JP3509100B2 - 哺乳動物のストレスプロモーターを利用する化合物の毒性測定方法および診断用キット - Google Patents

哺乳動物のストレスプロモーターを利用する化合物の毒性測定方法および診断用キット

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、毒性の化合物を同定および特徴付けるため
の方法および診断用キットを提供する。これらの方法お
よび診断用キットにより、天然(native)の真核生物ス
トレスプロモーター、特に哺乳動物のストレスプロモー
ターに連結される遺伝子からの転写および翻訳レベルを
測定する。本発明のキットおよび方法は、以下の群のそ
れぞれに由来する少なくとも一つのストレスプロモータ
ーを利用する:酸化還元ストレス、DNAストレス、タン
パク質ストレス、およびエネルギー/イオンストレス。
本発明は、特定の器官、例えば、皮膚および眼、に対し
て毒性の化合物を同定および特徴付けるための、ならび
に上記の個々のストレスのそれぞれのための方法および
診断用キットもまた提供する。本発明の方法および診断
用キットは、細胞下(subcellular)レベルに及ぼす化
合物の作用に関する情報を与える。この情報を利用する
ことにより、有毒な化合物に対する抗毒素の設計、およ
び活性な薬剤の設計が可能である。
発明の背景 現在少なくとも約55,000の化学薬品が合衆国で生産さ
れている。毎年2,000を超す化学薬品が市場に導入され
ている。これらの薬品の内、急性あるいは慢性の毒性を
包括的にテストされているものはほとんどない。例え
ば、完全な健康障害評価を受けている商品化された化学
薬品は1%に満たない。
環境保護庁(「EPA」)には、商業的生産の前に、毒
物学的試験を要求する権限があるが、その権限は滅多に
行使されない。EPAによって詳しい調査の対象となる新
しい化学薬品は10%未満である。コストおよび市場への
迅速なアクセスのために、EPAはしばしば、以前に試験
された同族の化合物の毒性を用いて新しい化学薬品の毒
性を評価する。
新しい薬剤の潜在的な毒性は、米国食品医薬品局
(「FDA」)によってモニターされる。新薬の申請(New
Drug Application(NDA))について、FDAは、代表的
には、少なくとも2種類の生存動物における毒性、癌原
性、変異原性、および生殖/繁殖力の一連の試験を要求
する。これらの試験は1年まで継続することを要求され
る。ラットにおける2年間の毒性試験にかかる費用は、
およそ800,000ドルである[Casarett and Doull's Toxi
cology、第4版、M.O.Amdurら編、Pergamon Press、New
York、New York、p.37(1991)]。
費用の他に、動物試験はまた、時間、動物の犠牲、お
よび正確さという点で欠点を有する。代表的な毒性試験
は、急性、短期および長期の3段階に分けられる。急性
試験は、化合物のLD50(試験動物の50%が死亡する用
量)を測定し、死亡を除く、約60〜100匹の動物、なら
びにLD50、用量−応答曲線を決定するための一連の試験
および臨床終点の監視を必要とする。短期試験は、通常
少なくとも24匹のイヌおよび90匹のラットを用い、そし
てラットにおける90日以上から、イヌにおける6〜24ヶ
月まで継続する。短期試験では、体重、食餌量、血液、
尿、組織サンプルが頻繁に測定される。さらに、死亡動
物を死後検査する。長期試験は短期試験と同様である
が、ラットでは2年、そしてイヌまたはサルでは7年ま
で継続する。
動物試験は、動物が受ける厳しい受難のため動物保護
活動家および一般の人々から批判を受けるようになっ
た。さらに、最近の証拠は、動物試験の正確さに疑問を
差しはさんでいる。例えば、変動因子(例えば動物の規
定飼料)は、癌原性の性質を決定する動物試験の予測可
能性を損なう(P.H.Abelson、"Diet and Cancer in Hum
ans and Rodents"、Science、255、p.141(1992)。そ
して、モルモット試験に基づいたダイオキシンの毒性に
関する以前の測定が、現在再評価されている(B.J.Cull
iton、"US Government Orders New Look At Dioxin"、N
ature、352、p.753(1991);L.Roberts、"More Pieces
in the Dioxin Puzzle"、Research News、October、199
1、p.377)。従って、迅速、低価格、および信頼性のあ
る動物毒性試験の代替物を緊急に必要とするということ
は明らかである。
いくつかの短期代替試験を利用し得る。例えば、エー
ムスアッセイは、Salmonella typhimuriumの変異株の遺
伝的復帰を引き起こす癌原性物質を検出する。しかし、
このエームスアッセイでは、非変異原性癌原性物質また
は非癌原性毒物のいずれも検出できない。米国特許第4,
997,757号に記載の酵母の癌原性物質アッセイ系は、エ
ームスアッセイのいくつかの欠点を克服しているが、な
お非癌原性毒物を検出し得ない。これら両アッセイは、
DNAレベルのみで改変および変異を検出するために設計
されている。従って、これら先行技術試験は、タンパク
質または脂質膜への直接損傷だけでなくDNA合成のイン
ヒビターも検出し得ない。さらに、これらの先行技術試
験は、突然変異原または毒物がどのようにその影響を奏
するかについての情報を提供し得ない。
出願人による1992年7月6日に出願された同時係属中
の米国特許出願番号第910,793号は、その開示を本明細
書中で参考として援用するが、細菌のストレスプロモー
ターに融合したレポーター遺伝子を用いて、化合物の毒
性を同定、および特徴付けることを記載する。このアッ
セイは、タンパク質または脂質膜への損傷およびDNA合
成の阻害を検出し得る。従って、このアッセイは、非癌
原性毒物の同定のために提供される。残念ながら、細菌
毒性と哺乳動物および他の高等真核生物に対する毒性と
の間の相関には一定の制限があり、高等動物における毒
性の正確な測定ではあり得ない。
従って、細菌性ストレスアッセイの有する時間および
費用節約の特を持つ、真核細胞に基づくアッセイの必要
性がなお存在する。
発明の要旨 出願人は、潜在的な毒素が動物細胞に及ぼす細胞性お
よび細胞下性効果を同定および特徴付けるインビトロ診
断用キットおよびアッセイ法を提供することによりこの
必要性を満たした。これらのキットおよび方法は、真核
細胞、好ましくは哺乳動物細胞の天然のストレスプロモ
ーターを用い、そしてこれらに作動可能に連結する遺伝
子の転写または翻訳のレベルを測定する。用いるストレ
スプロモーターの選択に依存して、本発明のキットおよ
び方法は、動物の全身またはその動物の特定の器官に毒
性である化合物を、同定および特徴付けるために設計さ
れ得る。
一つの実施態様においては、本発明のキットおよび方
法は、真核細胞内に存在する種々のストレス遺伝子の転
写レベルを測定することによって化合物の毒性を特徴付
ける。これらのキットおよび方法は、オリゴヌクレオチ
ドを用いるが、このオリゴヌクレオチドは、種々のスト
レス遺伝子のメッシンジャーRNAの少なくとも一部分に
相補的あるいは相同であり、細胞内のこれらの遺伝子の
転写を検出する。この実施態様においては、単一細胞
が、与えられた化合物が誘導する特定のストレスは何か
を決定する効果的なインビボ診断試薬である。
他の実施態様においては、複数の類似の真核細胞のそ
れぞれが、レポーター遺伝子に作動可能に連結した異な
るストレスプロモーターを有している。各細胞を別々に
化合物に曝し、そしてレポーター遺伝子産物の発現を測
定することにより、この化合物の毒性が特徴付けられ得
る。
本発明のキットおよび方法は、動物試験に必要とされ
る月または年よりむしろ日に関して化合物の毒性を測定
するために最適化して設計される。さらに、本発明のキ
ットは、これらの結果を、動物試験の費用の一部で、そ
して生きた動物に対するいやな結果を伴うことなく達成
する。そして、本発明の診断用キットおよび方法は、哺
乳動物細胞に対する毒素の作用の性質についての直接的
な情報を与える。これは先行技術の短期アッセイがなし
得なかったことである。
図面の簡単な説明 図1は、種々の濃度のテトラクロロジベンゾ−p−ダ
イオキシン(TCDD)存在下で、異なるストレスプロモー
ターの制御を受けるクロラムフェニコールアセチルトラ
ンスフェラーゼの相対的な発現を示す。
図2は、種々の濃度の3−メチルコラントレン(3−
MC)存在下で異なるストレスプロモーターの制御を受け
るクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼの
相対的な発現を示す。
図3は、種々の濃度のベンゾ[a]ピレン存在下で異
なるストレスプロモーターの制御を受けるクロラクフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を
示す。
図4は、種々の濃度の硫酸カドミウム存在下で異なる
ストレスプロモーターの制御を受けるクロラムフェニコ
ールアセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を示
す。
図5は、種々の濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)
存在下で異なるストレスプロモーターの制御を受けるク
ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼの相対
的な発現を示す。
図6は、種々の濃度のエタノール存在下で異なるスト
レスプロモーターの制御を受けるクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を示す。
図7は、種々の濃度のメタピリレン塩酸塩存在下で異
なるストレスプロモーターの制御を受けるクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を
示す。
図8は、種々の濃度のメチルメタンスルホン酸(MM
S)存在下で異なるストレスプロモーターの制御を受け
るクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼの
相対的な発現を示す。
図9は、種々の濃度のヒ酸ナトリウム存在下で異なる
ストレスプロモーターの制御を受けるクロラムフェニコ
ールアセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を示
す。
図10は、種々の濃度のホルボール12−アセテート−13
−ミリステート(PMA)存在下で異なるストレスプロモ
ーターの制御を受けるクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼの相対的な発現を示す。
図11は、種々の濃度のレチノイン酸存在下で異なるス
トレスプロモーターの制御を受けるクロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼの相対的な発現を示す。
発明の詳細な説明 本明細書で用いられる用語「ストレス」および「毒
性」は、交換可能に用いられ、そして細胞の生化学的お
よび生物物理学的恒常性を乱すものをいう。
本願を通じて用いられる用語「酸化還元ストレス」
は、細胞の正常な還元/酸化ポテンシャル(「酸化還
元」)状態から変化する条件をいう。酸化還元ストレス
は、増加したレベルのスーパーオキシドラジカル、増加
したレベルのペルオキシド、−−過酸化水素および有機
ペルオキシドの両方−−、低下したレベルのグルタチオ
ンおよび細胞の酸化還元ポテンシャルを変化させる任意
の他の条件(例えば、強い還元剤、特定の芳香族炭化水
素、求電子化合物、アルデヒド、細胞内チオール、ステ
ロイド、メチルコラントレン、フェノバルビタールおよ
びCCl4への曝露ような)を包含する。この用語は、ペル
オキシソームの増殖を引き起こす任意の付加的な条件も
包含する。
本明細書中で用いられる用語「DNAストレス」は、デ
オキシリボ核酸または前駆体ヌクレオチドに対する改変
をいう。例えば、DNAストレスは、DNA鎖の切断、DNA鎖
の架橋、DNAインターカレーション剤への曝露、超らせ
ん構造(superhelicity)の増加および減少の両者、酸
化的DNA損傷、DNAのアルキル化、ヌクレオチド三リン酸
の酸化およびヌクレオチド三リン酸のアルキル化を包含
するが、これらに限定されない。この用語は、DNA合成
および複製の阻害、ならびに有糸分裂または減数分裂の
阻害もまた包含する。そしてこの用語は、成長因子、イ
ンターフェロン、腫瘍プロモーター、腫瘍壊死因子、ホ
ルボールエステル、疎水性細胞毒性薬剤、炎症性物質、
有糸分裂促進剤、癌原性物質、X線、UV照射、およびジ
メチルニトロソミン(dimethylnitrosomine)に曝する
ことによって引き起こされる状態を包含する。
本願を通じて用いられる用語「タンパク質ストレス」
は、タンパク質または個々のアミノ酸の改変および酵素
機能阻害ならびにタンパク質の細胞内移動の混乱をい
う。この用語は、タンパク質の変性、タンパク質の誤折
り畳み、タンパク質コファクターのキレート化、タンパ
ク質の架橋、鎖内および鎖間結合の酸素依存性および非
依存性酸化(たとえばジスルフィド結合)、タンパク質
のアルキル化、個々のアミノ酸の酸化、ならびに重金属
(例えばカドミウム)および熱に曝すことによって引き
起こされるタンパク質損傷を包含するがこれらに限定さ
れない。
用語「エネルギー/イオンストレス」は、細胞内のAT
