JP2004038216A - 液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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舘野  晶彦
Hiroyuki Nakatani
中谷 博之
▲吉▼村 和也
Kazuya Yoshimura
Makoto Nakahara
中原 真
Takatoshi Kira
吉良 隆敏
Daisuke Ikesugi
池杉 大輔
Masaki Ban
伴 昌樹
Hiroshi Murata
村田 博
Masaaki Kubo
久保 正明
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Abstract

【課題】 STN型液晶表示装置及びTFT型液晶表示装置において、電極の存在しない電極間隙、すなわちブラックマトリックス部分にスペーサを配置することができ、更に、スペーサをムラなく基板上に配置し、セル厚を基板全体で均一にすることを可能とし、コントラストが高く、表示均一性の高い液晶表示装置を安定的に歩留まりよく製造し、散布工程のタクトを短縮することができる液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置をも提供する。
【解決手段】 少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法。
【選択図】  なし

Description

本発明は、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置に関する。
 液晶表示装置は、パソコン、携帯型電子機器等に広く用いられている。液晶表示装置は、一般に、図36に示すように、カラーフィルタ4、ブラックマトリックス5、透明電極3、配向膜9等が形成された2枚の基板1に液晶7を挟持させてなる。
 図37に示すようなTFT型の液晶表示装置は、ガラス基板1上に、透明電極3、カラーフィルタ4、導電性ブラックマトリックス5、オーバーコート層6、配向膜9等が形成された基板1aと、ガラス基板1上に、ソース電極14a、ドレイン電極14等からなる透明電極3、絶縁膜23、半導体膜16、ゲート電極13、配向膜9等が形成された基板1bとの間に液晶7を挟持させてなる。
 これらの液晶表示装置において、2枚の基板間隔を規制し、適正な液晶層の厚みを維持しているのがスペーサである。
 従来の液晶表示装置の製造方法においては、画素電極が形成された基板上にスペーサをランダムかつ均一に散布するため、図36及び図37に示すように、画素電極上すなわち液晶表示装置の表示部にもスペーサが配置されてしまう。スペーサは一般的に合成樹脂やガラス等から形成されており、画素電極上にスペーサが配置されると消偏作用によりスペーサ部分が光漏れを起こす。また、スペーサ表面での液晶の配向が乱れることにより光抜けが起こり、コントラストや色調が低下して表示品質が悪化する。
 上述のような問題を解決するためには、非表示部である電極間隙、すなわち遮光膜であるブラックマトリックスの部分のみにスペーサを配置すればよい。ブラックマトリックスは液晶表示装置の表示コントラストの向上や、TFT型液晶表示装置の場合は、素子が外光で誤作動しないように設けられているものである。
 TFT型液晶表示装置において、ブラックマトリックス部分、すなわち、液晶表示装置の表示画素以外の部分にスペーサを配置する技術として、特開平4−256925号公報には、スペーサ散布時に、ゲート電極及びドレイン電極を同電位に保持する方法が開示されている。また、特開平5−53121号公報には、スペーサ散布時に配線電極に電圧を印加する方法が開示されており、特開平5−61052号公報には、配線電極に正の電圧を印加し、スペーサを負に帯電させて乾式で散布する方法が開示されている。
 これらの公報に記載された発明は、薄膜トランジスタ(TFT)が形成された基板を用い、これら薄膜トランジスタの配線に電圧を印加してスペーサの配置制御を行おうとするものである。
 しかしながら、薄膜トランジスタ(TFT)が形成された基板にスペーサの配置制御を行うための電圧を印加すると、その電圧で素子が破壊されてしまい、液晶表示装置としての機能を果たすことができないという問題があった。
 また、STN型液晶表示装置において、ブラックマトリックスに相当する位置は、透明電極と透明電極との間隙になっているため、上述のような技術は使えないという問題があった。
 一方、STN型液晶表示装置のように複数の線状透明電極を平行に並べて構成されたストライプ状透明電極を有する基板の電極間隙にスペーサを配置するための技術として、特開平4−204417号公報には、スペーサ散布時に、スペーサを正負いずれかに帯電させ、基板の線状透明電極に対してスペーサと同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
 この製造方法は、スペーサの帯電極性と同極性の電圧を線状透明電極に印加してスペーサと電極とを反発させることにより電極間隙にスペーサを配置しようとするものである。しかしながら、スペーサと同極性の電圧を線状透明電極に印加するのみでは、透明電極間の電位は充分に下がらず、図9に示すような状態となり、スペーサの配置に適する電場は形成されず、スペーサの配置精度が非常に悪かった。このため、得られる液晶表示装置のコントラストを充分に向上させることはできなかった。
 本発明の目的は、上記の問題点を解決するもので、STN型液晶表示装置及びTFT型液晶表示装置において、電極の存在しない電極間隙、すなわちブラックマトリックス部分にスペーサを配置することができ、更に、スペーサをムラなく基板上に配置し、セル厚を基板全体で均一にすることを可能とし、コントラストが高く、表示均一性の高い液晶表示装置を安定的に歩留まりよく製造し、散布工程のタクトを短縮することができる液晶表示装置の製造方法及びそれを用いた液晶表示装置を提供するところにある。
 第一の本発明は、少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 第二の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート層から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
 第三の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成され、1つ又は2つ以上の表示領域を有する第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さい寸法のアースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態とし、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 第四の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、スペーサが散布される基板の水分を除去する工程と、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程とからなる液晶表示装置の製造方法である。
 第五の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、上記基板上の上記透明電極に上記スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程からなり、スペーサの散布前及び散布中に用いる基板の特性として、基板上の透明電極に1kVの電圧を印加したときに、基板上の透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10-6以下である基板を用いる液晶表示装置の製造方法である。
 第六の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透明電極から外し、基板に電荷が残留している間にスペーサを散布する液晶表示装置の製造方法である。
 第七の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した状態で一定時間保持した後、電圧を印加した状態を保持したままスペーサの散布を行う液晶表示装置の製造方法である。
 第八の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、導電性ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、導電性ブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
 第九の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、ブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに第一の基板を密着させて設置して、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 第十の本発明は、少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、第一の基板又は第二の基板に形成されたブラックマトリックス領域の内側になるように、周囲の透明電極と接続されていない電気的に浮いた状態の孤立透明電極が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに第一の基板を密着させて設置した後、第一の基板の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 第十一の本発明は、スペーサは、気体を媒体として樹脂製の配管又は金属製の配管を経由して散布されることにより、正極性又は負極性に帯電させられるものである第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九又は第十の本発明の液晶表示装置の製造方法である。
 第十二の本発明は、スペーサは、加熱により基板表面に固着するものである第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十又は第十一の本発明の液晶表示装置の製造方法である。
 第十三の本発明は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一又は第十二の本発明の液晶表示装置の製造方法によって製造されてなる液晶表示装置である。
以下に本発明を詳述する。
 第一の本発明は、少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 第一の本発明の液晶表示装置の製造方法は、少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法に適用される。
 上記透明電極としては特に限定されず、例えば、透明電極を線状にしたもの等が挙げられる。また、上記パターン状の透明電極としては特に限定されず、例えば、線状透明電極が平行に並べられて構成されたストライプ状電極を基板上に形成させたもの等が挙げられる。上記ストライプ状電極は、液晶表示装置において、いわゆる表示電極として用いられているものである。また、液晶表示装置において、表示を行うための領域は表示領域であり、これは透明電極を形成している領域とその近傍部とからなる。
 第一の本発明の液晶表示装置の製造方法を適用することができる基板としては、少なくともパターン状の透明電極が形成されたものであればよく、基板状、フィルム状等の形状は特に限定されない。従って、例えば、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、オーバーコート層、パターン状の透明電極及び配向膜を有するカラーフィルタ基板や、ブラックマトリックス、オーバーコート層、パターン状の透明電極及び配向膜を有する基板等が挙げられる。ただし、金属製基板を用いる場合は、表面に形成された電極がショートしないように、金属製基板上に絶縁層を設ける必要がある。
 従って、第一の本発明の液晶表示装置の製造方法をSTN型液晶表示装置の製造に適用する場合には、パターン状の透明電極を最低限有する基板であれば、コモン電極基板又はそれに対向するセグメント電極基板のいずれに対しても適用することが可能である。
 上記スペーサとしては特に限定されず、例えば、金属微粒子;合成樹脂微粒子;無機微粒子;合成樹脂に顔料が分散された遮光性微粒子;染料により着色された微粒子;加熱・光等により接着性を発揮する微粒子;金属微粒子、合成樹脂微粒子、無機微粒子等の表面を金属によりメッキした微粒子等が挙げられ、液晶表示装置において、セル厚調整をするためのものである。
 第一の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用する場合、コモン電極基板であるカラーフィルタ側基板のブラックマトリックス部分の直下に、エッチング等を行い透明電極の存在しない領域を形成し、第一の本発明の液晶表示装置の製造方法によりスペーサを基板に配置させればよい。通常のTFT型液晶表示装置はコモン電極基板がベタ電極であるが、透明電極をエッチングした電極であっても、各電極に同電圧を印加することにより、通常のTFT型液晶表示装置と同様に駆動させることができる。
 第一の本発明の液晶表示装置の製造方法は、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージ(ステージともいう)に基板を密着させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加することにより行う。
 アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置することにより、透明電極間隙の電位が下がり、図1に示すように、スペーサの配置に適する電場が形成される。
 上記導電性ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が必要であり、基板は、ある一定以上の面積で導電性ステージと密着していればよい。
 上記透明電極に対して印加される電圧の電圧値は、200V〜5kVである。この値は、一般的に、スペーサの帯電量に対して充分な反発力を発揮することができるものである。従って、スペーサの正確な配置を達成することができる。好ましくは、1.5kV〜5kVである。電圧の種類としては特に限定されず、例えば、直流電圧、パルス電圧等が好適に用いられる。
スペーサの散布方法としては、乾式散布方法、湿式散布方法のいずれかが好ましいが、水分の影響で透明電極間でリークが発生する場合があるので、乾式散布が好ましい。
上記乾式散布方法において、スペーサの帯電方法としては、スペーサが配管との接触を繰り返すことにより帯電する方法等が挙げられる。帯電方法では、圧縮空気、圧縮窒素のような媒体でスペーサを配管内に通すことにより安定的に帯電する。この場合、スペーサの帯電及び基板上への水分の付着防止の観点から、媒体である気体は水分の極力少ない乾燥状態が好ましい。
