JP3504263B2 - 組み換え型骨形態形成蛋白ヘテロダイマー、組成物および使用法 - Google Patents

組み換え型骨形態形成蛋白ヘテロダイマー、組成物および使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、骨欠損の治療、骨損傷の治療および一般的
な傷の治療に有用な一連の新規組み換え型ヘテロダイマ
ー蛋白に関する。また本発明は、これらのヘテロダイマ
ーを得る方法、それらを遺伝子組み換え法により製造す
る方法、およびそれらを含有する組成物に関する。
発明の背景 近年、骨または軟骨成長誘導特性により特徴づけられ
る蛋白性因子が単離、同定された。例えば、米国特許第
5,013,649号、PCT出願公開WO90/11366号、PCT出願公開W
O91/05802号およびそれらに引用された種々の文献参
照。実質的にヒト・BMP−7と同じであり、骨形成活性
を有すると報告されているOP−1と命名された蛋白配列
を開示しているPCT/US90/05903号も参照。
BMP−2ないしBMP−9と命名された個々の骨形成蛋白
(BMP)の族が単離、同定されている。これらの蛋白お
よびその製法を開示するために、共同出願で同時係属の
米国特許出願第721,847号およびその前文に引用された
関連出願を、出典明示により本明細書の一部とする。上
記出願に示されたBMP−2およびBMP−4と命名された蛋
白、米国特許出願第438,919号に開示されたBMP−7、第
370,547号および第356,033号に開示されたBMP−5、お
よび第370,544号および第347,559号に開示されたBMP−
6、ならびに第525,357号に開示されたBMP−8は、特に
興味深い。さらに、米国特許出願第655,578号に開示さ
れたBMP−1、第720,590号に開示されたBMP−9,第179,1
97号およびPCT公開89/01464号に開示されたBMP−3も興
味深い。これらの出願を出典明示により本明細書の一部
とする。
当該分野においては、骨および傷の治療の分野で有用
な他の蛋白および組成物が必要とされている。
発明の概要 1の態様において本発明は、1つ目に選択したBMPま
たはそのフラグメントおよび2つ目に選択したBMPまた
はそのフラグメントをコードしているポリクレオチド配
列を含む選択宿主細胞を培養することからなる、組み換
え型ヘテロダイマー蛋白の製法を提供する。得られた同
時発現した生物学的に活性のあるヘテロダイマーを培養
基から単離する。
本発明の1の具体例によれば、宿主細胞を、1種また
はそれ以上のBMPのコード配列を有する1種またはそれ
以上のベクターで同時形質転換してもよい。個々のBMP
ポリヌクレオチド配列が、細胞中に導入される同一のベ
クターまたは別々のベクター上に存在していてもよい。
別法として、BMPまたはそのフラグメントを宿主細胞染
色体中に取り込ませてもよい。さらに、単一の転写単位
が、異なるBMPをコードしている2つの遺伝子の単一コ
ピーをコードしていてもよい。
本発明のもう1つの具体例によれば、2つのポリペプ
チドのコード配列を含む選択宿主細胞は、1つ目または
2つ目のBMPあるいはそれらのフラグメントをコードし
ているポリヌクッレオチド配列で形質転換され、これを
安定に発現できる2種の安定な選択宿主細胞を融合させ
ることにより得られるハイブリッド細胞系である。
それゆえ、本発明のもう1つの態様において、2つ目
のBMP蛋白またはそのフラグメントと会合した1つ目のB
MP蛋白またはそのフラグメントからなる組み換え型ヘテ
ロダイマー蛋白が提供される。ヘテロダイマーを、骨刺
激活性により特徴づけてもよい。ヘテロダイマーが、BM
P−5、BMP−6、BMP−7またはBMP−8いずれかの蛋白
またはそのフラグメントと会合したBMP−2蛋白または
そのフラグメント、あるいはBMP−5、BMP−6、BMP−
7またはBMP−8いずれかの蛋白またはそのフラグメン
トと会合したBMP−4蛋白またはそのフラグメントから
なっていてもよい。さらなる具体例において、ヘテロダ
イマーがBMP−1、BMP−3、またはBMP−4いずれかの
蛋白またはそのフラグメントと会合したBMP−2蛋白ま
たはそのフラグメントからなっていてもよい。BMP−4
が、BMP−1、BMP−2またはそのフラグメントと会合し
たヘテロダイマーの形態であってもよい。さらなる具体
例が、BMP−5、BMP−6、BMP−7およびBMP−8の組み
合わせからなるヘテロダイマーからなっていてもよい。
例えば、ヘテロダイマーが、BMP−6、BMP−7またはBM
P−8に会合したBMP−5からなっていてもよく、あるい
はBMP−7、またはBMP−8に会合したBMP−6からなっ
ていてもよく、もしくはBMP−8に会合したBMP−7から
なっていてもよい。これらのヘテロダイマーを、選択宿
主細胞で個々の蛋白を同時発現させることにより得て、
該ヘテロダイマーを培養基から単離してもよい。
本発明のさらなる態様として、1つ目のBMPまたはそ
のフラグメントをコードしている1つ目のポリヌクレオ
チド配列および2つ目のBMPまたはそのフラグメントを
コードしている2つ目のポリヌクレオチド配列(これら
の配列は、BMPをヘテロダイマーとして同時発現される
ことのできる1つまたはそれ以上の発現制御系のコント
ロール下にある)を含む細胞系が提供される。細胞系を
1種またはそれ以上のポリヌクレオチド分子で形質転換
してもよい。別法として、細胞系が、上記細胞融合によ
り作られたハイブリッド細胞系であってもよい。
本発明の別の態様は、1つ目の選択BMPまたはそのフ
ラグメントをコードしているポリヌクレオチド配列およ
び2つ目の選択BMPまたはそのフラグメントをコードし
ているポリヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
分子またはプラスミドベクターである。該配列は、個々
の蛋白またはフラグメントを同時発現させることのでき
る少なくとも1つの適当な調節配列の制御下にある。該
分子が、両方の遺伝子のコピーを含む単一の転写単位ま
たは単一遺伝子のコピーをそれぞれに含む1個以上の転
写単位を有していてもよい。
本発明のさらに別の態様として、1つ目の選択BMPま
たはそのフラグメントをコードしているポリヌクレオチ
ド配列を有する選択宿主細胞を培養し、2つ目の選択BM
Pまたはそのフラグメントをコードしているポリヌクレ
オチド配列を有する選択宿主細胞を培養し、個々のモノ
マー形態のBMP蛋白を培養基から単離してモノマー形態
の1番目の蛋白とモノマー形態の2番目の蛋白とを会合
させることからなる、骨刺激活性のある組み換え型ダイ
マーあるいはヘテロダイマー蛋白を真核細胞中で製造す
る方法が提供される。1つ目の蛋白および2つ目の蛋白
は、同じBMPであっても異なるBMPであってもよい。そし
て、得られた生物学的に活性のあるダイマーまたはヘテ
ロダイマーを混合物から単離する。好ましい細胞はイー
・コリ(E.coli)である。
したがって、本発明のさらなる態様は、適当なベクタ
ーまたはプラスミド、およびかかる製法において有用な
選択形質転換細胞のみならず、真核細胞中で生産された
組み換え型BMPダイマーまたはヘテロダイマーである。
さらに本発明の他の態様および利点を、以下の本発明
具体例の詳細な説明に記載する。
図面の簡単な説明 図1は、ヒト・BMP−2(配列番号:1および2)のDNA
およびアミノ酸配列を示す。
図2は、ヒト・BMP−4(配列番号:3および4)のDNA
およびアミノ酸配列を示す。
図3は、ヒト・BMP−7(配列番号:5および6)のDNA
およびアミノ酸配列を示す。
図4は、ヒト・BMP−6(配列番号:7および8)のDNA
およびアミノ酸配列を示す。
図5は、ヒト・BMP−5(配列番号:9および10)のDNA
およびアミノ酸配列を示す。
図6は、ヒト・BMP−8(配列番号:11および12)のDN
Aおよびアミノ酸配列を示す。
図7は、BMP−2成熟蛋白遺伝子(配列番号:13および
14)を含むベクターpALB2−781のDNA配列を示す。
図8は、W20アルカリホスファターゼのアッセイにお
けるCHO BMP−2とCHO BMP−2/7の活性の比較であ
る。
図9は、BGP(オステオカルシン(osteocalcin))の
アッセイにおけるCHO BMP−2とCHO BMP−2/7の活性
の比較である。
図10は、イー・コリにより生産されたBMP−2とBMP−
2/7ヘテロダイマーのW−20活性の比較である。
図11は、BMP−3のDNAおよびアミノ酸配列を示す。
図12は、W−20アッセイにおけるBMP−2とBMP−2/6
の比較を示す。
図13は、BMP−2/6とBMP−2のインビボ活性の比較を
示す。
図14は、インビボ活性におけるBMP−2、BMP−6およ
びBMP−2/6比較を示す。
発明の詳細な説明 本発明は、組み換え型ヘテロダイマー自体のみならず
骨刺激活性を有する組み換え型ヘテロダイマー蛋白の製
法、およびそれらを含有する骨刺激用または骨治療用組
成物を提供する。
本明細書全体を通して、「ヘテロダイマー」を、少な
くとも1個の共有結合またはジスルフィド結合により会
合した2種の異なるBMP蛋白モノマーまたはそれらの活
性フラグメントからなる生物学的に活性のある蛋白構築
物と定義する。2種のBMP構成成分間の1〜7個のジス
ルフィド結合の存在により本発明ヘテロダイマーを特徴
づけてもよい。
それゆえ本発明によれば、本発明の組み換え型BMPヘ
テロダイマーの製法は、1つ目の選択BMPまたはその生
物学的に活性のあるフラグメントをコードしているポリ
ヌクレオチド配列および2つ目の選択BMPまたはその生
物学的に活性のあるフラグメントをコードしているポリ
ヌクレオチド配列を有する選択宿主細胞を培養すること
からなる。同時発現した生物学的に活性のあるヘテロダ
イマーは、宿主細胞中に生産され、それより分泌され、
培養基から単離される。本発明ヘテロダイマー蛋白の製
法の好ましい具体例を、以下に、そして後記実施例に詳
細に記載する。本発明の好ましい方法は、既知の遺伝子
組換法を包含する(例えば、サムブルック(Sambrook)
ら,「モレキュラー・クローニング.ア・ラボラトリー
・マニュアル(Molecular Cloning.A Laboratory Manua
l)」第2版,ニューヨークのコールド・スプリング・
ハーバー(Cold Spring Harbor)のコールド・スプリン
グ・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Lab
oratory)(1989年)参照)。しかしながら、慣用的な
化学合成のごとき他の方法も、本発明ヘテロダイマーの
調製に有用である。
本発明方法により得られたBMPヘテロダイマーは、ホ
モダイマーとヘテロダイマーの混合物中に生成される。
古典的な蛋白生化学的方法またはヘテロダイマーを形成
するBMPの1つに特異的なアフィニティーカラムのごと
き本質的に慣用的な方法により、このホモダイマーとヘ
テロダイマーの混合物を、培養基中の汚染物質から分離
してもよい。さらに、所望ならば、ヘテロダイマーを、
混合物中のホモダイマーから分離してもよい。かかる分
離方法により、ヘテロダイマー種の活性の明確な測定が
可能になる。実施例4は、この目的のために現に用いら
れる1つの精製方法を示す。
好ましくは、これらの方法により生産される本発明の
組み換え型ヘテロダイマーが、ヒト・BMP−2、ヒト・B
MP−4、ヒト・BMP−5、ヒト・BMP−6、ヒト・BMP−
7およびBMP−8と命名されたBMPを包含するものとす
る。しかしながら、BMP−3もまたBMP−2と一緒になっ
て活性ヘテロダイマーを形成することがわかっている。
上で特に示したBMPのみならずこれらのBMPの他の種も、
獣医学、診断または研究用に用いることができる。しか
しながら、以下に特に示すヒト・蛋白が、ヒトの医薬用
に好ましい。
ヒト・BMP−2を、図1に開示するアミノ酸配列およ
びDNA配列の全配列またはフラグメントを実質的に含ん
でいることにより特徴づける。さらにヒト・BMP−2
を、成熟BMP−2サブユニットのジスルフィド結合した
ダイマーまたはホモダイマーとして特徴づける。遺伝子
組換えにより発現したBMP−2サブユニットは、異種の
アミノ末端を有する蛋白種を含んでいる。あるBMP−2
サブユニットを、図1(配列番号:1および2)のアミノ
酸#249(Ser)〜#396(Arg)からなることによって特
徴づける。別のBMP−2サブユニットを、図1のアミノ
酸#266(Thr)〜#396(Arg)からなることによって特
徴づける。さらに別のBMP−2サブユニットを、図1の
アミノ酸#296(Cys)〜#396(Arg)からなることによ
って特徴づける。成熟BMP−2を、図1のアミノ酸#283
(Gln)〜#396(Arg)からなることによって特徴づけ
る。この後者のサブユニットが、実際には、組換法によ
る発現で得られるBMP−2の最も多い蛋白種である(図
1)。しかしながら、得られるある種のBMP−2の特性
を、培養条件を操作することにより変化させてもよい。
BMP−2が、図1の配列において、例えば#241〜280の
アミノ酸の欠失および#245ArgのIleへの変化、または
他の変化のごとき修飾を有していてもよい。
米国特許第721,847号(出典明示により本明細書の一
部とする)に詳細に記載されているように、図1の#35
6ないし#1543のヌクレオチドコード配列からなるDNA配
列で形質転換された細胞を培養し、一緒に生産される他
の蛋白性物質を実質的に含まない1種またはそれ以上の
上記蛋白種を培養基から回収し、精製することにより、
ヒト・BMP−2を製造してもよい。ヒト・BMP−2蛋白を
骨形成誘導能力により特徴づけてもよい。また、ヒト・
BMP−2は、W20アッセイにおいてインビトロ活性を有し
ている。さらにヒト・BMP−2を軟骨形成誘導能力によ
り特徴づけてもよい。さらにヒト・BMP−2を上で参照
した出願に記載されたラット・骨形成アッセイにおいて
軟骨および/または骨形成活性を示す能力により特徴づ
けてもよい。
ヒト・BMP−4を、図2(配列番号:3および4)に開
示したアミノ酸配列およびDNA配列の全配列またはフラ
グメントを実質的に有することにより特徴づける。さら
にヒト・BMP−4を、成熟BMP−4サブユニットのジスル
フィド結合したダイマーおよびホモダイマーとして特徴
づける。遺伝子組み換えにより発現したBMP−4サブユ
ニットが、異種のアミノ末端を有する蛋白種を含んでい
てもよい。ヒト・BMP−4の成熟サブユニットを、図2
のアミノ酸#293(Ser)〜#408(Ser)からなることに
より特徴づける。BMP−4の他のアミノ末端を、図2の
配列から選択してもよい。また、さらにアミノまたはカ
ルボキシ末端で切形された蛋白をはじめとするBMP−4
の修飾バージョンを、慣用的な変異法により構築しても
よい。
上で本明細書の一部とした米国特許出願第721,847号
に開示されているように、図2の#403から#1626のヌ
クレオチドコード配列からなるDNA配列で形質転換した
細胞を培養し、一緒に生産される他の蛋白性物質を実質
的に含まない、図2の#293から#408のアミノ酸配列か
らなる蛋白を培養基から回収し、精製することにより、
BMP−4を生産してもよい。BMP−4蛋白は、骨形成を誘
導する能力がある。BMP−4蛋白は、軟骨形成誘導能力
がある。さらにBMP−4蛋白を、ラット・骨形成アッセ
イにおいて軟骨および/または骨形成活性を示す能力に
より特徴づけてもよい。
ヒト・BMP−7を、図3に開示したアミノ酸配列およ
びDNA配列の全配列またはフラグメントを実質的に含む
ことにより特徴づける。さらにヒト・BMP−7蛋白を、
成熟BMP−7サブユニットのジスルフィド結合したダイ
マーおよびホモダイマーとして特徴づける。遺伝子組み
換えで発現したBMP−7サブユニットは、異種のアミノ
末端を有する蛋白種を含んでいる。ヒト・BMP−7のあ
る成熟サブユニットを、図3(配列番号:5および6)の
アミノ酸#293(Ser)〜#431(His)からなることによ
り特徴づける。このサブユニットが、BMP−7の組換え
発現により最も多く生産される蛋白である。別のBMP−
7サブユニットを、図3のアミノ酸#300(Ser)〜#43
1(His)からなることにより特徴づける。さらに別のBM
P−7サブユニットを、図3のアミノ酸#316(Ala)〜
#431(His)からなることにより特徴づける。BMP−7
の他のアミノ末端を、図3の配列から選択してもよい。
同様に、さらにBMP−7のアミノまたはカルボキシ末端
を切形した蛋白をはじめとする修飾バージョンを、慣用
的な変異法により構築してもよい。
上で本明細書の一部とした米国特許出願第438,919号
に開示されているように、図3のヌクレオチド#97から
ヌクレオチド#1389のヌクレオチドコード配列からなる
DNA配列で形質転換した細胞を培養し、一緒に生産され
る他の蛋白性物質を実質的に含まない、図3の#293か
ら#431のアミノ酸配列からなる蛋白を培養基から回収
し、精製することにより、BMP−7を生産してもよい。
これらの蛋白は、軟骨および/または骨の形成を刺激、
促進、あるいは誘導する能力を有する。
ヒト・BMP−6を、図4のアミノ酸配列およびDNA配列
の全配列またはフラグメントを含むことによって特徴づ
ける。さらにヒト・BMP−6蛋白を、成熟BMP−6サブユ
ニットのジスルフィド結合したダイマーとして特徴づけ
る。組換えにより発現したBMP−6サブユニットが、異
種のアミノ末端を有する蛋白種を含んでいてもよい。あ
るBMP−6サブユニットを、図4(配列番号:7および
8)のアミノ酸#375(Ser)〜#513(His)からなるこ
とにより特徴づける。BMP−6の他のアミノ末端を、図
4の配列から選択してもよい。さらにアミノまたはカル
ボキシ末端を切形したBMP−6の修飾バージョンを、慣
用的変異法により構築してもよい。
米国特許出願第490,033号(出典明示により本明細書
の一部とする)に詳細に記載されているように、図4の
ヌクレオチド#160から#1698のヌクレオチドコード配
列からなるDNA配列で形質転換した細胞を培養し、一緒
に生産される他の蛋白性物質を実質的に含まない、図4
の#375から#513のアミノ酸配列からなる蛋白を培養基
から回収し、精製することにより、ヒト・BMP−6を生
産してもよい。さらにヒト・BMP−6を、ラット・骨形
成アッセイにおいて軟骨および/または骨形成活性を示
す能力により特徴づけてもよい。
ヒト・BMP−5を、図5(配列番号:9および10)に開
示したアミノ酸配列およびDNA配列の全配列またはフラ
グメントを含むことにより特徴づける。さらにヒト・BM
