JP3504989B2 - フローティングラバー - Google Patents

フローティングラバー

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JP3504989B2
JP3504989B2 JP33318894A JP33318894A JP3504989B2 JP 3504989 B2 JP3504989 B2 JP 3504989B2 JP 33318894 A JP33318894 A JP 33318894A JP 33318894 A JP33318894 A JP 33318894A JP 3504989 B2 JP3504989 B2 JP 3504989B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両用ワイパー
装置におけるワイパーモータ・アッシーの取付部等に使
用されるフローティングラバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、モータや油圧ユニット等のよう
に振動が発生する部品を車体に取付ける際は、その振動
ができるだけ車体に伝わらないように、取付部にフロー
ティングラバーを介在させる、という手段が用いられ
る。
【0003】従来は図7に示すように、中央部に取付ボ
ルトと間筒とを通す断面円形の挿通孔bをもち外周面の
ほぼ中央部に環状溝cをもったほぼ円筒状のフローティ
ングラバーaが一般に用いられている。そして、例えば
モータを車体に取付ける場合は、モータブラケットdを
上記フローティングラバーaの環状溝cに嵌着し、間筒
eを挿通孔bに嵌装して車体の取付部に当て、ワッシャ
ーを嵌装した取付ボルトfを間筒e内及び車体の取付穴
に挿し込み、ナットにねじ込み締め付けることにより、
間筒eの上下端面がワッシャと車体とで挟まれ締め付け
られてフローティングラバーaがその高さ方向に所定の
圧縮率で圧縮され、モータブラケットdが車体にフロー
ティング状態にて取付けられるものである(例えば実開
昭55−144237号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般にモータ等の振動
発生体をフローティングラバーを介して車体にフローテ
ィング支持する場合、硬度の低い(柔らかい)ラバーを
使用すると車体への振動伝達を効果的に低減できるが、
例えば車両のワイパーモータのようにワイパー反転時に
大きな慣性力・反力が取付部の剪断方向に作用するもの
においては、該剪断方向に作用する力Fによるラバーの
変移量,潰れ量が大きいとワイパーブレードのオーバラ
ン等の不具合が生じるので、安易にラバーの硬度を低く
できず、その力Fをしっかりと受け止めるものでなくて
はならない。
【0005】上記従来のフローティングラバーを用いた
取付構造では、間筒eの内径は取付ボルトfの外径に若
干の余裕分をプラスした程度の寸法に設定されるのが普
通であり、該間筒eの肉厚はせいぜい1mm程度であるか
ら、例えば径6mmの取付ボルトに使う間筒であれば内径
が6.5mm,肉厚1mm,外径8.5mm程度である。一方
フローティングラバーaに対し剪断方向に作用する力F
(その力Fの作用方向はほぼ一定である)に対しては、
モータブラケットdの挟み込み部即ちフローティングラ
バーaの環状溝c部の肉厚gでその力を受け止めること
になり、力の作用方向に対して±45°の範囲hを有効
な受け止め角度とすると、間筒の外径が小さいほど上記
hの範囲は小さく、該間筒の外径が大きいほどhの範囲
が大きくなるが、上記のような従来のフローティングラ
バーによる取付構造では間筒eの径を取付ボルト径より
極端に大きくすることができないから、剪断方向の力F
に対する有効な受け止め範囲hを大きくすることができ
ず、従ってラバーの硬度をある程度硬く設定しなければ
剪断方向の力Fを的確に受け止めることができず、充分
な振動吸収機能が得られにくい、という課題を有してい
る。
【0006】又、上記のように間筒eの外径が使用され
る取付ボルトfの外径より若干大きい程度であるから、
単純な円筒状の間筒eを用いて取付ける場合は、車体の
取付穴に該間筒eが落ち込んでフローティングラバーの
正常な圧縮率が得られなくなることがある。このような
虞れがある場合は、図8(B)に示すように座面付きの
間筒e′を用いて車体の取付穴への落ち込みが生じない
