JP2952892B2 - 熱バインダー繊維 - Google Patents
熱バインダー繊維Info
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Description
【産業上の利用分野】 本発明は不織布、織布あるいは編布などの繊維集合体
に混繊して繊維間を接着固定するのに使用する熱バイン
ダー繊維であって、繊維集合体に色彩変化を与え、光沢
むらを無くし、優れた隠蔽効果を付与するために好適に
用いられる熱バインダー繊維に関するものである。
に混繊して繊維間を接着固定するのに使用する熱バイン
ダー繊維であって、繊維集合体に色彩変化を与え、光沢
むらを無くし、優れた隠蔽効果を付与するために好適に
用いられる熱バインダー繊維に関するものである。
従来、熱バインダー繊維には多くの提案がなされてい
る。例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの剥離性複
合繊維が特公昭52−4653号公報に、結晶性ポリプロピレ
ンからなる第一成分と、ポリエチレンあるいはエチレン
酢酸ビニルコポリマーまたはその鹸化物とポリエチレン
のポリマー混合物からなる第二成分とを、並列型または
鞘芯型に配設した熱融着性複合繊維が特公昭55−482号
公報、特公昭55−17807号公報、特公昭55−26209号公
報、特公昭55−27174号公報に、熱溶融性無水ポリビニ
ルアルコールと疎水性熱可塑性樹脂とを混合し、溶融紡
糸して得た熱可塑性繊維をバインダー繊維とすることが
特公昭58−9163号公報に、線状低密度ポリエチレン
（Ａ）を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンと（Ａ）の
混合体を芯成分とした芯鞘型熱接着繊維が特開昭63−24
3324号公報に、さらに熱可塑性ポリエステルと低軟化熱
可塑性ポリエステルとを、４層以上に張り合わせた自己
融着性ポリエステル複合繊維が特開昭63−243325号公報
に提案されている。
る。例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの剥離性複
合繊維が特公昭52−4653号公報に、結晶性ポリプロピレ
ンからなる第一成分と、ポリエチレンあるいはエチレン
酢酸ビニルコポリマーまたはその鹸化物とポリエチレン
のポリマー混合物からなる第二成分とを、並列型または
鞘芯型に配設した熱融着性複合繊維が特公昭55−482号
公報、特公昭55−17807号公報、特公昭55−26209号公
報、特公昭55−27174号公報に、熱溶融性無水ポリビニ
ルアルコールと疎水性熱可塑性樹脂とを混合し、溶融紡
糸して得た熱可塑性繊維をバインダー繊維とすることが
特公昭58−9163号公報に、線状低密度ポリエチレン
（Ａ）を鞘成分とし、結晶性ポリプロピレンと（Ａ）の
混合体を芯成分とした芯鞘型熱接着繊維が特開昭63−24
3324号公報に、さらに熱可塑性ポリエステルと低軟化熱
可塑性ポリエステルとを、４層以上に張り合わせた自己
融着性ポリエステル複合繊維が特開昭63−243325号公報
に提案されている。
しかしながら、従来の芯鞘型複合繊維の製造技術にお
いて、積極的に顔料を添加し、最終的に得られる不織布
等の繊維製品の隠蔽性等を向上させようという提案は殆
どなされていなかった。 特に、従来の熱バインダー繊維においてはポリマー素
材として透明な熱可塑性ポリマーが使用されてきたた
め、用途によっては不都合な点があった。例えば、衛生
材用フエーシング不織布では、フエーシング不織布の構
成繊維の主体が合成繊維であるために、透明度が高く、
それがために内部の吸収体が透けて見えて、しばしば、
不快感を抱くことがあった。 また、繊維集合体の主体繊維と熱バインダー繊維の成
分が染色挙動を異にするために、製品に色むら、光沢む
らを生ずるという欠点を有しており、更に、色彩を与え
ることによりアクツシヨン性を向上させたり、白度を向
上させて清潔感を増すという点について充分な検討がな
されていなかった。 本発明の目的は、上記の如き従来の熱バインダー繊維
が有していた欠点を取り除き、繊維集合体の色斑、光沢
