JP3499336B2 - 老化防止化粧料 - Google Patents

老化防止化粧料

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JP3499336B2 JP24346395A JP24346395A JP3499336B2 JP 3499336 B2 JP3499336 B2 JP 3499336B2 JP 24346395 A JP24346395 A JP 24346395A JP 24346395 A JP24346395 A JP 24346395A JP 3499336 B2 JP3499336 B2 JP 3499336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老化防止化粧料に
関する。さらに詳しくは、すぐれた老化防止作用を奏
し、基礎化粧品をはじめ、メイクアップ化粧品、頭髪用
化粧品、浴剤などに好適に使用しうる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、老化防止化粧料の必要性について
考慮されてきていたが、老化に関するメカニズム、定義
などが明らかではなかったため、一般的には、肌の潤い
として保湿状態の計測や肌の弾力の計測を行なったり、
肌の色を視覚的に観察して判定してきた。
【0003】また、近年、老化の研究が進められ、皮膚
の老化は、コラーゲンの架橋反応、ヒアルロン酸をはじ
めとするムコ多糖類の減少、紫外線による細胞の損傷な
どが主な原因であることが知られるようになり、従来の
化粧品のように、ムコ多糖類やコラーゲンなどの生化学
製品および合成高分子製品を配合して水分保持に努める
だけでは、皮膚の老化を充分に防止することができない
ことが明らかとなった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、皮膚内の線維芽細胞に
働きかけることにより、真皮の重要な成分の一つである
コラーゲンを生合成させ、さらに過酸化脂質を抑制する
ことで肌のトラブルを防止するとともに、日常の紫外線
により知らず知らずのあいだに受けた皮膚細胞の損傷を
回復させ、若々しい肌の状態を維持するといったすぐれ
た化粧効果を奏する化粧料を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、米をあらかじ
め蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米のアルカ
リ抽出液を、1種または2種以上の蛋白分解酵素で処理
してえられた分解物が配合された老化防止化粧料に関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の老化防止化粧料は、前記
したように、米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえ
た低アレルゲン米のアルカリ抽出液を、1種または2種
以上の蛋白分解酵素で処理してえられた分解物が配合さ
れたものである。
【0007】本発明に用いられる低アレルゲン米は、米
を蛋白分解酵素で処理してえたものであり、本発明にお
いて、該低アレルゲン米を用いたことに大きな特徴の1
つがある。なお、用いる米は、通常あらかじめ水洗し、
使用する蛋白分解酵素の至適pHに調整した水に浸漬し
て加温しておくことが好ましい。
【0008】前記米を処理する蛋白分解酵素の代表例と
しては、たとえばアクチナーゼがあげられる。たとえば
該アクチナーゼで米を処理することにより、通常、米に
含まれるアレルゲン、すなわちアレルギーを起こす原因
物質の一種であるグロブリンの約50〜70重量%が分
解、除去される。
【0009】低アレルゲン米をうる際の蛋白分解酵素の
使用量は、用いる酵素の種類などによっても異なるが、
その作用効果を考慮すると、米100部(重量部、以下
同様)に対して、通常0.001部程度以上、好ましく
は0.005部程度以上であることが望ましく、また1
部程度以下、好ましくは0.1部程度以下であることが
望ましい。
【0010】前記蛋白分解酵素による処理に要する時間
は、用いる酵素の種類や分解温度などによって異なり、
一概には決定することができないが、通常1〜48時間
程度、好ましくは12〜24時間程度であることが望ま
しい。
【0011】なお、たとえば前記例示したアクチナーゼ
の分解温度は約30〜40℃である。
【0012】また、蛋白分解酵素による処理を行なう際
には、処理される米の溶液のpHが、用いる蛋白分解酵
素の至適pHとなるように調整すればよい。かかる米の
溶液のpHを調整するには、必要に応じて、たとえば後
述する抽出を行なう際に用いられるアルカリ調整剤や、
クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤などを
用いることができる。
【0013】つぎに、前記のごとくえられた低アレルゲ
ン米にアルカリ抽出処理を施す。
【0014】前記アルカリ抽出処理に用いられる溶媒と
しては、たとえば精製水などの水;エタノールなどの1
価の低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリ
ルアルコール、オクチルドデカノールなどの1価の高級
アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどの
ポリオール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルな
どのエステル類;ヘキサン、クロロホルム、ベンゼンな
どの炭化水素系溶剤などがあげられ、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。これらの
なかでは、化粧料への幅広い適用が可能であるという点
から、精製水や、精製水と、エタノール、グリセリンお
よび1,3−ブチレングリコールの1種または2種以上
との混合溶媒が好ましい。
【0015】なお、前記混合溶媒を用いるばあいには、
たとえば精製水とエタノールとの混合溶媒のばあいに
は、両者の容量比は1:1〜25:1、精製水とグリセ
リンとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1
〜15:1、精製水と1,3−ブチレングリコールとの
混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:
1であることが好ましい。
【0016】前記アルカリ抽出処理を行なう際には、た
とえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリ
ウム塩;水酸化カリウムなどのカリウム塩などのアルカ
リ調整剤を用い、抽出処理に供される溶液のpHを7.
