JP2003079365A - 環境有害化学物質の高感度検出法 - Google Patents

環境有害化学物質の高感度検出法

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JP2003079365A
JP2003079365A JP2001272478A JP2001272478A JP2003079365A JP 2003079365 A JP2003079365 A JP 2003079365A JP 2001272478 A JP2001272478 A JP 2001272478A JP 2001272478 A JP2001272478 A JP 2001272478A JP 2003079365 A JP2003079365 A JP 2003079365A
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博子 礒田
Takashi Furuyama
貴志 古山
Masako Tazaki
雅子 田崎
Shuichi Oka
修一 岡
Norio Sugiura
則夫 杉浦
Takaaki Maekawa
孝昭 前川
Yuuhei Inamori
悠平 稲森
Shinichi Yokota
真一 横田
Mikiro Kitahara
幹郎 北原
Kazuhiro Nagata
和宏 永田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境有害化学物質又は天然毒性物質を、類縁
未知化合物も含めて高感度かつ簡便、迅速に検出できる
バイオアッセイ系を提供する。 【解決手段】 熱ショック因子結合DNA配列およびス
トレス誘導の際に必要な転写制御配列を転写調節因子結
合部位として含有するプロモーター、並びに、前記プロ
モーターの制御下にあるレポーター遺伝子(ただし、当
該レポーター遺伝子にはその下流で、イントロンを介さ
ずSV40pAシグナルが結合している)が染色体に導
入された細胞を、被験サンプル含有培地で培養した後
に、前記レポーター遺伝子の蛋白質誘導活性を測定する
ことで、生体恒常性を破壊もしくは混乱させる有害化学
物質又は天然毒性物質を検出する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境中に含まれる
有害化学物質を高感度で検出することができる細胞とそ
れを利用した検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】環境中に含まれる有害化学物質を検出す
る方法として、動物実験による安全性試験および微生物
や魚類等を用いたバイオアッセイ、またHPLC等によ
る機器分析試験が実施されている。機器分析ではGC/
MS法やLC/MS法を用いることで高感度な分析が可
能となり、これらは既知の単一成分を分析する手段とし
て確立している。動物実験は化学物質の影響を最も的確
に反映する試験であるが、実験動物数が多くなる場合や
目的によっては世代を超えて長期間に渡る場合があり、
数多くの化学物質を個々に、或いは複数の化学物質の相
乗効果等を調べる場合はその試験数の多さから全てを実
施することは到底不可能である。そのため、インビトロ
バイオアッセイを用いた簡単で経済的な方法が実用化し
ている。例えば代表的なものとしてエームス試験による
変異原性試験や培養細胞を用いた細胞の染色体異常試
験、また細胞の増殖率や生存率を測定する細胞毒性試験
などである。特に最近は既存の系では評価しきれない特
徴をもつ内分泌撹乱物質の簡便な検出法が望まれてお
り、バイオアッセイとしては、女性ホルモンレセプター
を発現しているヒト乳がん細胞MCF−7を用いてエス
トロジェン作用物質を細胞増殖スピードで評価する方法
や、レポーター遺伝子を形質転換させた細胞を使いレポ
ーター蛋白質であるルシフェラーゼ活性を指標として測
定する方法等が新しく構築されてきた。ほかにも、メダ
カやニジマスなどオス魚類が女性ホルモン作用を有する
化学物質に暴露されると血中に現れるビテロゲニン蛋白
質を酵素免疫測定法で定量する方法などがある。
【0003】現在、社会的に問題となっている有害化学
物質は従来の急性毒性試験で検出されるものだけではな
い。既存の毒性検出系では陽性と評価されない、または
非常に検出に時間がかかる低濃度で生体に作用する化学
物質を検出する系が求められている。それら新しい作用
が判明した有害化学物質には内分泌撹乱物質も含まれ、
また重金属も代表的な有害物質として同様の作用を持つ
場合があり、生体への作用機作が不明の場合も多くあ
る。
【0004】実際に、大気や水、土壌中には重金属はも
ちろん有害化学物質が多種類含まれ、その中には内分泌
撹乱作用の疑われるプラスチック可塑剤や農薬、植物エ
ストロジェン等が存在しており、それらが食物連鎖によ
る生物濃縮により高濃度で我々の体内に蓄積あるいは暴
露される可能性は高い。
【0005】一方、湖や池などでの植物性プランクトン
異常発生により、生態系はもとより飲料水源への悪影響
が危惧されており、特に閉鎖された水域に生活排水、産
業廃水などが流入することによるリンや窒素の増加でラ
ン藻類が異常増殖することが良く知られている。富栄養
化によるラン藻の増殖の中でも、アオコと呼ばれる種類
は致死性の天然毒性物質を産生しており、実際にオース
トラリアなどで家畜が水を飲んで死んだ原因として特定
されているばかりか、ヒトへの被害もこれまでに数多く
報告されている。アオコが産生する毒素にはミクロシス
チン類とノジュラリン類が知られている。これら天然毒
性物質は水に含まれるばかりか貝類やエビ類にも蓄積す