 上記配管の材質としては、金属製であっても樹脂製であってもよく、スペーサの帯電極性、帯電量との関連から適宜選定される。
 上記金属製配管としては特に限定されず、例えば、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン等の単一組成の配管;ステンレス等の合金からなる配管等が挙げられる。また、配管内壁に、金、クロム等の金属被膜をメッキ等により形成してなる配管等であってもよい。 
 上記樹脂製配管としては特に限定されず、例えば、テフロン(R)、塩化ビニル、ナイロン等からなる配管等が挙げられる。また、テフロン等の絶縁性の高い樹脂製配管を使用する場合において、安定的な帯電を得るためには、これらの樹脂製配管を金属で被覆するか、針金、金属線等を配管中に挿入するなどして、金属の被覆部分、針金、金属線等をアースしておくことが好ましい。これは、スペーサと配管との接触で電荷の出入りが行われるが、アースしていないと電荷が樹脂製配管に留まり、安定的な帯電を得ることができなくなってしまうからである。
 また、スペーサの帯電量を調節するために、これら材質の異なる配管を直列に連結してもよい。
 第二の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート層から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第二の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 上記導電性ブラックマトリックス(ブラックマトリックスともいう)は、表示領域を額縁状に表している。その額縁状態は、導電性ブラックマトリックスの存在しない領域により形成される。
 上記導電性ブラックマトリックスとしては、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、クロム、アルミニウム、カーボンブラック等からなるもの等が挙げられるが、導電性の観点から、金属製であることが好ましく、クロムからなるものが多く用いられている。通常、図2に示すように、導電性ブラックマトリックスの上には、絶縁性のオーバーコート層が形成されている。上記オーバーコート層は、線状透明電極と導電性ブラックマトリックスとの短絡を防止するために設けられるものであり、透明で絶縁性を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂等からなるもの等が挙げられる。
 上記オーバーコート層は、基板がカラーフィルタを有する基板である場合には、カラーフィルタ層を平坦化する作用も有する。なお、このようなカラーフィルタは、一般に、顔料分散法、染色法等により形成することができる。
上記導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、透明電極に電圧(V2)を印加することにより、図2に示すように、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置しても、又は、しなくても、図1に示したのと同様に、スペーサの配置に適する電場が形成される。 
 例えば、スペーサの帯電が正帯電の場合、ともに正電圧で、かつ、V1<V2とすることにより、透明電極の部分が強い斥力となり、ブラックマトリックスの部分が弱い斥力となるため、スペーサはブラックマトリックスの部分に配置させることができる(負帯電の場合も同様)。
 上記V1とV2とをスペーサの帯電と同極性にする理由は、スペーサの落下位置を高い精度で制御するためには、kV程度の斥力が必要である。ここで、V1とV2とを異極性にしてしまうと、透明電極とブラックマトリックスとの電位差がkVとなってしまうため、オーバーコート層が2〜5μmと薄いので、透明電極とブラックマトリックスとの間でショートしてしまい、スペーサの配置に適する電場が形成されなくなってしまう。
 従って、V1とV2との電位差は、100V以内が好ましい。100V以内という小さな電位差であっても、斥力の中での電位差のため、スペーサの配置制御を達成することができる。
 すなわち、散布されるスペーサの帯電極性が正極性(+)である場合には、導電性ブラックマトリックスに印加される電圧(V1)と、透明電極に印加される電圧(V2)との関係を、
V1<V2
とする。
 このようにすることにより、ブラックマトリクス部分の斥力は相対的に透明電極部分の斥力より小さくなり、スペーサは、導電性ブラックマトリックス部分、すなわち、パターン状の透明電極を構成する各透明電極の間隙に配置されることになる。
 また、散布されるスペーサの帯電極性が負極性(−)である場合には、導電性ブラックマトリックスに印加される電圧(V1)と、透明電極に印加される電圧(V2)との関係を、
V1>V2
とする。
 上記V1とV2とは、散布されるスペーサの帯電極性が正極性(+)である場合には、ともに正電位とし、散布されるスペーサの帯電極性が負極性(−)である場合には、ともに負電位とする。すなわち、V1とV2との電位差を、スペーサの帯電極性に対する異極性において形成したり、アース電位を基準として正極性(+)と負極性(−)とから形成するのではなく、スペーサの帯電極性に対する同極性において形成する。
 上記V1とV2との電位差をスペーサの帯電極性に対する同極性において形成する理由は以下の通りである。
上記V1とV2との電位差をスペーサの帯電極性に対して異極性で形成した場合又はアース電位を基準として正極性(+)と負極性(−)とから形成した場合は、スペーサは基板遠方でまず引力の影響を受けるので落下スピードが速くなる傾向がある。
 これに対して、V1とV2との電位差をスペーサの帯電極性に対して同極性で形成した場合は、斥力の影響でスペーサの落下スピードが抑えられる傾向がある。V1とV2との電位差の大きさが同じであるならば、落下スピードが遅いほど、より正確なスペーサの配置制御を達成することが可能となる。
 具体的に説明すれば、例えば、スペーサの帯電極性が負極性(−)である場合であってV1とV2との間に50Vの電位差を与える場合においては、+25V〜−25Vの電位差50Vではなく、スペーサの帯電極性と同極性である−1000V〜−1050Vの電位差50Vとする。スペーサは、落下初期の段階、すなわち、基板遠方に存在する場合においては、−1000V〜−1050Vの平均的な電場E1の影響のみを受ける。なぜなら、この段階では電位差の影響はまだ存在しないからである。従って、帯電量Qのスペーサは、電場E1により落下方向(上下方向)に対する引力又は斥力の影響のみを受ける(F1=QE1)。その後、スペーサが基板に近づくと、−1000V〜−1050Vの電位差E2(50V)の影響により、スペーサの落下経路が曲げられる(F2=QE2)。
 従って、V1とV2との電位差をどの電圧値において形成するかにより、電位差E2中に飛び込むスペーサの速度を変化させることができる。このため、V1及びV2の電圧値並びにその電位差を調節することにより、小さな電位差でのスペーサの配置制御を行うことが可能となる。第二の本発明の要旨はここにもある。すなわち、従来のような極性による引力・斥力のみの考え方ではなく、基板上にスペーサの帯電極性と同極性の斥力電場を形成することによりスペーサの落下速度を積極的に調節し、この斥力電場中の電位差により高い精度でのスペーサの配置を達成することができる。
 上記V1とV2との電位差は、100V以内であることが好ましい。上述の通り、V1とV2とはともにスペーサの帯電極性と同極性の電位であるので、100V以内という小さな電位差であっても、スペーサの配置制御を達成することができる。100Vを超えると、オーバーコート層の厚みが2〜5μm程度と薄いため、絶縁破壊を起こしやすく、歩留りが低下することがある。
 上記スペーサの帯電量としては、正極性(+)又は負極性(−)で、3〜50μC/gが好ましい。なお、このスペーサの帯電量は、スペーサの帯電量のバラツキを意味するものではなく、スペーサの平均的な帯電量が上記範囲に存在するという意味である。3μC/g未満であると、スペーサが落下中に曲がりきれずに高い配置精度が得られない場合がある。一方、50μC/gを超えると、斥力を用いた電場では、反発力が強すぎてスペーサが基板上にあまり乗らなくなるので、長時間の散布が必要となり、また、スペーサの帯電量にはある程度のバラツキが存在するため、配置精度も悪化する傾向にある。
 なお、スペーサの帯電量の測定は、例えば、E−SPARTアナライザ(細川ミクロン社製)等を利用することができる。
 上記した第一及び第二の本発明において、基板には、ダミー電極が形成されたものを用いるのが好ましい。
 図3〜5は、1枚の基板から表示用の基板を2枚作製するタイプの基板を示した平面図である。図4及び5に示す基板は、表示領域の外側にダミー電極が形成されているタイプのものである。通常、このダミー電極は、製造工程において正電気によりスパークが生じ、配向膜が損傷するのを防止するために形成されている。
 図3は、ダミー電極が形成されていないもの、図4は、ダミー電極が形成されているが、透明電極とダミー電極とが導通していないもの、図5は、ダミー電極が形成され、透明電極とダミー電極とが導通しているものを示す。
 このように、ダミー電極が形成されているもの(図4及び図5)を使用するのは、表示領域の最外周部におけるスペーサの数の減少を防止し、全体のセルギャップを均一に保つためである。
 ダミー電極が形成されていないものでは、表示領域の最外周部におけるスペーサの数が減少し易いが、これは以下のような理由による。すなわち、図6に示すように、透明電極が形成された表示領域の中心付近は、斥力電場が均一なため、透明電極間に配置されるスペーサの数は、安定したものとなる。しかし、表示領域の最外周(外側)には、斥力が存在しないため、その付近のスペーサは、表示領域外に飛ばされ易くなり、スペーサの数が減少し易い。
 ただし、表示領域の中心付近においても、配置されるスペーサの数は、電圧が印加されないときと比較すると、斥力のために少なくなっている。また、特に、帯電量の大きい粒子は、基板の外に飛ばされてしまう。
 しかしながら、図7に示すように、表示領域の外側に配置されたダミー電極に、表示領域内の透明電極と同様の電圧を印加すると、ダミー電極が形成された領域にも、表示領域と同様の電場が広がったことになり、そのため、ダミー電極の内側では、スペーサの数は殆ど減少せず、表示領域では均一な数のスペーサが配置されることとなる。その結果、この基板を用いて液晶表示装置を製造すると、セルギャップは、表示領域全体で均一となり、表示ムラが存在しなくなり、コントラストの高い表示が可能となる。なお、図6及び図7においては、下部のオーバーコート層やブラックマトリックス層等を省略している。
 透明電極とダミー電極とが導通している場合には、ダミー電極に電圧を印加することにより、透明電極にも同じ電圧が印加されることになり、上記したように、スペーサの均一な配置が可能となる。
 また、透明電極とダミー電極とが導通していない場合には、透明電極とは異なる電圧をダミー電極に印加することが好ましい。
 これは、例えば、表示領域とダミー電極との距離が離れていると、その間にスペーサが逃げる場合がある。従って、このような場合には、ダミー電極に表示領域よりも強い斥力電圧を印加し、スペーサを反発により表示領域の最外周部に逆に飛ばすことが必要となるからである。
 透明電極とダミー電極とを導通させる方法としては、例えば、透明電極の片側をダミー電極と導通させる方法、透明電極の両側をダミー電極と導通させる方法、整列している透明電極を、順次、左右交互にダミー電極と導通させる方法等が挙げられる。導通方法は、上記方法に限られず、それぞれの透明電極が何らかの形でダミー電極と導通していればよい。
 第三の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成され、1つ又は2つ以上の表示領域を有する第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さい寸法のアースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態とし、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第三の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 単に、スペーサの散布時に、帯電したスペーサと基板上の電圧が印加された透明電極との極性を同極性とするときには、図8に示すように、例えば、スペーサの帯電極性を正極性(+)とし、透明電極に印加された電圧の極性も正極性(+)とした場合(カラーフィルタ、オーバーコート等図示せず。)、基板上に散布されるスペーサの全体数は、透明電極に電圧を印加しない場合よりも少なくなり、安定したものとなる。
 しかしながら、透明電極の存在しない基板端部では、斥力が働かないことになるので、基板外周付近のスペーサが、基板外に飛ばされてしまうことになる。従って、表示領域外周部分には充分な数のスペーサが存在しないこととなり、液晶表示装置のセル厚が小さくなってしまい、表示ムラが発生するおそれがあった。
 例えばSTN型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成され、表示領域を有する基板がアースされていないか、又は、図9に示すように、アースされていない導電性ステージに基板を密着させて設置し、基板上のパターン状の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加しても、電極間の電位は下がることがなく、その電場は一様に近く(図9ではある電位の等電位面として図示)、有効な電位分布を得ることができず、スペーサの選択配置は行われない。
 一方、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペーサを透明電極の間隙に配置することができる。この場合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステージに密着させることにより、配置に適する電場が形成される。
 つまり、図1に示すように、透明電極に+の電圧を印加した場合、ステージはアースされ常にゼロ電位を保っているので、透明電極間隙の電位は透明電極の電位より十分低くなる。従って、配置に適する電場が形成される(図1ではある電位の等電位面として図示)。つまり、図9及び図1では図示していないが、電気力線が各透明電極から各透明電極の間隙に形成され、帯電したスペーサは、電気力線の作用と、透明電極に印加した電圧と同極性に帯電したスペーサへの基板全体としての斥力とにより透明電極の間隙に配置する(配向膜等は図示せず)。
 上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密着していればよい。
 しかしながら、パターン状の透明電極に印加する電圧により電場が形成され、スペーサに対して斥力が働く場合、表示領域外周付近のスペーサ数が少なくなる現象が見られた。
 この場合、液晶表示装置を製造するときに、液晶表示装置に一定荷重を与える工程を経るが、そのときに基板の一部分でスペーサの数に不均一が生じると、スペーサ1個当たりに掛かる荷重が変わるため、スペーサの歪みが変化し、セル厚が変化して、液晶表示装置の表示が不均一となる。