5〜14程度に設定すればよい。なお、これらのアルカ
リ調整剤のなかでは、低濃度で目的とするpHとなるよ
うに調整することができるという点から、水酸化ナトリ
ウムおよび炭酸ナトリウムが好ましい。
【0017】アルカリ抽出処理に要する時間は、用いる
溶媒やアルカリ調整剤の種類、目的とするpH、抽出温
度などによって異なり、一概には決定することができな
いが、たとえばpHが8.5〜14のばあい、通常室温
で6時間〜7日間程度、好ましくは24〜48時間程度
であることが望ましい。なお、抽出温度は、4〜40℃
程度、好ましくは4〜20℃程度であることが望まし
い。
【0018】つぎに、前記のごとくえられたアルカリ抽
出液を、さらに1種または2種以上の蛋白分解酵素で処
理する。
【0019】前記蛋白分解酵素としては、たとえばアク
チナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシ
ン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン
類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシ
ルグリシンペプチターゼ、カルボキシペプチターゼ、ア
ミノペプチターゼなどのペプチターゼ類、ブロメライン
などの蛋白分解酵素があげられ、これらのなかから1種
または2種以上が選択して用いられる。これらのなかで
は、アクチナーゼと、ペプシン類、トリプシン類、パパ
イン類、ペプチターゼ類およびブロメラインから選ばれ
た蛋白分解酵素の少なくとも1種とを組合わせたもの
が、えられる分解物が配合された老化防止化粧料がさら
に保存安定性および安全性にすぐれるという点から好ま
しく、アクチナーゼと、ペプシンおよびトリプシンとの
組合わせがとくに好ましい。
【0020】なお、たとえば2種以上の酵素で処理する
ばあいには、通常1回につき1種類の酵素が用いられ
る。
【0021】酵素処理を行なう際の1回あたりの酵素の
使用量は、用いる酵素の種類などによっても異なるが、
その作用効果を考慮すると、前記アルカリ抽出液100
部に対して0.0005部程度以上、好ましくは0.0
01部程度以上、また0.05部程度以下、好ましくは
0.005部程度以下であり、合計して0.003〜
0.015部程度であることが望ましい。
【0022】酵素処理に要する時間は、用いる酵素の種
類や分解温度などによって異なり、一概には決定するこ
とができないが、1種類の酵素につき通常1〜24時間
程度、好ましくは2〜4時間程度であることが望まし
い。なお、前記例示した酵素の分解温度は約30〜50
℃である。
【0023】かくしてえられた分解物は、そのまま老化
防止化粧料に配合してもよく、たとえば減圧下で濃縮し
て濃度を調整したのち配合してもよく、またたとえば凍
結乾燥法やスプレイドライ法によって粉末化したものを
配合してもよい。
【0024】なお、えられた分解物を含む溶液は、皮膚
への安全性の点からpH4〜8程度に調整されることが
好ましい。
【0025】前記分解物の老化防止化粧料への配合量
は、目的とする化粧料の種類などによって異なり、一概
には決定することができないが、該分解物を配合したこ
とによる老化防止効果を充分に発現させるためには、老
化防止化粧料100部に対して固形分換算で0.000
5部以上、好ましくは0.005部であることが望まし
く、また化粧料に安定に配合するためには、老化防止化
粧料100部に対して固形分換算で5部以下、好ましく
は1部以下であることが望ましい。
【0026】本発明に用いられる分解物は、ヒトの肌に
対してすぐれた過酸化脂質生成抑制作用、スーパーオキ
シドジスムターゼ(以下、SODという)様活性作用、
コラーゲン合成促進作用および紫外線損傷回復作用を同
時に奏するものであるので、該分解物が配合された老化
防止化粧料は、肌の老化を防ぎ、若々しく健康な肌の状
態を維持しうるものである。さらに該分解物は、米をあ
らかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米か
ら調製されたものであるので、該分解物は、アレルギー
性が小さいことはもちろんのこと、経時的な不溶物の析
出などを防止することができるということから、その品
質の安定性が高く、該分解物が配合された老化防止化粧
料は、保存安定性にきわめてすぐれたものとなる。
【0027】本発明の老化防止化粧料は、前記分解物が
配合されたものであるが、本発明においては、該分解物
のほかにも、たとえば一般に化粧料に用いられている賦
形剤、香料などをはじめ、油脂類、界面活性剤、保湿
剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料、洗浄剤、賦形剤、乳化剤などの各種化粧料
成分を老化防止化粧料に適宜配合することができる。
【0028】前記油脂類としては、一般に化粧料に汎用
されているたとえば流動パラフィン、パラフィン、セタ
ノール、アボカド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油な
どの植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミン
ク油、パーセリン油、スクワランなどの動物性油脂;メ
チルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリ
ルカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、
トリイソパルミチン酸グリセリン、シリコーンオイルな
どの合成油脂などがあげられる。
【0029】前記界面活性剤としては、たとえばラウリ
ル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミ
