JP3398592B2 - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JP3398592B2 JP06790898A JP6790898A JP3398592B2 JP 3398592 B2 JP3398592 B2 JP 3398592B2 JP 06790898 A JP06790898 A JP 06790898A JP 6790898 A JP6790898 A JP 6790898A JP 3398592 B2 JP3398592 B2 JP 3398592B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐湿熱性及び加工性
に優れた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これらに伴い偏光板の需要も増大している。特
に、計器類においては苛酷な条件下で使用される場合が
多いので高耐久性及び高偏光度を持った偏光板が要請さ
れるのである。現在、知られている代表的な偏光板とし
てはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色さ
せたものと二色性染料を染色させたものがあり、これら
はポリビニルアルコールの水溶液を製膜し、これを一軸
延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、
好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行い、保護フィ
ルムとして該偏光フィルムの面上に光学的透明性、無配
向性等に優れている三酢酸セルロース等の透明プラスチ
ックフィルムを貼り合わせ製造されている。
【0003】しかるに三酢酸セルロースからなるプラス
チックフィルムを用いて偏光板を製造した場合には、三
酢酸セルロース自体が吸水率及び透湿性が大きいため耐
湿性の点で充分に満足できる偏光板を得ることができ
ず、更に上記プラスチックフィルムを偏光フィルムに堅
固に固着できないため該フィルムが偏光フィルムから簡
単に剥がれてしまうという欠点や該フィルムと偏光フィ
ルムとの貼り合わせ作業が頻雑であるといった欠点があ
った。
【0004】これらの問題を解決するため、例えば、特
開昭53−82433号公報では、保護フィルムの三酢
酸セルロースを用いず、ウレタン樹脂を偏光フィルム面
に塗布硬化させることによって、偏光フィルムと保護膜
とが強固に接着されることが提案されている。
【0005】又、特開昭56−80001号公報でも、
三酢酸セルロースを用いず、分子内に2個以上のイソシ
アネート基を有する化合物と1分子中にイソシアネート
基と反応する活性水素及び重合性不飽和基を有する化合
物、例えばアクリル系モノマーとを反応させて製造した
いわゆるウレタンアクリル系化合物に、イソシアネート
基と反応し得る活性水素を有する樹脂を添加した組成物
を偏光フィルムに塗布し、該偏光フィルムに活性エネル
ギー線を照射して塗膜を硬化させることによって、耐湿
性や接着性を改善させることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
53−82433号公報では、ウレタンプレポリマーと
多価アルコール等の活性水素を有する化合物を併用する
ことが必要不可欠とされ、これらを混合撹拌した二液硬
化型のウレタン樹脂を塗布するため、該樹脂の可使時間
の影響を免れることはできず工程管理は繁雑となり、
又、特開昭56−80001号公報では、活性エネルギ
ーを照射することが必須となるため特別な装置が必要と
される等の問題が残り、更に、性能的に見ても40〜6
0℃かつ90〜95%RH程度の条件下での耐久性しか
実現しておらず、いわゆる中耐久高偏光度タイプの偏光
板を提供するものである。
【0007】事実、本発明者等が該公報に基づき詳細に
検討したところ、水中退色試験の評価において高温、高
湿に耐えるだけの高耐久高偏光度タイプの偏光板を得る
ことができなかった。従って、従来の公知の偏光板を上
回る耐湿熱性を持ち、かつ加工性に優れた高耐久高偏光
度タイプの偏光板の出現が望まれているのが実情であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者等は
かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、含水率
8重量%以上の偏光フィルムの少なくとも片面に、分子
内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)
と1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有
する化合物(B)とを反応させてなり、かつ分子量が5
00〜2000であるウレタンプレポリマー(C)を塗
布して塗膜層を形成させてなる偏光板が非常に優れた耐
湿熱性を持ち、かつ加工性にも優れ、高耐久高偏光度タ
イプの偏光板として有用であることを見出し、本発明を
完成した。
【0009】即ち、本発明においてはウレタンプレポリ
マーをそのまま偏光フィルムの面に塗布するため、ウレ
タン樹脂の塗工におけるような可使時間を問題とするこ
とがなく、加工適性に非常に優れている効果が発揮でき
るのであるが、かかるウレタンプレポリマーの塗工に当
たっては基材の偏光フィルムの含水率を特定範囲にコン
トロールすることによって高耐久、高偏光性が達成され
るのである。以下、本発明について具体的に説明する。
【0010】本発明の偏光フィルムは、ポリビニルアル
コール系フィルムの一軸延伸フィルムである。ポリビニ
ルアルコールは通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビ
ニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこ
れに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸
(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフ
ィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢
酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。ポ
リビニルアルコールにおける平均ケン化度は85〜10
0モル%、好ましくは98〜100モル%が実用的であ
る。又、本発明のポリビニルアルコールの平均重合度と
しては任意のものが使用可能であるが、1500以上、
好ましくは2600以上、より好ましくは3500〜5
000が有利である。
【0011】本発明の偏光フィルムの製造法としては、
ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液
を流延製膜して、該フィルムを延伸してヨウ素あるいは
