JP3503032B2 - 不活性ガス中の酸素除去方法及び装置 - Google Patents

不活性ガス中の酸素除去方法及び装置

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JP3503032B2
JP3503032B2 JP00666094A JP666094A JP3503032B2 JP 3503032 B2 JP3503032 B2 JP 3503032B2 JP 00666094 A JP00666094 A JP 00666094A JP 666094 A JP666094 A JP 666094A JP 3503032 B2 JP3503032 B2 JP 3503032B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不活性ガス中の酸素除
去方法及び装置に関し、例えば、窒素等の不活性ガス中
に含まれる酸素分をアルコール等の可燃性物質を添加
し、触媒を用いて燃焼除去する技術に関し、詳しくは、
有害な一酸化炭素を取り除きながら酸素除去するもの
で、窒素雰囲気下ではんだ付けを行うはんだ付け装置で
使用されるシールガスの発生等に用いる際に有効な方法
及び装置である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】基板に
電子部品を表面実装するには、基板に形成された銅箔な
どの回路パターンの電極部に電子部品を装着した後、溶
融はんだと接触させるフロー法と、はんだとフラックス
を混合したクリームはんだを使い電子部品をその上に乗
せて熱処理するリフロー法が知られている。
【0003】従来、このようなはんだの加熱処理は、大
気中で行われていたが、大気中にあっては、銅箔等から
なる回路パターンやはんだが加熱により酸化しやすく、
はんだのヌレ性が低下して電子部品を基板に良好に接着
できなくなったり、リフロー法において、クリームはん
だに使用されるフラックスが加熱処理後基板上に残るた
め、このフラックス除去のためフロン洗浄が必要となる
などの問題があった。
【0004】その改善策として、回路パターンやはんだ
が酸化しないように酸素をほとんど含まない窒素ガス雰
囲気中において、加熱処理を行う方法が広く用いられる
ようになってきている。
【0005】窒素ガス雰囲気中の酸素濃度は、0.1容
積%以下(窒素純度99.9容積%に相当)が適当とさ
れている。これに見合う周知の窒素ガスの供給装置とし
ては、圧力変動吸着分離(PSA)式窒素発生装置,膜
式窒素発生装置,液化窒素ガス貯蔵,燃焼式窒素発生装
置等がある。この内,液化窒素ガス貯蔵は、高純度の窒
素(99.9999容積%以上)を容易に入手できる
が、低温貯槽及び蒸発設備を設ける必要があり設備が大
きくなる。また、高圧ガス取締法の適応を受けるので、
設置面積や保安の面ではんだ付け装置用の窒素発生装置
として一般的ではない。
【0006】一方、燃焼式窒素発生装置は、バーナーで
灯油や重油を高温度(1000℃付近)で燃焼させて酸
素含有濃度の低い窒素を発生させる装置であるが、高温
度で燃焼させるため窒素酸化物(NOx)の発生を避け
ることができないなどの問題があり、現在,はんだ付け
装置用の窒素発生装置としては、PSA式窒素発生装
置,膜式窒素発生装置が注目されている。
【0007】しかしながら、上記のようなはんだ付け装
置においては、密閉性が良くないため大気の洩れ込みに
より、はんだ付け装置内の雰囲気中の酸素濃度が増加す
る。そのため、供給窒素ガスの純度は、実際に必要な窒
素雰囲気純度より高純度な99.99容積%や99.9
99容積%が要求される。
【0008】この要求に対し各窒素供給装置には,次の
ような問題点がある。PSA式窒素発生装置では、9
9.99容積%や99.999容積%の窒素ガスを得る
ことが可能であるが、高純度の窒素ガスを得ようとする
と,製品窒素の回収率が低下するため、原料空気の圧縮
機用としてより大きな動力を必要とする。さらに,装置
の設置スペースも大きくなる。
【0009】膜式窒素発生装置では、他の装置に比べて
設備の面でコンパクトであるが、膜性能が未熟であるた
め、単段では高純度の窒素ガスが得られず、また、多段
化すると経済的に高価になる。しかしながら、95〜9
9容積%の純度(酸素濃度で1〜5容積%)なら、十分
に経済性のある窒素ガスが得られるため、さらにこのガ
スを高純度化する方法が求められている。
【0010】上述の問題を解決するため、窒素発生装置
の後段で水素を使った精製装置を通して高純度の窒素ガ