Pレベルまたは細胞膜を横切るイオン勾配に影響を与え
る条件を包含するために用いられる。エネルギーストレ
スの例は、酸素存在下での強制嫌気的代謝、電子移動の
混乱、結合解離剤への曝露、膜の脱分極化、浸透圧ショ
ック、Ca2+のようなイオンへの曝露、好レベルのcAMPへ
の曝露、およびエタノールへの曝露である。
用語「細胞表面レセプター介在性ストレス」は、発現
が細胞表面レセプターのリガンドとの相互作用によって
制御される遺伝子の転写レベルを改変する条件をいう。
このようなストレスの例は、皮膚、眼または粘膜を、刺
激剤、アレルゲン、または炎症性化合物に曝すことを包
含する。
用語「ストレスプロモーター誘導」は、天然のストレ
スプロモーターまたは応答要素を含む組換え由来のスト
レスプロモーターに作動可能に連結された遺伝子産物の
発現レベルを増加させる条件をいう。用語「作動可能な
結合」、「作動可能に連結」または「作動連結」は、遺
伝子の転写がプロモーターにより制御されるような遺伝
子に対するプロモーターの相対的な位置関係をいう。こ
の用語は、組換え構築物、ならびに天然に存在するプロ
モーターとそれに伴う遺伝子との構造を包含する。
用語「化合物の毒性を測定および特徴付ける」は、化
合物を毒素と同定すること、およびその細胞内での作用
機能を明らかにすることを包含する。
本願で用いられる用語「核酸配列」は、RNA、1本鎖
または2本鎖cDNAあるいはそれらの部分、1本鎖または
2本鎖ゲノムDNAあるいはそれらの部分、あるいは、1
本鎖または2本鎖の合成オリゴヌクレオチドを包含す
る。
いずれの遺伝子も、独特のプロモーターで制御されて
いるが、同一のストレスに応答する遺伝子は、それらプ
ロモーター内に共通の応答要素を含んでいる。従って、
同じ応答要素が、特定のストレスに曝される際、ある遺
伝子ファミリーの誘導性発現を任っている。単離され、
そして最小限プロモーターに作動可能に連結された構造
遺伝子の場合、得られる構築物はストレスプロモーター
のように機能する。このことは、複数のストレスに応答
する天然のストレスプロモーターを、その構成部分に解
剖することにおいて有用である。
個々の細胞は、部分的に、刺激を解毒するまたはそれ
によって引き起こされた損傷を修復するタンパク質産物
を有する特定の遺伝子を活性化することにより毒物刺激
に応答する。真核細胞は、損傷およびストレスに対して
多数の遺伝的および生化学的応答を有している。少なく
とも50の異なる哺乳動物ストレス遺伝子が既に単離およ
び特徴付けられている。これらの遺伝子は種々の化学的
および物理的ストレスまたは細胞損傷により誘導され
る。
これらの同定された遺伝子の1つまたはそれ以上を誘
導する化学的ストレスには、細胞を、水銀、重金属、ニ
トロキシド、芳香族炭化水素、酸性、塩基性、アルキル
化剤、過酸化剤、架橋剤、イオノフォア、酸化還元活性
剤、求電子化合物、炎症性因子、疎水性細胞毒性薬剤、
エタノール、ステロイド、結合解離剤、腫瘍プロモータ
ー、および細胞性因子(例えば、腫瘍壊死因子、成長因
子、およびインターフェロン)に曝すことがある。物理
的ストレスは、UV照射、熱またはX線への曝露を含む。
これらの同定された遺伝子を誘導する細胞損傷の例
は、脂質酸化、ペルオキシソーム増殖、DNA鎖切断、DNA
アルキル化、DNA架橋、DNA酸化、浸透圧不均衡、タンパ
ク質酸化、タンパク質の誤折り畳み、タンパク質アルキ
ル化、ATP枯渇、膜透過性化、グルタチオン枯渇、およ
びシグナル伝達の改変である。より多くのストレス遺伝
子の存在が確信されている。これらの付加的なストレス
遺伝子の同定と特徴付けは、種々の化学的ストレスがど
のような影響を細胞に及ぼすかを理解するうえで非常に
望ましい。
本発明は、細胞内で化合物の毒性が引き起こす損傷の
タイプの見地から、即ち、DNA損傷、タンパク質損傷、
酸化還元損傷、エネルギー損傷、イオン損傷、などによ
って化合物の毒性を測定し、および特徴付けるキットお
よび方法を提供する。1つの実施態様によれば、本発明
の各診断用キットは、複数の真核細胞を含み、その各々
がストレスに応答する少なくとも1つのプロモーターま
たは1つのプロモーター要素を有する。複数の細胞は、
全体として、前述のタイプのストレス−−酸化還元、DN
A、タンパク質、およびエネルギー/イオン−−のそれ
ぞれに応答し、検出可能な産物をコードする遺伝子に作
動可能に連結しているプロモーターまたはプロモーター
要素を包含していなければならない。
1つの実施態様によれば、このキットの複数の細胞
は、実際には単一の細胞系で、各細胞は異なるタイプの
ストレスプロモーターの全てを包含し、そしてこれらの
プロモーターのそれぞれは、適切なストレスに曝される
際に活性化される。この実施態様においては、ストレス
プロモーターに作動可能に連結される遺伝子は、最も好
ましくは天然のストレス遺伝子である。この方法では、
アッセイを行う前に細胞に対して遺伝子操作を行う必要
がない。この好ましい実施態様では、キットはさらに、
特定のストレスプロモーターの制御下にあるコーディン
グまたは非コーディング鎖のどちらかの少なくとも一部
分に相補的であるオリゴヌクレオチドまたはcDNAを包含
する。オリゴヌクレオチドを用いてこれらの遺伝子また
はそれらのcDNA相補物のmRNA転写物を検出および定量す
る。それらのいずれかが本実施態様において検出可能な
産物である。
全ての真核生物細胞は、それらのゲノム中に多数のス
トレスプロモーターを含んでいるが、これらプロモータ
ーのいくつかは、適切なストレスに曝される際、活性化
され得またはされ得ないことを銘記されたい。このこと
は、哺乳動物のような高等真核生物で特に真実である。
ストレスプロモーターがほとんど全ての適切なストレス
に応答する細胞系が本発明のキットに好ましい。これら
は、哺乳動物の肝臓、心臓、肺、腎臓、脳、または他の
器官由来の主要組織、ならびにこれらの組織から確立さ
れ、American Type Culture Collection(ATCC、Rockvi
lle、MD)より入手可能な哺乳動物由来の細胞系を包含
する。より好ましくは、HepG2細胞、Hela細胞、およびW
IL−2細胞である。最も好ましくはHepG2細胞である。
本発明の上記診断用キットおよび方法で用いられるオ
リゴヌクレオチドは、比較的高いストリンジェンシー条
件下で、種々のストレスプロモーターに作動可能に連結
される遺伝子の転写産物またはその相補物(即ち、その
mRNAから逆転写された1本鎖cDNA)のいずれかと特異的
にハイブリダイズするそれらの能力に基づいて選択され
る。相補的あるいは相同オリゴヌクレオチドの利用の選
択は、転写産物を検出するために用いる方法に依存す
る。これらの種々の方法は、本願の後の方で記載する。
多くの哺乳動物のストレス遺伝子のDNA配列が知られ
ているので、ハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチド
の構築は容易である。オリゴヌクレオチドとストレス遺
伝子mRNAとの間の100%の相同性または相補性は要求さ
れないことを銘記されたい。何故なら、このオリゴヌク
レオチドは、本発明のキットおよび方法で利用される細
胞の供給源とは異なる種に由来するストレス遺伝子の配
列に基づいて設計され得るからである。
異なる哺乳動物種由来の類似のストレス遺伝子は、緊
密に関係し得るということが期待されるが、それらの遺
伝子からの転写物が同一のヌクレオチド配列を有すると
いうことはほとんどあり得ない。従って、本発明のキッ
トおよび方法で利用されるオリゴヌクレオチドは、好ま
しくは少なくとも95%相同または相補的である。好まし
くは、オリゴヌクレオチドの長さは20から500塩基対の
間である。最も好ましくは、オリゴヌクレオチドの長さ
は、50から100塩基対の間である。
より好ましくは、オリゴヌクレオチドを、オリゴヌク
レオチド合成機を用い、次いで必要に応じてポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)によって合成する。この方法では、
テンプレート鎖または非コーディング鎖のいずれかの一
部分と同じ配列を有し、そして既知の、配列決定された
ストレス遺伝子のコーディング領域内にあるオリゴヌク
レオチドが合成される。オリゴヌクレオチドの量を増や
すためにPCRを用いる場合は、各末端に追加の6〜12ヌ
クレオチドを有するオリゴヌクレオチドが合成される。
これらの付加的なヌクレオチドは、PCR反応における相
補的プライマーのための標的として提供される。好まし
くは、各末端の付加的なヌクレオチドは、互いに相補的
である。このことが、単一のプライマーが元のオリゴヌ
クレオチドおよびそのPCR産物の両方をプライムオフさ
せる。最も好ましくは、各末端の付加的なヌクレオチド
は、相補的な相同ヘキサマー、即ち一方の末端にAAAAA
A、他方の末端にTTTTTT、である。
PCRの間に、一つまたはそれ以上の標識ヌクレオチド
がポリメラーゼ反応に含まれるのが好ましい。好ましく
は、その標識は32P、ビオチン、または蛍光性マーカー
である。このことによって、標識産物を用いて転写産物
のレベルを直接検出し得るようになる。このオリゴヌク
レオチド合成機/PCRを混合した技術の利点は、マイクロ
グラム量の標識オリゴヌクレオチドが単一の手順によっ
て生成され得るということである。得られるオリゴヌク
レオチドは、合成および精製の後、必要に応じてビオチ
ン化され得る。
オリゴヌクレオチドを用いて転写産物のcDNA逆転写産
物を検出する場合には、それらが標識されていないこと
が好ましい。この実施態様では、標識はオリゴヌクレオ
チドよりむしろcDNAに組み込まれている方が好ましい。
本発明のキットおよび方法で用いるための適切なオリ
ゴヌクレオチドプローブの設計は、比較的容易である。
明らかに、それらは、ストレス遺伝子mRNA(これに対し
てハイブリダイズするようにそれらのヌクレオチドプロ
ーブが設計される)に対して高い配列類似性または相補
性を有するはずである。任意の特定のキット中のオリゴ
ヌクレオチドは、ほぼ同じ融解温度(Tm)を有している
はずなので、ハイブリダイゼーションおよびその後の洗
浄工程を行う場合、単一の加温装置(水浴などのよう
な)を利用し得る。好ましくはこのオリゴヌクレオチド
は、0.2×SSCにおけるTmが、70℃以上であるように設計
される。ストレス遺伝子のコーティング領域のどの部分
がオリゴヌクレオチドプローブの設計に用いられるかを
決定するために、OLIGO(National Biosciences、Plymo
uth、MN)のような、商業的に入手可能なコンピュータ
ープログラムを利用し得る。
他の実施態様によれば、本発明の診断用キット中の複
数の真核細胞のそれぞれは、検出可能な産物をコードし
ている異種遺伝子に作動可能に連結されたストレスプロ
モーターまたはストレス応答要素を有する。この実施態
様では、同一の異種遺伝子がキット中の種々のストレス
プロモーターまたは応答要素に連結していることが好ま
しい。この方法では、任意のストレスプロモーターおよ
びストレス応答要素の誘導を検出するために、一回のア
ッセイを行うことのみが必要である。このキット中の各
細胞は、単一のストレスプロモーターまたは応答要素/
異種遺伝子構築物のみを含むことがまた好ましい。従っ
て、キット中の任意の与えられた細胞における検出可能
な産物の発現は、単一のストレスプロモーターまたは応
答要素の誘導と特異的に相関し得る。
本発明の診断用キットおよび方法は、複数の真核細胞
を用い、それらは、全体として、以下のそれぞれに応答
するプロモーターまたは応答要素を包含する:酸化還元
ストレス、DNAストレス、タンパク質ストレス、および
エネルギーストレス。哺乳動物細胞を用いる使用につい
て本発明の好ましいプロモーターおよび応答要素を、以
下の表1に示す。
好ましくは、本発明の方法およびキットにおける酸化
還元ストレスに応答するプロモーターまたは応答要素
は、CYP1A1、GST Ya、JUN、ALDH1、およびHMO遺伝子の
プロモーター、ならびにXRE、NFkBRE、PPRE、RARE、ER
E、およびThREの応答要素から選択される。
CYP1A1遺伝子は、チトクロムP450 1A1をコードし、こ
の酵素はベンゾ(a)ピレンのような多環芳香族炭化水
素の代謝に関わる。この遺伝子は、芳香族炭化水素、植
物フラボンにより、そしてまたテトラクロロジベンゾ−
p−ダイオキシン(TCDD)、最も強い催奇形原および腫
瘍プロモーターの一つによっても誘導され得る[L.A.Ne
uholdら、Mol.Cell.Biol.、9、pp.2378−2386(198
9);Y.Fujii−Kuriyamaら、The FASEB J.、6、pp.706
−710(1992);D.W.Nebertら、Env.Health Perspec.、p
p.13−25(1990);R.A.Dixonら、Biol.Rev.、61、pp.23
9−241(1986)]。この遺伝子の配列は、K.Sogawaら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、pp.8044−8048(1986)に記
載され、その開示は参考として本明細書中で援用され
る。
GST Ya遺伝子は、ユニークな生体異物応答性要素であ
るグルタチオンS−トランスフェラーゼのYaサブユニッ
トをコードする。GST Yaプロモーターの酸化還元ストレ
ス感受性部分は、求電子性除草剤、殺虫剤、およびβ−
ナフトフラボンおよび3−メチルコラントレンのような
平面状の芳香族炭化水素によって強力に誘導される[T.
