JP3504614B2 - 液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置

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和也 ▼吉▲村
真 中原
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博 村田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置
に関する。
背景技術 液晶表示装置は、パソコン、携帯型電子機器等に広く
用いられている。液晶表示装置は、一般に、図36に示
すように、カラーフィルタ4、ブラックマトリックス
5、透明電極3、配向膜9等が形成された2枚の基板1
に液晶7を挟持させてなる。
図37に示すようなTFT型の液晶表示装置は、ガラ
ス基板1上に、透明電極3、カラーフィルタ4、導電性
ブラックマトリックス5、オーバーコート層6、配向膜
9等が形成された基板1aと、ガラス基板1上に、ソー
ス電極14a、ドレイン電極14等からなる透明電極
3、絶縁膜23、半導体膜16、ゲート電極13、配向
膜9等が形成された基板1bとの間に液晶7を挟持させ
てなる。
これらの液晶表示装置において、2枚の基板間隔を規
制し、適正な液晶層の厚みを維持しているのがスペーサ
である。
従来の液晶表示装置の製造方法においては、画素電極
が形成された基板上にスペーサをランダムかつ均一に散
布するため、図36及び図37に示すように、画素電極
上すなわち液晶表示装置の表示部にもスペーサが配置さ
れてしまう。スペーサは一般的に合成樹脂やガラス等か
ら形成されており、画素電極上にスペーサが配置される
と消偏作用によりスペーサ部分が光漏れを起こす。ま
た、スペーサ表面での液晶の配向が乱れることにより光
抜けが起こり、コントラストや色調が低下して表示品質
が悪化する。
上述のような問題を解決するためには、非表示部であ
る電極間隙、すなわち遮光膜であるブラックマトリック
スの部分のみにスペーサを配置すればよい。ブラックマ
トリックスは液晶表示装置の表示コントラストの向上
や、TFT型液晶表示装置の場合は、素子が外光で誤作
動しないように設けられているものである。
TFT型液晶表示装置において、ブラックマトリック
ス部分、すなわち、液晶表示装置の表示画素以外の部分
にスペーサを配置する技術として、特開平4−2569
25号公報には、スペーサ散布時に、ゲート電極及びド
レイン電極を同電位に保持する方法が開示されている。
また、特開平5−53121号公報には、スペーサ散布
時に配線電極に電圧を印加する方法が開示されており、
特開平5−61052号公報には、配線電極に正の電圧
を印加し、スペーサを負に帯電させて乾式で散布する方
法が開示されている。
これらの公報に記載された発明は、薄膜トランジスタ
(TFT)が形成された基板を用い、これら薄膜トラン
ジスタの配線に電圧を印加してスペーサの配置制御を行
おうとするものである。
しかしながら、薄膜トランジスタ(TFT)が形成さ
れた基板にスペーサの配置制御を行うための電圧を印加
すると、その電圧で素子が破壊されてしまい、液晶表示
装置としての機能を果たすことができないという問題が
あった。
また、STN型液晶表示装置において、ブラックマト
リックスに相当する位置は、透明電極と透明電極との間
隙になっているため、上述のような技術は使えないとい
う問題があった。
一方、STN型液晶表示装置のように複数の線状透明
電極を平行に並べて構成されたストライプ状透明電極を
有する基板の電極間隙にスペーサを配置するための技術
として、特開平4−204417号公報には、スペーサ
散布時に、スペーサを正負いずれかに帯電させ、基板の
線状透明電極に対してスペーサと同極性の電圧を印加す
る液晶表示装置の製造方法が開示されている。
この製造方法は、スペーサの帯電極性と同極性の電圧
を線状透明電極に印加してスペーサと電極とを反発させ
ることにより電極間隙にスペーサを配置しようとするも
のである。しかしながら、スペーサと同極性の電圧を線
状透明電極に印加するのみでは、透明電極間の電位は充
分に下がらず、図9に示すような状態となり、スペーサ
の配置に適する電場は形成されず、スペーサの配置精度
が非常に悪かった。このため、得られる液晶表示装置の
コントラストを充分に向上させることはできなかった。
発明の要約 本発明の目的は、上記の問題点を解決するもので、S
TN型液晶表示装置及びTFT型液晶表示装置におい
て、電極の存在しない電極間隙、すなわちブラックマト
リックス部分にスペーサを配置することができ、更に、
スペーサをムラなく基板上に配置し、セル厚を基板全体
で均一にすることを可能とし、コントラストが高く、表
示均一性の高い液晶表示装置を安定的に歩留まりよく製
造し、散布工程のタクトを短縮することができる液晶表
示装置の製造方法及びそれを用いた液晶表示装置を提供
するところにある。
第一の本発明は、少なくともパターン状の透明電極か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペー
サを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表
示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電し
たスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体
積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着
させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯
電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加す
る液晶表示装置の製造方法である。
第二の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート層から
構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置さ
れる第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサ
を散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示
装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電した
スペーサを基板上に散布するに際し、導電性ブラックマ
トリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明
電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2と
は、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに
正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペー
サの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であ
り、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造
方法である。
第三の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成され、1つ又は2つ以上の表示領域を
有する第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される
第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散
布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置
の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペ
ーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さい寸
法のアースされた導電性ステージに基板を密着させて設
置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態
とし、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と
同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法であ
る。
第四の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、スペーサが散布
される基板の水分を除去する工程と、アースされた導電
性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明
電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してス
ペーサを散布する工程とからなる液晶表示装置の製造方
法である。
第五の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、アースされた導
電性ステージに基板を密着させて設置して、上記基板上
の上記透明電極に上記スペーサの帯電極性と同極性の電
圧を印加してスペーサを散布する工程からなり、スペー
サの散布前及び散布中に用いる基板の特性として、基板
上の透明電極に1kVの電圧を印加したときに、基板上
の透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10
-6 以下である基板を用いる液晶表示装置の製造方法で
ある。
第六の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なとも一方の基板
にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してな
る液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性
に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アース
された導電性ステージに基板を密着させて設置して、か
つ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の
電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透明電極
から外し、基板に電荷が残留している間にスペーサを散
布する液晶表示装置の製造方法である。
第七の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極
性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アー
スされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、
かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧を印加した状態で一定時間保持した後、電圧を印
加した状態を保持したままスペーサの散布を行う液晶表
示装置の製造方法である。
第八の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
導電性ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配
向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対
向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基
板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙
に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であっ
て、第一の基板は、透明電極の内部に、導電性ブラック
マトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極
が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、
正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に
散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して
電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧
(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電
極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、か
つ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負
極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>
V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
第九の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のう
ち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶
を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一
の基板は、透明電極の内部に、ブラックマトリックスの
直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエ
ッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極
性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際
し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ス
テージに第一の基板を密着させて設置して、透明電極に
対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5
kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
第十の本発明は、少なくともパターン状の透明電極か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のう
ち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶
を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一
の基板は、透明電極の内部に、第一の基板又は第二の基
板に形成されたブラックマトリックス領域の内側になる
ように、周囲の透明電極と接続されていない電気的に浮
いた状態の孤立透明電極が形成されたものであり、正極
性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布
するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の
導電性ステージに第一の基板を密着させて設置した後、
第一の基板の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサ
の帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製
造方法である。
第十一の本発明は、スペーサは、気体を媒体として樹
脂製の配管又は金属製の配管を経由して散布されること
により、正極性又は負極性に帯電させられるものである
第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第
九又は第十の本発明の液晶表示装置の製造方法である。
第十二の本発明は、スペーサは、加熱により基板表面
に固着するものである第一、第二、第三、第四、第五、
第六、第七、第八、第九、第十又は第十一の本発明の液
晶表示装置の製造方法である。
第十三の本発明は、第一、第二、第三、第四、第五、
第六、第七、第八、第九、第十、第十一又は第十二の本
発明の液晶表示装置の製造方法によって製造されてなる
液晶表示装置である。
図面の簡単な説明 図1は、ステージがアースされている場合における基
板上の等電位面を説明するための断面概念図である。
図2は、本発明の液晶表示装置の製造方法を説明する
ための概念図である。
図3は、ダミー電極が形成されていない本発明の液晶
表示装置の製造方法において用いられる基板を上部から
みた平面概念図である。
図4は、ダミー電極が形成され、透明電極とダミー電
極とが接続されていない本発明の液晶表示装置の製造方
法において用いられる基板を上部からみた平面概念図で
ある。
図5は、ダミー電極が形成され、透明電極とダミー電
極とが接続されている本発明の液晶表示装置の製造方法
において用いられる基板を上部からみた平面概念図であ
る。
図6は、オーバーコート層上に、透明電極のみが形成
された基板において、透明電極とブラックマトリックス
とに同極性の異なる電圧を印加した場合の電気力線を示
す概念図である。
図7は、オーバーコート層上に、透明電極及びダミー
電極が形成された基板において、透明電極及びダミー電
極とブラックマトリックスとに同極性の異なる電圧を印
加した場合の電気力線を示す概念図である。
図8は、従来の液晶表示装置の製造方法における基板
上の等電位面を説明するための断面概念図である。
図9は、ステージがアースされていない場合における
基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。
図10は、液晶表示装置の製造方法における基板とス
テージとの関係を説明するための断面概念図である。
図11は、液晶表示装置の製造方法における基板とス
テージとの関係を説明するための断面概念図である。
図12は、本発明の液晶表示装置の製造方法における
一般的なコモン電極基板上のブラックマトリックスの額
縁状態を説明するための平面及び断面概念図である。
図13は、本発明の液晶表示装置の製造方法における
基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。
図14は、基板表面の水分を伝わり電流がステージ側
にリークする場合を説明するための側面概念図である。
図15は、ステージがアースされていない場合におけ
る基板上の等電位面を説明するための側面概念図であ
る。
図16は、基板表面が水分で覆われている場合におけ
る基板上の等電位面を説明するための側面概念図であ
る。
図17は、本発明の液晶表示装置の製造方法における
透明電極と導電性ステージとの間にエレクトロメーター
を設置しリーク電流を検査するのを説明するための側面
概念図である。
図18は、アースされた導電性ステージ(テーブル)
に基板を密着させて設置して、かつ、スペーサが散布さ
れる基板上に形成されたパターン状の透明電極にスペー
サの帯電極性と同極性の電圧を印加し、その後、パター
ン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を
印加したまま、電圧印加装置からの端子を透明電極から
外すと、スペーサの配置に適する電場が維持されること
を説明するための側面概念図である。
図19は、スペーサの散布工程前にアースされた導電
性ステージ上で透明電極に電圧を印加しておき、その導
電性ステージ(テーブル)ごと散布装置内に流すことに