ン、ラウリン酸ジエタノールアミドなどの陰イオン性界
面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベ
ンザルコニウムなどの陽イオン性界面活性剤;グリセリ
ルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポ
リオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪
酸アミドなどの非イオン性界面活性剤などがあげられ
る。
【0030】前記保湿剤としては、たとえばグリセリ
ン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、
ピロリドンカルボン酸ソーダ、パントテテイン−S−ス
ルホン酸塩などの合成保湿剤;ヒアルロン酸、コラーゲ
ン、エラスチン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー、微生物
発酵液などの天然保湿液などがあげられる。
【0031】前記pH調整剤としては、たとえばクエン
酸ナトリウム、クエン酸などの有機酸およびその塩類な
どがあげられる。
【0032】前記増粘剤としては、たとえばカルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、
ポリビニルアルコール、トラガントガム、アルギン酸ナ
トリウム、カラギーナンなどがあげられる。
【0033】前記防腐剤としては、たとえばメチルパラ
ベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラ
ベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエ
タノール、エタノール、デヒドロ酢酸などがあげられ
る。
【0034】前記酸化防止剤としては、たとえばビタミ
ンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒ
ドロキシアニゾール(BHA)などがあげられる。
【0035】前記顔料としては、たとえばベンガラ、黄
酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、セ
リサイト、マイカ、タルクなどがあげられる。
【0036】前記洗浄剤としては、たとえばラウリル硫
酸ナトリウムなどがあげられる。
【0037】前記賦形剤としては、たとえば硫酸ナトリ
ウムなどがあげられる。
【0038】前記乳化剤としては、たとえば大豆レシチ
ン油などがあげられる。
【0039】これら各化粧料成分の配合量は、目的とす
る老化防止化粧料の用途などにより異なるため一概には
決定することができず、用途に応じて適宜調整されるこ
とが好ましい。
【0040】本発明の老化防止化粧料の形態は任意であ
り、とくに限定されるものではないが、本発明の老化防
止化粧料は、肌の老化を防ぎ、若々しく健康な肌の状態
を維持するなどのすぐれた性質を有するので、たとえば
クリーム、乳液、ローション、エッセンス、洗顔料、パ
ックなどの基礎化粧品、口紅、ファンデーション、リキ
ッドファンデーション、プレスパウダーなどのメイクア
ップ化粧品、ボディーソープ、石鹸などのトイレタリー
製品などとして用いることができる。
【0041】また、本発明の老化防止化粧料は、毛根周
辺および頭髪に作用し、枝毛や切れ毛の防止、頭髪保護
にも有効であるため、たとえばシャンプー、リンス、ト
リートメント、コンディショナー、整髮料などのヘアー
製品などとして用いることができる。
【0042】さらに、前記分解物や乾燥粉末を湯に投入
したばあいには、角質細胞間の面積のバラツキを改善す
る効果による入浴後の保温感の維持および肌の状態の向
上に効果があることから、本発明の老化防止化粧料は、
浴用剤などのバス製品としても使用することができる。
このように本発明の老化防止化粧料を浴用剤として使用
するばあいには、分解物の老化防止化粧料への配合量
は、かかる分解物が奏する効果を考慮すると、老化防止
化粧料100部に対して分解物の固形分換算で0.00
05部以上、好ましくは0.001部以上、また5部以
下、好ましくは0.1部以下であることが望ましい。な
お、前記浴用剤を用いるばあい、該浴用剤の使用量は、
通常湯200リットルに対して浴用剤が20〜30g程
度となるように調整することが好ましい。
【0043】
【実施例】つぎに、本発明の老化防止化粧料を実施例に
基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。
【0044】調製例1(低アレルゲン米のアルカリ抽出
液の酵素分解物の製造) 米100gを、炭酸水素ナトリウムでpHを8〜9に調
整した水溶液に浸漬し、アクチナーゼ(至適pH8.
0)5mgを添加して30〜40℃で24時間かけて処
理を行ない、低アレルゲン米をえた。なお、えられた低
アレルゲン米は、アレルゲンの1種であるグロブリンの
約50重量%が分解、除去されたものであった。
【0045】つぎに、前記低アレルゲン米100gを精
製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水
溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時
間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)
約500mlをえた。
【0046】つぎに、前記抽出液に、アクチナーゼ(至
適pH8.0)5mgを添加して30〜40℃で1〜2
時間かけて処理を行ない、つぎにペプシン(至適pH
2.0)5mgを添加して30〜40℃で1〜2時間か
けて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.
