JP2003017325A - 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層型金属磁性電子部品及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003017325A
JP2003017325A JP2001195490A JP2001195490A JP2003017325A JP 2003017325 A JP2003017325 A JP 2003017325A JP 2001195490 A JP2001195490 A JP 2001195490A JP 2001195490 A JP2001195490 A JP 2001195490A JP 2003017325 A JP2003017325 A JP 2003017325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal magnetic
coil
via hole
resin layer
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001195490A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Sakata
啓二 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001195490A priority Critical patent/JP2003017325A/ja
Publication of JP2003017325A publication Critical patent/JP2003017325A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属磁性材料を使った、低コストで小型の積
層型金属磁性電子部品及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 金属磁性材料を主成分とする薄板1を準
備し、その表面に樹脂層2を形成する。複数の金属磁性
薄板1は積み重ねられ、樹脂層2にて接着されて積層体
を構成する。コイル用導体パターン5,7,9,11は
それぞれ、ビアホール33d,33a,33e,33
b,33f,33cを介して順次コイル用導体パターン
6,8,10に電気的に直列に接続され、螺旋状コイル
Lを構成する。螺旋状コイルLは、その軸方向が金属磁
性薄板1の積み重ね方向に対して垂直である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型金属磁性電子部
品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大電流が流れる電源回路やD
C/DCコンバータ回路用のインダクタやトランスなど
として使用される積層型金属磁性電子部品が知られてい
る。そして、例えば、積層型インダクタは、磁性体材料
(フェライト)や絶縁体材料からなるセラミックスグリ
ーンシートを複数枚積み重ね、一体的に焼成して積層体
を構成している。この積層体の内部には、複数のコイル
用導体パターンをビアホールを介して電気的に直列に接
続して構成したコイルが設けられている。このように、
従来の積層型インダクタは、絶縁性の高いセラミックス
グリーンシートを使っているため、コイル用導体パター
ンやビアホールをセラミックスグリーンシートにそのま
ま形成することができ、加工が容易であるという利点が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
スを焼成させるには、900℃程度の温度で処理する必
要がある。従って、高温の焼成炉が必要となり、高いラ
ンニングコストも含めて、従来の積層型インダクタの製
造コストをアップさせる一因となっていた。また、高温
度の処理のため、積層型インダクタの内部残留応力も比
較的大きかった。一方、セラミックスとフェライト等の
酸化物磁性材料は磁気特性に問題があり、一般的なNi
Zn系フェライトの透磁率は約2000で、飽和磁束密
度は約5000ガウスしかない。従って、この酸化物磁
性材料を用いた積層型インダクタは電気特性の限界が低
く、小型化が困難であった。
【0004】これに対して、金属磁性材料は磁気特性が
優れており、特に飽和磁束密度が高いという特長を有し
ている。しかしながら、金属磁性材料は比抵抗が小さ
く、コイル用導体パターンやビアホールを直接形成する
ことができないため、従来、積層構造の電子部品には適
用が困難であった。さらに、金属磁性材料は、セラミッ
クス焼成時のような高温に晒すと酸化して特性が低下す
るため、半田付け温度(約300℃)の低温で加工する
のが基本となっていた。従って、従来は、低温処理する