斑を抑え、かつ優れた隠蔽効果を与える熱バインダー繊
維を提供することである。
いて、積極的に顔料を添加し、最終的に得られる不織布
等の繊維製品の隠蔽性等を向上させようという提案は殆
どなされていなかった。 特に、従来の熱バインダー繊維においてはポリマー素
材として透明な熱可塑性ポリマーが使用されてきたた
め、用途によっては不都合な点があった。例えば、衛生
材用フエーシング不織布では、フエーシング不織布の構
成繊維の主体が合成繊維であるために、透明度が高く、
それがために内部の吸収体が透けて見えて、しばしば、
不快感を抱くことがあった。 また、繊維集合体の主体繊維と熱バインダー繊維の成
分が染色挙動を異にするために、製品に色むら、光沢む
らを生ずるという欠点を有しており、更に、色彩を与え
ることによりアクツシヨン性を向上させたり、白度を向
上させて清潔感を増すという点について充分な検討がな
されていなかった。 本発明の目的は、上記の如き従来の熱バインダー繊維
が有していた欠点を取り除き、繊維集合体の色斑、光沢
斑を抑え、かつ優れた隠蔽効果を与える熱バインダー繊
維を提供することである。
本発明は、融点が150℃以上の熱可塑性ポリマーを芯
成分とし、芯成分の融点より少なくとも30℃低い融点を
有する熱可塑性ポリマーを鞘成分とする顔料含有芯鞘型
複合構造の熱バインダー繊維において、該顔料が、熱バ
インダー繊維の鞘成分に０〜５重量％含有され、芯成分
に０〜５重量％含有され、かつ熱バインダー繊維中の総
顔料含有量が0.5〜10重量％であることを特徴とする熱
バインダー繊維である。 本発明の融点150℃以上の熱可塑性ポリマーを芯成分
とし、芯成分の融点より少なくとも30℃低い融点を有す
る熱可塑性ポリマーを鞘成分とした芯鞘型複合構造の熱
バインダー繊維において、芯成分の熱可塑性ポリマー
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、少なくとも85モル％がエチレンテレ
フタレートであるエチレンテレフタレート共重合体など
のポリエステル、６−ナイロン、66−ナイロン、610−
ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのポリオレフ
インなどの群から選ばれた熱可塑性ポリマーである。そ
して、この熱可塑性ポリマーには、ポリマーの重量に対
して顔料を０〜５重量％を含有させる。顔料の含有量は
最終繊維の形態あるいは繊度と繊維集合体の厚さ（目
付）によって決められる。すなわち、繊度が小さく繊維
集合体の厚みが薄い場合には添加量を多くする。しか
し、顔料の添加量が５重量％を越えて多くなると繊維性
能が低下し、繊維集合体の物性を損なう場合がある。ま
た、芯成分への顔料の添加量が少ないと繊維集合体の隠
蔽効果が低下するので、その場合は鞘成分への顔料添加
量を増すことが好ましい。 また、鞘成分の熱可塑性ポリマーは、芯成分の熱可塑
性ポリマーの融点よりもすくなくとも30℃低い融点を有
するポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレンとプロピレン、ブテン、オクテン等の
オレフイン化合物との共重合体、エチレン酢酸ビニル共
重合体、エチレンビニルアルコール共重合体などのポリ
オレフイン、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメ
チレンテレフタレートイソフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートイソフタレートなどのポリエステルの群か
ら選ばれた熱可塑性ポリマーの少なくとも一種類のポリ
マーである。特に好ましいポリマーは、測定温度190℃
におけるメルトフローレートが10〜40g/10分の高流動性
ポリマーである。鞘成分ポリマーの溶融温度が高くな
り、メルトフローレートが小さいポリマーになると、接
着強力が十分でなく、繊維間の固定が十分なものとなら
ない。そのため、繊維集合体の形態保持性の悪い繊維製
品になり好ましいものではない。この熱可塑性ポリマー
には、染色時の色むら、光沢むらを生じさせないで、隠
