JP3499919B2 - ウールタフトカーペット - Google Patents
ウールタフトカーペットInfo
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- binder fiber
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- Multicomponent Fibers (AREA)
- Automatic Embroidering For Embroidered Or Tufted Products (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、品位の良好なウールタ
フトカーペットに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】ウールタフトカーペットのパイルとして
バインダー繊維を混合した紡績糸を用い、熱処理してバ
インダー繊維を溶融してパイルを固定することにより品
位の良好なウールタフトカーペットを製造することが知
られており、過去に幾つかの提案がなされている。例え
ば、特開昭６２−１１７８６９号公報、特開平２−８４
５２０号公報、繊維機械学会誌（第４７巻，第４号，１
０〜１８ページ）等に開示されている。 【０００３】ここで品位の良好なウールタフトカーペッ
トとは以下の点の改良されたカーペットをいっている。 １）ペンシルポイント性の向上：パイルを構成する繊維
がバラバラにならず押さえた時に弾力のある状態になっ
ていること ２）遊び毛の減少：カーペットの表面を擦った時短繊維
が抜けてきにくいこと ３）耐摩耗性の向上 ４）嵩高性、外観変化がしにくくなっていること 従来、上記改良を目的に用いるバインダー繊維としては
ポリアミド系あるいはポリエステル系のものを用いるこ
とが知られてきた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】従来、ポリアミド系の
バインダー繊維はウールタフトカーペットの品位の向上
の点からは良好なものであるが低融点ポリアミド自体高
価なものであり経済性の面で利用が制限されてきた。ま
た、ポリエステル系のバインダー繊維は上記品位の向上
は図れるものの、風合いが硬めに仕上がること、繊維状
のポリエステルが多少残るためウールのベストブレンド
表示（ウールとナイロン２０％以下のブレンド）ができ
ないことといった不都合があった。 【０００５】本発明はこのような従来のバインダー繊維
を含むウールタフトカーペットの問題点を解消し、経済
的に、ソフトで品位の良好なウールタフトカーペットを
提供しようとするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来知られていない
全く新しいタイプのバインダー繊維を用いれば前記課題
を解決しうることを見いだし本発明に到達した。 【０００７】すなわち、本発明は、カットパイルおよび
／またはループパイルを有するウールタフトカーペット
であって、芯部に融点１７０℃以上の高融点ポリアミ
ド、鞘部に融点１００℃以上、１３０℃以下のポリエチ
レンテレフタレート／イソフタレート共重合低融点ポリ
エステルを配した芯鞘複合バインダー繊維とウールを主
体とする短繊維からなり、バインダー繊維の混紡率が２
〜２０重量％で、かつバインダー繊維で熱融着している
紡績糸でパイルが形成されていることを特徴とするウー
ルタフトカーペットを要旨とするものである。 【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。 【０００９】本発明に用いるバインダー繊維は、芯が融
点１７０℃以上の高融点ポリアミド、鞘が融点１００℃
以上、１３０℃以下のポリエチレンテレフタレート／イ
ソフタレート共重合低融点ポリエステルよりなるもので
ある。 【００１０】本発明に用いるバインダー繊維の芯部に配
するポリアミドは融点１７０℃以上である必要がある。
このようなポリアミドとしては、ナイロン６やナイロン
６６等が挙げられる。融点が１７０℃に満たない場合、
コストが高くなることや熱融着工程で繊維形態を失い、
充分な品位の向上効果がなくなることがあり不都合であ
る。 【００１１】鞘部に配する低融点ポリエステルとして
は、融点１００〜１３０℃のポリエチレンテレフレート
／イソフタレート共重合物であり、安価で取扱いやすく
好ましい。融点が１３０℃を越えるようなものでは熱接