より、散布装置内で電圧の印加を行う工程を省くことが
でき、タクトを早めることができることを説明するため
の側面概念図である。
図20は、エッチング領域が形成された本発明の第一
の基板の一実施形態を模式的に示す平面図である。
図21は、エッチング領域が形成された本発明の第一
の基板の別の実施形態を模式的に示す平面図である。
図22は、エッチング領域が形成された本発明の第一
の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
図23は、エッチング領域が形成された本発明の第一
の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
図24は、本発明の液晶表示装置の製造方法を説明す
るための断面概念図である。
図25は、孤立透明電極が形成された本発明の第一の
基板の一実施形態を模式的に示す平面図である。
図26は、孤立透明電極が形成された本発明の第一の
基板の別の実施形態を模式的に示す平面図である。
図27は、孤立透明電極が形成された本発明の第一の
基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
図28は、孤立透明電極が形成された本発明の第一の
基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図であ
る。
図29は、本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を
実施するための形態において用いられるスペーサ散布装
置の断面概念図である。
図30は、本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を
実施するための形態において用いられるスペーサ散布装
置の断面概念図である。
図31は、本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を
実施するための形態において用いられるスペーサ散布装
置の断面概念図である。
図32は、本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を
実施するための形態において用いられるスペーサ散布装
置の断面概念図である。
図33は、図23に示した第一の基板にスペーサを散
布したときの状態を示した平面図である。
図34は、本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を
実施するための形態において用いられるスペーサ散布装
置の断面概念図である。
図35は、図28に示した第一の基板にスペーサを散
布したときの状態を示した平面図である。
図36は、従来の液晶表示装置の製造方法を説明する
ための概念図である。
図37は、従来のTFT型の液晶表示装置の製造方法
を説明するための概念図である。
符号の説明 1 絶縁性基板(ガラス基板) 1a 第一の基板 1b 第二の基板 2 偏向板 3 表示電極(線状透明電極、画素電極) 3a 孤立透明電極 4 カラーフィルタ 5 ブラックマトリックス(導電性ブラックマトリック
ス) 6 オーバーコート層 7 液晶 8 スペーサ 9 配向膜 10 容器 12 電圧印加装置(直流電源) 13 ゲート電極 14 ドレイン電極 14a ソース電極 15 導電性ステージ(ステージ) 16 半導体膜 17 配管 18 エレクトロメーター 19 スペーサ計量用(供給用)フィーダー 20 分断ライン 21 ダミー電極 22 エッチング領域 23 絶縁膜 24 エッチング帯域 26 ブラックマトリックス額縁 28 ダミー電極領域 29 表示画素(ブラックマトリックス開口部) 30 表示領域 31 等電位を示す線(等電位面) 発明の開示 以下に本発明を詳述する。
第一の本発明は、少なくともパターン状の透明電極か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペー
サを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表
示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電し
たスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体
積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着
させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯
電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加す
る液晶表示装置の製造方法である。
第一の本発明の液晶表示装置の製造方法は、少なくと
もパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び
第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少な
くとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に
液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法に適用され
る。
上記透明電極としては特に限定されず、例えば、透明
電極を線状にしたもの等が挙げられる。また、上記パタ
ーン状の透明電極としては特に限定されず、例えば、線
状透明電極が平行に並べられて構成されたストライプ状
電極を基板上に形成させたもの等が挙げられる。上記ス
トライプ状電極は、液晶表示装置において、いわゆる表
示電極として用いられているものである。また、液晶表
示装置において、表示を行うための領域は表示領域であ
り、これは透明電極を形成している領域とその近傍部と
からなる。
第一の本発明の液晶表示装置の製造方法を適用するこ
とができる基板としては、少なくともパターン状の透明
電極が形成されたものであればよく、基板状、フィルム
状等の形状は特に限定されない。従って、例えば、ブラ
ックマトリックス、カラーフィルタ、オーバーコート
層、パターン状の透明電極及び配向膜を有するカラーフ
ィルタ基板や、ブラックマトリックス、オーバーコート
層、パターン状の透明電極及び配向膜を有する基板等が
挙げられる。ただし、金属製基板を用いる場合は、表面
に形成された電極がショートしないように、金属製基板
上に絶縁層を設ける必要がある。
従って、第一の本発明の液晶表示装置の製造方法をS
TN型液晶表示装置の製造に適用する場合には、パター
ン状の透明電極を最低限有する基板であれば、コモン電
極基板又はそれに対向するセグメント電極基板のいずれ
に対しても適用することが可能である。
上記スペーサとしては特に限定されず、例えば、金属
微粒子;合成樹脂微粒子;無機微粒子;合成樹脂に顔料
が分散された遮光性微粒子;染料により着色された微粒
子;加熱・光等により接着性を発揮する微粒子;金属微
粒子、合成樹脂微粒子、無機微粒子等の表面を金属によ
りメッキした微粒子等が挙げられ、液晶表示装置におい
て、セル厚調整をするためのものである。
第一の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液
晶表示装置の製造方法に適用する場合、コモン電極基板
であるカラーフィルタ側基板のブラックマトリックス部
分の直下に、エッチング等を行い透明電極の存在しない
領域を形成し、第一の本発明の液晶表示装置の製造方法
によりスペーサを基板に配置させればよい。通常のTF
T型液晶表示装置はコモン電極基板がベタ電極である
が、透明電極をエッチングした電極であっても、各電極
に同電圧を印加することにより、通常のTFT型液晶表
示装置と同様に駆動させることができる。
第一の本発明の液晶表示装置の製造方法は、正極性又
は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際
し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ス
テージ(ステージともいう)に基板を密着させて設置し
て、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極
性である200V〜5kVの電圧を印加することにより
行う。
アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステ
ージに基板を密着させて設置することにより、透明電極
間隙の電位が下がり、図1に示すように、スペーサの配
置に適する電場が形成される。
上記導電性ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が
必要であり、基板は、ある一定以上の面積で導電性ステ
ージと密着していればよい。
上記透明電極に対して印加される電圧の電圧値は、2
00V〜5kVである。この値は、一般的に、スペーサ
の帯電量に対して充分な反発力を発揮することができる
ものである。従って、スペーサの正確な配置を達成する
ことができる。好ましくは、1.5kV〜5kVであ
る。電圧の種類としては特に限定されず、例えば、直流
電圧、パルス電圧等が好適に用いられる。
スペーサの散布方法としては、乾式散布方法、湿式散
布方法のいずれかが好ましいが、水分の影響で透明電極
間でリークが発生する場合があるので、乾式散布が好ま
しい。
上記乾式散布方法において、スペーサの帯電方法とし
ては、スペーサが配管との接触を繰り返すことにより帯
電する方法等が挙げられる。帯電方法では、圧縮空気、
圧縮窒素のような媒体でスペーサを配管内に通すことに
より安定的に帯電する。この場合、スペーサの帯電及び
基板上への水分の付着防止の観点から、媒体である気体
は水分の極力少ない乾燥状態が好ましい。
上記配管の材質としては、金属製であっても樹脂製で
あってもよく、スペーサの帯電極性、帯電量との関連か
ら適宜選定される。
上記金属製配管としては特に限定されず、例えば、ニ
ッケル、銅、アルミニウム、チタン等の単一組成の配
管;ステンレス等の合金からなる配管等が挙げられる。
また、配管内壁に、金、クロム等の金属被覆をメッキ等
により形成してなる配管等であってもよい。
上記樹脂製配管としては特に限定されず、例えば、テ
フロン、塩化ビニル、ナイロン等からなる配管等が挙げ
られる。また、テフロン等の絶縁性の高い樹脂製配管を
使用する場合において、安定的な帯電を得るためには、
これらの樹脂製配管を金属で被覆するか、針金、金属線
等を配管中に挿入するなどして、金属の被覆部分、針
金、金属線等をアースしておくことが好ましい。これ
は、スペーサと配管との接触で電荷の出入りが行われる
が、アースしていないと電荷が樹脂製配管に留まり、安
定的な帯電を得ることができなくなってしまうからであ
る。
また、スペーサの帯電量を調節するために、これら材
質の異なる配管を直列に連結してもよい。
第二の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート層から
構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置さ
れる第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサ
を散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示
装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電した
スペーサを基板上に散布するに際し、導電性ブラックマ
トリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明
電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2と
は、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに
正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペー
サの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であ
り、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造
方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第二の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
上記導電性ブラックマトリックス(ブラックマトリッ
クスともいう)は、表示領域を額縁状に表している。そ
の額縁状態は、導電性ブラックマトリックスの存在しな
い領域により形成される。
上記導電性ブラックマトリックスとしては、導電性を
有するものであれば特に限定されず、例えば、クロム、
アルミニウム、カーボンブラック等からなるもの等が挙
げられるが、導電性の観点から、金属製であることが好
ましく、クロムからなるものが多く用いられている。通
常、図2に示すように、導電性ブラックマトリックスの
上には、絶縁性のオーバーコート層が形成されている。
上記オーバーコート層は、線状透明電極と導電性ブラッ
クマトリックスとの短絡を防止するために設けられるも
のであり、透明で絶縁性を有するものであれば特に限定
されず、例えば、アクリル樹脂等からなるもの等が挙げ
られる。
上記オーバーコート層は、基板がカラーフィルタを有
する基板である場合には、カラーフィルタ層を平坦化す
る作用も有する。なお、このようなカラーフィルタは、
一般に、顔料分散法、染色法等により形成することがで
きる。
上記導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V
1)を印加し、透明電極に電圧(V2)を印加すること
により、図2に示すように、アースされた体積抵抗10
10Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置
しても、又は、しなくても、図1に示したのと同様に、
スペーサの配置に適する電場が形成される。
例えば、スペーサの帯電が正帯電の場合、ともに正電
圧で、かつ、V1<V2とすることにより、透明電極の
部分が強い斥力となり、ブラックマトリックスの部分が
弱い斥力となるため、スペーサはブラックマトリックス
の部分に配置させることができる(負帯電の場合も同
様)。
上記V1とV2とをスペーサの帯電と同極性にする理
由は、スペーサの落下位置を高い精度で制御するために
は、kV程度の斥力が必要である。ここで、V1とV2
とを異極性にしてしまうと、透明電極とブラックマトリ
ックスとの電位差がkVとなってしまうため、オーバー
コート層が2〜5μmと薄いので、透明電極とブラック
マトリックスとの間でショートしてしまい、スペーサの
配置に適する電場が形成されなくなってしまう。
従って、V1とV2との電位差は、100V以内が好
ましい。100V以内という小さな電位差であっても、
斥力の中での電位差のため、スペーサの配置制御を達成
することができる。
すなわち、散布されるスペーサの帯電極性が正極性
(+)である場合には、導電性ブラックマトリックスに
印加される電圧(V1)と、透明電極に印加される電圧
(V2)との関係を、 V1<V2 とする。
このようにすることにより、ブラックマトリックス部
分の斥力は相対的に透明電極部分の斥力より小さくな
り、スペーサは、導電性ブラックマトリックス部分、す
なわち、パターン状の透明電極を構成する各透明電極の
間隙に配置されることになる。
また、散布されるスペーサの帯電極性が負極性(−)
である場合には、導電性ブラックマトリックスに印加さ
れる電圧(V1)と、透明電極に印加される電圧(V
2)との関係を、 V1>V2 とする。
上記V1とV2とは、散布されるスペーサの帯電極性
が正極性(+)である場合には、ともに正電位とし、散
布されるスペーサの帯電極性が負極性(−)である場合
には、ともに負電位とする。すなわち、V1とV2との
電位差を、スペーサの帯電極性に対する異極性において
形成したり、アース電位を基準として正極性(+)と負
極性(−)とから形成するのではなく、スペーサの帯電
極性に対する同極性において形成する。
上記V1とV2との電位差をスペーサの帯電極性に対
する同極性において形成する理由は以下の通りである。
上記V1とV2との電位差をスペーサの帯電極性に対
して異極性で形成した場合又はアース電位を基準として
正極性(+)と負極性(−)とから形成した場合は、ス
ペーサは基板遠方でまず引力の影響を受けるので落下ス
ピードが速くなる傾向がある。
これに対して、V1とV2との電位差をスペーサの帯
電極性に対して同極性で形成した場合は、斥力の影響で
スペーサの落下スピードが抑えられる傾向がある。V1
とV2との電位差の大きさが同じであるならば、落下ス
ピードが遅いほど、より正確なスペーサの配置制御を達
成することが可能となる。
具体的に説明すれば、例えば、スペーサの帯電極性が
負極性(−)である場合であってV1とV2との間に5
0Vの電位差を与える場合においては、+25V〜−2
5Vの電位差50Vではなく、スペーサの帯電極性と同
極性である−1000V〜−1050Vの電位差50V
とする。スペーサは、落下初期の段階、すなわち、基板
遠方に存在する場合においては、−1000V〜−10
50Vの平均的な電場E1の影響のみを受ける。なぜな
ら、この段階では電位差の影響はまだ存在しないからで
ある。従って、帯電量Qのスペーサは、電場E1により
落下方向(上下方向)に対する引力又は斥力の影響のみ
を受ける(F1=QE1)。その後、スペーサが基板に
近づくと、−1000V〜−1050Vの電位差E2
(50V)の影響により、スペーサの落下経路が曲げら
れる(F2=QE2)。
従って、V1とV2との電位差をどの電圧値において
形成するかにより、電位差E2中に飛び込むスペーサの
速度を変化させることができる。このため、V1及びV
2の電圧値並びにその電位差を調節することにより、小
さな電位差でのスペーサの配置制御を行うことが可能と
なる。第二の本発明の要旨はここにもある。すなわち、
従来のような極性による引力・斥力のみの考え方ではな
く、基板上にスペーサの帯電極性と同極性の斥力電場を
形成することによりスペーサの落下速度を積極的に調節
し、この斥力電場中の電位差により高い精度でのスペー
サの配置を達成することができる。
上記V1とV2との電位差は、100V以内であるこ
とが好ましい。上述の通り、V1とV2とはともにスペ
ーサの帯電極性と同極性の電位であるので、100V以
内という小さな電位差であっても、スペーサの配置制御
を達成することができる。100Vを超えると、オーバ
ーコート層の厚みが2〜5μm程度と薄いため、絶縁破
壊を起こしやすく、歩留りが低下することがある。
上記スペーサの帯電量としては、正極性(+)又は負
極性(−)で、3〜50μC/gが好ましい。なお、こ
のスペーサの帯電量は、スペーサの帯電量のバラツキを
意味するものではなく、スペーサの平均的な帯電量が上
記範囲に存在するという意味である。3μC/g未満で
あると、スペーサが落下中に曲がりきれずに高い配置精
度が得られない場合がある。一方、50μC/gを超え
ると、斥力を用いた電場では、反発力が強すぎてスペー
サが基板上にあまり乗らなくなるので、長時間の散布が
必要となり、また、スペーサの帯電量にはある程度のバ
ラツキが存在するため、配置精度も悪化する傾向にあ
る。
なお、スペーサの帯電量の測定は、例えば、E−SP
ARTアナライザ(細川ミクロン社製)等を利用するこ
とができる。
上記した第一及び第二の本発明において、基板には、
ダミー電極が形成されたものを用いるのが好ましい。
図3〜5は、1枚の基板から表示用の基板を2枚作製
するタイプの基板を示した平面図である。図4及び5に
示す基板は、表示領域の外側にダミー電極が形成されて
いるタイプのものである。通常、このダミー電極は、製