蔽効果を付与するために顔料を含有させることが好まし
い。顔料の含有量は０〜５重量％の範囲である。この顔
料の含有量は最終繊維集合体の形態とその厚さ（目付）
によって決められる。すなわち、繊維集合体の厚みが薄
い場合には添加量が多くする。しかし、顔料の添加量が
５重量％を越えて多くなると繊維間のバインダー効果が
低下し、繊維集合体の物性を損なう場合がある。逆に、
添加量が少ないと隠蔽効果が充分発揮できなくなるの
で、そのような場合は芯成分に対する添加量で調整すれ
ばよい。 本発明においては、良好な隠蔽効果が達成されさえす
れば芯又は鞘のどちらかの成分だけに顔料が配合されて
いればよいが、このような場合は片方の成分に比較的多
量の顔料を添加することになり、紡糸性が損われないよ
うに配慮しなければならない。又、隠蔽効果だけを改善
しようとすれば鞘成分に顔料を添加した方が効率的であ
るが、反面、バインダー効果の低下や、最終的に得られ
る繊維集合体の肌ざわりや風合が低下する傾向があるの
で、要求特性に応じてその添加方法、量等を適切に選ぶ
ことが望まれる。そして、本発明においては、熱バイン
ダー繊維中の総顔料含有量として0.5〜10重量％好まし
くは、２〜６重量％になるような添加の仕方が必要であ
る。添加量が少な過ぎると隠蔽効果が発揮されず、多過
ぎても繊維物性、紡糸性等の低下を招きやすい。 また、本発明の熱バインダー繊維は、芯鞘構造を有し
ているため芯と鞘に各々異色の顔料を添加することによ
り色彩性に変化を与えることも可能である。さらに、熱
バインダー繊維の製造時に、芯成分および／または鞘成
分には必要に応じて添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、蛍光増白剤、安定剤などから選ばれた添加剤
を添加することもよい。 本発明の熱バインダー繊維に添加する顔料としては、
光沢むらを抑え、隠蔽効果を付与するために不透明顔料
を使用することが好ましい。使用する顔料は、例えば、
二酸化チタン、酸化アンチモン、カーボンブラック、チ
タン黄、酸化鉄系、酸化コバルト錯体、呉須などの無機
系顔料、フタロシアニン系、アゾ系などの有機系顔料か
ら、所望する繊維製品の色調に合わせて選ばれた少なく
とも１種類の不透明顔料である。また、繊維製品の白度
と隠蔽効果を高め、光沢むらの抑制が主体のものでは二
酸化チタンが好ましい。 次に、本発明の熱バインダー繊維の製造法は、通常の
芯鞘型複合紡糸装置で紡糸して得られる。紡糸して得た
複合繊維は通常の手段で延伸、固定処理などの処理を行
って、単繊維繊度１〜10デニールの芯鞘型複合繊維とす
る。また、芯鞘型複合繊維中に占める芯成分ポリマー量
は35〜65重量％であり、芯成分の数は１芯あるいは２〜
５芯であつてもよい。更に、熱バインダー繊維中の芯成
分の断面形状は通常の円形であってもよいし、光反射性
を利用した隠蔽効果を付与するために、芯繊維形状を異
形断面としてもよい。異形断面形状としては、例えば、
楕円型、三角型、海星型など、偏平型や多角形型から任
意に選ばれた形状のものである。 本発明の熱バインダー繊維が適用できる繊維集合体と
しては、例えば、織物、編物あるいは繊維立毛織物、繊
維立毛編物などの布帛、各種の不織布（繊維ウエブ、繊
維絡合不織布、ステツチボンド不織布、繊維塊など）
又、湿式抄紙から得られる紙などである。これら繊維集
合体を構成する繊維は、熱バインダー繊維の鞘成分の融
点よりも30℃以上の高融点を有する熱可塑性ポリマーか
らなる熱可塑性繊維、再生繊維、天然繊維である。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレンテレフ
タレート共重合体繊維、ポリブチレンテレフタレート繊
維などのポリエステル繊維、６−ナイロン繊維、66−ナ
イロン繊維、610−ナイロン繊維、11−ナイロン繊維、1
2−ナイロン繊維などのポリアミド繊維、再生セルロー
ス繊維、ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維
などの化学繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの動植物繊維