H.Rushmoreら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87、pp.3826
−3830(1990)]。この遺伝子の配列は、T.H.Rushmore
ら(前出)に記載され、その開示は、参考として本明細
書中で援用される。
JUN癌遺伝子は、AP−1複合体(転写アクティベータ
ー)の形成に参与するc−junをコードする。JUN遺伝子
を活性化する酸化還元ストレスは、スーパーオキシドラ
ジカルおよびUVA照射である。この遺伝子の配列は、R.D
e Grootら、EMBO J.、10、pp.2523−2532(1991)に記
載され、その開示は、参考として本明細書中で援用され
る。
ALDH 2遺伝子は、アルデヒドデヒドロゲナーゼをコー
ドし、そしてアルデヒドおよびペルオキシソーム増殖因
子によって誘導される[D.W.Nebert、Env.Health Pers
p.、88、pp.13−25(1990)]。この遺伝子の配列は、
L.C.Hsuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82、pp.3771−37
75(1985)に記載され、その開示は、参考として本明細
書中で援用される。
HMO遺伝子はヘムオキシゲナーゼをコードする。プロ
モーターは、以下の酸化還元ストレスにより誘導され
る:酸化的ストレス、過酸化水素、および亜ヒ酸塩ナト
リウム[S.T.KeyseおよびR.M.Tyrell、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA、86、pp.99−103(1989)]。この遺伝子の配
列は、上記論文に記載され、その開示は、参考として本
明細書中で援用される。
XREは、酸化還元ストレス応答要素である。それは、
芳香族炭化水素のような生体異物に応答する[T.H.Rush
moreら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87、pp.3826−3830
(1990)]。この応答要素の配列は、上記論文に記載さ
れ、その開示は、参考として本明細書中で援用される。
NFkBREは、酸化還元ストレス応答要素で、細胞内チオ
ールによって活性化される転写因子をコードしている
[R.Schreckら、EMBO J.、10、pp.2247−2258(1991);
B.Nelsonら、Molec.Cell.Biol.、8、pp.3526−3531(1
988)]。それはまたDNAストレスに応答する。この応答
要素の配列は、K.LeungおよびG.J.Nabel、Nature、33
3、pp.776−778(1988)に記載され、その開示は、参考
として本明細書中で援用される。
PPREは、ペルオキシソーム増殖応答要素である。それ
はペルオキシソーム増殖因子によって誘導される酸化還
元ストレス応答性要素である[C.Dreyerら、Cell、68、
pp.879−887(1992)]。この応答要素の配列は、上記
論文に記載され、その開示は、参考として本明細書中で
援用される。
RAREは、レチノイン酸応答要素である。それは、ステ
ロイドホルモンレチノイン酸およびそのアナログに応答
する酸化還元ストレス感受性応答要素であり[H.de The
ら、Nature、343、pp.177−180(1990)]、この開示
は、参考として本明細書中で援用される。
EREは、エストロゲン応答要素である。それは、エス
トロゲン性化合物によって誘導される酸化還元ストレス
に応答する。このEREの配列は、V.Kumerら、Cell、55、
pp.145−156(1988)に記載され、その開示は、参考と
して本明細書中で援用される。
ThREは、甲状腺ホルモン応答要素である。それは、甲
状腺ホルモンおよびそのアナログにより誘導される酸化
還元ストレスに応答する。ThREの配列は、M.Beato、Cel
l、56、pp.335−344(1989)に記載され、その開示は本
明細書に参考として援用される。
酸化還元に応答しそして本発明のキットおよび方法で
利用され得るその他のプロモーターおよび応答要素は、
以下の表2に挙げられるそれらから選択され得る。これ
ら各遺伝子および各応答要素の以下の簡潔な記載におい
て、特定遺伝子のDNA配列を開示する文献は括弧内に示
される。これら各文献の開示は、本明細書に参考として
援用される。
UGTは、UDP−グルコロノシルトランスフェラーゼをコ
ードし、そしてその酸化還元応答は、3−メチルコラン
トレンにより誘導される[T.Iyanagiら、J.Biol.Chem.2
61、pp.15607−14(1986)]。CYP11B2は、酸化還元応
答がステロイドにより誘導されるチトクロムP450をコー
ドする[T.Kawamotoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、
pp.1458−62(1992)]。Cu.ZnSODは、銅−および亜鉛
−で触媒されるスーパーオキシド形成により誘導される
スーパーオキシドジスムターゼをコードする[E.Dancig
erら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、pp.3619−23(198
6)]。MnSOD遺伝子は、腫瘍壊死因子、インターロイキ
ン−2およびリポポリサッカライドにより活性化され得
るスーパーオキシドジスムターゼ遺伝子をコードする
[M.K.St.ClairおよびJ.C.Holland、Cancer Res.、51、
pp.939−943(1991)]。ADPRTは、リボシルトランスフ
ェラーゼをコードし、そして酸化ストレスにより誘導さ
れる。GPは、グルタチオンペルオキシダーゼをコード
し、そしてその酸化還元応答はペルオキシドにより誘導
される[S.Chada、Genomics、6、pp.268−71(199
0)]。FAOクスアーゼ(FAOxase)は、脂肪酸アシル−C
oAオキシダーゼをコードし、そしてペルオキシソーム増
殖因子(proliferator)により誘導される[S.Miyazawa
ら、J.Biol.Chem.、262、pp.8131−37(1987)]。PBE
は、ペルオキシソームエノイル−CoAヒドラターゼ/3−
ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ二官能性酵素を
コードし、そしてペルオキシソーム増殖因子により誘導
される[J.K.Reddyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、p
p.1747−51(1986)]。PPARは、ペルオキシソーム増殖
因子−活性化レセプターをコードし、そしてペルオキシ
ソーム増殖因子により誘導される[C.Dreyerら、Cell、
68、pp.879−87(1992)]。EHは、フェノバルビタール
により引き起こされる酸化還元ストレスに応答するエポ
キシドヒドロラーゼをコードする[R.K.Skodaら、J.Bio
l.Chem.、263、pp.1549−54(1988)]。CYP2B2[J.S.M
ilesら、Nucl.Acids Res.、16、pp.5783−95(198
8)]、CYP2E1[J.E.Freemanら、Biochem.J.、28、pp.6
89−95(1992)]およびCYP3A3[N.K.Spurrら、GenBank
受託番号X12387]は、3種の異なるチトクロムP450コー
ドする。それらはフェノバルビタール(2B2)、CCl4(2
E1)、およびアフラトキシン、シクロスポリン、テスト
ステロンおよびニフェジピン(3A3)によりそれぞれ引
き起こされる酸化還元ストレスに応答性である。P450b
遺伝子は、フェノバルビタールにより誘導されるチトク
ロムP450bをコードする[C.M.Giachelliら、J.Biol.Che
m.、264、pp.7046−7053(1989)]。P450d遺伝子は、
チトクロムP450d遺伝子は、多環芳香族炭化水素、イソ
サフロール、および3−アミノ−1−5H−ピリド[4,3
−b]インドール(Trp−P−2)により誘導されるチ
トクロムP450dをコードする[K.Sogawaら、J.Biol.Che
m.、260、pp.5026−5032(1985)]。PPaは、ポリ(ADP
−リボース)ポリメラーゼをコードし、そして脂質過酸
化および酸化ストレスに応答するストレス感受性成分を
有する[K.Uchidaら、Biochem.Biophys.Res.Comm.、14
8、pp.617−22(1987)]。PKCは、プロテインキナーゼ
Cをコードし、そしてその酸化還元ストレス感受性成分
は、脂質過酸化により誘導される。ALDH1は、アルデヒ
ドおよびペルオキソーム増殖因子により誘導される別の
アルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする[L.C.Hsu
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82、pp.3771−75(198
5)]。NMO1遺伝子は、NAD(P)Hメナジオンオキシド
レダクターゼをコードし、そして平面状芳香族化合物、
アゾ染料およびフェノール性抗酸化剤を含む種々の生体
異物により誘導される[L.V.FavreauおよびC.B.Picket
t、J.Biol.Chem.、266、pp.4556−4561(1991)]。GST
2遺伝子は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ−2
をコードし、そしてGST Yaと同様の酸化還元ストレスに
応答する[P.G.Boardら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
4、pp.2377−81(1987)]。GAPDH遺伝子は、グリセロ
アルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼをコー
ドする[L.Ercolaniら、J.Biol.Chem.、263、pp.15335
−41(1988)]。NQO遺伝子は、NAD(P)Hキノンオキ
シレダクターゼをコードし、そしてNMOと同じ酸化還元
ストレスに応答する[A.K.Jaiswal、Biochemistry、3
0、pp.10647−53(1991)]。
本発明の方法およびキットで有用なDNAストレスに応
答するプロモーターおよび応答要素は、好適には、GST
Ya、GADD45、JUN、FOS、XHFおよびGADD153遺伝子のプロ
モーター、ならびにTREおよびp53RE応答要素から選択さ
れる。
GST Ya遺伝子は上記に記載される。そのDNAストレス
−感受性成分は、アルキル化DNAで誘導される。
GADD45遺伝子は、成長阻止およびDNA損傷応答タンパ
ク質をコードする。GADD45遺伝子は、UV照射、X−線、
およびDNA損傷剤メチルメタンスルホネート(MMS)によ
り誘導される。この遺伝子は、Q.Zhanら、Mol.Cell Bio
l.、13、pp.4242−50(1993)に記載され、その開示は
参考として援用される。
JUN遺伝子は、UVA照射、潰瘍プロモーターおよび成長
因子により誘導されるDNAストレス感受性成分を有す
る。
FOS遺伝子は、発ガン遺伝子c−fosをコードする。そ
のプロモーターのDNAストレス感受性成分は、潰瘍プロ
モーターおよび成長因子により誘導される[E.M.Halida
y、EMBO J.、10、pp.109−115(1991)]。この遺伝子
の配列は、F.van Straatenら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、80、pp.3183−3187(1983)に記載され、その開示
は、本明細書に参考として援用される。
XHF遺伝子はコラゲナーゼをコードし、そして有糸分
裂誘発(mitogenesis)、炎症薬剤、UV照射により活性
化され、そしてまた腫瘍プロモーター、12−O−テトラ
デカノイル−ホルボール−13−アセテート(TPA)に応
答する。この遺伝子の配列は、P.Angelら、Mol.Cell.Bi
ol.、7、pp.2256−2266(1987)に記載され、その開示
は、本明細書に参考として援用される。
GADD153遺伝子は、成長阻止シグナルおよびDNA損傷薬
剤に応答して発現する[J.D.LuethyおよびN.J.Holbroo
k、Cancer Res.、52、pp.5−10(1992)]。この遺伝子
の配列は、A.J.Fornaceら、Mol.Cell.Biol.、9、pp.41
96−4203(1989)に記載され、その開示は、本明細書に
参考として援用される。
TREはTPA応答要素である。それは、ホルボールエステ
ルにより誘導されるDNAストレスに応答する。TREの配列
は、P.Angelら、Cell、55、pp.875−85(1988)に記載
され、その開示は、本明細書に参考として援用される。
p53REはp53応答要素である。それは、DNAストレスに
対して応答性であり、そしてX−線およびMMSにより誘
導される。p53REの配列は、Q.Zahnら、Mol.Cell.Bio
l.、13、pp.4242−4250(1993)に記載され、その開示
は、本明細書に参考として援用される。
DNAストレスに応答しそして本発明の方法およびキッ
トで有用なその他のプロモーターは、以下の表2に挙げ
られる。これら各遺伝子の以下の簡潔な記載において、
特定遺伝子のDNA配列を開示する文献は括弧内に示され
る。これら各文献の開示は本明細書に参考として援用さ
れる。
EGR−1遺伝子は初期成長応答因子をコードし、そし
て有糸分裂誘発およびホスファターゼインヒビターによ
り誘導される[S.V.Suggs、Nucl.Acids Res.、18、pp.4
283−89(1990)]。GAS 2,3遺伝子は、成長阻止に応答
する遺伝子をコードする[C.Schneiderら、Cell、54、p
p.787−793(1988)]。MGMTは、O−6−メチルグアニ
ンメチルトランスフェラーゼをコードし、そしてアルキ
ル化DNAにより誘導される[K.Tanoら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA.、87、pp.686−90(1990)]。DNA Polは、DNA
ポリメラーゼAをコードし、そして有糸分裂促進物質
(mitogen)により誘導される。TK(チミジンキナーゼ
をコードする)[H.D.Bradshaw Jr.ら、Mol.Cell.Bio
l.]、4、pp.2316−20(1984)]、DHFR(ジヒドロ葉
酸レダクターゼをコードする)[C.Morandi、J.Mol.Bio
l.、156、pp.583−607(1982)]およびPCNA(増殖細胞
核抗原をコードする)[D.Jaskulskiら、J.Biol.Che
m.、263、pp.10175−79(1988)]のそれぞれは、細胞
増殖により誘導される。PGHSは、プロスタグランジンエ
ンドペルオキシダーゼシンターゼをコードし、そして有
糸分裂促進物質により誘導される[S.A.Kraemerら、Arc
h.Biochem.Biophys.、293、pp.391−400(1992)]。LO
Xは、5/12−リポキシゲナーゼをコードし、そして腫瘍
壊死因子に曝露することにより活性化される[P.A.Dixo
nら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85、pp.416−20(198
8)]。インターフェロンで刺激される遺伝子をコード
するISG15は、α−インターフェロンにより誘導される
[N.Reichら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84、pp.6394−
98(1987)]。2'−5'オリゴアデニレートシンセターゼ
をコードする2'−5'ASは、β−インターフェロンにより
誘導される[M.Waltheletら、FEBS Lett.、196、pp.113
−20(1986)];上記で議論されるEHは、癌原性物質に
より活性化されるDNAストレス感受性成分を含む。CYP2E
1は、ジメチルニトロソアミンに応答するDNAストレス感
受性要素を含む。TPO1およびTPO2はトポイソメラーゼを
コードし、そしてDNA鎖切断およびプロモーター組換え
を引き起こす薬剤により誘導される[P.D'arpaら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、85、pp.2543−47(1988);M.Tsa
i−Pflufelderら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85、pp.71
77−81(1988)]。また上記で議論されるPPaも、DNA損
傷により引き起こされるDNAストレスに応答する。DRA
は、HLAクラスIIをコードし、そしてγ−インターフェ
ロンにより誘導される[A.J.Kormanら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、79、pp.6013−17(1982);D.A.Shackelford
ら、Immunol.Rev.、66、pp.133−(1982)]。上記のMn
SODプロモーターはまた、腫瘍壊死因子により誘導され
るDNAストレス−応答要素を含む。MDR−1遺伝子は、多
剤耐性を担うタンパク質をコードし、そして主に疎水性
の細胞毒性薬剤により誘導される[J.A.Silvermanら、G
ene、106、pp.229−236(1991)]。β−pol遺伝子は、
DNA修復酵素DNAポリメラーゼβをコードし、そしてN−
メチル−N'ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、
メクロレタミンハイドロクロライド(HN2)、およびシ
ス−プラチナ(II)ジアミンジクロライド(cis−Pt)
[S.G.Widenら、J.Biol.Chem.、263、pp.16992−98(19
88)]。ストロメリシン−1(stromelysin−1)遺伝
子は、PMAのようなホルボールエステルにより誘導され
る[K.L.Sirumら、Biochemistry、28、pp.8691−98(19
89)]。PCNA遺伝子は、腫瘍プロモーターにより誘導さ
れる増殖細胞核抗原をコードする[S.Travaliら、J.Bio
l.Chem.、264、pp.7466−72(1989)]。
本発明の方法およびキットで有用なタンパク質ストレ
スに応答するプロモーターは、好適には、GRP78、JUN、
FOS、HSP70およびMT II Aから選択される。
GRP78遺伝子は、主要な小胞体成分である78−kDaタン
パク質をコードする。GRP78は、折りたたみ誤りタンパ
ク質およびグリコシル化ブロックにより誘導される[S.
K.Woodenら、Mol.Cell.Biol.、11、pp.5612−23(199
1)]。この遺伝子の配列は、E.Resendezら、Mol.Cell.
Biol.、5、pp.1212−19(1985)に記載され、その開示
は、本明細書に参考として援用される。
上記のJUNおよびFOSは、両者とも熱により誘導される
タンパク質ストレス応答性要素を含む。
HSP70遺伝子は、ヒートショックタンパク質70をコー
ドし、そして熱、変性タンパク質、アミノ酸アナログ、
重金属、酸素欠乏およびエネルギー代謝のインヒビター
により誘導される[D.D.Mosserら、Mol.Cell.Biol.、
8、pp.4736−44(1988)]。この遺伝子の配列は、C.H
untおよびR.I.Morimoto、Proc.Natl.Acad.Sci USA、8
2、pp.6455−59(1985)に記載され、その開示は本明細
書に参考として援用される。
メタロチオネインII AをコードするMT II Aは、重金
属およびグルココルチコイドにより誘導される[M.Kari
nら、Nature、299、pp.797−802(1982)]。その遺伝
子の配列は上記の文献に記載され、その開示は、本明細
書に参考として援用される。
タンパク質ストレスを検出するための本発明のキット
および方法で使用され得るその他のプロモーターは、タ
ンパク質ストレスに応答する、以下の表2に挙げられる
プロモーターから選択され得る。以下のこれら各遺伝子
の簡潔な記載において、特定遺伝子のDNA配列を開示す
る文献は括弧内に示される。これら各文献の開示は、本
明細書に参考として援用される。
MT 1A[R.I.Richardsら、Cell、37、pp.263−72(198
4)]およびMT III[R.D.Palmitterら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、89、pp.6333−37(1992)]のそれぞれは、
重金属、カドミウムにより誘導されるメタロチオネイン
遺伝子をコードする。GPはタンパク質障害性の重金属、
セレンに応答する要素を含む。
本発明の方法およびキットで、エネルギー/イオンス
トレスに応答する好適なプロモーターおよび応答要素
は、FOSおよびGRP78遺伝子のロモーターおよびCRE応答
要素である。
上記のFOSは、cAMP応答要素(「CRE」)を含む[W.J.