着加工温度が高くなりすぎ、ウール自体が劣化すること
があり好ましくない。 【００１２】バインダー繊維としては、丸断面や異型断
面で低融点ポリエステルが単繊維の表面の一部〜全部を
形成している芯鞘型、海島型の複合繊維等があげられ
る。これらのうち、芯鞘型で芯がナイロン６、鞘がポリ
エチレンテレフタレート／イソフタレートの複合繊維
が、低コストおよび風合の柔らかさの点と接着強力の高
さの観点より好ましい。 【００１３】バインダー繊維の繊度は特に限定するもの
ではないが、２〜２０デニールが適当である。 【００１４】本発明に用いる紡績糸は芯鞘タイプのバイ
ンダー繊維をウールを主体とする短繊維に対し２〜２０
重量％用いたものである。バインダー繊維の混紡率が２
％に満たない場合、熱融着による品位の向上効果が不十
分である。また同じく混紡率が２０％を越えると熱融着
後、硬くなりすぎ本発明の目的は達成できない。 【００１５】主体繊維としてはウールを用いるが、１０
〜２０重量％の割合で汎用のナイロン６、ナイロン６６
短繊維を併用しても良い。この場合耐摩耗性の更なる向
上が期待できる。 【００１６】バインダー繊維とウールとの混合紡績糸は
通常の紡毛式、梳毛式、セミ梳毛式のいずれの方法でも
よい。バインダー繊維とウールの混紡は綿の状態で混ぜ
る方法のほか、バインダー繊維１００％でスライバーを
作っておき、ギル工程等でウールのスライバーと混合し
てもよい。 【００１７】本発明に用いる紡績糸の熱融着加工は紡績
糸の染色工程〜カーペットのバッキング剤の熱処理工程
までのいずれの工程で行ってもよいが紡績糸をスペルバ
ーなどの連続熱処理機で短時間に処理する方法がウール
を劣化させずに充分熱融着できる点で好ましい。 【００１８】本発明のウールタフトカーペットは、バイ
ンダー繊維とウールとの混合紡績糸をパイル糸として用
いて、タフティングマシンにてカットパイルおよび／ま
たはループパイルを形成し、染色工程、バッキング工
程、バッキング剤の熱処理工程を経て得ることができ
る。 【００１９】 【作用】本発明のウールタフトカーペットに用いるバイ
ンダー繊維は芯成分の融点を鞘成分より４０℃以上高融
点として鞘成分のみを熱融着加工し、芯成分のポリアミ
ドを繊維状に残したものである。この場合繊維状に残る
ポリアミドの作用で耐摩耗性が向上し、溶融した低融点
ポリエステルの融着効果によってペンシルポイント性の
向上、遊び毛の防止、外観変化のしにくさなどの品位の
向上があらわれる。 【００２０】 【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。 【００２１】(1) 融点 結晶融点を有するポリマーの融点はパーキンエルマー社
製の示差走査熱量計ＤＳＣ−２型を使用するＤＳＣ法に
より、昇温速度２０℃／分で測定した。 【００２２】また、ＤＳＣ法で結晶融点を有さない非結
晶のポリマーの融点はホットステージ付き顕微鏡を用い
目視法で測定した。特記しない限り融点はＤＳＣ法によ
るものである。 【００２３】(2) ペンシルポイント性 １０人のパネラーがウールタフトカーペットを掌でおさ
えることによる官能試験により、次の３段階で評価し
た。 【００２４】１：適度で良好 ２：普通 ３：ペン
シルポイント性不足 ０：硬くなりすぎて不良 (3) 耐摩耗性、外観変化のしにくさ ウールタフトカーペットの上の１か所に７０℃の湯を２
０ｃｃ滴下し、直後にナイロン布で強く１０回こすり、
その後タフト部の繊維のバラケ度合いを観察して次の３
段階で評価した。 【００２５】１：変化が少なく良好 ２：普通
３：変化が著しく不良 実施例１ ナイロン６チップ（融点２１５℃）と、ポリエチレンテ
レフタレート／イソフタレート共重合ポリエステル（目
視法による融点１１０℃、テレフタル酸／イソフタル酸
モル比６／４）のチツプを減圧乾燥した。その後、通常
の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、ナイロン６を芯
部に、ポリエチレンテレフタレート／イソフタレート共
重合ポリエステルを鞘部に配し、複合比（重量比）を
１：１とし、紡糸温度を２６０℃、総吐出量を４１０ｇ
／分として複合溶融紡糸した。紡出糸条を冷却した後引
取速度１０００ｍ／分で引き取って未延伸繊維糸条を得
た。 【００２６】得られた糸条を集束し、１０万デニールの
トウにして、延伸倍率３．５、延伸温度６０℃で延伸
し、押し込み式クリンパを使用して捲縮を付与した後、
長さ５１ｍｍに切断して、単糸繊度４デニールの芯鞘型