である。 又、上記熱可塑性繊維として、高度な潜在捲縮能を有
する複合繊維等を使用すると、最終的に得られる繊維集
合体の嵩高性や伸長回復性を向上させることが可能であ
る。 本発明の熱バインダー繊維は光沢むらを抑え、隠蔽効
果の高い、又、場合によっては色彩性に優れた繊維集合
体を得ることが出来るものであり、例えば、防水用布
帛、高密度織物、衣料用不織布、インテリア用不織布用
の熱バインダー繊維、編織物用の熱バインダー繊維、無
糊無撚糸用熱バインダー繊維などとして有用である。
成分とし、芯成分の融点より少なくとも30℃低い融点を
有する熱可塑性ポリマーを鞘成分とする顔料含有芯鞘型
複合構造の熱バインダー繊維において、該顔料が、熱バ
インダー繊維の鞘成分に０〜５重量％含有され、芯成分
に０〜５重量％含有され、かつ熱バインダー繊維中の総
顔料含有量が0.5〜10重量％であることを特徴とする熱
バインダー繊維である。 本発明の融点150℃以上の熱可塑性ポリマーを芯成分
とし、芯成分の融点より少なくとも30℃低い融点を有す
る熱可塑性ポリマーを鞘成分とした芯鞘型複合構造の熱
バインダー繊維において、芯成分の熱可塑性ポリマー
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、少なくとも85モル％がエチレンテレ
フタレートであるエチレンテレフタレート共重合体など
のポリエステル、６−ナイロン、66−ナイロン、610−
ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのポリオレフ
インなどの群から選ばれた熱可塑性ポリマーである。そ
して、この熱可塑性ポリマーには、ポリマーの重量に対
して顔料を０〜５重量％を含有させる。顔料の含有量は
最終繊維の形態あるいは繊度と繊維集合体の厚さ（目
付）によって決められる。すなわち、繊度が小さく繊維
集合体の厚みが薄い場合には添加量を多くする。しか
し、顔料の添加量が５重量％を越えて多くなると繊維性
能が低下し、繊維集合体の物性を損なう場合がある。ま
た、芯成分への顔料の添加量が少ないと繊維集合体の隠
蔽効果が低下するので、その場合は鞘成分への顔料添加
量を増すことが好ましい。 また、鞘成分の熱可塑性ポリマーは、芯成分の熱可塑
性ポリマーの融点よりもすくなくとも30℃低い融点を有
するポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレンとプロピレン、ブテン、オクテン等の
オレフイン化合物との共重合体、エチレン酢酸ビニル共
重合体、エチレンビニルアルコール共重合体などのポリ
オレフイン、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメ
チレンテレフタレートイソフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートイソフタレートなどのポリエステルの群か
ら選ばれた熱可塑性ポリマーの少なくとも一種類のポリ
マーである。特に好ましいポリマーは、測定温度190℃
におけるメルトフローレートが10〜40g/10分の高流動性
ポリマーである。鞘成分ポリマーの溶融温度が高くな
り、メルトフローレートが小さいポリマーになると、接
着強力が十分でなく、繊維間の固定が十分なものとなら
ない。そのため、繊維集合体の形態保持性の悪い繊維製
品になり好ましいものではない。この熱可塑性ポリマー
には、染色時の色むら、光沢むらを生じさせないで、隠
蔽効果を付与するために顔料を含有させることが好まし
い。顔料の含有量は０〜５重量％の範囲である。この顔
料の含有量は最終繊維集合体の形態とその厚さ（目付）
によって決められる。すなわち、繊維集合体の厚みが薄
い場合には添加量が多くする。しかし、顔料の添加量が
５重量％を越えて多くなると繊維間のバインダー効果が
低下し、繊維集合体の物性を損なう場合がある。逆に、
添加量が少ないと隠蔽効果が充分発揮できなくなるの
で、そのような場合は芯成分に対する添加量で調整すれ
ばよい。 本発明においては、良好な隠蔽効果が達成されさえす
