JP3503206B2 - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品およびその製造方法

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JP3503206B2 JP21593994A JP21593994A JP3503206B2 JP 3503206 B2 JP3503206 B2 JP 3503206B2 JP 21593994 A JP21593994 A JP 21593994A JP 21593994 A JP21593994 A JP 21593994A JP 3503206 B2 JP3503206 B2 JP 3503206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、積層セラミック電子
部品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミック電子部品は、セラミック
層と内部導体層とを交互に積層し、一体化し、これを焼
成して構成されるもので、代表的なものとして、積層型
インダクタ等が知られている。
【0003】積層セラミック電子部品の一例として積層
型インダクタがあり、図5は積層型インダクタの断面図
を示している。図5に示すように、積層型インダクタ1
は、磁性体からなるセラミック層2と、このセラミック
層2の間に介在する内部導体層3から構成されている。
セラミック層2は、Ni−Zn等のフェライトからな
り、内部導体層3は、AgあるいはAg−Pd等からな
る。
【0004】このような積層型インダクタ1を製造する
には、内部導体パターンが形成された複数枚の未焼成の
磁性体シートと内部導体パターンの形成されていないダ
ミーの未焼成の磁性体シートを共に積層し、加圧圧着し
た後、焼成一体化して積層型インダクタ1を得る。積層
型インダクタ1の内部導体層3は、磁性体シートに設け
られたスルーホール(図示せず)を介して電気的に接続
され、積層体中でコイルを構成するように形成され、積
層体の外部端面に形成された外部電極(図示せず)と電
気的に接続されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の積層
型インダクタ1では、焼成過程において最高温度付近で
セラミック層2と内部導体層3が焼結一体化するが、最
高温度から室温への冷却時、セラミック層2と内部導体
層3との熱膨張率差から応力が発生し、発生した応力歪
により、磁気特性を低下させるという問題があった。
【0006】その解決策として、図6に示すように、セ
ラミック層2と内部導体層3との界面の全部あるいは一
部に空洞層5を設け、セラミック層2と内部導体層3と
の間に発生する応力を緩和させる方法がある。
【0007】しかし、セラミック層2と内部導体層3と
の間に空洞層5を設けることにより、この空洞層5に、
外部電極形成時の錫や半田などのメッキ液や半田付け時
のフラックスあるいは水分等が浸入する。これらメッキ
液等の浸入により、内部導体層3が時間とともに腐食さ
れ、インダクタンスL値やQ値が変化し、最悪の場合、
内部導体層3が断線にまで至るという重大な問題があっ
た。
【0008】また、積層型インダクタ1使用時の急熱急
冷により、浸入した液が気化、凝固し、セラミック層2
と浸入した液の熱膨張率差から積層型インダクタ1に割
れが発生するという別の重大な問題もあった
【0009】の発明の目的は、従来の問題点を解決
し、セラミック層と内部導体層との間に形成されている
空洞層を樹脂や金属で充填することにより、メッキ液や
半田付け時のフラックス等の浸入を防止し、湿気などの
外部雰囲気による特性劣化のない長期信頼性のある、積
層セラミック電子部品およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】また、セラミック層と内部導体層との界面
に応力緩和材を形成することで、温度変化時に発生する
応力を緩和し、インダクタンスL値やQ値が良好で、長
期信頼性のある、積層セラミック電子部品およびその製
造方法を提供することでもある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
磁性体セラミック層と内部導体層とが積層された積層体
からなり、磁性体セラミック層と内部導体層との界面に
応力緩和材が介在しており、応力緩和材は、樹脂である
ことを特徴とする積層セラミック電子部品である。
【0012】請求項2に係る発明は、樹脂が、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、ポリ
メタクリレート系の樹脂、あるいはそれらの複合物であ