0)5mgを添加して30〜40℃で1〜2時間かけて
処理を行なった。
【0047】なお、各酵素を添加する際には、抽出液が
各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0048】これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶
液(固形分含量:約2重量%)約300mlをえた。
【0049】調製例2(低アレルゲン米のアルカリ抽出
液の酵素分解物の製造) 調製例1において、ペプシンのかわりにパパイン(至適
pH7.0)を用いたほかは調製例1と同様にして淡黄
色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約2重量%)約
300mlをえた。
【0050】調製例3(低アレルゲン米のアルカリ抽出
液の酵素分解物の凍結乾燥処理物の製造) 調製例1でえられた酵素分解物溶液100gを濃縮し、
ついで真空凍結乾燥して分解物の乾燥粉末約2gをえ
た。
【0051】調製例4(低アレルゲン米のアルカリ抽出
液の酵素分解物のスプレイドライ処理物の製造) 調製例2でえられた酵素分解物溶液250gをスプレイ
ドライ処理して分解物の乾燥粉末約5gをえた。
【0052】試験例1〜5 調製例1でえられた酵素分解物溶液をサンプルとして用
い、以下に示す試験を行なった。
【0053】試験例1(過酸化脂質生成抑制作用) 0.5Mリノール酸エタノール1.0ml、0.2Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)10mlおよびエタノール
9.0mlをそれぞれ正確に秤量し、共栓付き三角フラ
スコ中で充分に撹拌した。これに正確に秤量した前記酵
素分解物溶液5.0mlを加えて充分に撹拌した。
【0054】つぎに、この調製直後の溶液と、40℃の
恒温槽中で7日間放置した溶液とについて、それぞれ
0.1mlずつを正確に秤量し、これに75%エタノー
ル4.7ml、30%チオシアン酸アンモニウム溶液
0.1mlおよび0.02M塩化第一鉄の3.5%塩酸
溶液0.1mlを加えて充分に混合撹拌したのち、正確
に3分後のOD.500nmにおける吸光度を測定し、
以下の式に基づいて過酸化物価指数を求めた。
【0055】
【数1】
【0056】なお、式中、T7 は試験開始から7日間経
過後の分解物溶液が添加された溶液の吸光度、B7 は試
験開始から7日間経過後の分解物溶液のかわりに精製水
が添加された溶液の吸光度、T0 は試験開始直後の分解
物溶液が添加された溶液の吸光度、B0 は試験開始直後
の分解物溶液のかわりに精製水が添加された溶液の吸光
度を示す。
【0057】また、分解物溶液のかわりに精製水を用い
て同様に操作したものをブランクとした。これらの結果
を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示された結果から明らかなように、
調製例1でえられた分解物溶液は、すぐれた過酸化脂肪
生成抑制作用を奏することがわかる。
【0060】試験例2(SOD様活性作用) 1Mトリス塩酸緩衝液0.15ml、1mMエチレンジ
アミン四酢酸(以下、EDTAという)四ナトリウム塩
溶液0.30ml、0.2mMチトクロームC溶液0.
20mlおよび1mMキサンチン溶液0.30mlをそれぞれ
正確に秤量し、共栓付き三角フラスコ中で充分に撹拌し
た。これに正確に秤量した前記酵素分解物溶液0.10
ml、キサンチンオキシターゼ溶液(0.01U/0.
01ml)0.05mlおよび精製水1.90mlを加
えたのち、OD.550nmにおける60秒間経過ごと
の吸光度を測定した。その結果を図1のグラフAに示
す。
【0061】また、分解物溶液のかわりに精製水を用い
て同様に操作したものをブランクとした。その結果を図
1のグラフBに示す。
【0062】図1に示された結果から明らかなように、
調製例1でえられた分解物溶液は、すぐれたSOD様活
性作用を奏することがわかる。
【0063】試験例3(コラーゲン合成促進作用) 基本培地として、5容量%仔牛血清(以下、FCSとい
う)含有イーグル最少必須培地(以下、MEMという)
を用い、細胞として、ヒト真皮由来線維芽細胞を用い
た。
【0064】細胞を基本培地で一定期間培養したのち、
前記酵素分解物溶液を5容量%含有した培地を添加し、
37℃で5日間培養した。そのあいだに培地交換を1回
行なった。また基本培地のみを用いて培養したものをブ
ランクとした。
【0065】前記の操作で培養した線維芽細胞につい
て、該細胞104個あたりのコラーゲン量および非コラ
ーゲン量を測定し、コラーゲンの合成促進作用を調べ
た。なお、コラーゲンの定量は、コスモバイオ社のコラ
ーゲンステインキットを用いて行なった。その結果を図
2に示す。
【0066】図2に示された結果から明らかなように、
調製例1でえられた分解物溶液は、すぐれたコラーゲン
合成促進作用を奏することがわかる。
【0067】試験例4(紫外線損傷回復作用) 基本培地として、10容量%FCS含有イーグルMEM
を用い、細胞として、ヒト由来線維芽細胞を用いた。
【0068】細胞を基本培地で一定期間培養したのち、
紫外線ランプ(東芝健康線ランプ、(株)東芝製、出力
30w)にて紫外線を照射しながら前記分解物溶液を1
0容量%含有した培地を添加し、37℃で10日間培養
した。そのあいだに培地交換を2回行なった。また基本
培地のみを用いて培養したものをブランクとした。
【0069】前記の操作で培養した線維芽細胞につい
て、培養後にトリプシンEDTAを用い、細胞を剥離し
て細胞数および蘇生細胞数を測定し、紫外線による損傷
の回復作用を調べた。その結果を図3に示す。
【0070】図3に示された結果から明らかなように、
調製例1でえられた分解物溶液は、紫外線による細胞の
損傷回復作用にすぐれたものであることがわかる。
【0071】試験例5(保存安定性) 前記分解物溶液を50ml容のスクリュー管内に充填
し、40℃で90日間にわたって恒温条件で保存した。
【0072】試験開始後10日間、20日間、30日
間、60日間および90日間経過後の分解物溶液におけ
る着色および沈殿の有無を目視にて観察した。また、調