造工程において正電気によりスパークが生じ、配向膜が
損傷するのを防止するために形成されている。
図3は、ダミー電極が形成されていないもの、図4
は、ダミー電極が形成されているが、透明電極とダミー
電極とが導通していないもの、図5は、ダミー電極が形
成され、透明電極とダミー電極とが導通しているものを
示す。
このように、ダミー電極が形成されているもの(図4
及び図5)を使用するのは、表示領域の最外周部におけ
るスペーサの数の減少を防止し、全体のセルギャップを
均一に保つためである。
ダミー電極が形成されていないものでは、表示領域の
最外周部におけるスペーサの数が減少し易いが、これは
以下のような理由による。すなわち、図6に示すよう
に、透明電極が形成された表示領域の中心付近は、斥力
電場が均一なため、透明電極間に配置されるスペーサの
数は、安定したものとなる。しかし、表示領域の最外周
(外側)には、斥力が存在しないため、その付近のスペ
ーサは、表示領域外に飛ばされ易くなり、スペーサの数
が減少し易い。
ただし、表示領域の中心付近においても、配置される
スペーサの数は、電圧が印加されないときと比較する
と、斥力のために少なくなっている。また、特に、帯電
量の大きい粒子は、基板の外に飛ばされてしまう。
しかしながら、図7に示すように、表示領域の外側に
配置されたダミー電極に、表示領域内の透明電極と同様
の電圧を印加すると、ダミー電極が形成された領域に
も、表示領域と同様の電場が広がったことになり、その
ため、ダミー電極の内側では、スペーサの数は殆ど減少
せず、表示領域では均一な数のスペーサが配置されるこ
ととなる。その結果、この基板を用いて液晶表示装置を
製造すると、セルギャップは、表示領域全体で均一とな
り、表示ムラが存在しなくなり、コントラストの高い表
示が可能となる。なお、図6及び図7においては、下部
のオーバーコート層やブラックマトリックス層等を省略
している。
透明電極とダミー電極とが導通している場合には、ダ
ミー電極に電圧を印加することにより、透明電極にも同
じ電圧が印加されることになり、上記したように、スペ
ーサの均一な配置が可能となる。
また、透明電極とダミー電極とが導通していない場合
には、透明電極とは異なる電圧をダミー電極に印加する
ことが好ましい。
これは、例えば、表示領域とダミー電極との距離が離
れていると、その間にスペーサが逃げる場合がある。従
って、このような場合には、ダミー電極に表示領域より
も強い斥力電圧を印加し、スペーサを反発により表示領
域の最外周部に逆に飛ばすことが必要となるからであ
る。
透明電極とダミー電極とを導通させる方法としては、
例えば、透明電極の片側をダミー電極と導通させる方
法、透明電極の両側をダミー電極と導通させる方法、整
列している透明電極を、順位、左右交互にダミー電極と
導通させる方法等が挙げられる。導通方法は、上記方法
に限られず、それぞれの透明電極が何らかの形でダミー
電極と導通していればよい。
第三の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成され、1つ又は2つ以上の表示領域を
有する第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される
第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散
布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置
の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペ
ーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さい寸
法のアースされた導電性ステージに基板を密着させて設
置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態
とし、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と
同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法であ
る。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第三の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
単に、スペーサの散布時に、帯電したスペーサと基板
上の電圧が印加された透明電極との極性を同極性とする
ときには、図8に示すように、例えば、スペーサの帯電
極性を正極性(+)とし、透明電極に印加された電圧の
極性も正極性(+)とした場合(カラーフィルタ、オー
バーコート等図示せず。)、基板上に散布されるスペー
サの全体数は、透明電極に電圧を印加しない場合よりも
少なくなり、安定したものとなる。
しかしながら、透明電極の存在しない基板端部では、
斥力が働かないことになるので、基板外周付近のスペー
サが、基板外に飛ばされてしまうことになる。従って、
表示領域外周部分には充分な数のスペーサが存在しない
こととなり、液晶表示装置のセル厚が小さくなってしま
い、表示ムラが発生するおそれがあった。
例えばSTN型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電
したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透
明電極及び配向膜から構成され、表示領域を有する基板
がアースされていないか、又は、図9に示すように、ア
ースされていない導電性ステージに基板を密着させて設
置し、基板上のパターン状の透明電極に、帯電したスペ
ーサの帯電極性と同極性の電圧を印加しても、電極間の
電位は下がることがなく、その電場は一様に近く(図9
ではある電位の等電位面といて図示)、有効な電位分布
を得ることができず、スペーサの選択配置は行われな
い。
一方、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパ
ターン状の透明電極及び配向膜から構成された基板をア
ースされた導電性ステージに密着させて設置して、基板
の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の
電圧を印加し、斥力でスペーサを透明電極の間隙に配置
することができる。この場合、図1に示すように、基板
をアースされた導電性ステージに密着させることによ
り、配置に適する電場が形成される。
つまり、図1に示すように、透明電極に+の電圧を印
加した場合、ステージはアースされ常にゼロ電位を保っ
ているので、透明電極間隙の電位は透明電極の電位より
十分低くなる。従って、配置に適する電場が形成される
(図1ではある電位の等電位面として図示)。つまり、
図9及び図1では図示していないが、電気力線が各透明
電極から各透明電極の間隙に形成され、帯電したスペー
サは、電気力線の作用と、透明電極に印加した電圧と同
極性に帯電したスペーサへの基板全体としての斥力とに
より透明電極の間隙に配置する(配向膜等は図示せ
ず)。
上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が必要で
あり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密
着していればよい。
しかしながら、パターン状の透明電極に印加する電圧
により電場が形成され、スペーサに対して斥力が働く場
合、表示領域外周付近のスペーサ数が少なくなる現象が
見られた。
この場合、液晶表示装置を製造するときに、液晶表示
装置に一定荷重を与える工程を経るが、そのときに基板
の一部分でスペーサの数に不均一が生じると、スペーサ
1個当たりに掛かる荷重が掛わるため、スペーサの歪み
が変化し、セル厚が変化して、液晶表示装置の表示が不
均一となる。
これら表示領域外周付近のスペーサ数の増減の原因
は、図1、8及び9に示すように、スペーサの帯電極性
と同極性の電圧をパターン状の透明電極に印加して、ス
ペーサを透明電極間隙に配置させようとする場合、落下
中のスペーサを表示領域内から表示領域外に反発させよ
うとする力(斥力)が働き、特に、表示領域の外周付近
においては、表示領域の外側の基板上に斥力が存在しな
いために、表示領域外周部に配置されるべきスペーサが
外側に逃げてしまうことにある。
すなわち、図10に示すように、基板内は、透明電極
にスペーサの帯電極性と同極性の電圧が印加されている
ため、表示領域上にはスペーサに対して斥力が働き、一
方、導電性ステージはアース電位のため、帯電している
スペーサに対して引力が働くことから、基板外周部に
は、基板内からの斥力と導電性ステージからの引力とが
働き、その両方の効果により、スペーサが基板内より逃
げようとする。
これらの現象を防止するため、第三の本発明において
は、図11に示すように、正極性又は負極性に帯電した
スペーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さ
い寸法のアースされた導電性ステージに基板を密着させ
て設置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた
状態とし、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同
極性の電圧を印加することにより、基板端部は導電性ス
テージからのアースの効果が弱まり、むしろ、透明電極
の電位に引きずられる傾向にあることから、導電性ステ
ージが基板寸法より大きい場合に比較して、基板外周部
に配置されるスペーサの数の減少を防止することができ
る。
アースされた導電性ステージは、体積抵抗1010Ωc
m以下のものが好ましい。体積抵抗値が1×1010Ωc
mを超えると、基板全体が透明電極の電位に近くなって
しまい、スペーサの配置精度が劣る。
基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態とは、
図11に示すように、基板が導電性ステージからはみ出
した状態のことである。
電気的に浮いた電極があるその部分にスペーサが集中
して散布されてしまうことから、基板上に形成された透
明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する
ときには、全ての透明電極に電圧を印加して、電気的に
浮いた電極がないようにするのが好ましい。
上記基板上の透明電極に印加される電圧は、数百V〜
数KVが好ましい。印加電圧が小さすぎると、スペーサ
の落下経路を制御しにくくなり、印加電圧が大きすぎる
と、導電性ブラックマトリックス等を用いている場合、
透明電極とブラックマトリックス間でショートしてしま
う場合がある。
上記スペーサが散布される基板は、ブラックマトリッ
クスが形成されたものであってもよく、ブラックマトリ
ックスが絶縁性のものでも、導電性のものでも上述した
のと同様の効果を得ることができる。
上記導電性ブラックマトリックスとしては特に限定され
ず、上述したものと同様のもの等が挙げられる。
また、上記ブラックマトリックスは、導電性ブラック
マトリックスであり、上記導電性ステージは、基板の各
表示領域のブラックマトリックスの額縁外周部よりも小
さい寸法の1つ又は2つ以上のものであるのが好まし
い。この場合には、基板外周部に配置されるスペーサの
数の減少をより防止することができる。
図12は、本発明の液晶表示装置の製造方法における
一般的なコモン電極基板上のブラックマトリックスの額
縁状態を説明するための平面及び断面概念図である。第
一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基
板のうち少なくとも一方の基板は、液晶表示装置用カラ
ーフィルタ基板であり、図12で示すように、ブラック
マトリックスが形成されている。外ブラックマトリック
スは表示領域内で格子状に画素を区画している。また、
図12では、分断ラインが形成され、分断ラインの外側
の領域は、基板上の表示領域外に設けられたダミー電極
からなるダミー電極領域となっている。上記分断ライン
とは、第一の基板と第二の基板とを貼り合わせた後、基
板を切断する際に基準となるラインである。
上記ブラックマトリックスの額縁状態の領域の外側の
ダミー電極部分にも、ベタ状のマスクとしてブラックマ
トリックスが残されている場合もある。その場合、図1
2の断面概念図で示すように、ブラックマトリックスの
位置と透明電極からなる領域は、ほぼ一致している。
このような構成の液晶表示装置用カラーフィルタ基板
においては、導電性ブラックマトリックスが形成されて
いる領域よりも小さな導電性ステージを用いても、アー
スされた導電性ステージの効果は上記導電性ブラックマ
トリックス全体の領域に及び、導電性ブラックマトリッ
クスの電位が下がるため、導電性ブラックマトリックス
の領域が導電性ステージの効果を担うことができる。
従って、導電性ステージが基板よりも小さくても、導
電性ブラックマトリックスが存在する領域は、スペーサ
を配置するのに適する電場が形成される。
このとき、導電性ブラックマトリックスの額縁外の領
域はアースされていないため、基板のガラス部の電位が
透明電極に印加した電圧に引きずられ、その電位が透明
電極の電位に近づく方向に上昇する。導電性ブラックマ
トリックスの額縁外の領域がアースされていない状態と
は、例えば、導電性ブラックマトリックスがあっても分
断ラインにより切れている場合、導電性ブラックマトリ
ックスの額縁外に導電性ブラックマトリックスが存在し
ない場合等が挙げられる。
この状態で表示領域内と表示領域外の電位を比較する
と、表示領域内は、透明電極に印加した高い電圧による
高い電位と、透明電極間の低い電位とが存在することに
なる。
一方、表示領域外は、図13に示すように、ダミー電
極を形成すると、ダミー電極及び基板のガラス部ともに
高い電位となる。そのため基板全体で見ると、表示領域
外に高い電位の領域が形成され、表示領域内に低い電位
の領域が形成されることになる。
従って、表示領域外の高い電位の領域が斥力の壁とな
り、表示領域内のスペーサが表示領域外へ逃げるのを防
止することになる。これにより、表示領域内のスペーサ
数は均一となるため、セル厚も均一化され、液晶表示装
置は均一な表示性能を有することになる。
スペーサが散布される基板が多数の表示領域の形成さ
れた多面取りである場合でも、ブラックマトリックスが
導電性の場合には、各表示領域のブラックマトリックス
の額縁外周部よりも内側になる大きさの複数の導電性ス
テージを設けることにより、全ての表示領域に対して、
上述したのと同様の効果を得ることができる。
この場合、複数の表示領域に対応して、分割された複
数の導電性ステージを設置してもよいし、一つの導電性
ステージに溝を形成して、複数の導電性ステージを設置
してもよい。
上記導電性ステージと基板との接触面積は、表示領域
面積の30%以上であるのが好ましい。
上述したように導電性ブラックマトリックスが形成さ
れている場合、その領域よりも小さな導電性ステージを
設置するときでも、導電性ブラックマトリックスが導電
性ステージの効果を担うため、表示領域は、スペーサの
配置に適する電場が形成される。
しかしながら、導電性ステージと表示領域(ブラック
マトリックスの領域)との接触面積が小さすぎると、ア
ースの効果が薄れてしまう。従って、表示領域にスペー
サの配置に適する電場を形成する為には、導電性ステー
ジと基板との接触面積が、基板上の表示領域面積の30
%以上であるのが好ましい。30%未満であると、アー
スの効果が薄れ、スペーサの配置に適する電場が崩れ
て、スペーサの表示領域外周部への配置が行えにくくな
る。
第四の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、スペーサが散布
される基板の水分を除去する工程と、アースされた導電
性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明
電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してス
ペーサを散布する工程とからなる液晶表示装置の製造方
法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第四の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
第三の本発明において説明したように、例えばSTN
型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを
散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向
膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに
密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペ
ーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペー
サを透明電極の間隙に配置することができる。この場
合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステ
ージに密着させることにより、配置に適する電場が形成
される。
上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が必要で
あり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密
着していればよい。
一般的に、STN型液晶表示装置であれば、スペーサ
の散布はラビング工程後に行われる。ラビング工程は、
ドラムに巻き付けた布状の合成樹脂等で配向膜表面を擦
るため、その毛等が基板に付着することがあり、ラビン
グ工程後に水洗浄される場合がある。この水はエアーナ
イフ等で吹き落とされるが、充分に乾燥されてはいな
い。
また、充分に乾燥された基板であっても、空気中には
水分が存在するため、時間とともにある程度の水分が基
板上に付着する。この場合、湿度等が変化すると、それ
に伴い付着する水分量も変化する。
透明電極に電圧を印加してスペーサを選択的に配置す
る方法では、透明電極には数百V〜数kVの高電圧を印
加する。従って、上述したように、水分が付着した基板
により、図1に示すような状態でスペーサの配置を行お
うとすると、配向膜が形成されていない部分(電極が露
出している部分)や、配向膜が形成されていても極薄膜
である部分等は、水分の存在により、図14に示すよう
に、基板表面の水分を伝わり微少電流がステージ側にリ
ークする。
上記リークが起こると、配置に利用される電場は、上
述した図1に示すような状態から、静電誘導により導電
性ステージ自体が電極の電位付近まで電位が上昇するた
め、電極間の電位は下がることがなく、図15に示すよ
うな状態に近くなり、有効な電位分布を得ることができ
ず、選択的な配置が行えなくなる。
更に、基板側とステージ側との絶縁が取れていたとし
ても、基板表面が水分で覆われていると、電極間隙の抵
抗が低下することになるので、乾燥状態では上述した図
1に示すような電位分布であったものが、水分の存在に
より図16に示すような電位分布となり、均一に近い状
態となるので、スペーサの選択配置性も弱まる。
上記基板への水分付着は、環境湿度、温度等により変
化するため、同電圧印加条件、同散布条件でスペーサを
散布しても、配置に利用される電場が異なってしまうた
め、違った配置状態を示すことになる。
通常、液晶表示装置の製造工程の温度及び湿度はある
程度管理されてはいるが、季節等の経過により変動は生
じていた。また、ラビング後の水洗浄後の散布までの時
間や、水切り状況等によっても付着水分量は変化する。
従って、このような環境や工程等の違いにより付着水分
量が変化するため、スペーサの配置状況も変わり、液晶
表示装置の表示性能におけるバラツキの原因となってい
た。
また、たとえ、ある一定の付着水分量で安定していた