ようにするのが一般的である。
【0007】ところが、座面付きの間筒e′は、単純な
円筒状の間筒eに比べ、材質及び製造方法が全く異なり
相当高価になるばかりか、フローティングラバーaの底
面部に間筒e′の座面の逃げ部a′を形成しなければな
らず、該逃げ部a′によってラバー部分の実質の厚みが
見かけより小となる、という課題を有している。
【0008】本発明は上記のような従来の課題を解決す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フローティン
グラバーの中心に設けられる挿通孔を、取付ボルトのみ
を挿通するボルト挿通孔とし、該ボルト挿通孔と外周の
環状溝との間の肉厚部分に、下端面から上端面に向けて
所定深さの間筒嵌装溝部をボルト挿通孔と同心状に形成
し、該間筒嵌装溝部にて区画される内側肉厚部分と外側
肉厚部分とが肉厚部分の上端面部の連結部分で一体に連
結した構造に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記のように構成したフローティングラバーを
用いて被取付部材を固定側部材にフローティング状態で
取付ける場合は、環状溝に被取付部材を嵌装し、間筒嵌
装溝部に間筒を挿し込み、ボルト挿通孔にワッシャーを
嵌め込んだ取付ボルトを挿し込み、該取付ボルトの先端
を固定側部材の取付穴に挿通してナットにねじ込み締め
付ける。すると、その締め付けにより連結部分が間筒の
上端面とワッシャーとに挟まれて簡単に食い切られ、間
筒がワッシャーと固定側部材とに挟まれて固定され、被
取付部材が固定側部材にフローティング状態で取付けら
れる。この取付状態では、被取付部材の取付部に剪断方
向に作用する力Fは間筒より外側の外側肉厚部分にて受
け止めることになるが、間筒の径が取付ボルトの径より
はるかに大であるから、上記力Fに対する有効受け止め
面積が従来のものより大幅に増大し、従来より柔らかい
ラバーを用いても変移量,潰れ量が低減して剪断方向に
作用する力Fをしっかりと受け止めることができ、柔ら
かいラバーが使用できることで被取付部材からの振動の
吸収機能の向上をはかることができる。又、間筒の径が
取付ボルトの径よりはるかに大きいので、該間筒が固定
側部材の取付穴に落ち込む心配は全くなく、座面付の間
筒を用いる必要はない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0012】図1は、本発明の第1の実施例を示すもの
で、1はフローティングラバーであり、該フローティン
グラバー1は中心部にボルト挿通孔2をもったほぼ円筒
状をなし、外周面のほぼ中央部には被取付部材(例え
ば、モータの取付部に適用される場合はモータブラケッ
ト)が嵌装される環状溝3が形成され、上記ボルト挿通
孔2と外周面との中間部には間筒嵌装溝部4がボルト挿
通孔2と同心状に形成されている。
【0013】間筒嵌装溝部4は、フローティングラバー
1の下端面から上端面に向けて所定の深さをもって形成
され、該間筒嵌装溝部4によってフローティングラバー
1の径方向の肉厚部分は内側肉厚部分11と外側肉厚部
分12とに区画され、該内側肉厚部分11と外側肉厚部
分12とが間筒嵌装溝部4の底部即ちフローティングラ
バー1上端面部の連結部分13で一体に連結した構造と
なっている。
【0014】上記ボルト挿通孔2は、上端部の径Dに対
し下端部の径D′が小となるテーパ孔に構成され、上面
部側の径Dを取付ボルト6の径とほぼ同じかそれよりや
や大とし、下端部の径D′を取付ボルト6の径より小と
することにより、ボルト挿通孔2を拡径弾性変形させつ
つ取付ボルト6が挿し込まれ、その弾性復元力にて一旦
挿し込まれた取付ボルト6が簡単には抜け出さないよう
しっかり保持されるようになっている。このボルト挿通
孔2の拡径弾性変形を逃げるために、間筒嵌装溝部4の
内側周面が下つぼまりのテーパ面に構成されている。間
筒嵌装溝部4の外側周面は間筒5の外径に合致する円筒
面に構成され、該間筒嵌装溝部4に挿し込まれた間筒5
は、取付ボルト6のボルト挿通孔2への挿し込みにより
間筒嵌装溝部4の外側周面と内側周面とに圧接挟持され
て、簡単には抜け出さないようにしっかりと保持され
る。
【0015】上記構成のフローティングラバー1を用い
て例えば被取付部材であるワイパーモータ・アッシーを
固定側部材である車両の車体に取付ける場合について以