れば芯又は鞘のどちらかの成分だけに顔料が配合されて
いればよいが、このような場合は片方の成分に比較的多
量の顔料を添加することになり、紡糸性が損われないよ
うに配慮しなければならない。又、隠蔽効果だけを改善
しようとすれば鞘成分に顔料を添加した方が効率的であ
るが、反面、バインダー効果の低下や、最終的に得られ
る繊維集合体の肌ざわりや風合が低下する傾向があるの
で、要求特性に応じてその添加方法、量等を適切に選ぶ
ことが望まれる。そして、本発明においては、熱バイン
ダー繊維中の総顔料含有量として0.5〜10重量％好まし
くは、２〜６重量％になるような添加の仕方が必要であ
る。添加量が少な過ぎると隠蔽効果が発揮されず、多過
ぎても繊維物性、紡糸性等の低下を招きやすい。 また、本発明の熱バインダー繊維は、芯鞘構造を有し
ているため芯と鞘に各々異色の顔料を添加することによ
り色彩性に変化を与えることも可能である。さらに、熱
バインダー繊維の製造時に、芯成分および／または鞘成
分には必要に応じて添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、蛍光増白剤、安定剤などから選ばれた添加剤
を添加することもよい。 本発明の熱バインダー繊維に添加する顔料としては、
光沢むらを抑え、隠蔽効果を付与するために不透明顔料
を使用することが好ましい。使用する顔料は、例えば、
二酸化チタン、酸化アンチモン、カーボンブラック、チ
タン黄、酸化鉄系、酸化コバルト錯体、呉須などの無機
系顔料、フタロシアニン系、アゾ系などの有機系顔料か
ら、所望する繊維製品の色調に合わせて選ばれた少なく
とも１種類の不透明顔料である。また、繊維製品の白度
と隠蔽効果を高め、光沢むらの抑制が主体のものでは二
酸化チタンが好ましい。 次に、本発明の熱バインダー繊維の製造法は、通常の
芯鞘型複合紡糸装置で紡糸して得られる。紡糸して得た
複合繊維は通常の手段で延伸、固定処理などの処理を行
って、単繊維繊度１〜10デニールの芯鞘型複合繊維とす
る。また、芯鞘型複合繊維中に占める芯成分ポリマー量
は35〜65重量％であり、芯成分の数は１芯あるいは２〜
５芯であつてもよい。更に、熱バインダー繊維中の芯成
分の断面形状は通常の円形であってもよいし、光反射性
を利用した隠蔽効果を付与するために、芯繊維形状を異
形断面としてもよい。異形断面形状としては、例えば、
楕円型、三角型、海星型など、偏平型や多角形型から任
意に選ばれた形状のものである。 本発明の熱バインダー繊維が適用できる繊維集合体と
しては、例えば、織物、編物あるいは繊維立毛織物、繊
維立毛編物などの布帛、各種の不織布（繊維ウエブ、繊
維絡合不織布、ステツチボンド不織布、繊維塊など）
又、湿式抄紙から得られる紙などである。これら繊維集
合体を構成する繊維は、熱バインダー繊維の鞘成分の融
点よりも30℃以上の高融点を有する熱可塑性ポリマーか
らなる熱可塑性繊維、再生繊維、天然繊維である。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレンテレフ
タレート共重合体繊維、ポリブチレンテレフタレート繊
維などのポリエステル繊維、６−ナイロン繊維、66−ナ
イロン繊維、610−ナイロン繊維、11−ナイロン繊維、1
2−ナイロン繊維などのポリアミド繊維、再生セルロー
ス繊維、ポリビニルアルコール系繊維、アクリル系繊維
などの化学繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの動植物繊維
である。 又、上記熱可塑性繊維として、高度な潜在捲縮能を有
する複合繊維等を使用すると、最終的に得られる繊維集
合体の嵩高性や伸長回復性を向上させることが可能であ
る。 本発明の熱バインダー繊維は光沢むらを抑え、隠蔽効
果の高い、又、場合によっては色彩性に優れた繊維集合
体を得ることが出来るものであり、例えば、防水用布
帛、高密度織物、衣料用不織布、インテリア用不織布用
の熱バインダー繊維、編織物用の熱バインダー繊維、無
糊無撚糸用熱バインダー繊維などとして有用である。
次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で説明す