スを得る方法が知られている(特公昭62−22923
号)。ところが、このような水素を用いる精製装置で使
用する水素は、通常、ボンベで供給されるため、定期的
に水素ボンベを交換する必要があり面倒である。一般
に、はんだ付け装置を設置する電子部品工場等で水素ボ
ンベを工場内に設置することは、安全管理の面からも好
ましくない。
【0011】そこで本発明は、水素を用いずに不活性ガ
ス中の酸素を除去するとともに、該酸素除去操作により
生じる一酸化炭素も除去することができる不活性ガス中
の酸素除去方法及び装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の不活性ガス中の酸素除去方法は、水素を
除く可燃性物質を前記不活性ガスに添加して第1の触媒
層に通し、該可燃性物質と酸素とを燃焼反応させて酸素
を除去した後、第1の触媒層通過後の不活性ガスに酸素
含有ガスを添加して第2の触媒層を通し、前記第1の触
媒層での燃焼反応時に発生した不活性ガス中の一酸化炭
素と添加された酸素とを燃焼反応させて一酸化炭素を除
去することを特徴とし、また、本発明の不活性ガス中の
酸素除去装置は、不活性ガス中に水素を除く可燃性物質
を添加する手段と、該添加した可燃性物質と酸素とを燃
焼反応させて酸素を除去する第1の触媒層と、第1の触
媒層通過後の不活性ガスに酸素含有ガスを添加する手段
と、前記第1の触媒層での燃焼反応時に発生した不活性
ガス中の一酸化炭素と添加された酸素とを燃焼反応させ
て一酸化炭素を除去する第2の触媒層とを備えたことを
特徴としている。
【0013】さらに本発明は、上記構成において、前記
不活性ガスが、PSA式窒素発生装置あるいは膜式窒素
発生装置から得られた窒素ガスであり、該窒素ガス中の
酸素濃度が0.1〜5%であること、前記可燃性物質が
アルコールであること、前記第1の触媒層が、触媒とし
て白金,パラジウム等の貴金属、あるいは酸化クロム,
二酸化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化ニッケル等の金
属酸化物を単独あるいはそれらを複数種組み合わせ、も
しくはこれらをゼオライトやアルミナ等に担持したもの
であること、前記第2の触媒層が、触媒としてルテニウ
ム,ロジウム,白金等の貴金属を単独あるいは複数種組
み合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ等に
担持したものであること、該第2の触媒層が、前記触媒
層の後段に、白金,パラジウム等の貴金属、あるいは酸
化クロム,二酸化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化ニッ
ケル等の金属酸化物を単独あるいはそれらを複数種組み
合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ等に担
持した触媒層を備えていること、前記第1の触媒層及び
第2の触媒層が、触媒筒内に区分けして充填され、該区
分け部に前記酸素含有ガスの添加手段が設けられている
こと、前記酸素含有ガスが、精製前の酸素を含んだ不活
性ガス、空気あるいは純酸素であること、前記第2の触
媒層の後段に、精製後のガス中に含まれる炭酸ガス及び
水分の両方あるいは片方を除去する吸着剤あるいはドラ
イヤーが設けられていること、前記精製前の酸素を含ん
だ不活性ガスの流量を測定する流量計及び酸素濃度を測
定する分析計と、該流量計及び分析計の測定値に基づい
て前記可燃性物質の添加量及び酸素含有ガスの添加量を
調整する演算器を備え、前記精製前の酸素を含んだ不活
性ガスの流量及び酸素濃度を測定し、演算器を介して前
記可燃性物質の添加量及び酸素含有ガスの添加量を調整
することを特徴としている。
【0014】
【作 用】本発明の不活性ガス中の酸素除去方法及び装
置は、不活性ガス供給装置から供給される不活性ガス、
例えば、PSA式窒素発生装置や膜式窒素発生装置から
供給される酸素を含有した窒素ガスに水素を除く可燃性
物質を過剰量添加し、第1の触媒層を通して前記不活性
ガス中に含まれる酸素を完全に除去した後、その過剰に
供給した可燃性物質によって発生する水素や一酸化炭素
等を含有する反応ガスに酸素を含有したガス、例えば前
記酸素を含有した窒素ガスの一部を添加して、第2の触
媒層に通して不活性ガス中に含まれる一酸化炭素を除去
する。
【0015】また、不活性ガス供給装置から供給される
不活性ガスの流量あるいは含有酸素濃度が変動する場合
は、不活性ガスの流量及び酸素濃度を検出して、第1の
触媒層の前段で供給する可燃性物質の量を調整し、第1