下説明する。
【0016】先ず、環状溝3にワイパーモータ・アッシ
ーのブラケット10を嵌装し、間筒嵌装溝部4内に間筒
5を挿し込み、ボルト挿通孔2にワッシャー7を嵌装し
た取付ボルト6を挿し込む。そして、該取付ボルト6の
先端部を車体側部材9の取付穴9aに挿し込み、ナット
8にねじ込み締め付ける。
【0017】通常、径6mm程度の取付ボルトでも締め付
ける際の軸力は100Kg近くになるので、該締め付けに
よってフローティングラバー1が高さ方向に押圧圧縮さ
れると、連結部分13は間筒5の上端面とワッシャー7
とに挟まれて簡単に食い切られ、内側肉厚部分11と外
側肉厚部分12とが完全に分離された状態で、間筒5が
ワッシャー7と車体側部材9との間に挟まれて固定され
る。
【0018】間筒嵌装溝部4の深さを間筒5の高さと同
一寸法に形成したとすると、連結部分13の高さ方向の
厚みが、締め付け取付状態におけるフローティングラバ
ー1の圧縮代となる。即ち、例えば高さ15mmのフロー
ティングラバー1で高さ方向に10%圧縮されて取付け
られるものであれば、間筒5の高さ及び間筒嵌装溝部4
の深さは15mm−1.5mm=13.5mmに設定され、連
結部分13の高さ方向の厚みは1.5mmとなる。
【0019】この取付状態では、取付ボルト6の径に対
し間筒5ははるかに大きな外径を有し、該間筒5の内周
面と取付ボルト6との間の隙間はフローティングラバー
1の内側肉厚部分11で埋められ、フローティングラバ
ー1の外側肉厚部分12でワイパー反転時に生ずる慣性
力・反力によって作用する剪断方向の力Fを受け止める
ことになる。この力Fが作用する方向に対して±45°
の範囲Hを有効な受け止め角度とすると、間筒5の外周
の増加によって、受け止め有効面積が従来に比しはるか
に大きくなり、その結果、環状溝3の高さ方向寸法及び
剪断方向の力の受け止め部の肉厚寸法が図7に示す従来
のものと同じとして、ラバーの受け止め容積が従来のも
のよりはるかに大きく、同じ力Fに対して変移量,潰れ
量が小さくなり、フローティングラバー1の硬度を従来
のものより下げても剪断方向の力Fを充分受け止めるこ
とができ、ワイパーモータ・アッシーの取付剛性の確保
と振動吸収機能の向上との両立をはかることができる。
【0020】又、間筒5の径が取付ボルト6の径より相
当大きいので、単純な円筒形の間筒であっても車体側部
材9の取付穴9aに落ち込む心配は全くなく、座面付き
の間筒は不要である。
【0021】更に、上記フローティングラバー1のボル
ト挿通孔2に一旦挿し込まれた取付ボルト6は容易には
抜け出さないので、ブラケット10に嵌装したフローテ
ィングラバー1の間筒嵌装部4に間筒5を挿し込み、且
つワッシャー7付きの取付ボルト6をボルト挿通孔2に
仮挿入した状態でラインに納入することができ、ライン
ではフローティングラバー1に仮挿入されている取付ボ
ルト6をナット8(通常ウエルディングナット)にねじ
込み締め付けるだけで、ワイパーモータ・アッシーを車
体に取付けることができ、ライン作業の大幅な軽減をは
かることができるものである。
【0022】図2は、本発明の第2の実施例を示すもの
で、フローティングラバー1の内側肉厚部分11と外側
肉厚部分12とを連結する連結部分13の上端面側に、
該連結部分13を食い切る際の逃げ部分14を形成した
ものであり、その他の構成は上記図1の実施例と同じで
あり、図1と同一の符号は図1と同一の部分を表すもの
である。
【0023】この第2の実施例では、図1に示す第1の
実施例と同じ作用,効果に加え、取付ボルト6の締め付
け時における連結部分13の食い切りがより簡単且つ的
確に行なわれる、という作用,効果を奏することができ
る。
【0024】尚、図2の実施例において、逃げ部分14
は全周にわたり連続して形成しても良いし間欠的に形成
してもよい。
【0025】図3は、本発明の第3の実施例を示すもの
で、この例ではボルト挿通孔2と間筒嵌装部4との間の
内側肉厚部分11に、上端面から下端面に至るスリット
15を複数条放射状に設けたものである。
【0026】この例では、ボルト挿通孔2に挿入された
ワッシャー7付き取付ボルト6の締め付けによって連結
部分13が間筒嵌装部4に嵌め込まれている間筒5の上
端面とワッシャー7とに挟まれて食い切られ、内側肉厚
部分11と外側肉厚部分12とが完全に分離された状態
で、間筒5がワッシャー7と車体側部材9との間に挟ま