製例1において、低アレルゲン米のかわりに通常の米を
用いてえられた酵素分解物溶液をブランクとし、調製例
1でえられた分解物溶液と同様にして保存し、着色およ
び沈殿の有無を目視にて観察した。その結果を表2に示
す。
【0073】
【表2】
【0074】表2に示された結果から明らかなように、
調製例1でえられた分解物溶液は、90間といった長
期間にわたって着色や沈殿が認められないことから、品
質が変化せず、保存安定性にすぐれたものであることが
わかる。
【0075】処方例1〜13および比較処方例1〜13 処方例1(クリーム) [(A)成分] (部) 流動パラフィン 5.0 ヘキサラン (トリオクタン酸グリセリル、共栄化学工業(株)製) 4.0 パラフィン 5.0 セタノール 2.0 グリセリルモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0 ブチルパラベン 0.1 [(B)成分] 調製例1でえられた酵素分解物溶液 20.0 グリセリン 5.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1 メチルパラベン 0.1 モイストン・C(ナチュラルモイスチャライジング ファクター、共栄化学工業(株)製) 1.0 精製水 全量が100.0部となる量 [(C)成分] 香 料 0.3 前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上
に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌し
た。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えて
さらに撹拌混合して均一なクリームを調製した。
【0076】 処方例2(乳液) [(A)成分] (部) 流動パラフィン 6.00 ヘキサラン (トリオクタン酸グリセリル、共栄化学工業(株)製) 4.00 ホホバ油 1.00 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.00 大豆レシチン油 1.50 メチルパラベン 0.15 エチルパラベン 0.03 [(B)成分] 調製例1でえられた酵素分解物溶液 30.00 グリセリン 3.00 1,3−ブチレングリコール 2.00 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.30 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 精製水 全量が100.00部となる量 [(C)成分] 香 料 0.05 前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃になる
まで加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合
撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を
加えてさらに撹拌し、均一な乳液を調製した。
【0077】 処方例3(ローション) [成 分] (部) リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0 エタノール 10.0 グリセリン 3.0 1,3−ブチレングリコール 2.0 メチルパラベン 0.2 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 カルボキシビニルポリマー 0.1 水溶性プラセンタエキス 1.0 調製例1でえられた酵素分解物溶液 10.0 香 料 微量 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を混合して均一なローションを調製した。
【0078】 処方例4(エッセンス) [成 分] (部) エタノール 10.0 グリセリン 5.0 1,3-ブチレングリコール 1.0 オレイルアルコール 0.1 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸 エステル(20EO) 1.0 メチルパラベン 0.2 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 カルボキシビニルポリマー 0.3 調製例1でえられた酵素分解物溶液 1.0 香 料 微量 水溶性コラーゲン 1.0 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を混合して均一なエッセンスを調製した。
【0079】 処方例5(パック) [成 分] (部) ポリビニルアルコール 15.0 ヒドロキシメチルセルロース 5.0 プロピレングリコール 5.0 エタノール 10.0 メチルパラベン 0.1 調製例2でえられた酵素分解物溶液 10.0 香 料 微量 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を混合して均一なパックを調製した。
【0080】 処方例6(洗顔料) [成 分] (部) ステアリン酸 15.0 ラウリン酸 5.0 ミリスチン酸 15.0 グリセリルモノステアレート 4.0 水酸化カリウム 7.0 グリセリン 8.0 調製例2でえられた酵素分解物溶液 10.0 メチルパラベン 0.2 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を85℃に加温し混合して均一な洗顔料を調製
した。
【0081】 処方例7(シャンプー) [成 分] (部) ポリオキシエチレンラウリルエーテル 硫酸ナトリウム 25.0 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 15.0 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0 モノステアリン酸エチレングリコール 1.50 エデト酸二ナトリウム 0.05 メチルパラべン 0.10 香料 微量 黄色4号 微量 調製例2でえられた酵素分解物溶液 50.0 精製水 全量が100.00部となる量 前記成分を80℃以上に加温したのち、混合撹拌して均