の触媒層において酸素と反応しない過剰の可燃性物質量
を一定とすることで、第1の触媒層を通過した不活性ガ
ス中の水素や一酸化炭素等を常に一定量とし、その後、
第2の触媒層において、酸素を含んだ不活性ガスの一部
を一定量添加して一酸化炭素を二酸化炭素に変換する。
【0016】すなわち、はんだ付け装置で使用されるシ
ールガスとして酸素をほとんど含まない不活性ガス、例
えば窒素ガスを供給するにあたり、水素を用いずに酸素
を除去する方法として、電子部品の洗浄等で使用してい
るアルコールを水素に代えて酸素含有窒素ガス中に添加
し、このアルコールと酸素とを触媒上で反応させること
により、窒素ガス中の酸素を除去することができる。し
かし、不活性ガス中の酸素を完全に除去しようとする場
合、酸素と反応させるべきアルコール等の可燃性物質
は、化学量論量より幾らか過剰に添加して反応させなけ
ればならない。
【0017】そのため、酸素と可燃性物質が高温で反応
した後、可燃性物質の分解あるいは不完全燃焼によっ
て、水素や一酸化炭素等が発生することがある。これら
の発生量は、可燃性物質の過剰量と反応温度によって増
減するため、特に一酸化炭素については、労働環境の許
容濃度50ppmを上回る可能性がある。
【0018】通常、はんだ付け装置は室内に設置される
ことが多く、不活性ガス中に一酸化炭素が存在すること
は、はんだ付け装置の気密性を向上させなければならな
かったり、少しのリークでも作業環境の悪化を招くな
ど、極めて不都合である。
【0019】上記構成によれば、まず、不活性ガス供給
装置から供給された不活性ガス中に含まれる酸素は、第
1の触媒層で可燃性物質と反応して水や二酸化炭素とな
り完全に除去される。その時過剰に添加された可燃性物
質によって水素や一酸化炭素等が生成されるが、第2の
触媒層において、酸素を含んだガスを必要量添加して、
該ガス中の酸素により優先的に一酸化炭素を二酸化炭素
に酸化して除去する。そして、添加した酸素の内、一酸
化炭素との燃焼反応で未反応となった酸素は、不活性ガ
ス中に共存する水素と反応するので、第2の触媒層に供
給するガス中の酸素量を調整することにより、不活性ガ
ス中の一酸化炭素及び酸素を略完全に除去することがで
きる。
【0020】また、不活性ガス供給装置から供給される
不活性ガスの流量及び酸素濃度を検出し、第1の触媒層
に添加する可燃性物質の量を調整することで、酸素除去
装置で処理する不活性ガスの条件が変動した場合でも、
酸素及び一酸化炭素を十分に除去することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を、図面に示す一実施例に基づ
いてさらに詳細に説明する。図1は、酸素及び一酸化炭
素をほとんど含まない不活性ガスとして窒素ガスをはん
だ付け装置に供給する装置構成の一例を示すものであ
る。PSA式窒素発生装置あるいは膜式窒素発生装置等
の周知の窒素供給装置1において、圧縮機2から供給さ
れる空気を分離して得た原料窒素ガスは、管3から熱交
換器4、管5を経て予熱器6に導入される。管5を流れ
る窒素ガスには、ガス状あるいは液状の可燃性物質が、
液送ポンプ等の周知の方法で流量調整された後、管7を
経て添加される。この可燃性物質は、原料窒素ガス中の
酸素分の除去に必要な化学量論量より僅かに過剰に添加
される。
【0022】可燃性物質が添加された原料窒素ガスは、
予熱器6で電気ヒーター8等により所定温度に加熱され
た後、第1触媒層9に導入される。原料窒素ガス中に含
まれる酸素は、添加された可燃性物質と触媒燃焼反応で
水や二酸化炭素に変換されて除去され、水,二酸化炭素
を含むが、酸素含有量がほとんど無い粗精製窒素ガスと
なって管10に導出される。この時、第1触媒層9が反
応熱によって高温となると、酸素に対して過剰となった
可燃性物質の一部が不完全燃焼あるいは熱分解によっ
て、水素や一酸化炭素等が生成され、上記粗精製ガスに
これらのガスが含まれる。
【0023】第1触媒層9から管10に導出された粗精
製窒素ガスは、その反応熱によって高温となっているの
で、冷却器11で冷却され管12に導出される。
【0024】上記管12の粗精製窒素ガスには、前記管
3から管13に分岐した原料窒素ガスの一部が、酸素量
調節手段である弁14で、添加する酸素の総量が一定と
なるように流量が調整されて導入される(以下、このガ
スを添加酸素ガスという)。新たに酸素を添加された粗
精製窒素ガスは、予熱器15で電気ヒーター16等によ
り所定の温度に再度加熱された後、第2触媒層17に導
入される。粗精製窒素ガスに含まれる酸素は、触媒上で