る。なお、実施例中の部および％はことわりのなり限
り、重量に関するものである。 実施例１〜４、比較例１ 芯成分ポリマーに、二酸化チタンを０％、1.5
％、3.0％、4.5％、7.0％（比較例１）、の５水
準で添加した［η］＝0.67のポリエチレンテレフタレー
ト（融点265℃）45部、鞘成分ポリマーに、二酸化チタ
ン0.6％添加したポリヘキサメチレンテレフタレートポ
リエステル（溶融温度123〜128℃、測定温度190℃にお
けるメルトフローレート32g/10分）55部を、芯数１本の
芯鞘型複合紡糸口金を装着した溶融紡糸機で紡糸温度29
0℃、巻取速度1,000m/分で紡糸し、水浴中75℃で延伸、
捲縮処理した後に熱固定し、切断して、繊度2.5dr.、繊
維長51mmの５種類の熱バインダー繊維Ｉ、II、III,IVお
よびＶを得た。 この熱バインダー繊維35部と繊度2dr.の二酸化チタン
1.0％含有したポリエチレンテレフタレート繊維65部と
を混綿し、カードにかけ、ランダムウエバーで平均目付
100g/m2の繊維ウエブを作つた。この繊維ウエブは水流
絡合法で繊維絡合不織布とした後、一対の加熱カレンダ
ーで処理して平滑面を有する厚さ0.37mm、見掛け密度約
0.27g/cm3の不織布を作った。これらの不織布につい
て、引裂強さ、隠蔽性［標準色紙P.C.C.S.記号２・Ｒ−
4.5−９（あか）に試料の不織布を載置し、室内光下で1
0人の鑑定人による色の見える程度を相対的に比較した
結果］、色むら［分散染料２％owf.で染色した試料の色
むら］について比較した。その評価結果を第１表に示し
た。 すなわち、実施例の不織布は引裂強さが強く、隠蔽性
に優れ、染色しても熱バインダー繊維と主体繊維とで色
むらが殆どないもであった。これら各実施例の不織布で
ドレスを作ったが、白物でも、染色物でも隠蔽性が良い
ために透けて見えることもなく、また光沢のむらのな
い、風合いが柔軟でドレープ性の良い製品であった。 実施例５ 芯成分にカーボンブラック2.5％添加した融点265℃の
ポリエチレンテレフタレート（［η］＝0.67）を50部、
鞘成分にカーボンブラック0.5％添加した融点120℃のポ
リエチレン（190℃のメルトフローレート20g/10分）を5
0部とを、芯成分が偏平形の異形断面になる２芯の複合
紡糸金口をもちい、紡糸温度285℃で紡糸し、延伸し、
捲縮を掛けて熱固定し、単繊維繊度2.5dr.の２芯の偏平
形芯を有する芯鞘型複合繊維を得た。この繊維を繊維長
51mmに切断してステープル繊維として熱バインダー繊維
とした。この熱バインダー繊維30部と、単繊維繊度2d
r.、繊維長51mmの６−ナイロンステープル繊維70部とを
混綿し、カード、ランダムウエバーを通してランダムウ
エブを作り、３枚積層し、繊維絡合処理し、次いで温度
135℃の加熱帯で熱処理して、カレンダーを掛けて繊維
間の固定と面の平滑化を行い、平均目付145g/m2、厚さ
0.58mmの繊維固定不織布とした後、金属錯塩染料でワイ
ン色に染色したが色むらやバインダー繊維の光りは目立
たないで良好なものであった。この染色不織布を布団収
納袋に加工したが、光の遮蔽効果が高く、通気性である
ため保存性が良いものであった。
る。なお、実施例中の部および％はことわりのなり限
り、重量に関するものである。 実施例１〜４、比較例１ 芯成分ポリマーに、二酸化チタンを０％、1.5
％、3.0％、4.5％、7.0％（比較例１）、の５水
準で添加した［η］＝0.67のポリエチレンテレフタレー
ト（融点265℃）45部、鞘成分ポリマーに、二酸化チタ
ン0.6％添加したポリヘキサメチレンテレフタレートポ
リエステル（溶融温度123〜128℃、測定温度190℃にお
けるメルトフローレート32g/10分）55部を、芯数１本の
芯鞘型複合紡糸口金を装着した溶融紡糸機で紡糸温度29
0℃、巻取速度1,000m/分で紡糸し、水浴中75℃で延伸、
捲縮処理した後に熱固定し、切断して、繊度2.5dr.、繊
維長51mmの５種類の熱バインダー繊維Ｉ、II、III,IVお
よびＶを得た。 この熱バインダー繊維35部と繊度2dr.の二酸化チタン
1.0％含有したポリエチレンテレフタレート繊維65部と