 これら表示領域外周付近のスペーサ数の増減の原因は、図1、8及び9に示すように、スペーサの帯電極性と同極性の電圧をパターン状の透明電極に印加して、スペーサを透明電極間隙に配置させようとする場合、落下中のスペーサを表示領域内から表示領域外に反発させようとする力(斥力)が働き、特に、表示領域の外周付近においては、表示領域の外側の基板上に斥力が存在しないために、表示領域外周部に配置されるべきスペーサが外側に逃げてしまうことにある。
 すなわち、図10に示すように、基板内は、透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧が印加されているため、表示領域上にはスペーサに対して斥力が働き、一方、導電性ステージはアース電位のため、帯電しているスペーサに対して引力が働くことから、基板外周部には、基板内からの斥力と導電性ステージからの引力とが働き、その両方の効果により、スペーサが基板内より逃げようとする。
 これらの現象を防止するため、第三の本発明においては、図11に示すように、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、基板寸法より小さい寸法のアースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態とし、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加することにより、基板端部は導電性ステージからのアースの効果が弱まり、むしろ、透明電極の電位に引きずられる傾向にあることから、導電性ステージが基板寸法より大きい場合に比較して、基板外周部に配置されるスペーサの数の減少を防止することができる。
 アースされた導電性ステージは、体積抵抗値が1×1010Ωcm以下のものが好ましい。体積抵抗値が1×1010Ωcmを超えると、基板全体が透明電極の電位に近くなってしまい、スペーサの配置精度が劣る。
 基板外周端部が導電性ステージから浮いた状態とは、図11に示すように、基板が導電性ステージからはみ出した状態のことである。
 電気的に浮いた電極があるとその部分にスペーサが集中して散布されてしまうことから、基板上に形成された透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加するときには、全ての透明電極に電圧を印加して、電気的に浮いた電極がないようにするのが好ましい。
 上記基板上の透明電極に印加される電圧は、数百V〜数KVが好ましい。印加電圧が小さすぎると、スペーサの落下経路を制御しにくくなり、印加電圧が大きすぎると、導電性ブラックマトリックス等を用いている場合、透明電極とブラックマトリックス間でショートしてしまう場合がある。
 上記スペーサが散布される基板は、ブラックマトリックスが形成されたものであってもよく、ブラックマトリックスが絶縁性のものでも、導電性のものでも上述したのと同様の効果を得ることができる。
上記導電性ブラックマトリックスとしては特に限定されず、上述したものと同様のもの等が挙げられる。
 また、上記ブラックマトリックスは、導電性ブラックマトリックスであり、上記導電性ステージは、基板の各表示領域のブラックマトリックスの額縁外周部よりも小さい寸法の1つ又は2つ以上のものであるのが好ましい。この場合には、基板外周部に配置されるスペーサの数の減少をより防止することができる。
 図12は、本発明の液晶表示装置の製造方法における一般的なコモン電極基板上のブラックマトリックスの額縁状態を説明するための平面及び断面概念図である。第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板は、液晶表示装置用カラーフィルタ基板であり、図12で示すように、ブラックマトリックスが形成されている。該ブラックマトリックスは表示領域内で格子状に画素を区画している。また、図12では、分断ラインが形成され、分断ラインの外側の領域は、基板上の表示領域外に設けられたダミー電極からなるダミー電極領域となっている。上記分断ラインとは、第一の基板と第二の基板とを貼り合わせた後、基板を切断する際に基準となるラインである。
 上記ブラックマトリックスの額縁状態の領域の外側のダミー電極部分にも、ベタ状のマスクとしてブラックマトリックスが残されている場合もある。その場合、図12の断面概念図で示すように、ブラックマトリックスの位置と透明電極からなる領域は、ほぼ一致している。
 このような構成の液晶表示装置用カラーフィルタ基板においては、導電性ブラックマトリックスが形成されている領域よりも小さな導電性ステージを用いても、アースされた導電性ステージの効果は上記導電性ブラックマトリックス全体の領域に及び、導電性ブラックマトリックスの電位が下がるため、導電性ブラックマトリックスの領域が導電性ステージの効果を担うことができる。
 従って、導電性ステージが基板よりも小さくても、導電性ブラックマトリックスが存在する領域は、スペーサを配置するのに適する電場が形成される。
 このとき、導電性ブラックマトリックスの額縁外の領域はアースされていないため、基板のガラス部の電位が透明電極に印加した電圧に引きずられ、その電位が透明電極の電位に近づく方向に上昇する。導電性ブラックマトリックスの額縁外の領域がアースされていない状態とは、例えば、導電性ブラックマトリックスがあっても分断ラインにより切れている場合、導電性ブラックマトリックスの額縁外に導電性ブラックマトリックスが存在しない場合等が挙げられる。
 この状態で表示領域内と表示領域外の電位を比較すると、表示領域内は、透明電極に印加した高い電圧による高い電位と、透明電極間の低い電位とが存在することになる。
 一方、表示領域外は、図13に示すように、ダミー電極を形成すると、ダミー電極及び基板のガラス部ともに高い電位となる。そのため基板全体で見ると、表示領域外に高い電位の領域が形成され、表示領域内に低い電位の領域が形成されることになる。
 従って、表示領域外の高い電位の領域が斥力の壁となり、表示領域内のスペーサが表示領域外へ逃げるのを防止することになる。これにより、表示領域内のスペーサ数は均一となるため、セル厚も均一化され、液晶表示装置は均一な表示性能を有することになる。
 スペーサが散布される基板が多数の表示領域の形成された多面取りである場合でも、ブラックマトリックスが導電性の場合には、各表示領域のブラックマトリックスの額縁外周部よりも内側になる大きさの複数の導電性ステージを設けることにより、全ての表示領域に対して、上述したのと同様の効果を得ることができる。
この場合、複数の表示領域に対応して、分割された複数の導電性ステージを設置してもよいし、一つの導電性ステージに溝を形成して、複数の導電性ステージを設置してもよい。
 上記導電性ステージと基板との接触面積は、表示領域面積の30%以上であるのが好ましい。
 上述したように導電性ブラックマトリックスが形成されている場合、その領域よりも小さな導電性ステージを設置するときでも、導電性ブラックマトリックスが導電性ステージの効果を担うため、表示領域は、スペーサの配置に適する電場が形成される。
 しかしながら、導電性ステージと表示領域(ブラックマトリックスの領域)との接触面積が小さすぎると、アースの効果が薄れてしまう。従って、表示領域にスペーサの配置に適する電場を形成する為には、導電性ステージと基板との接触面積が、基板上の表示領域面積の30%以上であるのが好ましい。30%未満であると、アースの効果が薄れ、スペーサの配置に適する電場が崩れて、スペーサの表示領域外周部への配置が行えにくくなる。
 第四の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、スペーサが散布される基板の水分を除去する工程と、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程とからなる液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第四の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 第三の本発明において説明したように、例えばSTN型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペーサを透明電極の間隙に配置することができる。この場合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステージに密着させることにより、配置に適する電場が形成される。
 上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下が必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密着していればよい。
 一般的に、STN型液晶表示装置であれば、スペーサの散布はラビング工程後に行われる。ラビング工程は、ドラムに巻き付けた布状の合成樹脂等で配向膜表面を擦るため、その毛等が基板に付着することがあり、ラビング工程後に水洗浄される場合がある。この水はエアーナイフ等で吹き落とされるが、充分に乾燥されてはいない。
 また、充分に乾燥された基板であっても、空気中には水分が存在するため、時間とともにある程度の水分が基板上に付着する。この場合、湿度等が変化すると、それに伴い付着する水分量も変化する。
 透明電極に電圧を印加してスペーサを選択的に配置する方法では、透明電極には数百V〜数kVの高電圧を印加する。従って、上述したように、水分が付着した基板により、図1に示すような状態でスペーサの配置を行おうとすると、配向膜が形成されていない部分(電極が露出している部分)や、配向膜が形成されていても極薄膜である部分等は、水分の存在により、図14に示すように、基板表面の水分を伝わり微少電流がステージ側にリークする。
 上記リークが起こると、配置に利用される電場は、上述した図1に示すような状態から、静電誘導により導電性ステージ自体が電極の電位付近まで電位が上昇するため、電極間の電位は下がることがなく、図15に示すような状態に近くなり、有効な電位分布を得ることができず、選択的な配置が行えなくなる。
 更に、基板側とステージ側との絶縁が取れていたとしても、基板表面が水分で覆われていると、電極間隙の抵抗が低下することになるので、乾燥状態では上述した図1に示すような電位分布であったものが、水分の存在により図16に示すような電位分布となり、均一に近い状態となるので、スペーサの選択配置性も弱まる。
 上記基板への水分付着は、環境湿度、温度等により変化するため、同電圧印加条件、同散布条件でスペーサを散布しても、配置に利用される電場が異なってしまうため、違った配置状態を示すことになる。
 通常、液晶表示装置の製造工程の温度及び湿度はある程度管理されてはいるが、季節等の経過により変動は生じていた。また、ラビング後の水洗浄後の散布までの時間や、水切り状況等によっても付着水分量は変化する。従って、このような環境や工程等の違いにより付着水分量が変化するため、スペーサの配置状況も変わり、液晶表示装置の表示性能におけるバラツキの原因となっていた。
 また、たとえ、ある一定の付着水分量で安定していたとしても、基板の水分量がより少なくなれば、スペーサの配置に適する電場が形成されやすい。従って、スペーサが散布される基板の水分を除去する工程を設けることにより、スペーサの配置に適する電場が安定的に形成されるため、スペーサの選択配置性が向上し、コントラスト、表示均一性に優れた液晶表示装置が安定的に製造可能となる。
 上記スペーサが散布される上記基板の水分を除去する工程は、散布前に基板を加熱することにより行える。また、散布中に基板を加熱することにより行ってもよい。更には、散布前に基板を加熱し、散布中にも加熱することにより行ってもよい。
 上記基板の加熱は、オーブン、ホットプレート、赤外線加熱等による方法により行うことができ、基板の温度が上昇するものによるのであれば特に制限はない。基板の温度が上昇することにより、付着水分は減少するため、基板表面の抵抗が高くなり、電流がリークすることがなくなり、安定的に高精度にスペーサの配置が行えるようになる。
 上記基板の加熱における加熱温度は、50℃以上が好ましい。50℃よりも温度が低いと、水分を除去する効果は小さい。より好ましくは90℃以上である。また、上記基板の加熱は温度及び時間によりその効果が変わるため、環境湿度及び付着水分量により、上記加熱方法及び加熱温度を適宜選択する必要がある。
 また、環境湿度により異なるが、加熱してからスペーサを散布するまで時間があまり経過すると、基板の冷却後に再び水分が付着してしまう場合があるため、基板の加熱後は直ちにスペーサの散布を行うのが好ましい。
 ただし、基板が熱い状態でステージ上に設置すると、冷却過程で基板が反ってしまう場合があり、ステージとの密着不良で配置状態が悪化する場合があるので、ある程度の冷却時間が必要である。
 上記散布中の基板の加熱は、ステージをホットプレート状態にしておくか、散布槽内に赤外線加熱装置を設ける等にして行うことができる。
 上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程は、基板上下面に乾燥気体でのエアーブローをすることにより行うことも可能である。充分に乾燥気体で基板上下面をエアーブローすることにより付着水分は減少する。上記乾燥気体は絶乾状態に極力近い乾燥状態が好ましい。
 また、上記乾燥気体の温度は室温以上であることが好ましい。室温より低い温度でのエアーブローであると、使用する気体が乾燥状態であっても、気体により基板の熱が奪われ、基板温度が下がってしまい、結露水分が付着してしまう場合がある。
 上記乾燥気体としては、乾燥窒素ガス、乾燥空気等を用いることが可能である。
 上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程は、溶剤で水分を置換することにより行うことも可能である。例えば、溶剤で基板裏面、基板外周部分を拭くことによりステージへの電流リークは少なくなる。また、溶剤に基板をディッピング(浸漬)して乾燥することにより水分除去が行える。更には、溶剤で水分を置換後、加熱乾燥することにより乾燥時間が短縮でき、生産時のタクトタイムが向上する。上記溶剤としては特に限定されないが、アセトン等の、水となじみ、沸点の低いものが好ましい。
 上記スペーサが散布される基板の水分を除去する工程は、基板を真空下に放置するか、又は、真空下で加熱することにより行うことも可能である。真空下に基板を放置することにより水分除去を行うことができ、更には、真空下で加熱することにより、より効率的に水分除去を行うことができる。上記基板を真空下に放置するには、真空乾燥機等を好適に用いることができる。
 上述した工程による基板の水分除去の確認方法は、透明電極と導電性ステージとの間に、図17に示すようにエレクトロメーター等を設置し、上述した水分除去の工程後に、透明電極に1kVの電圧を印加した場合に、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6A以下になることを目安とするのが好ましい。
 上記エレクトロメータ等の設置は、電圧を印加する電極を流用してもかまわないし、新たに電極を設けてもよい。電極の形状は、針状、平面状等どのような形状でもよく、電極の材質は、導電性のものであればどのようなものでもよいが、電極としては、例えば、検査用コンタクトプローブ等を使用することができる。