るため、健康への被害が危惧される。環境中に含まれる
ミクロシスチン類を検出する方法として、化学的分析法
と生物学的分析法があり、化学分析法としてはHPLC
等による機器分析試験が実施されている。機器分析では
LC/MS法を用いて特に高感度な分析が可能となり、
既知の単一成分を分析する手段として確立している。ま
た、ミクロシスチンは酵素免疫測定法やプロテインフォ
スファターゼ1、2Aを特異的に阻害することを利用し
た酵素阻害活性測定法により検出することも可能であ
り、これらバイオアッセイはより簡便である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有害化学物質の急性毒
性については、動物を用いた試験や特定の培養細胞に対
する毒性や機能障害によりその毒性が検出可能である
が、その多くは結果判定までに多くの時間や費用を費や
す。実際の環境中には複数の化学物質が微量低濃度で含
まれている場合が多く、これまでの毒性試験等では検出
が難しい或いは時間がかかる等の理由から、内分泌撹乱
物質や重金属など人間や生態系に障害を与える作用につ
いて、できるだけ短時間かつ簡便に検出できる方法が望
まれていた。特に、長期間に複合的あるいは相乗的な環
境汚染が進行している現在において、危険を示唆し予知
的ともいえるバイオアッセイ法は他のアッセイ法と組み
合わされ、今後ますます重要となると思われる。
【0007】化学物質のデータベースであるケミカルア
ブストラクトには約2000万種類が登録されている。
日本では約6万種類の化学物質が日常的に使用され、1
万種類以上の合成化学物質が環境中に蓄積されていると
推測される。特に従来の毒性学ではその毒性を予測する
ことが難しい内分泌撹乱物質に代表される有害化学物質
の存在が明らかにされてきたため、その有害性を正確に
把握して予防的処置或いは事後処置を講ずることが重要
になってきた。GC/MS法やLC/MS法による機器
分析は単一成分を分離同定し定量化可能だが、未同定物
質を含め環境中の有害化学物質が持つ、複合的な生体へ
の影響を総合的に分析または評価する手段としては適し
ていない。これら微量に存在する既知あるいは未知の化
学物質が人或いは環境へ及ぼす影響を既存の方法で個々
に調査することは時間および費用が莫大にかかることが
予想される。また、個々は微量でも複数の化学物質が存
在することで人や環境に対する影響が相乗的に増加した
り変化したりする可能性もある。特に、産業廃棄物埋立
地からの浸出水或いはゴミ焼却での副産物等には既存の
有害物質だけではなく未だ同定されていない化学物質も
含まれ、その有害性について個々の化合物で検証するこ
とはもちろん、複数の物質により相乗的に高められた複
合汚染を検出することは非常に難しい。しかし、現在、
環境中にそのような有害物質が存在する状況が次々と明
らかになってきており、未知の有害化学物質を含め環境
中に存在する有害化学物質の危険性をまず総合的に高感
度でしかも迅速に検出する方法が必要とされている。
【0008】魚類、哺乳類の個体によるインビボでの分
析方法以外に、有害化学物質の生物学的な影響評価法と
しては、微生物や動物の培養細胞を用いたインビトロの
方法や、有害化学物質の標的となる特定の蛋白質に対す
る結合を見る方法等があげられる。この生物学的分析法
(バイオアッセイ)の中には、用いる細胞の種類或いは
由来する組織の被験物質に対する特異的応答を利用して
影響を検出している場合がある。その場合、酵母を含む
微生物や植物、魚類、動物細胞ではそれぞれが持つ化学
物質に対する反応性は異なるものと考えられる。また、
たとえヒト細胞を用いた系であっても、これまでのバイ
オアッセイは微量化学物質の細胞に対する影響を、ある
細胞特異的な特定の受容体に結合することを利用して検
出するため、必要な総合的な知見を短時間で精度良く同
時に検出することはほとんど不可能であった。
【0009】この点において、ストレス応答システム、
特に熱ショック蛋白質(HSP)誘導システムは哺乳類
の全ての組織や細胞で機能することがわかっており、こ
のストレス応答を利用したバイオアッセイ系は基本的な
細胞特異性に関する問題点を考慮せずにすむ。さらに、
実際の環境中、例えば埋立地浸出水などで、既知の化学
物質ばかりではなく多くの未知化合物が存在し、それら
を全て同定することが不可能であるばかりではなく、そ
の有害性についても未知の場合、低濃度で混ざり合った
場合の有害性判断については、その作用機序が不明なこ
ともありこれまで信頼のおける使いやすい検出システム
はなかった。また、HSPプロモーターを利用して前記
目的を達成する使いやすく信頼性のあるシステムもなか
った。これらの問題を解決するためには、細胞が共通し
て保有する毒性もしくは生体恒常性維持への応答、すな
わち、ストレスに対する応答を定量的に検出することが
可能であれば、総合的な環境有害化学物質の高感度検出
系として有効であることが期待される。
【0010】さらに、ミクロシスチン類(J.Che
m.Soc.Perkin Trans.,(1),2
311,1984)は種類によって毒性に差があるた
め、低濃度のミクロシスチンを簡便かつ総合的に評価す
る系が望まれている。また、これら天然毒性物質は修飾
体を含めて全て同定されたわけではなく、類縁化合物を
含む未同定毒性物質の毒性発現および複数の天然毒性物
質が低濃度で存在する際の複合的毒性発現を検出するた
め、できるだけ生理的条件を反映させ、かつ迅速に測定
するためのバイオアッセイが必要とされてきた。これら
天然毒性物質は、急性毒性はもちろん発癌プロモーター
であることも明らかとなり(J.CancerRes.