巻線コイル用として使われていたに過ぎなかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、金属磁性材料を
使った、低コストで小型の積層型金属磁性電子部品及び
その製造方法を提供することある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】前記目的を達成
するため、本発明に係る積層型金属磁性電子部品は、
(a)複数の金属磁性板と、(b)複数の金属磁性板の
それぞれの表面に形成された樹脂層と、(c)複数の金
属磁性板の表面に樹脂層を介して設けられた複数のコイ
ル用導体パターンと、(d)複数のコイル用導体パター
ンを電気的に接続するために、金属磁性板に設けられた
ビアホール用孔に導電材を充填してなるビアホールとを
備え、(e)複数の金属磁性板を積み重ねて樹脂層にて
接着して構成した積層体に、複数のコイル用導体パター
ンをビアホールを介して電気的に直列に接続して構成し
たコイルが設けられ、かつ、ビアホール用孔の内壁面が
絶縁膜で覆われていること、を特徴とする。
【0007】ここに、コイルの軸方向は、金属磁性板の
積み重ね方向に対して直交していることが好ましい。さ
らに、積層体の上面及び下面の少なくともいずれか一方
の面にコイルの端末部が導出されるとともに、積層体の
端面に設けた外部端子電極が、コイルの端末部に電気的
に接続するように積層体の上面又は/及び下面に延在し
ていることが好ましい。
【0008】また、本発明に係る積層型金属磁性電子部
品の製造方法は、(f)金属磁性板の表面に樹脂層を形
成する工程と、(g)金属磁性板にビアホール用孔を形
成するとともに、ビアホール用孔の内壁面を絶縁膜で覆
う工程と、(h)ビアホール用孔に導電材を充填してビ
アホールを形成する工程と、(i)金属磁性板の表面に
樹脂層を介してコイル用導体パターンを形成する工程
と、(j)金属磁性板を積み重ね、樹脂層にて接着して
積層体を形成するとともに、コイル用導体パターンをビ
アホールを介して電気的に直列に接続してコイルを構成
する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】あるいは、本発明に係る積層型金属磁性電
子部品の製造方法は、(k)金属磁性板の表面に樹脂層
を形成する工程と、(l)金属磁性板にビアホール用孔
を形成するとともに、ビアホール用孔の内壁面を絶縁膜
で覆う工程と、(m)金属磁性板を積み重ね、樹脂層に
て接着してコンポジット体を形成するとともに、ビアホ
ール用孔を積み重ね方向に連接する工程と、(n)連接
されたビアホール用孔に導電材を充填して長尺状ビアホ
ールを形成する工程と、(o)コンポジット体の上下
に、樹脂層を介してコイル用導体パターンを表面に形成
した金属磁性板を配置するとともに、該金属磁性板に形
成したビアホールを介してコイル用導体パターンを長尺
状ビアホールに電気的に接続してコイルを構成する工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】以上の構成により、積み重ねられた金属磁
性板同士は樹脂層にて接着され、積層体とされる。コイ
ル用導体パターンは、樹脂層によって金属磁性板と直接
に接触しなくてすむ。ビアホールは、ビアホール用孔の
内壁面を覆っている絶縁膜によって、金属磁性板と直接
に接触しなくてすむ。
【0011】そして、コイル用導体パターンやビアホー
ル用孔に充填される導電材などに、300℃以下の温度
条件で加工できる熱硬化型導電ペーストや低温焼成でき
る導電ペーストを用い、全ての工程における加工を30
0℃以下の温度条件で行うようにすることにより、金属
磁性板の特性劣化を防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層型金属磁
性電子部品及びその製造方法の実施の形態について添付
の図面を参照して説明する。
【0013】[第1実施形態、図1〜図11]第1実施
形態は、積層型インダクタを例にして説明する。図1に
示すように、金属磁性材料を主成分とする薄板1を準備
し、その表面に樹脂層2を形成する。金属磁性薄板1の
厚みは、渦電流損を少なくするため、できるだけ薄いも
のが良く、本第1実施形態では厚さが約50μmの珪素
鋼板を使用した。
【0014】樹脂層2の材料としては、仮硬化できる熱
硬化性樹脂(例えばエポキシ、ポリイミド)や、熱融着
性のある熱可塑性樹脂(例えばポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリフェニレンオキサイト)などが使用さ
れる。樹脂層2を形成する方法としては、スクリーン印
刷法、スプレー噴霧法、ディッピング法、ドクターブレ
ード法、あるいは、樹脂シートを接着させる方法が使用
される。本第1実施形態は、表面が平坦でかつ均一な厚
みを有する樹脂層2を得ることができるように、スクリ
ーン印刷法にて金属磁性薄板1の表面(あるいは表裏両
面)に厚さが約20μmのエポキシ樹脂層2を形成し、
