部33はピン挿通穴33A、取付
溝33Bおよび摺動面33Cとを有し、鍔部34は摺動
面34A、当接面34Bおよびシール面34Cとを有し
ている。
【0055】しかし、各内側ブッシュ32は図5に示す
如く鉄鋼材料(例えば、SCM435、SCM440等
からなるクロムモリブテン鋼)等から形成され、その表
面には後述の表面硬化層36が全面に亘って形成されて
いる。
【0056】35,36は各外側ブッシュ31および各
内側ブッシュ32にそれぞれ設けられた表面硬化層を示
し、該表面硬化層35,36は前記第1の表面硬化層2
0とほぼ同様に該外側ブッシュ31の全面および各内側
ブッシュ32の全面に亘る硬化層として形成されてい
る。
【0057】しかし、表面硬化層35,36は、各外側
ブッシュ31、各内側ブッシュ32にそれぞれ窒化処理
を施すことにより形成されている点で前記表面硬化層2
0とは異なっている。
【0058】37はアームボス11の貫通孔12と連結
ピン21との間に形成された環状の油溜室を示し、該油
溜室37内にはグリースG等の潤滑剤が収容されてい
る。そして、該油溜室37は、グリースGを各外側ブッ
シュ31の摺動面31A,31Bに形成された表面硬化
層35と、各内側ブッシュ32の摺動面33C,34A
に形成された表面硬化層36との間にグリースGを常時
供給するものである。
【0059】かくして、このように構成される本実施例
でも、各外側ブッシュ31の摺動面31A,31Bと各
内側ブッシュ32の摺動面33C,34Aとを、表面硬
化層35,36を介して互いに摺動させることができる
と共に、該各摺動面31A,31Bと各摺動面33C,
34Aとの間を、グリースGによって常時潤滑状態に保
持することができ、前記第1の実施例とほほ同様の作用
効果を得ることができる。
【0060】特に本実施例では、前記グリースGをアー
ムボス11の貫通孔12と連結ピン21との間に形成さ
れた環状の油溜室37に収容したから、前記第1の実施
例で述べたように各外側ブッシュ31を焼結含油合金等
で形成する必要をなくすことができ、該各外側ブッシュ
31の製作コスト等を大幅に低減することができる。
【0061】次に、図7は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例の特徴は、外側ブッシュを銅系合金として
の高力黄銅によって筒状体に形成し、該外側ブッシュの
内周面には複数の固体潤滑剤を設けると共に、内側ブッ
シュの内周側には連結ピンの外周面との間に他のシール
部材を設ける構成としたことにある。なお、本実施例で
は前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0062】図中、41は前記第1の実施例で述べた各
外側ブッシュ16に替えて、アームボス11の各ブッシ
ュ嵌合穴13内に配設された外側ブッシュ(一方のみ図
示)を示し、該各外側ブッシュ41は前記各外側ブッシ
ュ16とほぼ同様に各摺動面41A,41Bとを有して
いるものの、該外側ブッシュ41は、銅系合金としての
高力黄銅によって筒状体に形成され、その摺動面41B
にはカーボンや銅またはフッ素系樹脂材料等からなる複
数の固体潤滑剤42,42,…が埋設されている。
【0063】43は前記第1の実施例で述べた各内側ブ
ッシュ17に替えて、各外側ブッシュ41の摺動面41
B内に摺動可能に設けられた内側ブッシュ(一方のみ図
示)を示し、該各内側ブッシュ43は前記各内側ブッシ
ュ17とほぼ同様に、各円筒部44および各鍔部45と
を備え、これら円筒部44の表面および鍔部45の表面
には、前記第1の実施例で述べた表面硬化層20と同様
の表面硬化層46が全面に亘って形成されている。そし
て、該円筒部44はピン挿通穴44A、取付溝44Bお
よび摺動面44Cとを有し、鍔部45は摺動面45A、
当接面45Bおよびシール面45Cとを有している。
【0064】しかし、各内側ブッシュ43には、各鍔部
45の当接面45B側に位置した円筒部44の内周面に
径方向外側に向けて断面略L字状をなした環状溝44D
が形成されている点で前記各内側ブッシュ17と異なっ
ている。
【0065】47は内側ブッシュ43の環状溝44Dと
連結ピン21との間に形成された環状のシール収容空間
を示し、該シール収容空間47内には前記第1の実施例
で述べたシール部材23と同様に、外殻48Aおよびリ
ップシール48Bとからなる他のシール部材48が配設
され、該リップシール48Bのリップ部を連結ピン21
の外周面に弾性的に当接させている。
【0066】そして、シール部材48は、外部からのダ
スト等が鍔部45の当接面45Bとブラケット15の当
接面15Bとの間に形成される微小な隙間等を介して、
連結ピン21と円筒部44の内周面との間の僅かな隙間
に侵入してしまうのを防止するものである。
【0067】かくして、このように構成される本実施例
でも、各表面硬化層46によって形成された各内側ブッ
シュ43の摺動面44C,45Aと、高力黄銅によって
