JP3591950B2 - 老化防止化粧料およびそれに用いるsod様活性作用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、老化防止化粧料およびそれに用いるSOD様活性作用剤に関する。さらに詳しくは、すぐれた老化防止作用を呈し、基礎化粧料をはじめ、メイクアップ化粧料、トイレタリー製品、頭髪用化粧料、バス製品などに好適に使用しうる化粧料およびそれに用いるSOD様活性作用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、老化防止化粧料の必要性について考慮されているが、老化に関するメカニズム、定義などが明らかではなかったため、一般的には、肌の潤いとして保湿状態の計測や肌の弾力の計測を行なったり、肌状態を目視にて観察することにより、老化防止化粧料を用いた肌状態の改善を行なうか否かの判断を行なってきた。
【0003】
また、近年、老化の研究が進められ、皮膚の老化は、コラーゲンの架橋反応、ヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類の減少、紫外線による細胞の損傷などが主な原因であることが知られるようになり、従来の化粧品のように、ムコ多糖類やコラーゲンなどの生化学製品および合成高分子製品を配合して水分保持に努めるだけでは、皮膚の老化を充分に防止することができないことが明らかとなってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、皮膚内の線維芽細胞に働きかけることにより、真皮の重要な成分の一つであるコラーゲンを生合成させ、さらに過酸化脂質を抑制することで肌のトラブルを防止するとともに、日常の紫外線により知らず知らずのあいだに受けた皮膚細胞の損傷を回復させ、若々しい肌の状態を維持するといったすぐれた化粧効果を奏する化粧料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蒸気熱処理米、脱脂処理米、低デンプン化処理米、発芽処理米および加圧処理米から選ばれた加工米(米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米を除く)のアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物が配合されてなる老化防止化粧料、および
蒸気熱処理米、脱脂処理米、低デンプン化処理米、発芽処理米および加圧処理米から選ばれた加工米(米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米を除く)のアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物からなるSOD様活性作用剤
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の老化防止化粧料は、前記したように、蒸気熱処理米、脱脂処理米、低デンプン化処理米、発芽処理米および加圧処理米から選ばれた加工米(米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米を除く)のアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物が配合されたものである。
【0007】
本発明に用いられる加工米は、米をあらかじめ蒸気熱処理、脱脂処理、低デンプン化処理、発芽処理および加圧処理から選ばれた加工をしてえられたものであり、本発明において、該加工米を用いたことに大きな特徴が1つある。
【0008】
なお、本明細書において、米の加工とは、蒸気熱処理、加圧処理、脱脂処理、低デンプン化処理、発芽処理のことをいい、加工米とは、あらかじめかかる処理が施された米のことをいう。
【0009】
また、本発明に用いられる米の概念には、たとえば玄米、白米、精白米などが含まれる。
【0010】
前記蒸気熱処理は、たとえば、米を50〜80℃程度に加温した温水に5〜20時間程度浸漬したのち、好ましくは80〜150℃程度、さらに好ましくは100〜120℃程度の蒸気で20〜40分間程度の加熱処理を施し、たとえば天日、温風などで乾燥するなどして行なうことが望ましい。
【0013】
前記加圧処理は、たとえば、米を好ましくは2000〜4000mmHg程度、さらに好ましくは2500〜3500mmHg程度の高圧下で、好ましくは1〜12時間程度、さらに好ましくは2〜6時間程度処理し、水洗して乾燥させるなどして行なうことが望ましい。
【0014】
前記脱脂処理は、たとえば、米をメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、アセトン、エーテル類、酢酸エチルなどの有機溶媒に10〜30時間程度浸漬したのちろ過し、好ましくは20〜80℃程度、さらに好ましくは30〜60℃程度の低温で乾燥するなどして行なうことが望ましい。
【0018】
前記低デンプン化処理は、たとえば、米を精米機などを用いて研磨し、その重量がもとの重量の40〜60重量%程度となるまで処理し、その米に含まれるデンプンの30〜90重量%程度が除去された粉砕物(白糠)を回収するなどして行なうことが望ましい。
【0019】
前記発芽処理は、たとえば、米を水分が適量含まれた基材上で10〜30℃程度に保持して1〜2mm程度に発芽させ、発芽部分を分取するなどして行なうことが望ましい。
【0020】
なお、本発明においては、米の加工は、前記処理をそれぞれ単独で行なうことによってなされてもよく、2種以上の処理を適宜組合わせて行なうことによってなされてもよい。
【0021】
また、加工に供する米の種類に応じ、前記各種処理方法のなかから適した方法を選択して採用すればよい。
【0022】
つぎに、前記のごとくえられた加工米にアルカリ抽出処理を施す。
【0023】
前記アルカリ抽出処理に用いられる溶媒としては、たとえば精製水などの水;エタノールなどの1価の低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの1価の高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどのポリオール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ヘキサン;ベンゼンなどの炭化水素系溶媒;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、精製水や、精製水と、エタノール、グリセリンおよび1,3−ブチレングリコールから選ばれた1種または2種以上との混合溶媒が好ましい。
【0024】
なお、前記混合溶媒を用いる際に、たとえば精製水とエタノールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜25:1、精製水とグリセリンとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1、精製水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1であることが好ましい。