としても、基板の水分量がより少なくなれば、スペーサ
の配置に適する電場が形成されやすい。従って、スペー
サが散布される基板の水分を除去する工程を設けること
により、スペーサの配置に適する電場が安定的に形成さ
れるため、スペーサの選択配置性が向上し、コントラス
ト、表示均一性に優れた液晶表示装置が安定的に製造可
能となる。
上記スペーサが散布される上記基板の水分を除去する
工程は、散布前に基板を加熱することにより行える。ま
た、散布中に基板を加熱することにより行ってもよい。
更には、散布前に基板を加熱し、散布中にも加熱するこ
とにより行ってもよい。
上記基板の加熱は、オーブン、ホットプレート、赤外
線加熱等による方法により行うことができ、基板の温度
が上昇するものによるのであれば特に制限はない。基板
の温度が上昇することにより、付着水分は減少するた
め、基板表面の抵抗が高くなり、電流がリークすること
がなくなり、安定的に高精度にスペーサの配置が行える
ようになる。
上記基板の加熱における加熱温度は、50℃以上が好
ましい。50℃よりも温度が低いと、水分を除去する効
果は小さい。より好ましくは90℃以上である。また、
上記基板の加熱は温度及び時間によりその効果が変わる
ため、環境湿度及び付着水分量により、上記加熱方法及
び加熱温度を適宜選択する必要がある。
また、環境湿度により異なるが、加熱してからスペー
サを散布するまで時間があまり経過すると、基板の冷却
後に再び水分が付着していまう場合があるため、基板の
加熱後は直ちにスペーサの散布を行うのが好ましい。
ただし、基板が熱い状態でステージ上に設置すると、
冷却過程で基板が反ってしまう場合があり、ステージと
の密着不良で配置状態が悪化する場合があるので、ある
程度の冷却時間が必要である。
上記散布中の基板の加熱は、ステージをホットプレー
ト状態にしておくか、散布槽内に赤外線加熱装置を設け
る等にして行うことができる。
上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程
は、基板上下面に乾燥気体でのエアーブローをすること
により行うことも可能である。充分に乾燥気体で基板上
下面をエアーブローすることにより付着水分は減少す
る。上記乾燥気体は絶乾状態に極力近い乾燥状態が好ま
しい。
また、上記乾燥気体の温度は室温以上であることが好
ましい。室温より低い温度でのエアーブローであると、
使用する気体が乾燥状態であっても、気体により基板の
熱が奪われ、基板温度が下がってしまい、結露水分が付
着してしまう場合がある。
上記乾燥気体としては、乾燥窒素ガス、乾燥空気等を
用いることが可能である。
上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程
は、溶剤で水分を置換することにより行うことも可能で
ある。例えば、溶剤で基板裏面、基板外周部分を拭くこ
とによりステージへの電流リークは少なくなる。また、
溶剤に基板をディッピング(浸漬)して乾燥することに
より水分除去が行える。更には、溶剤で水分を置換後、
加熱乾燥することにより乾燥時間が短縮でき、生産時の
タクトタイムが向上する。上記溶剤としては特に限定さ
れないが、アセトン等の、水となじみ、沸点の低いもの
が好ましい。
上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程
は、基板を真空下に放置するか、又は、真空下で加熱す
ることにより行うことも可能である。真空下に基板を放
置することにより水分除去を行うことができ、更には、
真空下で加熱することにより、より効率的に水分除去を
行うことができる。上記基板を真空下に放置するには、
真空乾燥機等を好適に用いることができる。
上述した工程による基板の水分除去の確認方法は、透
明電極と導電性ステージとの間に、図17に示すように
エレクトロメーター等を設置し、上述した水分除去の工
程後に、透明電極に1kVの電圧を印加した場合に、透
明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6
以下になることを目安にするのが好ましい。
上記エレクトロメータ等の設置は、電圧を印加する電
極を流用してもかまわないし、新たに電極を設けてもよ
い。電極の形状は、針状、平面状等どのような形状でも
よく、電極の材質は、導電性のものであればどのような
ものでもよいが、電極としては、例えば、検査用コンタ
クトプローブ等を使用することができる。
上記電極は、基板を散布装置内に挿入するときに障害
にならないように設置することが必要であるが、例え
ば、基板自身又は電極が上下するような機構を設けるこ
とにより、散布装置内に電極を設けて基板を挿入するこ
とが実現可能である。
上述したように、基板表面に水分が付着している場
合、透明電極に電圧を印加すると微少電流が流れるた
め、配置に適する電場が形成されなくなる。従って、透
明電極に1kVの電圧を印加した場合に、透明電極と導
電性ステージとの間に流れる電流が10-6Aよりも多い
と、配置に適する電場が形成されにくいためスペーサの
選択配置性が低下することがあり、10-6A以下である
と、配置に適する電場が形成されてスペーサは高い選択
配置性を示す。
上述したように、透明電極に1kVの電圧を印加した
場合に、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流
が10-6Aよりも多いと、配置に適する電場が形成され
にくいためスペーサの選択配置性が低下することがある
が、この電流が多いと電圧降下により透明電極の電圧が
低下することを利用して、基板上の電圧を測定すること
により代用することもできる。この場合、入力抵抗の充
分高い電圧計をエレクトロメーターと同様に設置し、電
圧計の測定値が測定精度の範囲内で印加電圧と等しいこ
とを確認すればよい。
なお、スペーサの配置を行うときは、透明電極に印加
する電圧を1kVにする必要はなく、あくまでも、透明
電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6A以
下になることは水分除去の確認方法としての指標であ
る。
スペーサの帯電極性と同極性の電圧を透明電極に印加
することによりスペーサをブラックマトリックス部分に
配置させることによる液晶表示装置の製造方法を行う場
合に、同条件、同様基板を用いても、スペーサがブラッ
クマトリックス部分に配置する比率が常に一定ではな
く、時と場合により変化してしまうという問題があった
が、原因を鋭意検討した結果、環境中(空気中)の水分
が影響してスペーサのブラックマトリックス部分への選
択配置性が変化してしまうことが判明し、散布される基
板の水分を除去する工程を設けることにより、基板表面
の絶縁性が高まり、透明電極からのリーク電流がなくな
り、スペーサを配置させるための電場が安定的に形成さ
れるようになる。その結果、歩留まりよく、かつ、高精
度にスペーサをブラックマトリックス部分に配置させる
ことが可能となる。
第五の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、アースされた導
電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透
明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加して
スペーサを散布する工程からなり、スペーサの散布前及
び散布中に用いる基板の特性として、基板上の透明電極
に1kVの電圧を印加したときに、基板上の透明電極と
導電性ステージとの間に流れる電流を10-6 以下であ
る基板を用いる液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第五の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
第四の本発明において説明したのと同様に、基板への
水分付着は環境湿度、温度等により変化するため、同電
圧印加条件、同散布条件でスペーサを散布しても、配置
に利用される電場が異なってしまうため、違った配置状
態を示す。
従って、アースされた導電性ステージに基板を密着さ
せて設置し、基板電極にスペーサの帯電極性と同極性の
電圧を印加し、スペーサを電極間隙に高精度に、安定的
に配置させるためには、基板上の水分状態を確認し、管
理する必要がある。
上記基板上の水分状態を確認する方法は、上述したの
と同様に、図17に示すように、透明電極と導電性ステ
ージとの間にエレクトロメーター等を設置して確認する
方法等が挙げられる。
上記エレクトロメーター等を設置して確認する方法
は、散布を行う基板の透明電極に電圧を印加し、透明電
極と導電性ステージとの間に流れる電流を測定する。こ
のとき、基板が湿度等の影響を受けて水分が多ければ、
透明電極からステージに流れるリーク電流は多くなり、
基板が乾燥状態であれば、リーク電流は少なくなる。
従って、散布前、散布中とも基板に付着する水分量を
確認する目的で、透明電極に1kVの電圧を印加して、
エレクトロメーター等により透明電極と導電性ステージ
との間に流れる電流を確認し、該電流を10-6A以下に
管理して、透明電極と導電性ステージとの間に流れる微
小電流を制御することによりスペーサの配置性は安定す
る。
なお、スペーサの配置を行うときは、透明電極に印加
する電圧を必ずしも1kVにする必要はなく、あくまで
も、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が1
-6A以下になることは水分量の確認手法として行うも
のである。
上記液晶表示装置の製造方法は、透明電極と導電性ス
テージとの間に流れる電流を10-6A以下に管理するた
め、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設
置し、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧を印加してスペーサを散布する工程を、室温18
℃〜28℃及び相対湿度50%以下に管理して行うこと
が好ましい。
更に、上記基板を保管する場合等も、基板を室温18
℃〜28℃及び相対湿度50%以下の環境下に置くのが
好ましい。
相対湿度50%以下で室温18℃よりも低い温度であ
ると、作業環境より温度が低くなりすぎ、逆に結露を起
こしてしまう場合があり、相対湿度50%以下で室温2
8℃よりも高い温度であると、作業環境として不適切で
ある。また、相対湿度50%よりも高いと、空気中の水
分が多くなるため、恒常的に基板上に水分が付着し、高
精度のスペーサの配置が行いにくくなる。
スペーサの帯電と同極性の電圧を透明電極に印加する
ことによりスペーサをブラックマトリックス部分に配置
させることによる液晶表示装置の製造方法を行う場合
に、散布される基板の水分を管理することにより、スペ
ーサを配置させるための電場が安定的に形成されるた
め、歩留まりよく、かつ高精度にスペーサをブラックマ
トリックス部分に配置させることが可能となる。
第六の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極
性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アー
スされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、
かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透明電
極から外し、基板に電荷が残留している間にスペーサを
散布する液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第六の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
第三の本発明において説明したように、例えばSTN
型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを
散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向
膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに
密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペ
ーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペー
サを透明電極の間隙に配置することができる。この場
合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステ
ージに密着させることにより、配置に適する電場が形成
される。
上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下であるこ
とが必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でス
テージと密着していればよい。それ以上の体積抵抗では
基板全体が透明電極の電位に近くなってしまい、配置精
度が劣ってしまう。
ここで、図18に示すように、アースされた導電性ス
テージに基板を密着させて設置して、かつ、スペーサが
散布される基板上に形成されたパターン状の透明電極に
スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加することによ
り、配置に適する電場が形成される。その後、電圧印加
装置からの端子を透明電極から外すと、透明電極に電荷
が蓄積され、ある一定の間は電荷が残留する。
従って、配置に適する電場が一定期間維持されること
になり、この状態でスペーサを散布することにより、ス
ペーサを透明電極間に配置することができる。
このとき、パターン状の透明電極にスペーサの帯電極
性と同極性の電圧を印加したまま、電圧印加装置からの
端子を透明電極から外す必要がある。端子を外さずに電
圧の印加を中止すると、電圧印加装置を通じて電荷が流
出するため、配置に適する電場が得られなくなる。
上記基板と共に移動する導電性ステージ(テーブルと
もいう)は、電圧を印加するときにアースされていれ
ば、板状のものであっても、アルミニウム箔のようなフ
ィルム、シート状のものであってもよい。
パターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧の印加を行う場合、ある程度の時間をかけて行う
のが好ましい。電圧の印加時間が長いと、蓄積される電
荷が多くなり、電圧印加装置からの端子を外した後も長
い時間効果が持続するためである。
また、例えば2.0kVの電圧を印加しながら散布を
行い、その電圧での配置が確認できた場合、第七の本発
明を用いる場合は、例えば2.5kVというように大き
めの電圧を印加しておくのが好ましい。
これは、時間の経過と共に帯電が減衰するため、その
減衰分を見込んでおく必要があるからである。
更に、アースされた導電性ステージは、移動可能なも
のであって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基
板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに
基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極に
スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した後、電圧
印加装置からの端子を透明電極から外し、導電性ステー
ジと基板とが密着した状態を保って散布装置内に移動さ
せ、スペーサを散布することによっても、アースされた
導電性ステージ上で電圧を印加することによりスペーサ
の配置に適する電場が形成され、透明電極間にスペーサ
を配置することができる。
上記基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧を印加した状態で電圧印加装置からの端子を外す
と、基板には電荷が残留し、配置に適する電場が維持さ
れる。ここで、基板と導電性ステージとが密着した状態
を保っていれば、移動後に「テーブル+基板」がアース
された場所に置かれようと、絶縁性の場所に置かれよう
と、形成された電場は維持され、スペーサの適正な配置
を行うことができる。
従って、図19に示すように、スペーサの散布工程前
にアースされた導電性ステージ上で透明電極に電圧を印
加しておき、そのテーブルごと散布装置内に流すことに
より、散布装置内で電圧の印加を行う工程を省くことが
でき、タクトを早めることができる。つまり、散布装置
内で先行している基板にスペーサを散布中に、次に散布
する基板に対して電圧を印加する工程を終了させてしま
うことができ、表示部にスペーサの存在しない、コント
ラストの高い液晶表示装置を効率よく製造することがで
きる。
第七の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及
び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上
に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基
板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入して
なる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極
性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アー
スされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、
かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性
の電圧を印加した状態で一定時間保持した後、電圧を印
加した状態を保持したままスペーサの散布を行う液晶表
示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。また、第一の本発明において説明したのと同様
に、第七の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型
液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
第三の本発明において説明したように、例えばSTN
型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを
散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向
膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに
密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペ
ーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペー
サを透明電極の間隙に配置することができる。この場
合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステ
ージに密着させることにより、配置に適する電場が形成
される。
上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下であるこ
とが必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でス
テージと密着していればよい。それ以上の体積抵抗では
基板全体が透明電極の電位に近くなってしまい、配置精
度が劣ってしまう。
アースされた導電性ステージに基板を設置した状態
で、基板上の透明電極に電圧を印加すると、静電的に基
板は導電性ステージに密着される。
このとき、電圧を印加した瞬間では、基板と導電性ス