適温にて仮硬化させた。
【0015】次に、図2に示すように、金属磁性薄板1
の所定位置にビアホール用孔3a〜3fを形成する。本
第1実施形態では、炭酸ガスレーザ加工を行い、レーザ
ビームLBをスポット照射して金属磁性薄板1および樹
脂層2を高温で分解、焼失させた。このとき、金属磁性
薄板1のビアホール用孔3a〜3fの内壁面には、高温
によって酸化膜(絶縁膜)が形成される。なお、ビアホ
ール用孔3a〜3fは断面円形であるが、楕円形や矩形
等であってもよい。
【0016】次に、図3に示すように、ビアホール用孔
3a〜3fが形成された金属磁性薄板1を複数枚準備
し、積み重ねる。このとき、樹脂層2を上にし、各金属
磁性薄板1のビアホール用孔3a〜3fが積み重ね方向
に連接するようにする。この後、加熱しながら加圧し
て、一時的に溶融した樹脂層2にて金属磁性薄板1相互
を接着する。こうして、コンポジット体4が得られる。
【0017】次に、コンポジット体4のビアホール用孔
3a〜3fに導電性ペーストを充填する。つまり、図4
に示すように、上部に開口30aを有したキャビティ3
0にコンポジット体4を載置する。コンポジット体4の
上面には、ビアホール用孔3a〜3fに対応した穴31
aを形成したマスキング材31が載せられる。この後、
キャビティ30内の空気を吸引しながら、導電性ペース
ト32をスキージ33で掃引きすることにより、導電性
ペースト32をビアホール用孔3a〜3fに充填させ
る。導電性ペースト32は、主成分の銀又は銅などの低
抵抗導電材料に熱硬化性樹脂を加えた熱硬化型のもの
や、低温焼結型のものが使用される。充填された導電性
ペースト32は、乾燥状態、硬化状態又は焼結状態とさ
れる。こうして、長尺状ビアホール33a〜33f(図
5参照)が形成される。
【0018】なお、本第1実施形態は、マスキング材3
1を使用してコンポジット体4の上面に厚膜導体を形成
している。しかし、厚膜導体を形成する必要がなけれ
ば、スクリーン版を使用したスクリーン印刷法であって
もよい。また、導電性ペーストをビアホール用孔3a〜
3fに充填する方法として、導電性ペースト浴にコンポ
ジット体4を浸漬して真空脱泡する方法もある。ただ
し、この方法は、導電性ペーストがビアホール用孔3a
〜3f内だけでなく、コンポジット体4の表面にも付着
するため、表面に付着した導電性ペーストを削り取る作
業が必要になる。
【0019】次に、図5に示すように、コンポジット体
4の上に、コイル用導体パターン5,7,9,11を上
面に設けた金属磁性薄板1が配置される。この金属磁性
薄板1は図2に示したものと同様のものであり、樹脂層
2の表面にスクリーン印刷法等でコイル用導体パターン
5,7,9,11を形成するとともに、ビアホール用孔
3a〜3fに導電性ペーストを充填してビアホール33
a〜33fを形成している。
【0020】また、コンポジット体4の下に、コイル用
導体パターン6,8,10を下面に設けた金属磁性薄板
1が配置される。この金属磁性薄板1は、図2に示した
ものにおいて、上下両面に樹脂層2を形成したものと同
様のものである。そして、下面に形成された樹脂層2の
表面には、スクリーン印刷法等でコイル用導体パターン
6,8,10を形成するとともに、ビアホール用孔3a
〜3fに導電性ペーストを充填してビアホール33a〜
33fを形成している。ここで、コイル用導体パターン
5〜11およびビアホール33a〜33fの形成に使用
される導電性ペーストは、樹脂層2が融解しない温度、
すなわち、樹脂層2が接着機能を失わない程度の低い温
度(300℃以下)で処理できるものである。
【0021】上段のコイル用導体パターン5,7,9,
11並びに下段のコイル用導体パターン6,8,10は
それぞれ同一層に配置されている。コイル用導体パター
ン5,7,9,11はそれぞれ、同一層に配置されてい
るビアホール33d,33a,33e,33b,33
f,33cを介して順次コイル導体パターン6,8,1
0に電気的に直列に接続され、螺旋状コイルLを構成す
る。螺旋状コイルLは、その軸方向が金属磁性薄板1の
積み重ね方向に対して垂直であり、かつ、後述の入出力
外部電極20,21に対して垂直である。言い換える
と、螺旋状コイルLの軸方向は、積層型インダクタ25
の実装面に対して平行である。
【0022】この後、コンポジット体4と上下に配置さ
れた金属磁性薄板1とを、加熱しながら加圧して樹脂層
2にて一体的に接着し、図6に示すような矩形体状の積
層体12とされる。
【0023】次に、マスキング材を使用して、積層体1
2の上下面に高耐熱性の熱硬化型樹脂をマスク印刷し、
適温にて熱硬化させて保護層13,14を形成する。保
護層13は、開口部13a,13bから露出しているコ
イル用導体パターン5,11の一部を残して、コイル用
導体パターン5,7,9,11を被覆している。同様
に、保護層14はコイル用導体パターン6,8,10を
被覆している。