Clin.Oncol.,(180),420,199
2)、毒性学的に未だ未解明な点も多い。現在、環境中
にそのような天然毒性物質が混入あるいは出現する状況
が明らかになってきており、危険性をまず総合的に高感
度でしかも迅速に検出する方法が必要とされている。
【0011】これらの問題を解決するため、細胞が共通
して保有する毒性もしくはストレスに対する応答を定量
的に検出することが可能であればミクロシスチン類をは
じめとする総合的な天然毒性物質検出系として有効であ
ることが期待される。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環境中の
有害化学物質および天然毒性物質を微量で検出する高感
度なシステムを開発するため鋭意検討した結果、熱ショ
ック因子結合DNA配列およびストレス誘導の際に必要
な転写制御配列を転写調節因子結合部位として含有する
プロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子を導入し
た細胞の安定形質転換体を作成したところ、化学物質や
重金属をはじめとする有害物質を培地中に添加すること
で誘導されてくる蛋白質を定量することにより、環境中
の有害化学物質による細胞への影響を定量的に評価でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の第一は、熱ショック因
子結合DNA配列およびストレス誘導の際に必要な転写
制御配列を転写調節因子結合部位として含有するプロモ
ーター、並びに、前記プロモーターの制御下にあるレポ
ーター遺伝子(ただし、当該レポーター遺伝子にはその
下流で、イントロンを介さずSV40pAシグナルが結
合している)が染色体に導入された細胞であって、前記
レポーター遺伝子の蛋白質誘導活性を測定することによ
り、生体恒常性を破壊もしくは混乱させる有害化学物質
または天然毒性物質を検出するための細胞である。「染
色体に導入された細胞」とは安定形質転換体のことをい
い、トランジェント発現系の細胞と区別する趣旨であ
る。
【0014】熱ショック因子結合DNA配列としては、
例えば、ヒトHSPプロモーターに存在する熱ショック
因子結合配列、マウスHSPプロモーターに存在する熱
ショック因子結合配列、ショウジョウバエHSPプロモ
ーターに存在する熱ショック因子結合配列などがあげら
れる。
【0015】ストレス誘導の際に必要な転写制御配列と
は、蛋白質をストレス誘導する際に機能する転写制御配
列のことをいい、ストレス誘導とは無関係に機能する転
写制御配列(具体的にはAP−1結合DNA配列やNF
−κB結合DNA配列)を除く趣旨である。本発明の細
胞は、ストレス誘導とは無関係に機能する転写制御配列
は含まないことが好ましい。具体的にストレス誘導の際
に必要な転写制御配列としては、例えば、細胞がストレ
スを受けた際にプロモーターが直ちに応答するのに必要
なSP1因子結合DNA配列、GAGA因子結合DNA
配列が挙げられる。
【0016】熱ショック因子結合DNA配列およびスト
レス誘導の際に必要な転写制御配列を転写調節因子結合
部位として含有するプロモーターとしては、上記2つの
DNA配列を有する限り特に限定されないが、ヒートシ
ョック遺伝子プロモーター、HSP47プロモーター、
HSP100プロモーターが挙げられる。好ましくは、
ヒートショック遺伝子プロモーターである。また好まし
くは、熱ショック因子結合DNA配列およびSP1因子
結合DNA配列を含有するHSP47プロモーターであ
る。
【0017】レポーター遺伝子としては容易かつ迅速に
酵素活性が測定できるものが好ましく、例えばβガラク
トシダーゼのほかに、ルシフェラーゼ、クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼなどの蛋白質をコードする遺伝子があげられ
る。
【0018】また、上記細胞は、上記レポーター遺伝子
の下流にSV40pAシグナル(Mol.Cell.B
iol.,(10),4248,1989)を結合する
ことが好ましい。この場合、SV40pAシグナルの直
前にイントロンを導入しないことがより好ましい。
【0019】好ましくは、上記細胞は、動物培養細胞か
ら作製される。好ましくは、上記細胞は、チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞またはHeLaS3細胞の安定形質
転換体である。好ましくは、上記細胞は、チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞の安定形質転換体2F1813(国
内受託番号FERM P−18473)である。
【0020】本発明の第二は、上記細胞を被検査サンプ
ル含有培地で培養した後に、レポーター遺伝子の蛋白質
誘導活性を測定することで、生体恒常性を破壊もしくは
混乱させる有害化学物質及び/又は天然毒性物質を検出
する方法である。
【0021】この方法は、内分泌かく乱物質を含有する
被験サンプルを評価する試験方法、環境基準項目物質を
含有する環境中より得られた被験サンプルを評価する試
験方法、重金属類を含有する被験サンプルを評価する試
験方法、未同定物質を含む2つ以上の異なる有害化学物
質が混在している被験サンプルを評価する試験方法など
に応用することができる。
【0022】好ましくは、上記天然毒性物質が、ラン藻
類が産生する毒素であり、より好ましくは、ミクロシス
チン類またはノジュラリン類である。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
細胞を作製するのに用いられるプラスミドとしては、S
P1(Specificity protein 1)
因子結合DNA配列(Cell,(72),247,1
993)と熱ショック因子(HSF:Heat sho
ck factor)結合DNA配列(Mol.Cel
l.Biol.,(8),3761,1987)を持
ち、AP−1結合DNA配列(Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,(88),3720,199
1)やNF−κB結合DNA配列(Biochem.B
iophys.Acta.,(1072),63,19
91)を持たないHSP47プロモーター配列(GEN
E,(126),187,1993)の下流にβガラク
トシダーゼ遺伝子を結合し、さらにその下流にイントロ
ンなしのSV40pAシグナルを結合したプラスミドが
あげられる。このプラスミドは染色体に導入された時、
ストレス誘導により効率よくβガラクトシダーゼを発現
可能である。
【0024】熱ショック因子(HSF)結合DNA配列
とは、DNA配列5’nGAAn3’(nは任意のDN
A塩基)を一つの単位として持つインバーテッドリピー
ト構造である。例えば5’nGAAnnTTCn3’の
配列であり、インバーテッドリピート構造中に5’nG
AAn3’の単位が連続して2個以上あることがストレ
ス応答に必要であることが熱ショック蛋白質遺伝子の解