P−5蛋白を、成熟BMP−5サブユニットのジスルフィド
結合したダイマーとして特徴づける。組換発現したBMP
−5サブユニットが、異種のアミノ末端を有する蛋白種
を含んでいてもよい。あるBMP−5サブユニットを、図
5のアミノ酸#329(Ser)〜#454(His)からなること
により特徴づけてもよい。アミノまたはカルボキシ末端
を切形したBMP−5の修飾バージョンを、慣用的変異法
により構築してもよい。
米国特許出願第588,227号(出典明示により本明細の
一部とする)に詳細に記載されているように、図5のヌ
クレオチド#701から#2060のヌクレオチドコード配列
からなるDNA配列で形質転換した細胞を培養し、一緒に
生産される他の蛋白性物質を実質的に含まない、図5の
#329から#454のアミノ酸配列からなる蛋白を培養基か
ら回収し、精製することにより、ヒト・BMP−5を生産
してもよい。さらにヒト・BMP−5を、上で参照した出
願に記載されているラット・骨形成アッセイにおいて軟
骨および/または骨形成活性を示す能力により特徴づけ
てもよい。
ヒト・BMP−8を、図6に開示したアミノ酸配列およ
びDNA配列の全配列またはフラグメントを含むことによ
り特徴づける。さらにヒト・BMP−8蛋白を、成熟BMP−
8サブユニットのジスルフィド結合したダイマーとして
特徴づけてもよい。組換え発現したBMP−8サブユニッ
トが、異種のアミノ末端を有する蛋白種を含んでいても
よい。あるBMP−配列またはサブユニット配列は、図6
(配列番号:11および12)のアミノ酸#143(Ala)〜#2
81(His)からなる。BMP−8の他のアミノ末端を、図6
の配列から選択してもよい。アミノまたはカルボキシ末
端を切形したBMP−8の修飾バージョンを、慣用的変異
法により構築してもよい。
米国特許出願第525,357号(出典明示により本明細の
一部とする)に詳細に記載されているように、図6のヌ
クレオチド#1から#850のヌクレオチドコード配列か
らなるDNA配列で形質転換した細胞を培養し、一緒に生
産される他の蛋白性物質を実質的に含まない、図6の#
143から#281のアミノ酸配列、あるいは異種のN−末端
を有する同様のアミノ酸配列からなる蛋白を培養基から
回収し、精製することにより、ヒト・BMP−8を生産し
てもよい。また、アミノ酸#143の前にMetを挿入した#
143から#281のアミノ酸(図6)をコードしている配列
をベクター中に挿入することにより、イー・コリ中で、
このBMP−8を生産させてもよい。さらにヒト・BMP−8
を、ラット・骨形成アッセイにおいて軟骨および/また
は骨形成活性を示す能力により特徴づけてもよい。
未修飾で非還元型の上記それぞれのBMP蛋白を、12%
レムリ(Laemmli)ゲル上の約28kDないし約40kDの間の
範囲の見掛けの分子量により特徴づけてもよい。後記実
施例9記載のラット・骨形成アッセイにおいて骨の刺激
または修復活性を示す蛋白あるいは活性フラグメントを
提供する本明細書記載のDNAおよびアミノ酸配列の類似
または修飾バージョンも、本発明で使用するの適当なBM
Pに分類される。ただしジスルフィド結合に関与する1
個またはそれ以上のCysを有する蛋白またはフラグメン
トを有することが条件である。これらの配列の有用な修
飾を、当業者に知られた遺伝子組換え法により行っても
よい。これらのBMP配列は、哺乳動物における生産の
際、ホモダイマー(普通は、異種のN末端を有するホモ
ダイマー混合物)として生産される。イー・コリ中のこ
れらのBMP配列からは、モノマー蛋白種が生産される。
したがって、本発明によれば、本発明の1の組み替え
型ヘテロダイマーは、例えば上記成熟BMP−5サブユニ
ットのモノマー部分またはその活性フラグメントを含め
たヒト・BMP−5に1ないし7個までの共有ジスルフィ
ド結合により結合した、例えば上記成熟BMP−2サブユ
ニットのモノマー部分またはその活性フラグメントを含
めたヒト・BMP−2の会合物からなる。本発明のもう1
つの組み換え型ヘテロダイマーは、例えば上記成熟BMP
−6サブユニットのモノマー部分またはその活性フラグ
メントを含めたヒト・BMP−6に1ないし7個までの共
有ジスルフィド結合により結合した、上記ヒト・BMP−
2の会合物からなる。本発明の別の組み換え型ヘテロダ
イマーは、例えば上記成熟BMP−7サブユニットのモノ
マー部分またはその活性フラグメントを含めたヒト・BM
P−7に1ないし7個までの共有ジスルフィド結合によ
り結合した、上記ヒト・BMP−2の会合物からなる。本
発明のまた別の組み換え型ヘテロダイマーは、例えば上
記成熟BMP−8サブユニットのモノマー部分またはその
活性フラグメントを含めたヒト・BMP−8に1ないし7
個までの共有ジスルフィド結合により結合した、上記ヒ
ト・BMP−2の会合物からなる。
本発明のさらに別の組み換え型ヘテロダイマーは、例
えば上記成熟BMP−5サブユニットのモノマー部分また
はその活性フラグメントを含めたヒト・BMP−5に1な
いし7個までの共有ジスルフィド結合により結合した、
例えば上記成熟BMP−4サブユニットのモノマー部分ま
たはその活性フラグメントを含めたヒト・BMP−4の会
合物からなる。本発明のもう1つの組み換え型ヘテロダ
イマーは、1ないし7個までの共有ジスルフィド結合に
より、上記ヒト・BMP−6に結合した、上記ヒト・BMP−
4の会合物からなる。本発明の別の組み換え型ヘテロダ
イマーは、1個またはそれ以上の共有ジスルフィド結合
により、上記ヒト・BMP−6に結合した、上記ヒト・BMP
−4の会合物からなる。さらにもう1つの本発明の組み
換え型ヘテロダイマーは、1個またはそれ以上の共有ジ
スルフィド結合により、上記ヒト・BMP−7に結合し
た、上記ヒト・BMP−4の会合物からなる。さらに別の
本発明組み換え型ヘテロダイマーは、1個またはそれ以
上の共有ジスルフィド結合により、上記ヒト・BMP−8
に結合した、上記ヒト・BMP−4の会合物からなる。本
発明のさらなる組み換え型ヘテロダイマーは、例えば上
記成熟BMP−3サブユニットのモノマー部分またはその
活性フラグメントを含めたヒト・BMP−3に少なくとも
1個のジスルフィド結合により結合した、例えば上記成
熟BMP−2サブユニットのモノマー部分またはその活性
フラグメントを含めたヒト・BMP−2の会合物からな
る。本発明の別の組み換え型ヘテロダイマーは例えば上
記成熟BMP−4サブユニットのモノマー部分またはその
活性フラグメントを含めたヒト・BMP−4に少なくとも
1個のジスルフィド結合により結合した、上記ヒト・BM
P−2の会合物からなる。本発明もう1つの組み換え型
ヘテロダイマーは、例えば上記成熟BMP−6サブユニッ
トのモノマー部分またはその活性フラグメントを含めた
ヒト・BMP−6に少なくとも1個のジスルフィド結合に
より結合した、上記ヒト・BMP−5の会合物からなる。
本発明の別の組み換え型ヘテロダイマーは、例えば上記
成熟BMP−7サブユニットのモノマー部分またはその活
性フラグメントを含めたヒト・BMP−7に少なくとも1
個のジスルフィド結合により結合した、上記ヒト・BMP
−5の会合物からなる。さらに、少なくとも1個のジス
ルフィド結合により、ヒト・BMP−5が、ヒト・BMP−8
サブユニットまたはその活性フラグメントに結合してい
てもよい。
本発明のさらにもう1つの組み換え型ヘテロダイマー
は、少なくとも1個のジスルフィド結合により、上記ヒ
ト・BMP−7に結合した、例えば上記成熟BMP−6サブユ
ニットのモノマー部分またはその活性フラグメントを含
めたヒト・BMP−6の会合物からなる。本発明の別の組
み換え型ヘテロダイマーは、1個またはそれ以上の共有
またはジスルフィド結合により、上記ヒト・BMP−8に
結合した上記ヒト・BMP−6の会合物からなる。本発明
のもう1つの組み換え型ヘテロダイマーは、1個または
それ以上の共有またはジスルフィド結合により、上記ヒ
ト・BMP−8に結合した上記ヒト・BMP−7の会合物から
なる。
BMPのモノマー構成成分間に形成されたジスルフィド
結合が、各モノマー構成成分上の1個のCys間で形成さ
れてもよい。ジスルフィド結合が、各BMP上の2個のCys
間で形成されてもよい。ジスルフィド結合が、各BMP上
の3個のCys間で形成されてもよい。ジスルフィド結合
が、各BMP上の4個のCys間で形成されてもよい。ジスル
フィド結合が、各BMP上の5個のCys間で形成されてもよ
い。ジスルフィド結合が、各BMP上の6個のCys間で形成
されてもよい。ジスルフィド結合が、各BMP上の7個のC
ys間で形成されてもよい。これらのジスルフィド結合
が、各BMP上の隣接したCys間または個々の蛋白配列中に
散在する選択されたCysのみの間で形成されてもよい。
同じBMP構成成分を有する種々のヘテロダイマーが、異
なる数のジスルフィド結合で形成されてもよい。同じBM
P成分を有する種々のヘテロダイマーが、異なるCysの位
置におけるジスルフィド結合で形成されてもよい。本発
明に包含される同じBMP成分を有する異なるヘテロダイ
マーが、哺乳動物細胞、細菌細胞、昆虫細胞または酵母
細胞における組換え生産に起因して異なっていてもよ
い。
これらの組み換え型ヘテロダイマーを、個々のBMPホ
モダイマー(その構成成分の1つがそれぞれのヘテロダ
イマーを形成する)と比較するW20マウス・基質細胞系
アッセイ(実施例8)におけるアルカリホスファターゼ
の上昇により特徴づけてもよい。さらに、これらのヘテ
ロダイマーを、W20バイオアッセイにおける、個々のBMP
ダイマーの単なる混合物よりも高い活性により特徴づけ
てもよい。W20バイオアッセイで調べられるヘテロダイ
マーの予備的特徴により、BMP−5、BMP−6またはBMP
−7とBMP−2とのヘテロダイマーは非常に活性が高い
ことが示された。同様に、BMP−5、BMP−6またはBMP
−7とBMP−4とのヘテロダイマーもW20バイオアッセイ
において活性が高い。
本発明ヘテロダイマーを、骨成長および刺激アッセイ
における活性により特徴づけてもよい。例えば、本発明
ヘテロダイマーは、実施例9記載のラット・骨形成アッ
セイにおいても活性がある。本発明ヘテロダイマーは、
実施例8記載のオステオカルシンのバイオアッセイにお
いても活性がある。本発明ヘテロダイマーの他の特徴
は、ウェスタンブロット、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)および2次元ゲル(還元条件下および非還元条
件下)のみならず、2種の異なる構成成分BMPに対する
抗BMP抗体との共沈も包含される。
BMPヘテロダイマーを製造する本発明方法の1の具体
例は、適当な細胞系を培養し、既知調節配列の調節下
で、1つ目のBMPまたはそのフラグメントをコードして
いるDNA配列と2つ目のBMPまたはそのフラグメントをコ
ードしているDNA配列とで同時形質転換させることを包
含する。該形質転換した宿主細胞を培養し、ヘテロダイ
マー蛋白を回収し、ついで培養基から精製する。
現在のところ本発明ヘテロダイマーの好ましい発現法
であるこの方法のもう1つの具体例において、例えばOH
O DUKX細胞のごとき単一宿主細胞を、1のBMPをコード
しているDNA配列を含むDNA分子と、次に選択されたBMP
をコードしているDNA配列を含むDNA分子とで同時トラン
スフェクションする。一方または両方のプラスミドは、
BMPを発現する適当な細胞系を確立するのに用いること
ができる選択マーカーを有している。別々のBMP遺伝子
を別々の転写単位上に含むこれらの別々のプラスミドを
混合し、慣用的プロトコールを用いてCHO細胞にトラン
スフェクションさせる。W20アッセイにおいて活性を最
大に発現させるプラスミドの割合(通常1:1)を調べ
る。
例えば、実施例3に詳述するように、リン酸カルシウ
ム共沈およびトランスフェクション、エレクトロポーレ
ーション、マイクロインジェクション、プロトプラスト
融合またはリポフェクションによって、等しい割合の、
1つ目のBMPおよびジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)
マーカー遺伝子を含むプラスミドと、2つ目のBMPおよ
びDHFRマーカーを含むプラスミドとを、DHFR欠損CHO細
胞であるDUKX−BIIに同時導入できる。それぞれのDHFR
発現形質転換体を、慣用的手段により透析した子ウシ・
胎児血清を含むアルファ培地での増殖に関して選択す
る。遺伝子コピーの増加したDHFR+細胞を、メトトレキ
セート(MXT)濃度を増加させていった場合(例えば段
階的に0.02、0.1、0.5および2.0μM MXT)の増殖に関
して選択できる(カウフマン(Kaufman)およびシャー
プ(Sharp),ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイ
オロジー(J.Mol.Biol.)第159巻:601〜629頁(1982
年);およびカウフマンら,モレキュラー・アンド・セ
ルラー・バイオロジー(Mol.Cell.Biol.)第5巻:1750
頁(1983年)の方法による)。DHFRに結合したヘテロダ
イマーまたは少なくとも1種のBMPの発現は、MTX耐性レ
ベルの上昇に伴い増加するはずである。BMP/DHFR遺伝子
のいずれかまたは両方を安定に発現する細胞が生き残る
であろう。いかに高頻度であっても、細胞系は、両方の
プラスミド(最初のトランスフェクションの間存在して
いた)を安定に取り込み、発現する。その後、調整培地
から収穫を行い、ヘテロダイマーを慣用的方法により単
離し、活性測定する。このアプローチ法を、DHFR欠損細
胞に用いることができる。
本法の別の具体例としては、1の選択BMP遺伝子を含
んでいるDNA分子を、すでに別の選択されたBMP遺伝子を
発現するようになっている細胞系にトランスフェクショ
ンさせてもよい。例えば後記実施例3に詳述するよう
に、BMP−7を発現する安定なCHO細胞系(DHFRマーカー
を有する)[ジェネティクス・インスティチュート,イ
ンク(Genetics Institute,Inc)]を、BMP−2および
2番目の選択マーカー遺伝子(例えばネオマイシン耐性
(Neo))を含むプラスミドでトランスフェクションし
てもよい。トランスフェクション後、細胞を培養し、MT
Xおよび抗生物質G−418で処理することにより適当な細
胞を選択する。ついで、生き残った細胞を、ヘテロダイ
マーの発現に関してスクリーニングる。この発現系は、
単一ステップでの選択ができるという利点を有してい
る。
異なる細胞系または異なるマーカーを用いる別の2段
階選択法も使用できる。例えば、アデノシンデアミナー
ゼ(ADA)マーカーを用いて、DHFRマーカーと一緒に異
なるBMPを発現する安定なCHO細胞系における2つ目のBM
P遺伝子を増幅することは好ましいといえる。なぜなら
ば、デオキシコホルマイシン(DCF)による遺伝子増幅
を用いて発現レベルを増加させることができるからであ
る(実施例1記載のADAを含むプラスミド参照)。別法
として、最初にこのマーカーを用いて細胞系を作り、つ
いで、異なるマーカーを含むベクターに対してレシピエ
ントな状態にし、2重の耐性およびBMP同時発現に関し
て選択することができる。
本発明のヘテロダイマーを発現させる方法のさらに別
の具体例は、単一の転写単位上または別々の転写単位上
いずれかの上にある発現に関する複数の遺伝子をコード
している単一のDNA分子で宿主細胞をトランスフェクシ
ョンすることを包含する。多シストロン発現は、例えば
EMCウィルス、ポリオウィルスまたは他の慣用的なリー
ダー配列の源に由来するリーダー配列のごときリーダー
配列を用いてベクターから有効に翻訳されうる単一の転
写単位中にコードされている複数のポリペプチドを含
む。2個のBMP遺伝子および選択マーカーは、単一の転
写単位中で発現されうる。例えば、BMPx−EMC−BMPy−D
HFRまたはBMPx−EMC−BMPy−EMC−DHFRの配置を含むベ
クターをCHO細胞中へトランスフェクションさせ、DHFR
マーカーを用いて選択し、増幅する。2種の異なるBM
P、1種またはそれ以上のマーカー遺伝子および適当な
リーダーあるいは調節配列を単一転写単位上に有するプ
ラスミドを構築してもよい。
同様に、各BMPに関する別々の転写単位を含む単一の
プラスミドで宿主細胞をトランスフェクションしてもよ
い。例えば、DHFRのごとき選択マーカーが、別の転写単
位上に含まれていてもよく、あるいはBMP遺伝子の一方
または両方の上の2番目のシストロンとして含まれてい
てもよい。ヘテロダイマーを発現させるために、これら
のプラスミドを、選択宿主細胞中にトランスフェクショ
ンさせ、ヘテロダイマーを該細胞または培養基から上記
のごとく単離してもよい。
この発現法の別の具体例は細胞融合を包含する。実施
例1および本明細書の一部とした前記米国出願に記載さ
れているように、DHFR/MXT遺伝子増幅システムおよび高
レベルのBMP発現系を用いて開発された、選択BMPを発現
する2種の安定な細胞系(例えばBMP−2を発現する細
胞系(例2EG5)およびBMP−7を発現する細胞系(例7MB
9))を、数個の優勢なマーカー遺伝子のうちの1つ
(例えばneor、ヒグロマイシン、GPT)でトランスフ
ェクションすることができる。同時培養において十分な
時間(約1日)経過後、得られた1種のBMPおよび1つ
の優勢なマーカーを発現する細胞系を、ポリエチレング
リコール、センダイウィルスあるいは他の知られた試薬
のごとき融合剤を用いて別のBMPおよび好ましくは別の
マーカーを発現する細胞系と融合させることができる。
得られた優勢マーカーおよびDHFRを発現する細胞ハイ
ブリッドを、適当な培養条件を用いて選択し、BMPまた
はそれらのフラグメントの同時発現に関してスクリーニ
ングする。選択されたハイブリッド細胞は、両方の選択
BMPをコードしている配列を含んでおり、細胞中にヘテ
ロダイマーが生成され、ついで分泌される。ヘテロダイ
マーを調整培地から得、慣用的方法(実施例4参照)に
より、そこから単離、精製する。得られたヘテロダイマ
ーを本明細書記載の方法により特徴づけてもよい。
上記アプローチにより得られた細胞系を用いて、同時
発現されるヘテロダイマーBMPポリペプチドを生産する
ことができる。慣用的精製法により、宿主細胞中に存在
する他の夾雑物質のみならず同時生産される他の蛋白が
実質的にない該ヘテロダイマー蛋白を細胞培養物から単
離する。実際上好ましい生産方法は、CHO細胞中への異
なるベクターの同時トランスフェクションおよびメトト
レキセートによる遺伝子増幅である。安定な細胞系を用
いて組み換え型BMPを含有する調整培地を得、該組み換