ることを特徴とする積層セラミック電子部品である。
【0013】請求項3に係る発明は、応力緩和材が、
性体セラミック層と内部導体層の界面に形成された空洞
層に充填されたものであることを特徴とする積層セラミ
ック電子部品である。
【0014】請求項4に係る発明は、内部導体がコイル
状であることを特徴とする積層セラミック電子部品であ
る。
【0015】請求項5に係る発明は、内部導体層がAg
またはAg−Pdを主成分とすることを特徴とする積層
セラミック電子部品である。
【0016】請求項6に係る発明は、磁性体グリーン層
と内部導体用材料層とを交互に積層して積層体とし、積
層体を焼成して磁性体セラミック層と内部導体層とが積
層され、磁性体セラミック層と内部導体層との界面に空
洞層を形成した積層焼結体とし、得られた積層焼結体を
脂の溶融槽に浸漬して、樹脂の溶融槽を加圧して、空
洞層内部に樹脂を充填させることを特徴とする積層セラ
ミック電子部品の製造方法である。
【0017】請求項7に係る発明は、樹脂としてはフェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、
ポリメタクリレート系の樹脂、あるいはそれらの混合物
を用いたことを特徴とする積層セラミック電子部品の製
造方法である。
【0018】請求項8に係る発明は、樹脂が、磁性体セ
ラミック層と内部導体層の界面に形成された空洞層に充
填されたことを特徴とする積層セラミック電子部品の製
造方法である。
【0019】請求項9に係る発明は、内部導体がコイル
状に形成されたことを特徴とする積層セラミック電子部
品の製造方法である。
【0020】請求項10に係る発明は、内部導体層がA
gまたはAg−Pdを主成分とすることを特徴とする積
層セラミック電子部品の製造方法である。
【0021】
【作用】空洞層を樹脂で充填することにより、メッキ液
や半田用フラックスの浸入を防止することができるた
め、それらの残液と内部導体との反応が起こらず、長時
間使用しても内部導体層が腐食されない。また、応力緩
和材を介在させることで、空洞層を形成したときと同じ
ように内部に発生する応力を緩和できるとともに、応力
緩和材により、内部へのメッキ液や半田用フラックスの
浸入を防止する。
【0027】
【実施例】以下、この発明に係る積層型インダクタの実
施例を図面に基づいて説明する。上記の従来技術に相当
する部分に付いては、同一符号を付して説明する。
【0028】図1は、この発明の第1の実施例による積
層型インダクタの断面図である。図1に示すように、積
層型インダクタ1は、フェライト等の磁性体からなるセ
ラミック層2と、Ag、Ag−Pd等からなる内部導体
層3が交互に積層され、焼成一体化されている。内部導
体層3は、セラミック層2を構成する磁性体シートに設
けられたスルーホール(図示せず)を介して電気的に接
続されコイル状に形成されている。4は応力緩和材を示
し、後で説明する方法で樹脂または金属を、内部導体層
3を囲むように形成したものである。内部導体層3の両
端は積層インダクタ1の本体の外側面に導出され、この
外側面に形成した外部電極(図示せず)と電気的に接続
されている。
【0029】図1に示した積層型インダクタ1を製造す
るには、図2に示すように、内部導体パターン3b〜3
eが形成された複数枚の磁性体からなるセラミックシー
ト2b〜2eの上下に、内部導体パターンのないダミー
の磁性体からなるセラミックシート2a、2fを積層
し、圧着し、焼成して焼結体を得る。磁性体からなるセ
ラミックシート2a〜2fはNi−Zn−Cuフェライ
トをスラリー状にしてシートを形成したものであり、内
部導体パターン3b〜3eはAgペーストを印刷により
形成したものである。このとき、図示していないが内部
導体パターン3b〜3eはその周囲がカーボン、樹脂な
どの焼成消失物質で被覆されている。
【0030】積層順は磁性体からなるセラミックシート
2aが最上層、磁性体からなるセラミックシート2fが
最下層になるよう矢印の方向に積層する。あるいは磁性
体からなるセラミックシート2fが最上層、磁性体から
なるセラミックシート2aが最下層になるよう矢印の逆
方向に積層しても良い。図2では磁性体からなるセラミ
ックシート2a〜2fの6枚のシートを用いて説明して
いるが、積層枚数は任意である。
【0031】そして、積層した積層体を焼成することに
より、磁性体からなるセラミックシート2a〜2f、内
部導体パターン3b〜3eはそれぞれセラミック層2と
内部導体層3になるとともに、焼成消失物質が飛散して
これらの界面に図6に示した空洞層5が形成される。そ
の後、得られた積層焼結体の端面に外部電極(図示せ
ず)としてAgペーストを塗布、焼き付けて形成する。
このとき、内部導体層3と外部電極とは電気的に接続さ