析から解明されており、また、染色体中で十分機能する
ためには3個以上必要であることが推測されている。H
SP47プロモーター中には、この5’nGAAn3’
の単位がインバーテッドリピートとして3個連続して存
在している。
【0025】SP1因子結合DNA配列とは、GCボッ
クスと呼ばれるプロモーター上の塩基配列であり、SV
40初期プロモーターやHSP47プロモーターに存在
するDNAメチル化制御部位と考えられている。特に最
近は、染色体上の遺伝子発現制御の面からもDNAメチ
ル化に関する研究が行われている。GAGA因子は、D
NAのGAリピートへ結合すると、染色体の規則正しい
ヌクレオソーム構造が破壊され、転写因子がプロモータ
ーへ結合しやすくなると考えられている(Mol.Ce
ll.Biol.,(13),2802,1993)。
【0026】AP−1はJunタンパクとFosタンパ
クのヘテロ二量体構造をとる遺伝子調節蛋白質であり、
NF−κBはp50とp65タンパクのヘテロ二量体構
造をとる遺伝子調節タンパク質である。
【0027】レポーター蛋白質を発現するレポーター遺
伝子としては容易かつ迅速に酵素活性が測定できるもの
が好ましく、例えばβガラクトシダーゼのほかにルシフ
ェラーゼやクロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ、アルカリフォスファターゼなどの蛋白質をコー
ドする遺伝子があげられる。レポーター遺伝子のDNA
は、例えば市販のプラスミドDNAを制限酵素消化する
ことにより得ることが出来る。上記プラスミドは、例え
ば、サンブルック他著、モレキュラークローニング第二
版、コールドスプリングハーバーラボラトリー発行(1
989)等に記載されている通常の遺伝子工学的手法に
準じて構築することができる。
【0028】本発明の安定形質転換体の作製に使用する
細胞は、例えば、チャイニーズハムスター、ヒト、マウ
ス、ラット等の哺乳類由来細胞があげられる。より具体
的にはチャイニーズハムスター卵巣細胞であるCHO−
K1細胞やHeLaS3細胞などがあり、いずれもAm
erican Type Culture Colle
ction(ATCC)より入手可能である。本発明の
実施形態の一つとして、上記プラスミドをリン酸カルシ
ウム法や電気導入法などの方法で動物細胞、たとえばC
HO−K1細胞に形質転換することにより本発明の細胞
が取得可能である。形質転換する細胞はCHO−K1細
胞以外でも、安定に継代可能な培養動物細胞であればよ
い。
【0029】形質転換に用いるプラスミドのプロモータ
ー中にSP1因子結合DNA配列がなくてもストレス誘
導は可能であり、特にレポーター蛋白質のトランジェン
ト発現を測定する場合においては、SP1因子結合DN
A配列を含まないプラスミドは、SP1因子結合DNA
配列が存在するプラスミドと比べ強いストレス誘導性を
示すことが本発明者らの実験により判明した。具体的に
は、CHO−K1細胞を用いたトランジェント発現の場
合、SP1因子結合DNA配列を含まないマウスHSP
47プロモーター(図1の471プロモーター)を保有
するpGlacpA471ベクターは熱処理時において
非熱処理時の約3倍のレポーター蛋白質活性を示した
が、SP1因子結合DNA配列を含むマウスHSP47
プロモーター(図1の472タイププロモーター)を持
つpGlacpA472ベクターは熱処理時において非
熱処理時の約1.7倍の蛍光強度しか示さなかった。
【0030】また、SV40pAシグナルの直前にイン
トロンが無い発現プラスミドは、従来用いられてきたS
V40pAシグナルの直前にイントロンが存在する発現
プラスミドより、約4倍のレポーター蛋白質のストレス
誘導性を示すことも本発明者らの実験により判明した
(図2)。
【0031】しかし、トランジェント発現の場合、スト
レス無処理群でバックグラウンドとしてのレポーター蛋
白質の発現が多く見られ、ストレッサー刺激が弱い場合
はその感度が落ちるため、環境中に含まれる微量の有害
化学物質測定には不利であることが判明した。我々は、
上記プラスミドにより動物培養細胞の安定形質転換体を
取得することでこの問題が解決できることを見出し、そ
れはHSP47プロモーターを使用したことだけではな
く、SP1因子結合DNA配列、SV40pAシグナル
やイントロンに関しても実験によって検討することでは
じめて完結することができた。もちろん、同じプラスミ
ドにより形質転換した動物細胞でも染色体組み込み位置
などで安定性や誘導性に大きな相違があり、チャイニー
ズハムスター卵巣細胞の安定形質転換体である2F18
13(国内受託番号FERM P−18473)は最適
な実施形態である。ストレス応答性と遺伝子安定性等を
考慮した何回もの細胞選択により、最も使いやすい細胞
を選抜することができる。このとき、形質転換体を取得
するため、同時に動物細胞中で有効である薬剤耐性遺伝
子、たとえばネオマイシン耐性遺伝子など、を定常的に
発現可能な状態で保有するプラスミドの形で同時に形質
転換することにより形質転換体の取得を容易にすること
ができる。また、上記プラスミド中に該当薬剤耐性遺伝
子を定常的に発現する形で組み込むこともできる。
【0032】今回、上記プラスミドで形質転換した安定
形質転換体は非ストレス時のレポーター蛋白質発現量
が、トランジェント発現の結果と比較し劇的に下がるこ
とが判明した。非ストレス時とストレス時の発現量を比
較すると、トランジェント細胞ではせいぜい非ストレス
時の2〜4倍にしかならない誘導率が、安定形質転換体
の場合、数十倍以上の誘導率を示した。中でもSP1因
子結合DNA配列を含み、SV40pAシグナルの直前
にイントロンを含まない上記プラスミドは約200〜3
000倍以上の非常に高いストレス誘導性を示した。こ
の時、ストレス誘導を起こさないコントロールベクタ
ー、例えばSV40プロモーターによるレポーター蛋白
質の発現が、ストレス時と非ストレス時で有意に変化し
ないことを確認することは化学物質等によるストレス応
答を評価する上で重要である。CHO−K1細胞へ上記
プラスミドの一態様であるpGlacpA472を形質
転換し、安定形質転換体を選択したところ、ストレス刺
激に鋭敏に反応しβガラクトシダーゼ蛋白質を発現誘導
する細胞株が得られ、2F1813と命名し独立行政法
人産業技術総合研究所特許生物寄託センターへ寄託した
(国内受託番号FERMP−18473)。
【0033】ストレス蛋白質は熱、化学物質、重金属の
ストレッサーに細胞が反応して誘導産生されることが明
らかとなっている。ストレス蛋白質誘導は、熱ショック
因子と呼ばれるストレス誘導転写因子がプロモーターD
NA配列上の熱ショック因子結合DNA配列に結合する
ことにより、下流のmRNA合成が開始される。その機
構を利用して、染色体上に、ストレスに反応するプロモ
ーターと連結されたレポーター遺伝子を導入し蛋白質誘
導活性を測定する際は、ストレス以外の刺激に対して反
応しにくくすることでさらに有効となる。
【0034】本発明に用いたHSP47プロモーター
