JP3678889B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性、偏光特性及び加工性等に優れた偏光板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、卓上電子計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用いられ、これらに伴い偏光板の需要も増大している。
特に、計器類においては苛酷な条件下で使用される場合が多いので、耐熱性等の耐久性に優れた高偏光度の偏光板が要請され、更にはその加工性(偏光板裁断時の周辺のクラックの発生等)の向上も要求されてきているのである。
かかる耐久性の向上を目指して、偏光フィルムの表面にウレタン樹脂等の樹脂層を積層することが提案されている。
例えば、特開昭53−82433号公報には、ウレタン樹脂層を設けて更に感圧接着層を設けた偏光板が、又、特開昭56−80001号公報には、特定のウレタンプレポリマーを塗布後に活性エネルギー線を照射させてウレタン樹脂層を形成させた偏光板がそれぞれ記載され、本出願人も特定の含水率を有する偏光フィルムに特定のウレタンプレポリマーを塗布してウレタン樹脂層を形成させた偏光板を提案した(特開平7−92324号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれのウレタン樹脂層も偏光板の耐久性を向上させるという意味では、強靭なウレタン樹脂層が形成されて良好ではあるが、耐熱性が不十分であったり、活性エネルギー線の照射装置が必要になったり、硬化に長時間を要したりする等の問題点があり、改善が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者が、かかるウレタン樹脂層について鋭意研究を重ねた結果、偏光フィルムの少なくとも片面に、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有する化合物(B)とを反応させてなるウレタンプレポリマー(C)を塗布した後、40〜90℃の水に浸漬して、70℃における貯蔵弾性率が5×10dyn/cm以上のウレタン樹脂層を形成する偏光板の製造方法が、耐熱性等の耐久性に優れ、また高偏光度を示すことを見いだし本発明を完成するに至った。
尚、ここで言う貯蔵弾性率とは、10Hzの振動を与えた時に測定される複素弾性率の実数部分の測定値を意味し、具体的には粘弾性測定装置(例えば、RHEOLOGY社製、DVE−V4 FTレオスペクトラ等)等で測定することができる
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0006】
本発明に用いる偏光フィルムは、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系フィルムの一軸延伸フィルムが好ましく、該ポリビニルアルコールは通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明では必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。ポリビニルアルコールにおける平均ケン化度は85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%が実用的である。
又、本発明のポリビニルアルコールの平均重合度としては任意のものが使用可能である。
【0007】
該偏光フィルムの製造法としては、ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、該フィルムを延伸してヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時に行うか、ヨウ素あるいは二色性染料により染色して延伸するかした後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられる。又、染色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法等もあり、適宜選択して用いることができる。原液調製に際して使用される溶媒としては、例えば水はもちろん、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。
【0008】
上記有機溶媒中には少量、例えば5〜30重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のポリビニルアルコールの濃度は、5〜20重量%が実用的である。
該溶剤を用いて得られたポリビニルアルコール製膜原液は、キャスト法、押出法等任意の方法で製膜され、製膜方法としては乾・湿式製膜法にて、即ち、該溶液を口金スリットから一旦空気中、又は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中に吐出し次いで凝固浴中に導いて未延伸フィルムを形成せしめる。又は口金から吐出された製膜溶液は一旦ローラー、あるいはベルトコンベアー等の上で溶剤を一部乾燥した後で凝固浴中に導入しても差し支えない。
【0009】
又、凝固浴に用いる溶媒には前記ポリビニルアルコールの溶剤と混和性を有するもので、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系フィルムを得る方法としては、その他ポリビニルアルコールの溶液を凝固浴中に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法等も実施可能である。
【0010】
原反フィルムの膜厚としては、30〜100μmが好ましく、更には40〜90μmで、30μm以下では延伸が難しく、100μm以上では膜厚精度が低下して好ましくない。
