JP3503830B2 - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JP3503830B2
JP3503830B2 JP28760993A JP28760993A JP3503830B2 JP 3503830 B2 JP3503830 B2 JP 3503830B2 JP 28760993 A JP28760993 A JP 28760993A JP 28760993 A JP28760993 A JP 28760993A JP 3503830 B2 JP3503830 B2 JP 3503830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は偏光フィルムと保護フィ
ルムとの接着性及び耐湿熱性に優れた偏光板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これらに伴い偏光板の需要も増大している。偏光
板は一般に偏光能を有する偏光フィルムの両面に、接着
剤層を介して保護フィルムを形成させたものである。現
在、知られている代表的なポリビニルアルコール系偏光
フィルムとしてはポリビニルアルコール系フィルムにヨ
ウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものが
あり、これらはポリビニルアルコールの水溶液を製膜
し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸
延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を
行ったものが用いられ、保護フィルムとしては、酢酸セ
ルロース系フィルムが表面保護フィルムとして光学的透
明性、無配向性等に優れているため汎用されている。
【0003】ポリビニルアルコール系フィルムも酢酸セ
ルロース系フィルムも親水性であるため、親水性の接着
剤を用いて貼合しているのが一般的である。しかし、こ
れでは得られる偏光板は長時間高湿雰囲気下においては
吸水率が大きく、吸水するにつれて接着力が低下し、偏
光物性の低下が起こって、いわゆる耐湿性や寸法安定性
に問題が生じたり、又、高温下に置かれると偏光度も低
下して耐熱性が損なわれたりする場合がある。
【0004】これらの問題を解決するため、例えば、特
開昭56−50301号公報では、保護フィルムの酢酸
セルロース系フィルム表面をケン化処理して、接着剤と
酢酸セルロースとの接着力を強固にし、耐湿性、耐熱性
及び寸法安定性を改善することが提案されている。
【0005】又、特開昭61−245107号公報で
は、偏光フィルムの表面をポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、ウレタン系、アクリル系、エ
ポキシ系等の親水性高分子の水溶液又は接着剤で一度処
理した後、再度接着剤を介して保護フィルムを接着する
ことによって、接着強度の改善された偏光板を提供する
ことが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
56−50301号公報では、保護フィルムと接着剤層
との接着力は改善されるものの、偏光フィルムと接着剤
層との接着力に関しては従来のままで何ら考慮されてお
らず、これでは高温、高湿状態において充分な耐久性が
得られたとは言えない。即ち、偏光フィルムの表面は内
部よりも吸着せしめたヨウ素等が多いことや、更に高
温、高湿状態ではヨウ素等が偏光フィルムの表面に一部
移行してしまうこと等が原因になって接着性を悪くす
る。これらを防止するためには接着剤層を厚くすること
が考えられるが、接着剤層を厚くすることは、工業的な
均一塗布に困難であり、光学特性についても不利となる
ために望ましい方法ではない。
【0007】特開昭61−245107号公報について
は、偏光フィルムと接着剤層、及び接着剤層と保護フィ
ルムの接着性の改善を目指しているもので、いくらか実
用性の高い製品が得られるものの、耐湿熱性等について
はまだ充分とはいえず、更に偏光フィルムを接着剤で処
理した後、再度接着剤を使用する必要があり、作業工程
が繁雑となり、又、ウレタン系接着剤を用いるに際して
は、ポリイソシアネートと多価アルコール等の活性水素
を有する化合物を併用することが必要不可欠とされ、こ
れらを混合撹拌した二液硬化型のウレタン系接着剤を塗
布するため、該接着剤の可使時間の影響を免れることは
できず工程管理は繁雑となり、まだまだ問題が残される
ところである。
【0008】本出願人も特開平2−135402号公報
において、耐湿熱性及び寸法安定性を向上させるため、
ポリビニルアルコール系偏光フィルムと酢酸セルロース
系保護フィルムの接着剤にホウ素化合物の水溶液を使用
することを提案しているが、該方法では、接着性の点で
著しく改善された偏光板が得られているが、該偏光板は
中耐久程度のものでまだまだ満足するというものではな
く、従来の偏光板を上回る耐湿熱性を持った高耐久高偏
光度タイプの偏光板の出現が望まれているのが実情であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者等は
かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)と
1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有す
る化合物(B)とを反応させてなるウレタンプレポリマ
ー(C)を接着剤として用いて、含水率8重量%以上の
偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィルムを接着し
てなる偏光板が非常に強固に接着した偏光板となり、耐
湿熱性が向上し、高耐久高偏光度タイプの偏光板として
有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明においてはウレタンプレポリ
マーをそのまま偏光フィルムの面に塗布するため、ウレ
タン樹脂の塗工におけるような可使時間を問題とするこ
とがなく、又、そのまま保護フィルムを接着することが
できる等加工適性に非常に優れた効果が発揮できるので
あるが、かかるウレタンプレポリマーの塗工に当たって
は基材の偏光フィルムの含水率を特定範囲にコントロー
ルすることによって高耐久、高偏光性が達成されるので
ある。以下、本発明について具体的に説明する。
【0011】本発明の偏光フィルムは、ポリビニルアル
コール系フィルムの一軸延伸フィルムである。ポリビニ
ルアルコールは通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビ
ニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこ
れに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸
(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフ
ィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢
酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。ポ
リビニルアルコールにおける平均ケン化度は85〜10
0モル%、好ましくは98〜100モル%が実用的であ
る。又、本発明のポリビニルアルコールの平均重合度と
しては任意のものが使用可能であるが、1500以上、