は、他の多くのストレス蛋白質遺伝子が有する、熱ショ
ック因子結合DNA配列以外の不用な種々の制御因子結
合DNA配列を持たない。もちろんこの目的のために、
人工的に同様なDNA配列を構築したプロモーターを使
用することも可能である。また、使用するベクターとし
ては大腸菌での遺伝子工学技術に適した、微生物内で機
能する複製開始点や薬剤耐性遺伝子、また使いやすい制
限酵素部位を多数持つプラスミド等があげられる。
【0035】これまで、マウスHSP47プロモーター
下流にクロラムフェニコールアセチルトランスフェラー
ゼ遺伝子を連結したプラスミドを作製し、マウスBAL
B/3T3細胞へ導入後、熱ストレスによるトランジェ
ント発現が報告されている(GENE,(126),1
87,1993)が、誘導発現量が活性においてせいぜ
い200倍程度であり、ばらつきも大きい。本発明の系
を用いた場合では熱により3000倍以上の誘導活性を
示す上、ばらつきはほとんど無く、形質転換によるスト
レス刺激も細胞は受けないので、低濃度被験物質の影響
を調べる際は、精度と再現性において特に有効である。
また、HSP70プロモーターとクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ遺伝子を連結したプラスミ
ドによる熱誘導もトランジェント発現系で報告されてい
るが、使用プロモーター領域にAP−1結合DNA配列
をはじめとした不必要な転写制御配列が含まれるため、
増殖シグナル等他の影響を受けると考えられ、この点か
らも本発明の系は既報の系より優れている。しかも、レ
ポーター蛋白質誘導活性を測定することにより、生体恒
常性を破壊もしくは混乱させる有害化学物質または天然
毒性物質であるミクロシスチン類を低濃度で検出可能と
した例はこれまでにない。
【0036】本発明の細胞を用いて、熱ショック因子を
転写活性化する、すなわち細胞にとってのストレス反応
物質である被験物質の毒性を測定することが出来る。例
えば、本発明の細胞を96穴プレートに1ウエルあたり
10〜5×10程度播種し、必要量の血清を含有す
る培地を100〜200μl/well添加し、37
℃、5%COおよび飽和湿度条件下で1〜2日間培養
する。次に被験物質をそのまま或いは溶媒に溶解させた
ものを新しい培地に添加して被験物質含有培地とする。
溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)やエタノー
ル、メタノールなどを用いることができる。被験物質含
有培地に交換後、1〜数時間程度培養を続けた後、必要
であれば被験物質を除いた培地でさらに1〜数時間培養
する。そののちに細胞中のレポーター遺伝子の蛋白質誘
導活性を定量的に測定する。溶媒を用いた際は溶媒コン
トロールが必要であるのはいうまでもない。
【0037】さらに、ストレス応答の主体である熱ショ
ック因子の活性化と、他の誘導活性化因子、例えばNF
−κBやAP−1など、による活性化を区別するため、
それら因子の結合するDNA配列はプロモーター領域に
含まれないほうがよい。上記プラスミドはそれらバック
グラウンドの原因となるDNA配列を持たない。また、
染色体に組み込まれた位置によってはそれら他の活性化
因子等の影響を受ける場合もあると考えられるが、安定
形質転換体を選択する際に実験的に比較検討することで
除外可能である。
【0038】さらに厳密にストレス特異的な誘導のみを
検出するためには、コントロールプラスミド、すなわち
レポーター遺伝子の上流に熱ショック因子結合DNA配
列をもたず、他の誘導因子結合DNA配列を有するプロ
モーターを結合させ被験物質によるレポーター蛋白質の
発現誘導を検出する方法を用いる。この目的のために、
例えば定常高発現プロモーターであるSV40初期プロ
モーターを利用することが可能である。
【0039】ストレス応答性レポーター遺伝子の形質転
換動物細胞で被験物質によりレポーター蛋白質が誘導さ
れ、SV40初期プロモーターで制御されるレポーター
遺伝子の形質転換動物細胞で被験物質によるレポーター
蛋白質発現に変化がないことを基準に、被験物質のスト
レス特異的誘導活性を測定し、汚染物質もしくは有害物
質を検出することができる。もちろん、両者でレポータ
ー蛋白質が誘導された場合は、有害性が無いということ
ではない。
【0040】本発明の特徴はこれまでのバイオアッセイ
系で検出不可能であった若しくは検出されにくかった有
害化学物質を迅速にかつ高感度で検出できることにあ
る。また、経時的に変化していく環境中の有害化学物質
を遅滞無く検出することも可能である。有害化学物質の
分析のための方法は、実験動物を用いる系が実際の吸
収、代謝、集積、排泄系を反映していると考えられるが
種特異性や時間がかかる等の問題点もあり、特に環境中
に含まれる有害化学物質を、短時間かつ簡便に総合的に
分析する手段は未だ確立されていなかった。
【0041】本発明の一つの実施態様として、上記プラ
スミドで形質転換されたチャイニーズハムスター卵巣
(CHO)細胞の培養液に被検査物質を添加した場合の
βガラクトシダーゼの酵素活性を測定することで、被検
査物質による細胞へのストレス度を定量的に評価し、そ
の毒性を決定できる。しかし、被験物質が非特異的な毒
性を示す場合は細胞死によって細胞数が減少したり、レ
ポーター蛋白質の活性が見かけ上で上がる場合もありう
る。この場合は、生細胞数を測定したり、細胞の蛋白質
濃度測定により相対的に全蛋白量中の活性として比較す
ることで測定および評価が可能である。その際、上記プ
ラスミドによる安定形質転換体のレポーター蛋白質誘導
活性を利用して被験物質の作用を測定する方法は、トラ
ンジェント発現を調べるよりも形質転換操作自体の影響
が除かれるため、特に微量の被験物質評価には適してい
ることはいうまでもない。
【0042】環境中の有害化学物質または天然毒性物質
を検出評価するため、HSP47プロモーター制御βガ
ラクトシダーゼ遺伝子導入チャイニーズハムスター卵巣
細胞株2F1813株とSV40プロモーター制御βガ
ラクトシダーゼ遺伝子導入チャイニーズハムスター卵巣
細胞株である5K95株を用いて、環境汚染化学物質ま
たは天然毒性物質を添加することによるβガラクトシダ
ーゼ誘導活性を測定し、この系を評価した。その際はあ
らかじめ試験日の1〜2日前に96穴マイクロプレート
に播種した細胞を、試験日に被験物質含有培地に培地交
換して37℃、5%CO条件下で1〜数時間インキュ
ベートし、その後培地を除き、PBSで2回洗浄し細胞
溶解液(NP−40等の界面活性剤を含むもの。プロメ
ガ社等のlysis bufferを用いても良い)を
50〜100μl/well添加し20〜120分放置
する。ピペッティングで細胞を完全に溶解後、その内1
0〜20μlを新しい96穴プレートに分取し、さらに
基質液(0.1mM 4−メチルウンベリフェリルβ−
D−ガラクトシド)を100μl/well添加後、ア
ルミ箔で遮光して室温30分間置く。このあと、必要で
あれば0.5v/vの1M グリシン−NaOH(pH
10.3)反応停止液を加えても良い。その後蛍光マイ