Roeslerら、J.Biol.Chem.、263、pp.9063−9066(198
8)]。
また、上記のGRP78は、カルシウムイオノホアに応答
するエネルギー/イオンストレス応答性要素を含む。
CREは、cAMP応答要素である。それは増加するcAMPレ
ベルに応答するエネルギー/イオンストレス感受性応答
要素である[J.Roeslerら、J.Biol.Chem.、263、pp.906
3−66(1988)、その開示は本明細書に参考として援用
される。] 本発明のキットおよび方法で使用され得るその他のエ
ネルギー/イオンストレスプロモーターを、以下の表2
に挙げる。以下のこれら各遺伝子の簡潔な記載におい
て、特定遺伝子のDNA配列を開示する文献は括弧内に示
される。これら各文献の開示は、本明細書に参考として
援用される。
2つのチトクロームP450遺伝子−−cAMPにより誘導さ
れるCYP11B2;およびエタノールにより誘導されるCYP2E1
−−はエネルギー/イオンストレス応答要素を含む。2'
−5'ASは、エタノールにより誘導されるエネルギー/イ
オンストレスに応答する要素を含む。ドーパミンβ−ヒ
ドロキシラーゼをコードするDBH[B.Grima、Nature、32
6、pp.707−11(1987)]、および、チロシンヒドロキ
シラーゼをコードするTH[A.Lamourouxら、EMBO J.、
6、pp.3921−37(1987)]の両者は、膜脱分極化によ
り誘導される。オルニチンデカルボキシラーゼをコード
するODCは、浸透圧ショックにより誘導される[N.J.Hic
kokら、DNA、6、pp.179−87(1987)]。G6PDは、グル
コース−6−リン酸デヒドロゲナーゼをコードし、ATP
枯渇により誘導される。PKCは、Na/K ATPアーゼ枯渇に
より誘導されるエネルギー/イオンストレス応答性要素
を含む。PVALBは、パルブアルブミンをコードし、そし
てカルシウムイオンにより誘導される[C.Lutumら、Gen
Bank受託番号X63070]。ストロメリシン−1は、カルシ
ウムイオノホアにより誘導されるエネルギー/イオンス
トレス応答性要素を含む。
応答要素は、それらを含むプロモーターからのみ、組
換えDNA法により単離され得るので、本発明のキットお
よび方法におけるそのような要素の使用は、プロモータ
ー−異種遺伝子構築物を利用する実施態様に限られる。
異種遺伝子に応答要素を作動可能に連結するため、そ
れは最初に最小プロモーターに連結されねばならない。
最小プロモーターは、それに作動可能に連結された遺伝
子の基礎の発現を構成的に引き起こすプロモーターであ
る。好適な最小プロモーターは、SV40最小プロモータ
ー、TK最小プロモーター、またはβ−インターフェロン
最小プロモーターである。これらの最小プロモーター
は、当該技術分野で周知てある。この最小プロモーター
/応答要素構築物は、次いで周知の組換えDNA法により
異種遺伝子に作動可能に連結される。
多数の上記プロモーターまたはそれらの機能的等価物
は、線虫、酵母、昆虫、は虫類、両生類および植物のよ
うな他の真核生物に存在する。
例えば、酵母は、重金属への曝露により誘導されるタ
ンパク質ストレスに応答する、メタロチオネイン遺伝子
CUPを含む[T.R.Buttら、Gene、27、pp.23−33(198
4);T.R.Buttら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81、pp.333
2−36(1984)]。酵母はまた、HSP70およびGRP 78遺伝
子の等価物を含む[E.A.Craig、Stress Proteins In Bi
ology And Medicine、Cold Spring Harbor Laboratory
Press、Cold Spring Harbor、New York、pp.301−21(1
990);W.R.Boorsteinら、J.Biol.Chem.、265、pp.18912
−21(1990);およびM.D.Roseら、Cell、57、pp.1211
−21(1990)]。アルコール、エネルギー/イオンスト
レスにより誘導される酵母遺伝子のファミリーである、
アルコールデヒドロゲナーゼはまた、配列決定されてい
る[T.Youngら、Basic Life Sci.、19、pp.335−361(1
982)]。
また、多くのDNAストレス遺伝子が酵母中で同定され
そして配列決定されている。これらとしては、DNAアル
キル化損傷に応答するメチルアデニンDNAグリコシラー
ゼMAG、およびMGT1[W.Xiaoら、Mol.Cell.Biol.、13、p
p.7213−21(1993)];RAD51、RAD54、RAD6、RAD23、RA
D2、RAD18およびRAD7、これらすべてはDNA鎖破壊に応答
する[G.Basileら、Mol.Cell.Biol.、12、pp.3235−46
(1992);G.M.Coleら、Mol.Cell.Biol.、9、pp.3314−
3326(1989);K.Maduraら、Nucleic Acids Res.、18、p
p.771−78(1990);Nucleic Acids Res.、18、pp.4737
−42(1990);K.Maduraら、J.Bacteriol.、166、pp.914
−23(1990);J.S.Jonesら、Nucleic Acids Res.、19、
pp.893−98(1991);J.S.Jonesら、Nucleic Acids Re
s.、18、pp.3281−85(1990)];DNA損傷薬剤により誘
導されるPHR1[J.B.Sebastionら、Mol.Cell.Biol.、1
0、pp.4630−37(1990)];DNA損傷により誘導される酵
母リボヌクレオチドレダクターゼRNR2およびRNR3[S.J.
Elledgeら、Mol.Cell.Biol.、9、pp.5373−86(198
9);S.J.Elledgeら、Gene Dev.、4、pp.740−51(199
0);Z.Zhouら、Genetics、131、pp.851−66(1992)];
CDC9、酵母DNAリガーゼ[T.A.Petersonら、Mol.Cell.Bi
ol.、5、pp.226−35(1985)];DNA損傷に応答する別
の遺伝子UBI4[J.M.Tregerら、Mol.Cell.Biol.、8、p
p.1132−36(1988)];および変異原に応答する遺伝子
DDR48[J.M.Tregerら、Mol.Cell.Biol.、10、pp.3174−
84(1990)]が挙げられる。さらに、酵母においていく
つかの他のDNAストレス遺伝子もまた同定されている
[G.W.Robinsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、pp.1
842−46(1986);S.W.Rubyら、Mol.Cell.Biol.、5、p
p.75−84(1985);E.C.Friedberg、Microbiol.Rev.、5
2、pp.70−102(1988);T.McClanahanら、Mol.Cell.Bio
l.、4、pp.2356−2363(1984)]。
これらプロモーターの任意またはすべての適切な組み
合わせ、および他の既知の酵母ストレスプロモーター
は、本発明の方法およびキットにおいて利用され得る。
酵母ストレスプロモーターが使用される場合、酵母宿主
が好適であり、そしてそのような宿主に適切な条件下で
生育されるべきことが理解される。そのような条件は当
該技術分野で周知である。
毒性を検出するためにオリゴヌクレオチドを利用する
最も好適なキットおよび方法は以下のストレスプロモー
ターを包含する:ALDH1、CYP1A1、FOS、GADD153、HMO、H
SP70、JUNおよびMT II A。毒性を検出するためにレポー
ター遺伝子発現を利用する最も好適なキットおよび方法
は以下のストレスプロモーターおよび応答要素を包含す
る:CYP1A1、GST Ya、GADD45、FOS、XHF、HSP70、MT II
A、GADD153、CRE、XRE、NFkBRE、RAREおよびp53RE。
本発明の別の実施態様によれば、診断用キットおよび
方法は、さらに、少なくとも1つの細胞表面レセプター
介在性のストレスプロモーターを使用する。そのような
キットおよび方法は、皮膚、眼または粘膜のような外部
器官に対する化合物の毒性を決定および特徴付けるため
に特に有用である。細胞表面レセプター介在性のストレ
スプロモーターの使用は、そのような外部器官の局所刺
激または炎症を引き起こし得る化合物の検出を可能にす
る。
刺激および炎症薬剤は、組織学的に検出され得ない致
死的に近い細胞損傷を引き起こし得る。そのような毒素
は全体として標準的な知覚(classic sense)を有する
動物には毒性でないかも知れず、そしてそれ故生存動物
試験のような方法による検出をのがれ得る。本発明のキ
ットおよび方法における細胞表面レセプター介在性のス
トレスプロモーターの使用は、そのような局所刺激物ま
たは炎症薬剤の検出および特徴付け、および細胞下レベ
ルで2者を区別する能力−−全動物試験が達成できない
事柄、を可能にする。
このようなキットに使用される好適な細胞表面レセプ
ター介在性のストレスプロモーターは、IL−1α、G−
CSF、GM−CSF、TNF−α、IL−3、IL−6、IL−8、ICA
M−1およびストロメリシン−1遺伝子のプロモーター
から選択される。
インターロイキン(IL)−1α遺伝子は、マイトジェ
ン、リポポリサッカライド(LPS)、PMA、シリカ、その
他のサイトカイン、およびUVB照射、により誘導される
サイトカインをコードする[T.A.Lugerら、J.Invest.De
rmatol、95、pp.100S−104S(1990)]。その遺伝子の
配列は、Y.Furutaniら、Nucleic Acids Res.、14、pp.3
167−79(1986)に記載され、そしてその開示は、本明
細書に参考として援用される。
顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)遺伝子は、エン
ドトキシン、インターフェロン、およびPMAにより誘導
されるタンパク質を産生する[T.A.Lugerら、J.Invest.
Dermatol.、95、pp.100S−104S(1990)]。この遺伝子
の配列は、S.Nagataら、EMBO J.、5、pp.575−581(19
86)に記載され、その開示は本明細書に参考として援用
される。
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)
遺伝子は、G−CSFと同じ刺激に応答して産生されるタ
ンパク質をコードする(T.A.Lugerら、前述)。この遺
伝子の配列は、S.Miyatakeら、EMBO J.、4、pp.2561−
2568(1985)中に記載され、その開示は本明細書に参考
として援用される。
腫瘍壊死因子(TNF)α遺伝子は、IL−1αおよびIFN
γにより誘導されるタンパク質をコードする[B.J.Nick
oloffら、J.Invest.Dermatol.、94、pp.151S−157S(19
90)]。この遺伝子の配列は、D.Semonら、Nucleic Aci
ds Res.、15、pp.9083−9084(1987)に記載され、その
開示は本明細書に参考として援用される。
IL−3遺伝子は同じ名前の産物をコードし、そしてイ
ンターフェロン(IFN)γ、PMA、およびUVB照射により
誘導される[T.A.Lugerら、前述]。その遺伝子の配列
はD.R.Cohenら、Nucl.Acids Res.、14、pp.3641−58(1
986)に記載され、その開示は本明細書に参考として援
用される。
IL−6遺伝子は、他のサイトカイン、細菌毒素、ウイ
ルス、腫瘍プロモーターおよびラウリル硫酸ナトリウム
に応答して発現するタンパク質を産生する[t.Hunziker
ら、Brit.J.Dermatol.、127、pp.254−57(1992)およ
びT.A.Lugerら、J.Invest.Dermatol、95、100S−104S
(1990)]。この遺伝子の配列は、K.Yasukawaら、EMBO
J.、6、pp.2939−45(1987)に記載され、その開示は
本明細書に参考として援用される。
IL−8遺伝子は、サイトカインIL−1α、腫瘍壊死因
子(TNF−α)、およびIFN−γ、ならびにLPS、および
腫瘍プロモーターにより誘導される[I.C.Oliveiraら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、pp.9049−53(199
2)]。その遺伝子の配列は、N.Mukaidaら、J.Immuno
l.、143、pp.1366−71(1989)に記載され、その開示は
本明細書に参考として援用される。
細胞内粘着分子(ICAM)−1遺伝子は、サイトカイ
ン、LPS、ハイドロコルチゾン、およびPMAにより誘導さ
れるタンパク質をコードする[S.W.Caughmanら、J.Inve
st.Dermatol.、98、pp.61S−65S(1992)]。この遺伝
子の配列はB.G.Stadeら、Immunobiology、181、pp.851
−56(1990)に記載され、その開示は本明細書に参考と
して援用される。
ストロメリシン−1遺伝子は、上皮成長因子により誘
導される細胞表面レセプター介在ストレス要素を含む。
本発明のキットおよび方法で利用され得るその他の細
胞表面レセプター介在ストレスプロモーターは、IL−1
β、TGF−α、IL−10およびM−CSF遺伝子のロモータ
ー、ならびに上記の任意の遺伝子の発現を調節する細胞
表面レセプターをコードする遺伝子のプロモーターを含
む。これら各遺伝子の以下の簡潔な記載において、特定
の遺伝子のDNA配列を開示する文献は括弧内に示され
る。これら各文献の開示は本明細書に参考として援用さ
れる。
IL−1β遺伝子は、IL−1αと同じ因子により誘導さ
れる[J.J.Huangら、J.Immunol.、140、pp.3838−43(1
988)]。形質転換成長因子(TGF)α遺伝子は、単独