れて固定され、外側肉厚部分12から分離された内側肉
厚部分11は複数条のスリット15により周方向に複数
部分に分割された状態で間筒5と取付ボルト6との間を
埋めた構造となる。その他の構造は図1の実施例と同じ
であり、図3において図1と同一の符号は図1と同一の
部分を表している。この第3の実施例においても図1の
第1実施例と同じ作用,効果を奏するものである。
【0027】尚、図3の第3実施例において、連結部分
13に図2の実施例と同様の逃げ部分14を全周にわた
り連続して又は間欠的に形成してもよい。
【0028】図4及び図5は、本発明の第4及び第5の
実施例を示すものであり、この例では間筒5として長円
形断面(楕円形断面でもよい)又はほぼ矩形断面等の非
円形断面形状の筒体で構成し、フローティングラバー1
の間筒嵌装溝部4を上記間筒5の断面形状に合致する長
円形断面(又は楕円形断面)又はほぼ矩形断面等の長軸
とそれに直交する短軸とをもった非円形断面形状に形成
したものであり、その他の構成は図1〜図3の実施例と
ほぼ同じであり、図1〜図3と同一の符号は図1〜図3
と同じ部分を表している。
【0029】一般に、ワイパーの反転時に生じる慣性力
・反力は、ワイパーモータ・アッシーの取付部に対して
ほぼ特定の方向に作用する。そこで、上記のように長円
形断面(又は楕円形断面)又はほぼ矩形断面の筒体より
なる間筒5をそれに合致する断面形状の間筒嵌装溝部4
に挿入し、該間筒5の長軸が上記力Fの作用方向に対し
てほぼ直交するようフローティングラバー1をブラケッ
ト10に嵌装し、ボルト挿通孔2に挿通したワッシャー
付き取付ボルト6をナット8にねじ込み締め付け、連結
部分13が間筒5の上端面とワッシャー7とに挟まれて
食い切られ、ワイパーモータ・アッシーが車体にフロー
ティング状態にて取付けられるようにしたものである。
尚、図4,図5においては、環状溝3も間筒嵌装溝部4
と同様の長円形断面(又は楕円形断面)又はほぼ矩形断
面等の非円形断面に形成し、フローティングラバー1を
ブラケット10に嵌め込むとき該環状溝3の長軸に沿っ
て嵌め込むことにより、間筒5の長軸が力Fの作用方向
にほぼ直交した状態で組み付けられるようにしている。
【0030】この取付状態では、ワイパー作動時ワイパ
ーモータ・アッシーの取付部に作用する剪断方向の力F
は、間筒5とブラケット10との間の外側肉厚部分12
で受け止められるが、上記のように間筒5の長軸が力F
の作用方向に対してほぼ直交する構成となっているの
で、力Fの作用方向に対して±45°の範囲Hを有効な
受け止め角度として、円形断面の間筒を用いたときより
ラバーの有効受け止め面積が大幅に増大し、ほぼ特定方
向へ発生する力Fによるラバーの変移量,潰れ量は更に
低減し、取付剛性の低下を恐れることなく更に柔らかい
ラバーを用いることが可能となり、静粛性のより一層の
向上をはかることができる。
【0031】この図4及び図5の実施例においても、ボ
ルト挿通孔2に一旦挿入された取付ボルト6は抜けにく
い構造となっているので、ブラケット10に嵌装された
フローティングラバー1に間筒5及びワッシャー7付き
の取付ボルト6を仮挿入した状態でラインに納入するこ
とができ、ラインでは単に取付ボルト6をナット8にね
じ込み締め付けるだけで車体側部材9に固定することが
でき、取付作業の大幅な簡易化をはかることができる。
又、図4及び図5の実施例において、図2の実施例と同
様に、内側肉厚部分11と外側肉厚部分12とを連結す
る連結部分13の上端面側に、連結部分13が食い切ら
れる際の逃げ部分14を全周にわたり連続して又は間欠
的に形成してもよい。尚、図4及び図5の実施例では、
図3の実施例と同様に、内側肉厚部分11に複数の径方
向のスリット15を放射状に形成した例を示している
が、該スリット15を省略してもよい。
【0032】図4又は図5の実施例に示すように、長円
形(又は楕円形)断面又はほぼ矩形断面等の非円形断面
の筒体よりなる間筒5を用い、取付状態にて該非円形断
面の間筒5の長軸が力Fの作用方向にほぼ直交するよう
ブラケット10に組み付けたものにおいては、取付ボル
ト6をナット8にねじ込み締め付けて車体側部材9に固
定する際、もしフローティングラバー1やそれに嵌装さ
れている間筒5が取付ボルト6の締め付けに引きずられ
て共廻りすると、長軸が力Fの作用方向に対して直交し
ない状態で固定されてしまうことになる。通常はワッシ