前記の如くして得られるポリビニルアルコール未延伸フィルムは次に延伸及び染色、ホウ素化合物処理が施される。延伸と染色更にホウ素化合物処理は別々に行っても同時に行っても良いが、本発明では染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
【0011】
延伸は一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に設定されれば良く、延伸操作は一段階段のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0012】
フィルムへの染色はフィルムにヨウ素或いは二色性染料を含む液体を接触させることによって行われる。
通常は、ヨウ素−ヨウ化カリの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ化カリの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリの重量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。
接触手段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
【0013】
染色処理されたフィルムは次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ砂が実用的である。
ホウ素化合物は水溶液又は水−有機溶媒混合液の形で濃度0.5〜2モル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリを共存させるのが実用上望ましい。
処理法は浸漬法が望ましいが勿論塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は50〜70℃程度、処理時間は5〜20分程度が好ましく、又必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0014】
次いで、得られた偏光フィルムの少なくとも片面に、ウレタン樹脂層を形成させるわけであるが、本発明においては、かかるウレタン樹脂層の70℃における貯蔵弾性率を5×109dyn/cm2以上(更には10×109〜500×109dyn/cm2、特に10×109〜100×109dyn/cm2)にすることを最大の特徴とするもので、かかる貯蔵弾性率が5×109dyn/cm2未満では偏光フィルムの熱収縮に伴う変形を制御できず、本発明の目的を達成することはできない。
尚、かかる貯蔵弾性率は、前記の如き方法で測定される70℃での測定値で、実際の測定に当たっては、剥離処理したPETフィルム等の表面に形成したウレタン樹脂層の硬化皮膜の単層を用いて、70℃雰囲気中で測定すればよい。
【0015】
本発明においては、最終的に上記の貯蔵弾性率を満足するウレタン樹脂層が偏光フィルムの少なくとも片面に形成されるものであり、かかるウレタン樹脂層としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有する化合物(B)とを反応させてなるウレタンプレポリマー(C)を塗布して形成させたウレタン樹脂層であることが必要で、かかる分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)としては、エチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネート;2,4及び2,6−トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族系トリイソシアネート等を挙げることができ、また、1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有する化合物(B)としては、モノ・ジ又はトリ−エチレン−もしくは−プロピレン−グリコール、1,4−ブタンジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシルヘキシル)プロパン等のジオール系、あるいはグリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールベンゼン等のトリオール系のポリオール;アジピン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸あるいはアクリル酸、マレイン酸の共重合物等のポリカルボン酸と前記ポリオールとの縮合生成物であるポリエステルポリオール;ヒマシ油又は他の水酸化脂肪酸のグリセライドエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリアルキレングリコール等を挙げることができる。
【0016】
ウレタンプレポリマー(C)は、上記化合物(A)と化合物(B)とを反応させれば得られるわけであるが、イソシアネート基と活性水素(水酸基)の比が1.5/1以上が好ましく、更には2/1以上が好ましく、最終的に該ウレタンプレポリマー(C)中の遊離イソシアネート基含有量は3重量%以上が好ましく、更には7〜30重量%にコントロールすることが好ましく、この遊離のイソシアネート基が偏光フィルム中の水分あるいは空気中の水分或いは温水を介して架橋反応を起こして強固な保護膜が形成されるのである。遊離イソシアネート基の量が過少ではウレタン樹脂層と偏光フィルムとの接着性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0017】