で、およびIFN−γにより誘導されるタンパク質をコー
ドする[F.Irisら、Nature Genetics、3、pp.137−45
(1993)]。IL−10は、トニリトクロロベンゼン(TNC
B)およびハプテンのような接触アレルゲンにより誘導
される[J.M.Kimら、J.immunol.、148、pp.3618−23(1
992)]。その他の細胞表面レセプター介在ストレス遺
伝子もまた、当該技術分野で記載されている。
本発明の診断用キットおよび方法は、特定のストレス
プロモーターまたはストレス応答要素の誘導、およびそ
れに作動可能に連結した遺伝子の転写および/または翻
訳に依存する。
哺乳類ストレスプロモーターまたはストレス応答要素
に作動可能に連結した異種遺伝子を使用する本発明の実
施態様において、遺伝子の選択は本質的に制限がない。
要求されるパラメーターは、(1)アッセイ可能な産物
をコードするDNA配列が特徴付けられていること;およ
び(2)遺伝子の産物が検出され得ること、のみであ
る。十分な特徴付けは、完全なコーディング配列の知
識、ゲノムクローンの入手可能性、または遺伝子操作に
よりストレスプロモーターに作動可能な結合をつくり得
るように、ゲノムDNA配列内の十分な数の制限部位の知
識を含む。
大部分の哺乳類ストレス遺伝子のプロモーターは、1
種を超えるタイプのストレスにより誘導可能である。こ
れは、そのようなプロモーターがそれらの配列の中に、
それぞれが異なるタイプのストレスに応答性である多数
のストレス応答要素を含むからである。そのような複合
ストレスプロモーターを利用する実施態様において、複
数のストレスの1つのみに応答する別のプロモーターを
さらに使用することが好ましい。このことは、天然のプ
ロモーター−遺伝子系または組換えプロモーター−アッ
セイ可能な遺伝子の融合物のいずれが使用される場合に
もあてはまる。例えば、HMOプロモーターおよびJUNプロ
モーターは、ペルオキシドおよびUVA線の両者により誘
導される。従って、これらプロモーターは、酸化還元ス
トレスおよびDNAストレスの両者に応答する。酸化スト
レスにのみ応答するNMO1プロモーターは、HMOまたはJUN
プロモーターとともに使用され得る。プロモーターのこ
の組合わせによって、複合ストレスプロモーターの誘導
が酸化還元ストレスまたはUVA光によるか否か決定する
ことが可能となる。このように、化合物により引き起こ
されるストレスの性質はより正確に測定され得る。
本発明の別の実施態様によれば、プロモーターの個々
の応答要素が単離され得、そして次いで哺乳類最小プロ
モーター、および検出可能な産物をコードする遺伝子に
作動可能に連結され得る。従って、化合物の存在下にお
ける検出可能な産物の発現は、ある特定のタイプのスト
レスの1つのみに相関する。
検出可能な産物をコードする遺伝子を使用する実施態
様において、アッセイ可能な産物は好ましくは(lacZ遺
伝子によりコードされる)β−ガラクトシダーゼ、(CA
T遺伝子によりコードされる)クロラムフェニコールア
セチルトランスフェラーゼ、(galK遺伝子によりコード
される)ガラクトースキナーゼ、(gus遺伝子によりコ
ードされる)β−グルコシダーゼ、グルタチオントラン
スフェラーゼ、(hGH遺伝子によりコードされる)ヒト
成長ホルモン、または(lux遺伝子によりコードされ
る)ホタルルシフェラーゼである。最も好適にはCAT遺
伝子が使用される。
本発明の特定の診断用キットおよび方法で使用される
宿主が有するストレスプロモーター−アッセイ可能な産
物融合は、当該技術分野で周知である標準組換えDNA技
術を用いて作製され得る。技術の選択は、株において使
用される特定のストレスプロモーターについての既知の
事項に依存する。
ストレスプロモーターおよびその遺伝子を含むゲノム
フラグメントが単離されたか、またはベクター中にクロ
ーン化された場合、このプロモーターは、適切な制限酵
素消化により除去される。プロモーターフラグメント
は、次いで単離され、そしてプラスミド中で、アッセイ
可能な産物をコードする遺伝子に作動可能に連結され
る。ベクターはまた、安定なトランスフェクタントを同
定するためにNeoのようなマーカーを含むべきである。
機能的な融合のためのスクリーニングは、トランスフェ
クタントを、特定のストレスプロモーターを誘導するこ
とが知られているストレスに曝し、そして検出可能な遺
伝子産物についてアッセイすることにより達成される。
ストレスプロモーターおよびその遺伝子のヌクレオチ
ド配列が既知の場合、ポリメラーゼ連鎖反応技術が、ア
ッセイ可能なタンパク質融合物を生成するために使用さ
れ得る。より詳細には、遺伝子のストレスプロモーター
部分の5'および3'末端に相補的なプライマーを合成し、
これらプライマーを、適切な条件下で、変性した哺乳類
の全DNAにハイブリダイズし、そしてPCRを行う。この方
法で、クローン可能な量の任意の配列決定されたストレ
スプロモーターが得られ得る。一旦ストレスプロモータ
ーDNAが得られたなら、上記のように、適切なベクター
中で、アッセイ可能なタンパク質をコードするDNAに作
動可能に連結する。このような方法は当該技術分野で周
知である。
検出可能な産物をコードする遺伝子へのストレスプロ
モーター応答要素の作動可能な融合の構築はまた、標準
の組換えDNA技術により実施される。応答要素は小さい
ので、それらをコードするDNAは、オリゴヌクレオチド
シンセサイザーを用いて生成され得る。応答要素の両鎖
に対応するオリゴヌクレオチドが合成され、ともにアニ
ールされ、そして最小プロモーターの制御下にあるレポ
ーター遺伝子を含むプラスミド中にクローン化される。
あるいは、二本鎖のオリゴヌクレオチドは、ベクター中
に挿入する前に自己連結によりマルチマー化され得る。
応答要素の多重コピーは、ストレス誘導に際し、検出可
能な産物のより高い発現を可能にする。
アッセイ可能な産物をコードする遺伝子として天然の
ストレス遺伝子を使用する本発明の実施態様は、毒性を
アッセイする前に遺伝的操作を必要としない。
本発明のキットおよび方法で使用するための細胞株の
選択は、毒性を測定するために使用されるアッセイに依
存する。ストレスプロモーター−アッセイ可能な産物遺
伝子融合体を利用するこれらの実施態様において、細胞
はアッセイ可能な形態で発現産物を産生することができ
なければならない。さらに、これら細胞は、それらゲノ
ム中の遺伝子の別のコピーからアッセイ可能な産物を構
成的に産生すべきではない。
細胞の天然のストレス遺伝子を利用する実施態様にお
いて、細胞の選択は、これら遺伝子のストレスにより誘
導される能力に基づく。細胞表面レセプター介在ストレ
スプロモーターを使用しない実施態様における好適な細
胞は、HeLa、HepG2およびWIL−2である。細胞表面レセ
プター介在ストレスプロモーターを使用するキットおよ
び方法には、好適な細胞株は、関連した器官に由来する
細胞株である。例えば、ストレスキットおよび方法が、
皮膚に影響する化合物を同定することを意図する場合、
SCC12、またはC6C1のようなその誘導体などの皮膚線維
芽細胞またはケラチノサイト細胞株が好適である。眼に
対する毒素を同定しようとするキットおよび方法には、
角膜細胞株が最も好適である。
ストレスプロモーター−アッセイ可能な産物融合を利
用する場合、本発明のキットおよび方法で使用される各
宿主は、唯一のそのような融合を持つことが好ましい。
この方法では、化合物が、任意の特定の宿主細胞中でア
ッセイ可能な遺伝子産物の発現を誘導する場合、この化
合物により引き起こされるストレスの特定のタイプは、
明白に同定され得る。
いくつかの化合物は、それらの天然の形態では哺乳類
に毒性でないが、肝臓によりプロセッシングされた後、
毒性になることが知られている。従って、本発明の別の
実施態様によれば、本発明の方法およびキットで試験さ
れる化合物は、S9肝臓抽出物で前処理される。S9肝臓抽
出物(「S9」)を調製する方法は、S.Vennittら、Mutag
enicity Testing−A Practical Approach、S.Vennittら
編、IRL Press、Oxford、Engl and、pp.52−57(198
4)、により記載され、その開示は本明細書に参考とし
て援用される。S9は、一般に、低速遠心分離により除去
される不溶性粒子を伴うラット肝臓の粗製ホモジネート
であるが、ヒトまたはその他の哺乳類の肝臓からもまた
調製され得る。S9は、毒性アッセイを実施する前に、哺
乳類肝臓により通常なされる化合物のステージIおよび
ステージII生物学的変換を模倣するために、NAD(P)
Hを含むカリウム緩衝液中で試験化合物とインキュベー
トされる。しかし、主要哺乳類肝臓細胞が本発明のキッ
トおよび方法で使用される場合、S9による前処理は必要
でない。これら細胞は、アッセイ成長条件下で、化合物
のステージIおよびステージII生物学的変換を行うこと
ができる。
あるいは、本発明のキットおよび方法で使用される細
胞は、ステージIおよびIIの生物学的変換を行い得る細
胞、好適には、主要肝臓細胞株と供に培養される。アッ
セイされる化合物の生物学的変換は、この例では、肝臓
細胞に由来する酵素画分よりむしろこれらの他の細胞に
より行われる。
本発明の方法およびキットを用いて未知の毒性を有す
る化合物についてアッセイを実施する前に、未知化合物
をスクリーニングするために使用されるそれぞれ特定の
ストレスプロモーターまたは応答要素を誘導することが
知られている少なくとも1種の、そして好適には少なく
とも3種の化合物を用いて標準曲線を作成すべきであ
る。
それぞれの既知の化学物質は、より好適には、誘導す
ることが知られているプロモーターだけでなく、すべて
のプロモーターについて試験されるべきである。そして
それぞれの化学物質は、好適には1ピコモラーから1ミ
リモラーおよびいくつかの時間点で、有用な標準曲線を
提供するに十分広範囲の濃度についてアッセイされるべ
きである。
一旦標準曲線が作成されたなら、これらの曲線を含む
コンピューターデータベースが作成される。このデータ
ベースは、次いで、試験される化合物のストレスプロモ
ーター−誘導プロファイルと、標準曲線を作成するため
に使用された既知の毒素の誘導プロファイルとを比較す
るために使用される。従って、任意の試験されなかった
化合物についての結果が、ストレスプロモーターの既知
のインデューサーと比較した相対毒性で表される。
本発明のそれぞれの特徴付けおよび毒性測定方法は、
可能な毒性化合物に曝す前および後の両方で細胞を培養
する第1の工程を包含する。培養条件は、使用する細胞
タイプに依存して変化する。最も好適には、不死化した
ヒト肝臓細胞(HepG2)が使用される。これら細胞の増
殖は、標準的な組織培養条件(37℃、5%CO2の最小必
須培地)で行われる。細胞は、それらが約5×106細胞/
mlの密度に達するまで、165cm2フラスコ中で常法により
成長させる。
この初期成長の後、細胞を継代培養し、そして試験化
合物に曝する。代表的なアッセイでは約2.75×105細胞/
mlを使用する。化合物に関する初期試験では、化合物の
一連の10倍希釈物を使用すべきである。S9画分とプレイ
ンキュベートした化合物の別の一連の希釈物もまた調製
されるべきであり、そして各培養物の第2の部分に添加
される。各培養物の第3の部分を対照として供し、化合
物に曝されないが、但し以下の記載と同様の方法で処理
される。
すべての培養は、次いで、5分〜48時間の範囲の期
間、通常の生育温度でインキュベートされる。より好適
には、毒性または試験化合物への曝露は、約2〜32時間
である。試験化合物への曝露に続いて、アッセイ可能な
産物またはストレス遺伝子mRNAのレベルが測定される。
アッセイ可能な産物を測定する実施態様が使用される
場合、定量は当該技術分野で周知の多くの方法で行われ
得る。例えば、発現産物が酵素の場合、比色基質が利用
され得る。特定の酵素の適切な比色基質は、当該技術分
野で周知である。あるいは、RIAまたはELISAのような特
異抗体を使用するアッセイが、発現産物を検出するため
に使用され得る。
使用するアッセイの性質に依存して、溶解した培養物
または上清液の緩衝液条件は調整される必要があり得
る。従って、適切な緩衝液が、溶解した培養物または上
清液に添加され得、特定のアッセイに対する最適条件が
得られる。例えば、アッセイ可能な産物がRIAまたはELI
SAアッセイにより検出される場合、最大の抗体−抗原複
合体形成を可能にし、および非特異的抗体結合を最小限
とするために、緩衝液条件は中性pHに調整されなければ
ならない。そのような条件は当該技術分野で周知であ
り、そして50mMリン酸緩衝液、150mM NaCl、pH7.0の最
終緩衝液条件により例示される。アッセイ可能な産物が
酵素であり、そして検出が比色基質アッセイにより達成
される場合、緩衝液条件は、最大の酵素活性および基質
に対する最小の非触媒的切断のために最適化されねばな
らない。これらの条件は、従来どおりであり、そしてア
ッセイする酵素に依存して変化する。
本発明のこの局面の最も好適な実施態様において、検
出可能な産物は、クロラムフェニコールアセチルトラン
スフェラーゼ(CAT)である。この酵素のアッセイは、
当該技術分野で周知であり、そしてJ.Sambrookら、「Mo
lecular Cloning−A Laboratory Manual、第2版」、Co
ld Spring Harbor Laboratory Press、pp.16.60−16.65
(1989)に記載され、その開示は、本明細書に参考とし
て援用される。この文献はまた、β−ガラクトシダーゼ
のアッセイについて記載し、これは本発 明の方法およびキットに有用な別のアッセイ可能な産物
である(pp.16.66−16.67)。
ストレス遺伝子誘導を測定するために転写レベルを利
用する実施態様では、本発明のキットおよび方法で利用
されるストレスプロモーターに作動可能に連結した遺伝
子から転写されるmRNAのレベルが測定されねばならない
(「ストレス遺伝子mRNA」)。このことは、全RNAまた
はmRNAが曝露細胞から単離されることを必要とする。こ
れは、任意の、多くのおよび周知の方法論により達成さ