え型BMPを精製し、インビトロおよびインビボ活性を測
定する。例えば、本明細書記載のいずれかの方法により
得られたヘテロダイマー生産細胞を、実施例8および9
記載の分析による活性、RNA発現、およびドデシル硫酸
ナトリウムゲル電気泳動(SDS−PAGE)による蛋白発現
に関してスクリーニングする。
本発明のヘテロダイマーを同時発現させる上記方法
は、宿主細胞または細胞系を用いる。適当な細胞は、好
ましくは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の
ごとき哺乳動物細胞を含む。適当な宿主細胞の選択およ
び形質転換、培養、増幅、スクリーニングならびに生成
物の生産と精製に関する方法は、当該分野において公知
である。例えば、ゲシング(Gething)およびサムブル
ック(Sambrook),ネイチャー(Nature)第293巻:620
〜625頁(1981年)、あるいはカウフマンら,モレキュ
ラー・アンド・セルラー・バイオロジー,第5巻第7
号:1750〜1759頁(1985年)、またはハウリー(Howle
y)らの米国特許第4,419,446号参照。他の適当な哺乳動
物細胞系は、CV−1細胞系、BHK細胞系および293細胞系
である。サル・COS−1細胞系は、現在のところBMPヘテ
ロダイマー生産には不適と考えられている。
当業者に知られた多くの酵母細胞も、本発明ポリペプ
チド発現宿主細胞として利用できる(例えば、サッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))。
さらに、所望ならば、昆虫細胞を、本発明方法に用いる
ことができる。例えば、ミラー(Miller)ら,ジェネテ
ィック・エンジニアリング(Genetic Engineering)第
8巻:277〜298頁(プレナム・プレス(Plenum Press)1
986年)およびそこに引用されている文献参照。本発明
の生物学的に活性のあるヘテロダイマー蛋白を生産する
別の方法を、宿主細胞が微生物細胞、好ましくは、細菌
細胞、詳細にはイー・コリである場合に用いてもよい。
例えば、種々のイー・コリ株(例えばHB101、MC1061)
が、バイオテクノロジーの分野では宿主細胞としてよく
知られている。ビー・ズブチリス(B.subtilis)、シュ
ードモナス(Pseudomonas)、他のバチルス等の種々の
株も本発明に使用できる。
モノマーおよびダイマー(ホモダイマーおよびヘテロ
ダイマーの両方)を生産するために用いられてもよいこ
の方法は、欧州特許出願第433,225号(出典明示により
本明細書の一部とする)に記載されている。簡単に説明
すると、この方法は、蛋白発現を可能にする発現調節配
列に対する正当なリーディングフレームに連結された所
望のBMP蛋白をコードしているヌクレオチド配列を有す
る微生物宿主を培養し、モノマー型の可溶性蛋白を回収
することを包含する。宿主細胞中で蛋白が不溶性である
場合、該水不溶性蛋白画分を宿主細胞から単離し、つい
で蛋白を可溶化させる。クロマトグラフィー精製の後、
可溶化した蛋白を選択された条件に付して生物学的に活
性のある該蛋白のダイマー配置を得る。本発明のヘテロ
ダイマーを生産するのに用いられてもよいこの方法を、
BMP−2ホモダイマーの生産に関して、特に実施例7に
記載してある。
本発明のもう1つの態様は、これらの組み換え型ヘテ
ロダイマーの発現に用いるDNA分子またはプラスミドベ
クターを提供する。これらのプラスミドベクターを、当
業者に知られた方法および利用可能なエレメントを用い
て構築してもよい。一般的には、本発明方法に有用なベ
クターを得るためには、所望のBMPをコードしているDNA
を、選択した宿主細胞に適する1個またはそれ以上の適
当な発現ベクター中に導入する。
哺乳動物細胞において有効ないかなる発現ベクターを
用いても、哺乳動物細胞中で本発明組み換え型ヘテロダ
イマーを生産させることができると現在考えられてい
る。好ましくは、ベクターが、上記し、図示した選択BM
PのDNA配列を含んでおり、選択されたヘテロダイマーの
構成成分をコードしているものとする。別法として、上
で参照した特許出願記載の、修飾配列を取り込んだベク
ターもまた本発明の具体例であり、ベクターの構築に有
用である。
実施例1記載の特定のベクター以外に、当業者は、図
1〜6の配列または図1〜6のコード配列(配列番号:
1、3、5、7、9および11)を含む他のDNA配列、ある
いは他の修飾配列およびpCD[オカヤマ(Okayama)ら,
モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー第2
巻:161〜170頁(1982年)]ならびにpJL3、pJL4[ゴフ
(Gough)ら,エムボー・ジャーナル(EMBO J.)第4
巻:645〜653頁(1985年)]のごとき既知ベクターを用
いることにより、哺乳動物発現ベクターを構築できる。
コード領域の5'および3'末端の非コードヌクレオチドを
除去することにより、BMPのDNA配列を修飾できる。なく
なった非コード領域を、発現に有益であることが知られ
ている他の配列で置き換えても、置き換えなくてもよ
い。上記の適当な宿主細胞中へのこれらのベクターの形
質転換により、所望のヘテロダイマーを得ることができ
る。
当業者ならば、コード配列の横にある哺乳動物の調節
配列を除去、あるいは例えば酵母または昆虫の調節配列
と置換することにより、図1〜6の配列を処理して酵母
または昆虫細胞による細胞内もしくは細胞外発現用ベク
ターを作ることができよう[昆虫細胞における発現につ
いては、例えば欧州特許出願第155,476号記載の方法
を、酵母細胞における発現についてはPCT出願公開WO86/
00639号および欧州特許出願EPA123,289号記載の方法を
参照]。
同様に、細菌の配列および好ましいコドンを、記載、
例示した哺乳動物ベクターの代わりに用いて上記方法の
BMPモノマーの生産に用いる適当な発現系を構築しても
よい。例えば、コード配列をさらに処理することができ
る(例えば、他の既知リンカーに連結、あるいはそこか
ら非コード領域を除去、またはその中のヌクレオチドを
他の既知方法により変更)。ついで、ティー・タニグチ
(T.Taniguchi)ら,プロシーディングス・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエスエ
イ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第77巻:5230〜5233頁(1
980年)記載のごとき方法を用いて、修飾されたBMPコー
ド配列を既知ベクター中に挿入できる。ついで、典型的
な細菌ベクターで細菌宿主細胞を形質転換させ、そのこ
とによりBMPヘテロダイマーを発現させる。典型的な微
生物用(例えば細菌用)発現ベクターを後記実施例7に
記載する。
本発明方法に有用な他のベクターが、単一の転写単位
中に複数の遺伝子を含んでいてもよい。例えば、提案さ
れたプラスミドp7E2Dが、BMP−7遺伝子、そのうしろに
EMCリーダー配列、そのうしろにBMP−2遺伝子、そのう
しろにDHFRマーカー遺伝子を含んでいてもよい。別の例
はプラスミドp7E2EDであり、これはBMP−7遺伝子、EMC
リーダー、BMP−2遺伝子、もう1つのEMCリーダー配列
およびDHFRマーカー遺伝子を含んでいる。別法として、
ベクターが、1個以上の転写単位を含んでいてもよい。
一例として、プラスミドp2ED7EDは、BMP−2に関する転
写単位およびBMP−7に関する別の転写単位、すなわちB
MP−2−EMC−DHFRおよびBMP−7−EMC−DHFRを含んで
いる。別法として、プラスミド上の個々の転写単位が異
なるマーカー遺伝子を含んでいてもよい。例えば、プラ
スミドp2EN7EDは、BMP−2−EMC−NeoおよびBMP−7−E
MC−DHFRを含んでいる。
さらにまた、ベクターが、選択宿主細胞における複製
およびBMP発現を支配できる適当な発現調節配列を含ん
でいる。かかるベクターにとり有用な調節配列は当業者
に知られており、選択宿主細胞に応じて選択できる。か
かる選択はよく行われることであって、本発明の一部で
はない。同様に、ベクターが、1種またはそれ以上の選
択マーカー(例えば抗生物質耐性遺伝子、NeoまたはDHF
RおよびADAのような選択可能なマーカーのごときもの)
を含んでいてもよい。目下好ましいマーカーはDHFRであ
る。これらの遺伝子は当業者により選択されうる。
上記方法のうちの1つによりベクターが発現した場
合、本発明ヘテロダイマーを、種々のアッセイおよび方
法により同定し、特徴づけることができる。ヘテロダイ
マーを形成している個々のBMPに対する抗体による共沈
(免疫沈降)アッセイを行ってもよい。一般的には、例
えば、選択BMP、そのフラグメントまたは合成BMPペプチ
ドを抗原として、慣用的手段により、この用途の抗体を
得る。一般的に、アッセイに使用する抗体は、古典的方
法によりウサギに注射された個々のBMPペプチドまたは
蛋白から作られる。このアッセイを慣用的に行い、ヘテ
ロダイマーの両方のBMP構成成分に対する抗体により沈
澱するヘテロダイマーの同定を行う。対照的に、当該ヘ
テロダイマー生産法において得られるすべてのホモダイ
マーに対しては、2種の抗体のうちの1種のみが沈澱を
生じる。
特徴づけのためのもう1つのアッセイは、沈澱を生じ
る抗体、プローブとなる抗体および検出用抗体を用いる
ウエスタンアッセイである。ダイマーを沈澱させるBMP
のうちの1つに対する抗体を用い、ウエスタン分析用の
還元SDS−PAGE上でこのアッセイを慣用的に行ってもよ
い。2つ目のBMPに対する抗体を用いてウエスタンゲル
上のヘテロダイマーに関する沈澱を捜し当てる。つい
で、セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)で標識
したヤギ・抗ウサギ抗体のごとき検出用抗体を適用し、
ヘテロダイマーの構成成分のサブユニットの1つの存在
を明らかにする。
最終的には、ヘテロダイマーの比活性を、実施例6記
載のごとく定量してもよい。簡単に説明すると、個々の
BMPホモダイマーおよびヘテロダイマーの試料中の個々
のBMP量を、ウエスタンブロット分析またはパルスラベ
リングおよびSDS−PAGE分析により定量する。詳細には
実施例8記載のごとく、W20活性も測定する。相対的な
比活性を次式により計算してもよい:W20アルカリホスフ
ァターゼ活性/ウエスタンブロットまたはフルオログラ
フィーによるBMP量。一例として、この式をBMP−2/7ヘ
テロダイマーに用い、該ヘテロダイマーが、見掛け上BM
P−2ホモダイマーよりも5ないし50倍高い比活性を有
することが示された。
本発明ヘテロダイマーが、種々の治療上および医薬上
の用途(例えば、傷の治療用、組織の修復用の組成物中
に用いられ、また個々のBMPの用途について指示された
同様の組成物中に用いられる)を有していてもよい。個
々のBMPに優るヘテロダイマーの増大した能力により、
単一のBMPのみを含有する組成物の用量と比較すると、
ヘテロダイマー含有組成物の患者に投与すべき用量は少
量でよい。本発明のヘテロダイマー蛋白は、骨が正常に
成長しない環境下における軟骨および/または骨の成長
を誘導し、ヒトや他の動物の骨折および軟骨欠損の治療
に適用できる。本発明ヘテロダイマー蛋白を用いるかか
る調製物には、解放骨折のみならず閉鎖骨折の減少おけ
る、また人工関節の良い状態での固定における用途があ
る。骨形成剤により誘導される骨のデノボ合成は、先天
性の、または外傷による、あるいは腫瘍切除による頭蓋
と顔の欠損の修復に貢献し、また美容整形術にも有用で
ある。
本発明のヘテロダイマー蛋白を、歯周病およびその他
の歯の修復法に用いてもよい。かかる薬剤は、骨形成細
胞を引き寄せ、骨形成細胞の成長を刺激し、あるいは骨
形成細胞の前駆細胞の分化を誘導する。また本発明のヘ
テロダイマーポキペプチドは、骨粗鬆症の治療にも有用
である。種々の骨形成性、軟骨誘導性、および骨誘導性
因子が記載されている。それらを議論するには、例え
ば、欧州特許出願第148,155号および第169,016号参照。
本発明蛋白を、傷の治療および関連組織の修復に用い
てもよい。傷のタイプは、熱傷、切り傷および潰瘍を含
むが、これらに限定しない(PCT公開WO84/01106号参
照、傷の治療および関連組織の修復について議論するた
めに、出典明示により本明細書の一部とする)。
さらに、本発明蛋白は、神経の生存率を増加させるこ
とができるので、移植および神経の生存率の低下を示す
症状の治療に有用である。
それゆえ本発明ヘテロダイマーの有用性の見地からす
ると、本発明のさらなる態様は、骨折および軟骨および
/または骨の欠損あるいは歯周病に関連した他の症状の
治療法および治療組成物である。さらに、本発明は、傷
の治療および組織修復のための治療法ならびに組成物か
らなる。かかる組成物は、医薬上許容される賦形剤、担
体またはマトリックスとの混合物となっている治療上有
効量の本発明ヘテロダイマー蛋白からなる。pH、等張
性、安定性等についての正当性を有するかかる生理学上
許容される蛋白組成物は、当該分野の技術的範囲内に属
する。
本発明の蛋白が、他の関連蛋白および成長因子と共同
して作用することが予想される。それゆえ、本発明治療
法および組成物は、治療に用いる量の少なくとも1種の
他のBMP蛋白(共有かつ同時出願の前記米国特許出願に
開示)と一緒に治療に用いる量のヘテロダイマー蛋白か
らなる。かかる混合物は、個々のBMP蛋白分子または本
発明の他のヘテロ分子からなっていてもよい。
さらなる組成物において、本発明ヘテロダイマー蛋白
が、骨および/または軟骨欠損、傷または問題となる組
織の治療に有益な他の薬剤と混合されていてもよい。こ
れらの薬剤には、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成
長因子(PDGF)、腫瘍成長因子(TGF−αおよびTGF−
β)およびインスリン様成長因子(IGF)のごとき種々
の成長因子が包含される。
BMP蛋白は種特異性を血くので、該治療組成物は、目
下、獣医用にも価値がある。詳細には、ヒトの他に家畜
およびサラブレッド馬が、本発明ヘテロダイマー蛋白で
かかる治療をする対象として望ましい。
該治療方法は、移植片または器具による該組成物の局
所的、全身的あるいは局部的投与を包含する。投与の際
には、本発明で使用する該治療用組成物は、勿論、発熱
原がなく生理学的に許容される形態である。さらに、該
組成物を、望ましくは、カプセルに入れるか、または粘
性のある形態として注入して骨、軟骨あるいは組織損傷
部位に到達させる。局所的投与は傷の治療および組織修
復に適するであろう。本発明ヘテロダイマー蛋白以外の
治療上有用な薬剤を、所望により上記組成物に含有させ
てもよく、本発明方法において、別法としてあるいは付
加的に該BMP組成物とともに同時または連続的に投与し
てもよい。好ましくは、骨および/または軟骨形成のた
めには、該組成物が、骨および/または軟骨損傷部位に
ヘテロダイマー蛋白含有組成物を送達し、骨および軟骨
の成長に適した構造を提供し、最適に体内に再吸収され
るマトリックスを含有するものとする。かかるマトリッ
クスを、他の体内移植用外用薬に直ちに使用できる材料
形態としてもよい。
マトリックス材料の選択を、生体適合性、生分解性、
機械的特性、美容的外観および界面特性に基づいて行
う。ヘテロダイマーBMP組成物の特殊な応用は,適当な
処方を決定するであろう。当該組成物に都合のよいマト
リックスは、生分解性であり化学的に性質の分かってい
る硫酸カルシウム、りん酸三カルシウム、ヒドロキシア
パタイト、ポリ乳酸およびポリ無水物である。他の都合
のよい材料は、骨または皮膚コラーゲンのごとき生分解
性であり生物学的に性質のよく分かっているものであ
る。さらに、マトリックスは純粋な蛋白または細胞外マ
トリックス成分からなる。他の都合のよいマトリックス
は、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオグラス、アルミ
ン酸塩あるいは他のセラミックスのごとき非生分解性で
あり化学的に性質の分かっているものである。マトリッ
クスが、ポリ乳酸およびヒドロキシアパタイト、または
コラーゲンおよびりん酸三カルシウムのごとき上述した
いずれかの形態の材料の混合物からなっていてもよい。
カルシウム−アルミン酸塩−りん酸中のごとき組成物中
においてバイオセラミックスを変更し、孔のサイズ、粒
子のサイズ、粒子の形態および生分解性を変化させても
よい。
150ないし800ミクロンの範囲の直径の多孔性粒子に形
態の乳酸およびグリコール酸の50:50(重量モル)のコ
ポリマーが、本発明に好ましい。ある適用法において
は、カルボキシメチルセルロースまたは自己由来の血餅
のごとき放散防止剤を用いてBMP組成物がマトリックス
から解離するのを防止するのが便利である。
担当医師は、ヘテロダイマー蛋白の作用を調節する種
々の因子、例えば、形成されることが望まれる骨の重
量、骨の損傷部位、損傷した骨の状態、傷の大きさ、損
傷組織の形態、患者の年令、性別、食事、何等かの感染
症の重篤性、投薬期間および他の医療上の因子を考慮し
たうえで、ヘテロダイマー蛋白含有組成物の投薬規則を
決定する。再構成に使用するマトリックスの形態および
ヘテロダイマー中のBMP蛋白、医薬組成物中の何等かの
付加的なBMPまたは他の蛋白によっても薬用量を変更し
うる。例えばIGF−I(インシュリン様成長因子I)の
ごとき他の知られた成長因子の最終組成物への添加もま
た、薬用量に影響しうる。骨の成長および/または修復
を、例えば、X線、組織形態的分析およびテトラサイク
リン標識のごとき定期的な分析により、経過をモニター
する。
以下の実施例は、本発明の説明であって、その範囲を
限定するものではない。
実施例1−BMPベクターの構築および細胞系 A. BMP−2ベクター 哺乳動物の発現ベクターpMT2 CXMは、p91023[ウォ
ング(Wong)ら,サイエンス(Science)第228巻:810〜
815頁(1985年)]の誘導体であるが、前者は、テトラ
サイクリン耐性遺伝子(Tet)の代わりにアンピシリン
耐性遺伝子(Amp)を含んでおり、さらにcDNAクローン
挿入用にXho I部位を有していることで後者と異なる。p
MT2 CXMの機能的エレメントが記載されており[アイー
ル・ジェイ・カウフマン(R.J.Kaufman),プロシーデ
ィングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシズ・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第