テージとの間には空気層が形成されており、完璧な密着
状態は達成されていないと考えられる。
ここで、スペーサの配置に適する電場は、基板と導電
性ステージとが密着することにより形成される。従っ
て、基板と導電性ステージとの間に絶縁層である空気層
が存在すると、透明電極間の電位が充分に下がらず、ス
ペーサの配置精度が悪化する傾向にある。
そこで、透明電極に電圧を印加した状態であれば、導
電性ステージと基板とは静電的に引き合っているため、
この力により空気は徐々に抜け、導電性ステージと基板
との間の高い密着状態が達成され、安定的にスペーサの
配置に適する電場が形成される。
この場合、電圧を印加した状態で少なくとも5秒以上
保持することにより、導電性ステージと基板との間の空
気が充分に抜け、安定的に高いスペーサの配置精度の確
保ができることから好ましい。
第八の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
導電性ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配
向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対
向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基
板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙
に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であっ
て、第一の基板は、透明電極の内部に、導電性ブラック
マトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極
が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、
正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に
散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して
電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧
(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電
極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、か
つ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負
極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>
V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。
上記導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート
層としては、第二の本発明において説明したのと同様で
ある。
上記第一の基板には、図2に示すように、透明電極の
内部で、ブラックマトリックスの直上領域の内側になる
ように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成さ
れている。
図20〜23は、このようなエッチング領域が形成さ
れた第一の基板を模式的に示す概念図である。
図20〜23に示すように、このエッチング領域は、
上記ブラックマトリックスの直上領域の内側において、
透明電極に所定の形状にエッチングを行うことにより形
成される。
エッチング領域の位置としては、水平方向又はそれに
直交する方向の線状ブラックマトリックスの直上領域の
内側、ブラックマトリックスが交差する部分の直上領域
の内側等が挙げられる。また、その形状としては特に限
定されず、線形状、矩形状(図20、23)、円形状、
十字形状(図21)、ストライプ形状(図22)等が挙
げられる。さらに、上記エッチング領域の形成頻度も特
に限定されず、ドットピッチ毎、画素ピッチ毎、数画素
おき、水平方向又は垂直方向のどちらか一方又は両方等
が挙げられる。
通常、TFT型液晶表示装置では、カラーフィルタを
含む第一の基板をコモン電極としており、透明電極はベ
タ電極が形成されている。そして、第一の基板では、ベ
タ電極に電圧を印加し、画素毎の電圧の制御は、第二の
基板に形成された薄膜トランジスタ及び透明電極を用い
て行っている。
従って、ベタ電極にエッチングを施してエッチング領
域を形成しても、組み立てられた液晶表示装置では、従
来の場合と同様に表示部に電圧が印加され、表示には全
く悪影響を及ぼさない。
第八の本発明においては、正極性又は負極性に帯電し
たスペーサを第一の基板上に散布するに際し、ブラック
マトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透
明電極に対して電圧(V2)を印加する。
上記電圧の種類としては、第一の本発明において説明
したのと同様である。
上記導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V
1)を印加し、透明電極に電圧(V2)を印加すること
により、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電
性ステージに基板を密着させて設置しなくても、図2に
示すように、図1に示したのと同様に、スペーサの配置
に適する電場が形成される。
例えば、スペーサの帯電が正帯電の場合、ともに正電
圧で、かつ、V1<V2とすることにより、透明電極の
部分が強い斥力となり、ブラックマトリックスの部分が
弱い斥力となるため、スペーサはブラックマトリックス
の部分に配置させることができる(負帯電の場合も同
様)。
上記V1とV2とをスペーサの帯電と同極性にする理
由は、スペーサの落下位置を高い精度で制御するために
は、kV程度の斥力が必要である。ここで、V1とV2
とを異極性にしてしまうと、透明電極とブラックマトリ
ックスとの電位差がkVとなってしまうため、オーバー
コート層が2〜5μmと薄いので、透明電極とブラック
マトリックスとの間でショートしてしまい、スペーサの
配置に適する電場が形成されなくなってしまう。従っ
て、V1とV2との電位差は、100V以内が好まし
い。100V以内という小さな電位差であっても、斥力
の中での電位差のため、スペーサの配置制御を達成する
ことができる。
上記V1とV2との関係については、第二の本発明に
おいて説明したのと同様である。
第九の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、
ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のう
ち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶
を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一
の基板は、透明電極の内部に、ブラックマトリックスの
直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエ
ッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極
性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際
し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ス
テージに第一の基板を密着させて設置して、透明電極に
対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5
kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。上記オーバーコート層としては、第二の本発明に
おいて説明したのと同様である。
アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電ステー
ジに基板を密着させて設置することにより、図2に示す
ように、透明電極間隙の電位が下がり、図1に示したの
と同様に、スペーサの配置に適する電場が形成され、エ
ッチング領域(線間)にスペーサが配置されることにな
る。
上記透明電極に印加される電圧は、200V〜5kV
である。200V未満であると、スペーサの配置制御を
達成するのに充分なだけの電位差が生じないことがあ
り、5kVを超えると、透明電極と導電性ブラックマト
リックスとの間でショートが起こりやすくなる。
上記電圧の種類としては、第一の本発明において説明
したのと同様である。
第九の本発明において、帯電したスペーサの散布を行
う際、透明電極に形成された電場がスペーサの帯電極性
に対して斥力として働くため、第一の基板の外周部分に
散布されたスペーサが外に逃げやすい。そのため、第一
の基板の外周部分に配置されるスペーサの量は少なくな
る傾向が生じる。
通常、透明電極は第一の基板の表示領域にしか形成さ
れていない。しかし、第八及び第九の本発明の場合、透
明電極を表示領域の外側にも形成し、表示領域と同様の
電圧を印加しておくのが好ましい。これにより、スペー
サ数の減少は、表示領域外で発生することになり、表示
領域の内部では、均一にスペーサが配置される。
第十の本発明は、少なくともパターン状の透明電極か
ら構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置
される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のう
ち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶
を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一
の基板は、透明電極の内部に、第一の基板又は第二の基
板に形成されたブラックマトリックス領域の内側になる
ように、周囲の透明電極と接続されていない電気的に浮
いた状態の孤立透明電極が形成されたものであり、正極
性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布
するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の
導電性ステージに第一の基板を密着させて設置した後、
第一の基板の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサ
の帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製
造方法である。
TFT型液晶表示装置を構成する第一の基板では、通
常、図2に示すように、ガラス基板及びブラックマトリ
ックス上にカラーフィルター層が形成され、このカラー
フィルター層上に絶縁体からなるオーバーコート層が形
成され、更に、その上に透明電極及び配向膜(図示せ
ず)が形成されている。以下においては、第一の基板と
して、上記構成の基板を用いることを前提として説明を
行う。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方
法としては、第一の本発明において説明したのと同様で
ある。
上記ブラックマトリックスとしては、遮光性を有する
ものであれば得に限定されず、例えば、クロム、アルミ
ニウム、カーボンブラック、顔料等からなるもの等が挙
げられる。
上記オーバーコート層としては、第二の本発明におい
て説明したのと同様である。
上記第一の基板には、図24に示すように、透明電極
の内部で、上記ブラックマトリックス形成領域の内側に
なるように、周囲の透明電極と接続されていない電気的
に浮いた状態の孤立透明電極が形成されている。
図25〜28は、このような孤立透明電極が形成され
た第一の基板を模式的に示す概念図である。
図25〜28に示すように、この孤立透明電極は、孤
立透明電極の周囲を所定の幅でエッチングを行うことに
より形成される。このエッチングにより形成されたエッ
チング帯域の幅(透明電極と孤立透明電極との距離)
は、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好まし
い。上記エッチング帯域の幅が3μmより狭いと、透明
電極と孤立透明電極との間に、ショートが発生しやすく
なる。
孤立透明電極の形成位置としては、水平方向又はそれ
に直交する方向の線状ブラックマトリックス形成領域の
内側、ブラックマトリックスが交差する部分の内側等が
挙げられる。また、その形状としては特に限定されず、
線形状、矩形状(図25、28)、円形状、十字形状
(図26)、ストライプ形状(図27)等が挙げられ
る。さらに、上記孤立透明電極の形成頻度も特に限定さ
れず、ドットピッチ毎、画素ピッチ毎、数画素おき、水
平方向又は垂直方向のどちらか一方又は両方等が挙げら
れる。
第十の本発明のTFT型液晶表示装置では、第八の本
発明において説明したのと同様に、ベタ電極にエッチン
グを施し、その内部に孤立透明電極を形成しても、組み
立てられた液晶表示装置では、従来の場合と同様に表示
部に電圧が印加され、表示には全く悪影響を及ぼさな
い。
上記形態の透明電極及び孤立透明電極を有する第一の
基板をアースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性
ステージに密着させた後、第一の基板の孤立透明電極以
外の透明電極に、スペーサの帯電極性と同極性の電圧を
印加しながら、スペーサの散布を行う。
アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電ステー
ジに基板を密着させて設置することにより、図24に示
すように、透明電極間隙の電位が下がり、図1に示した
のと同様に、スペーサの配置に適する電場が形成され、
孤立透明電極上にスペーサが配置されることになる。
スペーサの配置のために必要な電圧は、スペーサの粒
径や帯電量により異なるが、200V〜5kV程度の電
圧が好ましい。5kVを超えると、ブラックマトリック
スが導電性のものである場合、透明電極と導電性ブラッ
クマトリックスとの間にショートが発生しやすく、ま
た、透明電極と孤立透明電極との間でも、ショートが発
生しやすくなり、そのために歩留りが悪化することがあ
る。200V未満であると、散布の際に落下してくるス
ペーサが、曲がり切る前に第一の基板表面に到達してし
まうので、スペーサの配置精度が悪くなることがある。
スペーサの帯電量としては、第二の本発明において説
明したのと同様である。
帯電したスペーサの散布を行う際、透明電極に形成さ
れた電場がスペーサの帯電極性に対して斥力として働く
ため、第一の基板の外周部分に散布されたスペーサが外
に逃げやすい。そのため、第一の基板の外周部分に配置
されるスペーサの量は少なくなる傾向が生じる。
通常、透明電極は表示領域にしか形成されていない
が、第十の本発明では、透明電極を表示領域の外側にも
形成し、表示領域と同様の電圧を印加しておくのが好ま
しい。これにより、スペーサ数の減少は、表示領域外で
発生することになり、表示領域の内部では、均一にスペ
ーサが配置される。
第十一の本発明は、スペーサは、気体を媒体として樹
脂製の配管又は金属製の配管を経由して散布されること
により、正極性又は負極性に帯電させられものである第
一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九
又は第十の本発明の液晶表示装置の製造方法であり、湿
式散布方法よりも、散布されるスペーサの帯電量が大き
くなり、スペーサの基板への配置精度が向上する。
第十二の本発明は、スペーサは、加熱により基板表面
に固着するものである第一、第二、第三、第四、第五、
第六、第七、第八、第九、第十又は第十一の本発明の液
晶表示装置の製造方法である。
スペーサとして、加熱等により接着性を発現するもの
を用いて基板表面に固着させることにより、配置後のス
ペーサの移動をなくして、セル厚が均一で、表示ムラの
ない高品質の表示性能を有する液晶表示装置を製造する
ことができる。
スペーサに加熱による固着性を発現させる方法として
は、スペーサ表面に熱可塑性の樹脂層を形成する方法、
スペーサ表面に反応性の基を導入する方法等が挙げられ
る。高を照射することにより、スペーサに固着性を発現
させるようにしてもよい。
第十三の本発明の液晶表示装置は、第一、第二、第
三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十
一又は第十二の本発明の液晶表示装置の製造方法によっ
て製造されてなるものであり、セル厚が均一で、表示ム
ラのない高品質の表示性能を有するものである。
発明を実施するための最良の形態 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
実施例1 基板としてSTN型液晶表示装置用のセグメント電極
基板(360×460mmのパターン状の線状透明電極
形成ガラス基板:ITO電極幅80μm、電極間隔20
μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、基板は、一枚の基板に2つの表示領域の形成さ
れた2面取りのもので、すべての線状透明電極(ITO
電極)を表示領域外の部分で導通し、電圧印加装置と接
続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加で
きるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を
任意に設定可能とした。
散布装置として、図29に示したような日清エンジニ
アリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたアル
ミニウム製の導電性ステージ上に表面抵抗107Ωcm
以下の帯電防止マットを密着させて敷き、その上に基板
を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加
装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布
装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるよ
うにした。
スペーサとして、ミクロパールBBS−PH(商品
名、積水フアインケミカル社製、粒子径:6.8μm)
を準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.5kV
の電圧を印加した。この状態を保って、スペーサが負極
性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させること
により、スペーサを、1.75kg/cm2 の圧縮空気
で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯
電していることをあらかじめ確認した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは電極の間隙に配置されていた。すなわ
ち、ブラックマトリックス部分にスペーサが配置されて
いた。
その後、スペーサが配置された基板の導通部分を切断
し、シール形成、張り合わせ、基板切断、液晶注入等の
工程を経て、通常の方法で液晶表示装置を完成した。
実施例2 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板
(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマト
リックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各
画素の開口部は80×280μm、ブラックマトリック
ス線幅35μm、アクリル製オーバーコート層3.0μ