かくして、上記のウレタンプレポリマー(C)は偏光フィルムの偏光性を阻害しない溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコールアセテート、エチレングリコールアセテート、メトキシブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット、クレゾール、キシレノール、フラフラール、ナフサ等にて所望の粘度に希釈されて、ウレタンプレポリマー塗布液(D)となり、偏光フィルムの少なくとも片面に塗布されるのであるが、かかる塗布液(D)には、触媒を添加することも好ましく、かかる触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’,N″−ペンタジエチルトリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等のアミン触媒や、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)およびその塩若しくはスタナスオクエート、ジブチル錫ジラウレート等の金属触媒など挙げられ、好適にはトリエチルアミン、DBU、ジブチル錫ジラウレートが用いられ、その添加量はウレタンプレポリマー(C)100部に対して0.01〜10部が好ましく、更には0.1〜5部が好ましい。
該添加量の過少は硬化速度の低下を招き、逆に過多は塗布液のゲル化を招いて好ましくない。
【0018】
本発明においては、かかるウレタンプレポリマー塗布液(D)を塗布後に、40〜90℃の水に浸漬して、ウレタン樹脂層を形成させることが最大の特徴であり、かかる処理により本発明の目的とするウレタン樹脂層を容易に得ることができる。かかる温度が40℃未満では硬化速度が低下して十分な硬化皮膜を得ることが困難で、逆に90℃を越えると硬化処理中に偏光フィルムが変形等を起こして、好ましくなく、更には50〜70℃が好ましい。
かかる浸漬処理は、恒温水槽等を用いればよい。
【0019】
本発明においては、かかるウレタンポリマー塗布液(D)を塗布後、かかる浸漬処理を行う前に、ウレタンポリマー塗布層中の溶剤を揮発させる目的で、乾燥処理を行ってもよい。このときの乾燥温度は該溶剤の種類にもよるが、40〜90℃、好ましくは50〜70℃で、該温度が40℃未満では乾燥に時間を要し、90℃を越えると偏光フィルムが変形等を起こして好ましくない。
かくして、本発明の偏光板が得られるわけであるが、形成されるウレタン樹脂層の(乾燥後の)厚みは、0.5〜100μmが好ましく、更には5〜80μmが好ましく、特に10〜60μmが好ましい。
かかるウレタン樹脂層は、偏光フィルムの片面でもよいが、両面に形成せしめてもよく、従来の三酢酸セルロース系の保護膜を有する偏光板に比べて、薄型で、高度の耐久性、偏光性を有する偏光板が得られるのである。
【0020】
また、本発明の偏光板は、その表面に必要に応じて、透明な感圧性接着剤層を通常知られている方法で形成されて、実用に供される場合もある。該粘着剤層としてはアクリル酸エステル、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等とα−モノオレフィンカルボン酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等との共重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールの如きビニル単量体を添加したものも含む。)を主体とするものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ましいが、これに限定されることなく、透明性を有する粘着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
【0021】
又、更に偏光板の片面(上記粘着剤が設けられていない面)に各種機能層を設けることも可能であり、機能層としては、例えばアンチグレア層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフリフレクション層、反射層、蓄光層、エレクトロルミネッセンス層などが挙げられ、更に各種2種以上の組み合わせをすることも可能で、例えばアンチグレア層とアンチリフレクション層、蓄光層と反射層、蓄光層とハーフリフレクション層、蓄光層と光拡散層、蓄光層とエレクトロルミネッセンス層、ハーフリフレクション層とエレクトロルミネッセンス層等の組み合わせが挙げられる。但し、これらに限定されることはない。
【0022】
本発明では、上記の各種機能層を偏光板に設けること、又、各種機能層を種々組み合わせて偏光板に設けることで、更に各種機能に優れた光学積層体を得ることもできるのである。
【0023】
本発明で製造される偏光板は、耐久性、偏光特性等に優れ、かつ各種の機能層を積層することもできて、各種機能層の機能を充分に発揮し、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられ、特に自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
平均重合度1700、ケン化度99.5モル%、厚さ80μmのポリビニルアルコール系フィルムを、ヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ60g/lよりなる水溶液中に30℃にて240秒浸漬し、次いでホウ酸60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶液(55℃)に浸漬すると共に、同時に4倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った後、30℃で24時間乾燥して、偏光フィルム(単体透過率42.7%、偏光度99.8%)を得た。