 上記電極は、基板を散布装置内に挿入するときに障害にならないように設置することが必要であるが、例えば、基板自身又は電極が上下するような機構を設けることにより、散布装置内に電極を設けて基板を挿入することが実現可能である。
 上述したように、基板表面に水分が付着している場合、透明電極に電圧を印加すると微少電流が流れるため、配置に適する電場が形成されなくなる。従って、透明電極に1kVの電圧を印加した場合に、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6Aよりも多いと、配置に適する電場が形成されにくいためスペーサの選択配置性が低下することがあり、10-6A以下であると、配置に適する電場が形成されてスペーサは高い選択配置性を示す。
 上述したように、透明電極に1kVの電圧を印加した場合に、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6Aよりも多いと、配置に適する電場が形成されにくいためスペーサの選択配置性が低下することがあるが、この電流が多いと電圧降下により透明電極の電圧が低下することを利用して、基板上の電圧を測定することにより代用することもできる。この場合、入力抵抗の充分高い電圧計をエレクトロメーターと同様に設置し、電圧計の測定値が測定精度の範囲内で印加電圧と等しいことを確認すればよい。
 なお、スペーサの配置を行うときは、透明電極に印加する電圧を1kVにする必要はなく、あくまでも、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6A以下になることは水分除去の確認方法としての指標である。
 スペーサの帯電極性と同極性の電圧を透明電極に印加することによりスペーサをブラックマトリックス部分に配置させることによる液晶表示装置の製造方法を行う場合に、同条件、同様基板を用いても、スペーサがブラックマトリックス部分に配置する比率が常に一定ではなく、時と場合により変化してしまうという問題があったが、原因を鋭意検討した結果、環境中(空気中)の水分が影響してスペーサのブラックマトリックス部分への選択配置性が変化してしまうことが判明し、散布される基板の水分を除去する工程を設けることにより、基板表面の絶縁性が高まり、透明電極からのリーク電流がなくなり、スペーサを配置させるための電場が安定的に形成されるようになる。その結果、歩留まりよく、かつ、高精度にスペーサをブラックマトリックス部分に配置させることが可能となる。
 第五の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程からなり、スペーサの散布前及び散布中に用いる基板の特性として、基板上の透明電極に1kVの電圧を印加したときに、基板上の透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10-6以下である基板を用いる液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第五の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 第四の本発明において説明したのと同様に、基板への水分付着は環境湿度、温度等により変化するため、同電圧印加条件、同散布条件でスペーサを散布しても、配置に利用される電場が異なってしまうため、違った配置状態を示す。
 従って、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置し、基板電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、スペーサを電極間隙に高精度に、安定的に配置させるためには、基板上の水分状態を確認し、管理する必要がある。
 上記基板上の水分状態を確認する方法は、上述したのと同様に、図17に示すように、透明電極と導電性ステージとの間にエレクトロメーター等を設置して確認する方法等が挙げられる。
 上記エレクトロメーター等を設置して確認する方法は、散布を行う基板の透明電極に電圧を印加し、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を測定する。このとき、基板が湿度等の影響を受けて水分が多ければ、透明電極からステージに流れるリーク電流は多くなり、基板が乾燥状態であれば、リーク電流は少なくなる。
 従って、散布前、散布中とも基板に付着する水分量を確認する目的で、透明電極に1kVの電圧を印加して、エレクトロメーター等により透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を確認し、該電流を10-6A以下に管理して、透明電極と導電性ステージとの間に流れる微小電流を制御することによりスペーサの配置性は安定する。
 なお、スペーサの配置を行うときは、透明電極に印加する電圧を必ずしも1kVにする必要はなく、あくまでも、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流が10-6A以下になることは水分量の確認手法として行うものである。
 上記液晶表示装置の製造方法は、透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10-6A以下に管理するため、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置し、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程を、室温18℃〜28℃及び相対湿度50%以下に管理して行うことが好ましい。
 更に、上記基板を保管する場合等も、基板を室温18℃〜28℃及び相対湿度50%以下の環境下に置くのが好ましい。
 相対湿度50%以下で室温18℃よりも低い温度であると、作業環境より温度が低くなりすぎ、逆に結露を起こしてしまう場合があり、相対湿度50%以下で室温28℃よりも高い温度であると、作業環境として不適切である。また、相対湿度50%よりも高いと、空気中の水分が多くなるため、恒常的に基板上に水分が付着し、高精度のスペーサの配置が行いにくくなる。
 スペーサの帯電と同極性の電圧を透明電極に印加することによりスペーサをブラックマトリックス部分に配置させることによる液晶表示装置の製造方法を行う場合に、散布される基板の水分を管理することにより、スペーサを配置させるための電場が安定的に形成されるため、歩留まりよく、かつ高精度にスペーサをブラックマトリックス部分に配置させることが可能となる。
 第六の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透明電極から外し、基板に電荷が残留している間にスペーサを散布する液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第六の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 第三の本発明において説明したように、例えばSTN型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペーサを透明電極の間隙に配置することができる。この場合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステージに密着させることにより、配置に適する電場が形成される。
 上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下であることが必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密着していればよい。それ以上の体積抵抗では基板全体が透明電極の電位に近くなってしまい、配置精度が劣ってしまう。
 ここで、図18に示すように、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、スペーサが散布される基板上に形成されたパターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加することにより、配置に適する電場が形成される。その後、電圧印加装置からの端子を透明電極から外すと、透明電極に電荷が蓄積され、ある一定の間は電荷が残留する。
 従って、配置に適する電場が一定期間維持されることになり、この状態でスペーサを散布することにより、スペーサを透明電極間に配置することができる。
 このとき、パターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加したまま、電圧印加装置からの端子を透明電極から外す必要がある。端子を外さずに電圧の印加を中止すると、電圧印加装置を通じて電荷が流出するため、配置に適する電場が得られなくなる。
 上記基板と共に移動する導電性ステージ(テーブルともいう)は、電圧を印加するときにアースされていれば、板状のものであっても、アルミニウム箔のようなフィルム、シート状のものであってもよい。
 パターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧の印加を行う場合、ある程度の時間をかけて行うのが好ましい。電圧の印加時間が長いと、蓄積される電荷が多くなり、電圧印加装置からの端子を外した後も長い時間効果が持続するためである。
 また、例えば2.0kVの電圧を印加しながら散布を行い、その電圧での配置が確認できた場合、第七の本発明を用いる場合は、例えば2.5kVというように大きめの電圧を印加しておくのが好ましい。
 これは、時間の経過と共に帯電が減衰するため、その減衰分を見込んでおく必要があるからである。
 更に、アースされた導電性ステージは、移動可能なものであって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した後、電圧印加装置からの端子を透明電極から外し、導電性ステージと基板とが密着した状態を保って散布装置内に移動させ、スペーサを散布することによっても、アースされた導電性ステージ上で電圧を印加することによりスペーサの配置に適する電場が形成され、透明電極間にスペーサを配置することができる。
 上記基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した状態で電圧印加装置からの端子を外すと、基板には電荷が残留し、配置に適する電場が維持される。ここで、基板と導電性ステージとが密着した状態を保っていれば、移動後に「テーブル+基板」がアースされた場所に置かれようと、絶縁性の場所に置かれようと、形成された電場は維持され、スペーサの適正な配置を行うことができる。
 従って、図19に示すように、スペーサの散布工程前にアースされた導電性ステージ上で透明電極に電圧を印加しておき、そのテーブルごと散布装置内に流すことにより、散布装置内で電圧の印加を行う工程を省くことができ、タクトを早めることができる。つまり、散布装置内で先行している基板にスペーサを散布中に、次に散布する基板に対して電圧を印加する工程を終了させてしまうことができ、表示部にスペーサの存在しない、コントラストの高い液晶表示装置を効率よく製造することができる。
 第七の本発明は、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加した状態で一定時間保持した後、電圧を印加した状態を保持したままスペーサの散布を行う液晶表示装置の製造方法である。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。また、第一の本発明において説明したのと同様に、第七の本発明の液晶表示装置の製造方法をTFT型液晶表示装置の製造方法に適用することができる。
 第三の本発明において説明したように、例えばSTN型液晶表示装置の製造方法の場合、帯電したスペーサを散布する際、少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成された基板をアースされた導電性ステージに密着させて設置して、基板の透明電極に、帯電したスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、斥力でスペーサを透明電極の間隙に配置することができる。この場合、図1に示すように、基板をアースされた導電性ステージに密着させることにより、配置に適する電場が形成される。
 上記ステージは、体積抵抗1010Ωcm以下であることが必要であり、上記基板は、ある一定以上の面積でステージと密着していればよい。それ以上の体積抵抗では基板全体が透明電極の電位に近くなってしまい、配置精度が劣ってしまう。
 アースされた導電性ステージに基板を設置した状態で、基板上の透明電極に電圧を印加すると、静電的に基板は導電性ステージに密着される。
 このとき、電圧を印加した瞬間では、基板と導電性ステージとの間には空気層が形成されており、完璧な密着状態は達成されていないと考えられる。
 ここで、スペーサの配置に適する電場は、基板と導電性ステージとが密着することにより形成される。従って、基板と導電性ステージとの間に絶縁層である空気層が存在すると、透明電極間の電位が充分に下がらず、スペーサの配置精度が悪化する傾向にある。
 そこで、透明電極に電圧を印加した状態であれば、導電性ステージと基板とは静電的に引き合っているため、この力により空気は徐々に抜け、導電性ステージと基板との間の高い密着状態が達成され、安定的にスペーサの配置に適する電場が形成される。
 この場合、電圧を印加した状態で少なくとも5秒以上保持することにより、導電性ステージと基板との間の空気が充分に抜け、安定的に高いスペーサの配置精度の確保ができることから好ましい。
 第八の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、導電性ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、導電性ブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加して、V1とV2とは、スペーサの帯電極性が正極性である場合は、ともに正電圧であり、かつ、V1<V2の関係であり、スペーサの帯電極性が負極性である場合は、ともに負電圧であり、かつ、V1>V2の関係である液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。
上記導電性ブラックマトリックス及びオーバーコート層としては、第二の本発明において説明したのと同様である。
 上記第一の基板には、図2に示すように、透明電極の内部で、ブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成されている。
 図20〜23は、このようなエッチング領域が形成された第一の基板を模式的に示す概念図である。
 図20〜23に示すように、このエッチング領域は、上記ブラックマトリックスの直上領域の内側において、透明電極に所定の形状にエッチングを行うことにより形成される。