82巻:689〜693頁(1985年)参照]、アデノウイルスVA
遺伝子、72bpのエンハンサーを含むSV40複製開始点、5'
スプライシング部位を有するアデノウイルス大後期プロ
モーター、およびアデノウイルス後期mRNA上に存在する
アデノウイルス三分節リーダー配列の大部分、3'スプラ
イシング受容体部位、DHFR挿入遺伝子、SV40初期ポリア
デニル化部位(SV40)、ならびにイー・コリ中で増殖す
るのに必要なpBR322配列を含んでいる。
pMT2−VWF(米国メリーランド州ロックビルのアメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に、
受託番号ATCC67122のもと寄託された)を、EcoR I消化
により切形し、pMT2−VWF中に存在していたcDNA挿入部
位を切除し、線形のpMT2を得る。プラスミドpMT2を連結
し、イー・コリHB101またはDH−5をアンピシリン耐性
に形質転換させるのに用いることができる。プラスミド
pMT2DNAを慣用的方法で調製することができる。
ついで、プラスミドpMT2 CXMを、ループアウト/イ
ン変異法[モリナガ(Morinaga)ら,バイオテクノロジ
ー(Biotechnology)第84巻:636頁(1984年)]を用い
て構築する。これにより、SV40複製開始点およびpMT2の
エンハンサー配列の近くのHind III部位に対して1075な
いし1145番目の塩基を除去する。さらに、以下の配列: 5'PO4−CATGGGCAGCTCGAG−3'(配列番号:15) を1145番目のヌクレオチド部位に挿入する。この配列
は、制限エンドヌクレアーゼXho I認識部位を含んでい
る。pMT23と命名したpMT2誘導体は、制限エンドヌクレ
アーゼPst I、EcoR I、Sal IおよびXho I認識部位を含
んでいる。全長にわたるBMP−2 cDNA(図1)(配列
番号:1)を、EcoR I消化によりλGT10ベクターから切除
し、これをpSP65[ウィスコンシン州マディソンのプロ
メガ・バイオテク(Promega Biotech)社製]中に両方
向にサブクローン化し、pBMP−2#39−3またはpBMP−
2#39−4を得る。
BMP−2 cDNAの非翻訳領域の大部分を以下の方法に
より除去する。BMP−2 cDNAを含むpSP65プラスミドを
Sal Iで消化し、再連結することにより、アダプター中
のSal I部位(はじめのcDNAクローニングの時から存
在)およびイニシエーターATGから7塩基対上流のSal I
部位との間で、5'側の配列を除去する。3'側の非翻訳部
位を、オリゴヌクレオチド: を用いるヘテロ二重鎖変異法を用いて除去する。該配列
は、BMP−2 cDNAの末端3'コード領域とそれにすぐに
続くSal I認識部位を含む。該配列は、終止(TAG)コド
ンの次にSal I部位を有する。
このクローンのSal Iフラグメントを、発現ベクターp
MT23中にサブクローン化し、pMT23−BMP2ΔUTを得る。
配列Pst I−EcoR I−Sal I−BMP−2 cDNA−Sal I−Ec
oR I−Xho I中のBMP−2コード領域に制限酵素切断部位
が隣接している。
発現プラスミドpED4[カウフマンら,ヌクレイック・
アシッズ・リサーチ(Nucl.Acids Res.)第19巻:4485〜
4490頁(1991年)]を、EcoR Iで消化し、子ウシ・腸ホ
スファターゼで処理することにより線形にする。EcoR I
で消化することにより、BMP−2 cDNA遺伝子をpMT23−
BMP2ΔUTから切除し、1.0%低融点アガロースゲルによ
る電気泳動により1.2kbのフラグメントを回収する。線
形にたったpED4ベクターとEcoR I BMP−2フラグメン
トとを連結し、BMP−2発現プラスミドpBMP2Δ−EMCを
得た。
もう1つのベクターpBMP−2Δ−ENは、慣用的方法に
よりDHFR遺伝子がTn5トランスポゾン由来のネオマイシ
ン耐性遺伝子で置き換えられていること以外は、ベクタ
ーpBMP2Δ−EMCに含まれるのと同じ配列を含んでいる。
B. BMP4ベクター 3'非翻訳領域が除去されたBMP−4 cDNA(図2(配
列番号:3)に示す)を、変異原オリゴヌクレオチド: を用いるヘテロ二重鎖変異法により調製する。これによ
りBMP−4 cDNAの翻訳終結コドンに対する3'側のすべ
ての配列が除去され、この終結コドンとベクターのポリ
リンカー配列が並ぶ。このステップをSP65ベクター[プ
ロメガ・バイオテク社製]において行うが、前記BMP2ベ
クターと同様にBMP−4 cDNAを含んでいるpMT2誘導体
において行ってもよい。制限エンドヌクレアーゼBsm I
(BMP−4 cDNAの8番目のコドンを開裂する)を用い
て5'非翻訳領域を切除する。
はじめの8つのコドンの再構築を、以下のオリゴヌク
レオチド: を連結することによって行う。これらのオリゴヌクレオ
チドは、Bsm Iで切断されたBMP−4 cDNAに連結可能な
Bsm I相補的粘着末端を有する二重鎖を形成する。また
該二重鎖は、EcoR Iで切断されたベクターpMT2に連結可
能なEcoR I相補的粘着末端を有している。よって、5'お
よび3'非翻訳領域が除去されているが全コード配列を保
持しているBMP−4に対するcDNAが、約1.2kbのEcoR I制
限フラグメント中に含まれる。
このBMP−4配列を含むpMT2 CXMプラスミドをpXMBMP
−4ΔUTと命名する。これをEcoR Iで消化して該ベクタ
ー由来の挿入フラグメントを含むBMP−4 cDNAを遊離
させる。この挿入フラグメントを、哺乳動物の発現ベク
ターpED4のEcoR I部位中にサブクローン化する。
C. BMP−5ベクター 図5(配列番号:9)の#699ないし#2070のヌクレオ
チド由来の配列を含むBMP−5 cDNA配列を、以下のご
とく特異的に増幅する。オリゴヌクレオチドCGACCTGCAG
CCACCATGCATCTGACTGTA(配列番号:20)およびTGCCTGCAG
TTTAATATTAGTGGCAGC(配列番号:21)をプライマーとし
て用いてλ−ZAPクローンU2−16[ATCC #68109]のBM
P−5挿入フラグメント由来の#699ないし#2070のヌク
レオチド配列(図5)を増幅する。この方法により、ヌ
クレオチド#699のすぐ前にヌクレオチド配列CGACCTGCA
GCCACC(配列番号:22)が、そしてヌクレオチド#2070
のすぐ後にヌクレオチド配列CTGCAGGCAが導入される。
これらの配列の付加により、増幅されたDNAフラグメン
トの両方の末端にPst I制限エンドヌクレアーゼ部位か
できる。この方法で得られた増幅DNA産物を、制限エン
ドヌクレアーゼPst Iで消化し、pMT2の誘導体であるpMT
21[カウフマン,ヌクレイック・アシッズ・リサーチ第
19巻:4485〜4490頁(1991年)]のPst I部位中にサブク
ローン化する。得られたクローンをH5/5/pMTと命名す
る。
H5/5/pMTの挿入フラグメントをPst I消化で切除し、
プラスミドベクターpSP65(プロメガ・バイオテク社
製)のPst I部位中にサブクローン化し、プラスミドBMP
5/SP6を得る。BMP5/sp6およびU2−16を制限エンドヌク
レアーゼNsi IおよびNde Iで消化してそれらの挿入フラ
グメントの一部(図5の#704から#1876のヌクレオチ
ドに対応)を切除する。得られた1173個のヌクレオチド
からなるクローンU12−16のNsi I−Nde Iフラグメント
を、BMP5/SP6のNsi I−Nde I部位(ここから対応する11
73個のヌクレオチドからなるNsi I−Nde Iフラグメント
が除去された)中に連結する。得られたクローンをBMP5
mix/SP65と命名する。
BMP5mix/SP65の直接DNA配列分析を行って、増幅によ
り得られたヌクレオチド配列の図5に示す配列に対する
同一性を確認する。クローンBMP5mix/SP65を制限エンド
ヌクレアーゼPst Iで消化し、図5のヌクレオチド#699
から#2070および上記Pst I認識部位を含むさらなる配
列からなる挿入フラグメントを切除する。得られた1382
個のヌクレオチドからなるPst Iフラグメントを、pMT2
誘導体であるpMT21のPst I部位中にサブクローン化す
る。このクローンをBMP5mix/pMT21#2と命名する。
また、同じフラグメントをpED4のPst I部位中にサブ
クローン化してBMP5mix−EMC−11と命名されるベクター
を得る。
D. BMP−6ベクター 図4(配列番号:7)のヌクレオチド#160から#1706
のヌクレオチド配列からなるBMP−6 cDNA配列を、当
業者に知られた一連の方法により得る。クローンBMP6C3
5[ATCC 68245]を制限エンドヌクレアーゼApa Iおよ
びTaq Iで消化し、1476個のヌクレオチドからなる挿入
フラグメントの一部(図4のヌクレオチド#231から#1
703からなる)を切除する。1476個のヌクレオチドから
なるBMP−6 cDNA配列のApa I−Taq Iフラグメントに
は含まれていない#160から#230および#1704から#17
06に対応するヌクレオチドに置き換わるようにSal I制
限エンドヌクレアーゼ部位コンバーターを伴う合成ヌク
レオチを設計する。
なくなった配列 に置き換わると考えられるオリゴヌクレオチド/Sal Iコ
ンバーターを互いにアニーリングする。ついでアニリン
グした5'および3'コンバーターを、上記1476個のヌクレ
オチドからなるApa I−Taq Iに連結し、図4の#160か
ら#1706のヌクレオチド配列および両方の末端にSal I
制限エンドヌクレアーゼ部位を生じるように工夫された
付加的な配列からなる1563個のヌクレオチドからなるフ
ラグメントを得る。得られた1563個のヌクレオチドから
なるフラグメントを、pSP64[ウィスコンシン州マディ
ソンのプロメガ・バイオテク社製]のSal I部位中にサ
ブクローン化する。このクローンをBMP6/SP64#15と命
名する。
BMP6/SP64#15のDNA分析を行い、コンバーターにより
置き換わった図4に示す配列に対する5'および3'配列の
同一性を確認する。BMP6/SP64#15の挿入フラグメント
を制限エンドヌクレアーゼSal Iで消化することにより
切除する。得られた1563個のヌクレオチドからなるSal
Iフラグメントを、pMT21のXho I制限エンドヌクレアー
ゼ部位中にサブクローン化し、BMP6/pMT21と命名する。
該プラスミドをPst Iで消化し、pED4のPst I部位を以
下のコンバーターヌクレオチド: 5'−TCGACAGGCTCGCCTGCA−3'(配列番号:27)および 3'−GTCCGAGCGG−5'(配列番号:28) に連結することにより、Sal I部位に変換する。上記156
3個のヌクレオチドからなるSal IフラグメントもpED4ベ
クターのSal I部位中にサブクローン化し、発現ベクタ
ーBMP6/EMCを得る。
E. BMP−7ベクター 図3(配列番号:5)のヌクレオチド#97から#1402の
ヌクレオチド配列配列からなるBMP−7配列を以下のよ
うにして特異的に増幅する。オリゴヌクレオチドCAGGTC
GACCCACCATGCACGTGCGCTCA(配列番号:29)およびTCTGTC
GACCTCGGAGGAGCTAGTGGC(配列番号:30)をプライマーと
して用いてクローンPEH7−9[ATCC #68182]の挿入
フラグメント由来の図3の#97から#1402のヌクレオチ
ド配列を増幅する。この方法により、ヌクレオチド#97
のすぐ前に配列CAGGTCGACCCACC、そしてヌクレオチド#
1402のすぐ後にヌクレオチド配列GTCGACAGAの挿入フラ
グメントを生じる。これらの配列の付加により、増幅さ
れたDNAフラグメントの各末端にSal I制限エンドヌクレ
アーゼ認識部位を生じる。この方法で得られた増幅DNA
産物を制限エンドヌクレアーゼSal Iで消化し、プラス
ミドベクターpSP64[ウィスコンシン州マディソンのプ
ロメガ・バイオテク社製]のSal I部位にサブクローン
化し、BMP7/SP6#2を得る。
クローンBMP7/SP6#2およびPEH7−9を制限エンドヌ
クレアーゼNco IおよびStu Iで消化して、図3のヌクレ
オチド#363から#1081に対応する挿入フラグメント部
分を切除する。得られた719ヌクレオチドからなるPEH7
−9のNco I−Stu Iフラグメントを、BMP7/SP6#2(こ
れより719ヌクレオチドからなるヌクレオチドフラグメ
ントが除去されている)のNco I−Stu I部位中に連結す
る。得られたクローンをBMP7mix/SP6と命名する。
BMP7mix/SP6の直接DNA配列決定により、その3'領域
の、図3の#1082から#1402のヌクレオチド配列に対す
る同一性が確認されるが、5'領域には1個の異なるヌク
レオチドが含まれている。
PEH7−9を鋳型として用いるヌクレオチド配列(図3
の#97から#1402)の増幅を上記のごとく繰り返す。こ
の方法で得られた増幅DNA産物を制限エンドヌクレアー
ゼSal IおよびPst Iで消化する。この消化により、図3
のヌクレオチド#97から#833および前記Sal I制限エン
ドヌクレアーゼ認識部位を作るのに用いた5'側のプライ
マーオリゴヌクレオチドの付加的配列からなる747個の
ヌクレオチドからなるフラグメントが切形される。この
747個のヌクレオチドからなるSal I−Pst Iフラグメン
トを、Sal I−Pst I消化したpSP65[ウィスコンシン州
マディソンのプロメガ・バイオテク社製]ベクター中に
サブクローン化し、5'BMP7/SP65を得る。DNA配列決定に
より、5'BMP7/SP65#1の挿入部位が図3のヌクレオチ
ド#97から#362と同じ配列からなることが示される。
クローンBMP7mix/SP6および5'BMP7/SP65を制限エンド
ヌクレアーゼSal IおよびNco Iで消化する。図3のヌク
レオチド#363から#1402のヌクレオチドからなる得ら
れたBMP7mix/SP6の3'Nco I−Sal Iフラグメントと、図
3のヌクレオチド#97から#362からなるBMP7/SP65の5'
Sal I−Nco IフラグメントとをNco I制限部位で連結し
て1317個のヌクレオチドフラグメント(図3のヌクレオ
チド#97から#1402からなる1317個のヌクレオチドフラ
グメントおよびこのフラグメント(1317個のヌクレオチ
ドフラグメント)の両末端にSal I制限エンドヌクレア
ーゼ部位を作るための5'および3'オリゴヌクレオチドプ
ライマー由来の付加的配列からなる)を得る。
この1317個のヌクレオチドからなるSal Iフラグメン
トを、pMT2由来のpMT2Cla−2のSal I部位中に連結す
る。pMT21をEcoR VおよびXho Iで消化し、この消化した
DNAをDNAポリメラーゼのクレノウフラグメントで処理
し、ついでCla Iリンカー(ネビオ・ラブズ(NEBio Lab
s)社製,CATCGATG)を連結することにより、pMT2Cla−
2を構築する。これにより、SV40複製開始点近傍のHind
III部位から始まる2171から2420番目の塩基およびpMT2
のエンハンサー配列が除去され、唯一のCla I部位が導
入されるが、アデノウイルスのVAI遺伝子はそのまま残
る。かくしてpMT2Cla−2が得られる。このクローンをB
MP−7−pMT2と命名する。
BMP−7−pMT2の挿入フラグメントを、制限エンドヌ
クレアーゼSal Iで消化することにより切除する。得ら
れた1317個のヌクレオチドからなるSal Iフラグメント
をpMT21のXho I制限エンドヌクレアーゼ部位中にサブク
ローン化してクローンBMP−7/pMT21を得る。このSal I
フラグメントもpED4ベクター(上記のごとくPst I部位
をSal I部位に変換してある)のSal I部位中にサブクロ
ーン化し、pBMP7/EMC#4を得る。
F. BMP−8ベクター 現在のところ、哺乳動物のBMP−8ベクターは構築さ
れていない。しかしながら、図6(配列番号:11)の配
列を用いれば、他のBMPについて上記したものと同様な
ベクターを容易に構築できると考えられる。実施例7に
詳述したBMP−2ベクターと同様な細菌の発現ベクター
を、図6のアミノ酸#284の前にMetを導入することによ
り構築してもよい。このBMP−8配列を、BMP−2配列の
代わりにベクターpALBP2−781中に挿入する。実施例7
参照。
G.アデノシンデアミナーゼ(Ada)マーカーを有するBMP
ベクター BMP遺伝子をベクターpMT3SV2Ada[アール・ジェイ・
カウフマン,メソッズ・イン・エンザイモロジー(Met
h.Enz.)第185巻:537〜566頁(1990年)]中に挿入し
て、BMP cDNA遺伝子および選択マーカー(Ada)それぞ
れの転写単位を含む発現プラスミドを得る。pMT3SV2Ada
は、哺乳動物細胞における遺伝子(例えばBMP)の挿入
および発現に使用可能なPst I、EcoR I、Sal IおよびXb
a I認識部位を有するポリリンカーを含んでいる。さら
に、該ベクターは、哺乳動物細胞における主要かつ増幅
可能なマーカーとして役立つAdaをコードしている2番
目の転写単位を有している。
BMP−5、BMP−6、BMP−7それぞれの発現ベクター
を構築するために、同一の一般的方法を用いる。BMP−
5(図5)、6(図4)または7(図3)に対する遺伝
子を、pED4ベクターについて本質的に前記したポリリン
カー中に挿入する。これらのベクターを、CHO DUKX細
胞中へのトランスフェクション、ついで上記Adaマーカ
ーを用いた選択および増幅[カウフマンら,プロシーデ
ィングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシズ・ユーエスエイ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)第
83巻:3136〜3140頁(1986年)]に用いることができ
る。各ベクターはDHFR遺伝子を含んでおらず、得られる
形質転換細胞はDHFR陰性のままであるので、DHFRと連結
された異なるBMPを含む2番目のベクターでトランスフ
ェクションし、メトトレキセートで増幅することができ
る。
別法として、pMT3SV2Ada/BMPベクターを用いて、安定
なCHO細胞系(前もって異なるBMP遺伝子でトランスフェ
クションしてある)をトランスフェクションし、ついで