二色性染料の水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を
同時に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色し
て延伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げ
られる。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸す
る方法等もあり、適宜選択して用いることができる。原
液調製に際して使用される溶媒としては、例えば水はも
ちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチ
ルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物
が用いられる。
【0012】上記有機溶媒中には少量、例えば5〜30
重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリ
ビニルアルコールの濃度は5〜20重量%が実用的であ
る。該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜
原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され
る。製膜方法としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶
液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴
中に導いて未延伸フィルムを形成せしめる。又は口金か
ら吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルト
コンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に
導入しても差し支えない。
【0013】又、凝固浴に用いる溶媒には前記ポリビニ
ルアルコールの溶剤と混和性を有するもので、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げ
られる。ポリビニルアルコール系フィルムを得る方法と
しては、その他ポリビニルアルコールの溶液を凝固浴中
に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施
可能である。
【0014】原反フィルムとしてはその膜厚は30〜1
00μm、好ましくは50〜90μmが必要である。3
0μm以下では延伸不能となり、100μm以上では膜
厚精度が低下し不適当である。前記の如くして得られる
ポリビニルアルコール未延伸フィルムは次に延伸及び染
色、ホウ素化合物処理が施される。延伸と染色更にホウ
素化合物処理は別々に行っても同時に行っても良いが、
本発明では染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくと
も一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
【0015】延伸は一軸方向に3.5〜10倍、好まし
くは4.5〜7倍延伸することが望ましい。この際、前
記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する
程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えな
い。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望
ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に
設定されれば良く、延伸操作は一段階段のみならず、製
造工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0016】フィルムへの染色つまり偏光素子の吸着は
フィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることに
よって行われる。通常はヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が
用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カ
リの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重
量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜5
00秒程度が実用的である。処理浴の温度は30〜80
℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒
を少量含有させても差し支えない。接触手段としては浸
漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
【0017】染色処理されたフィルムは次いでホウ素化
合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は
水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度
で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるの
が実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗
布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は50〜
70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又
必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0018】次に、前述した如き方法で得られたポリビ
ニルアルコールの偏光フィルムは30〜120℃で乾燥
され、該偏光フィルムの含水率が最終的に8重量%以
上、好ましくは8〜50重量%、更に好ましくは10〜
30重量%になるように調製される。8重量%以下の含
水率ではウレタンプレポリマーとの反応性が低下し、又
硬化に時間を要すことになり、一方50重量%を越える
と基材の収縮が起こり易く、ウレタンプレポリマーとの
密着性が低下することになって本発明の効果は得難い。
【0019】かくして得られた含水率8重量%以上の偏
光フィルムにおいて、該フィルムの少なくとも片面にウ
レタンプレポリマー(C)が塗布される。ウレタンプレ
ポリマー(C)とは、分子内に2個以上のイソシアネー
ト基を有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート
基と反応する活性水素を有する化合物(B)とを反応さ
せて組成したイソシアネート基含有化合物のことであ
り、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合
物(A)としては、エチレンジイソシアネート、1,4
−ブタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシ
アネート等の脂肪族系ジイソシアネート;ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシ
アネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の
脂環族系ジイソシアネート;2,4及び2,6−トリレ
ンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4ジイソシアネート、m
−キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシア
ネート;トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳
香族系トリイソシアネート等がある。
【0020】又、1分子中にイソシアネート基と反応す
る活性水素を有する化合物(B)としては、モノ・ジ又
はトリ−エチレン−もしくは−プロピレン−グリコー
ル、1,4−ブタンジオール、2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシルヘキシル)プロパン等のジオール系、あるい
はグリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールベンゼ
ン等のトリオール系のポリオール;アジピン酸、コハク
酸、フタル酸、テレフタル酸あるいはアクリル酸、マレ
イン酸の共重合物等のポリカルボン酸と前記ポリオール
との縮合生成物であるポリエステルポリオール;ヒマシ
油又は他の水酸化脂肪酸のグリセライドエステル;ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き
ポリアルキレングリコール等がある。
【0021】又、上記化合物(A)と化合物(B)とを
反応させてウレタンプレポリマー(C)を製造するに際
して、イソシアネート基と水酸基の比が1.5/1以
上、好ましくは2/1以上であり、最終的に該ウレタン
プレポリマー(C)中の遊離イソシアネート基含有量は
3重量%以上、好ましくは7〜30重量%にコントロー
ルすることが必要で、この遊離のイソシアネート基が偏
光フィルム中の水分あるいは空気中の水分と架橋反応を
起こして強固な保護膜が形成されるのである。遊離イソ
シアネート基の量が3重量%未満では塗膜層と偏光フィ
ルムとの接着性が充分に期待できず好ましくない。更に
本発明で用いるウレタンプレポリマー(C)の分子量は
500〜2000であることが必要で、好ましくは60
0〜1500であることが望ましく本発明の効果を顕著
に示す。
【0022】かくして上記ウレタンプレポリマーは偏光
フィルムの偏光性を阻害しない溶剤、例えば酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコールア
セテート、エチレングリコールアセテート、メトキシブ
チルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライド、ト
ルエン、キシレン、ミネラムスピリット、クレゾール、
キシレノール、フラフラール、ナフサ等にて所望の粘度
に希釈され、先にも述べたように偏光フィルムに塗布さ
れる。塗布に際しては、乾燥後の厚みで0.5〜100
μm、好ましくは5〜50μmとなるように塗布され、
30〜80℃で1〜2分間乾燥し、更に20〜30℃、
50〜80%RHの条件下で1〜14日間かけて硬化さ
せ、それにより偏光フィルム面に強固に接着した樹脂塗
膜層を形成させる。かかる膜厚は従来の三酢酸セルロー
ス系の保護膜に比べて著しく薄く、本発明の保護膜は薄
膜でも高度の耐久性を有するものである。
【0023】次に前記樹脂塗膜層面には必要に応じて透
明な感圧性接着層を通常知られている方法で形成され
る。該接着層としてはアクリル酸エステル、例えばアク
リル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノオレフィン
カルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重合物(アクリ
ルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビニル単量
体を添加したものも含む。)を主体とするものが、偏光
フィルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ま
しいが、これに限定されることなく、透明性を有する感
圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルエー
テル系、ゴム系等でもよい。
【0024】本発明の偏光板は耐久性が改善され、高
温、高湿状態で長期間放置してもその偏光性が低下せ
ず、更に三酢酸セルロース等の保護フィルムを必要とし
ないため偏光板の薄膜化や製造コストの低減等の加工性
に優れている。かかる特性を利用して液晶表示体の用途
に用いられ、特に車両用途、各種工業計器類、家庭用電
化製品の表示等に有用である。
【0025】
【作用】本発明は、含水率8重量%以上の偏光フィルム
分子量500〜2000のウレタンプレポリマーを塗
布することにより、偏光フィルム中の水分あるいは空気
中の湿気等がウレタンプレポリマーと反応し硬化して強
固な樹脂塗膜層を形成することができ、次に該塗膜層面
に必要に応じて透明な感圧性接着剤を設けることで、耐
湿熱性及び加工性に優れた偏光板を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。又、本発明でいう偏
光度は
【数1】 で示され、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合
わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向に
なるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定
した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する
方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率
(%)である。
【0027】実施例1 平均重合度3800、ケン化度99.5モル%、厚さ8
0μmのポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素0.