優先的に一酸化炭素と反応して二酸化炭素に変換して酸
素を除去する。また、一酸化炭素に対して過剰に存在す
る酸素は、水素と反応することで水に変換され、酸素及
び一酸化炭素がほとんど含まれない精製窒素ガスが管1
8に導出される。
【0025】第2触媒層17から管18に導出された精
製窒素ガスは、反応熱によって常温より高い温度となっ
ているので、熱交換器4で前記原料窒素ガスとの熱交換
により冷却され、管19に導出される。さらに水分除去
装置20で水分が除去された後、はんだ付け装置21に
供給される。
【0026】なお、窒素ガス雰囲気中で加熱処理を行う
はんだ付けでは、上記精製窒素ガス中に、水あるいは二
酸化炭素あるいは水素が含まれていても、回路パターン
やはんだが劣化することがないため、これらのガスを含
んだ状態でそのまま使用することが可能であり、水分除
去装置20を通さなくても差し支えない。逆に、必要と
あれば、二酸化炭素除去装置を設けて二酸化炭素を除去
する工程を付加してもよい。さらに、第2触媒層17か
ら導出された精製窒素ガスを熱交換器4で降温させるこ
となく、高温状態のままはんだ付け装置21に供給して
もよい。
【0027】上記原料窒素ガス中の酸素を除去するため
に添加する可燃性物質としては、窒素ガス中の酸素と反
応して水や二酸化炭素を生成する物質であって、気体又
は液体の水素を除く各種物質を用いることができ、例え
ば、メタノール,エタノール,2−プロパノール,ブタ
ノール等のアルコール類をはじめとして、各種のアルデ
ヒド類,ケトン類,エーテル類,炭化水素を用いること
が可能である。
【0028】これらの各種可燃性物質の中で、特にアル
コール類、とりわけエタノールや2−プロパノールは、
はんだ付け装置を設置する電子部品工場等で電子部品の
洗浄用として使われているので、水素ボンベのように新
たに設置する必要もなく、既設の設備を利用できる利点
を有するだけでなく、取扱いも簡単であることから、本
発明で用いる可燃性物質として最も適している。
【0029】また、上記可燃性物質の添加量は、原料窒
素ガス中に含まれる酸素が燃焼反応で水あるいは二酸化
炭素に変換するのに必要十分な量(化学量論量)で良い
が、反応後の酸素を数ppm以下まで完全に除去するこ
とを目的とする場合、僅かに過剰の可燃性物質、例えば
化学量論量に対して5〜20重量%、特に10〜15重
量%程度の可燃性物質を過剰に添加することが好まし
い。
【0030】なお、可燃性物質の添加手段は、用いる可
燃性物質の性状や量等に応じて適宜最適な方法を選択す
ることができ、例えば、液状の可燃性物質を入れた容器
に原料窒素ガスの一部をバブリングさせて可燃性物質を
原料窒素ガス中に同伴させるようにしてもよく、液状の
可燃性物質を液ポンプ等で予熱器6に送り、この予熱器
6で蒸発させて添加してもよい。
【0031】また、前記管3あるいは窒素ガス供給装置
に原料窒素ガス中の酸素濃度および流量を測定するため
の酸素濃度分析計30及び流量計31を設け、これらで
測定した酸素濃度及び流量を演算器32で処理し、供給
されている原料窒素ガス中の酸素を除去するのに必要な
化学量論量に対して僅かに過剰になる可燃性物質の添加
量を算出し、可燃性物質の添加量を弁33で自動調節す
るように構成することもできる。さらに、添加酸素ガス
中の酸素量が、過剰な可燃性物質が原因となって発生す
る一酸化炭素を酸化除去するのに十分な量となるよう
に、上記演算器32で算出された可燃性物質の添加量の
データを参照して前記弁14を自動調節するようにして
もよい。
【0032】一方、前記第1触媒層9に用いる触媒とし
ては、酸素と可燃性物質とを効率良く、かつ、比較的低
温(300℃以下)で反応させることができるものを選
択することが望ましい。このような触媒としては、例え
ば、白金、パラジウム等の貴金属や、酸化クロム,二酸
化マンガン、酸化銅,酸化鉄,酸化ニッケル等の金属酸
化物を挙げることができ、これらを単独あるいは複数種
組み合わせて使用することができる。さらに、触媒の耐
熱性を高めるため、これらの触媒成分を、ゼオライトや
アルミナ等に担持させたものを用いてもよい。
【0033】次に、酸素除去が終了した粗精製窒素ガス
中には、水や二酸化炭素以外に水素や一酸化炭素等の還
元性ガスが含まれる。これらは、過剰に添加した可燃性
物質の不完全燃焼や熱分解によって生成されるものであ
る。もし、この粗精製窒素ガスがはんだ付け装置21に
供給された場合、酸化したはんだの酸素やはんだ付けを
行う炉内の雰囲気ガス中の酸素と還元性ガスが反応する
ことで、はんだのヌレ性を向上させる効果があるが、前