好ましくは2600以上、より好ましくは3500〜5
000が有利である。
【0012】本発明の偏光フィルムの製造法としては、
ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液
を流延製膜して、該フィルムを延伸してヨウ素あるいは
二色性染料の水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を
同時に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色し
て延伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げ
られる。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸す
る方法等もあり、適宜選択して用いることができる。原
液調製に際して使用される溶媒としては、例えば水はも
ちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチ
ルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物
が用いられる。
【0013】上記有機溶媒中には少量、例えば5〜30
重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリ
ビニルアルコールの濃度は5〜20重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方法としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フィルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0014】又、凝固浴に用いる溶媒には前記ポリビニ
ルアルコールの溶剤と混和性を有するもので、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げ
られる。ポリビニルアルコール系フィルムを得る方法と
しては、その他ポリビニルアルコールの溶液を凝固浴中
に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施
可能である。
【0015】原反フィルムとしてはその膜厚は30〜1
00μm、好ましくは50〜90μmが必要である。3
0μm以下では延伸不能となり、100μm以上では膜
厚精度が低下し不適当である。前記の如くして得られる
ポリビニルアルコール未延伸フィルムは次に延伸及び染
色、ホウ素化合物処理が施される。延伸と染色更にホウ
素化合物処理は別々に行っても同時に行っても良いが、
本発明では染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくと
も一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
【0016】延伸は一軸方向に3.5〜10倍、好まし
くは4.5〜7倍延伸することが望ましい。この際、前
記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する
程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えな
い。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望
ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に
設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造
工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0017】フィルムへの染色つまり偏光素子の吸着は
フィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることに
よって行われる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が
用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カ
リの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重
量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜5
00秒程度が実用的である。処理浴の温度は30〜80
℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒
を少量含有させても差し支えない。接触手段としては浸
漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
【0018】染色処理されたフィルムは次いでホウ素化
合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は
水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度
で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるの
が実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗
布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0019】前述した如き方法で得られたポリビニルア
ルコールの偏光フィルムはその含水率が非常に高く、
発明では該フィルムを30〜120℃で乾燥を行い、フ
ィルムの含水率を特定範囲にコントロールすることが特
徴である。つまり、該偏光フィルムの含水率が最終的に
8重量%以上、好ましくは8〜50重量%、更に好まし
くは10〜30重量%になるように調製されるのであ
る。又、含水率8重量%未満の偏光フィルムを調湿や再
湿等の方法により含水率を上記範囲に調製して、本発明
の偏光フィルムに供することもできる。8重量%未満の
含水率ではウレタンプレポリマーとの反応性が低下し、
又硬化に時間を要すことになり、一方50重量%を越え
ると基材の収縮が起こり易く、ウレタンプレポリマーと
の密着性が低下することになって本発明の効果は得難
い。
【0020】本発明の酢酸セルロース系保護フィルムと
しては二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等のフィル
ムがある。又、該保護フィルムの表面をアルカリでケン
化処理したり、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ
放電処理、高周波処理、電子線処理等を行うと、更に効
果的である。
【0021】本発明では、上記の如く得られた含水率8
重量%以上の偏光フィルムと酢酸セルロース系保護フィ
ルムとの接着に際して、接着剤としてウレタンプレポリ
マー(C)が用いられる。
【0022】かかるウレタンプレポリマー(C)とは、
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物
(A)と1分子中にイソシアネート基と反応する活性水
素を有する化合物(B)とを反応させて組成したイソシ
アネート基含有化合物のことであり、分子内に2個以上
のイソシアネート基を有する化合物(A)としては、エ
チレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサンジイソシアネート等の脂肪族系
ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネ
ート;2,4及び2,6−トリレンジイソシアネート、
メチレンジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシ
アネート等の芳香族系ジイソシアネート;トリフェニル
メタントリイソシアネート等の芳香族系トリイソシアネ
ート等がある。
【0023】又、1分子中にイソシアネート基と反応す
る活性水素を有する化合物(B)としては、モノ・ジ又
はトリ−エチレン−もしくは−プロピレン−グリコー
ル、1,4−ブタンジオール、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシルヘキシル)プロパン等のジオール系、あるい
はグリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールベンゼ
ン等のトリオール系のポリオール;アジピン酸、コハク
酸、フタル酸、テレフタル酸あるいはアクリル酸、マレ
イン酸の共重合物等のポリカルボン酸と前記ポリオール
との縮合生成物であるポリエステルポリオール;ヒマシ
油又は他の水酸化脂肪酸のグリセライドエステル;ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き
ポリアルキレングリコール等がある。
【0024】又、上記化合物(A)と化合物(B)とを
反応させてウレタンプレポリマー(C)を製造するに際
して、イソシアネート基と水酸基の比が1.5/1以
上、好ましくは2/1以上であり、最終的に該ウレタン
プレポリマー(C)中の遊離イソシアネート基含有量は
3重量%以上、好ましくは7〜30重量%にコントロー
ルすることが必要で、この遊離のイソシアネート基が偏
光フィルム中の水分あるいは空気中の水分、更には保護
フィルムとして用いられる三酢酸セルロース等に含まれ
る水酸化基と架橋反応を起こして強固な接着性が得られ
るのである。遊離イソシアネート基の量が3重量%未満
では接着剤層と偏光フィルム及び保護フィルムとの接着
性が充分に期待できず好ましくない。更に、本発明で用
いるウレタンプレポリマー(C)の分子量は500〜2
000、好ましくは600〜1500であることが望ま
しく、本発明の効果を顕著に示す。
【0025】かくして上記ウレタンプレポリマー(C)
は偏光フィルムの偏光性を阻害しない溶剤、例えば酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコー
ルアセテート、エチレングリコールアセテート、メトキ
シブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライ
ド、トルエン、キシレン、ミネラムスピリット、クレゾ
ール、キシレノール、フラフラール、ナフサ等にて所望
の粘度に希釈され、先にも述べたように偏光フィルムと
保護フィルムとの接着剤として塗布される。
【0026】通常、該接着剤は偏光フィルムあるいは保
護フィルム上に均一な膜を形成するように塗布されるの
が有利であり、塗布に際しては、乾燥後の厚みが1〜2
0μm、好ましくは5〜15μmとなるようにするのが
実用的である。1μm未満では接着力が不充分であり、
一方、20μmを越える場合は、使用量の割には効果は
増加せず、又外観が悪化し、実用的ではない。塗布操作
は必ずしもロール等を用いる塗布手段に限定されるもの
ではなく、噴霧法、浸漬法等の手段も含む。又、かかる
接着剤には、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を
併用しても差し支えない。
【0027】上記偏光フィルムの少なくとも一方の面に
上記ウレタンプレポリマーを塗布し、30〜90℃で1
〜2分間乾燥し、その後、上記酢酸セルロース系保護フ
ィルムを貼り合わせ、更に20〜30℃、50〜80%
RHの条件下で1〜14日間かけて硬化させ、それによ
り偏光フィルム面と保護フィルム面が強固に接着した偏
光板が得られる。又、偏光フィルム(又は酢酸セルロー
ス系保護フィルム)にウレタンプレポリマーを塗布し、
酢酸セルロース系保護フィルム(又は偏光フィルム)と
貼り合わせた後、30〜90℃で1〜2分間乾燥し、更
に20〜30℃、50〜80%RHの条件下で1〜14
日間かけて硬化させてもよい。
【0028】更に、上記偏光板には必要に応じて透明な
感圧性接着層を通常知られている方法で設けることがで
きる。該感圧性接着層としてはアクリル酸エステル、例
えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノオ
レフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重合物
(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビ
ニル単量体を添加したものも含む。)を主体とするもの
が、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがないので
特に好ましいが、これに限定されることなく、透明性を
有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビ
ニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
【0029】かくして得られた偏光板は、偏光フィルム
と酢酸セルロース系保護フィルムとの接着性に優れるた
め、耐久性が向上し、高温、高湿状態で長期間放置して
もその偏光性が低下しないという特性を持ち、かかる特
性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両用
途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用で
ある。
【0030】
【作用】本発明は、偏光フィルムに、酢酸セルロース系
保護フィルムを接着する際、偏光フィルムの含水率を8
重量%以上にコントロールし、接着剤にウレタンプレポ
リマーを用いることが特徴で、該偏光フィルム中の水分
あるいは空気中の湿気、更には保護フィルム中の水酸化
基等がウレタンプレポリマーと反応し硬化して強固な接
着性が得られるものであり、延いては耐湿熱性に優れた
偏光板を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。又、本発明でいう偏
光度は
【数1】 で示され、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合
わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向に
なるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定
した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する
方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率
(%)である。
【0032】実施例1 平均重合度3800、ケン化度99.5モル%、厚さ8
0μmのポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素0.