DHFR/メトトレキセート系を用いて増幅することができ
る。ついで、得られた形質転換体をAda系を用いて増幅
し、2種の異なるBMP遺伝子を同時発現し、DHFRおよびA
daマーカー双方を用いて増幅される細胞系を得る。
H. BMP−発現哺乳動物細胞系 現在のところ、本発明の組み替え型ホモダイマーおよ
びヘテロダイマーの製造に用いる最も望ましい細胞系は
以下のものである。
上記ベクターを用いる慣用的な形質転換により、これ
らの細胞系を調製した。
BMP−2発現細胞系2EG5は、ベクターpBMP2delta−EMC
で安定に形質転換されたCHO細胞である。
BMP−4発現細胞系4E9は、ベクターpBMP4delta−EMC
で安定に形質転換されたCHO細胞である。
BMP−5発現細胞系5E10は、ベクターBMP5mix−EMC−1
1(増幅レベルは2マイクロモラーのMXT)で安定に形質
転換されたCHO細胞である。
BMP−6発現細胞系6HG8は、ベクターBMP6/EMCで安定
に形質転換されたCHO細胞である。
BMP−7発現細胞系7MB9は、ベクターBMP7/pMT21で安
定に形質転換されたCHO細胞である。
実施例2−BMPヘテロダイマーの一時的発現 以下の2つの異なる方法により、実施例8のアッセイ
のスクリーニングのための一時的発現系における同時発
現によって本発明ヘテロダイマーを調製してもよい。
1番目の方法において、実施例1記載のpMT2由来およ
びEMC由来の発現プラスミドならびに同様にして誘導さ
れたベクター(それぞれBMP−2からBMP−7および腫瘍
増殖因子(TGFβ1)をコードしている)を構築した。
すべてのプラスミド対の組み合わせを等しい割合で混合
し、DEAE−デキストラン法[ソムペイラク(Sompayra
c)およびダンナ(Danna),プロシーディングス・オブ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユー
エスエイ第78巻:7575〜7578頁(1981年);ルスマン(L
uthman)およびマグヌソン(Magnusson),ヌクレイッ
ク・アシッズ・リサーチ(Nucl.Acids Res.)第11巻:12
95〜1308頁(1983年)]を用いるCHO細胞の同時トラン
スフェクションに用いた。10%ウシ胎児血清、アデノシ
ン、デオキシアデノシン、チミジン(各100μg/ml)、
ペニシリン/ストレプトマイシンおよびグルタミン(1m
M)を添加したアルファ最少必須培地(α−MEM)で細胞
を増殖させる。
ヘパリン、スラミン、デキストラン硫酸のごとき化合
物の増殖培地への添加は望ましく、CHO細胞調整培地中
に存在するBMP−2の量を増加させる。同様に、BMP−5
もかかる化合物に応答する。それゆえ、これらのBMP構
成成分を含むすべてのヘテロダイマーのためにこれらの
化合物を添加することが考えられる。他のBMPも、これ
らの化合物の効果に応答するかもしれず、その効果は、
成熟BMPと細胞表面との相互作用を抑制することである
と考えられている。
翌日、100μg/mlヘパリン添加あるいは無添加新鮮培
地を添加した。24時間後、培養物を収穫した。いくつか
の実験系において、トランスフェクション後24〜48時間
のヘパリン無添加培養物を集め、ついで同じプレートを
用いてトランスフェクション後48〜72時間のヘパリン存
在下での培養物を得た。対照系は、BMP配列を欠く発現
プラスミドを有する形質転換細胞、ただ1つのBMP配列
を含むプラスミドを有する形質転換細胞、または単一BM
P形質転換細胞による培養物と異なるBMP形質転換細胞に
よる培養物の混合物を含んでいる。
粗調整培地中に同時発現された(あるいは未精製の)
ヘテロダイマーBMPを特徴づけすることにより、以下の
結果を得た。一時的に同時発現したBMPを、実施例8記
載のW20基質細胞に対するアルカリホスファターゼ活性
に関してアッセイした。
以下に示すように、BMP−2とBMP−5、BMP−6およ
びBMP−7との同時発現、BMP−4とBMP−5、BMP−6お
よびBMP−7との同時発現は、W20アッセイにおいて、個
々のヘテロダイマーのみあるいはホモダイマー混合物の
いずれよりも強いアルカリホスファターゼ誘導活性を示
した。BMP−2とBMP−7が同時発現した場合に最大活性
が得られた。ヘテロダイマーBMP−2/5;BMP−2/6;BMP−4
/5;BMP−4/6およびBMP−4/7も活性が高かった。
ついで、CHO細胞の一時的トランスフェクションの
間、種々の比率の発現プラスミド(9:1、3:1、1:1、1:
3、1:9)を用いてこれらのBMPの組み合わせを発現させ
た。9:1ないし1:9の範囲のプラスミド数の比で、BMP−
2を含むプラスミドとBMP−7を含むプラスミドとを用
いてこの方法を行い、個々のBMPのプラスミドが大体同
数の場合に、W20アッセイにおいて最大活性が得られ
た。単一のBMPを含むプラスミドでトランスフェクショ
ンした宿主細胞と比較すると、BMP−2のBMP−7に対す
る比がそれぞれ3:1ないし1:3の場合にもW20アッセイに
おける活性が増大した。しかしながら、これら後者の比
較においては1:1の比よりも活性が低かった。
BMP−2およびBMP−7以外からなるヘテロダイマーに
関する同様な比率が当業者により決定されうる。例え
ば、BMP−2およびBMP−6間で形成されるヘテロダイマ
ーに関する予備実験により、同時トランスフェクション
に好ましい比率は3:1であることが示されている。この
方法に関する好ましい比率の決定は、当該分野の技術的
範囲内である。
同時発現したBMPを一時的に得るための別法として、
それぞれBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBM
P−7を発現する実施例1で確認された安定なCHO細胞系
を1日間同時培養し、ついで46.7%ポリエチレングリコ
ール(PEG)で融合させる。融合1日後、新鮮培地を添
加し、24時間後にW20アッセイ(実施例8に記載)用に
収穫する。そのアッセイの結果は、実質的に上記結果と
同様であった。
それゆえ、BMP−5、6または7とともに同時発現し
たBMP−2または4との組み合わせのすべては、いかな
る単独BMPホモダイマーよりも高い活性を示した。個々
のBMPホモダイマーのみが発現される対照実験および収
穫後混合された調整培地においては、活性は常に個々の
BMPの中間値であり、同時発現されたヘテロダイマーBMP
は、個々に発現されたBMPホモダイマーの組み合わせよ
りも高い活性を示すことがわかった。
実施例3−BMPヘテロダイマーの安定な発現 A. BMP−2/7 実施例2の一時的な分析の結果に基づき、BMP−2お
よびBMP−7を同時発現する安定な細胞系を作った。
好ましい安定な細胞系2E7E−10を以下のようにして得
た:プラスミドDNA(pBMP−7−EMCおよびpBMP−2−EM
Cの1:1混合物,実施例1に記載)を、エレクトロポーレ
ーション[ノイマン(Neuman)ら,エムボー・ジャーナ
ル第1巻:841〜845頁(1982年)]によりCHO細胞中へト
ランスフェクションさせた。
2日後、細胞を、10%透析済みウシ胎児血清を含み、
ヌクレオシド不含選択培地に移した。10〜14日後にDHFR
を発現するコロニーを数えた。各コロニーまたはコロニ
ーのプールを培養し、標準的方法を用いて、各ヘテロダ
イマーBMP構成成分のRNAおよび蛋白の発現について分析
し、ついでMTXを増加させた場合の増殖により、その増
殖に関して選択を行った。好ましいクローン(2E7Eと命
名)の段階的選択を、MTX濃度0.5μMまで行った。つい
で得られた細胞系を増殖させ、ヘテロダイマー2/7発現
についてアッセイした。かかる分析法には、構成成分の
DNAの存在を検出するウエスタンブロット分析、代謝的
に標識された蛋白の定量およびSDS−PAGE分析、ならび
に部位の異なるラット・骨形成アッセイを用いた軟骨お
よび/または骨形成活性の分析(実施例9)が包含され
る。現在のところ、好ましいクローン的に誘導された細
胞系は2E7E−10であると確認されている。この細胞系
は、0.5μM MTX含有培地中にBMP−2/7ヘテロダイマー
蛋白を分泌する。
CHO細胞系2E7E−10を、10%ウシ胎児血清を含むダル
ベッコの改変イーグル培地(Dalbecco's modified Eagl
e's medium)(DMEM)/ハムの(Ham's)栄養混合物F
−12の1:1(v/v)混合培地中で増殖させる。細胞が80な
いし100%集密的になった場合、培地を無血清DMEM/F−1
2に置換する。4日にわたり24時間おきに培養物を収穫
する。蛋白生産および精製のために細胞を無血清下で培
養する。
同時発現細胞系2E7E−10が、最初は実施例2記載のBM
P−2発現細胞系2EG5よりも少量のBMP蛋白を生産するよ
うに見えるが、推定ヘテロダイマーの比活性が、少なく
ともBMP−ホモダイマーの5倍であることがわかる(実
施例6参照)。
別のヘテロダイマー生産細胞を構築するために、安定
な細胞系7MB9(前もってpBMP−7−pMT2でトランスフェ
クションされ、BMP−7を発現する)を用いる。7MB9を
増幅し、DHFR/MTX系を用いて2μMメトトレキセート耐
性により選択する。安定な同時発現細胞系を得るため
に、BMP−2およびTn5トランスポゾン由来のネオマイシ
ン耐性遺伝子を含む発現ベクターpBMP−2Δ−EN(EMC
−Neo)で、細胞系7MB9をトランスフェクションする。
得られた形質転換された安定細胞系を、G−418およびM
TX耐性に関して選択する。個々のクローンを拾い、前記
したようにBMP発現について分析する。
一時的同時発現により上昇した活性を示すBMPの他の
組み合わせを同時発現する安定な細胞系は、安定な発現
においても同様に高い活性を示すことが予想される。
B. BMP−2/6 実施例2の一時的アッセイの結果に基づいて、BMP−
2およびBMP−6を同時発現する安定な細胞系を作っ
た。
好ましい細胞系12C07を以下のようにして得た:プラ
スミドDNA(pBMP−6−EMCおよびpBMP−2−EMCの1:3混
合物)を、エレクトロポーレーション[ノイマンら,エ
ムボー・ジャーナル第1巻:841〜845頁(1982年)]に
よりCHO細胞中にトランスフェクションさせた。
2日後、細胞を選択培地(10%透析済みウシ胎児血清
含有、ヌクレオシド不含)に移した。DHFRを発現するコ
ロニーを10〜14日後に得た。個々のコロニーあるいはコ
ロニーのプールを広げ、標準的方法を用いて個々のヘテ
ロダイマーBMP構成成分のRNAおよび蛋白の発現を分析
し、ついでMTX濃度を増加させて増殖させることによ
り、増幅に関して選択した。MTX濃度2.0μMに至るま
で、好ましいクローン(12−Cと命名)の段階的選択を
行った。ついで細胞系を増殖させ、ヘテロダイマー2/6
発現についてアッセイした。
かかるアッセイ方法には、構成成分のDNAの存在を検
出するウエスタンブロット分析、代謝的に標識された蛋
白の定量およびSDS−PAGE分析、ならびに部位の異なる
ラット・骨形成アッセイを用いた軟骨および/または骨
形成活性の分析(実施例9)が包含される。現在のとこ
ろ、好ましいクローン的に誘導された細胞系は12C07で
あると確認されている。この細胞系は、2.0μM MTX含
有培地中にBMP−2/6ヘテロダイマー蛋白を分泌する。
CHO細胞系12C07を、10%ウシ胎児血清を含むダルベッ
コの改変イーグル培地(Dalbecco's modified Eagle's
medium)(DMEM)/ハムの(Ham's)栄養混合物F−12
の1:1(v/v)混合培地中で増殖させる。細胞が80ないし
100%集密的になった場合、培地を無血清DMEM/F−12に
置換する。4日にわたり24時間おきに培養物を収穫す
る。蛋白生産および精製のために細胞を無血清下で培養
する。
同時発現細胞系12C07が、最初は実施例2記載のBMP−
2発現細胞系2EG5よりも少量のBMP蛋白を生産するよう
に見えるが、推定ヘテロダイマーの比活性が、少なくと
もBMP−ホモダイマーの3〜5倍であることがわかる
(実施例6参照)。
別のヘテロダイマー生産細胞を構築するために、安定
な細胞系2EG5(前もってpBMP−2−EMCでトランスフェ
クションされ、BMP−2を発現する)を用いる。2EG5を
増幅し、DHFR/MTX系を用いて2μMTXメトトレキセート
耐性により選択する。安定な同時発現細胞系を得るため
に、BMP−6およびADA耐性遺伝子を含む発現ベクターpB
MP−6−ada(adaデアミナーゼ)で、細胞系2EG5をトラ
ンスフェクションする。得られた形質転換された安定細
胞系を、DCFおよびMTX耐性に関して選択する。個々のク
ローンを拾い、前記したようにBMP発現について分析す
る。
一時的同時発現により上昇した活性を示すBMPの他の
組み合わせを同時発現する安定な細胞系は、安定な発現
においても同様に高い活性を示すことが予想される。
実施例4−BMP2/7およびBMP2/6ヘテロダイマーの精製 BMP−2/6ヘテロダイマーおよびBMP−2/7ヘテロダイマ
ーに関するのと同じ精製法を用いた。組換えによりBMP
ヘテロダイマー2/7または2/6を生産するようになった細
胞系2E7E−10または12C07を含む培養物を、付着または
懸濁いずれかの培養により得た。同時発現したBMPを小
スケールの培養で得るたまに、付着培養物をローラーボ
トル中に接種し、10%透析済み熱失活ウシ胎児血清[ペ
ンシルバニア州デンバーのハズレトン(Hazleton)社
製]含有アルファ最少イーグル培地[α−MEM,ニューヨ
ークのグランドアイランド(Grand Island)のギブコ
(Gibco)社製]中で集密的になるまで培養した。つい
で培地を無血清、無アルブミン、低蛋白培地(ダルベッ
コの改変イーグル培地およびハムのF−12培地の50:50
混合物を基礎とし、所望により100マイクログラム/mlの
デキストラン硫酸を補足)に切り替えた。4〜5日間毎
日収穫してプールしておき、組み換え型蛋白の精製に用
いた。
上記のごとくローラーボトル培養で得られた培養物を
室温でゆっくりと融解し、プールした。プールした培養
物のpHを、1M Tris,pH8.0を用いて8.0に合わせた。カ
ラムにマトレックス・セルファイン・サルフェート(Ma
trex Cellfine Sulfate)[アミコン社製]を入れ、50m
M Tris,pH8.0で平衡化した。
培養物の負荷が完了した後、カラムを50mM Tris、0.4
M NaClを含む緩衝液(pH8.0)で、280nmのベースライン
が安定化するまで洗浄した。ついでカラムを50mM Tri
s,pH8.0で洗浄して緩衝液からNaClを除去した。ついで
樹脂を、50mM Tris、0.2M NaCl、4M尿素(pH8.0)
で、ピークが溶出するまで洗浄した。ついでカラムを、
50mM Tris,pH8.0で洗浄して尿素を除去した。
ついで、結合したBMP−2/7またはBMP−2/6を、50mM
Tris、0.5M NaCl、0.5Mアルギニン(pH8.0)を用いて
溶出した。溶出液を1つに集め、所望ならばさらなる精
製まで凍結してもよい。このセルファイン・サルフェー
ト溶出物を、14倍体積の6M尿素で希釈し、ついで試料の
pHを6.0にした。ヒドロキシアパタイト−ウルトロゲル
(Hydroxyapatite−Ultrogel)[アイビーエフ(IBF)
社製]をカラムに注入し、80mMリン酸カリウム、6M尿素
(pH6.0)で平衡化した。
試料負荷完了後、ベッド体積の10倍の平衡化緩衝液で
洗浄した。結合しているBMP−2/7あるいはBMP−2/6ヘテ
ロダイマーは、ベッド体積の5倍の100mMリン酸カリウ
ム、6M尿素(pH7.4)で溶出された。この溶出物を、ビ
ダック(Vydac)C4逆相HPLCカラム(水−0.1%TFAで平
衡化)に直接負荷した。BMP−2/7あるいはBMP−2/6ヘテ
ロダイマーを、水−0.1%トリフルオロ酢酸中30〜50%
アセトニトリルのグラジエントで溶出した。BMP−含有
フラクションを、還元剤の存在または不存在下のSDS−P
AGEにより確認した。ホモダイマー対ヘテロダイマーに
関するBMP−の同定を2次元PAGE(還元剤の存在または
不存在下)により行った。ヘテロダイマー含有フラクシ
ョンのバンドは2個のスポットに減少し、ホモダイマー
のバンドは各BMP種の1個のスポットに減少した。BMP−
2/6ヘテロダイマーサブユニットを蛋白シーケネーター
で分析した。以下の種のBMP−2/6ヘテロダイマーが存在
する:アミノ酸#283 Gln−Ala−Lysまたは#249 Ser
−Leu−Hisから始まるBMP−2サブユニットに結合し
た、アミノ酸#375 Ser−Ala−Ser−Serから始まるBMP
−6サブユニット。しかしより少量の他の種も存在しう
る。
本発明のいかなる組み替え型BMPについても同一また
は実質的に同様な精製法を用いることができると考えら
れる。本発明のBMP−2/7あるいはBMP−2/6もしくは他の
ヘテロダイマーに関しては、ハイドロキシアパタイト−
ウルトロゲルカラムが不要であるかもしれず、その場
合、セルファイン・サルフェート溶出物を直接C4逆相HP
LCカラムに負荷することにより精製スキームを変更して
もよい(ハイドロキシアパタイト−ウルトロゲルカラム
を用いず)。
実施例5−蛋白の特徴づけ 35Sメチオニン標識後、同時発現細胞系から分泌され
る全蛋白をウエスタンブロット分析(例えばBMP−2お
よびBMP−7のヘテロダイマーの両方のBMPに対する抗体
を用いる)により分析する。アルカリホスファターゼの
アッセイも一緒に行い、データによりヘテロダイマーの
存在およびその比活性が示される。以下の詳細な説明
は、BMP−2/7およびBMP−2/6ヘテロダイマーについて集
めたデーターに対するものである。しかしながら、同様
の方法を本明細書記載の他のヘテロダイマーに適用する
ことにより、同様の結果が得られる。
A. 35S−Met標識 BMP2Δ−EMCおよびBMP7Δ−EMC発現ベクターの同時ト
ランスフェクションにより誘導された細胞系に35S−メ
チオニンを15分間パルスし、無血清培地(ヘパリン存在
または不存在)で6時間チェイスした。PAGEおよびフル
オログラフィーにより、還元条件下で全分泌蛋白を分析
した。その結果により、いくつかの細胞系がBMP−2お
よびBMP−7蛋白を分泌することが示された。アルカリ
ホスファターゼ活性と同時発現した蛋白量との間には良
い相関関係がある。
いくつかの細胞系は、BMP−2のみを分泌する細胞系2
EG5(10μg/mlのBMP−2を生産)よりも少量のBMP−2
および7を分泌する。細胞系2E7E−10(0.5mM MTXのレ