を混綿し、カードにかけ、ランダムウエバーで平均目付
100g/m2の繊維ウエブを作つた。この繊維ウエブは水流
絡合法で繊維絡合不織布とした後、一対の加熱カレンダ
ーで処理して平滑面を有する厚さ0.37mm、見掛け密度約
0.27g/cm3の不織布を作った。これらの不織布につい
て、引裂強さ、隠蔽性［標準色紙P.C.C.S.記号２・Ｒ−
4.5−９（あか）に試料の不織布を載置し、室内光下で1
0人の鑑定人による色の見える程度を相対的に比較した
結果］、色むら［分散染料２％owf.で染色した試料の色
むら］について比較した。その評価結果を第１表に示し
た。 すなわち、実施例の不織布は引裂強さが強く、隠蔽性
に優れ、染色しても熱バインダー繊維と主体繊維とで色
むらが殆どないもであった。これら各実施例の不織布で
ドレスを作ったが、白物でも、染色物でも隠蔽性が良い
ために透けて見えることもなく、また光沢のむらのな
い、風合いが柔軟でドレープ性の良い製品であった。 実施例５ 芯成分にカーボンブラック2.5％添加した融点265℃の
ポリエチレンテレフタレート（［η］＝0.67）を50部、
鞘成分にカーボンブラック0.5％添加した融点120℃のポ
リエチレン（190℃のメルトフローレート20g/10分）を5
0部とを、芯成分が偏平形の異形断面になる２芯の複合
紡糸金口をもちい、紡糸温度285℃で紡糸し、延伸し、
捲縮を掛けて熱固定し、単繊維繊度2.5dr.の２芯の偏平
形芯を有する芯鞘型複合繊維を得た。この繊維を繊維長
51mmに切断してステープル繊維として熱バインダー繊維
とした。この熱バインダー繊維30部と、単繊維繊度2d
r.、繊維長51mmの６−ナイロンステープル繊維70部とを
混綿し、カード、ランダムウエバーを通してランダムウ
エブを作り、３枚積層し、繊維絡合処理し、次いで温度
135℃の加熱帯で熱処理して、カレンダーを掛けて繊維
間の固定と面の平滑化を行い、平均目付145g/m2、厚さ
0.58mmの繊維固定不織布とした後、金属錯塩染料でワイ
ン色に染色したが色むらやバインダー繊維の光りは目立
たないで良好なものであった。この染色不織布を布団収
納袋に加工したが、光の遮蔽効果が高く、通気性である
ため保存性が良いものであった。
本発明の熱バインダー繊維は、染色時の色むら、光沢
むらを抑え、かつ隠蔽効果、光遮蔽効果の高い繊維集合
体を与えることが出来、又、芯と鞘に異色系の顔料を配
合させた場合は色彩変化に富んだものとなる。とりわ
け、色物用繊維集合体の熱バインダー繊維として有用で
ある。
むらを抑え、かつ隠蔽効果、光遮蔽効果の高い繊維集合
体を与えることが出来、又、芯と鞘に異色系の顔料を配
合させた場合は色彩変化に富んだものとなる。とりわ
け、色物用繊維集合体の熱バインダー繊維として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−132120（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−154435（ＪＰ，Ａ) 特公 昭62−29526（ＪＰ，Ｂ２)
Claims (3)
- 【請求項１】融点が150℃以上の熱可塑性ポリマーを芯
成分とし、芯成分の融点より少なくとも30℃低い融点を
有する熱可塑性ポリマーを鞘成分とする顔料含有芯鞘型
複合構造の熱バインダー繊維において、該顔料が、熱バ
インダー繊維の鞘成分に０〜５重量％含有され、芯成分
に０〜５重量％含有され、かつ熱バインダー繊維中の総
顔料含有量が0.5〜10重量％であることを特徴とする熱
バインダー繊維。 - 【請求項２】芯成分の断面形態が異形断面である請求項
（１）に記載の熱バインダー繊維。 - 【請求項３】顔料が二酸化チタンである請求項（１）ま