記で述べたように、気密性の良くないはんだ付け装置か
ら雰囲気ガスの一部が漏れることで、労働環境内の一酸
化炭素濃度が著しく増加する危険性を有するので、粗精
製窒素ガス中の一酸化炭素は本装置にて除去する必要が
ある。
【0034】一酸化炭素を除去する方法としては、酸素
によって一酸化炭素を二酸化炭素に変換する方法があ
る。この場合、粗精製窒素ガスに酸素を含んだガスを供
給して反応させればよいが、粗精製窒素ガス中には、通
常、一酸化炭素より多くの水素が存在しているため、相
当量の酸素が水素と反応してしまい、効率良く一酸化炭
素を酸素と反応させることが難しくなる。そこで、水素
と酸素の反応より一酸化炭素と酸素の反応を促進する反
応条件が必要となる。
【0035】一酸化炭素の酸化触媒として様々な触媒が
あるが、その中でも貴金属、好ましくはルテニウム,ロ
ジウム,白金を単独あるいは複数種組み合わせたり、こ
れらをゼオライトやアルミナ等に担持した触媒は、反応
温度が低い条件、常温〜200℃、好ましくは50〜1
50℃において、一酸化炭素の酸化反応が水素の酸化反
応に比べて十分に速く、一酸化炭素を優先的に酸化させ
る触媒としては最適である。
【0036】上記触媒を充填した第2触媒層17におい
て、理論上では、管13から添加される原料窒素ガスの
中の酸素量は,粗精製窒素ガス中の一酸化炭素1モルに
対して0.5モルでよいが、一酸化炭素を完全に除去す
るために、酸素量を0.5モル以上となるように原料窒
素ガスから分岐した添加酸素ガス流量を調節する。さら
に、一酸化炭素と反応しなかった酸素を粗精製窒素ガス
中に含まれる水素と反応させて酸素を確実に除去するた
め、上記触媒層17の後段に反応温度が低い条件でも十
分に水素を酸化することが可能な触媒、例えば、白金,
パラジウム等の貴金属や酸化クロム,二酸化マンガン、
酸化銅,酸化鉄,酸化ニッケル等の金属酸化物を単独あ
るいはそれらを複数種組み合わせたり、これらをゼオラ
イトやアルミナ等に担持した触媒を配することが好まし
い。
【0037】さらに、本実施例では、粗精製窒素ガスに
酸素を添加するための添加酸素ガスとして原料窒素ガス
の一部を用いたので、別に酸素ガスを用意する必要がな
く、低コストで酸素の添加を行うことができるが、酸素
ボンベを用意して純度の高い酸素ガスを使用することも
でき、圧縮空気をはじめとする各種の酸素含有ガスを用
いることが可能である。
【0038】また、図2に示すように、一つの触媒筒4
0内の上流側に第1触媒層9を、下流側に第2触媒層1
7を区分けして充填し、両触媒層9,17の区分け部4
1に前記添加酸素ガスを導入する管13を設けることに
より、装置の簡略化が図れる。このとき、第2触媒層1
7の温度を調整するため、必要に応じて触媒筒40の外
周に冷却ジャケットや加熱ジャケット等の温度調節手段
を設けたり、ガスの一部を区分け部41から抜き出して
冷却器や加熱器を通して温度調節してりすることもでき
る。
【0039】なお、上記実施例では不活性ガスとして多
用されている窒素ガスをはんだ付け装置に供給する例を
挙げて説明したが、他の不活性ガス、例えば、アルゴン
や二酸化炭素等の中の酸素量を調節する際にも適用する
ことが可能である。
【0040】次に、本発明により、可燃性物質として2
−プロパノールを使用して原料窒素ガス(窒素97容積
%、酸素3容積%)から酸素を除去することを、図1に
示した装置を用いて試みた。
【0041】まず、第1触媒層9には、アルミナに白金
を0.5重量%担持した触媒(3〜8メッシュ)を内径
28.4mmのステンレススチール製の管に60g充填
した。また、第2触媒層17には、第1触媒層9と同じ
白金触媒を充填した。ただし、一酸化炭素を酸素で酸化
した後、過剰の酸素を水素と確実に反応させるため、白
金触媒の充填量を倍の120gとした。
【0042】膜式窒素発生装置から得た窒素97容積
%、酸素3容積%の原料窒素ガスに、2−プロパノール
を酸素を除去するために要する化学量論量より10%過
剰に添加した後、150℃に加熱して上記第1触媒層9
に導入した。第1触媒層9から導出された粗精製窒素ガ
スの組成を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】次に、第1触媒層9で生成された一酸化炭
素に対して、2倍のモル比になるように添加酸素ガス量
を調節して管12に導入した後、150℃に加熱して上
記第2触媒層17に導入した。その結果、酸素、一酸化
炭素をほとんど含まない精製窒素ガスを得ることができ
た。第2触媒層17から導出された精製窒素ガスの組成