2g/l、ヨウ化カリ60g/lよりなる水溶液中に3
0℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨ
ウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、
同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処
理を行った。そして30℃で24時間乾燥して、最終的
に含水率10%の偏光フィルムを得た。該フィルムに、
(A)成分:2,4−トリレンジイソシアネート(80
%)、2,6−トリレンジイソシアネート(20%)、
(B)成分:トリメチロールプロパンよりなるウレタン
プレポリマー(遊離イソシアネート基含有量:19.2
%)の60%酢酸エチル溶液を乾燥後の厚みが10μm
となるように塗布して、80℃で2分間乾燥し、アルカ
リで表面処理した三酢酸セルロースを貼り合わせ、更に
20℃、75%RHの条件下で7日間かけて硬化させ、
偏光板を得た。
【0033】これより得られた偏光板を90℃の水中に
30分間浸漬して、更に20℃、75%RHに4時間放
置した後、該偏光板の偏光度変化(%)を測定した。
又、偏光フィルムと三酢酸セルロースとの接着性につい
ては、水中剥離試験、即ち、偏光フィルムと保護フィル
ムの積層サンプルを幅25mm、長さ90mmに切断
し、一端を剥離させて、片方のフィルム端部に荷重(1
00g)を吊り下げ、フィルムの他方の端部をもって、
70℃の温水に浸漬した時点から、接着面が完全に剥離
するまでの時間(秒)を測定することにより、接着力を
評価した。当然のことながら剥離時間が長いほど良好で
ある。尚、評価基準は次の通りである。 ○ 剥離時間が900秒以上 △ 剥離時間が700〜900秒 × 剥離時間が700秒以下
【0034】実施例2 平均重合度1700、ケン化度99.9モル%、厚さ8
0μm、含水率10%のポリビニルアルコール系フィル
ムを用い、ウレタンプレポリマー(C)を、(A)成
分:メチレンビス−(4−フェニルイソシアネート)、
(B)成分:トリメチロールエタンよりなるウレタンプ
レポリマー(遊離イソシアネート基含有量:14.0
%)に変えた以外は実施例1と同様に行い、偏光板を得
た。これより得られた偏光板を実施例1と同様に測定し
た。
【0035】実施例3 平均重合度4500、ケン化度99.3モル%、厚さ8
0μm、含水率15%のポリビニルアルコール系フィル
ムを用い、ウレタンプレポリマー(C)を、(A)成
分:2,4−トリレンジイソシアネート(80%)、
2,6−トリレンジイソシアネート(20%)、(B)
成分:ジエチレングリコールよりなるウレタンプレポリ
マー(遊離イソシアネート基含有量:20.0%)に変
えた以外は実施例1と同様に行い、偏光板を得た。これ
より得られた偏光板を実施例1と同様に測定した。
【0036】比較例1 実施例1において、含水率を5%に調製した後、ウレタ
ンプレポリマー(C)を、(A)成分:ヘキサメチレン
ジイソシアネート、(B)成分:トリメチロールプロパ
ンよりなるウレタンプレポリマー(遊離イソシアネート
基含有量:19.1%)に変えた以外は同様に行い、偏
光板を得た。これより得られた偏光板を実施例1と同様
に測定した。
【0037】比較例2 実施例1において、ウレタンプレポリマー(C)とし
て、実施例1と同様のウレタンプレポリマーにポリエス
テルポリオールを配合して遊離イソシアネート基含有量
を1.9%に調製した組成物を用いた以外は同様に行
い、偏光板を得た。これより得られた偏光板を実施例1
と同様に測定した。
【0038】比較例3 実施例1において、ウレタンプレポリマー(C)の代わ
りに、4%ホウ酸水溶液を用いた以外は同様に行い、偏
光板を得た。これより得られた偏光板を実施例1と同様
に測定した。実施例、比較例の結果をまとめて表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の偏光板は、偏光フィルムと酢酸
セルロース系保護フィルムとの接着性に優れるため、耐
久性が向上し、高温、高湿状態で長期間放置してもその
偏光性が低下しないという効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−204803(JP,A) 特開 昭56−50301(JP,A) 特開 昭61−245107(JP,A) 特開 昭56−80001(JP,A) 特開 昭55−36862(JP,A) 特開 昭53−82433(JP,A) 特開 昭61−231502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に2個以上のイソシアネート基を
    有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート基と反
    応する活性水素を有する化合物(B)とを反応させてな
    るウレタンプレポリマー(C)を接着剤として用いて、
    含水率8重量%以上の偏光フィルムと酢酸セルロース系
    保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 上記ウレタンプレポリマー(C)中の遊
    離イソシアネート基含有量が3重量%以上であることを
    特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 含水率8〜50重量%の偏光フィルムを
    使用することを特徴とする請求項1記載の偏光板。
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