m、ITO電極幅290μm、電極間隔25μm、ガラ
ス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
基板電極は図3のように形成されている。
この基板を用いて、ITO電極に−2.0kVを印加
したこと以外は、実施例1と同様に操作した。
散布された基板を顕微鏡で観察したところ、スペーサ
は電極の間隙に配置されていた。すなわち、ブラックマ
トリックス部分にスペーサが配置されていた。
実施例3 帯電防止マットを取り除いてアルミニウム製の導電性
ステージの上に基板を設置したこと以外は、実施例1と
同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すな
わち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置さ
れていた。
比較例1 アルミニウム製の導電性ステージ上に樹脂製のピン状
のものを立て、その上に基板を設置し、空気による絶縁
ステージ状態としたこと以外は、実施例1と同様に操作
した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表示電極部にも配置されていた。す
なわち、スペーサは、ほぼランダムに近い状態で配置さ
れていた。
比較例2 ITO電極全体に印加する電圧を−1.0kVとした
こと以外は、実施例1と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表示電極部にも配置されていた。す
なわち、スペーサは、ほぼランダムに近い状態で配置さ
れていた。
実施例4 基板として、図3に示したような、ダミー電極を有さ
ないSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パター
ン状の線状透明電極、金属クロム製ブラックマトリック
ス及び顔料分散型カラーフィルタ形成ガラス基板:RG
B各画素の開口部80×285μm、RGB層の厚み
1.5μm、金属クロム製ブラックマトリックス線幅2
0μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、
ITO電極幅290μm、電極間隔15μm、ガラス厚
0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
針状の電極が多数形成された電圧印加用の治具でIT
O電極の一方向の末端をすべて接続し、電圧印加装置と
接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加
できるようにした。
また、表示領域外でITO電極層、オーバーコート層
を削り落とし、ブラックマトリックスの一部を露出さ
せ、ブラックマトリックス部にも別の電圧印加装置を接
続し、直流電圧を印加できるようにした。2つの電圧印
加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
基板を、比較例 1 と同様にして、ステージを絶縁状
態として散布装置内に設置した。
スペーサとして、ミクロパールBBS−PH(商品
名、積水フアインケミカル社製、粒子径:5.3μm)
を準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.50k
Vの電圧を印加し、ブラックマトリックス部に−2.4
8kVの電圧を印加して、20Vの電位差を形成した。
この状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電する
ステンレス製配管を経由させることにより、スペーサ
を、1.75kg/cm2 の圧縮空気で基板上に散布し
た。このとき、スペーサは負極性に帯電していることを
あらかじめ確認した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置さ
れていた。
実施例5 オーバーコート層の表面に、図5に示したように、線
状透明電極及びダミー電極が形成され、この線状透明電
極とダミー電極とが導通しており、それ以外は実施例4
の場合と同様に構成された基板を用い、電圧印加装置に
よりダミー電極部及びブラックマトリックス部に電圧を
印加した。なお、実施例4の場合と同様、ブラックマト
リックス部は、電圧を印加できるように構成されてい
る。
また、ダミー電極部に電圧を印加することにより、線
状透明電極にも、同じ電圧が印加されるようにした。印
加する電圧は、ダミー電極部が−2.50kVであり、
ブラックマトリックス部が−2.48kVと、実施例4
の場合と同様である。この後、実施例4の場合と同様に
操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマ
トリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外
周部にも、均一にスペーサが配置されており、実施例4
に比べて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態がよ
り改善された。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察し
たところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高
く、表ムラもなかった。
実施例6 実施例2において、図5に示したように、線状透明電
極及びダミー電極が形成され、この線状透明電極とダミ
ー電極とが導通しており、それ以外は実施例2と同様に
構成された基板を用い、実施例2と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表領域全体にわたり、ブラックマト
リックス部分に配置されており、特に、表示領域最外周
部分にも、均一にスペーサが配置されており、実施例2
にくらべて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態が
より改善された。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察し
たところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高
く、表示ムラもなかった。
実施例7 印加する電圧を−6.0kVとしたこと以外は、実施
例2と同様に操作したが、ITO電極とブラックマトリ
ックスとの間で放電が起こり、ショートしてしまった。
実施例8 実施例4において、ITO電極に−2.0kV、ブラ
ックマトリックスに+100Vの電圧を印加したが、I
TOとブラックマトリックスとの間で放電が起こり、シ
ョートしてしまった。
実施例9 実施例1において、図5の要領でダミー電極を形成
し、全ての線状透明電極をダミー電極とつなげた以外
は、実施例1と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマ
トリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外
周部にも、均一にスペーサが配置されており、実施例1
に比べて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態がよ
り改善された。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察し
たところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高
く、表ムラもなかった。
実施例10 図4に示したように、線状透明電極及びダミー電極が
形成され、線状透明電極とダミー電極とが導通していな
い構造を有する基板において、棒状電極を用いて電圧印
加装置により全ての線状透明電極に−2.0kVの電圧
を印加し、ダミー電極には別の電圧印加装置により、−
2.03kVの電圧を印加したこと以外は、実施例2と
同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマ
トリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外
周部にも、均一にスペーサが配置されていた。
実施例11 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモ電極基板
(パターン状の線状透明電極、樹脂性ブラックマトリッ
クス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素
の開口部は80×280μm、樹脂性ブラックマトリッ
クス線幅35μm、アクリル樹脂製オーバーコート層
3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔25μ
m、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、基板は、一枚の基板に2つの表示領域の形成さ
れた2面取りの基板を用いた。
ITO電極は、基板より約10mm内側から図5に示
したように形成され、ダミー電極を電圧印加装置と接続
して、基板上のダミー電極に電圧を印加すると、基板上
のすべてのITO電極に直流電圧が印加されるようにし
た。
散布装置として、図30に示したような日清エンジニ
アリング社製のDISPA−μR(商品名)散布装置を
用い、図11に示したように、導電性ステージは、基板
上のITO電極領域とほぼ一致させ、基板端部から約1
0mm内側の大きさのものを用いて散布装置内に設置し
た。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電
圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き
込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、
積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を
準備した。
次いで、ダミー電極に電圧を印加して、基板上のすべ
てのITO電極に−2.0kVの電圧を印加した。この
状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電するステ
ンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧
縮窒素で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極
性に帯電していることをあらかじめ確認した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すな
わち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置さ
れていた。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、従来の液晶表
示装置の製造方法によりスペーサを散布させた場合と異
なり、画素部にスペーサが存在しないため、コントラス
トが高く、表示領域全体にわたりスペーサが配置されて
いるため、良好な表示均一性の表示性能を有するもので
あった。
実施例12 ブラックマトリックスとして、線幅35μmの金属ク
ロムブラックマトリックスを用い、導電性ステージとし
て、図13及び図30に示したように、基板上の2つの
表示領域のブラックマトリックスの額縁から5mm内側
に、それぞれ対応するように2つに分割されているもの
を用いたこと以外は、実施例11と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すな
わち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置さ
れていた。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、従来の液晶表
示装置の製造方法によりスペーサを散布させた場合と異
なり、画素部にスペーサが存在しないため、コントラス
トが高く、表示領域全体にわたりスペーサが配置されて
いるため、良好な表示均一性の表示性能を有するもので
あった。
実施例13 導電性ステージとして、基板よりも50mm大きなも
のを用いたこと以外は、実施例11と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、電極の間隙、すなわち、ブラックマ
トリックス部分に配置されていたが、表示領域外周30
mm付近にはほとんど配置されていなかった。
その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。完成した液晶表示装置は、表示領域中央
付近は、コントラストが高く、良好な表示性能を有する
ものであったが、表示領域外周部は、スペーサが存在し
ないため、セル厚が小さくなり、表示ムラを有するもの
であった。
実施例14 導電性ステージとして、表示領域の40%、30%及
び20%の大きさのものを用いたこと以外は、実施例1
2と同様に操作した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察し、そ
の後、これらの基板を用いて、通常の方法で液晶表示装
置を完成した。
表示領域の40%の大きさの導電性ステージを用いた
場合には、実施例12と同様にスペーサは電極の間隙す
なわち、ブラックマトリックス部分に配置され、完成し
た液晶表示装置も画素部にスペーサが存在しないため、
コントラストが高く、表示領域全体にわたりスペーサが
配置されているため、良好な表示均一性の表示性能を有
するものであった。
表示領域の30%の大きさの導電性ステージを用いた
場合には、若干画素部にスペーサが配置されていたが、
完成した液晶表示装置は、画素部に配置されたスペーサ
数が少ないため、コントラストへの影響はほとんどな
く、高いコントラストを有するものであった。
表示領域の20%の大きさの導電性ステージを用いた
場合には、表示領域上にほぼランダムにスペーサが配置
され、完成した液晶表示装置もコントラストの向上が見
られなかった。
実施例15 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板
(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマト
リックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各
画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラック
マトリックス線幅35μm、アクリル樹脂製オーバーコ
ート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔
25μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。その後、純水シャワーによ
り基板を洗浄後、エアーナイフで水切りを行った。
ITO電極は図5のように形成され、表示領域外の一
カ所に電圧を供給すれば、すべての線状透明電極に電圧
が印加されるようにした。ただし、スペーサの散布後、
導通部分を切断することにより通常と変わらないコモン
電極基板となった。
散布装置として、図31に示したような日清エンジニ
アリング社製の乾式散布装置を用い、散布装置内には電
圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設け
て、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が
行えるようにした。
スペーサとして、ミクロパールBBP(商品名、積水
フアインケミカル社製、、粒子径:7.25μm)を準
備した。
次いで、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程とし
て、準備したカラーフィルタ基板をオーブンにて90
℃、30分の加熱乾燥を行い、水分の除去を行った。乾
燥工程後の基板をアースされたステンレス製の導電性ス
テージに密着させて設置し、基板に反りが起こっていな
いことを確認後、直流電源からの端子を表示領域外でI
TO電極部に接続し、+2.00kVの電圧を印加し、
続いてスペーサが正極性(+)に帯電するステンレス製
配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮窒素で
基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電
していることをあらかじめ確認した。
スペーサ散布における作業環境は室温23℃、相対湿
度70%であった。なお、この加熱後の基板の透明電極
に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージ間に流
れる電流を検査したところ、10-12A台であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置
されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在
しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例16 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以
外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の
透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステー
ジとの間に流れる電流を検査したところ、10-5A台で
あった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、ITO電極間隙にも配置されていた
が、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く配置
されていた。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響
でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例17 基板の加熱温度を40℃、30分にした以外は、実施
例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に
1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に
流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スペーサは、ITO電極間隙にも配置されていた
が、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも配置され
ていた。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響
でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例18 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに以下
の操作を行った以外は、実施例15と同様に操作した。
散布槽中にホットプレートを設置し、更にその上にア
ルミ製の薄板をホットプレートの天板に密着させて設置
し、そのアルミ板をアースし、ホットプレートを加熱し
てアルミ板表面を150℃に保った。次に、基板をアル
ミ板に密着させて設置し、透明電極部に+2.00kV
の電圧を印加し、3分後に実施例15と同様に散布し
た。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加し