 エッチング領域の位置としては、水平方向又はそれに直交する方向の線状ブラックマトリックスの直上領域の内側、ブラックマトリックスが交差する部分の直上領域の内側等が挙げられる。また、その形状としては特に限定されず、線形状、矩形状(図20、23)、円形状、十字形状(図21)、ストライプ形状(図22)等が挙げられる。さらに、上記エッチング領域の形成頻度も特に限定されず、ドットピッチ毎、画素ピッチ毎、数画素おき、水平方向又は垂直方向のどちらか一方又は両方等が挙げられる。
 通常、TFT型液晶表示装置では、カラーフィルタを含む第一の基板をコモン電極としており、透明電極はベタ電極が形成されている。そして、第一の基板では、ベタ電極に電圧を印加し、画素毎の電圧の制御は、第二の基板に形成された薄膜トランジスタ及び透明電極を用いて行っている。
 従って、ベタ電極にエッチングを施してエッチング領域を形成しても、組み立てられた液晶表示装置では、従来の場合と同様に表示部に電圧が印加され、表示には全く悪影響を及ぼさない。
 第八の本発明においては、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、かつ、透明電極に対して電圧(V2)を印加する。
 上記電圧の種類としては、第一の本発明において説明したのと同様である。
 上記導電性ブラックマトリックスに対して電圧(V1)を印加し、透明電極に電圧(V2)を印加することにより、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置しなくても、図2に示すように、図1に示したのと同様に、スペーサの配置に適する電場が形成される。
 例えば、スペーサの帯電が正帯電の場合、ともに正電圧で、かつ、V1<V2とすることにより、透明電極の部分が強い斥力となり、ブラックマトリックスの部分が弱い斥力となるため、スペーサはブラックマトリックスの部分に配置させることができる(負帯電の場合も同様)。
上記V1とV2とをスペーサの帯電と同極性にする理由は、スペーサの落下位置を高い精度で制御するためには、kV程度の斥力が必要である。ここで、V1とV2とを異極性にしてしまうと、透明電極とブラックマトリックスとの電位差がkVとなってしまうため、オーバーコート層が2〜5μmと薄いので、透明電極とブラックマトリックスとの間でショートしてしまい、スペーサの配置に適する電場が形成されなくなってしまう。従って、V1とV2との電位差は、100V以内が好ましい。100V以内という小さな電位差であっても、斥力の中での電位差のため、スペーサの配置制御を達成することができる。
 上記V1とV2との関係については、第二の本発明において説明したのと同様である。
 第九の本発明は、少なくともパターン状の透明電極、ブラックマトリックス、オーバーコート層及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、ブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、透明電極が存在しないエッチング領域が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに第一の基板を密着させて設置して、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。上記オーバーコート層としては、第二の本発明において説明したのと同様である。
アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電ステージに基板を密着させて設置することにより、図2に示すように、透明電極間隙の電位が下がり、図1に示したのと同様に、スペーサの配置に適する電場が形成され、エッチング領域(線間)にスペーサが配置されることになる。
 上記透明電極に印加される電圧は、200V〜5kVである。200V未満であると、スペーサの配置制御を達成するのに充分なだけの電位差が生じないことがあり、5kVを超えると、透明電極と導電性ブラックマトリックスとの間でショートが起こりやすくなる。
 上記電圧の種類としては、第一の本発明において説明したのと同様である。
 第九の本発明において、帯電したスペーサの散布を行う際、透明電極に形成された電場がスペーサの帯電極性に対して斥力として働くため、第一の基板の外周部分に散布されたスペーサが外に逃げやすい。そのため、第一の基板の外周部分に配置されるスペーサの量は少なくなる傾向が生じる。
 通常、透明電極は第一の基板の表示領域にしか形成されていない。しかし、第八及び第九の本発明の場合、透明電極を表示領域の外側にも形成し、表示領域と同様の電圧を印加しておくのが好ましい。これにより、スペーサ数の減少は、表示領域外で発生することになり、表示領域の内部では、均一にスペーサが配置される。
 第十の本発明は、少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される薄膜トランジスタから構成される第二の基板のうち第一の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、第一の基板は、透明電極の内部に、第一の基板又は第二の基板に形成されたブラックマトリックス領域の内側になるように、周囲の透明電極と接続されていない電気的に浮いた状態の孤立透明電極が形成されたものであり、正極性又は負極性に帯電したスペーサを第一の基板上に散布するに際し、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに第一の基板を密着させて設置した後、第一の基板の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加する液晶表示装置の製造方法である。
 TFT型液晶表示装置を構成する第一の基板では、通常、図2に示すように、ガラス基板及びブラックマトリックス上にカラーフィルター層が形成され、このカラーフィルター層上に絶縁体からなるオーバーコート層が形成され、更に、その上に透明電極及び配向膜(図示せず)が形成されている。以下においては、第一の基板として、上記構成の基板を用いることを前提として説明を行う。
 上記透明電極、基板、スペーサ及びスペーサの帯電方法としては、第一の本発明において説明したのと同様である。
 上記ブラックマトリックスとしては、遮光性を有するものであれば特に限定されず、例えば、クロム、アルミニウム、カーボンブラック、顔料等からなるもの等が挙げられる。
 上記オーバーコート層としては、第二の本発明において説明したのと同様である。
 上記第一の基板には、図24に示すように、透明電極の内部で、上記ブラックマトリックス形成領域の内側になるように、周囲の透明電極と接続されていない電気的に浮いた状態の孤立透明電極が形成されている。
 図25〜28は、このような孤立透明電極が形成された第一の基板を模式的に示す概念図である。
 図25〜28に示すように、この孤立透明電極は、孤立透明電極の周囲を所定の幅でエッチングを行うことにより形成される。このエッチングにより形成されたエッチング帯域の幅(透明電極と孤立透明電極との距離)は、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。上記エッチング帯域の幅が3μmより狭いと、透明電極と孤立透明電極との間に、ショートが発生しやすくなる。
 孤立透明電極の形成位置としては、水平方向又はそれに直交する方向の線状ブラックマトリックス形成領域の内側、ブラックマトリックスが交差する部分の内側等が挙げられる。また、その形状としては特に限定されず、線形状、矩形状(図25、28)、円形状、十字形状(図26)、ストライプ形状(図27)等が挙げられる。さらに、上記孤立透明電極の形成頻度も特に限定されず、ドットピッチ毎、画素ピッチ毎、数画素おき、水平方向又は垂直方向のどちらか一方又は両方等が挙げられる。
 第十の本発明のTFT型液晶表示装置では、第八の本発明において説明したのと同様に、ベタ電極にエッチングを施し、その内部に孤立透明電極を形成しても、組み立てられた液晶表示装置では、従来の場合と同様に表示部に電圧が印加され、表示には全く悪影響を及ぼさない。
 上記形態の透明電極及び孤立透明電極を有する第一の基板を、アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに密着させた後、第一の基板の孤立透明電極以外の透明電極に、スペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加しながら、スペーサの散布を行う。
アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電ステージに基板を密着させて設置することにより、図24に示すように、透明電極間隙の電位が下がり、図1に示したのと同様に、スペーサの配置に適する電場が形成され、孤立透明電極上にスペーサが配置されることになる。
 スペーサの配置のために必要な電圧は、スペーサの粒径や帯電量により異なるが、200V〜5kV程度の電圧が好ましい。5kVを超えると、ブラックマトリックスが導電性のものである場合、透明電極と導電性ブラックマトリックスとの間にショートが発生しやすく、また、透明電極と孤立透明電極との間でも、ショートが発生しやすくなり、そのために歩留りが悪化することがある。200V未満であると、散布の際に落下してくるスペーサが、曲がり切る前に第一の基板表面に到達してしまうので、スペーサの配置精度が悪くなることがある。
 スペーサの帯電量としては、第二の本発明において説明したのと同様である。
 帯電したスペーサの散布を行う際、透明電極に形成された電場がスペーサの帯電極性に対して斥力として働くため、第一の基板の外周部分に散布されたスペーサが外に逃げやすい。そのため、第一の基板の外周部分に配置されるスペーサの量は少なくなる傾向が生じる。
 通常、透明電極は表示領域にしか形成されていないが、第十の本発明では、透明電極を表示領域の外側にも形成し、表示領域と同様の電圧を印加しておくのが好ましい。これにより、スペーサ数の減少は、表示領域外で発生することになり、表示領域の内部では、均一にスペーサが配置される。
第十一の本発明は、スペーサは、気体を媒体として樹脂製の配管又は金属製の配管を経由して散布されることにより、正極性又は負極性に帯電させられるものである第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九又は第十の本発明の液晶表示装置の製造方法であり、湿式散布方法よりも、散布されるスペーサの帯電量が大きくなり、スペーサの基板への配置精度が向上する。
第十二の本発明は、スペーサは、加熱により基板表面に固着するものである第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十又は第十一の本発明の液晶表示装置の製造方法である。
スペーサとして、加熱等により接着性を発現するものを用いて基板表面に固着させることにより、配置後のスペーサの移動をなくして、セル厚が均一で、表示ムラのない高品質の表示性能を有する液晶表示装置を製造することができる。
 スペーサに加熱による固着性を発現させる方法としては、スペーサ表面に熱可塑性の樹脂層を形成する方法、スペーサ表面に反応性の基を導入する方法等が挙げられる。光を照射することにより、スペーサに固着性を発現させるようにしてもよい。
 第十三の本発明の液晶表示装置は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一又は第十二の本発明の液晶表示装置の製造方法によって製造されてなるものであり、セル厚が均一で、表示ムラのない高品質の表示性能を有するものである。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述の通りであるので、パターン状の透明電極から構成される基板からなる液晶表示装置の製造方法であって、電極の存在しない電極間隙、すなわちブラックマトリックス部分にスペーサを配置することができ、しかも、スペーサを表示領域全体にわたり配置することや、歩留まりよく、高精度にスペーサをブラックマトリックス部分に配置することができ、散布装置内で基板上の透明電極に電圧を印加する工程を省いてタクトを早めることもできる。
従って、スペーサに起因する光漏れが無く、コントラストが著しく高く、セル厚が均一で、表示ムラのない高品質の表示性能を有する液晶表示装置を、安定的に、タクトを短縮して製造することができる。
 また、TFT型の液晶表示装置であっても、スペーサに起因する光漏れが無く、コントラストが著しく高い液晶表示装置を製造することができる。
 本発明の液晶表示装置は、上述の構成よりなるので、スペーサに起因する光漏れが無く、コントラストが著しく高く、セル厚が均一で、表示ムラのない高品質の表示性能を有するものである。
 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
 基板としてSTN型液晶表示装置用のセグメント電極基板(360×460mmのパターン状の線状透明電極形成ガラス基板:ITO電極幅80μm、電極間隔20μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
また、基板は、一枚の基板に2つの表示領域の形成された2面取りのもので、すべての線状透明電極(ITO電極)を表示領域外の部分で導通し、電圧印加装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、図29に示したような日清エンジニアリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたアルミニウム製の導電性ステージ上に表面抵抗107Ωcm以下の帯電防止マットを密着させて敷き、その上に基板を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールBBS−PH(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:6.8μm)を準備した。
 次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.5kVの電圧を印加した。この状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、1.75kg/cm2の圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは電極の間隙に配置されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にスペーサが配置されていた。
 その後、スペーサが配置された基板の導通部分を切断し、シール形成、張り合わせ、基板切断、液晶注入等の工程を経て、通常の方法で液晶表示装置を完成した。
実施例2
 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部は80×280μm、ブラックマトリックス線幅35μm、アクリル製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔25μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。 基板電極は図3のように形成されている。 この基板を用いて、ITO電極に−2.0kVを印加したこと以外は、実施例1と同様に操作した。