【0024】また、積層体12の側面には金属磁性薄板
1の縁部が露出しているので、側面部を高耐熱性の熱硬
化型樹脂浴に浸漬して、適温にて熱硬化させ、図7に示
すように、絶縁被覆膜15を形成する。なお、積層体1
2を高温で加熱して、側面に露出している金属磁性薄板
1の縁部の表面を酸化させ、酸化物被膜を形成させても
よい。
【0025】次に、図8に示すように、積層体12の左
右両端部を、熱硬化型導電性ペースト浴又は低温焼結型
導電性ペースト浴に浸漬して、適温にて硬化あるいは焼
結させ、外部端子電極の下地電極を形成する。この下地
電極の表面にめっきをして外部端子電極20,21を形
成する。外部端子電極20,21は、それぞれ積層体1
2の左右の端面に設けられ、螺旋状コイルLの端末部
(すなわち、コイル用導体パターン5,11)に電気的
に接続するように積層体12の上面に延在している。こ
うして、積層型インダクタ25が得られる。図9は積層
型インダクタ25の模式断面図である。
【0026】以上の構成からなる積層型インダクタ25
は、金属磁性薄板1を使用して積層体12を形成してい
るので、従来のセラミックスグリーンシートを使用して
積層体を形成した場合と比較して、加工時の変形が起き
にくく、加工精度の良い積層体12が得られる。しか
も、金属磁性材料はセラミックス材料と比較して機械的
強度が高く、積層体12の厚みが薄くても破損しにく
い。
【0027】また、金属磁性薄板1を樹脂層2を介して
積層しているため、渦電流の発生を軽減することができ
る。さらに、螺旋状コイルLによって生じる磁束は金属
磁性薄板1内を主面に平行に通り、薄板1のコイル用導
体パターン5〜11を被覆する保護層13,14は、非
磁性材料の樹脂からなるため、この部分に渦電流は発生
せず、より損失の少ない積層型インダクタ25を得るこ
とができる。図10および図11はそれぞれ、積層型イ
ンダクタ25の周波数特性並びに直流重畳特性を示すグ
ラフである(実線40参照)。なお、図10および図1
1には、従来のフェライトからなるセラミックスグリー
ンシートを使用して製作した積層型インダクタの周波数
特性並びに直流重畳特性も併せて記載している(点線4
1参照)。積層型インダクタ25は、従来のインダクタ
と比較して、インダクタンス値が高周波域で早く低下す
るが、直流重畳特性は優れている。さらに、珪素鋼の飽
和磁束密度はフェライトの約4倍あり、従来のインダク
タで問題となる内部残留応力も小さいため、優れた特性
が得られる。
【0028】さらに、コイル用導体パターン5〜11、
ビアホール33a〜33f及び外部端子電極20,21
の導電性材料や、樹脂層2の絶縁性材料として、低温
(300℃以下)で処理できる材料を用いているため、
全ての処理工程を300℃以下の温度条件の下で行うこ
とができる。従って、金属磁性薄板1の特性劣化を防止
できる。
【0029】[第2実施形態、図12]第2実施形態
は、前記第1実施形態の積層型インダクタ25をマザー
基板を用いて量産する場合を例にして説明する。
【0030】積層型インダクタ25が複数個取れるよう
な広面積の金属磁性マザー薄板1Aを準備し、縦横にイ
ンダクタ25の配列位置を決定する。この位置に合わせ
て、第1実施形態と同様の方法で、配列数分の樹脂層2
A並びにビアホール用孔3a〜3fを形成し、さらに、
ビアホール用孔3a〜3fに導電性ペーストを充填して
ビアホール33a〜33fを形成する。このとき、コイ
ル用導体パターン5〜11も所定の金属磁性マザー薄板
1Aに形成される。
【0031】次に、図12に示すように、こうして加工
されたビアホール33a〜33fのみを設けた金属磁性
マザー薄板1Aを必要数積み重ね、その上下にコイル用
導体パターン5〜11を形成した金属磁性マザー薄板1
Aを配置し、さらにその外側に保護用マザーシート13
A,14Aを配置する。この後、全体を加熱しながら加
圧して、金属磁性マザー基板1Aを樹脂層2Aにて一体
的に接着し、マザー積層体を形成する。なお、図12に
おいて、金属磁性マザー薄板1Aに形成したコイル用導
体パターン5〜11やビアホール33a〜33fは省略
している。
【0032】次に、このマザー積層体をダイサーやレー
ザビーム、あるいはジェット水流で縦横に切断し、図1
2の一点鎖線で囲んだサイズ毎に切り出し、積層体12
を得る。このとき、ダイサーやレーザビームでマザー積
層体を切断した場合には、切断の際に生じる高熱で、積
層体12の切断面に露出した金属磁性薄板1Aの縁部の
表面が酸化して絶縁化する。従って、積層体12の側面
に絶縁処理をする必要がない。この後、第1実施形態と
同様の方法で外部端子電極20,21を積層体12の左
右の端面に設け、完成品とする。
【0033】このように、本第2実施形態は金属磁性マ
ザー薄板1Aを使用しているため、一度で大量に生産で
き、低コストで能率良く積層型インダクタ25を得るこ
とができる。なお、セラミックスグリーンシートを使用
して積層体を形成する場合にも、広面積のグリーンシー