を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、触媒層
前段において酸素と可燃性物質を反応させて酸素を除去
し、さらに触媒層後段に酸素を含んだガスを注入するこ
とによってガス中の一酸化炭素を反応除去するので、比
較的低純度(例えば95〜99容積%)の窒素ガス供給
装置に触媒層と可燃性物質を添加するシステムを付加す
るだけで、高純度の窒素ガスが連続して得られ、より経
済的で設置スペースも小さくできる。また、屋内に窒素
ガスを使用する装置を設置する場合、有毒な一酸化炭素
がないので装置の気密性をそれほど高度なものとしなく
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すはんだ付け装置用の
酸素除去装置の系統図である。
【図2】 本発明の他の実施例を示す触媒層部分の説明
図である。
【符号の説明】
1…窒素供給装置、4…熱交換器、6,15…予熱器、
8,16…電気ヒーター、9…第1触媒層、11……冷
却器、17…第2触媒層、20…水分除去装置、21…
はんだ付け装置、30…酸素濃度分析計、31…流量
計、32…演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−183705(JP,A) 特開 平6−199505(JP,A) 特開 平6−298504(JP,A) 特開 平7−138007(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/04 C01B 23/00

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガス中に含まれる酸素を除去する
    にあたり、水素を除く可燃性物質を前記不活性ガスに添
    加して第1の触媒層に通し、該可燃性物質と酸素とを燃
    焼反応させて酸素を除去した後、第1の触媒層通過後の
    不活性ガスに酸素含有ガスを添加して第2の触媒層を通
    し、前記第1の触媒層での燃焼反応時に発生した不活性
    ガス中の一酸化炭素と添加された酸素とを燃焼反応させ
    て一酸化炭素を除去することを特徴とする不活性ガス中
    の酸素除去方法。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガスは、圧力変動吸着式窒素
    発生装置あるいは膜式窒素発生装置から得られた窒素ガ
    スであり、該窒素ガス中の酸素濃度が0.1〜5%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の不活性ガス中の酸素
    除去方法。
  3. 【請求項3】 前記可燃性物質がアルコールであること
    を特徴とする請求項1記載の不活性ガス中の酸素除去方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第1の触媒層は、触媒として白金,
    パラジウム等の貴金属、あるいは酸化クロム,二酸化マ
    ンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化ニッケル等の金属酸化物
    を単独あるいはそれらを複数種組み合わせ、もしくはこ
    れらをゼオライトやアルミナ等に担持したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の不活性ガス中の酸素除去
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の触媒層は、触媒としてルテニ
    ウム,ロジウム,白金等の貴金属を単独あるいは複数種
    組み合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ等
    に担持したものであることを特徴とする請求項1記載の
    不活性ガス中の酸素除去方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の触媒層は、請求項5記載の触
    媒層の後段に、白金,パラジウム等の貴金属、あるいは
    酸化クロム,二酸化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化ニ
    ッケル等の金属酸化物を単独あるいはそれらを複数種組
    み合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ等に