て、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査した
ところ、10-11A程度であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例19 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基
板の上下方向から気体温度45℃の乾燥窒素ガスを充分
に吹き付けたこと以外は、実施例15と同様に操作し
た。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加し
て、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査した
ところ、10-10A程度であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例20 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基
板をアセトン中にディッピングし、エアーナイフで基板
上からアセトンを除去したこと以外は、実施例15と同
様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電
圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流
を検査したところ、10-7A程度であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例21 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基
板を真空乾燥機中に入れ、1Paの真空度に減圧して5
時間放置後、直ちに線状透明電極に電圧を印加してスペ
ーサの散布を行ったこと以外は、実施例15と同様に操
作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印
加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査
したところ、10-11A程度であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例22 基板の保管場所の環境、及び、スペーサ散布における
作業環境を室温23℃、相対湿度40%で制御し、スペ
ーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以外は、
実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電
極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの
間に流れる電流を検査したところ、10-7A台であっ
た。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例23 基板の保管場所の環境、及び、スペーサ散布における
作業環境を室温23℃、相対湿度85%で制御し、スペ
ーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以外は実
施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極
に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間
に流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に配置されて
いたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く
配置されていた。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響
でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例24 基板をあらかじめ室温23℃、相対湿度20%の環境
下に保管しておき、直ちに実施例15同様の操作をし
た。ただし、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜
き、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対
湿度50%で制御した。なお、この基板の透明電極に1
kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流
れる電流を検査したところ、10-8A台であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に
配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが
存在しなかった。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないた
め、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例25 基板をあらかじめ室温8℃、相対湿度10%の環境下
に保管しておき、直ちに実施例15と同様の操作をし
た。ただし、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜
き、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対
湿度50%で制御した。なお、この基板の透明電極に1
kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流
れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行っ
たところ、スペーサは、ITO電極の間隙に配置されて
いたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く
配置されていた。
その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成
した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響
でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例26 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板
(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマト
リックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各
画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラック
マトリックス線幅25μm、アクリル樹脂製オーバーコ
ート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔
15μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、基板は、すべての線状透明電極(ITO電極、
ストライプ電極)をダミー電極領域で導通し、電圧印加
装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧
を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電
圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、日清エンジニアリング社製のDIS
PA−μR(商品名、乾式散布装置)を用い、アースさ
れたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させ
て設置した。また、散布装置内には電圧印加装置(直流
電源)に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散
布装置内に配線を引き込み、基板上のダミー電極に接続
して、基板上のITO電極すべてに電圧の供給が行える
ようにした。
スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、
積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を
準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.3kV
の電圧を1分間印加した。
その後、電圧印加装置からの接続端子を外し、スペー
サが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由さ
せることにより、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布
した。このとき、スペーサは負極性に帯電していること
をあらかじめ確認した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置
されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にス
ペーサが均一に配置されていた。
実施例27 実施例26において、基板裏全面にアルミニウム箔を
密着させ、アースされたステンレス板上で電圧印加装置
からの接続端子を基板上のダミー電極に接続し、全ての
ITO電極に−2.5kVの電圧を1分間印加した。
その後、電圧印加装置からの接続端子を電極から外
し、基板とアルミニウム箔が密着した状態を保って、散
布装置内のアースされたステンレス製のテーブル上に移
動させ、実施例26と同様にしてスペーサの散布を行っ
た。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置
されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にス
ペーサが均一に配置されていた。
実施例28 実施例26において、基板裏全面にアルミニウム箔を
密着させ、アースされたステンレス板上で電圧印加装置
からの接続端子を基板上のダミー電極に接続し、全ての
ITO電極に−2.5kVの電圧を1分間印加した。
その後、電圧印加装置からの接続端子を外し、基板と
アルミニウム箔が密着した状態を保って、散布装置内の
絶縁性のテーブル(塩化ビニル樹脂製)上に移動させ、
実施例26と同様にしてスペーサの散布を行った。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したと
ころ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置
されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にス
ペーサが均一に配置されていた。
実施例29 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板
(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマト
リックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各
画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラック
マトリックス線幅25μm、アクリル樹脂製オーバーコ
ート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔
15μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、基板は、すべての線状透明電極(ITO電極、
ストライプ電極)をダミー電極領域で導通し、電圧印加
装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧
を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電
圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、日清エンジニアリング社製のDIS
PA−μR(商品名、乾式散布装置)を用い、アースさ
れたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させ
て設置した。また、散布装置内には電圧印加装置(直流
電源)に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散
布装置内に配線を引き込み、基板上のダミー電極に接続
して、基板上のITO電極すべてに電圧の供給が行える
ようにした。
スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、
積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を
準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.0kV
の電圧を印加した。
電圧を印加した直後(電圧を印加した状態の保持時間
なし)と、電圧を印加した状態を、1秒間、3秒間、5
秒間、10秒間、60秒間、それぞれ保持して、その
後、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配
管を経由させることにより、スペーサを、圧縮空気で基
板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電し
ていることをあらかじめ確認した。なお、スペーサの散
布中も、すべてのITO電極に−2.0kVの電圧を印
加した状態を保持した。
スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察し、ス
ペーサの配置状態を以下に示す配置率で評価した。
[配置率(%)]=[一定画素数内でブラックマトリックス部分に配置した スペーサ数]/[一定画素数内すべてのスペーサ数] その結果を表1に示した。
実施例30 第一の基板として、カラーフィルタ形成基板(パター
ン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス
及び顔料分散型カラーフィルタ層形成ガラス基板:RG
B各画素の開口部80×280μm、金属クロムブラッ
クマトリックス線幅35μm、顔料分散型カラーフィル
タ層の厚さ約1.5μm、アクリル樹脂製オーバーコー
ト層3.0μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
そして、図23に示したような、中央に水平方向に形
成されたブラックマトリックスの直上領域の内側になる
ように、25μm×100μmの矩形状のエッチング領
域を形成した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、カラーフィルタ形成基板の表示領域外で、透明
電極部に電圧印加装置を接続し、更に、透明電極層、オ
ーバーコート層を削り落とし、クロムブラックマトリッ
クスの一部を露出させ、ブラックマトリックス部にも別
の電圧印加装置を接続し、直流電圧を印加できるように
した。2つの電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意
に設定可能とした。
散布装置として、図32に示したような日清エンジニ
アリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたステ
ンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置し
た。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電
圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き
込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
スペーサとして、ミクロパールSP(商品名、積水フ
アインケミカル社製、粒子径:5.25μm)を準備し
た。
次いで、基板上の透明電極部に−1.5kVの電圧を
印加し、ブラックマトリックス部に−1.48kVの電
圧を印加した(透明電極部:相対−、ブラックマトリッ
クス部:相対+)。この状態を保って、スペーサが負極
性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させること
により、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。こ
のとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらか
じめ確認した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、図33に示したように、エッ
チング領域のみに配置されていた。
その後、この基板を用いて、通常の方法でTFT型液
晶表示装置を完成した。完成したTFT型液晶表示装置
は、画面を観察したところ、表示領域にスペーサが存在
しないため、コントラストの高いものであった。
実施例31 実施例30の場合と同様の基板を用い、電圧印加装置
から透明電極部に−2.0kVの電圧を印加し、ブラッ
クマトリックス部には電圧印加装置からの端子を接続せ
ず、実施例30と同様に操作した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置さ
れていた。
実施例32 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上
に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着
させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置した
こと以外は、実施例31と同様に操作した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置さ
れていた。
実施例33 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上
に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着
させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置した
こと以外は、実施例30と同様に操作した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置さ
れていた。
比較例3 透明電極部に印加する電圧を−1.5kVとし、ブラ
ックマトリックス部に印加する電圧を−1.3kVとし
たこと以外は、実施例30と同様に操作しようとした
が、透明電極と導電性ブラックマトリックスとの間にシ
ョートが発生し、結果的に電圧の印加を行うことができ
なかった。
実施例34 第一の基板として、カラーフィルタ形成基板(パター
ン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス
及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開
口部80×280μm、ストライプ方向の金属クロムブ
ラックマトリックス線幅25μm、ストライプに直行す
る方向のブラックマトリックス線幅35μm)を準備し
た。
そして、透明電極のブラックマトリックスの交差部に
相当する部分に、導電性ブラックマトリックスの35μ
mの線幅の範囲内で、かつ、その境界から7μm内側の