形成された各外側ブッシュ41の摺動面41A,41B
とを互いに摺動させることができると共に、該各摺動面
44C,45Aと摺動面41A,41Bとの間に作用す
る摺動抵抗を各固体潤滑剤42によって大幅に低減する
ことができ、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができる。
【0068】しかし、本実施例では、各内側ブッシュ4
3の円筒部44内周面と連結ピン21との間に各シール
収容空間47を形成し、該各シール収容空間47内に他
の各シール部材48を配設したから、連結ピン21と円
筒部44の内周面との間の僅かな隙間に外部からダスト
等が侵入してしまうのを確実に防止することができる。
これによって、連結ピン21の外周面と各円筒部44の
ピン挿通穴44A内周面(各表面硬化層)とがこのよう
なダストの侵入によって摩耗、損傷してしまうのをさら
に確実に防止することができ、連結ピン21と各内側ブ
ッシュ43との間に生じるガタツキ等を大幅に低減する
ことができる。
【0069】次に、図8は本発明の第4の実施例を示
し、本実施例では前記第2の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、内側ブッシュ51を銅系合金
としての高力黄銅によって筒状体に形成し、該内側ブッ
シュ51を構成する円筒部52の摺動面52Cに、例え
ばカーボンや銅またはフッ素系樹脂材料等からなる複数
の固体潤滑剤54,54,…を埋設する構成としたこと
にある。
【0070】ここで、各内側ブッシュ51は、前記第2
の実施例で述べた各内側ブッシュ32と同様に円筒部5
2および鍔部53とを備えている。そして、円筒部52
はピン挿通穴52A、取付溝52Bおよび摺動面52C
とを有し、鍔部53は摺動面53A、当接面53Bおよ
びシール面53Cとを有している。
【0071】かくして、このように構成される本実施例
でも各表面硬化層35によって形成された各外側ブッシ
ュ31の摺動面31A,31Bと、高力黄銅によって形
成された各内側ブッシュ51の摺動面52C,53Aと
を互いに摺動させることができると共に、該各摺動面3
1A,31Bと摺動面52C,53Aとの間に作用する
摺動抵抗を各固体潤滑剤54によって大幅に低減するこ
とができ、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。
【0072】なお、前記第1および第3の実施例では、
各表面硬化層20(46)を浸炭処理によって形成する
ものとして述べたが、これに替えて窒化処理によって形
成してもよい。
【0073】また、前記第2および第4の実施例では、
各表面硬化層35(36)を窒化処理によって形成する
ものとして述べたが、これに替えて浸炭処理によって形
成してもよい。
【0074】さらに、前記第1,第2および第4の実施
例では、各内側ブッシュ17(32,51)のピン挿通
穴18A(33A,52A)と連結ピン21との間に、
前記第3の実施れで述べた各シール収容空間47および
他の各シール部材48と同様のシール収容空間、他の各
シール部材をそれぞれ設けてもよい。
【0075】さらにまた、油圧ショベル1のアーム5と
バケット6とのピン結合部に軸受装置を適用した場合を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば
リンク10とバケット6とのピン結合部、アーム5とア
ームシリンダ8とのピン結合部等、他のピン結合部にも
広く適用することができる。
【0076】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、シール部材をボス部材と鍔部との間に形成される
シール収容空間内に配設すると共に、外側ブッシュを焼
結含油合金から筒状に形成し、内側ブッシュには、少な
くとも外側ブッシュとの摺動面側に表面硬化層を形成し
たから、外側ブッシュと内側ブッシュとの間の摺動面が
有する耐摩耗性を確実に向上できると共に、外側ブッシ
ュからの潤滑油によって前記摺動面間を長期に亘って潤
滑状態に保持することができ、該摺動面間に作用する摺
動抵抗を確実に小さくすることができる。
【0077】従って、相手方部材をボス部材に対して相
対回転させるときには、内側ブッシュと外側ブッシュと
の摺動面に摩耗、損傷等が生じるのを著しく低減するこ
とができ、内側ブッシュ、外側ブッシュの寿命等を確実
に延ばすことができると共に、外側ブッシュと内側ブッ
シュとの間のスラスト方向およびラジアル方向のガタツ
キ等を確実に防止することができ、相手方部材のボス部
材に対する円滑な回動を長期に亘って補償することがで
きる。
【0078】また、シール部材をシール収容空間内に容
易に配設することができ、該シール部材の取付構造を簡
略化でき、当該軸受装置にかかる製造コスト等を確実に
低減することができる。
【0079】また、請求項2の発明では、内側ブッシュ
の表面と外側ブッシュの表面のうち、少なくとも該外側
ブッシュと内側ブッシュとの摺動面側に表面硬化層を形