散布された基板を顕微鏡で観察したところ、スペーサは電極の間隙に配置されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にスペーサが配置されていた。
実施例3
 帯電防止マットを取り除いてアルミニウム製の導電性ステージの上に基板を設置したこと以外は、実施例1と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すなわち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置されていた。
比較例1
 アルミニウム製の導電性ステージ上に樹脂製のピン状のものを立て、その上に基板を設置し、空気による絶縁ステージ状態としたこと以外は、実施例1と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表示電極部にも配置されていた。すなわち、スペーサは、ほぼランダムに近い状態で配置されていた。
比較例2
 ITO電極全体に印加する電圧を−1.0kVとしたこと以外は、実施例1と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表示電極部にも配置されていた。すなわち、スペーサは、ほぼランダムに近い状態で配置されていた。
実施例4
 基板として、図3に示したような、ダミー電極を有さないSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、金属クロム製ブラックマトリックス及び顔料分散型カラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部80×285μm、RGB層の厚み1.5μm、金属クロム製ブラックマトリックス線幅20μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔15μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 針状の電極が多数形成された電圧印加用の治具でITO電極の一方向の末端をすべて接続し、電圧印加装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加できるようにした。
 また、表示領域外でITO電極層、オーバーコート層を削り落とし、ブラックマトリックスの一部を露出させ、ブラックマトリックス部にも別の電圧印加装置を接続し、直流電圧を印加できるようにした。2つの電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
 基板を、比較例1と同様にして、ステージを絶縁状態として散布装置内に設置した。 スペーサとして、ミクロパールBBS−PH(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:5.3μm)を準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.50kVの電圧を印加し、ブラックマトリックス部に−2.48kVの電圧を印加して、20Vの電位差を形成した。この状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、1.75kg/cm2の圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置されていた。
実施例5
 オーバーコート層の表面に、図5に示したように、線状透明電極及びダミー電極が形成され、この線状透明電極とダミー電極とが導通しており、それ以外は実施例4の場合と同様に構成された基板を用い、電圧印加装置によりダミー電極部及びブラックマトリックス部に電圧を印加した。なお、実施例4の場合と同様、ブラックマトリックス部は、電圧を印加できるように構成されている。
 また、ダミー電極部に電圧を印加することにより、線状透明電極にも、同じ電圧が印加されるようにした。印加する電圧は、ダミー電極部が−2.50kVであり、ブラックマトリックス部が−2.48kVと、実施例4の場合と同様である。この後、実施例4の場合と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマトリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外周部にも、均一にスペーサが配置されており、実施例4に比べて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態がより改善された。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察したところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高く、表示ムラもなかった。
実施例6
 実施例2において、図5に示したように、線状透明電極及びダミー電極が形成され、この線状透明電極とダミー電極とが導通しており、それ以外は実施例2と同様に構成された基板を用い、実施例2と同様に操作した。 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表領域全体にわたり、ブラックマトリクス部分に配置されており、特に、表示領域再外周部分にも、均一にスペーサが配置されており、実施例2にくらべて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態がより改善された。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察したところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高く、表示ムラもなかった。
実施例7
 印加する電圧を−6.0kVとしたこと以外は、実施例2と同様に操作したが、ITO電極とブラックマトリックスとの間で放電が起こり、ショートしてしまった。
実施例8
 実施例4において、ITO電極に−2.0kV、ブラックマトリックスに+100Vの電圧を印加したが、ITOとブラックマトリックスとの間で放電が起こり、ショートしてしまった。
実施例9
 実施例1において、図5の要領でダミー電極を形成し、全ての線状透明電極をダミー電極とつなげた以外は、実施例1と同様に操作した。 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマトリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外周部にも、均一にスペーサが配置されており、実施例1に比べて、表示領域最外周部のスペーサの配置状態がより改善された。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、画面を観察したところ、表示領域の全体にわたり、コントラストが高く、表示ムラもなかった。
実施例10
 図4に示したように、線状透明電極及びダミー電極が形成され、線状透明電極とダミー電極とが導通していない構造を有する基板において、棒状電極を用いて電圧印加装置により全ての線状透明電極に−2.0kVの電圧を印加し、ダミー電極には別の電圧印加装置により、−2.03kVの電圧を印加したこと以外は、実施例2と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、表示領域全体にわたり、ブラックマトリックス部分に配置されており、特に、表示領域最外周部にも、均一にスペーサが配置されていた。
実施例11
 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、樹脂性ブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部は80×280μm、樹脂性ブラックマトリックス線幅35μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔25μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 また、基板は、一枚の基板に2つの表示領域の形成された2面取りの基板を用いた。
 ITO電極は、基板より約10mm内側から図5に示したように形成され、ダミー電極を電圧印加装置と接続して、基板上のダミー電極に電圧を印加すると、基板上のすべてのITO電極に直流電圧が印加されるようにした。
 散布装置として、図30に示したような日清エンジニアリング社製のDISPA−μR(商品名)散布装置を用い、図11に示したように、導電性ステージは、基板上のITO電極領域とほぼ一致させ、基板端部から約10mm内側の大きさのものを用いて散布装置内に設置した。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を準備した。
 次いで、ダミー電極に電圧を印加して、基板上のすべてのITO電極に−2.0kVの電圧を印加した。この状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮窒素で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すなわち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置されていた。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の製造方法によりスペーサを散布させた場合と異なり、画素部にスペーサが存在しないため、コントラストが高く、表示領域全体にわたりスペーサが配置されているため、良好な表示均一性の表示性能を有するのものであった。
実施例12
 ブラックマトリックスとして、線幅35μmの金属クロムブラックマトリックスを用い、導電性ステージとして、図13及び図30に示したように、基板上の2つの表示領域のブラックマトリックスの額縁から5mm内側に、それぞれ対応するように2つに分割されているものを用いたこと以外は、実施例11と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、電極の間隙に配置されていた。すなわち、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置されていた。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の製造方法によりスペーサを散布させた場合と異なり、画素部にスペーサが存在しないため、コントラストが高く、表示領域全体にわたりスペーサが配置されているため、良好な表示均一性の表示性能を有するのものであった。
実施例13
 導電性ステージとして、基板よりも50mm大きなものを用いたこと以外は、実施例11と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、電極の間隙、すなわち、ブラックマトリックス部分に配置されていたが、表示領域外周30mm付近にはほとんど配置されていなかった。
 その後、この基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、表示領域中央付近は、コントラストが高く、良好な表示性能を有するものであったが、表示領域外周部は、スペーサが存在しないため、セル厚が小さくなり、表示ムラを有するものであった。
実施例14
 導電性ステージとして、表示領域の40%、30%及び20%の大きさのものを用いたこと以外は、実施例12と同様に操作した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察し、その後、これらの基板を用いて、通常の方法で液晶表示装置を完成した。
 表示領域の40%の大きさの導電性ステージを用いた場合には、実施例12と同様にスペーサは電極の間隙すなわち、ブラックマトリックス部分に配置され、完成した液晶表示装置も画素部にスペーサが存在しないため、コントラストが高く、表示領域全体にわたりスペーサが配置されているため、良好な表示均一性の表示性能を有するのものであった。
 表示領域の30%の大きさの導電性ステージを用いた場合には、若干画素部にスペーサが配置されていたが、完成した液晶表示装置は、画素部に配置されたスペーサ数が少ないため、コントラストへの影響はほとんどなく、高いコントラストを有するものであった。
 表示領域の20%の大きさの導電性ステージを用いた場合には、表示領域上にほぼランダムにスペーサが配置され、完成した液晶表示装置もコントラストの向上が見られなかった。
実施例15
 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラックマトリックス線幅35μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔25μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。その後、純水シャワーにより基板を洗浄後、エアーナイフで水切りを行った。
 ITO電極は図5のように形成され、表示領域外の一カ所に電圧を供給すれば、すべての線状透明電極に電圧が印加されるようにした。ただし、スペーサの散布後、導通部分を切断することにより通常と変わらないコモン電極基板となった。
 散布装置として、図31に示したような日清エンジニアリング社製の乾式散布装置を用い、散布装置内には電圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールBBP(商品名、積水フアインケミカル社製、、粒子径:7.25μm)を準備した。
 次いで、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程として、準備したカラーフィルタ基板をオーブンにて90℃、30分の加熱乾燥を行い、水分の除去を行った。乾燥工程後の基板をアースされたステンレス製の導電性ステージに密着させて設置し、基板に反りが起こっていないことを確認後、直流電源からの端子を表示領域外でITO電極部に接続し、+2.00kVの電圧を印加し、続いてスペーサが正極性(+)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮窒素で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサ散布における作業環境は室温23℃、相対湿度70%であった。なお、この加熱後の基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージ間に流れる電流を検査したところ、10-12A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例16
 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、ITO電極間隙にも配置されていたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く配置されていた。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例17