位置に、5μmの幅のエッチング層を形成し、図28に
示したような、11μm×40μmの矩形の孤立透明電
極を多数形成した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成
し、ラビング処理を施した。
また、カラーフィルタ形成基板の表示領域外で、透明
電極部に電圧印加装置を接続し、孤立透明電極以外の透
明電極に電圧印加装置を接続し、直流電圧を印加できる
ようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意
に設定可能とした。
散布装置として、図34に示したような日清エンジニ
アリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたステ
ンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置し
た。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電
圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き
込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
スペーサとして、ミクロパールCB(商品名、積水フ
アインケミカル社製、粒子径:5.7μm)を準備し
た。
次いで、基板上の孤立透明電極以外の透明電極に+
1.8kVの電圧を印加した。この状態を保って、スペ
ーサが正極性(+)に帯電する配管を経由させることに
より、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。この
とき、スペーサは正極性に帯電していることをあらかじ
め確認した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、図35に示したように、孤立
透明電極が形成された部分のみに配置されていた。
その後、この基板を用いて、通常の方法でTFT型液
晶表示装置を完成した。完成したTFT型液晶表示装置
は、画面を観察したところ、表示領域にスペーサが存在
しないため、コントラストの高いものであった。
なお、スペーサは、シール材の加圧、硬化過程の加熱
により、配向膜と密着し、移動等は観察されなかった。
実施例35 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上
に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着
させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置した
こと以外は、実施例34と同様に操作した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、孤立透明電極が形成された部
分のみに配置されていた。
実施例36 クロム製ブラックマトリックスの部分を顔料分散型の
ブラックレジストを用いて、クロム製ブラックマトリッ
クスの場合と同様のパターンを形成し、印加する電圧を
+2.0kVとしたこと以外は、実施例34と同様に操
作した。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、孤立透明電極が形成された部
分のみに配置されていた。
比較例4 ステージ上にフッ素樹脂からなる樹脂製のピンを立
て、その上に第一の基板を設置し、この第一の基板全体
を浮かして空気による絶縁ステージとしたこと以外は、
実施例34と同様の操作を行った。
スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察
したところ、スペーサは、ブラックマトリックス部分に
配置されていたが、透明電極上にもほぼランダムな状態
で多く配置されていた。
産業上の利用可能性 本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述の通りであ
るので、パターン状の透明電極から構成される基板から
なる液晶表示装置の製造方法であって、電極の存在しな
い電極間隙、すなわちブラックマトリックス部分にスペ
ーサを配置することができ、しかも、スペーサを表示領
域全体にわたり配置することや、歩留まりよく、高精度
にスペーサをブラックマトリックス部分に配置すること
ができ、散布装置内で基板上の透明電極に電圧を印加す
る工程を省いてタクトを早めることもできる。
従って、スペーサに起因する光漏れが無く、コントラ
ストが著しく高く、セル厚が均一で、表示ムラのない高
品質の表示性能を有する液晶表示装置を、安定的に、タ
クトを短縮して製造することができる。
また、TFT型の液晶表示装置であっても、スペーサ
に起因する光漏れが無く、コントラストが著しく高い液
晶表示装置を製造することができる。
本発明の液晶表示装置は、上述の構成よりなるので、
スペーサに起因する光漏れが無く、コントラストが著し
く高く、セル厚が均一で、表示ムラのない高品質の表示
性能を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−123397 (32)優先日 平成10年5月6日(1998.5.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−123398 (32)優先日 平成10年5月6日(1998.5.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−168634 (32)優先日 平成10年6月16日(1998.6.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−327688 (32)優先日 平成10年11月18日(1998.11.18) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 中谷 博之 日本国京都府京都市中京区新町通丸太町 下る大炊町196 アルタ・ミラ御所412 (72)発明者 ▼吉▲村 和也 日本国大阪府大阪市阿倍野区長池町22番 22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 中原 真 日本国大阪府大阪市阿倍野区長池町22番 22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 吉良 隆敏 日本国大阪府大阪市阿倍野区長池町22番 22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 池杉 大輔 日本国大阪府大阪市阿倍野区長池町22番 22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 伴 昌樹 日本国埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目 3番1号 日清製粉株式会社 生産技術 研究所内 (72)発明者 村田 博 日本国東京都中央区日本橋小網町14番1 号 日清エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 久保 正明 日本国東京都中央区日本橋小網町14番1 号 日清エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−293328(JP,A) 特開 平8−286177(JP,A) 特開 平7−120739(JP,A) 特開 平6−214203(JP,A) 特開 平6−160790(JP,A) 特開 平3−23420(JP,A) 特開 平2−308223(JP,A) 特表 平9−505911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともパターン状の透明電極、導電
    性ブラックマトリックス及びオーバーコート層から構成
    される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される
    第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散
    布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置
    の製造方法であって、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布す
    るに際し、 導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印
    加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加し
    て、 V1とV2とは、 スペーサの帯電極性が正極性である場合は、 ともに正電圧であり、かつ、 V1<V2 の関係であり、 スペーサの帯電極性が負極性である場合は、 ともに負電圧であり、かつ、 V1>V2 の関係である ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 V1とV2との電位差は、100V以内
    である ことを特徴とする請求の範囲1記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 少なくともパターン状の透明電極及び配
    向膜から構成され、1つ又は2つ以上の表示領域を有す
    る第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二
    の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布
    し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の
    製造方法であって、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布す
    るに際し、 基板寸法より小さい寸法のアースされた導電性ステージ
    に基板を密着させて設置して、基板外周端部が導電性ス
    テージから浮いた状態とし、かつ、基板上の透明電極に
    スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 スペーサが散布される基板は、ブラック
    マトリックスが形成されたものであって、 該ブラックマトリックスは、導電性のものであり、 導電性ステージは、基板の各表示領域のブラックマトリ
    ックスの額縁外周部よりも小さい寸法の1つ又は2つ以
    上のものである ことを特徴とする請求の範囲3記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 導電性ステージと基板との接触面積は、
    表示領域面積の30%以上であることを特徴とする請求
    の範囲3又は4記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくともパターン状の透明電極及び配
    向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対
    向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板に
    スペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる
    液晶表示装置の製造方法であって、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布す
    るに際し、 アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置し
    て、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同
    極性の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透
    明電極から外し、基板に電荷が残留している間にスペー
    サを散布する ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 アースされた導電性ステージは、移動可
    能なものであって、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布す
    るに際し、 アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置し
    て、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同
    極性の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透
    明電極から外し、 導電性ステージと基板とが密着した状態を保って散布装
    置内に移動させ、スペーサを散布する ことを特徴とする請求の範囲6記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 少なくともパターン状の透明電極及び配
    向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対
    向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板に
    スペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる
    液晶表示装置の製造方法であって、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布す
    るに際し、 アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置し
    て、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同
    極性の電圧を印加した状態で導電性ステージと基板との
    間の空気が抜けるまで保持した後、電圧を印加した状態
    を保持したままスペーサの散布を行う ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 電圧を印加した状態で少なくとも5秒以
    上保持した後、電圧を印加した状態を保持したままスペ
    ーサの散布を行う ことを特徴とする請求の範囲8記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 少なくともパターン状の透明電極、導
    電性ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向
    膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向
    配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板
    のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に
    液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、 第一の基板は、透明電極の内部に、導電性ブラックマト
    リックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存
    在しないエッチング領域が形成されたものであり、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に
    散布するに際し、 導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印
    加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加し
    て、 V1とV2とは、 スペーサの帯電極性が正極性である場合は、 ともに正電圧であり、かつ、 V1<V2 の関係であり、 スペーサの帯電極性が負極性である場合は、 ともに負電圧であり、かつ、 V1>V2 の関係である ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 V1とV2との電位差は、100V以
    内である ことを特徴とする請求の範囲10記載の液晶表示装置の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 少なくともパターン状の透明電極、ブ
    ラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜から
    構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置さ
    れる薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち
    第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を
    注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、 第一の基板は、透明電極の内部に、ブラックマトリック
    スの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しな
    いエッチング領域が形成されたものであり、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に
    散布するに際し、 アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステ
    ージに第一の基板を密着させて設置して、透明電極に対
    してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5k
    Vの電圧を印加する ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 少なくともパターン状の透明電極から
    構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置さ
    れる薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち
    第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を
    注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、 第一の基板は、透明電極の内部に、第一の基板又は第二
    の基板に形成されたブラックマトリックス領域の内側に
    なるように、周囲の透明電極と接続されていない電気的
    に浮いた状態の孤立透明電極が形成されたものであり、 正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に
    散布するに際し、 アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステ
    ージに第一の基板を密着させて設置した後、第一の基板
    の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサの帯電極性
    と同極性の電圧を印加する ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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