    担持した触媒層を備えていることを特徴とする請求項5
    記載の酸素除去方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の触媒層及び第2の触媒層は、
    触媒筒内に区分けして充填され、該区分け部に前記酸素
    含有ガスの添加部が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の不活性ガス中の酸素除去方法。
  8. 【請求項8】 前記酸素含有ガスは、精製前の酸素を含
    んだ不活性ガスであることを特徴とする請求項1記載の
    不活性ガス中の酸素除去方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の触媒層の後段で、精製後のガ
    ス中に含まれる炭酸ガス及び水分の両方あるいは片方を
    吸着剤あるいはドライヤーで除去することを特徴とする
    請求項1記載の不活性ガス中の酸素除去方法。
  10. 【請求項10】 前記精製前の酸素を含んだ不活性ガス
    の流量及び酸素濃度を測定し、演算器を介して前記可燃
    性物質の添加量及び酸素含有ガスの添加量を調整するこ
    とを特徴とする請求項1記載の不活性ガス中の酸素除去
    方法。
  11. 【請求項11】 不活性ガス中に含まれる酸素を除去す
    る装置において、前記不活性ガスに水素を除く可燃性物
    質を添加する手段と、該添加した可燃性物質と酸素とを
    燃焼反応させて酸素を除去する第1の触媒層と、第1の
    触媒層通過後の不活性ガスに酸素含有ガスを添加する手
    段と、前記第1の触媒層での燃焼反応時に発生した不活
    性ガス中の一酸化炭素と添加された酸素とを燃焼反応さ
    せて一酸化炭素を除去する第2の触媒層とを備えたこと
    を特徴とする不活性ガス中の酸素除去装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の触媒層は、触媒として白
    金,パラジウム等の貴金属、あるいは酸化クロム,二酸
    化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸化ニッケル等の金属酸
    化物を単独あるいはそれらを複数種組み合わせ、もしく
    はこれらをゼオライトやアルミナ等に担持したものであ
    ることを特徴とする請求項11記載の不活性ガス中の酸
    素除去装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の触媒層は、触媒としてルテ
    ニウム,ロジウム,白金等の貴金属を単独あるいは複数
    種組み合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ
    等に担持したものであることを特徴とする請求項11記
    載の不活性ガス中の酸素除去装置。
  14. 【請求項14】 前記第2の触媒層は、請求項13記載
    の触媒層の後段に、白金,パラジウム等の貴金属、ある
    いは酸化クロム,二酸化マンガン,酸化銅,酸化鉄,酸
    化ニッケル等の金属酸化物を単独あるいはそれらを複数
    種組み合わせ、もしくはこれらをゼオライトやアルミナ
    等に担持した触媒層を備えていることを特徴とする請求
    項13記載の酸素除去装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の触媒層及び第2の触媒層
    は、触媒筒内に区分けして充填され、該区分け部に前記
    酸素含有ガスの添加手段が設けられていることを特徴と
    する請求項11記載の不活性ガス中の酸素除去装置。
  16. 【請求項16】 前記第2の触媒層の後段に、精製後の
    ガス中に含まれる炭酸ガス及び水分の両方あるいは片方
    を除去する吸着剤あるいはドライヤーを備えていること
    を特徴とする請求項11記載の不活性ガス中の酸素除去
    装置。
  17. 【請求項17】 前記精製前の酸素を含んだ不活性ガス
    の流量を測定する流量計及び酸素濃度を測定する分析計
    と、該流量計及び分析計の測定値に基づいて前記可燃性
    物質の添加量及び酸素含有ガスの添加量を調整する演算
    器を備えていることを特徴とする請求項11記載の不活
    性ガス中の酸素除去装置。
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