 基板の加熱温度を40℃、30分にした以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、ITO電極間隙にも配置されていたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも配置されていた。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例18
 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに以下の操作を行った以外は、実施例15と同様に操作した。
 散布槽中にホットプレートを設置し、更にその上にアルミ製の薄板をホットプレートの天板に密着させて設置し、そのアルミ板をアースし、ホットプレートを加熱してアルミ板表面を150℃に保った。次に、基板をアルミ板に密着させて設置し、透明電極部に+2.00kVの電圧を印加し、3分後に実施例15と同様に散布した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-11A程度であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例19
 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基板の上下方向から気体温度45℃の乾燥窒素ガスを充分に吹き付けたこと以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-10A程度であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例20
 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基板をアセトン中にディッピングし、エアーナイフで基板上からアセトンを除去したこと以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-7A程度であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例21
 スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程の代わりに、基板を真空乾燥機中に入れ、1Paの真空度に減圧して5時間放置後、直ちに線状透明電極に電圧を印加してスペーサの散布を行ったこと以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-11A程度であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例22
 基板の保管場所の環境、及び、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対湿度40%で制御し、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以外は、実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-7A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例23
 基板の保管場所の環境、及び、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対湿度85%で制御し、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜いたこと以外は実施例15と同様に操作した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に配置されていたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く配置されていた。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例24
 基板をあらかじめ室温23℃、相対湿度20%の環境下に保管しておき、直ちに実施例15同様の操作をした。ただし、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜き、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対湿度50%で制御した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-8A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に一直線状に配置されていた。すなわち、表示画素内にはスペーサが存在しなかった。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置はスペーサに起因する光漏れがないため、コントラストが高く、良好な表示特性であった。
実施例25
 基板をあらかじめ室温8℃、相対湿度10%の環境下に保管しておき、直ちに実施例15と同様の操作をした。ただし、スペーサ散布前の基板の加熱乾燥工程を抜き、スペーサ散布における作業環境を室温23℃、相対湿度50%で制御した。なお、この基板の透明電極に1kVの電圧を印加して、透明電極とステージとの間に流れる電流を検査したところ、10-5A台であった。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察を行ったところ、スペーサは、ITO電極の間隙に配置されていたが、ITO電極上、すなわち、表示画素内にも多く配置されていた。
 その後、通常の方法で液晶表示装置を完成した。完成した液晶表示装置は、スペーサに起因する光漏れの影響でコントラストは実施例15よりも劣っていた。
実施例26
 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラックマトリックス線幅25μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔15μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 また、基板は、すべての線状透明電極(ITO電極、ストライプ電極)をダミー電極領域で導通し、電圧印加装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、日清エンジニアリング社製のDISPA−μR(商品名、乾式散布装置)を用い、アースされたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加装置(直流電源)に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板上のダミー電極に接続して、基板上のITO電極すべてに電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.3kVの電圧を1分間印加した。
その後、電圧印加装置からの接続端子を外し、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にスペーサが均一に配置されていた。
実施例27
 実施例26において、基板裏全面にアルミニウム箔を密着させ、アースされたステンレス板上で電圧印加装置からの接続端子を基板上のダミー電極に接続し、全てのITO電極に−2.5kVの電圧を1分間印加した。
 その後、電圧印加装置からの接続端子を電極から外し、基板とアルミニウム箔が密着した状態を保って、散布装置内のアースされたステンレス製のテーブル上に移動させ、実施例26と同様にしてスペーサの散布を行った。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にスペーサが均一に配置されていた。
実施例28
 実施例26において、基板裏全面にアルミニウム箔を密着させ、アースされたステンレス板上で電圧印加装置からの接続端子を基板上のダミー電極に接続し、全てのITO電極に−2.5kVの電圧を1分間印加した。
 その後、電圧印加装置からの接続端子を外し、基板とアルミニウム箔が密着した状態を保って、散布装置内の絶縁性のテーブル(塩化ビニル樹脂製)上に移動させ、実施例26と同様にしてスペーサの散布を行った。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察したところ、ほぼすべてのスペーサは電極の間隙に均一に配置されていた。すなわち、ブラックマトリックス部分にスペーサが均一に配置されていた。
実施例29
 基板としてSTN型液晶表示装置用のコモン電極基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部は80×280μm、金属クロムブラックマトリックス線幅25μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ITO電極幅290μm、電極間隔15μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 また、基板は、すべての線状透明電極(ITO電極、ストライプ電極)をダミー電極領域で導通し、電圧印加装置と接続して、基板上のITO電極に対して直流電圧を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、日清エンジニアリング社製のDISPA−μR(商品名、乾式散布装置)を用い、アースされたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加装置(直流電源)に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板上のダミー電極に接続して、基板上のITO電極すべてに電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールBB−PH(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:7.25μm)を準備した。
次いで、基板上のすべてのITO電極に−2.0kVの電圧を印加した。
電圧を印加した直後(電圧を印加した状態の保持時間なし)と、電圧を印加した状態を、1秒間、3秒間、5秒間、10秒間、60秒間、それぞれ保持して、その後、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。なお、スペーサの散布中も、すべてのITO電極に−2.0kVの電圧を印加した状態を保持した。
 スペーサが散布された基板を光学顕微鏡で観察し、スペーサの配置状態を以下に示す配置率で評価した。
[配置率(%)]=[一定画素数内でブラックマトリックス部分に配置したスペーサ数]/[一定画素数内すべてのスペーサ数]
 その結果を表1に示した。
Figure 2004038216
実施例30
 第一の基板として、カラーフィルタ形成基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及び顔料分散型カラーフィルタ層形成ガラス基板:RGB各画素の開口部80×280μm、金属クロムブラックマトリックス線幅35μm、顔料分散型カラーフィルタ層の厚さ約1.5μm、アクリル樹脂製オーバーコート層3.0μm、ガラス厚0.7mm)を準備した。
 そして、図23に示したような、中央に水平方向に形成されたブラックマトリックスの直上領域の内側になるように、25μm×100μmの矩形状のエッチング領域を形成した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 また、カラーフィルタ形成基板の表示領域外で、透明電極部に電圧印加装置を接続し、更に、透明電極層、オーバーコート層を削り落とし、クロムブラックマトリックスの一部を露出させ、ブラックマトリックス部にも別の電圧印加装置を接続し、直流電圧を印加できるようにした。2つの電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、図32に示したような日清エンジニアリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールSP(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:5.25μm)を準備した。
次いで、基板上の透明電極部に−1.5kVの電圧を印加し、ブラックマトリックス部に−1.48kVの電圧を印加した(透明電極部:相対−、ブラックマトリックス部:相対+)。この状態を保って、スペーサが負極性(−)に帯電するステンレス製配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは負極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、図33に示したように、エッチング領域のみに配置されていた。
 その後、この基板を用いて、通常の方法でTFT型液晶表示装置を完成した。完成したTFT型液晶表示装置は、画面を観察したところ、表示領域にスペーサが存在しないため、コントラストの高いものであった。
実施例31
 実施例30の場合と同様の基板を用い、電圧印加装置から透明電極部に−2.0kVの電圧を印加し、ブラックマトリックス部には電圧印加装置からの端子を接続せず、実施例30と同様に操作した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置されていた。
実施例32
 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置したこと以外は、実施例31と同様に操作した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置されていた。
実施例33
 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置したこと以外は、実施例30と同様に操作した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、エッチング領域のみに配置されていた。
比較例3
 透明電極部に印加する電圧を−1.5kVとし、ブラックマトリックス部に印加する電圧を−1.3kVとしたこと以外は、実施例30と同様に操作しようとしたが、透明電極と導電性ブラックマトリックスとの間にショートが発生し、結果的に電圧の印加を行うことができなかった。
実施例34
 第一の基板として、カラーフィルタ形成基板(パターン状の線状透明電極、金属クロムブラックマトリックス及びカラーフィルタ形成ガラス基板:RGB各画素の開口部80×280μm、ストライプ方向の金属クロムブラックマトリックス線幅25μm、ストライプに直行する方向のブラックマトリックス線幅35μm)を準備した。
 そして、透明電極のブラックマトリックスの交差部に相当する部分に、導電性ブラックマトリックスの35μmの線幅の範囲内で、かつ、その境界から7μm内側の位置に、5μmの幅のエッチング層を形成し、図28に示したような、11μm×40μmの矩形の孤立透明電極を多数形成した。