複合バインダー繊維を得た。 【００２７】得られたバインダー繊維とナイロン６繊維
（４デニール、５１ｍｍカット長）およびニュージーラ
ンド産のクロスブレッドウールを１０：１０：８０の重
量割合（ナイロンとウールはベージュ色に綿染したも
の）で混綿し、紡毛式により紡績後、撚糸して撚り数：
ｓ１６０／ｚ２３０、番手２／４．０Ｎｍの紡績糸を得
た。 【００２８】得られた紡績糸をスペルバ連続熱処理機で
１３０℃、３０秒間熱接着加工した。この糸を用い、１
／８in. ゲージのタフティングマシンにてパイル高１０
mm、３０５スティッチ／ｍでカットパイルカーペット構
造にタフトティングした。さらにジュート二次裏地の積
層を含むラテックスバッキングをして本発明のカットパ
イルを有するウールタフトカーペットを得た。 【００２９】得られたウールタフトカーペットはペンシ
ルポイント性１と良好で、耐摩耗性、外観変化のしにく
さも１と良好であった。 【００３０】実施例２〜５および比較例１〜２ 実施例１において用いたバインダー繊維の混紡率を変え
ること以外は実施例１と同様にして実施した。なおバイ
ンダー繊維の増減した分はウールで補った。結果を表１
に示す。 【００３１】 【表１】 【００３２】表１に示すようにバインダー繊維の混紡率
が２〜２０重量％の場合、結果は良好であるが、混紡率
が２重量％に満たない場合品位の良好な製品が得られな
い。 【００３３】また２０重量％を越える場合、パイルが硬
くなり過ぎる結果となり好ましくない。 【００３４】実施例６ 実施例１において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、目視法による融点が１２５℃のテレフタル酸／イ
ソフタル酸モル比＝６．５／３．５の共重合ポリエステ
ルチップを用い、バインダー繊維とウールを１０：９０
の割合とし、スペルバ連続熱処理機の条件を１４０℃、
３０秒間とすること以外は実施例１と同様にして実施し
た。 【００３５】得られたカーペットはペンシルポイント性
１と良好、耐摩耗性、外観変化のしにくさも１と良好で
あった。 【００３６】比較例３ 実施例１において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、目視法による融点が１６０℃のテレフタル酸／イ
ソフタル酸モル比＝７．５／２．５の共重合ポリエステ
ルチップを用いることとスペルバ連続熱処理機の条件を
１７０℃、３０秒間とすること以外は実施例６と同様に
して実施した。 【００３７】熱処理後の紡績糸中のウールの変色が激し
く、紡績糸の強力が実施例６の場合の半分になっていた
のでカーペットの作成は断念した。 【００３８】 【発明の効果】本発明のウールタフトカーペットは新規
なバインダー繊維でパイルが熱融着されているため、ペ
ンシルポイント性が良好で、遊び毛が少なく嵩高性や外
観が変化しにくく耐摩耗性の向上した品位の良好な製品
を得ることができる。
フトカーペットに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】ウールタフトカーペットのパイルとして
バインダー繊維を混合した紡績糸を用い、熱処理してバ
インダー繊維を溶融してパイルを固定することにより品
位の良好なウールタフトカーペットを製造することが知
られており、過去に幾つかの提案がなされている。例え
ば、特開昭６２−１１７８６９号公報、特開平２−８４
５２０号公報、繊維機械学会誌（第４７巻，第４号，１
０〜１８ページ）等に開示されている。 【０００３】ここで品位の良好なウールタフトカーペッ
トとは以下の点の改良されたカーペットをいっている。 １）ペンシルポイント性の向上：パイルを構成する繊維
がバラバラにならず押さえた時に弾力のある状態になっ
ていること ２）遊び毛の減少：カーペットの表面を擦った時短繊維
が抜けてきにくいこと ３）耐摩耗性の向上 ４）嵩高性、外観変化がしにくくなっていること 従来、上記改良を目的に用いるバインダー繊維としては
ポリアミド系あるいはポリエステル系のものを用いるこ
とが知られてきた。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】従来、ポリアミド系の
バインダー繊維はウールタフトカーペットの品位の向上
の点からは良好なものであるが低融点ポリアミド自体高
価なものであり経済性の面で利用が制限されてきた。ま
た、ポリエステル系のバインダー繊維は上記品位の向上