成し、該摺動面に潤滑剤を供給したから、前記摺動面の
耐摩耗性を前記表面硬化層により確実に高めることがで
きる。そして、内側ブッシュと外側ブッシュとの摺動面
間に供給される潤滑剤により該摺動面間を確実に潤滑状
態に保持でき、該摺動面間に作用する摺動抵抗を効果的
に低減できる。
【0080】従って、外側ブッシュと内側ブッシュとの
間に外部から定期的に潤滑油を給脂する手間を省くこと
ができ、当該軸受装置のメンテナンス作業時等に作業者
にかかる負担を大幅に軽減化することができる。
【0081】さらに、請求項3の発明では、外側ブッシ
ュを銅系合金によって筒状に形成すると共に、内側ブッ
シュに少なくとも前記外側ブッシュとの摺動面側に表面
硬化層を形成し、かつ前記外側ブッシュには内側ブッシ
ュとの摺動面側に固体潤滑剤を設けたから、前記摺動面
の耐摩耗性を確実に向上できると共に、外側ブッシュと
内側ブッシュとの間に作用する摺動抵抗を固体潤滑剤に
より確実に小さくすることができる。これによっても外
側ブッシュと内側ブッシュとの間に外部から定期的に潤
滑油を給脂する手間を省くことができ、当該軸受装置の
メンテナンス作業時等に作業者にかかる負担を大幅に軽
減化することができる。
【0082】さらにまた、請求項4の発明では、外側ブ
ッシュの少なくとも内周面側に表面硬化層を形成すると
共に、内側ブッシュを銅系合金によって筒状に形成し、
かつ該内側ブッシュには前記外側ブッシュとの摺動面側
に固体潤滑剤を設けたから、前記摺動面の耐摩耗性を確
実に向上できると共に、外側ブッシュと内側ブッシュと
の間に作用する摺動抵抗を固体潤滑剤により確実に小さ
くすることができる。これによっても、外側ブッシュと
内側ブッシュとの間に外部から定期的に潤滑油を給脂す
る手間を省くことができ、当該軸受装置のメンテナンス
作業時等に作業者にかかる負担を大幅に軽減化すること
ができる。
【0083】一方、請求項5の発明では、外,内側ブッ
シュの全ての表面を浸炭処理によって容易に表面硬化層
として形成することができ、該表面硬化層の製作コスト
等を大幅に低減することができる。
【0084】また、請求項6の発明では、外,内側ブッ
シュの全ての表面を窒化処理によって容易に表面硬化層
として形成することができ、これによっても該表面硬化
層の製作コスト等を大幅に低減することができる。
【0085】さらに、請求項7の発明では、内側ブッシ
ュのピン挿通穴と連結ピンとの間に外部からダストが侵
入するのを他のシール部材によって確実に防止すること
ができ、該ピン挿通穴の内周面および連結ピンの外周面
とが摩耗、損傷してしまうのを確実に防止することがで
き、内側ブッシュと連結ピンとの間に生じるガタツキ等
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による軸受装置が適用さ
れる油圧ショベルの作業装置等を示す外観図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた軸受装置を拡
大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の外側ブッシュ、内側ブッシュおよび表
面硬化層等を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図3中の内側ブッシュを拡大して示す縦断面図
である。
【図5】本発明の第2の実施例による軸受装置を示す図
2と同様の縦断面図である。
【図6】図5中の外側ブッシュを拡大して示す縦断面図
である。
【図7】本発明の第3の実施例による軸受装置を示す図
3と同様の縦断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例による外側ブッシュ、内
側ブッシュ、表面硬化層および固体潤滑剤等を示す図3
と同様の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
11 アームボス(ボス部材) 13 ブッシュ嵌合穴 15 ブラケット(相手方部材) 16,31,41 外側ブッシュ 16A,16B,31A,31B,41A,41B 摺
動面 17,32,43,51 内側ブッシュ 18A,33A,44A,52A ピン挿通穴 18C,19A,33C,34A,44C,45A,5
2C,53A 摺動面 19,34,45,53 鍔部 20,35,36,46 表面硬化層 21 連結ピン 22 シール収容空間 23 シール部材 42,54 固体潤滑剤 48 他のシール部材 G グリース(潤滑剤)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 3/38 E02F 9/00 F16C 11/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向にブッシュ嵌合穴が形成されたボ
    ス部材と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結す