【0025】
前記アルカリ抽出処理を行なう際には、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのpH調整剤を用い、抽出処理に供される溶液のpHを7.5〜14程度に設定すればよい。なお、これらのpH調整剤のなかでは、低濃度で目的とするpHとなるように調整することができるという点から、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
アルカリ抽出処理に要する時間は、用いる溶媒やpH調整剤の種類、目的とするpH、抽出温度などによって異なり、一概には決定することができないが、たとえばpHが8.5〜14のばあい、通常室温で6時間〜7日間程度、好ましくは24〜48時間程度であることが望ましい。なお、抽出温度は、4〜40℃程度、好ましくは4〜20℃程度であることが望ましい。
【0027】
つぎに、前記のごとくえられたアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理する。
【0028】
前記酵素としては、たとえばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチターゼ、カルボキシペプチターゼ、アミノペプチターゼなどのペプチターゼ類、ブロメラインなどの蛋白分解酵素などがあげられ、これらのなかから1種または2種以上を選択して用いることができる。これらの酵素は、えられる分解物が配合された老化防止化粧料がさらに保存安定性および安全性にすぐれるという点から好ましく用いられ、なかでも、アクチナーゼ、ペプシンおよびトリプシンの組合わせがとくに好ましい。
【0029】
なお、たとえば2種以上の酵素で処理するばあいには、通常1回につき1種類の酵素が用いられる。
【0030】
酵素処理を行なう際の1回あたりの酵素の使用量は、用いる酵素の種類などによっても異なるが、その作用効果を考慮すると、前記アルカリ抽出液100部(重量部、以下同様)に対して0.0005部程度以上、好ましくは0.001部程度以上、また0.05部程度以下、好ましくは0.005部程度以下であり、合計して0.003〜0.015部程度であることが望ましい。
【0031】
酵素処理に要する時間は、用いる酵素の種類や分解温度などによって異なり、一概には決定することができないが、1種類の酵素につき通常1〜24時間程度、好ましくは2〜4時間程度であることが望ましい。なお、前記例示した酵素の分解温度は約30〜50℃である。
【0032】
また、本発明においては、えられたアルカリ抽出液に酵素処理を施すほかにも、加工米のアルカリ抽出処理のあいだに、すなわち加工米を含有したアルカリ抽出処理用の溶媒中に酵素を添加して抽出しながら、酵素処理を施す方法を採用することもできる。
【0033】
なお、えられた分解物を含む溶液は、皮膚への安全性の点からpH4〜8程度に調整されることが好ましい。
【0034】
かくしてえられた分解物は、そのまま老化防止化粧料に配合してもよく、たとえば減圧下で濃縮して濃度を調整したのち配合してもよく、またたとえば凍結乾燥法やスプレイドライ法によって粉末化したものを配合してもよい。
【0035】
前記分解物の老化防止化粧料への配合量は、目的とする化粧料の種類などによって異なり、一概には決定することができないが、該分解物を配合したことによる老化防止効果を充分に発現させるためには、老化防止化粧料100部に対して固形分換算で0.0001部以上、好ましくは0.001部であることが望ましく、また化粧料に安定に配合するためには、老化防止化粧料100部に対して固形分換算で5部以下、好ましくは1部以下であることが望ましい。
【0036】
本発明の老化防止化粧料は、前記分解物が配合されたものであるが、本発明においては、該分解物のほかにも、たとえば一般に化粧料に用いられている賦形剤、香料などをはじめ、油脂類、界面活性剤、保湿剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、賦形剤、乳化剤、動植物由来成分、ビタミン類、アミノ酸類などの各種化粧料成分を老化防止化粧料に適宜配合することができる。
【0037】
前記油脂類としては、一般に化粧料に汎用されているたとえば流動パラフィンなどのパラフィン、セタノール、アボカド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油などの植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワランなどの動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリルカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリン、シリコーンオイルなどの合成油脂などがあげられる。
【0038】
前記界面活性剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ジエタノールアミドなどの陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン性界面活性剤;グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪酸アミドなどの非イオン性界面活性剤などがあげられる。
【0039】
前記保湿剤としては、たとえばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パントテテイン−S−スルホン酸塩などの合成保湿剤;ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー、微生物発酵液などの天然保湿液などがあげられる。
【0040】
前記pH調整剤としては、たとえばクエン酸ナトリウム、クエン酸などの有機酸およびその塩類などがあげられる。
【0041】
前記増粘剤としては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどがあげられる。
【0042】
前記防腐剤としては、たとえばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸などがあげられる。
【0043】
前記酸化防止剤としては、たとえばビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などがあげられる。
【0044】
前記顔料としては、たとえばベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、セリサイト、マイカ、タルクなどがあげられる。
【0045】
前記賦形剤としては、たとえばマンニット、硫酸ナトリウムなどがあげられる。
【0046】
前記乳化剤としては、たとえば大豆レシチンなどがあげられる。
【0047】