は図れるものの、風合いが硬めに仕上がること、繊維状
のポリエステルが多少残るためウールのベストブレンド
表示（ウールとナイロン２０％以下のブレンド）ができ
ないことといった不都合があった。 【０００５】本発明はこのような従来のバインダー繊維
を含むウールタフトカーペットの問題点を解消し、経済
的に、ソフトで品位の良好なウールタフトカーペットを
提供しようとするものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来知られていない
全く新しいタイプのバインダー繊維を用いれば前記課題
を解決しうることを見いだし本発明に到達した。 【０００７】すなわち、本発明は、カットパイルおよび
／またはループパイルを有するウールタフトカーペット
であって、芯部に融点１７０℃以上の高融点ポリアミ
ド、鞘部に融点１００℃以上、１３０℃以下のポリエチ
レンテレフタレート／イソフタレート共重合低融点ポリ
エステルを配した芯鞘複合バインダー繊維とウールを主
体とする短繊維からなり、バインダー繊維の混紡率が２
〜２０重量％で、かつバインダー繊維で熱融着している
紡績糸でパイルが形成されていることを特徴とするウー
ルタフトカーペットを要旨とするものである。 【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。 【０００９】本発明に用いるバインダー繊維は、芯が融
点１７０℃以上の高融点ポリアミド、鞘が融点１００℃
以上、１３０℃以下のポリエチレンテレフタレート／イ
ソフタレート共重合低融点ポリエステルよりなるもので
ある。 【００１０】本発明に用いるバインダー繊維の芯部に配
するポリアミドは融点１７０℃以上である必要がある。
このようなポリアミドとしては、ナイロン６やナイロン
６６等が挙げられる。融点が１７０℃に満たない場合、
コストが高くなることや熱融着工程で繊維形態を失い、
充分な品位の向上効果がなくなることがあり不都合であ
る。 【００１１】鞘部に配する低融点ポリエステルとして
は、融点１００〜１３０℃のポリエチレンテレフレート
／イソフタレート共重合物であり、安価で取扱いやすく
好ましい。融点が１３０℃を越えるようなものでは熱接
着加工温度が高くなりすぎ、ウール自体が劣化すること
があり好ましくない。 【００１２】バインダー繊維としては、丸断面や異型断
面で低融点ポリエステルが単繊維の表面の一部〜全部を
形成している芯鞘型、海島型の複合繊維等があげられ
る。これらのうち、芯鞘型で芯がナイロン６、鞘がポリ
エチレンテレフタレート／イソフタレートの複合繊維
が、低コストおよび風合の柔らかさの点と接着強力の高
さの観点より好ましい。 【００１３】バインダー繊維の繊度は特に限定するもの
ではないが、２〜２０デニールが適当である。 【００１４】本発明に用いる紡績糸は芯鞘タイプのバイ
ンダー繊維をウールを主体とする短繊維に対し２〜２０
重量％用いたものである。バインダー繊維の混紡率が２
％に満たない場合、熱融着による品位の向上効果が不十
分である。また同じく混紡率が２０％を越えると熱融着
後、硬くなりすぎ本発明の目的は達成できない。 【００１５】主体繊維としてはウールを用いるが、１０
〜２０重量％の割合で汎用のナイロン６、ナイロン６６
短繊維を併用しても良い。この場合耐摩耗性の更なる向
上が期待できる。 【００１６】バインダー繊維とウールとの混合紡績糸は
通常の紡毛式、梳毛式、セミ梳毛式のいずれの方法でも
よい。バインダー繊維とウールの混紡は綿の状態で混ぜ
る方法のほか、バインダー繊維１００％でスライバーを
作っておき、ギル工程等でウールのスライバーと混合し
てもよい。 【００１７】本発明に用いる紡績糸の熱融着加工は紡績
糸の染色工程〜カーペットのバッキング剤の熱処理工程
までのいずれの工程で行ってもよいが紡績糸をスペルバ
ーなどの連続熱処理機で短時間に処理する方法がウール
を劣化させずに充分熱融着できる点で好ましい。 【００１８】本発明のウールタフトカーペットは、バイ
ンダー繊維とウールとの混合紡績糸をパイル糸として用
いて、タフティングマシンにてカットパイルおよび／ま
たはループパイルを形成し、染色工程、バッキング工
程、バッキング剤の熱処理工程を経て得ることができ
る。 【００１９】 【作用】本発明のウールタフトカーペットに用いるバイ
ンダー繊維は芯成分の融点を鞘成分より４０℃以上高融
点として鞘成分のみを熱融着加工し、芯成分のポリアミ
ドを繊維状に残したものである。この場合繊維状に残る