クロプレートリーダーを用い励起波長365nm、測定
波長450nmにて蛍光値を測定する。
【0043】その結果、埋立地浸出水に含まれることが
確認されており、低濃度での生体への影響が問題となっ
ているフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)やノニル
フェノールなどの内分泌撹乱物質及びo−ジクロロベン
ゼンやトリクロロエタンなどの環境基準化学物質、カド
ミウムやニッケルなどの重金属について2F1813株
細胞のみβガラクトシダーゼ活性の発現誘導が見られた
(図3〜図6)。これらより、本発明の系は有害化学物
質等の検出系として有効であることがわかる。
【0044】また、ミクロシスチンで3時間細胞を処理
した場合、2F1813株細胞のみはっきりとβガラク
トシダーゼ誘導活性の上昇が見られた(図7)。ミクロ
シスチン6時間処理ではβガラクトシダーゼ誘導活性の
上昇が弱くなる傾向であった。
【0045】これらの結果は、低濃度での有害化学物質
または天然毒性物質にさらされた細胞における防御機構
を高感度で検出可能であることを示す。
【0046】ミクロシスチンは湖沼等で繁茂したアオコ
により作り出された天然毒性物質であり、ミクロシスチ
ン属に共通の5つのアミノ酸と2つのLアミノ酸からな
る分子量約1,000の疎水性物質である。熱に極めて
安定で、トリプシンをはじめとするプロテアーゼ分解を
受けにくい。現在60種類以上の同属体が明らかになっ
ており、ミクロシスチンLRはこれらのうち最も毒性が
強く、ふぐ毒やサリンに匹敵するため、低濃度での生体
への影響が問題となっている。
【0047】このように、2F1813株を用いる本発
明の検出系は個々の物質に反応するのはもちろん、複数
の化合物が混在している状況でもストレス応答によりレ
ポーター蛋白質の発現誘導が見られ、多種多様な有害化
学物質が混在する水環境の評価法としても有効であると
考えられる。天然毒性物質では特にミクロシスチン等の
存在が疑われる湖沼等において、迅速に低濃度汚染を検
出することが出来る。さらに、複数の化合物が混在して
いる状況でもストレス応答によりレポーター蛋白質の発
現誘導は見られ、多種多様な有害化学物質が混在する水
環境、特に生体恒常性影響の評価法として有効であると
考えられる。また、未同定有害化学物質が含まれる塵芥
焼却や水処理の副産物あるいは産業廃棄物埋立地からの
浸出水の評価にも使用可能である。
【0048】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。 (実施例1) (ストレス特異的にβガラクトシダーゼを発現誘導する
ベクターの作製)図1に示すベクターを作製した。マウ
スHSP47プロモーターの熱ショック因子結合DNA
配列(HSE)を含む制限酵素AvaII(−197〜
+38)断片(GENE,(126),187,199
3参照)を、βガラクトシダーゼ構造遺伝子を含むHi
ndIII 3.1kb断片の上流にmRNA転写可能
な方向で結合し、その直後にSV40後期pAシグナル
配列を含むSV40の制限酵素FbaI(SV40の塩
基No.2770)部位からBamHI(塩基No.2
553)部位までの約220bpを連結させ、基本骨格
としてpGL2controlベクター(プロメガ社)
のアンピシリン耐性遺伝子を含むBamHI−SacI
約3.2kb断片と結合させ発現用プラスミドpGla
cpA472(6.5kbp)を作製した。同様に、p
GlacpA472のマウスHSP47プロモーター領
域(約290bp)を、SP1因子結合DNA配列を除
くXmnI−HindIII(約120bp)に置き換
えたpGlacpA471(6.3kbp)を作製した
(図1参照)。また、pGlacpA472とpGla
cpA471、それぞれのベクターのβガラクトシダー
ゼ遺伝子3’末端とSV40後期pAシグナルの間にS
V40イントロンを含むSV40の制限酵素MboI
(SV40の塩基No.4710)部位からMboI
(塩基No.4100)部位までの約610bpを挿入
した発現用ベクターpGlacIntpA472(7.
3kbp)とpGlacIntpA471(7.1kb
p)を構築した(図1)。
【0049】(形質転換したCHO細胞(CHO−K
1)によるストレス誘導レポーター蛋白質発現)直径6
cmのディッシュにチャイニーズハムスター卵巣細胞
(CHO−K1)を2×10播種し、実施例1のプラ
スミドを用いて通常のリン酸カルシウム法により形質転
換した。培地はMD培地(MCDB302:5.5g/
l,D−MEM:4.75g/l,L−グルタミン:
0.3g/l,NaHCO:1.27g/l,カナマ
イシン:0.1g/l,pH7.1)に終濃度5%FB
Sを添加したものを用い、37℃、5%COの条件下
で培養した。2日後に細胞を代表的ストレス刺激である
熱(42℃)で90分処理し、さらに37℃で2時間培
養後、PBSで2回洗浄し、400μl/dishの細
胞溶解液(プロメガ社)を加え室温で15分放置してそ
の細胞溶解液10μlを96穴ホワイトマイクロプレー
トに移した。そこに、基質液(ジメチルホルムアミドに
終濃度1%の4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラ
クトシドを溶解した基質保存液を、10mMリン酸ナト
リウム,pH7.0,100mM NaCl,1mM
MgCl,0.1%BSA,0.05%NaNの基
質希釈液を用い、0.1mM 4−メチルウンベリフェ
リルβ−D−ガラクトシド溶液とする)を100μl/
well添加後、アルミ箔で遮光して室温で30分間置
いた。その後蛍光マイクロプレートリーダーを用い励起
波長365nm、測定波長450nmにて蛍光値(R
U)を測定しβガラクトシダーゼ活性を検出した。図2
は各発現用プラスミドにて形質転換したCHO−K1細
胞のβガラクトシダーゼ誘導活性をトランジェント発現
で比較した結果を示す。
【0050】安定形質転換体は終濃度200μg/ml
ゲネチシンン(G418)を添加した培地で生育してき
た細胞コロニーを選択することにより得た。熱ストレス
は42℃、90分処理後さらに37℃で2時間培養して
上記と同様な操作でβガラクトシダーゼ誘導活性を検出
した。表1は各発現用プラスミドにて形質転換したCH
O−K1細胞の安定形質転換体を取得し、熱処理による
βガラクトシダーゼ誘導活性を比較した結果を示す。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例2)環境汚染物質測定用CHO細
胞の取得 HSP47プロモーター領域の下流にβガラクトシダー
ゼ遺伝子を連結させたプラスミドpGlacpA472
とネオマイシン耐性遺伝子発現ベクターであるpSV2
neoをチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に
同時に形質転換した後、抗生物質G418で安定形質転
換体を選択した。得られた安定形質転換体について、ス