トを用いれば取り個数が増え、量産に対応することがで
きる。しかしながら、この場合、グリーンシートでは加
工時の収縮や伸びが大きく、一層の加工精度向上が求め
られる。これに対して、金属磁性マザー薄板1Aでは加
工時の収縮や伸びが起きにくく、比較的容易に取り個数
を増やすことができる。
【0034】[他の実施形態]なお、本発明は前記実施
形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々
に変更することができる。例えば、本発明は、インダク
タの他に、チョークコイルやトランス、あるいはコイル
を含んだ複合電子部品にも適用することができる。さら
に、金属磁性薄板1のビアホール用孔3a〜3fの内壁
面の絶縁化の方法としては、樹脂の電着塗装法などを採
用してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、金属磁性板を使用して積層体を形成している
ので、従来のセラミックスグリーンシートを使用して積
層体を形成した場合と比較して、加工時の変形が起きに
くく、加工精度の良い積層体を得ることができる。しか
も、金属磁性材料はセラミックス材料と比較して機械的
強度が高く、積層体の厚みが薄くても破損しにくい。
【0036】また、金属磁性板を樹脂層を介して積層し
ているため、渦電流の発生を軽減することができる。さ
らに、コイルの軸方向を金属磁性板の積み重ね方向に対
して垂直にすることにより、コイルによって生じる磁束
は金属磁性板内を主面に平行に通り、渦電流の発生をよ
り一層抑えることができる。
【0037】また、全ての工程における加工を300℃
以下の温度条件で行うことにより、金属磁性板の特性劣
化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型金属磁性電子部品の製造方
法の一例を示す斜視図。
【図2】図1に続く製造工程を示す斜視図。
【図3】図2に続く製造工程を示す斜視図。
【図4】図3に続く製造工程を示す断面図。
【図5】図4に続く製造工程を示す斜視図。
【図6】図5に続く製造工程を示す斜視図。
【図7】図6に続く製造工程を示す斜視図。
【図8】図7に続く製造工程を示す斜視図。
【図9】図8に示した積層型金属磁性電子部品の模式断
面図。
【図10】図8に示した積層型金属磁性電子部品の周波
数特性を示すグラフ。
【図11】図8に示した積層型金属磁性電子部品の直流
重畳特性を示すグラフ。
【図12】本発明に係る積層型金属磁性電子部品の製造
方法の別の一例を示す分解斜視図。
【符号の説明】 1…金属磁性薄板 1A…金属磁性マザー薄板 2,2A…樹脂層 3a〜3f…ビアホール用孔 4…コンポジット体 5〜11…コイル用導体パターン 12…積層体 20,21…外部端子電極 25…積層型インダクタ 32…導電性ペースト 33a〜33f…ビアホール L…螺旋状コイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属磁性板と、 前記複数の金属磁性板のそれぞれの表面に形成された樹
    脂層と、 前記複数の金属磁性板の表面に前記樹脂層を介して設け
    られた複数のコイル用導体パターンと、 前記複数のコイル用導体パターンを電気的に接続するた
    めに、前記金属磁性板に設けられたビアホール用孔に導
    電材を充填してなるビアホールとを備え、 前記複数の金属磁性板を積み重ねて前記樹脂層にて接着
    して構成した積層体に、前記複数のコイル用導体パター
    ンを前記ビアホールを介して電気的に直列に接続して構
    成したコイルが設けられ、かつ、前記ビアホール用孔の
    内壁面が絶縁膜で覆われていること、 を特徴とする積層型金属磁性電子部品。
  2. 【請求項2】 前記コイルの軸方向が前記金属磁性板の
    積み重ね方向に対して直交していることを特徴とする請
    求項1に記載の積層型金属磁性電子部品。
  3. 【請求項3】 前記積層体の上面及び下面の少なくとも
    いずれか一方の面に前記コイルの端末部が導出されると
    ともに、前記積層体の端面に設けた外部端子電極が、前
    記コイルの端末部に電気的に接続するように前記積層体
    の上面又は/及び下面に延在していることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の積層型金属磁性電子部
    品。
  4. 【請求項4】 金属磁性板の表面に樹脂層を形成する工
    程と、 前記金属磁性板にビアホール用孔を形成するとともに、
    前記ビアホール用孔の内壁面を絶縁膜で覆う工程と、 前記ビアホール用孔に導電材を充填してビアホールを形
    成する工程と、 前記金属磁性板の表面に前記樹脂層を介してコイル用導
    体パターンを形成する工程と、 前記金属磁性板を積み重ね、前記樹脂層にて接着して積