たは請求項（２）に記載の熱バインダー繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1167716A JP2952892B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 熱バインダー繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1167716A JP2952892B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 熱バインダー繊維 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0333217A JPH0333217A (ja) | 1991-02-13 |
| JP2952892B2 true JP2952892B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=15854872
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1167716A Expired - Lifetime JP2952892B2 (ja) | 1989-06-28 | 1989-06-28 | 熱バインダー繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2952892B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020105641A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 東レ株式会社 | スパンボンド不織布 |
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|---|---|---|---|---|
| JP3499919B2 (ja) * | 1994-06-29 | 2004-02-23 | ユニチカ株式会社 | ウールタフトカーペット |
| US20050170726A1 (en) * | 2003-12-30 | 2005-08-04 | K.B. Aviation, Inc, D/B/A Brunson Associates | Multiple layer nonwoven products and methods for creating color schemes and for producing such products |
| WO2014189905A1 (en) | 2013-05-20 | 2014-11-27 | The Procter & Gamble Company | Nonwoven webs with visually distinct bond sites and method of making |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57154435A (en) * | 1981-03-12 | 1982-09-24 | Kanebo Gosen Kk | Raised product |
| JPS58132120A (ja) * | 1982-01-29 | 1983-08-06 | Unitika Ltd | 導電性繊維の製造方法 |
| JPS6229526A (ja) * | 1985-08-01 | 1987-02-07 | Wakamoto Pharmaceut Co Ltd | 高カルシウム尿症の治療及び予防剤 |
-
1989
- 1989-06-28 JP JP1167716A patent/JP2952892B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020105641A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 東レ株式会社 | スパンボンド不織布 |
| JP7211070B2 (ja) | 2018-12-26 | 2023-01-24 | 東レ株式会社 | スパンボンド不織布 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0333217A (ja) | 1991-02-13 |
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