ポリアミドの作用で耐摩耗性が向上し、溶融した低融点
ポリエステルの融着効果によってペンシルポイント性の
向上、遊び毛の防止、外観変化のしにくさなどの品位の
向上があらわれる。 【００２０】 【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例に記述した諸物性の評価法は、次のと
おりである。 【００２１】(1) 融点 結晶融点を有するポリマーの融点はパーキンエルマー社
製の示差走査熱量計ＤＳＣ−２型を使用するＤＳＣ法に
より、昇温速度２０℃／分で測定した。 【００２２】また、ＤＳＣ法で結晶融点を有さない非結
晶のポリマーの融点はホットステージ付き顕微鏡を用い
目視法で測定した。特記しない限り融点はＤＳＣ法によ
るものである。 【００２３】(2) ペンシルポイント性 １０人のパネラーがウールタフトカーペットを掌でおさ
えることによる官能試験により、次の３段階で評価し
た。 【００２４】１：適度で良好 ２：普通 ３：ペン
シルポイント性不足 ０：硬くなりすぎて不良 (3) 耐摩耗性、外観変化のしにくさ ウールタフトカーペットの上の１か所に７０℃の湯を２
０ｃｃ滴下し、直後にナイロン布で強く１０回こすり、
その後タフト部の繊維のバラケ度合いを観察して次の３
段階で評価した。 【００２５】１：変化が少なく良好 ２：普通
３：変化が著しく不良 実施例１ ナイロン６チップ（融点２１５℃）と、ポリエチレンテ
レフタレート／イソフタレート共重合ポリエステル（目
視法による融点１１０℃、テレフタル酸／イソフタル酸
モル比６／４）のチツプを減圧乾燥した。その後、通常
の複合溶融紡糸装置を使用して溶融し、ナイロン６を芯
部に、ポリエチレンテレフタレート／イソフタレート共
重合ポリエステルを鞘部に配し、複合比（重量比）を
１：１とし、紡糸温度を２６０℃、総吐出量を４１０ｇ
／分として複合溶融紡糸した。紡出糸条を冷却した後引
取速度１０００ｍ／分で引き取って未延伸繊維糸条を得
た。 【００２６】得られた糸条を集束し、１０万デニールの
トウにして、延伸倍率３．５、延伸温度６０℃で延伸
し、押し込み式クリンパを使用して捲縮を付与した後、
長さ５１ｍｍに切断して、単糸繊度４デニールの芯鞘型
複合バインダー繊維を得た。 【００２７】得られたバインダー繊維とナイロン６繊維
（４デニール、５１ｍｍカット長）およびニュージーラ
ンド産のクロスブレッドウールを１０：１０：８０の重
量割合（ナイロンとウールはベージュ色に綿染したも
の）で混綿し、紡毛式により紡績後、撚糸して撚り数：
ｓ１６０／ｚ２３０、番手２／４．０Ｎｍの紡績糸を得
た。 【００２８】得られた紡績糸をスペルバ連続熱処理機で
１３０℃、３０秒間熱接着加工した。この糸を用い、１
／８in. ゲージのタフティングマシンにてパイル高１０
mm、３０５スティッチ／ｍでカットパイルカーペット構
造にタフトティングした。さらにジュート二次裏地の積
層を含むラテックスバッキングをして本発明のカットパ
イルを有するウールタフトカーペットを得た。 【００２９】得られたウールタフトカーペットはペンシ
ルポイント性１と良好で、耐摩耗性、外観変化のしにく
さも１と良好であった。 【００３０】実施例２〜５および比較例１〜２ 実施例１において用いたバインダー繊維の混紡率を変え
ること以外は実施例１と同様にして実施した。なおバイ
ンダー繊維の増減した分はウールで補った。結果を表１
に示す。 【００３１】 【表１】 【００３２】表１に示すようにバインダー繊維の混紡率
が２〜２０重量％の場合、結果は良好であるが、混紡率
が２重量％に満たない場合品位の良好な製品が得られな
い。 【００３３】また２０重量％を越える場合、パイルが硬
くなり過ぎる結果となり好ましくない。 【００３４】実施例６ 実施例１において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、目視法による融点が１２５℃のテレフタル酸／イ
ソフタル酸モル比＝６．５／３．５の共重合ポリエステ
ルチップを用い、バインダー繊維とウールを１０：９０
の割合とし、スペルバ連続熱処理機の条件を１４０℃、
３０秒間とすること以外は実施例１と同様にして実施し
た。 【００３５】得られたカーペットはペンシルポイント性
１と良好、耐摩耗性、外観変化のしにくさも１と良好で
あった。 【００３６】比較例３ 実施例１において用いた共重合ポリエステルチツプに替
えて、目視法による融点が１６０℃のテレフタル酸／イ
ソフタル酸モル比＝７．５／２．５の共重合ポリエステ