2g/l、ヨウ化カリ60g/lよりなる水溶液中に3
0℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/l、ヨ
ウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、
同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処
理を行った。そして30℃で24時間乾燥して、最終的
に含水率10%の偏光フィルムを得た。該フィルムに、
(A)成分:2,4−トリレンジイソシアネート(80
%)、2,6−トリレンジイソシアネート(20%)、
(B)成分:トリメチロールプロパンよりなるウレタン
プレポリマー(遊離イソシアネート基含有量:19.2
%)の60%酢酸エチル溶液を乾燥後の厚みが10μm
となるように塗布して、80℃で2分間乾燥し、更に2
0℃、75%RHの条件下で7日間放置して偏光フィル
ムの表面に塗膜層を形成した。これより得られた偏光板
を90℃の水中に30分間浸漬して、更に20℃、75
%RHに4時間放置した後、該偏光板の偏光度変化を測
定した。
【0028】実施例2 実施例1において、平均重合度3800、ケン化度9
9.5モル%、厚さ80μm、含水率10%のポリビニ
ルアルコールの偏光フィルムを得た。該フィルムに、
(A)成分:メチレンビス−(4−フェニルイソシアネ
ート)、(B)成分:トリメチロールエタンよりなるウ
レタンプレポリマー(遊離イソシアネート基含有量:1
4.0%)を実施例1と同様に塗布した。これより得ら
れた偏光板を実施例1と同様に測定した。
【0029】比較例1 実施例1において、平均重合度3800、ケン化度9
9.5モル%、厚さ80μm、含水率10%のポリビニ
ルアルコールの偏光フィルムを得た。該フィルムに、
(A)成分:2,4−トリレンジイソシアネート(80
%)、2,6−トリレンジイソシアネート(20%)、
(B)成分:ジエチレングリコールよりなるウレタンプ
レポリマー(遊離イソシアネート基含有量:20.0
%)を実施例1と同様に塗布した。これより得られた偏
光板を実施例1と同様に測定した。
【0030】比較例 実施例1において、平均重合度3800、ケン化度9
9.5モル%、厚さ80μm、含水率5%のポリビニル
アルコールの偏光フィルムを得た。該フィルムに、
(A)成分:ヘキサメチレンジイソシアネート、(B)
成分:トリメチロールプロパンよりなるウレタンプレポ
リマー(遊離イソシアネート基含有量:19.1%)を
実施例1と同様に塗布した。これより得られた偏光板を
実施例1と同様に測定した。
【0031】比較例 実施例1において、平均重合度3800、ケン化度9
9.5モル%、厚さ80μm、含水率10%のポリビニ
ルアルコールの偏光フィルムを得た。該フィルムに、実
施例1と同様のウレタンプレポリマーにポリエステルポ
リオールを配合して遊離イソシアネート基含有量を1.
9%に調製した組成物を実施例1と同様に塗布した。こ
れより得られた偏光板を実施例1と同様に測定した。実
施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例 1 2 1 2 3 偏光度変化(%) 5 5 9 28 70以上
【0033】
【発明の効果】本発明の偏光板は高温、高湿状態での耐
久性が改善され、長期間放置してもその偏光性が低下せ
ず、更に偏光板の薄膜化や製造コストの低減等の加工性
に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水率8重量%以上の偏光フィルムの少
    なくとも片面に、分子内に2個以上のイソシアネート基
    を有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート基と
    反応する活性水素を有する化合物(B)とを反応させて
    り、かつ分子量が500〜2000であるウレタンプ
    レポリマー(C)を塗布して塗膜層を形成させてなるこ
    とを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 上記ウレタンプレポリマー(C)中の遊
    離イソシアネート基含有量が3重量%以上であることを
    特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 含水率8〜50重量%の偏光フィルムを
    使用することを特徴とする請求項1記載の偏光板。
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