れ得る。Strategene[La Jolla、CA]から入手できるよ
うな、市販のmRNAまたは全RNA単離キットがまた、利用
され得る。好適には、細胞はイソチアシアン酸グアニジ
ニウム(GTC)で溶解する。次い溶解液を、酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.2)で酸性化し、そして夾雑物をフェ
ノールで抽出する。次いでRNAをエタノールで2回沈殿
させ、乾燥し、そして水に再溶解させる。
一旦RNAが単離されたなら、ストレス遺伝子mRNAのレ
ベルが、直接的にまたは間接的に多くの方法で測定され
得る。直接法では、ストレス遺伝子mRNAに相補的なオリ
ゴヌクレオチドが使用される。この方法では、細胞から
単離されたmRNAは、スロットブロット装置中のニトロセ
ルロースペーパーまたはナイロン膜フィルターに付与さ
れる。装置中のRNAを適切な塩溶液(好適には2倍容量
の20×SSC)で希釈し、そしてスロットを洗浄した後、
ニトロセルロースペーパーまたはフィルターを、真空オ
ーブン中80℃で2時間ベーキングするか、またはUV架橋
してRNAを固定する。次いで、ニトロセルロースに固定
されたRNAを、適切な緩衝液および温度条件下で、スト
レス遺伝子mRNAに相補的な標識オリゴヌクレオチドプロ
ーブにハイブリダイズさせる。
間接法は、ストレス遺伝子mRNAに相同なオリゴヌクレ
オチドを検出に利用する。この方法は、ストレス遺伝子
mRNAを鋳型として用い、逆転写を用いて標識一本鎖cDNA
を作製することにより、転写を測定する。これらcDNA
は、次いで、固体支持体に結合した相補的オリゴヌクレ
オチド(または変性二本鎖cDNA)にハイブリダイズする
ことにより検出され、そして定量される。好適には、固
体支持体は負に荷電した膜であり、そしてオリゴヌクレ
オチドは、膜に結合する前に、3'末端上に正に荷電した
アミダイト(amidite)またはアミノ基の付加により改
変される。この3'改変は、オリゴヌクレオチドがその3'
末端を介してのみ膜に結合することを可能にし、固体支
持体にDNAを結合する他の方法に比べより効果的なハイ
ブリダイゼーションを可能にする。
いずれの方法においても、特定の実験試料により誘導
されないβ−グロビン、β−チューブリン、β−アクチ
ン、またはγ−アクチンのような、構成的に発現する
「ハウスキーピング遺伝子」を示す対照がまた、使用さ
れる。これは、細胞の適切な生育および機能の対照、な
らびに特異的な誘導量を計算するためのバックグラウン
ド標準を提供する。ハイブリダイゼーションの後で、ハ
イブリダイゼーション量が定量される。定量化は、オリ
ゴヌクレオチドまたはcDNA上の標識に合致する方法によ
り達成される。ラジオアイソトープが標識として使用さ
れる場合、膜をX線フィルムに曝した後、デンシトメト
リートレーシングまたは液体シンチレーション計測が好
適な定量法であり得る。蛍光標識が使用される場合、蛍
光光度計が定量に用いられる。このように、種々のスト
レス遺伝子誘導のレベルが測定され得る。ビオチン化標
識が使用される場合、定量化は、測定可能な比色産物を
生じ得る酵素に結合したストレプトアビジンを用いるこ
とにより達成される。
個々の化合物は毒性であり得ないが、非毒性化合物の
組み合わせが実際に毒性であり得ることが知られてい
る。従って、本発明のキットおよび方法はまた、上記の
方法と同一の方法で、既知および未知の化合物の組み合
わせ(例えば、薬剤の相互作用)の可能な毒性を測定す
るために利用され得る。
本発明はまた、ストレス特異的な診断用キットおよび
方法を提供する。例えば、本発明は、酸化還元ストレス
キットおよび方法;DNAストレスキットおよび方法;タン
パク質ストレスキットおよび方法;エネルギー/イオン
ストレスキットおよび方法;およびレポーター介在スト
レスキットおよび方法を提供する。これらストレス特異
的キットに使用するプロモーターの選択は、上記の表1
および2で記載または挙げられた任意の適切なプロモー
ターからなされ得る。好適には、これらのキットは、少
なくとも3種、そしてより好適には、少なくとも8種
の、より大きな群にあるストレスの異なるサブセットに
応答するプロモーターを使用する。最も好ましくは、こ
れら特異的なキットおよび方法は、適切なストレスに応
答するこれら表中の少なくとも12種のプロモーターを使
用する。これらのキットおよび方法は、化合物により引
き起こされるストレスのより正確かつ特異的な分析を可
能にする。
別の実施態様によれば、本発明は、本発明の方法によ
り毒性であると決定された化合物の抗毒素を同定する方
法を提供する。上記のように、一旦、ストレスプロモー
ター誘導プロファイルが、未知の化合物について生じる
と、そのプロファイルがデータベース中の既知化合物の
プロファイルと比較される。未知化合物に対する可能な
抗毒素は、類似のストレスプロモーター誘導プロファイ
ルを有する化合物に対する既知の解毒剤である。
そのような抗毒素の効力を試験するために、ストレス
プロモーターアッセイが、未知の化合物により誘導され
たストレスプロモーターを含む宿主のみを用いて繰り返
される。これら宿主のそれぞれは、誘導性濃度の未知化
合物を添加する前に、種々の濃度の提案された抗毒素と
プレインキュベートされる。提案された抗毒素とのプレ
インキュベーションが未知化合物の効果を低減またはい
ん滅する場合、そのような抗毒素は有効であり得る。
最後に、本発明は、活性薬剤設計を改良する方法を提
供する。この実施態様によれば、新規な薬剤は、最初、
上記の任意のキットおよび方法を用いて試験され、そし
てその毒性が測定される。そのような方法およびキット
により提供される情報は、薬剤の毒性の細胞メカニズム
を示す。次いで、示された特定の細胞損傷を引き起こし
やすい薬剤の部分は、薬剤の薬学的活性においてその部
分が演じる役割に依存して、適切に改変または除去され
る。得られる改変薬剤は、次いで、本発明のキットおよ
び方法を用いて再試験され、その毒性が十分に減少した
かまたは除去されたかを測定する。この方法により改良
および改変された薬剤もまた、本発明の範囲内にある。
本明細書に記載された発明がより十分に理解され得る
ために、以下の実施例が提示される。これら実施例は例
示の目的のみであり、そしていかなる方法でも本発明を
制限すると解釈されないことが理解されるべきである。
以下に記載する特定の基礎的な分子生物学技術は詳細
には提示されない。このような技術は、当該技術分野で
周知であり、そしてMolecular Cloning−A Laboratory
Manual第2版、J.Sambrookら編、Cold Spring Harbor L
aboratory Press、New York(1989)の開示に記載さ
れ、その開示は本明細書に参考として援用される。
実施例1 ストレス遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブの設
計と合成 本明細書中に記載のストレス遺伝子の各々のヌクレオ
チド配列は公知である。従って、特異的オリゴヌクレオ
チドの設計は、単に、遺伝子のどの部分を型どるかの選
択の問題である。コンピュータプログラム「オリゴ(OL
IGO)」により、所望の遺伝子のヌクレオチド配列を入
力しそして配列を解析して、ユーザーにより選択された
塩濃度および温度で所望の配列にハイブリダイズするオ
リゴヌクレオチドの位置、長さ、および組成を決定し得
る。このプログラムを用いて、本発明のキットおよび方
法に使用するための、以下のストレス遺伝子特異的相補
性オリゴヌクレオチドが設計された: 上記オリゴヌクレオチドの合成を、以下のように行っ
た。特異的オリゴヌクレオチドを、自動オリゴヌクレオ
チド合成装置(モデル392、Applied Biosystems、Foste
r City、CA)を用いて合成した。
種々の遺伝子またはそれらのcDNAの報告されたヌクレ
オチド配列に基づいて、所定のストレス遺伝子mRNAに相
同性である以下のオリゴヌクレオチドも設計した: ハウスキーピング遺伝子転写物に相同性の以下のコン
トロールオリゴヌクレオチドも設計した: アミノ基の付加により、これらのオリゴヌクレオチド
をそれぞれ3'末端で改変した結果、これらはその3'末端
を介してのみ、負に荷電した膜に結合し得た。このよう
なオリゴヌクレオチドをOperon Technologies,Inc.,Ala
meda,CAによる指示に従って合成した。
本発明に用いられ得るあらゆる他のストレス遺伝子mR
NAに相補性かつ相同性のオリゴヌクレオチドプローブ
は、上記のソフトウェアを用いて同様に設計され得る。
実施例2 放射性標識オリゴヌクレオチドプローブを用いた未知の
化合物の毒性アッセイ I.オリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーシ
ョンによる、ストレス遺伝子mRNAの直接定量 未知の化合物「X」が毒性であるかどうか、およびも
しそれが毒性であれば、いかなる種類の損傷を哺乳類細
胞に引き起こすのかを知ることが望ましい。
HepG2細胞を、最小必須培地(Gibco/BRL、Gaithersbu
rg、MD)を含む165cm2のフラスコ中で、それらが約8×
106細胞/mlの密度に達するまで増殖する。次いで、これ
らを5×106細胞/mlまで希釈することにより細胞を継代
培養し、そして10ml/プレートでプレートする。各継代
培養物の数枚のプレートを異わる濃度の化合物Xに曝す
(一連の10倍希釈物で1pM〜1mM)。以下に記載するよう
に、2、4、8、16、および32時間後、継代培養物から
メッセンジャーRNAを単離する。
吸引により細胞単層から培地を除去し、そして細胞を
冷リン酸緩衝化食塩水で2回洗浄する。次いで、2mlの
冷リン酸緩衝化食塩水を単層に添加し、ゴム製ポリスマ
ンを用いて15mlの使い捨てポリプロピレンチューブ内に
溶解産物をかき取る。RNAゾルB試薬(Biotecx Laborat
ories,Houston,TX)を製造者の指示に従って用い、全RN
Aを単離した。RNAペレットを乾燥し、そして10μlの水
に再溶解する。RNAの通常の収量は、約100〜200μg/プ
レートである。
次いで、それぞれ2枚の重複プレートから得たRNA
を、以下のようにスロットブロット装置の20個の異なる
スロットに付与する。このスロットブロット装置は、使
用前に、0.1NのNaOH中で洗浄する。1片のニトロセルロ
ースペーパーまたはナイロン膜フィルター(0.45μmポ
アサイズ)を軽く水に湿らせ、次いで1時間室温で20×
SSC中に浸漬する。次いで、このフィルターを装置中に
置く。各プレートからのRNAサンプルを20μlの100%ホ
ルムアミド、7μlの37%ホルムアルデヒド、および2
μlの20×SSCと混合し、68℃で15分間インキュベート
し、次いで氷上で冷却する。
20μgのRNAを2倍容量の20×SSCと共に装置の各スロ
ットに付与する。溶液をフィルターに通して排出した
後、スロットを1mlの10×SSCで2回すすぐ。次いで、真
空オーブン中で2時間80℃でフィルターを乾燥しそして
ベーキングする。次いで、異なる濃度のXに種々の時間
曝したサンプルを個々のストレス遺伝子特異的プローブ
にハイブリダイズされ得るように、フィルターを細片に
カットする。それぞれ別個のプローブにつき1個の細片
を用いる。
細片と個々のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブ
リダイゼーションを、RNA−DNAハイブリダイゼーション
のための周知の条件下で行う。種々のプローブをRNAに
ハイブリダイズするための温度および塩濃度は、オリゴ
ヌクレオチドの性質に依存する。これらの条件は、周知
の数式を用いて計算され得る。以下の遺伝子に対するプ
ローブを用いる: 酸化還元ストレスのみ:CYP1A1,NMO1,ALDH2; DNAストレスのみ:XHF,DRA,GADD153およびMDR−1; タンパク質ストレスのみ:HSP70,MT 1A; 酸化還元およびDNAストレス:GST Ya,HMOおよびMnSOD; 酸化還元,DNAおよびタンパク質ストレス:JUN; DNA,タンパク質およびエネルギー/イオンストレス:FO
S. ハイブリダイゼーションの後、細片を洗浄し、乾燥
し、そしてmRNAレベルを2つの方法のうちの一つにより
定量する。1つの方法では、細片をX線フィルムに曝
し、そしてハイブリダイゼーションをデンシトメトリー
により定量する。あるいは、細片をカットして個々のス
ロット内に入れ、そしてシンチレーションカウントを行
う。実際には、前者を最初に行うのであれば、両方の方
法を行い得る。
II.cDNAとオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダ
イゼーションによる、ストレス遺伝子mRNAの間接的定量 A.オリゴヌクレオチドと負に荷電した膜との架橋 Y.Zhandら、Nucleic Acids Res.,19,pp.3929−33(19
91)に記載の方法を本質的に用いて、以下のストレス遺
伝子およびハウスキーピング遺伝子のmRNAに相同性のオ
リゴヌクレオチドをBiodyne C膜(Pall Corporation,Ea
st Hills,New York)に別個に架橋した: 酸化還元ストレスのみ:CYP1A1,ALDH1; DNAストレスのみ:GADD153; タンパク質ストレスのみ:HSP70; 酸化還元およびタンパク質ストレス:MTIIA; 酸化還元およびDNAストレス:HMO; 酸化還元,DNAおよびタンパク質ストレス:JUN; DNA,タンパク質およびエネルギー/イオンストレス:FO
S; コントロール:γ−アクチン まず、Biodyne C膜を0.1N HClで軽くすすいだ。次い
で、この膜を15分間、新たに調製した20%(w/v)EDC
(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカル
ボジイミド))で処理した。次いで、この膜をH2Oです
すぎ、そして96ウェルのドットブロット装置に置いた。
次いで、15分間の真空を用いて、0.5MのNaHCO3(pH8.