    る連結ピンとからなる軸受装置において、焼結含油合金
    から筒状に形成され、前記ボス部材のブッシュ嵌合穴内
    に嵌着された外側ブッシュと、外周側が該外側ブッシュ
    内に摺動可能に嵌合し、内周側に前記連結ピン用のピン
    挿通穴が形成された内側ブッシュと、前記外側ブッシュ
    の端面に摺接するように該内側ブッシュの外周側に形成
    され、前記ボス部材との間にシール収容空間を形成する
    鍔部と、該鍔部と前記ボス部材との間のシール収容空間
    内に配設され、前記外側ブッシュと内側ブッシュとの間
    をシールするシール部材とを備え、前記内側ブッシュに
    は、少なくとも前記外側ブッシュとの摺動面側に表面硬
    化層を形成したことを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 軸方向にブッシュ嵌合穴が形成されたボ
    ス部材と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結す
    る連結ピンとからなる軸受装置において、前記ボス部材
    のブッシュ嵌合穴内に嵌着された外側ブッシュと、外周
    側が該外側ブッシュ内に摺動可能に嵌合し、内周側に前
    記連結ピン用のピン挿通穴が形成された内側ブッシュ
    と、前記外側ブッシュの端面に摺接するように該内側ブ
    ッシュの外周側に形成され、前記ボス部材との間にシー
    ル収容空間を形成する鍔部と、該鍔部と前記ボス部材と
    の間のシール収容空間内に配設され、前記外側ブッシュ
    と内側ブッシュとの間をシールするシール部材とを備
    え、該内側ブッシュの表面と外側ブッシュの表面のう
    ち、少なくとも該外側ブッシュと内側ブッシュとの摺動
    面側には表面硬化層を形成し、該摺動面には潤滑剤を供
    給する構成としたことを特徴とする軸受装置。
  3. 【請求項3】 軸方向にブッシュ嵌合穴が形成されたボ
    ス部材と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結す
    る連結ピンとからなる軸受装置において、銅系合金によ
    って筒状に形成され、前記ボス部材のブッシュ嵌合穴内
    に嵌着された外側ブッシュと、外周側が該外側ブッシュ
    内に摺動可能に嵌合し、内周側に前記連結ピン用のピン
    挿通穴が形成された内側ブッシュと、前記外側ブッシュ
    の端面に摺接するように該内側ブッシュの外周側に形成
    され、前記ボス部材との間にシール収容空間を形成する
    鍔部と、該鍔部と前記ボス部材との間のシール収容空間
    内に配設され、前記外側ブッシュと内側ブッシュとの間
    をシールするシール部材とを備え、前記内側ブッシュに
    は少なくとも前記外側ブッシュとの摺動面側に表面硬化
    層を形成し、かつ前記外側ブッシュには内側ブッシュと
    の摺動面側に固体潤滑剤を設ける構成としたことを特徴
    とする軸受装置。
  4. 【請求項4】 軸方向にブッシュ嵌合穴が形成されたボ
    ス部材と、該ボス部材を相手方部材に回転可能に連結す
    る連結ピンとからなる軸受装置において、少なくとも内
    周面側に表面硬化層が形成され、前記ボス部材のブッシ
    ュ嵌合穴内に嵌着された外側ブッシュと、外周側が該外
    側ブッシュ内に摺動可能に嵌合し、内周側に前記連結ピ
    ン用のピン挿通穴が形成された内側ブッシュと、前記外
    側ブッシュの端面に摺接するように該内側ブッシュの外
    周側に形成され、前記ボス部材との間にシール収容空間
    を形成する鍔部と、該鍔部と前記ボス部材との間のシー
    ル収容空間内に配設され、前記外側ブッシュと内側ブッ
    シュとの間をシールするシール部材とを備え、該内側ブ
    ッシュは銅系合金によって筒状に形成し、かつ該内側ブ
    ッシュには前記外側ブッシュとの摺動面側に固体潤滑剤
    を設ける構成としたことを特徴とする軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記表面硬化層は浸炭処理により形成し
    てなる請求項1,2,3または4に記載の軸受装置。
  6. 【請求項6】 前記表面硬化層は窒化処理により形成し
    てなる請求項1,2,3または4に記載の軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記内側ブッシュの内周側には前記連結
    ピンの外周面との間に他のシール部材を設ける構成とし
    てなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の軸受
    装置。
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