ャー7が介在しているので取付ボルト6の締め付けでフ
ローティングラバー1やその内部の間筒5が共廻りする
ことはないが、図6に示すように、車体側部材9の取付
穴9aの回りに周縁が間筒5の内周面の断面形状に合致
する長円形(又は楕円形)をなす凸部9bを形成し、間
筒5の下端部が該凸部9bに嵌って締め付けられるよう
にしておけば、フローティングラバー1の共回りの心配
は皆無となり、安定した取付けが保証される。尚、図6
において、9′は凸部9bの裏側を覆うように車体側部
材9に溶接されたリンフォースであり、該リンフォース
9′には車体側部材9の取付穴9aに合致する取付穴9
a′が設けられ、該リンフォース9′の取付穴9a′部
にナット(ウエルディングナット)8が設けられる。
【0033】図6は長円形断面(又は楕円形断面)の間
筒5を用いたものの場合を示しているが、図5のように
ほぼ矩形断面をなす間筒5を用いたものの場合は、凸部
9bの周縁を間筒5の内周面の断面形状に合致するほぼ
矩形に形成すればよい。
【0034】上記図1乃至図6に示す各実施例では、ボ
ルト挿通孔2を下つぼまりのテーパ孔に構成し該ボルト
挿通孔2を拡径弾性変形させつつ取付ボルト6を挿し込
むようにした例を示しており、これにより取付ボルト6
の挿し込みが容易で且つ一旦挿し込まれた取付ボルト6
が簡単には抜け出さない、という作用,効果を奏するも
のであるが、ボルト挿通孔2をテーパ孔とせず、ボルト
挿通孔2を上から下まで取付ボルト6の径と同じかやや
小さめの径の単純な直線状の孔に構成してもよく、この
ようにしても一旦挿し込んだ取付ボルト6が取扱い途中
で自然に抜け出すようなことはほとんどない。この場
合、間筒嵌装溝部4は間筒5の厚みに合致する幅の単純
な溝に構成するものとする。
【0035】上記各実施例の説明では、本発明のフロー
ティングラバーをワイパーモータ・アッシーの車体への
取付部に適用した例について説明したが、本発明のフロ
ーティングラバーはワイパーモータ・アッシーの取付部
だけに限らず、フローティング状態で取付けられ且つ取
付部に作用する剪断方向の力に対して所定の取付剛性を
必要とするあらゆる物体(振動発生体)の取付部に適用
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、剪断方向
に発生する力に対する取付剛性の向上と振動吸収機能の
向上との両要望を満足できるフローティングラバーを得
ることができるもので、例えば車両用ワイパーモータ・
アッシーの車体へのフローティング取付部等に適用した
場合、ワイパー反転時に生じる慣性力・反力に対しフロ
ーティングラバーの変移量,潰れ量を低減させてワイパ
ーのオーバランを防止できると共に、ワイパーモータ・
アッシー振動の車体への伝達を低減させて車内の静粛性
の向上をはかることができ、極めて効果的である。
【0037】又、本発明のフローティングラバーは、間
筒と取付ボルトとを一旦挿し込むと抜け出しにくい構造
となっているので、ワイパーモータ・アッシー等の被取
付体の取付用ブラケットに組み込まれたフローティング
ラバーに間筒とワッシャー付き取付ボルトとを仮挿入し
てラインに納入し、ラインでは取付ボルトをウエルディ
ングナットにねじ込み締め付けるだけで固定でき、部品
管理の簡易化及びライン作業の大幅な簡易化をはかるこ
とができる。
【0038】更に又、取付ボルト径に対し間筒の径が大
幅に大であるので、単純な両切り形状の間筒でも取付ボ
ルト挿し込み用の取付穴に落ち込む虞れが全くなく、従
来のような座面付きの間筒は必要なくなり、部品費の低
減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、
(A)はフローティングラバーの平面図、(B)は
(A)のB−B断面図、(C)はこのフローティングラ
バーを用いた取付状態を示す縦断面図、(D)は(C)
のD−D断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示すフローティングラ
バーの縦断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示すものであり、
(A)はフローティングラバーの平面図、(B)は
(A)のB−B断面図、(C)はこのフローティングラ
バーを用いた取付状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示すものであり、