一なシャンプーを調製した。
【0082】 処方例8(リンス) [成 分] (部) 塩酸ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5 セタノール 2.0 2-オクチルドデカノール 1.0 カチオン化セルロース 0.5 ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0 プロピレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.1 香料 微量 調製例2でえられた酵素分解物溶液 50.0 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を80℃以上に加温したのち、混合撹拌して均
一なリンスを調製した。
【0083】 処方例9(トリートメント) [成 分] (部) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0 ポリビニルピロリドン 4.0 グリセリン 1.0 エチルパラベン 0.1 調製例1でえられた酵素分解物溶液 50.0 精製水 全量が100.0部となる量 前記成分を80℃に加温したのち、混合撹拌して均一なト
リートメントを調製した。
【0084】 処方例10(整髪料) [成 分] (部) エタノール 60.0 ポリオキシプロピレンブチルエーテル (40EO) 20.0 ジイソプロパノールアミン 2.0 エデト酸塩 微量 香料 微量 調製例2でえられた酵素分解物溶液 全量が100.0部 となる量 前記成分を混合して均一な整髪料を調製した。
【0085】 処方例11(浴用剤) [成 分] (部) 硫酸ナトリウム 35.0 炭酸水素ナトリウム 52.0 ホウ砂 2.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 赤色201 号 微量 香料 微量 調製例3でえられた乾燥粉末 全量が100.0部となる量 前記成分を混合して均一な浴用剤を調製した。
【0086】 処方例12(口紅) [(A)成分] (部) ヒマシ油 50.0 オクチルドデカノール 5.0 ラノリン 5.0 液状ラノリン 5.0 ミツロウ 4.0 オゾケライト 7.0 キャンデリラロウ 2.0 カルナバロウ 1.0 [(B)成分] 酸化チタン 1.0 色素(赤色201号など) 合計4.0 調製例4でえられた乾燥粉末 全量が100.0部となる量 [(C)成分] 香 料 微量 前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したの
ち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これ
を再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み急
冷して口紅を調製した。
【0087】 処方例13(リキッドファンデーション) [(A)成分] (部) ステアリン酸 2.4 モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0 セトステアリルアルコール 0.2 液状ラノリン 2.0 流動パラフィン 3.0 ミリスチン酸イソプロピル 8.5 プロピルパラベン 適量 [(B)成分] 調製例2でえられた酵素分解物溶液 全量が100.0部 となる量 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2 ベントナイト 0.5 プロピレングリコール 4.0 トリエタノールアミン 1.1 メチルパラベン 適量 [(C)成分] 酸化チタン 8.0 タルク 4.0 着色顔料 適量 前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したの
ち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これ
を再加温し前記(C)成分を添加して型に流しこみ室温
になるまで撹拌してリキッドファンデーションを調製し
た。
【0088】比較処方例1(クリーム) 調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例1と同様にしてクリームを調製し
た。
【0089】比較処方例2(乳液) 調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例2と同様にして乳液を調製した。
【0090】比較処方例3(ローション) 調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例3と同様にしてローションを調製し
た。
【0091】比較処方例4(エッセンス) 調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例4と同様にしてエッセンスを調製し
た。
【0092】比較処方例5(パック) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例5と同様にしてパックを調製した。
【0093】比較処方例6(洗顔料) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例6と同様にして洗顔料を調製した。
【0094】比較処方例7(シャンプー) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例7と同様にしてシャンプーを調製し
た。
【0095】比較処方例8(リンス) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例8と同様にしてリンスを調製した。
【0096】比較処方例9(トリートメント) 調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例9と同様にしてトリートメントを調
製した。
【0097】比較処方例10(整髪料) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例10と同様にして整髪料を調製し