この基板に、ポリイミドの配向膜を0.05μm形成し、ラビング処理を施した。
 また、カラーフィルタ形成基板の表示領域外で、透明電極部に電圧印加装置を接続し、孤立透明電極以外の透明電極に電圧印加装置を接続し、直流電圧を印加できるようにした。電圧印加装置は、電圧値、電圧極性を任意に設定可能とした。
散布装置として、図34に示したような日清エンジニアリング社製の乾式散布装置を用い、アースされたステンレス製の導電性ステージ上に基板を密着させて設置した。また、散布装置内には電圧印加装置に導通された電圧印加用の接続端子を設けて、散布装置内に配線を引き込み、基板に電圧の供給が行えるようにした。
 スペーサとして、ミクロパールCB(商品名、積水フアインケミカル社製、粒子径:5.7μm)を準備した。
 次いで、基板上の孤立透明電極以外の透明電極に+1.8kVの電圧を印加した。この状態を保って、スペーサが正極性(+)に帯電する配管を経由させることにより、スペーサを、圧縮空気で基板上に散布した。このとき、スペーサは正極性に帯電していることをあらかじめ確認した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、図35に示したように、孤立透明電極が形成された部分のみに配置されていた。
 その後、この基板を用いて、通常の方法でTFT型液晶表示装置を完成した。完成したTFT型液晶表示装置は、画面を観察したところ、表示領域にスペーサが存在しないため、コントラストの高いものであった。
 なお、スペーサは、シール材の加圧、硬化過程の加熱により、配向膜と密着し、移動等は観察されなかった。
実施例35
 スペーサ散布装置のステンレス製の導電性ステージ上に、抵抗値が107Ωcm以下の帯電防止マットを密着させて設置し、その上に第一基板を密着させて設置したこと以外は、実施例34と同様に操作した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、孤立透明電極が形成された部分のみに配置されていた。
実施例36
 クロム製ブラックマトリックスの部分を顔料分散型のブラックレジストを用いて、クロム製ブラックマトリックスの場合と同様のパターンを形成し、印加する電圧を+2.0kVとしたこと以外は、実施例34と同様に操作した。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、孤立透明電極が形成された部分のみに配置されていた。
比較例4
 ステージ上にフッ素樹脂からなる樹脂製のピンを立て、その上に第一の基板を設置し、この第一の基板全体を浮かして空気による絶縁ステージとしたこと以外は、実施例34と同様の操作を行った。
 スペーサが散布された第一の基板を光学顕微鏡で観察したところ、スペーサは、ブラックマトリックス部分に配置されていたが、透明電極上にもほぼランダムな状態で多く配置されていた。
図1は、ステージがアースされている場合における基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法を説明するための概念図である。 ダミー電極が形成されていない本発明の液晶表示装置の製造方法において用いられる基板を上部からみた平面概念図である。 ダミー電極が形成され、透明電極とダミー電極とが接続されていない本発明の液晶表示装置の製造方法において用いられる基板を上部からみた平面概念図である。 ダミー電極が形成され、透明電極とダミー電極とが接続されている本発明の液晶表示装置の製造方法において用いられる基板を上部からみた平面概念図である。 オーバーコート層上に、透明電極のみが形成された基板において、透明電極とブラックマトリックスとに同極性の異なる電圧を印加した場合の電気力線を示す概念図である。 オーバーコート層上に、透明電極及びダミー電極が形成された基板において、透明電極及びダミー電極とブラックマトリックスとに同極性の異なる電圧を印加した場合の電気力線を示す概念図である。 従来の液晶表示装置の製造方法における基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。 ステージがアースされていない場合における基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。 液晶表示装置の製造方法における基板とステージとの関係を説明するための断面概念図である。 液晶表示装置の製造方法における基板とステージとの関係を説明するための断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法における一般的なコモン電極基板上のブラックマトリックスの額縁状態を説明するための平面及び断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法における基板上の等電位面を説明するための断面概念図である。 基板表面の水分を伝わり電流がステージ側にリークする場合を説明するための側面概念図である。 ステージがアースされていない場合における基板上の等電位面を説明するための側面概念図である。 基板表面が水分で覆われている場合における基板上の等電位面を説明するための側面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法における透明電極と導電性ステージとの間にエレクトロメーターを設置しリーク電流を検査するのを説明するための側面概念図である。 アースされた導電性ステージ(テーブル)に基板を密着させて設置して、かつ、スペーサが散布される基板上に形成されたパターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加し、その後、パターン状の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加したまま、電圧印加装置からの端子を透明電極から外すと、スペーサの配置に適する電場が維持されることを説明するための側面概念図である。 スペーサの散布工程前にアースされた導電性ステージ上で透明電極に電圧を印加しておき、その導電性ステージ(テーブル)ごと散布装置内に流すことにより、散布装置内で電圧の印加を行う工程を省くことができ、タクトを早めることができることを説明するための側面概念図である。 エッチング領域が形成された本発明の第一の基板の一実施形態を模式的に示す平面図である。 エッチング領域が形成された本発明の第一の基板の別の実施形態を模式的に示す平面図である。 エッチング領域が形成された本発明の第一の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図である。 エッチング領域が形成された本発明の第一の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法を説明するための断面概念図である。 孤立透明電極が形成された本発明の第一の基板の一実施形態を模式的に示す平面図である。 孤立透明電極が形成された本発明の第一の基板の別の実施形態を模式的に示す平面図である。 孤立透明電極が形成された本発明の第一の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図である。 孤立透明電極が形成された本発明の第一の基板のさらに別の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を実施するための形態において用いられるスペーサ散布装置の断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を実施するための形態において用いられるスペーサ散布装置の断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を実施するための形態において用いられるスペーサ散布装置の断面概念図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を実施するための形態において用いられるスペーサ散布装置の断面概念図である。 図23に示した第一の基板にスペーサを散布したときの状態を示した平面図である。 本発明の液晶表示装置の製造方法の発明を実施するための形態において用いられるスペーサ散布装置の断面概念図である。 図28に示した第一の基板にスペーサを散布したときの状態を示した平面図である。 従来の液晶表示装置の製造方法を説明するための概念図である。 従来のTFT型の液晶表示装置の製造方法を説明するための概念図である。
符号の説明
1 絶縁性基板(ガラス基板)
1a 第一の基板
1b 第二の基板
2 偏向板
3 表示電極(線状透明電極、画素電極)
3a 孤立透明電極
4 カラーフィルタ
5 ブラックマクリックス(導電性ブラックマクリックス)
6 オーバーコート層
7 液晶
8 スペーサ
9 配向膜
10 容器
12 電圧印加装置(直流電源)
13 ゲート電極
14 ドレイン電極
14a ソース電極
15 導電性ステージ(ステージ)
16 半導体膜
17 配管
18 エレクトロメーター
19 スペーサ計量用(供給用)フィーダー
20 分断ライン
21 ダミー電極
22 エッチング領域
23 絶縁膜
24 エッチング帯域
26 ブラックマトリックス額縁
28 ダミー電極領域
29 表示画素(ブラックマトリックス開口部)
30 表示領域
31 等電位を示す線(等電位面)

Claims (19)

  1. 少なくともパターン状の透明電極から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、
    正極性又は負極性に帯電したスペーサを基板上に散布するに際し、
    アースされた体積抵抗1010Ωcm以下の導電性ステージに基板を密着させて設置して、かつ、透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である200V〜5kVの電圧を印加する
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 透明電極に対してスペーサの帯電極性と同極性である1.5kV〜5kVの電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置の製造方法。
  3. 基板は、ダミー電極をも有するものであり、
    透明電極に電圧を印加する際に、前記ダミー電極にも電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装置の製造方法。
  4. 透明電極への印加は、ダミー電極と透明電極とを導通させ、ダミー電極に電圧を印加することにより行う
    ことを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置の製造方法。
  5. ダミー電極へ印加する電圧と、透明電極へ印加する電圧とは異なるものである
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、
    スペーサが散布される基板の水分を除去する工程と、
    アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程とからなる
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 水分を除去する工程は、散布前に基板を加熱することにより行うものである
    ことを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置の製造方法。
  8. 水分を除去する工程は、散布中に基板を加熱することにより行うものである
    ことを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示装置の製造方法。
  9. 水分を除去する工程は、散布前に乾燥気体で基板をブローすることにより行うものである
    ことを特徴とする請求項6、7又は8記載の液晶表示装置の製造方法。
  10. 水分を除去する工程は、散布前に溶剤で水分を置換して乾燥することにより行うものである
    ことを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の液晶表示装置の製造方法。
  11. 水分を除去する工程は、散布前に基板を真空下に放置するか、又は、真空下で加熱することにより行うものである
    ことを特徴とする請求項6、7、8、9又は10記載の液晶表示装置の製造方法。
  12. 基板の加熱温度は、50℃以上であることを特徴とする請求項7又は8記載の液晶表示装置の製造方法。
  13. 水分を除去する工程の経過後に、基板上の透明電極に1kVの電圧を印加した場合に、基板上の透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10-6A以下になるようにする
    ことを特徴とする請求項6、7、8、9、10、11又は12記載の液晶表示装置の製造方法。
  14. 少なくともパターン状の透明電極及び配向膜から構成される第一の基板及び第一の基板の上に対向配置される第二の基板のうち少なくとも一方の基板にスペーサを散布し、両基板の間隙に液晶を注入してなる液晶表示装置の製造方法であって、
    アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程からなり、
    スペーサの散布前及び散布中に用いる基板の特性として、基板上の透明電極に1kVの電圧を印加したときに、基板上の透明電極と導電性ステージとの間に流れる電流を10-6以下である基板を用いる
    ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  15. アースされた導電性ステージに基板を密着させて設置して、基板上の透明電極にスペーサの帯電極性と同極性の電圧を印加してスペーサを散布する工程を、室温18℃〜28℃、相対湿度50%RH以下に管理して行う
    ことを特徴とする請求項14記載の液晶表示装置の製造方法。
  16. 基板は、室温18℃〜28℃、相対湿度50%RH以下の環境で保管される
    ことを特徴とする請求項15記載の液晶表示装置の製造方法。
  17. スペーサは、気体を媒体として樹脂製の配管又は金属製の配管を経由して散布されることにより、正極性又は負極性に帯電させられるものである
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16記載の液晶表示装置の製造方法。
  18. スペーサは、加熱により基板表面に固着するものである
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17記載の液晶表示装置の製造方法。
  19. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18記載の液晶表示装置の製造方法によって製造されてなる
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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