4)中のアミノ修飾オリゴヌクレオチドを個々のウェル
の膜に付与した。ウェルあたりの全容量は、3μlを越
えてはならない。個々のオリゴヌクレオチドのそれぞれ
を4個の隣接するウェルに付与した。
オリゴヌクレオチドを付与した後、膜を1×TBS/0.1
%Tween−20ですすぎ、次いで、0.1NのNaOHで10分間処
理することにより、膜上のいかなる残存活性基をもクエ
ンチした。次いで、dH2Oで膜をすすぎ、風乾し、そして
乾燥した膜を密閉プラスチック袋中で保存した。
B.細胞の処理およびRNAの単離 HepG2細胞を100mm細胞培養皿中の最小必須培地で80%
を越えない集密度まで増殖させる。次いで、培地を異な
る濃度の化合物Xに曝し、そして所望の時間37℃でイン
キュベートする。培地を吸引により除去した後、細胞を
10mlの室温のリン酸緩衝食塩水溶液で3回洗浄する。次
いで、5mlのリン酸緩衝食塩水溶液を細胞培養皿に添加
し、細胞をゴム性ポリスマンで皿からかき取り、そして
15mlの遠心分離チューブに入れる。次いで血球計を用い
て細胞を計数し、そして遠心分離によりペレットにす
る。リン酸緩衝食塩水を捨てる。
全RNAの単離が望ましい場合には、RNAゾルB(Biotec
x Laboratories,Inc.,Houston,TX)を製造者の指示に従
って用いる。mRNAのみが望ましい場合には、メッセンジ
ャーRNA単離キット(Stratagene Inc.La Jolla,CA)を
製造者の指示に従って用いる。
3.ストレス特異的cDNAの逆転写および選択的PCR 次に、上記の方法により単離された全RNA(50μg)
またはmRNA(2μg)を、SUPERSCRIPT II(逆転写酵
素)(Gibco/BRL,Gaithersburg,MD)および以下のプロ
トコルを用いて逆転写する。
RNAをDEPC H2OおよびオリゴdTプライマーと共にマイ
クロ遠心分離チューブに添加する。反応混合物に添加す
るDEPC H2Oの量は、他の試薬の容量を決定した後に決定
される。容量が全最終容量の10%となるように、オリゴ
dTプライマー(0.5μg/μl)を添加する。反応混合物
を70℃まで10分間加熱し、次いで、氷上で急冷する。以
下の成分を順に添加する:5×SUPERSCRIPT第1鎖(first
strand)緩衝液(全容量の20%);0.1M DTT(全容量の
10%);10mMのdNTP混合物(全容量の5%);SUPERSCRIP
T II(全容量の5%)。反応混合物を短時間遠心分離に
かけ、次いで反復ピペッティングにより混合する。この
混合物を37℃で1時間インキュベートする。次いで2μ
lのRNAse A(10mg/ml)を反応混合物に添加し、ピペッ
ティングにより混合する。次いで、反応混合物を37℃で
さらに1時間インキュベートする。インキュベーション
の終わりに、ddH2Oを添加し、最終容量を450μlとす
る。50μlの3M酢酸ナトリウム、次いで1mlの100%エタ
ノールを添加することによりcDNAを沈澱させる。次い
で、混合物をマイクロ遠心分離機で12,000×gにて30分
間遠心分離する。上清を除去し、そしてcDNAを100μl
のddH2Oに再懸濁する。次いで、2μlの再懸濁cDNAを
取り出し、そしてシンチレーションカウンターで読みと
る。ハイブリダイゼーションには、全量で1,000,000cpm
が必要である。
cDNAは、反応にα−32P dCTP(100μCi)を用いるこ
とにより放射性標識され得るか、または、GENIUS 1キッ
ト(Boehringer Mannheim Biochemical,Indianapolis,I
N)を用いるジゴキシゲニン−dUTPを用いることにより
化学標識され得るかのいずれかである。
上記の方法により充分な量のストレス遺伝子cDNAが得
られない場合には、増幅のためにPCRが用いられ得る。
逆転写は、cDNA内に標識を組み込まないこと以外は、上
記のように行われる。所望のストレス遺伝子の報告され
た5'および3'コード配列に基づくプライマーがPCR反応
に用いられる。全てのストレス遺伝子cDNAの増幅は、同
一の反応チューブ内で行われる。
全cDNAをdH2Oで1:10に希釈し、そして10μlをPCR反
応のために用いる。次いで、以下の成分を添加し、所定
の最終濃度を得る:1×TAQ緩衝液(Boehringer Mannheim
Biochemical);300μMずつのdNTP;25pmolずつのPCRプ
ライマー;2.5単位のTAQポリメラーゼ(Boehringer Mann
heim Biochemical);全反応容量を50μlにするための
dH2O。混合物をピペッティングにより混合し、次いで第
2の遠心分離にかける。2滴の軽鉱油を反応混合物の上
部に入れる。PCRをセットし、次いで95℃で1分間30サ
イクル;Tm+2℃で2分間;72℃で3分間(最終サイクル
の間は10分間)実施する。PCR生成物は、1サイクルのP
CR反応におけるキナーゼ反応を介し、連立した(neste
d)プライマー内に組み込まれた32Pで標識されている。
連立した(nested)プライマーは、PCRのプライマー
のベースとなっている配列の中に位置するストレス特異
的ヌクレオチド配列をベースとするプライマーである。
これらのプライマーは、オリゴヌクレオチドシンセサイ
ザーを用いて合成されるか、または、商業的請負業者か
ら購入される。連立プライマーは、1.2μl(0.5μg/μ
l)の連立プライマーと、1.0μlの10×キナーゼ緩衝
液(0.5Mトリス、pH8.2、0.1M MgCl2、50mM DTT);5.0
μlのα−32P ATP;1.0μlのポリヌクレオチドキナー
ゼ、および1.8μlのdH2Oとを混合することにより標識
される。反応混合物をピペッティングにより混合し、そ
して37℃で1時間インキュベートする。反応を70℃で10
分間インキュベートすることにより停止させ、次いで素
早く遠心分離し、そして氷冷する。次いで90μlのdH2O
を加え、続いて100μlのフェノール/クロロホルム
(1:1)を添加する。混合物を充分に混合し、10分間遠
心分離し、次いで水相を新たなチューブに移す。次い
で、10μlの3M酢酸ナトリウム、1μlの10mg/ml tRN
A、および400μlの100%エタノールを添加し、そして1
0分間氷上に置くことにより、標識されたプライマーを
沈澱させた。次いで、混合物を室温で30分間遠心分離す
る。ペレットを80%エタノールで洗浄し、5秒間遠心分
離し、そして乾燥する。このペレットを4μlのdH2O、
0.5μlの10×TAQ緩衝液、および0.5μlのTAQ酵素と共
に再懸濁する。
次いで、5μlの標識された連立プライマーを上記PC
R混合物の鉱油下の水相に添加し、そして95℃まで2分
間加熱し、(標識されたプライマーの)Tm+2℃まで2
分間冷却し、そして72℃まで10分間加温することによ
り、追加のPCRサイクルを行う。
次いで、水相の50μlを新たなチューブに取り、50μ
lのdH2O、100μlのフェノール/クロロホルムを添加
し、よく混合し、そして10分間遠心分離する。水相を新
たなチューブ内に回収する。スピンカラムを用いて、組
み込まれなかったプライマーを除去する。
4.ハイブリダイゼーション 架橋オリゴヌクレオチドを含有する膜を、ピンセット
で膜の一端を挟みそして膜をゆっくりと浸すことによ
り、15mlのRAPID HYB緩衝液(Amersham,Arlington Heig
hts,IL)中で濡らす。次いで、密閉式保存袋(Seal−a
−Meal bag)に移すことによりこの膜をプレハイブリダ
イズし、濡らす工程からの15mlのRAPID HYB緩衝液を添
加し、そして袋を密封する。次いで、これを68℃の振と
う水浴に1時間浸ける。標識されたcDNA(15,000,000cp
m)を1mlのRAPID HYB中に希釈し、そして10分間沸騰さ
せ、次いで氷上で急冷する。
プレハイブリダイゼーションの後、RAPID HYBを除去
し、そして65℃まで予め加熱した14mlの新鮮なRAPID HY
Bと取り替える。次いで、標識されたcDNAを袋に加え、
そして端部を再度密閉する。次いで、袋を68℃の振とう
水浴に1晩浸ける。ハイブリダイゼーションの後、膜を
袋から取り出し、そして低ストリンジェント緩衝液(2
×SSC/0.1%SDS)を含むトレイに室温で20分間置く。次
いで、膜を高ストリンジェント緩衝液液(0.2×SSC/0.1
%SDS;45℃まで予め加熱)に移し、そして30分間45℃で
振とうする。次いで膜を高ストリンジェント洗浄液から
取り出し、1片のWhatmanの3MMフィルター上に置き、そ
して−70℃で1晩、増感スクリーンと共にX線フィルム
に曝す。現像後、オートラジオグラフをカットして96ウ
ェルマイクロタイタープレートホルダーにあわせ、そし
て放射性ドットがホルダーの穴に合うようにテープでと
める。次いで、定量のために、オートラジオグラフを60
0nmで読みとる。
次いで、上記2つのアッセイのうちのいずれの結果
も、上記プロモーターおよび公知の毒素を用いて調製さ
れた標準のデータベースと比較する。Xに関する結果と
公知の化合物との相関をとることにより、毒性プロフィ
ールが作成され得る。例えば、Xが同程度の濃度でTCDD
と同一のストレス遺伝子を誘導するならば、このこと
は、XがTCDDと同程度の濃度で全ての動物に対して毒性
であることを示す。
実施例3 ストレスプロモーター−CAT融合の構築 XHFプロモーター−CAT融合を以下のように調製した。
報告されたXHF(コラゲナーゼ)プロモーターの配列
[P.Angelら、Mol.Cell Biol.,7,pp.2256−66(198
7)]に基づいて、2種のオリゴヌクレオチドを合成し
た。片方は、転写開始部位プライマーから上流の位置−
520〜−501に対応していた。
他方は、転写開始部位から下流の位置+53〜+73に対
応していた。
これらのオリゴヌクレオチドを、Operon Technologies
(Alameda,CA)により合成した。これらのオリゴヌクレ
オチドを最終濃度500ピコモル/mlで水に溶解した。
XHFプロモーター増幅のために、0.1μgのRaji(ヒト
ゲノムライブラリー)ゲノムDNA、それぞれ20ピコモル
の上記2種のプライマー、5μlの10×緩衝液(500mM
のKCl、100mMのトリス−HCl、pH8.3、15mMのMgCl2、0.1
%のゼラチン)、それぞれ5μlの2.0mM dNTP、および
1単位のAMPLITAQ(Taqポリメラーゼ)(Perkin−Elme
r,Norwalk,CT)を混合した。水を添加して全容量を50μ
lとし、そしてPCRを行った。
PCR反応を94℃で2時間行い、次いで、30サイクルで:
56℃で10秒;71℃で30秒および94℃で10秒行った。混合
物を56℃で1.5分、次いで71℃で4分間インキュベート
することにより、PCR反応を完了させた。次いで、反応
生成物を0.1%アガロースゲル上で電気泳動し、増幅さ
れた配列をゲルから取り出し、そして精製した。次い
で、単離されたフラグメントをキナーゼ処理し、そして
B.Luckowら、Nucl.Acids Res.,15,p.5490(1987)(こ
の開示を本明細書中に参考として援用する)に記載され
るpBLCAT3ベクター内に平滑末端連結した。
他のストレスプロモーター−CAT融合は、PCRのための
適切なオリゴヌクレオチドプライマーを設計するための
種々のストレス遺伝子プロモーター領域の、上記引用さ
れ報告された任意のヌクレオチド配列を用いても同様に
調製され得る。以下のストレスプロモーターを用いるCA
T融合物が、本発明のキットおよび方法に使用するため
に調製された:XHF,CYP1A1,GSTYa,MTIIA,FOS,HSP70,GADD
45,GADD153およびJUN. 実施例4 応答要素−CAT融合の構築 以下のように、生体異物応答要素XRE−CAT融合物を構
築した。まず、独立請負業者(Operon Technologies,In
c.,Alameda,CA)にXREの両鎖に対応するオリゴヌクレオ
チドを合成させた。XREの配列は、M.Denisonら、J.Bio
l.Chem.,263,pp.172 21−24(1988)に記載されてい
る。オリゴヌクレオチドを突出したBamH I適合性末端を
用いて合成した。
オリゴヌクレオチドを500ピコモル/mlの最終濃度で水
に溶解した。次いで、500mMのNaCl、50mMのトリス−HC
l、pH7.8、1mMのEDTAを含有する溶液中に各オリゴヌク
レオチド50μgを共に混合し、5分間沸騰させた。次い
で、溶液を68℃で1晩インキュベートし、鎖を相互にア
ニールさせた。次いで、2重鎖になったオリゴを、12%
のポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、そしてバン
ドを取り出し、DNAを電気溶出させることにより精製し
た。
次いで、精製された応答要素をキナーゼ処理し、そし
てtk最小プロモーターのすぐ上流のpBLCAT2のBamH I部
位にクローニングした(M.Denisonら、J.Biol.Chem.26
3,pp.17221−24(1988))。
他の応答要素−CAT融合物は、PCRのための適切なオリ
ゴヌクレオチドプライマーを設計するための種々の応答
要素の、上記引用され報告された任意のヌクレオチド配
列を用いても同様に調製され得る。本発明のキットおよ
び方法に使用するために、以下の応答要素を用いるCAT
融合物を調製した:XRE、NFkB、CRE、p53RE、およびRAR
E。
実施例5 ストレスプロモーター−CAT融合物を用いる、毒素のア
ッセイ 上記実施例3および4に記載の14種の形質転換鎖の各
々の約5×104細胞を別々に、2個の96ウェルプレート
の1方の横1列(a row)の12ウェル内にプレートし
た。細胞生存度を測定するために、形質転換していない
ヒト肝細胞ラインを第2のプレートの最後列のウェル内
にプレートした。90%の集密度に達するまで、細胞を10
%完全最小必須培地(Gibco/BRL,Gaithersburg,MD)中
で37℃、5%CO2にて増殖させた。
5または6つの異なる濃度の、以下の表3に示す種々
の化学物質を適切な溶媒に溶解して3回繰り返し試験し
た。
次々と希釈することにより、異なる濃度を作製した。TC
DDについては、まず、96ウェルプレートの縦列(colum
n)3〜10の各ウェルから20μlの培地、および縦列11
および12から10μlの培地を除去した。試験化学物質の
200μM溶液10μlを、縦列11および12の各ウェルに入
れた。それらのウェル内の液体を、各横列(row)に対
して別々のピペットチップを用いるマルチチャンネルピ
ペットマンを用いてよく混合し、次いで、20μlを、縦
列12のウェルから縦列10に移した。縦列10の液体を混合
し、次いで20μlを縦列8に移し、そして縦列4までの
偶数番号の縦列に対してこの手順を繰り返した。縦列11
に始まり縦列3に終わる奇数番号の縦列について、同じ
手順を行った。縦列1および2の各横列は、未処理のコ
ントロールを表す。次いで、プレートを37℃、5%CO2
で1晩インキュベートした。
インキュベーションの終わりに、第2のプレートの細
胞生存度横列以外の全てのウェルから、培地を静かに吸
引した。その最後横列以外の全ての細胞を、200μlの
リン酸緩衝食塩水で2回洗浄した。洗浄後、100μlの
細胞溶解緩衝液(5mM Mops、2.5mM NaCl、0.38mM MgC
l2、0.25%TritonX−100、NaOHを用いてpHを6.5にす
る)を各ウェルに添加し、30分間室温でインキュベート
した。次いで、縦列12の溶解産物100μlを縦列11に、
縦列10を縦列9に、というように移すことにより、溶解
産物を倍濃度の化学物質を含むウェルで配合した。
以下のように、各ウェルの全タンパク質をアッセイし
た。2個の新たな96ウェルのプレートにおいて、190μ
lの1×タンパク質アッセイ試薬(Bio−Rad Laborator
ies,Hercules,CA)を縦列1〜7の各ウェルに添加し
た。毒素試験プレートの縦列1のウェルの細胞溶解産物
10μlをタンパク質アッセイプレートの縦列2に、毒素
試験プレートの縦列3からタンパク質アッセイプレート
の縦列3に、毒素試験プレートの縦列5からタンパク質
アッセイプレートの縦列4に、というように移した。次
いで、プレートを室温で15分間インキュベートし、次い
で、各ウェルの吸光度をOD600で読みとった。
CAT ELISAキット(5 Prime−3 Prime Inc.,Boulder,C
O)を用いそして製造者の指示に従って、CATアッセイを
行った。CAT活性の測定のために、毒素試験プレートの
各細胞溶解産物190μlを用いた。CATアッセイを室温で
3時間半進行させた。ビオチン化抗CAT抗体、次いでス
トレプトアビジン結合アルカリホスファターゼ、および
最後に比色基質であるp−ニトロフェニルホスフェート
を用いることにより、CAT活性を測定した。発色をOD405
で測定した。
以下の式を用いて誘導倍数(fold−induction)を計
算した: これらの実験の結果をそれぞれ、視覚的に図1〜11に
示す。
実施例6 抗毒素の同定 1種またはそれ以上の哺乳類ストレスプロモーターの
誘導に基づいて未知の化合物が毒素であることを見出し
た後、可能な抗毒素を同定するために同じ手順が用いら
れ得る。
本明細書中に記載のいずれのアッセイにおいても、未
知の化合物はHMOプロモーターおよびGADD153プロモータ
ーを誘導することが例証される。このことは、その化合
物が酸化ストレスおよびDNA損傷を引き起こしているこ
とを示す。1つの可能性は、その化合物が、DNA鎖が破
壊されるに充分高い濃度で過酸化水素の形成を引き起こ
しているということである。アスコルビン酸は、過酸化
水素誘導DNA鎖破壊の回数を減少させることが知られて
おり、従ってこの未知の化合物に対する可能な抗毒素で
ある。
実施例2に記載のように、HepG2細胞を増殖させる。
次いで、種々の希釈アスコルビン酸を用いて、この細胞
を30分間インキュベートする。次いで、これらの細胞
を、HMOおよびGADD153プロモーターを誘導するのに最適
であるように予め決定された濃度の未知化合物に曝す。
次いで、実施例2に記載のように、プロモーター誘導
(およびそれに伴うストレス遺伝子発現)についてのア
ッセイを行う。アスコルビン酸処理した細胞がコントロ
ール細胞より低いレベルのHMOまたはGADD153 mRNA転写
物を生産する場合、それは抗毒素であると考えられる。
以上、多数の本発明の実施態様について述べたが、本
発明の診断用キット、方法、および産物を利用する他の
実施態様を提供するために、基本的な構築が変更され得
ることは明らかである。従って、本発明の範囲は、以上
の実施例により示された特定の実施態様ではなく、添付
の請求の範囲により定義されるものと認められる。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:ゼノメトリックス,インコーポレイテ
ッド(米国を除く全ての国) アメリカ合衆国 コロラド 80301, ボールダー,スイート 150, ワイルダーネス プレイス 2860 (i)出願人:ファー,スペンサー ビー(米国の
み) アメリカ合衆国 コロラド 80301, ボールダー,ナンバー 184, カルミア アベニュー 2852 (i)出願人:ドット,マーク ディー(米国のみ) アメリカ合衆国 コロラド 80003, ウエストミンスター,ナンバー 904, ノース シェリダン ブルーバード
8200 (ii)発明の名称:哺乳動物のストレスプロモーター
を利用して化合物の毒性を測定する方法および診断キッ
ト (iii)配列数:45 (iv)連絡住所 (A)住所人:ジェームス エフ.ハーレイ,ジュ
ニア (B)番地:アベニュー オブ ジ アメリカズ
1251 (C)市:ニューヨーク (D)州:ニューヨーク (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:10020 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)OS:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリース#1.