(A)はフローティングラバーの平面図、(B)は
(A)のB−B断面図、(C)は(A)のC−C断面
図、(D)はこのフローティングラバーを用いた取付状
態を示す縦断面図、(E)は(D)のE−E断面図であ
る。
【図5】本発明の第5の実施例を示すものであり、
(A)はフローティングラバーの平面図、(B)は
(A)のB−B断面図、(C)は(A)のC−C断面
図、(D)はこのフローティングラバーを用いた取付状
態を示す横断平面図である。
【図6】(A)は図4に示すフローティングラバーを用
いた取付状態の他の例を示す縦断面図、(B)は(A)
の凸部の平面図である。
【図7】(A)は従来から一般に用いられているフロー
ティングラバーの一例を示す縦断面図、(B)は(A)
に示すフローティングラバーを用いた取付状態を示す横
断平面図である。
【図8】(A)は従来のフローティングラバーの他の例
を示す縦断面図、(B)はそのフローティングラバーに
適用される座面付き間筒の斜視図である。
【符号の説明】
1 フローティングラバー 2 ボルト挿通孔 3 環状溝 4 間筒嵌装溝部 5 間筒 6 取付ボルト 7 ワッシャー 8 ナット 9 車体側部材 10 ブラケット 11 内側肉厚部分 12 外側肉厚部分 13 連結部分 14 逃げ部分 15 スリット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/00 - 15/08 B60S 1/08 F16F 1/36 F16F 1/37

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に取付ボルトを挿通するボルト挿
    通孔を有し外周部に被取付部材を嵌装する環状溝をもっ
    たほぼ円筒状のフローティングラバーであって、該ボル
    ト挿通孔と環状溝との間の肉厚部分に、該肉厚部分の下
    端面から上端面に向けて所定深さの間筒嵌装溝部を上記
    ボルト挿通孔と同心状に形成し、該間筒嵌装溝部にて区
    画される内側肉厚部分と外側肉厚部分とが肉厚部分の上
    端面部の連結部分で一体に連結した構造とし、環状溝に
    被取付部材を嵌装し間筒嵌装溝に間筒を嵌装しワッシャ
    ーを嵌め込んだ取付ボルトをボルト挿通孔に挿し込み、
    該取付ボルトを固定側部材の取付穴に挿通しナットにね
    じ込み締め付けることにより、上記連結部分が間筒の上
    端面とワッシャーとに挟まれて食い切られ、間筒の下端
    面と上端面が固定側部材とワッシャーとに挟まれて固定
    されるようにしたことを特徴とするフローティングラバ
    ー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフローティングラバー
    において、連結部分の上端面側には食い切られるときの
    逃げ部分が全周にわたり連続して又は間欠的に形成され
    ていることを特徴とするフローティングラバー。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフローティング
    ラバーにおいて、ボルト挿通孔と間筒嵌装溝部との間の
    内側肉厚部分には、上端面から下端面に至るスリットが
    複数条放射状に形成されていることを特徴とするフロー
    ティングラバー。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のフロ
    ーティングラバーにおいて、間筒嵌装溝部を、長円形又
    は楕円形又はほぼ矩形等の長軸とそれに直交する短軸と
    をもった非円形断面の筒体よりなる間筒に適合するよ
    う、非円形断面形状に形成したことを特徴とするフロー
    ティングラバー。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のフロ
    ーティングラバーにおいて、ボルト挿通孔は、上端部の
    径が取付ボルトの径と同じかそれよりやや大きく、下端
    部の径が取付ボルトの径より小さい、下つぼまりのテー
    パ孔に構成されていることを特徴とするフローティング
    ラバー。
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