れる。また、外部電極は多孔質状に形成されており、あ
らかじめ形成されているセラミック層2と内部導体層3
の界面の空洞層に樹脂がこの多孔質状の外部電極を介し
て充填されることになる。
【0032】次に、樹脂を溶融した槽の中に前記積層焼
結体を浸漬し、槽全体を加圧して、磁性体層と内部導体
層の界面の空洞層に樹脂を充填する。さらに外部電極上
にNi及びSnのメッキを行い、図1のような6.5タ
ーンのコイルを有する積層型インダクタ1を得る。な
お、積層焼結体を槽内に収容し、槽内を減圧し、積層焼
結体を槽内の溶融液に浸漬してから槽の液面を加圧して
も良い。
【0033】次に、この発明の第参考例の積層型イ
ンダクタについて説明する。第参考例の積層型イン
ダクタは、図1に示した第1の実施例の積層型インダク
タの完成状態と同じ構造となるため、図1をもって構造
の説明は省略する。
【0034】図1に示した積層型インダクタ1を製造す
るには、図3に示すように、内部導体パターン3h〜3
kと、この内部導体パターン3h〜3kを挟むように、
応力緩和材形成パターン41h〜41kおよび応力緩和
材形成パターン4h〜4kが形成された複数枚の磁性体
からなるセラミックシート2h〜2kの上下に、内部導
体パターンのないダミーの磁性体からなるセラミックシ
ート2g、2lを積層し、圧着により接合一体化させた
後、焼成して焼結体を得る。
【0035】磁性体からなるセラミックシート2g〜2
lはNi−Zn−Cuフェライトをスラリー状にしてシ
ートを形成したものであり、内部導体パターン3h〜3
kはAgペーストを、応力緩和材形成パターン4h〜4
k、41h〜41kはCuペーストを印刷により形成し
たものである。応力緩和材形成パターン4h〜4k内に
は積層焼結後、閉じられた導体となる内部導体パターン
3h〜3kが形成されている。
【0036】積層順は磁性体からなるセラミックシート
2gが最上層、磁性体からなるセラミックシート2lが
最下層になるよう矢印の方向に積層する。あるいは磁性
体からなるセラミックシート2lが最上層、磁性体から
なるセラミックシート2gが最下層になるよう矢印の逆
方向に積層しても良い。図3では磁性体からなるセラミ
ックシート2g〜2lの6枚のシートを用いて説明して
いるが、積層枚数は任意である。
【0037】図4は応力緩和材と内部導体層を設ける工
程の一部を示す平面図であり、磁性体シート2jの上
に、印刷で応力緩和材形成パターン41jを形成し(図
4(a)参照)、その応力緩和材形成パターン41jの
上に、応力緩和材形成パターン41jよりやや内側に内
部導体パターン3jを形成し(図4(b)参照)、さら
にその上に応力緩和材形成パターン4jを応力緩和材形
成パターン41jと内部導体パターン3jの端部が表面
に出るようにして残りの部分は応力緩和材形成パターン
41jと同じ大きさに印刷により形成する(図4(c)
参照)。
【0038】上記第1の実施例、第参考例で得られ
た積層型インダクタ1を、下記に示す方法でその特性値
を測定した。積層型インダクタ1の特性の測定方法は、
まず基板に取り付けた直後の積層型インダクタ1のイン
ダクタンスL、Q、直流抵抗Rdcを測定し、その後4
0℃、90〜95%RHの耐湿槽に1000時間投入
し、耐湿槽から取り出した後、再度インダクタンスL、
Q、直流抵抗Rdcの測定を行った。このときの基板付
け条件は、まず基板に接着剤で積層型インダクタ1を付
け、ハロゲン系のフラックスを塗布し、250℃の半田
に浸漬し、水で洗浄を行う。
【0039】従来例1として、図5に示すようにセラミ
ック層2と内部導体層3からなる積層型インダクタ1
を、また、従来例2として、図6に示すようにセラミッ
ク層2と内部導体層3との間に空洞層5を形成した積層
型インダクタ1を作製して、実施例と同じように特性値
を測定した。
【0040】第1の実施例と従来例2の積層型インダク
タ1のL、Q、Rdc値を比較すると、初期L、Q値は
ほぼ変わらないが、耐湿試験後、従来例2ではL、Q値
が低下しRdc値が増大するのに対し、第1の実施例の
L、Q、Rdc値はほとんど変化しない。
【0041】第参考例および従来例1と従来例2の
積層型インダクタ1の特性結果を比較すると、応力緩和
材を介在させている第参考例の初期L、Q値は、応
力緩和材を介在させていない従来例1の初期L、Q値と
比較して、約10%〜20%の特性向上がある。また空
洞を介在させた従来例2と第参考例と比較すると、
初期L、Q値はほぼ変わらないが、耐湿試験により従来
例2ではL、Q値が低下し、Rdc値が大幅にアップす
る。これに対し、第参考例のL、Q、Rdc値は耐
湿試験によってもほとんど変化しない。
【0042】この原因は、まず従来例1では、セラミッ
ク層と導体パターンとの熱膨張率差により応力歪みが発