ルチップを用いることとスペルバ連続熱処理機の条件を
１７０℃、３０秒間とすること以外は実施例６と同様に
して実施した。 【００３７】熱処理後の紡績糸中のウールの変色が激し
く、紡績糸の強力が実施例６の場合の半分になっていた
のでカーペットの作成は断念した。 【００３８】 【発明の効果】本発明のウールタフトカーペットは新規
なバインダー繊維でパイルが熱融着されているため、ペ
ンシルポイント性が良好で、遊び毛が少なく嵩高性や外
観が変化しにくく耐摩耗性の向上した品位の良好な製品
を得ることができる。
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(56)参考文献 特開 平５−5266（ＪＰ，Ａ)
特開 平４−194026（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−84520（ＪＰ，Ａ)
特開 平４−174729（ＪＰ，Ａ)
特開 昭62−117869（ＪＰ，Ａ)
特開 昭60−224831（ＪＰ，Ａ)
特開 平１−174625（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−277820（ＪＰ，Ａ)
特開 平３−33217（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−321035（ＪＰ，Ａ)
特公 平１−30937（ＪＰ，Ｂ２)
特公 昭63−47806（ＪＰ，Ｂ１)
特公 昭61−52253（ＪＰ，Ｂ１)
特公 平１−12860（ＪＰ，Ｂ２)
特公 平２−38701（ＪＰ，Ｂ２)
実公 昭40−31720（ＪＰ，Ｙ１)
徳森文之，ウールカーペットの技術・
商品動向，繊維機械学会誌，日本，日本
繊維機械学会，1994年 ４月25日，第47
巻第４号，152−160
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
D05C 17/02
D02G 3/04
D01F 8/14
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 カットパイルおよび／またはループパイ
ルを有するウールタフトカーペットであって、芯部に融
点１７０℃以上の高融点ポリアミド、鞘部に融点１００
℃以上、１３０℃以下のポリエチレンテレフタレート／
イソフタレート共重合低融点ポリエステルを配した芯鞘
複合バインダー繊維とウールを主体とする短繊維からな
り、バインダー繊維の混紡率が２〜２０重量％で、かつ
バインダー繊維で熱融着している紡績糸でパイルが形成
されていることを特徴とするウールタフトカーペット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14786294A JP3499919B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | ウールタフトカーペット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14786294A JP3499919B2 (ja) | 1994-06-29 | 1994-06-29 | ウールタフトカーペット |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0813315A JPH0813315A (ja) | 1996-01-16 |
| JP3499919B2 true JP3499919B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=15439937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-06-29 JP JP14786294A patent/JP3499919B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 徳森文之，ウールカーペットの技術・商品動向，繊維機械学会誌，日本，日本繊維機械学会，１９９４年 ４月２５日，第４７巻第４号，１５２−１６０ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0813315A (ja) | 1996-01-16 |
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