    層体を形成するとともに、前記コイル用導体パターンを
    前記ビアホールを介して電気的に直列に接続してコイル
    を構成する工程と、 を備えたことを特徴とする積層型金属磁性電子部品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 金属磁性板の表面に樹脂層を形成する工
    程と、 前記金属磁性板にビアホール用孔を形成するとともに、
    前記ビアホール用孔の内壁面を絶縁膜で覆う工程と、 前記金属磁性板を積み重ね、前記樹脂層にて接着してコ
    ンポジット体を形成するとともに、前記ビアホール用孔
    を積み重ね方向に連接する工程と、 前記連接されたビアホール用孔に導電材を充填して長尺
    状ビアホールを形成する工程と、 前記コンポジット体の上下に、樹脂層を介してコイル用
    導体パターンを表面に形成した金属磁性板を配置すると
    ともに、該金属磁性板に形成したビアホールを介して前
    記コイル用導体パターンを前記長尺状ビアホールに電気
    的に接続してコイルを構成する工程と、 を備えたことを特徴とする積層型金属磁性電子部品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 全ての工程における加工が300℃以下
    の温度条件で行われることを特徴とする請求項3又は請
    求項4に記載の積層型金属磁性電子部品の製造方法。
JP2001195490A 2001-06-27 2001-06-27 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法 Pending JP2003017325A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195490A JP2003017325A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195490A JP2003017325A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003017325A true JP2003017325A (ja) 2003-01-17

Family

ID=19033455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001195490A Pending JP2003017325A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003017325A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005036566A1 (ja) * 2003-10-10 2006-12-28 株式会社村田製作所 積層コイル部品およびその製造方法
US7167070B2 (en) 2003-09-01 2007-01-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated coil component and method of producing the same
WO2009147925A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社村田製作所 電子部品
WO2010061679A1 (ja) * 2008-11-28 2010-06-03 株式会社村田製作所 電子部品
WO2013171923A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 株式会社 村田製作所 インダクタ素子
JP2018056472A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 太陽誘電株式会社 コイル部品
JP2019522892A (ja) * 2016-05-20 2019-08-15 クアルコム,インコーポレイテッド 複数の積層型絶縁体上に実装された受動構成要素
CN112366076A (zh) * 2020-11-10 2021-02-12 山东傲天环保科技有限公司 一种电感器及其制造方法
CN112420319A (zh) * 2020-11-10 2021-02-26 山东傲天环保科技有限公司 一种立体悬空电感器及其制造方法
WO2024095566A1 (ja) * 2022-11-02 2024-05-10 株式会社村田製作所 インダクタ部品

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7167070B2 (en) 2003-09-01 2007-01-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated coil component and method of producing the same