た。
【0098】比較処方例11(浴用剤) 調製例3でえられた乾燥粉末のかわりに硫酸ナトリウム
を用いたほかは処方例11と同様にして浴用剤を調製し
た。
【0099】比較処方例12(口紅) 調製例4でえられた乾燥粉末のかわりにナイロンパウダ
ーを用いたほかは処方例12と同様にして口紅を調製し
た。
【0100】比較処方例13(リキッドファンデーショ
ン) 調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を
用いたほかは処方例13と同様にしてリキッドファンデ
ーションを調製した。
【0101】実施例1 処方例1〜6および比較処方例1〜6でえられた化粧料
について、それぞれ以下に示すモニターテストを行なっ
た。その結果を表3に示す。
【0102】(モニターテスト)無作為に抽出した年齢
25〜57歳の健常な成人女性100名を被験者とし、
各化粧料を顔面の皮膚に連日1カ月間使用したのちの、
(イ)肌のくすみ、しみに対する改善効果、(ロ)小ジ
ワに対する改善効果および(ハ)角質細胞間の面積のバ
ラツキに対する縮小効果についてそれぞれ調べた。
【0103】(イ)肌のくすみ、しみに対する改善効果 皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づい
て評価した。
【0104】(評価基準) A:非常に改善された。 B:改善された。 C:変化がない。 D:少し目につく。 E:目立つようになった。
【0105】(ロ)小ジワに対する効果 皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づい
て評価した。
【0106】(評価基準) A:きれいに消えた。 B:少し目立たなくなった。 C:変化がない。 D:少し増えた。 E:増えた。
【0107】(ハ)角質細胞間の面積のバラツキ対す
る縮小効果 被験者の顔面左頬部の細胞30個について、両面紙テー
プ(ナイスタック、(株)ニチバン製)を用い、テープ
ストリッピング法により角質細胞を剥離させ、細胞1個
ずつの面積を測定した。求められた細胞面積について標
準偏差を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0108】(評価基準) A:標準偏差が50%小さくなった。 B:標準偏差が25%小さくなった。 C:変化がない。 D:標準偏差が25%大きくなった。 E:標準偏差が50%大きくなった。
【0109】なお、かかるモニターテストにおいて、処
方例1〜6でえられた化粧料を用いた際に、皮膚に異常
が生じた被験者は1名もなかった。
【0110】また、処方例1〜6でえられた化粧料は、
いずれも1カ月間でその状態に変化が生じることはなか
った。
【0111】
【表3】
【0112】表3に示された結果から明らかなように、
処方例1〜6でえられた化粧料を用いたばあいには、角
質細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小され、肌
のくすみ、しみや小ジワが改善されることがわかる。
【0113】実施例2 処方例7〜10および比較処方例7〜10でえられた頭
髪用化粧料について、それぞれ以下に示すハーフヘッド
テストを行なった。その結果を表4に示す。
【0114】(ハーフヘッドテスト)無作為に抽出した
年齢25〜60歳の健常な成人女性20名を被験者と
し、各頭髪用化粧料を頭髪に1日1回、30日間使用し
たのちの、頭髪の(ニ)枝毛、(ホ)コシおよび(ヘ)
ツヤについて、それぞれ以下の評価基準に基づいて評価
した。
【0115】(ニ)枝毛 (評価基準) A:なくなった。 B:少なくなった。 C:変化がない。 D:少し増えた。 E:増えた。
【0116】(ホ)コシ (評価基準) A:強くなった。 B:少し強くなった。 C:変化がない。 D:少し弱くなった。 E:弱くなった。
【0117】(ヘ)ツヤ (評価基準) A:よくなった。 B:少しよくなった。 C:変化がない。 D:少しわるくなった。 E:わるくなった。
【0118】なお、かかるハーフヘッドテストにおい
て、処方例7〜10でえられた頭髪用化粧料を用いた際
に、頭髪や頭皮に異常が生じた被験者は1名もなかっ
た。
【0119】また、処方例7〜10でえられた頭髪用化
粧料は、いすれも30日間でその状態に変化が生じるこ
とはなかった。
【0120】
【表4】
【0121】表4に示された結果から明らかなように、
処方例7〜10でえられた頭髪用化粧料を用いたばあい
には、頭髪の枝毛、コシおよびツヤがいずれも改善され
ることがわかる。
【0122】実施例3 処方例11および比較処方例11でえられた浴用剤につ
いて、それぞれ以下に示すモニターテストを行なった。
その結果を表5に示す。
【0123】(モニターテスト)無作為に抽出した年齢
27〜59歳の健常な成人男女20名を被験者とし、各
浴用剤を4週間使用したのち、肌の状態として(ト)角
質細胞間の面積のバラツキに対する縮小効果について調
べた。なお、浴用剤はお湯200リットルに対して25
gを添加して溶解させた。
【0124】(ト)角質細胞間の面積のバラツキ対する
縮小効果 被験者の左脇腹部の細胞30個を用いたほかは、実施例
1と同様にして標準偏差を算出し、以下の評価基準に基
づいて評価した。
【0125】(評価基準) A:標準偏差が50%小さくなった。 B:標準偏差が25%小さくなった。 C:変化がない。 D:標準偏差が25%大きくなった。 E:標準偏差が50%大きくなった。
【0126】なお、かかるモニターテストにおいて、処
方例11でえられた浴用剤を用いた際に、皮膚に異常が
生じた被験者は1名もなかった。
【0127】また、処方例11でえられた浴用剤は、4
週間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0128】
【表5】
【0129】表5に示された結果から明らかなように、
処方例11でえられた浴用剤を用いたばあいには、角質
細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小されること
がわかる。