別途、(A)成分:2,4−トリレンジイソシアネート(80%)、2,6−トリレンジイソシアネート(20%)と(B)成分:トリメチロールプロパンよりなるウレタンプレポリマー(C)の75%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業社製『コロネートL』、イソシアネート基/水酸基≒3、遊離イソシアネート基含有量:13%)100部にトリエチルアミン1.5部加えて、ウレタンプレポリマー塗布液(D)を得た。
上記の偏光フィルムの両面にウレタンプレポリマー塗布液(D)を塗布した後、65℃で3分間乾燥させて、60℃の水中に10分間浸漬して、偏光フィルムの両面にそれぞれ30μmのウレタン樹脂層を形成させて本発明の偏光板を得た。
また、上記と同条件でウレタン樹脂層(単層)を作製して、5mm×30mmの試料を用いて、粘弾性測定装置(RHEOLOGY社製、DVE−V4 FTレオスペクトラ)で、10Hzの振動を与えて、70℃における貯蔵弾性率を測定したところ、35×109dyn/cm2であった。
得られた偏光板を用いて以下の評価を行った。
【0025】
(偏光特性)
得られた偏光板の単体透過率(%)及び偏光度(%)を高速多波長複屈折測定装置(大塚電子社製『RETS2000』)を用いて、測定した。
尚、偏光度(%)は次式により算出した。
〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2 × 100(%)
ここで、H11は2枚の偏光板サンプルの重ね合わせ時において、偏光板の配向方向が同一方向になる様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ時において、偏光板の配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)である。
【0026】
(密着性)
JIS K 5400の碁盤目試験に準じて実施した。得られた偏光板の表面(ウレタン樹脂層)に100個/cm2の升目を作り、上からセロハンテープを張り付けて十分に圧着してから、セロハンテープを一気に剥がして偏光フィルム上に残っているウレタン樹脂層の升目の数を調べた。
(耐久性)
得られた偏光板を150mm×200mmのサイズに光吸収軸が45゜方向となるように打ち抜いたものを2枚、及び150mm×200mmのサイズの光学ガラス板(厚み1.2mm)を2枚用意し、偏光板をガラス板上に感圧接着剤を介して貼着した積層体サンプルを2枚作製し、この2枚の積層体サンプルを互いの光吸収軸が直交するように流動パラフィンを介して重ね合わせ、垂直方向の光線(460nm)透過率(%)を高速多波長複屈折測定装置(大塚電子社製『RETS2000』)を用いて測定した(初期)。
このときの測定箇所は、積層体サンプルの中央部と端部の2点とし、該端部については積層体サンプルの長辺の中央部で端から5mmの部分2ケ所の平均値とした。
また、上記積層体サンプル2枚をそれぞれ70℃で500時間放置後、上記と同様にして重ね合わせて垂直方向の光線(460nm)透過率(%)を測定した(耐久後)。
【0027】
(視認性)
70℃で500時間放置後の上記の積層体サンプルを液晶表示素子(10.4インチ、TFTタイプ、画素数VAG)の両面に、互いの光吸収軸が直交するように流動パラフィンを介して重ね合わせて液晶表示装置を作製し、これを上下左右方向から見たときの液晶表示素子の視認性を10人のパネラーにより、以下のとおり評価した。
○ −−− 7人以上が、視認性良好と判断
× −−− 6人以下が、視認性良好と判断
【0028】
実施例2
ウレタンプレポリマー塗布液(D)を塗布後、45℃の水中に60分間浸漬した以外は、実施例1と同様に行って、偏光板を得て、同様に評価を行った。
また、上記と同条件でウレタン樹脂層(単層)を作製して、同様に、70℃における貯蔵弾性率を測定したところ、10×109dyn/cm2であった。
【0029】
実施例3
ウレタンプレポリマー塗布液(D)を塗布後、85℃の水中に3分間浸漬した以外は、実施例1と同様に行って、偏光板を得て、同様に評価を行った。
また、上記と同条件でウレタン樹脂層(単層)を作製して、同様に、70℃における貯蔵弾性率を測定したところ、32×109dyn/cm2であった。
【0030】
比較例1
ウレタンプレポリマー塗布液(D)を塗布後、35℃の水中に240分間浸漬した以外は、実施例1と同様に行って、偏光板を得て、同様に評価を行った。
また、上記と同条件でウレタン樹脂層(単層)を作製して、同様に、70℃における貯蔵弾性率を測定したところ、3.0×109dyn/cm2であった。
実施例、比較例の評価結果をまとめて表1及び2に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003678889
【0032】
【表2】
Figure 0003678889
【0033】
【発明の効果】
本発明で製造される偏光板は、耐久性、偏光特性、視認性等に優れ、かつ各種の機能層を積層することもできて、各種機能層の機能を充分に発揮し、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられ、特に自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。

Claims (1)

  1. 偏光フィルムの少なくとも片面に、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(A)と1分子中にイソシアネート基と反応する活性水素を有する化合物(B)とを反応させてなるウレタンプレポリマー(C)を塗布した後、40〜90℃の水に浸漬して、70℃における貯蔵弾性率が5×10dyn/cm以上のウレタン樹脂層を形成することを特徴とする偏光板の製造方法
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