ベルで増幅)は、細胞系2EG5と同じレベルでBMP−2お
よびBMP−7を等しい割合で分泌する。細胞系2E7E−10
は、ある分析において600マイクログラム/mlのBMP−2
ホモダイマー活性に相当する量を生産する。
全標識蛋白を2次元非還元/還元ゲル系で分析してヘ
テロダイマーが生成しているかどうかを確認した。予備
実験結果により、BMP−2のみまたはBMP−7のみを発現
するいずれかの細胞系においては見られない独自のスポ
ットがこのゲル中に存在することが示され、2/7ヘテロ
ダイマーの存在が示唆された。精製物質を用いた同じゲ
ルは、2/7ヘテロダイマーの存在を示す同じ結果(ゲル
上の2つの特有のスポット)を示した。
組み換え型BMP−2/7の精製とは対照的に、BMP−2ホ
モダイマーはBMP−2/6調製物中には検出されなかった。
しかしながら、有意な量のBMP−6ホモダイマーが見ら
れた。さらに、有意な量のN−末端アミノ酸が20個切除
されているBMP−6が見られた。細胞培養中、プロテア
ーゼインヒビターを添加することにより、この種を除去
できた。BMP−2/6は、C4逆相HPLCにおいて、BMP−2/7よ
りも2ないし3フラクション遅れて溶出することがわか
った。
主要なBMP−2/7ヘテロダイマー種が、成熟BMP−2サ
ブユニット[アミノ酸#283(Gln)〜#396(Arg)]お
よびBMP−7成熟サブユニット[#293(Ser)〜#431
(His)]からなることがアミノ酸配列決定により示さ
れる。BMP−2/6ヘテロダイマーは、成熟BMP−2サブユ
ニット(#283〜396)および成熟BMP−6サブユニット
[#375(Ser)〜#513(His)]からなっている。
B.ウエスタンブロット分析と組み合わせた免疫沈降 BMP−2のみ(2EG5)、BMP−7のみ(7MB9)または2E
7E−10同時発現細胞系による調整培地を、BMP−2また
はBMP−7抗体(いずれもウサギで得た慣用的なポリク
ローナル抗体)いずれかとともに免疫沈降反応に付し、
ついで抗BMP−2または抗BMP−7抗体いずれかをプロー
ブとするウエスタンブロットで分析した。2/7ヘテロダ
イマーは沈澱し、ウエスタンブロットにおいてBMP−2
およびBMP−7両抗体と反応した。一方、いずれのBMPも
それ自身はその特異的抗体と反応するが、相対する抗体
とは反応しない。
抗BMP−7抗体W33[マサチューセッツ州ケンブリッジ
のジェネティクス・インスティチュート,インク社製]
により沈澱し、ウエスタンブロット上で抗BMP−−2抗
体W12またはW10[ジェネティクス・インスティチュー
ト,インク社製]と反応する、同時発現細胞系中の蛋白
は、BMP−2またはBMP−7のみを発現する細胞系には存
在しないことがこの方法を用いて示された。この実験に
より、この蛋白種がヘテロダイマー蛋白であることが示
される。逆に、W12との沈澱およびW33でのプローブにお
いては同じ結果が得られた。
実施例6−ヘテロダイマーの比活性 A.インビトロでのアッセイ 安定な細胞系2E7E−10と2EG5との、および12C07と2EG
5との増殖培地中に分泌されるBMP−2/7またはBMP−2/6
ヘテロダイマー、およびBMP−2ホモダイマーそれぞれ
の比活性を以下のごとく測定した。
ウエスタンブロット分析またはPAGEおよびフルオロメ
トリーによる35Sメチオニン標識細胞から分泌される蛋
白を分析することにより、調整培地中のBMP蛋白量を測
定した。ついで、同じ細胞系によりW20細胞に対して生
産されるアルカリホスファターゼまたは骨カルシウム沈
着誘導の活性を測定した。増殖培地中に分泌された蛋白
に対する活性の比からBMP比活性を計算した。
ある実験において、PAGEおよびフルオロメトリーによ
れば、2E7E−10および2EG5は同程度の量の全BMP蛋白を
分泌した。2E7E−10は2EG5の約50倍のアルカリホスファ
ターゼ誘導活性を示し、該ヘテロダイマーの比活性がそ
のホモダイマーの約50倍であることが示された。
別の実験において、2EG5により分泌されたBMP−2蛋
白量は、2E7E−10により分泌されたBMP−2/7よりも約50
%多かった。しかしながら、2E7E−10は、2EG5の約10倍
の骨カルシウム沈着誘導活性を示した。このタイプのい
くつかの異なる実験から、BMP−2/7ヘテロダイマーの比
活性は、BMP−2ホモダイマーの5ないし50倍であると
評価された。
図8および図9は、W20アルカリホスファターゼおよ
びBGP(骨Gla蛋白,オステオカルシン)アッセイにおけ
るBMP−2およびBMP−2/7の活性の比較である。BMP−2/
7は比活性がBMP−2よりもずっと高い(図8)。図8か
らわかるように、W−20細胞において最大ホスファター
ゼ応答の50%を誘導するには約1.3ng/mlのBMP−2/7で十
分であった。アルカリホスファターゼ応答が極大化しな
いため、BMP−2の対応する値は計算が困難である。し
かし最大の半分の応答には30ng/ml以上が必要である。
よって、BMP−2/7は、W−20アッセイにおいて、BMP−
2の20ないし30倍の比活性を有する。
図9からわかるように、この実験においてBMP−2/7
は、BGP(骨Gla蛋白,骨カルシウム沈着)生成におい
て、BMP−2よりも効果的な刺激剤であった。BMP−2/7
でW−20−17細胞を4日間処理すると62ng/mlで最大BGP
応答が得られ、11ng/mlで最大BGPの50%が誘発される。
対照的に、468ng/mlの蛋白を与えるまではBMP−2によ
るBGP合成に対する最大刺激が見られなかった。W−20
−17細胞によるBGP応答を誘発するのに必要なBMP−2/7
の最少量は3.9ng/mlであり、BMP−2所要量29ng/mlの約
7分の1であった。これらの結果は、BMP−2およびBMP
−2/7について得られたW−20−17アルカリホスファタ
ーゼアッセイにおいて得られたデータと矛盾しなかっ
た。
予備分析により、BMP−2/6がインビトロにおいてBMP
−2/7と同等の比活性を有することが示される。W−20
におけるBMP−2およびBMP−2/6のアルカリホスファタ
ーゼ誘導能力を比較すると、図12に示すように、このア
ッセイ系においては、BMP−2/6はBMP−2よりも高い比
活性を有している。このデータは、BMP−2およびBMP−
2/6のインビボでのアッセイにより得られた値とよく一
致している。
B.インビボでのアッセイ (i)BMP−2/7 精製BMP−2/7およびBMP−2を、ラットの異なる部位
における骨形成アッセイにおいて試験した。一連の異な
る量のBMP−2/7またはBMP−2を、3系並列してラット
に移植した。5および10日後、移植物を取り出し、骨ま
たは軟骨の存在について組織学的に試験した。新たに形
成された軟骨および骨の量についての組織学的スコアを
表Aにまとめてある。
ラットの異なる部位における軟骨および骨誘導アッセ
イに要したBMP−2/7の量はBMP−2よりも少量である。
組織学的には、BMP−2/7およびBMP−2により誘導され
た軟骨または骨の外観は同じである。
(ii)BMP−2/6 種々の量のそれぞれのBMPをラットの異なる部位に10
日間移植することにより、BMP−2/6のインビボ活性をBM
P−2のそれと比較した。この実験結果(表B,図13)に
より、BMP−2/7同様BMP−2/6もBMP−2にと比べてイン
ビボ活性が上昇したことが示される。BMP−2、BMP−6
およびBMP−2/6の比活性を、蛋白をラットの異なる部位
に10日間移植した後比較する。これらの実験結果を表C
および図14に示す。BMP−2/6は、BMP−2またはBMP−6
よりも、強力な骨形成誘導剤である。BMP−2/6で観察さ
れた骨形成は、等量のBMP−2/7で観察された結果と比肩
うる。BMP−2/6移植物の外観は、BMP−2またはBMP−2/
7含有移植物の外観と全く同じである。
実施例7−イー・コリにおけるBMPダイマーの発現 欧州特許出願第433,255号の記載をわずかに改変した
方法により、生物学的に活性のあるホモダイマー形態の
BMP−2をイー・コリ中で発現させた。上記欧州特許出
願中に開示されている他の方法を用いて本発明ヘテロダ
イマーをイー・コリから生産させてもよい。本発明ヘテ
ロダイマーにこれらの方法を適用することは、イー・コ
リから活性BMPヘテロダイマー蛋白を生産させることを
予想させる。
A. BMP−2発現ベクター BMP−遺伝子の成熟部分(配列番号:14)および以下に
詳述する他の配列を含んでいる発現プラスミドpALBP−7
81(図7)(配列番号:13)を構築した。下記のごと
く、このプラスミドにより、イー・コリ宿主株GI724に
おいてBMP−2が全蛋白の5〜10にまで蓄積した。
プラスミドpALBP−781は以下の基本的特徴を有する。
ヌクレオチド1〜2060は、宿主イー・コリにおいて抗生
物質アンピシリン耐性を付与するβ−ラクタマーゼ遺伝
子を含むpUC−18由来の配列、およびcolE1由来の複製開
始点を含んでいる。ヌクレオチド2061〜2221は、3つの
オペレーター配列OL1、OL2およびOL3を有するバクテリ
オファージλの主要なレフトワードプロモーター(left
ward promotor)(pL)のDNA配列[サンガー(Sanger)
ら,ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(J.Mol.Biol.)第162巻:729〜773頁(1982年)]を含
んでいる。オペレーターはλcIリプレッサー蛋白の結合
部位であり、その細胞内レベルはpLによる転写開始量を
制御している。ヌクレオチド2222〜2723は、サンガー
ら,ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー第
162巻:729〜773頁(1982年)記載のバクテリオファージ
λ由来のヌクレオチド35566ないし35472および38137な
いし38361に由来する配列上に含まれる強力なリボゾー
ム結合配列を含んでいる。ヌクレオチド2724〜3133は、
さらに62ヌクレオチドからなる3'−非翻訳配列を伴った
成熟BMP−2をコードしているDNA配列を含んでいる。
ヌクレオチド3134〜3149は、制限エンドヌクレアーゼ
部位を有する「リンカー」DNAを提供する。ヌクレオチ
ド3150〜3218は、イー・コリaspA遺伝子の転写終結配列
[タカギ(Takagi)ら,ヌクレイック・アシッズ・リサ
ーチ第13巻:2063〜2074頁(1985年)]に基づく転写終
結配列を提供する。ヌクレオチド3219〜3623はpUC−18
由来のDNA配列である。
後記するように、イー・コリ宿主株を適当な条件下で
培養した場合、pALBP2−781により高レベル(全細胞蛋
白の約10%)のBMP−2蛋白が生産されうる。
ダゲルト(Dagert)およびエールリッヒ(Ehrlic
h),ジーン(Gene)第6巻23頁(1979年)の方法によ
り、pALBP2−781をイー・コリ宿主株GI724(F,lacIq,la
cPL8,ampC::λcI+)中に形質転換した。[形質転換され
ない宿主株イー・コリGI724を、適用可能な法律および
規則に従い、特許目的のために受託番号ATCC 55151の
下、1991年1月31日に、メリーランド州ロックビルのパ
ークローンドライブ12301のアメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクションに寄託した]形質転換株を、0.5
%(w/v)グルコース、0.2%(w/v)カザミノ酸および1
00μg/mlアンピシリンを補足したM9培地[ミラー(Mill
er),「エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェ
ネティクス(Experiments in Molecular Genetic
s)」,ニューヨークのコールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー(1972年)]からなる1.5%(w/v)寒
天プレート上で選択した。GI724は、ampCの位置の染色
体中に安定に組み込まれた野生型λcIリプレッサー遺伝
子のコピーを含んでいる。この位置で該遺伝子はサルモ
ネラ・ティフィムリウム(Salmonalla typhimurium)の
trpプロモータ/オペレーター配列の支配を受ける。GI7
24において、λcI蛋白は、トリプトファン不含培地中
(最少培地または上記IMCのごときカザミノ酸を補足し
た最少培地)で増殖している間のみ生産される。GI724
の培地へのトリプトファン添加によりtrpプロモーター
を抑制し、λcI合成のスイッチを切り、徐々にpLプロモ
ーター(細胞中に存在するならば)からの転写誘導を引
き起こす。
pALBP2−781で形質転換されたGI724を、A550(550nm
における吸光度)が0.5になるまでIMC培地中で37℃で増
殖させる。トリプトファンを最終濃度100μg/mlになる
よう添加し、さらに4時間培養した。この期間中、BMP
−2蛋白が、細胞の全蛋白の約10%になるまで蓄積し、
すべて「封入体」画分となる。
BMP−を以下のごとく不溶性モノマー形態として回収
する。細胞破壊および回収を4℃で行う。約9gの培養済
み湿イー・コリGI724/pALBP2−781細胞を30mlの0.1M T
ris/HCl、10mM EDTA、1mMフェニルメチルスルホニルフ
ルオライド(PMSF),pH8.3(破壊用緩衝液)に懸濁す
る。細胞を、細胞破壊器に4回通し、破壊用緩衝液で体
積を100mlにする。懸濁物を20分遠心分離(15000x
g)する。得られたペレットを、1M NaCl含有破壊用緩
衝液(50ml)に懸濁し、上記のごとく10分間遠心分離す
る。ペレットを、1% Triton X−100(ピアース(P
ierce)社製)含有破壊用緩衝液(50ml)に懸濁し、再
度上記のごとく遠心分離する。ついで洗浄したペレット
を、25mlの20mM Tris−HCl、1mM EDTA、1mM PMSF、
1% DTT,pH8.3に懸濁し、ガラス製ホモジナイザーで
ホモジナイズする。得られた懸濁液に、不溶型の粗モノ
マーBMP−2が含まれている。
上記のごとく得た10mlの該BMP−2懸濁液を、10%酢
酸で酸性にしてpH2.5とし、エッペンドルフ遠心管に入
れ室温で10分間遠心分離する。上清をクロマトグラフィ
ーに付した、1%酢酸中セファクリルS−100HRカラム
(ファルマシア(Pharmacia)社製)クロマトグラフィ
ーを行った(流速1.4ml/分)。モノマーBMP−2含有フ
ラクションをプールする。これを用いて生物学的活性の
あるホモダイマーBMP−2を得る。
上記可溶化および精製により得られたモノマーBMP−
2から、生物学的活性のあるホモダイマーBMP−2を下
記のようにして得ることができる。
0.1、0.5または2.5mgのBMP−2をそれぞれ20、100ま
たは500μg/mlとなるよう、50mM Tris−HCl,pH8.0、1M
NaCl、5mM EDTA、2mM還元型グルタチオン、1mM酸化
型グルタチオンおよび33mM CHAPS[カルビオケム(Cal
biochem)社製]に溶解する。4℃または23℃で4日お
いた後、該混合物を0.1%TFAで5〜10倍に希釈する。透
析した該混合物をビダックC4 214TP54カラム(25x0.45
cm)[米国のザ・ネスト・グループ(The Nest Group)
社製]上の逆相HPLC(流速1ml/分)に付すことにより、
生物学的に活性のあるBMP−2の精製を行う。緩衝液A
は0.1%TFAである。緩衝液Bは90%アセトニトリルおよ
び0.1%TFAである。直線的グラジエントは、0から5分
で緩衝液B20%;5から10で緩衝液B20から30%;10から40
分で緩衝液B30から60%;40から50分で緩衝液B60から100
%とした。ホモダイマーBMP−2をHPLCカラムから溶出
し、集める。
HPLCフラクションを凍結乾燥し、試料用緩衝液(1.5M
Tris−HCl,pH8.45、12%グリセロール、4% SDS、
0.0075% Serva Blue G、0.0025%フェノールレッ
ド、100mMジチオスレイトール添加または無添加)に再
溶解し、95℃で5分間加熱する。泳動用緩衝液は、100m
M Tris、100mMトリシン(16%トリシンゲル)[ノベッ
クス(Novex)社製]、0.1% SDS(pH8.3)である。該
SDS−PAGEゲルを、125ボルトで2.5時間通電する。ゲル
を、200mlの0.5%クーマシーブリリアントブルーR−25
0、25%イソプロパノール、10%酢酸中、60℃に加熱し
て1時間染色する。ついで、ゲルを、10%酢酸、10%イ
ソプロパノールでバックグラウンドが透明になるまで脱
色する。
還元型物質は約13kDのところまで泳動した。非還元型
物質は約30kDまで泳動した。このことはBMP−2ダイマ
ーであることを示す。この物質は、後のW20アッセイ
(実施例6)において活性を示した。
B. BMP−7発現ベクター BMP−7を高レベル発現させるためにプラスミドpALBP
7−981を構築した。pALBMP7−981は、2つの例外を除い
てはpALBMP2−781と同じである。BMP−2遺伝子(pALBP
2−781の2724〜3133番目の残基)がBMP−7成熟蛋白の
遺伝子で置き換えられており、成熟BMP−7蛋白配列: の初めの7個の残基をコードしている配列が除去されて
おり、pALBP2−781の2707および2723番目の残基間に見
られるリボゾーム結合部位が別のリボゾーム結合部位
(T7ファージの遺伝子10に先行する配列5'−CAAGAAGGAG
ATATACAT−3'に基づく)に置き換えられている。BMP−
7生産に用いた宿主株および増殖条件はBMP−2に関し
て記載したものと同じであった。
C. BMP−3発現ベクター BMP−3を高レベル発現させるためにプラスミドpALB7
−782を構築した。このプラスミドは、BMP−2遺伝子
(pALBP2−781の2724〜3133番目の残基)が成熟BMP−3
の形態をコードしている遺伝子に置き換えられているこ
と以外は、プラスミドpALBP2−781と同じである。このB
MP−3遺伝子の配列は: である。
BMP−3の生産に用いた宿主株および増殖条件は、BMP
−2に関して記載したものと同じであった。
D.イー・コリにおけるBMP−2/7ヘテロダイマーの発現 前記のごとく、酸性化およびゲル濾過により、精製し
た変性BMP−2およびBMP−7モノマーをイー・コリ封入
体ペレットから単離した。125μgの各BMP(1%酢酸