JPWO2005036566A1 (ja) * 2003-10-10 2006-12-28 株式会社村田製作所 積層コイル部品およびその製造方法
JP4492540B2 (ja) * 2003-10-10 2010-06-30 株式会社村田製作所 積層コイル部品およびその製造方法
WO2009147925A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社村田製作所 電子部品
WO2010061679A1 (ja) * 2008-11-28 2010-06-03 株式会社村田製作所 電子部品
US9424981B2 (en) 2012-05-15 2016-08-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Inductor element
WO2013171923A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 株式会社 村田製作所 インダクタ素子
JP2019522892A (ja) * 2016-05-20 2019-08-15 クアルコム,インコーポレイテッド 複数の積層型絶縁体上に実装された受動構成要素
JP2018056472A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 太陽誘電株式会社 コイル部品
CN112366076A (zh) * 2020-11-10 2021-02-12 山东傲天环保科技有限公司 一种电感器及其制造方法
CN112420319A (zh) * 2020-11-10 2021-02-26 山东傲天环保科技有限公司 一种立体悬空电感器及其制造方法
CN112420319B (zh) * 2020-11-10 2022-07-19 合肥德珑电子科技有限公司 一种立体悬空电感器及其制造方法
WO2024095566A1 (ja) * 2022-11-02 2024-05-10 株式会社村田製作所 インダクタ部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482554B2 (ja) 積層型コイル
US8941457B2 (en) Miniature power inductor and methods of manufacture
US7791445B2 (en) Low profile layered coil and cores for magnetic components
US7375608B2 (en) Solid electrolytic capacitor and manufacturing method thereof
US20130113593A1 (en) Multilayer type inductor and method of manufacturing the same
JPH08203737A (ja) コイル部品
US8779884B2 (en) Multilayered inductor and method of manufacturing the same
JP2004128506A (ja) 積層型コイル部品及びその製造方法
US20090102591A1 (en) Inductive Component and Method for Manufacturing an Inductive Component
WO2012111203A1 (ja) 積層型インダクタ素子
US11810707B2 (en) Coil component
JP2012064683A (ja) 積層型コイル
JP2003017325A (ja) 積層型金属磁性電子部品及びその製造方法
WO2012144103A1 (ja) 積層型インダクタ素子及び製造方法
US11456109B2 (en) Coil component
KR20110132576A (ko) 다층 회로 캐리어 및 그의 제조 방법
JPH1197256A (ja) 積層型チップインダクタ
JP2001516501A (ja) 低減された寸法と改善された温度特性とを有する平らな巻線構造と低縦断面磁気素子
JP4775174B2 (ja) コイル部品及びその製造方法
JP2006310475A (ja) 積層コイル
JPH04242911A (ja) 電子部品の製造方法
JPH06333743A (ja) 積層チップコイルおよびその製造方法
KR101659212B1 (ko) 인덕터 부품의 제조방법
JP4330850B2 (ja) 薄型コイル部品の製造方法,薄型コイル部品及びそれを使用した回路装置
JPH09260144A (ja) コイル部品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070522