【0130】実施例4 処方例12〜13および比較処方例12〜13でえられ
た化粧料について、それぞれ以下に示すモニターテスト
を行なった。その結果を表6に示す。
【0131】(モニターテスト)無作為に抽出した年齢
25〜57歳の健常な成人女性100名を被験者とし、
各化粧料を顔面頬部の皮膚に連日1カ月間使用したのち
の(チ)小ジワに対する改善効果、唇または顔面頬部の
皮膚に連日1カ月間使用したのちの(リ)角質細胞間の
面積のバラツキに対する縮小効果についてそれぞれ調べ
た。
【0132】(チ)小ジワに対する効果 皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づい
て評価した。
【0133】(評価基準) A:きれいに消えた。 B:少し目立たなくなった。 C:変化がない。 D:少し増えた。 E:増えた。
【0134】(リ)角質細胞間の面積のバラツキ対する
縮小効果 処方例12および比較処方例12の化粧料については被
験者の唇の細胞30個を、また処方例13および比較処
方例13の化粧料については被験者の顔面左頬部の細胞
30個を用いたほかは、実施例1と同様にして標準偏差
を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0135】(評価基準) A:標準偏差が50%小さくなった。 B:標準偏差が25%小さくなった。 C:変化がない。 D:標準偏差が25%大きくなった。 E:標準偏差が50%大きくなった。
【0136】なお、かかるモニターテストにおいて、処
方例12〜13でえられた化粧料を用いた際に、皮膚に
異常が生じた被験者は1名もなかった。
【0137】また、処方例12〜13でえられた化粧料
は、いずれも1カ月間でその状態に変化が生じることは
なかった。
【0138】
【表6】
【0139】表6に示された結果から明らかなように、
処方例12〜13でえられた化粧料を用いたばあいに
は、角質細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小さ
れ、小ジワが改善されることがわかる。
【0140】本発明に用いられる低アレルゲン米のアル
カリ抽出液を1種または2種以上の蛋白分解酵素で処理
してえられた分解物は、従来から要求されてきた皮膚の
老化防止効果の指標となる過酸化脂質生成抑制作用、S
OD様活性作用、コラーゲン合成促進作用、紫外線損傷
回復作用などの効果を併せもつので、該分解物が配合さ
れた本発明の老化防止化粧料は、単なる保湿効果を有す
るものではなく、ヒトの皮膚に対してターンオーバーを
正常にし、角質細胞間の面積のバラツキを縮小して肌の
くすみ、しみを防止し、皮膚の細胞を活性化することに
よって小ジワを改善するといったすぐれた効果を奏す
る。また、頭髪用化粧料としたばあいには、頭髪の枝
毛、コシ、ツヤなどを改善するといった効果を奏する。
【0141】さらに、本発明に用いられる分解物は、米
をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン
米からえられたものであるので、アレルギー性が小さい
ことはもちろんのこと、その品質の安定性が高く、該分
解物が配合された本発明の老化防止化粧料は、保存安定
性にすぐれるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1でえられた分解物溶液を含有したサ
プルおよびブランクの、OD.550nmにおける60
秒間経過ごとの吸光度を示すグラフである。
【図2】調製例1でえられた分解物溶液を含有したサン
プルおよびブランク中の、細胞104個あたりのコラー
ゲン量および非コラーゲン量を示すグラフである。
【図3】調製例1でえられた分解物溶液を含有したサン
プルおよびブランク中の細胞数、ならびに分解物溶液を
含有したサンプル中の蘇生細胞数を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 7/08 A61K 7/08 7/48 7/48 7/50 7/50 35/78 35/78 U A61P 17/16 A61P 17/16 (72)発明者 内藤 和文 大阪市西区北堀江一丁目6番8号 株式 会社テクノーブル内 (72)発明者 澤木 茂 大阪市西区北堀江一丁目6番8号 株式 会社テクノーブル内 (56)参考文献 特開 平5−221844(JP,A) 特開 平2−53705(JP,A) 特開 平7−41426(JP,A) 特開 平2−167040(JP,A) 特開 平2−265447(JP,A) 特開 平5−292906(JP,A) 特開 平6−303925(JP,A) 特開 平7−304648(JP,A) 特開 平7−242531(JP,A) 特開 平7−252129(JP,A) 特開 平8−119870(JP,A) 特開 平8−38077(JP,A) 特開 平9−65840(JP,A) フレグランスジャーナル,Vol. 22, No.2,pp.67−71, (1994) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 A61K 35/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理して
    えた低アレルゲン米のアルカリ抽出液を、1種または2
    種以上の蛋白分解酵素で処理してえられた分解物が配合
    された老化防止化粧料。
  2. 【請求項2】 アルカリ抽出液を処理する蛋白分解酵素
    が (A)アクチナーゼと、 (B)ペプシン類、トリプシン類、パパイン類、ペプチ
    ターゼ類およびブロメラインから選ばれた蛋白分解酵素
    の少なくとも1種とを組合わせたものである請求項1記
    載の老化防止化粧料。
  3. 【請求項3】 米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理して
    えた低アレルゲン米が、米をアクチナーゼを用い、30
    〜40℃で1〜48時間処理したものである請求項1記
    載の老化防止化粧料。
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