中)を混合し、急速真空乾燥した。得られた物質を、2.
5mlの50mM Tris、1.0M NaCl、5mM EDTA、33mM CHAP
S、2mMグルタチオン(還元型)、1mMグルタチオン(酸
化型),pH8.0に再懸濁した。この試料を23℃で1週間イ
ンキュベーションした。
BMP−2/7ヘテロダイマーを、ビダックC4カラム(25x
0.46cm)上のHPLCにより単離した。該試料を微量遠心機
で5分間遠心分離し、上清を22.5mlの0.1%TFAで希釈し
た。
A緩衝液:0.1%TFA B緩衝液:0.1%TFA、95%アセトニトリル 1.0ml/分 0〜5分 20%B 5〜10分 20〜30%B 10〜90分 30〜50%B 90〜100分 50〜100%B SDS−PAGE分析によると、BMP−2/7ヘテロダイマーは約2
3分で溶出した。
図10は、イー・コリBMP−2およびBMP−2/7ヘテロダ
イマーのW20活性を比較したもので、ヘテロダイマーの
ほうが活性が高いことを示す。
F.イー・コリにおけるBMP−2/3ヘテロダイマーの発現 BMP−2およびBMP−3モノマーを以下のようしして得
た:1.0gの凍結した収穫細胞(BMP−2またはBMP−3を
発現する)に、3.3mlの100mM Tris、10mM EDTA,pH8.3
を添加した。細胞を激しくボルテックスすることにより
再懸濁した。33μlのイソプロパノール中100mM PMSF
を添加し、細胞を、フレンチプレスに1回かけることに
より溶解させた。溶解物を微量遠心機にて4℃で20分遠
心分離した。上清を捨てた。封入体ペレットを8.0Mグア
ニジン塩酸塩、0.25M DTT、0.5M Tris、5mM EDTA,pH
8.5中に取り、37℃で1時間暖めた。
還元され変性したBMPモノマーを、以下のようにして
スペルコ(Supelco)C4ガードカラム上のHPLCにより単
離した。
A緩衝液:0.1%TFA B緩衝液:0.1%TFA、95%アセトニトリル 1.0ml/分 0〜5分 1%B 5〜40分 1〜70%B 40〜45分 70〜100%B モノマーBMPは28〜30分で溶出した。A280および適当な
吸光係数により蛋白濃度を測定した。
10μgのBMP−2およびBMP−3を合一し、急速真空乾
燥した。これに50μlの50mM Tris、1.0M NaCl、5mM
EDTA、33mM CHAPS、2mM還元型グルタチオン、1mM酸
化型グルタチオン,pH8.5を添加した。得られた試料を23
℃で3日間インキュベーションした。該試料を、16%ト
リシンゲル上のSDS−PAGE(還元または非還元条件下)
により分析した。BMP−2/3ヘテロダイマーは非還元条件
下で約35kDの位置まで移動し、還元条件下では、BMP−
2モノマーは13kDまで、BMP−3は21kDまで移動した。
イー・コリにおいて生産されたBMP−2/3ヘテロダイマ
ーを、インビボ活性について試験する。10日間にわた
り、20μgを用いてBMP−2/3とBMP−2のインビボ活性
を比較する。BMP−2/3移植物は軟骨または骨形成活性を
示さなかったが、対象のBMP−2移植物は、予想どおり
の量の骨および軟骨形成を示した。BMP−2/3に関して得
られたインビボでのデーターは、W−20アッセイにより
得られたインビトロでのデータと矛盾しない。
実施例8−W−20バイオアッセイ A. W−20細胞の説明 指示細胞系としてのW−20骨髄基質細胞の使用は、BMP
−2で処理した後、これらの細胞が骨芽細胞様細胞へ転
換することに基づく[アール・エス・シース(R.S.Thie
s)ら,「ボーン・モルホジェネティック・プロテイン
・オルターズ・W−20・ストロマル・セル・ディファレ
ンシエーション・イン・ビトロ(Bone Morphogenetic P
rotein alters W−20 stromal cell differentiation i
n vitro)」,ジャーナル・オブ・ボーン・アンド・ミ
ネラル・リサーチ(Journal of Bone and Mineral Rese
arch)第5巻(2):305頁(1990年);およびアール・
エス・シースら,「リコンビナント・ヒューマン・ボー
ン・モルホジェニック・プロテイン 2 インデューシ
ズ・オステオブラスティック・ディファレンシエーショ
ン・イン・W−20−17・ストローマル・セルズ(Recomb
inant Human Bone Morphogenetic Protein 2 Induces O
steoblastic Differentiation in W−20−17 Stromal C
ells)」,エンドクリノロジー(Endocrinology)印刷
中(1992年)]。詳細には、W−20細胞は、ディー・ナ
タン(D.Nathan)博士(マサチューセッツ州ボストンの
チルドレンズ・ホスピタル(Children's Hospital))
の研究室の研究者により成長したマウスから誘導された
骨髄基質細胞系クローンである。W−20細胞のBMP−2
処理により、(1)アルカリホスファターゼ生産が増大
する、(2)PTH刺激によるcAMPの誘導、および(3)
該細胞によるオステオカルシン合成の誘導が起こる。
(1)および(2)は骨芽細胞の表現形に関連するが、
オステオカルシン合成能は、成熟骨芽細胞によってのみ
示される表現形の特徴である。さらに、現在に至るま
で、BMPでの処理によってのみW−20基質細胞の骨芽細
胞様細胞への転換が観察された。この方法において、BM
P−処理されたW−20細胞によるインビトロ活性は、BMP
−について知られているインビボ骨形成活性と相関を有
している。
新規骨誘導性分子のBMP活性の比較に有用な2種のイ
ンビトロでのアッセイを以下に記載する。
B. W−20アルカリホスファターゼのアッセイプロトコ
ール W−20細胞を、ウェルあたり10000個(培地200μl)
の密度で96ウェル組織培養用プレートに撒く。培地は10
%熱失活ウシ胎児血清,2mMグルタミンおよび100U/ml+1
00μg/mlストレプトマイシン含有DMEである。95%空
気、5%CO2中、37℃のインキュベーター中に細胞を一
晩置いて付着させる。
各ウェルから200μlの培地をマルチチャンネルピペ
ッターで除去し、10%熱失活ウシ胎児血清、2mMグルタ
ミンおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンを含有
する同体積のDME中の試験試料で置換する。試験物質を
3系で分析する。
試験試料および標準物質を、W−20指示細胞とともに
24時間インキュベーションする。24時間後、プレーを37
℃のインキュベーターから出し、細胞から試験培地を除
去する。
W−20細胞層を、ウェル当たり200μlのカルシウム
/マグネシウム不含リン酸緩衝化生理食塩水で3回洗浄
し、これらの洗液を捨てる。
ガラス容器で蒸留した50μlの水を各ウェルに添加
し、ついで該アッセイプレートをドライアイス/エタノ
ール浴で急速冷凍する。冷凍したらすぐにアッセイプレ
ートをドライアイス/エタノール浴から除去し、37℃で
融解する。このステップを2回以上繰り返し、合計3回
の凍結−融解工程を行う。この工程が終了したならば、
膜結合アルカリホスファターゼを測定に用いる。
50μlのアッセイ混合物(50mMグリシン、0.05% Tr
iton X−100、4mM MgCl2、5mM p−ニトロフェノー
ルホスフェート,pH=10.3)を各アッセイウェルに添加
し、ついで該アッセイプレートを、1分間に60回振盪す
る水浴中、37℃で30分インキュベーションする。
30分間のインキュベーションが終了したとき、100μ
lの0.2N NaOHを各ウェルに添加して反応停止し、該ア
ッセイプレートを氷上に置く。
各ウェルの分光学的吸光度を405ナノメーターにおい
て読む。ついで、これらの値を既知標準と比較して各試
料のアルカリホスファターゼ活性を評価する。例えば、
既知量のp−ニトロフェノールホスフェートを用いて吸
光度値を得る。これを表Iに示す。
既知量のBMP−2についての吸光度値を決定し、表II
に示すように、単位時間当たり開裂されたpH−ニトロフ
ェノールホスフェートのμモル数に換算できる。
ついで、これらの値を用いて、既知量のBMP−ヘテロ
ダイマーとBMP−2ホモダイマーの活性を比較する。
C.オステオカルシンRIAプロトコール W−20細胞を、24ウェル組織培養ディッシュにウェル
あたり106個撒く(ウェルあたり10%熱失活ウシ胎児血
清、2mMグルタミンを含有する2mlのDME中)。95%空
気、5%CO2の下、37℃で一晩細胞を付着させる。
翌日、培地を10%ウシ胎児血清、2mMグルタミンおよ
び試験物質を含有するDME(総体積2ml)に交換する。試
験物質をそれぞれ3系のウェルに入れる。試験物質をW
−20細胞とともに合計96時間培養する(48時間で同じ培
地と交換)。
96時間後、50μlの試験培地を各ウェルから除去し、
マウス・オステオカルシンに関するラジオイムノアッセ
イを用いてオステオカルシン生成をアッセイする。アッ
セイの詳細は、マサチューセッツ州02072スタウトンの
ペイジストリート378(378 Page Street,Stoughton,MA
02072)のバイオメディカル・テクノロジーズ・インク
(Biomedical Technologies Inc.)により製造されてい
るキットにおいて述べられている。アッセイ用試薬は、
製品番号BT−431(マウス・オステオカルシン標準物
質)、BT−432(ヤギ・抗マウス・オステオカルシ
ン)、BT−432R(ヨウ素化マウス・オステオカルシ
ン)、BT−415(正常ヤギ・血清)およびBT−414(ロバ
・抗ヤギ・IgG)である。BMP処理に応答してW−20細胞
により合成されたオステオカルシンについてのRIAを、
製造者により示されたプロトコール中に記載のごとく行
う。
試験化合物について得られた値を、マウス・オステオ
カルシンの既知標準についての値、およびBMP−2の既
知量に応答してW−20細胞により生成されたオステオカ
ルシン量と比較する。BMP−2により誘導されたW−20
細胞によるオステオカルシン合成に関する値を表IIIに
示す。
実施例9−ローゼン改変サムパス−レディアッセイ(Ro
sen−modified Sampath−Reddi assey) サンパスおよびレディ,プロシーディングス・オブ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユーエ
スエイ,第80巻:6951〜6595頁(1983年)記載のラット
・骨形成アッセイを用いて、BMP蛋白の骨および/また
は軟骨活性を評価する。この改変法を本明細書ではロー
ゼン改変サムパス−レディアッセイと呼ぶ。サムパス−
レディ法のエタノール沈澱ステップを、分析すべきフラ
クションを水に対して透析(組成物が溶液の場合)また
は限外濾過(組成物が懸濁液の場合)することに置き換
える。ついで溶液または懸濁液を0.1%TFAに溶解し、得
られた溶液を20mgのラット・マトリックスに添加する。
蛋白処理しない模擬ラット・マトリックスは対照として
役立つ。この物質を凍結し、凍結乾燥し、得られた粉末
を#5ゼラチンカプセル中に封入する。カプセルを21〜
49日齢のオスのロング・エバンズ(Long Evans)・ラッ
トの腹胸部に移植する。7〜14日後に移植物を取り出
す。各移植物の半分をアルカリホスファターゼ分析[エ
イ・エイチ・レディ(A.H.Reddi)ら,プロシーディン
グス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シズ・ユーエスエイ第69巻:1061頁(1972年)]に用い
る。
移植物のもう半分を固定し、組織学的分析用に処理す
る。1μmgのグリコールメタクリレート切片をフォン・
コッサ(Von・Kossa)および酸フクシン染色して、各移
植物に存在する誘導された骨および軟骨形成量を評価す
る。+1から+5は、新たな骨および/または軟骨細胞
およびマトリックスにより占められた移植物の各組織学
的切片の面積を表す。+5のスコアは、移植物の50%以
上が、移植物中の蛋白の直接的な結果として生成した新
たな骨および/または軟骨であることを示す。+4、+
3、+2および+1のスコアは、それぞれ移植物の40
%、30%、20%および10%以上が新たな軟骨および/ま
たは骨を含んでいることを示す。
本発明のヘテロダイマーBMP蛋白をこのアッセイに関
して評価してもよい。
本発明の実施に際しての多くの改変および変法が当業
者により行われるであろう。かかる改変および変法は以
下の請求の範囲の包含される。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:イスラエル,デイビッド(Israel,Davi
d) ウォルフマン,ニール・エム(Wolfman,
Niel M.) (ii)発明の名称:組み換え型骨形態形成蛋白ヘテロダ
イマー、組成物および使用法 (iii)配列の数:30 (iv)連絡先: (A)名称:ジェネティクス・インスティチュート,
インク(Genetics Institute,Inc) (B)通り名:リーガル・アフェアーズ(Legal Affa
irs)−ケンブリッジパーク・ドライブ(CambridgePark
Drive)87番地 (C)都市名:ケンブリッジ(Cambridge) (D)州名:マサチューセッツ州 (E)国名:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:02140−2387 (v)コンピューター・リーダブル・フォーム(Comput
er Readable Form): (A)媒体形態:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC コンパチブル (C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン・リリース(Pate
ntIn Release)#1.0,バージョン#1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号:US (B)受理日: (C)分類: (viii)代理人等の情報: (A)氏名:カピノス,エレン・ジェイ(Capinos,El
len J.) (B)登録番号:32,245 (C)代理人等における処理番号:GI 5192B (ix)テレコミュニケーションの情報: (A)電話番号:(617)876−1170 (B)ファックス番号:(617)876−5851 (2)配列番号:1に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1607塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:不明 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:356..1543 (xi)配列の記載:配列番号:1: (2)配列番号:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:396アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:2: (2)配列番号:3に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1954塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:不明 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:403..1626 (xi)配列の記載:配列番号:3: (2)配列番号:4に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:408アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:4: (2)配列番号:5に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1448塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:不明 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:97..1389 (xi)配列の記載:配列番号:5: (2)配列番号:6に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:431アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:6: (2)配列番号:7に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:2923塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (ii)配列の種類:mRNAに対するcDNA (iii)ハイポセティカル配列:なし (vi)起源: (A)生物名:ヒト (F)組織の種類:ヒト・胎盤 (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:ストラタジーン・カタログ#
936203ヒト・胎盤cDNAライブラリー (B)クローン:BMP6C35 (viii)ゲノム内での位置: (C)単位:bp (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:160..1701 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mat peptide (B)存在位置:1282..1698 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mRNA (B)存在位置:1..2923 (xi)配列の記載:配列番号:7: (2)配列番号:8に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:513アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:8: (2)配列番号:9に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:2153塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (iii)ハイポセティカル配列:なし (vi)起源: (A)生物名:ヒト (H)細胞系:U2−OS骨肉腫 (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:U2−OSヒト・骨肉腫cDNAライ