生しており、また磁性体は磁歪により特性が変化して、
L、Q値が低下している。また従来例2では、セラミッ
ク層と導体パターンとの間に空洞が形成されているため
応力は緩和されており、初期のL、Q値は向上する。し
かし、導体パターンの周りに空洞があるため、その空洞
に、強酸のメッキ液あるいは、半田付け時のフラックス
や水分等が浸入し、耐湿試験の間に導体パターンが徐々
に腐食したため特性劣化が発生する。耐湿負荷試験は一
種の加速試験であり、従来例2では通常の使用状態であ
っても時間がかかるが次第に劣化していく。
【0043】また、従来例2の半田付け後の積層型イン
ダクタ1を内部研磨したところ一部の積層型インダクタ
1でセラミック層2に内部導体層3付近からクラックが
発生しているものが発見された。第参考例の積層型
インダクタ1では、従来例2のようなクラックは全く見
られない。この原因は、従来例2では、セラミック層2
と内部導体層3の間の空洞に水分が浸入し、半田付け時
急熱されその水分が気化するときセラミック層2の中で
大きな力がかかりクラックが発生したと考えられる。
【0044】なお、積層型インダクタ1は上記の方法に
限らず、下記に示す材料や工法であってもよい。
【0045】上記の磁性体としては、Ni−Zn−Cu
フェライトの他、Niフェライト、Ni−Znフェライ
ト、Ni−Cuフェライト、Mn−Znフェライト等の
スピネル型フェライト磁性体であっても良い。また、セ
ラミック層2の形成方法は印刷法、グリーンシート法に
より形成しても良い。
【0046】この磁性体シート表面に形成する内部導体
パターンの材料としては、AgまたはAg−Pd等の銀
合金でもよい。また、形成方法は印刷、塗布、蒸着、ス
パッタリング等により形成しても良い。
【0047】表1は応力緩和材であるAu、Co、C
u、Fe、Niの金属およびCaO、FeO、Fe
23、MgO、NiOの酸化物の線膨張係数を測定した
結果である。
【0048】
【表1】
【0049】応力緩和材には、熱膨張率がフェライトの
熱膨張率10×10-6-1程度と、Ag、Ag−Pdの
熱膨張率20×1010-6-1の間である物質が選ば
れ、例えばAu、Co、Cu、Fe、Ni等の金属およ
びCaO、FeO、Fe23、MgO、NiO等の酸化
物、あるいはそれらの合金、混合物、化合物、複合物で
あっても良い。
【0050】外部電極材料としては、上記のAgの他、
Ag−Pd、Ni、Cu等の金属、あるいはそれらの合
金等であっても良く、また印刷、蒸着、スパッタリング
等で形成しても良い。また、焼成前の積層体の端面に外
部電極を形成し、同時焼成してもかまわない。
【0051】積層型インダクタ1の形状は特に指定はな
い。また、コイルのターン数についても指定はなく、磁
性体層2の間の内部導体パターンの数により任意に選ぶ
ことができる。
【0052】樹脂の充填方法として、減圧下の槽に積層
焼結体を浸漬して、槽全体を常圧に戻す時に樹脂が充填
される減圧処理法でもよい。
【0053】空洞層に注入する樹脂としては、熱硬化性
樹脂や空気中では液状で空気を遮断すると硬化する嫌気
性樹脂あるいは温度を上昇させると液状になり常温に戻
すと硬化するワックス等が用いられる。
【0054】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、あ
るいはそれらの混合物、複合物等であっても良い。ま
た、嫌気性樹脂としては、例えば、ポリメタクリレート
系の樹脂等であっても良い。
【0056】
【発明の効果】の発明に係る積層セラミック電子部品
およびその製造方法によれば、セラミック層と内部導体
層の界面の空洞層に樹脂を充填することにより、メッキ
液や半田用フラックスや水分等と内部導体層との反応に
よる腐食が抑えられる。
【0057】また、従来例では内部導体層の周りに空洞
があるため振動や熱衝撃等により導体パターンも振動、
収縮し断線する可能性があるのに対し、内部導体層が樹
脂によって補強され機械的信頼性も向上する。
【0058】さらに、セラミック層と内部導体層の間に
応力緩和材を介在させることにより、空洞層を設けたと
きと同じように焼成後のセラミック層と内部導体層の膨
張率の差による応力を緩和できる。
【0059】さらにまた、セラミック層と内部導体層の
間に応力緩和材を介在させることにより、空洞層が存在
することでおこるメッキ液や半田用フラックスの浸入と
それらによる内部導体層との反応が防げ、長時間使用し
ても内部導体層が腐食されず特性の劣化がみられない。
【0060】これらのことより、各種環境条件下で長時
間使用しても、特性劣化が見られない積層セラミック電
子部品が得られ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例と第参考例の積層