トレス刺激の代表として、熱を加えることによりそのβ
ガラクトシダーゼ活性発現誘導が最も高い株を2F18
13(国内受託番号FERM P−18473)と命名
しその後の試験に用いた。
【0053】一方、βガラクトシダーゼ蛋白質を刺激の
有無に関わらず、定常発現する細胞をコントロールとし
て用いるため、SV40初期プロモーターの下流にβガ
ラクトシダーゼ遺伝子を連結させたプラスミドpSV2
βgalactosidase(Promega社)と
pSV2neoをCHO細胞に同時形質転換したのち、
抗生物質G418で安定形質転換体を選択した。得られ
た安定形質転換体のうち、βガラクトシダーゼを安定に
高発現する細胞株を5K95と命名しその後の試験に供
した。表2は2F1813と5K95細胞の熱処理有無
によるβガラクトシダーゼ誘導活性を比較した結果を示
す。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例3)環境有害化学物質に対するレ
ポーター蛋白質活性特性 細胞は2F1813を用いた。培地はMD培地(MCD
B302:5.5g/l,D−MEM:4.75g/
l,L−グルタミン:0.3g/l,NaHCO
1.27g/l,カナマイシン:0.1g/l,pH
7.1)に終濃度5%FBS(牛胎児血清)、200μ
g/ml G418を添加したものを用い、37℃、5
%COの条件下で培養した。試験2日前に96穴プレ
ートへ1×10cells/100μl/wellで
播種した。試験に供した化学物質のうち、フタル酸ジエ
チルヘキシル(DEHP)、ベンゾフェノン、ノニルフ
ェノールA、o−ジクロロベンゼン、テトラクロロエチ
レン、1,1,2−トリクロロエタン、1,4−ジオキ
サン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、
フルオレン、フェナンスレンについてはメタノールで溶
解させた後、MD培地で1000倍以上希釈したものを
細胞に暴露させた。カドミウム、ニッケル、鉛、アンチ
モンについては、1000mg/lの各標準液(半井化
学社製)を培地で同様に希釈し、0.22μmフィルタ
ーに通過させたものを用いた。調製した試料は試験日に
各wellの培地を交換後、試料液10μl/well
添加し、37℃、5%CO条件下で3時間インキュベ
ートした。その後、培地を除き、PBSで2回洗浄し細
胞溶解液を50μl/well添加し30分放置した。
ピペッティングで細胞を完全に溶解後、その内20μl
を新しい96穴プレートに分取し、さらに基質液(ジメ
チルホルムアミドに終濃度1%の4−メチルウンベリフ
ェリルβ−D−ガラクトシドを溶解した基質保存液を、
10mMリン酸ナトリウム,pH7.0,100mM
NaCl,1mM MgCl,0.1%BSA,0.
05%NaNの基質希釈液を用い、0.1mM 4−
メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトシド溶液とす
る)を100μl/well添加後、アルミ箔で遮光し
て室温30分間置いた。その後蛍光マイクロプレートリ
ーダーを用い励起波長365nm、測定波長450nm
にて蛍光値(RU)を測定した。結果を表3に示した。
値は無処理コントロールでの蛍光値を差し引いたもので
示す。βガラクトシダーゼの発色法でも測定可能である
が、バックグラウンドと定量性において蛍光法が勝る。
【0056】表3中、「基準値」は環境庁告示第25号
(1994)及び環境庁告示第14号(1994)、
「環境中における各物質の検出値」は安原昭夫,有害廃
棄物による環境汚染,水環境学会誌:vol.17,N
o.5 1994および安原昭夫,廃棄物埋立地浸出水
の特性,環境と測定技術:vol.21,No.4 1
994および山田正人 小野芳朗,残留性生物濃縮性毒
物化学物質のリスク評価,第2回水環境シンポジウム:
1999による。
【0057】
【表3】
【0058】同様に、5K95についてもβガラクトシ
ダーゼ活性を測定した。2F1813と5K95とを比
較した結果を図3〜6に示した。値はそれぞれ、無処理
コントロールでの値を差し引いたもので示す。 ● 2F1813 □ 5K95 図中の↓は環境基準濃度を示す。
【0059】(実施例4)ミクロシスチン添加によるレ
ポーター蛋白質活性測定値 2F1813と5K95を用いた。培地はMD培地(M
CDB302:5.5g/l,D−MEM:4.75g
/l,L−グルタミン:0.3g/l,NaHCO
1.27g/l,カナマイシン:0.1g/l,pH
7.1)に終濃度5%FBS、200μg/ml G4
18を添加したものを用い、37℃、5%COの条件
下で培養した。試験2日前に96穴プレートへ1×10
cells/100μl/wellで播種した。エタ
ノールに溶解したミクロシスチンは試験日に各well
の培地を交換後、試料液10μl/well添加し、3
7℃、5%CO条件下で3時間インキュベートした。
その後、培地を除き、PBSで2回洗浄し細胞溶解液を
50μl/well添加し30分放置した。ピペッティ
ングで細胞を完全に溶解後、その内20μlを新しい9
6穴プレートに分取し、さらに基質液(ジメチルホルム
アミドに終濃度1%の4−メチルウンベリフェリルβ−
D−ガラクトシドを溶解した基質保存液を、10mMリ
ン酸ナトリウム,pH7.0,100mM NaCl,
1mM MgCl,0.1% BSA,0.05%N
aNの基質希釈液を用い、0.1mM 4−メチルウ
ンベリフェリルβ−D−ガラクトシド溶液とする)を1
00μl/well添加後、アルミ箔で遮光して室温3
0分間置いた。その後蛍光マイクロプレートリーダーを
用い励起波長365nm、測定波長450nmにて蛍光
値(RU)を測定した。結果を図7に示した。値はそれ
ぞれ、無処理コントロールでの値を差し引いたもので示
す。βガラクトシダーゼの発色法でも測定可能である
が、バックグラウンドと定量性において蛍光法が勝る。
その結果、10−4〜25μMのミクロシスチン濃度で
βガラクトシダーゼ誘導活性の上昇が見られた。
【0060】
【発明の効果】本発明により、多種多様の環境有害化学
物質あるい天然毒性物質による生体恒常性への影響ある
いは毒性を高感度に検出する方法および評価法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発現用プラスミドとHSP47プロモーター
の構造
【図2】 各発現用プラスミドにて形質転換したCHO
−K1細胞の、熱処理によるβガラクトシダーゼトラン
ジェント発現活性を比較するグラフ
【図3】 各有害化学物質で処理した2F1813細胞
と5K95細胞における被験物質濃度とβガラクトシダ
ーゼ誘導活性の関係を示すグラフ
【図4】 各有害化学物質で処理した2F1813細胞
と5K95細胞における被験物質濃度とβガラクトシダ
ーゼ誘導活性の関係を示すグラフ
【図5】 各有害化学物質で処理した2F1813細胞
と5K95細胞における被験物質濃度とβガラクトシダ
ーゼ誘導活性の関係を示すグラフ