ブラリー (B)クローン:U2−16 (viii)ゲノム内での位置: (C)単位:bp (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:699..2063 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mat peptide (B)存在位置:1647..2060 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mRNA (B)存在位置:1..2153 (xi)配列の記載:配列番号:9: (2)配列番号:10に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:454アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:10: (2)配列番号:11に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:1003塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (ii)配列の種類:mRNAに対するcDNA (iii)ハイポセティカル配列:なし (vi)起源: (A)生物名:ヒト (H)組織の種類:ヒト・心臓 (vii)直接の起源: (A)ライブラリー:ヒト・心臓cDNAライブラリー
・ストラタジーン・カタログ#936208 (B)クローン:hH38 (viii)ゲノム内での位置: (C)単位:bp (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:8..850 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mat peptide (B)存在位置:427..843 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mRNA (B)存在位置:1..997 (xi)配列の記載:配列番号:11: (2)配列番号:12に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:281アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:12: (2)配列番号:13に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:3623塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (vii)直接の起源: (B)クローン:pALBP2−781 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:2724..3071 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:mat peptide (B)存在位置:3150..3218 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:RBS (B)存在位置:2222..2723 (xi)配列の記載:配列番号:13: (2)配列番号:14に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:115アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:蛋白 (xi)配列の記載:配列番号:14: (2)配列番号:15に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:14塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:15: (2)配列番号:16に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:41塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:16: (2)配列番号:17に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:38塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:17: (2)配列番号:18に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:31塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:18: (2)配列番号:19に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:25塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:19: (2)配列番号:20に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:20: (2)配列番号:21に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:21: (2)配列番号:22に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:15塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:22: (2)配列番号:23に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:81塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:23: (2)配列番号:24に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:73塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:24: (2)配列番号:25に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:11塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:25: (2)配列番号:26に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:9塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:26: (2)配列番号:27に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:18塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:27: (2)配列番号:28に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:10塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:28: (2)配列番号:29に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:29塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:29: (2)配列番号:30に関する情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(ゲノム) (xi)配列の記載:配列番号:30:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 43/00 C12N 15/00 ZNAA (C12N 15/09 ZNA 5/00 E C12R 1:91) A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ウォルフマン,ニール・エム アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02030、ドーヴァー、ローリング・レイ ン30番 (56)参考文献 特表 平3−503649(JP,A) 国際公開90/011366(WO,A1) The Journal of bi ological Chemistr y, Vol.265, No.22, p. 13198−13205(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.87, No.24,p.9843−9847(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.87, No.6,p.2220−2224(1990) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/00 C12N 15/00 BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1つ目の選択BMPまたはそのフラグメント
    をコードしている配列および2つ目の選択BMPまたはそ
    のフラグメントをコードしている配列であって、それぞ
    れ、蛋白を同時発現させることのできる適当な調節配列
    の支配下にある配列を含む選択宿主細胞を培養し、該ヘ
    テロダイマー蛋白を培養基から単離することからなる、
    骨刺激活性を有するヘテロダイマー蛋白の製法であっ
    て、該ヘテロダイマー蛋白がヒトBMP−2/5、BMP−2/6、
    BMP−4/5、BMP−4/6またはBMP−4/7である製法。
  2. 【請求項2】該1つ目のBMPまたはそのフラグメントが
    該宿主細胞中にトランスフェクションされる1つ目のベ
    クター上に存在し、該2つ目のBMPまたはそのフラグメ
    ントが該宿主細胞中にトランスフェクションされる2つ
    目のベクター上に存在する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】両方の該BMPまたはそのフラグメントが該
    宿主細胞の染色体中に組み込まれる請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】両方のBMPまたはそのフラグメントが単一
    ベクター上に存在する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】それぞれの該BMPまたはそのフラグメント
    をコードしている遺伝子の単一より多いコピーが各ベク
    ター上に存在する請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】該宿主細胞が、2種の融合した選択された
    安定な宿主細胞であって、それぞれ、宿主細胞は、各蛋
    白またはフラグメントを発現させることができる適当な
    調節配列の支配下にある選択された1つ目あるいは2つ
    目のBMPまたはそのフラグメントをコードしている配列
    でトランスフェクションされている宿主細胞を培養する
    ことにより調製されるハイブリッド細胞である請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】該宿主細胞が哺乳動物細胞である請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】該宿主細胞が昆虫細胞である請求項1記載
    の方法。
  9. 【請求項9】該宿主細胞が酵母細胞である請求項1記載
    の方法。
  10. 【請求項10】可溶性モノマー蛋白の生成に適した条件
    下において、蛋白または蛋白フラグメントを発現させる
    ことのできる適当な調節配列の支配下にある1つ目の選
    択BMPまたはそのフラグメントをコードしている配列を
    含む選択宿主細胞を培養し;該条件下において、蛋白ま
    たは蛋白フラグメントを発現させることのできる適当な
    調節配列の支配下にある2つ目の選択BMPまたはそのフ
    ラグメントをコードしている配列を含む選択宿主細胞を
    培養して2つ目の可溶性モノマー蛋白を生成させ;つい
    で、少なくとも1個の共有ジスルフィド結合により会合
    したダイマー蛋白を生成させる条件下で該可溶性モノマ
    ー蛋白を混合し;混合物からヘテロダイマー蛋白を単離
    することからなる、骨刺激活性を有するヘテロダイマー
    蛋白を細菌細胞において生産する方法であって、該ヘテ
    ロダイマー蛋白がヒトBMP−2/5、BMP−2/6、BMP−4/5、
    BMP−4/6またはBMP−4/7である方法。
  11. 【請求項11】該宿主細胞がイー・コリ(E.coli)であ
    る請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】該条件が、該蛋白を可溶化剤で処理する
    ことからなる請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】BMP−5またはBMP−6からなる群より選
    択される2つ目の蛋白またはそのフラグメントに少なく
    とも1個の共有ジスルフィド結合により会合したBMP−
    2である1つ目の蛋白またはそのフラグメントからなる
    骨刺激活性を有する組み換え型ヘテロダイマー蛋白であ
    って、該1つ目の蛋白またはそのフラグメントおよび該
    2つ目の蛋白またはそのフラグメントを選択宿主細胞に
    おいて同時発現させることにより得られる組み換え型ヘ
    テロダイマー蛋白。
  14. 【請求項14】該2つ目の蛋白がBMP−5である請求項1
    3記載の蛋白。
  15. 【請求項15】該2つ目の蛋白がBMP−6である請求項1
    3記載の蛋白。
  16. 【請求項16】BMP−5、BMP−6またはBMP−7からな
    る群より選択される2つ目の蛋白またはそのフラグメン
    トに少なくとも1個の共有ジスルフィド結合により会合
    したBMP−4である1つ目の蛋白またはそのフラグメン
    トからなる骨刺激活性を有する組み換え型ヘテロダイマ
    ー蛋白であって、該1つ目の蛋白またはそのフラグメン
    トおよび該2つ目の蛋白またはそのフラグメントを選択
    宿主細胞において同時発現させることにより得られる組
    み換え型ヘテロダイマー蛋白。
  17. 【請求項17】該2つ目の蛋白がBMP−5である請求項1
    6記載の蛋白。
  18. 【請求項18】該2つ目の蛋白がBMP−6である請求項1
    6記載の蛋白。
  19. 【請求項19】該2つ目の蛋白がBMP−7である請求項1
    6記載の蛋白。
  20. 【請求項20】適当な発現調節系であって、BMPまたは
    そのフラグメントを同時発現させ、ヘテロダイマー蛋白
    を生成させることができる発現調節系の支配下にある1
    つ目のBMPまたはそのフラグメントをコードしているヌ
    クレオチド配列、および適当な発現調節系であって、BM
    Pまたはそのフラグメントを同時発現させ、ヘテロダイ
    マー蛋白を生成させることができる発現調節系の支配下
    にある2つ目のBMPまたはそのフラグメントをコードし
    ているヌクレオチド配列を含む細胞系であって、該ヘテ
    ロダイマー蛋白がヒトBMP−2/5、BMP−2/6、BMP−4/5、
    BMP−4/6またはBMP−4/7である細胞系。
  21. 【請求項21】該1つ目および2つ目のBMP蛋白をコー
    ドしている該ヌクレオチド配列が、単一DNA分子中に存
    在する請求項20記載の細胞系。
  22. 【請求項22】該1つ目のBMPをコードしている該ヌク
    レオチド配列が1つ目のDNA分子上に存在し、該2つ目
    のBMPをコードしている該ヌクレオチド配列が2つ目のD
    NA分子上に存在する請求項20記載の細胞系。
  23. 【請求項23】該単一のDNA分子が、1つ目のBMPまたは
    そのフラグメントをコードしている遺伝子を含む1つ目
    の転写単位および2つ目のBMPまたはそのフラグメント
    をコードしている遺伝子を含む2つ目の転写単位からな
    る請求項21記載の細胞系。
  24. 【請求項24】該単一のDNA分子が、該1つ目のBMPまた
    はフラグメントをコードしている該遺伝子の複数のコピ
    ーおよび該2つ目のBMPまたはフラグメントをコードし
    ている該遺伝子の複数のコピーを含む単一の転写単位か
    らなる請求項21記載の細胞系。
  25. 【請求項25】1つ目の選択BMPまたはそのフラグメン
    トをコードしている配列および2つ目の選択BMPまたは
    そのフラグメントをコードしている配列であって、それ
    ぞれのBMPまたはそのフラグメントを同時発現させるこ
    とができる少なくとも1つの適当な調節配列の支配下に
    ある配列からなるDNA分子であって、該1つ目の選択BMP
    がBMP−2またはBMP−4であり、該2つ目の選択BMPがB
    MP−5またはBMP−6であるか、あるいは該1つ目の選
    択BMPがBMP−4であり、該2つ目の選択BMPがBMP−7で
    あるDNA分子。
  26. 【請求項26】1つ目のBMPまたはそのフラグメントを
    コードしている遺伝子を含む1つ目の転写単位および2
    つ目のBMPまたはそのフラグメントをコードしている遺
    伝子を含む2つ目の転写単位からなる請求項25記載の分
    子。
  27. 【請求項27】該1つ目のBMPまたはフラグメントをコ
    ードしている該遺伝子の複数のコピーおよび該2つ目の
    BMPまたはフラグメントをコードしている該遺伝子の複
    数のコピーを含む単一の転写単位からなる請求項25記載
    の分子。
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