型インダクタの断面図である。
【図2】この発明の第1の実施例の積層型インダクタ
で、積層、焼成前の状態を示す平面図である。
【図3】この発明の第参考例の積層型インダクタ
で、積層、焼成前の状態を示す平面図である。
【図4】この発明の第参考例の積層型インダクタの
一部を示す工程図である。
【図5】従来例1の積層型インダクタの断面図である。
【図6】従来例2の積層型インダクタの断面図である。
【符号の説明】
1 積層型インダクタ 2 セラミック層 2a〜2l セラミックシート 3 内部導体層 3b〜3e 内部導体パターン 3h〜3k 内部導体パターン 4 応力緩和材 4h〜4k 応力緩和材形成パターン 41h〜41k 応力緩和材形成パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西永 良博 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社 村田製作所内 (72)発明者 和田 久志 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社 村田製作所内 (56)参考文献 特開 平6−96953(JP,A) 特開 平3−208323(JP,A) 特開 平4−317302(JP,A) 特開 平3−97309(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 - 27/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体セラミック層と内部導体層とが積
    層された積層体からなり、前記磁性体セラミック層と前
    記内部導体層との界面に応力緩和材が介在しており、前
    記応力緩和材は、樹脂であることを特徴とする積層セラ
    ミック電子部品
  2. 【請求項2】 記樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ
    樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、ポリメタクリレート系
    の樹脂、あるいはそれらの複合物であることを特徴とす
    る請求項に記載の積層セラミック電子部品
  3. 【請求項3】 記応力緩和材は、前記磁性体セラミッ
    ク層と前記内部導体層の界面に形成された空洞層に充填
    されたものであることを特徴とする請求項1あるいは請
    求項2のいずれかに記載の積層セラミック電子部品
  4. 【請求項4】 部導体はコイル状であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミック電
    子部品。
  5. 【請求項5】 前記内部導体層はAgまたはAg−Pd
    を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の積層セラミック電子部品。
  6. 【請求項6】 磁性体グリーン層と内部導体用材料層と
    を交互に積層して積層体とし、前記積層体を焼成して
    性体セラミック層と前記内部導体層とが積層され、前記
    磁性体セラミック層と前記内部導体層との界面に空洞層
    を形成した積層焼結体とし、得られた積層焼結体を樹
    溶融槽に浸漬して、前記樹脂の溶融槽を加圧して、前
    記空洞層内部に前記樹脂を充填させることを特徴とする
    積層セラミック電子部品の製造方法
  7. 【請求項7】 記樹脂としてはフェノール樹脂、エポ
    キシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、ポリメタクリレー
    ト系の樹脂、あるいはそれらの混合物を用いたことを特
    徴とする請求項に記載の積層セラミック電子部品の製
    造方法
  8. 【請求項8】 樹脂は、前記磁性体セラミック層と
    前記内部導体層の界面に形成された空洞層に充填された
    ことを特徴とする請求項6あるいは請求項のいずれか
    に記載の積層セラミック電子部品の製造方法
  9. 【請求項9】 部導体はコイル状に形成されたことを
    特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記内部導体層はAgまたはAg−P
    dを主成分とすることを特徴とする請求項6〜9のいず
    れかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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