0、バージョン#1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先願データ: (A)出願番号:US 08/008,896 (B)出願日:1993年1月21日 (viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:マークス,アンドリュー エス (B)登録番号:33,259 (C)照会/記録番号:X−1 CIP (ix)電話回線情報: (A)電話:(212)596−9000 (B)テレファックス:(212)596−9090 (C)テレックス:14−8367 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:70塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号1: (2)配列番号2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:69塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号2: (2)配列番号3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:59塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号3: (2)配列番号4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:63塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号4: (2)配列番号5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:60塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号5: (2)配列番号6の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:65塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号6: (2)配列番号7の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:69塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号7: (2)配列番号8の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号8: (2)配列番号9の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号9: (2)配列番号10の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号10: (2)配列番号11の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号11: (2)配列番号12の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号12: (2)配列番号13の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号13: (2)配列番号14の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:69塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号14: (2)配列番号15の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号15: (2)配列番号16の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号16: (2)配列番号17の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:51塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号17: (2)配列番号18の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号18: (2)配列番号19の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号19: (2)配列番号20の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号20: (2)配列番号21の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号21: (2)配列番号22の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号22: (2)配列番号23の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号23: (2)配列番号24の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:62塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号24: (2)配列番号25の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:67塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号25: (2)配列番号26の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号26: (2)配列番号27の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号27: (2)配列番号28の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:45塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号28: (2)配列番号29の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号29: (2)配列番号30の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号30: (2)配列番号31の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号31: (2)配列番号32の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号32: (2)配列番号33の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:44塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号33: (2)配列番号34の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:45塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号34: (2)配列番号35の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号35: (2)配列番号36の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号36: (2)配列番号37の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:47塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号37: (2)配列番号38の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:35塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号38: (2)配列番号39の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号39: (2)配列番号40の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号40: (2)配列番号41の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号41: (2)配列番号42の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:45塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号42: (2)配列番号43の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:50塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号43: (2)配列番号44の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号44: (2)配列番号45の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (iii)ハイポセティカル:NO (xi)配列:配列番号45:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 ゼノメトリックス,インコーポレイテッ ド アメリカ合衆国 コロラド 80301,ボ ールダー,55ティーエイチ ストリート 2425 (72)発明者 ファー,スペンサー ビー. アメリカ合衆国 コロラド 80304,ロ ングモント,セイジ バレー ロード 9823 (72)発明者 トッド,マーク ディー. アメリカ合衆国 コロラド 80021,ウ エストミンスター,ウエスト 100ティ ーエイチ プレイス 9280 (56)参考文献 特表 平8−504101(JP,A) 特表 平8−501930(JP,A) 国際公開90/10710(WO,A1) Fundam.Appl.Tox., Vol.28,No.1(1995),p. 118−128 Science,Vol.259 (1993),p.1394−1398 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12Q 1/00 - 1/68 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】毒性化合物を同定し、そして特徴付けるた
    めの診断用キットであって、以下を備え: (a)以下により特徴付けられる哺乳動物細胞: (i)酸化還元ストレスにのみ応答する少なくとも1つ
    のプロモーター; (ii)DNAストレスにのみ応答する少なくとも1つのプ
    ロモーター; (iii)タンパク質ストレスにのみ応答する少なくとも
    1つのプロモーター; (iv)エネルギー/イオンストレスにのみ応答する少な
    くとも1つのプロモーター; 該プロモーターの各々は、異なる検出可能な産物をコー
    ドする異なる遺伝子に作動可能に連結している;および (b)少なくとも4つの異なるオリゴヌクレオチドプロ
    ーブであって、該プローブの各々は、該プロモーターに
    作動可能に連結している該遺伝子のうちの異なる1つの
    mRNA転写物とハイブリダイズし得るか、または該mRNA転
    写物から調製される1本鎖cDNAとハイブリダイズし得; (i)該オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つ
    は、酸化還元ストレスにのみ応答する該プロモーターの
    うちの1つに作動可能に連結される該遺伝子のうちの1
    つの該mRNA転写物にハイブリダイズし得るか、または該
    mRNA転写物から調整される1本鎖cDNAとハイブリダイズ
    し得、 (ii)該オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つ
    は、DNAストレスにのみ応答する該プロモーターのうち
    の1つに作動可能に連結される該遺伝子のうちの1つの
    該mRNA転写物にハイブリダイズし得るか、または該mRNA
    転写物から調整される1本鎖cDNAとハイブリダイズし
    得、 (iii)該オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1
    つは、タンパク質ストレスにのみ応答する該プロモータ
    ーのうちの1つに作動可能に連結される該遺伝子のうち
    の1つの該mRNA転写物にハイブリダイズし得るか、また
    は該mRNA転写物から調整される1本鎖cDNAとハイブリダ
    イズし得、 (iv)該オリゴヌクレオチドプローブの少なくとも1つ
    は、エネルギー/イオンストレスにのみ応答する該プロ
    モーターのうちの1つに作動可能に連結される該遺伝子
    のうちの1つの該mRNA転写物にハイブリダイズし得る
    か、または該mRNA転写物から調整される1本鎖cDNAとハ
    イブリダイズし得る、 キット。
  2. 【請求項2】毒性化合物を同定し、そして特徴付けるた
    めの診断用キットであって、少なくとも以下を備え: (a)酸化還元ストレスにのみ応答する少なくとも1つ
    のプロモーターまたは応答要素を宿す第1の哺乳動物細
    胞; (b)DNAストレスにのみ応答する少なくとも1つのプ
    ロモーターまたは応答要素を宿す第2の哺乳動物細胞; (c)タンパク質ストレスにのみ応答する少なくとも1
    つのプロモーターまたは応答要素を宿す第3の哺乳動物
    細胞;および (d)エネルギー/イオンストレスにのみ応答する少な
    くとも1つのプロモーターまたは応答要素を宿す第4の
    哺乳動物細胞; 該プロモーターまたは応答要素の各々は、検出可能な産
    物をコードする異種遺伝子に作動可能に連結する、 キット。
  3. 【請求項3】前記哺乳動物細胞がHepG2細胞である、請
    求項1または2に記載の診断用キット。
  4. 【請求項4】酸化還元ストレスに応答する前記プロモー
    ターまたは応答要素が、 CYP1A1、XRE、PPRE、NMO1、ALDH2、UGT、Cu.ZnSOD、ADP
    RT、FAOxase、PBE、PPAR、CYP2B2、CYP3A3またはARE から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の
    診断用キット。
  5. 【請求項5】DNAストレスに応答する前記プロモーター
    または応答要素が、 XHF、GADD153、TRE、DRA、MDR−1、EGR−1、GAS2,3、
    MGMT、DNA pol、DHFR、TK、PCNA、PGHS、LOX、ISG15、
    TPO1、TPO2またはPCNA から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の
    診断用キット。
  6. 【請求項6】タンパク質ストレスに応答する前記プロモ
    ーターまたは応答要素が、 HSP70、MT 1AまたはMT IIIから選択される、請求項1
    または2のいずれかに記載の診断用キット。
  7. 【請求項7】エネルギー/イオンストレスに応答する前
    記プロモーターが、 CRE、TH、DBH、ODC、G6PDまたはPVALB から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の
    診断用キット。
  8. 【請求項8】前記プロモーターまたは応答要素の各々
    が、同じ異種の検出可能な産物をコードする遺伝子に作
    動可能に連結される、請求項2に記載の診断用キット。
  9. 【請求項9】前記異種の検出可能な産物が、CATであ
    る、請求項8に記載の診断用キット。
  10. 【請求項10】化合物が、哺乳動物細胞に対して引き起
    こす酸化還元、DNA、タンパク質およびエネルギー/イ
    オンのストレスの各々を別々に同定し、そして定量する
    データを含むストレス誘導プロフィールを作成すること
    によって、該細胞に対する該化合物の毒性を決定するイ
    ンビトロの方法であって、該方法は以下の工程: (a)以下によって、全体として、特徴付けられる1以
    上の哺乳動物細胞を別々に培養する工程であって: (i)酸化還元ストレスにのみ応答する少なくとも1つ
    のプロモーターまたは応答要素; (ii)DNAストレスにのみ応答する少なくとも1つのプ
    ロモーターまたは応答要素; (iii)タンパク質ストレスにのみ応答する少なくとも
    1つのプロモーターまたは応答要素;および (iv)エネルギー/イオンストレスにのみ応答する少な
    くとも1つのプロモーターまたは応答要素; 該プロモーターまたは応答要素の各々は、検出可能な産
    物をコードする遺伝子に作動可能に連結している、工
    程; (b)該細胞の1以上の培養物の各々を該化合物に曝す
    工程; (c)該培養物の各々において該検出可能な産物を定量
    する工程であって、該産物は、該化合物が該細胞に対し
    て生じさせる酸化還元ストレス、DNAストレス、タンパ
    ク質ストレスおよびエネルギー/イオンストレスに対応
    する、工程;および (d)該化合物について工程(c)から生じるデータか
    ら、該ストレスプロモーター誘導プロフィールを作成す
    る工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】前記哺乳動物細胞がHepG2細胞である、
    請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】酸化還元ストレスに応答する前記プロモ
    ーターまたは応答要素が、 CYP1A1、XRE、PPRE、NMO1、ALDH2、UGT、Cu.ZnSOD、ADP
    RT、FAOxase、PBE、PPAR、CYP2B2、CYP3A3またはARE から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】DNAストレスに応答する前記プロモータ
    ーまたは応答要素がが、 XHF、GADD153、TRE、DRA、MDR−1、EGR−1、GAS2,3、
    MGMT、DNA pol、DHFR、TK、PCNA、PGHS、LOX、ISG15、
    TPO1、TPO2またはPCNA から選択される、請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】タンパク質ストレスに応答する前記プロ
    モーターまたは応答要素が、 HSP70、MT 1AまたはMT III から選択される、請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】エネルギー/イオンストレスに応答する
    前記プロモーターが、 CRE、TH、DBH、ODC、G6PDまたはPVALB から選択される、請求項10に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記プロモーターまたは応答要素の各々
    が、同じ細胞中にあり、そしてここで前記検出可能な産
    物を定量する工程が、以下の工程: (a)前記化合物に曝した前記培養物からmRNAを単離す
    る工程;および (b)該培養物において該ストレスプロモーターまたは
    応答要素の各々に作動可能に連結している遺伝子の各々
    から転写されるmRNAの量を定量する工程、 を包含する、請求項10から15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】前記検出可能な産物をコードする前記遺
    伝子の各々が、前記プロモーターまたは応答要素の各々
    に対して異種であり、そしてここで、該プロモーターま
    たは応答要素の各々が、異なる細胞に宿される、請求項
    10から15のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】前記プロモーターまたは応答要素の各々
    が、同じ異種の検出可能な産物をコードする遺伝子に作
    動可能に連結される、請求項10に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記異種の検出可能な産物が、CATであ
    る、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記細胞の1以上の培養物を前記化合物
    に曝す前に、該化合物をS9肝臓抽出物と共にインキュベ
    ートするさらなる工程を包含する、請求項10から19のい
    ずれかに記載の方法。
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