【図6】 各有害化学物質で処理した2F1813細胞
と5K95細胞における被験物質濃度とβガラクトシダ
ーゼ誘導活性の関係を示すグラフ
【図7】 ミクロシスチンで処理した2F1813細胞
と5K95細胞における被験物質濃度とβガラクトシダ
ーゼ誘導活性の関係を示すグラフ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成14年3月20日
【旧寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託セン ター
【旧受託番号】 FERM P− 18473
【新寄託機関の名称】 独立行政法人産業技術総合研
究所 特許生物寄託セン ター
【新受託番号】 FERM BP− 7876
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 C12N 5/00 B (72)発明者 田崎 雅子 茨城県つくば市柴崎68−41メゾン学園203 号室 (72)発明者 岡 修一 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 杉浦 則夫 茨城県土浦市烏山5−2174−5 (72)発明者 前川 孝昭 茨城県稲敷郡江戸崎長江戸崎乙802−36 (72)発明者 稲森 悠平 茨城県つくば市吾妻4−202−204 (72)発明者 横田 真一 兵庫県高砂市高砂町沖浜町4−3−11 (72)発明者 北原 幹郎 兵庫県神戸市北区鈴蘭台西町1−8−10 (72)発明者 永田 和宏 京都府京都市左京区岩倉長谷町300−1 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA13 BB20 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA20 FB01 4B024 AA01 BA07 CA02 DA02 EA04 FA02 FA18 GA11 GA18 HA11 4B063 QA01 QQ08 QQ13 QQ30 QQ44 QQ80 QQ91 QR33 QR69 QR77 QR80 QS24 QS38 QX02 4B065 AA91X AA93X AA95Y AB01 AC14 BA02 CA46

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱ショック因子結合DNA配列およびス
    トレス誘導の際に必要な転写制御配列を転写調節因子結
    合部位として含有するプロモーター、並びに、前記プロ
    モーターの制御下にあるレポーター遺伝子(ただし、当
    該レポーター遺伝子にはその下流で、イントロンを介さ
    ずSV40pAシグナルが結合している)が染色体に導
    入された細胞であって、前記レポーター遺伝子の蛋白質
    誘導活性を測定することにより、生体恒常性を破壊もし
    くは混乱させる有害化学物質または天然毒性物質を検出
    するための細胞。
  2. 【請求項2】 熱ショック因子結合DNA配列およびス
    トレス誘導の際に必要な転写制御配列を転写調節因子結
    合部位として含有するプロモーターが、ヒートショック
    遺伝子プロモーターである請求項1に記載の細胞。
  3. 【請求項3】 熱ショック因子結合DNA配列およびス
    トレス誘導の際に必要な転写制御配列を転写調節因子結
    合部位として含有するプロモーターが、熱ショック因子
    結合DNA配列およびSP1因子結合DNA配列を含有
    するHSP47プロモーターである請求項1に記載の細
    胞。
  4. 【請求項4】 動物培養細胞から作製される請求項1〜
    3いずれか1項に記載の細胞。
  5. 【請求項5】 チャイニーズハムスター卵巣細胞または
    HeLaS3細胞の安定形質転換体である請求項1〜3
    いずれか1項に記載の細胞。
  6. 【請求項6】 チャイニーズハムスター卵巣細胞の安定
    形質転換体2F1813(国内受託番号FERM P−
    18473)である請求項3に記載の細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細胞
    を被検査サンプル含有培地で培養した後に、レポーター
    遺伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、生体恒常性
    を破壊もしくは混乱させる有害化学物質を検出する方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細胞
    を被験サンプル含有培地で培養した後に、レポーター遺
    伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、内分泌かく乱
    物質を含有する可能性がある被験サンプルを評価する試
    験方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細胞
    を被験サンプル含有培地で培養した後に、レポーター遺
    伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、環境基準項目
    物質を含有する可能性がある環境中より得られた被験サ
    ンプルを評価する試験方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細
    胞を被験サンプル含有培地で培養した後に、レポーター
    遺伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、重金属類を
    含有する可能性がある被験サンプルを評価する試験方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細
    胞を被験サンプル含有培地で培養した後に、レポーター
    遺伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、未同定物質
    を含む2つ以上の異なる有害化学物質が混在している可
    能性がある被験サンプルを評価する試験方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6いずれか1項に記載の細
    胞を被検査サンプル含有培地で培養した後に、レポータ
    ー遺伝子の蛋白質誘導活性を測定することで、天然毒性
    物質を検出する方法。
  13. 【請求項13】 天然毒性物質が、ラン藻類が産生する
    毒素である請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 天然毒性物質がミクロシスチン類また
    はノジュラリン類である請求項12記載の方法。
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