これら各化粧料成分の配合量は、目的とする老化防止化粧料の用途などによって異なり、一概には決定することができず、用途に応じて適宜調整されることが好ましい。
【0048】
本発明の老化防止化粧料の形態は任意であり、とくに限定されるものではないが、本発明の老化防止化粧料は、肌の老化を防ぎ、若々しく健康な肌の状態を維持するなどのすぐれた性質を有するので、たとえばクリーム、乳液、ローション、エッセンス、洗顔料、パックなどの基礎化粧料;口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、プレスパウダーなどのメイクアップ化粧料;ボディーソープ、石鹸などのトイレタリー製品などとして用いることができる。
【0049】
また、本発明の老化防止化粧料は、毛根周辺および頭髪に作用し、枝毛や切れ毛の防止、頭髪保護にも有効であるため、たとえばシャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、整髮料などの頭髪用化粧料などとして用いることができる。
【0050】
さらに、前記分解物や乾燥粉末を湯に投入したばあいには、角質細胞間の面積のバラツキを改善する効果による入浴後の保温感の維持および肌の状態をより一層美しく、なめらかに正常化する効果があることから、本発明の老化防止化粧料は、浴用剤などのバス製品としても使用することができる。このように本発明の老化防止化粧料を浴用剤として使用するばあいには、分解物の老化防止化粧料への配合量は、かかる分解物が奏する効果を考慮すると、老化防止化粧料100部に対して分解物の固形分換算で0.0001部以上、好ましくは0.001部以上、また5部以下、好ましくは1部以下であることが望ましい。なお、前記浴用剤を用いるばあい、該浴用剤の使用量は、通常湯200リットルに対して浴用剤が20〜30g程度となるように調整することが好ましい。
【0051】
本発明に用いられる分解物は、ヒトの肌に対してすぐれた過酸化脂質生成抑制作用、スーパーオキシドジスムターゼ(以下、SODという)様活性作用、コラーゲン合成促進作用および紫外線損傷回復作用を同時に奏するものである。したがって、該分解物が配合された本発明の老化防止化粧料は、肌の老化を防ぎ、若々しく健康な肌の状態を維持するといった効果を奏する。さらに該分解物は、米をあらかじめ加工してえられた加工米から調製されたものであるので、経時的な不溶物の析出などを防止することができ、その品質の安定性が高い。したがって、該分解物が配合された本発明の老化防止化粧料は、保存安定性にきわめてすぐれるといった効果を奏する。
【0052】
【実施例】
つぎに、本発明の老化防止化粧料およびそれに用いるSOD様活性作用剤を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
調製例1(蒸気熱処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを60〜70℃に加温した温水5000mlに10〜15時間浸漬したのち、水切りを行ない、100℃の蒸気で30分間にわたって加熱処理を行なった。
【0054】
こののち、天日乾燥を行ない、蒸気熱処理米約900gをえた。
【0055】
つぎに、前記蒸気熱処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0056】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0057】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0058】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0059】
調製例2(蒸煮熱風乾燥処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを通常の方法で炊飯し、精白米中のデンプンをアルファ化したのち、80℃の熱風で60分間で急速乾燥を行ない、蒸煮熱風乾燥処理米約950gをえた。
【0060】
つぎに、前記蒸煮熱風乾燥処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0061】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にキモトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0062】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0063】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0064】
調製例3(脱脂処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gをエタノール5000mlに24時間浸漬したのち、ろ過して50℃で乾燥を行ない、脱脂処理米約900gをえた。
【0065】
つぎに、前記脱脂処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0066】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0067】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0068】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0069】
調製例4(蒸煮凍結乾燥処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを通常の方法で炊飯したのち、−40〜−30℃まで急速冷凍し、0.01〜1mmHgの減圧状態の真空乾燥器内に入れて温度を常温まで上昇させ、蒸煮凍結乾燥処理米約950gをえた。
【0070】
つぎに、前記蒸煮凍結乾燥処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0071】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)約5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にパパイン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0072】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0073】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0074】
調製例5(低デンプン化処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを精米機にかけ、その重量がもとの精白米の重量の約50重量%となるまで削り、その際生成した精白米の外側部の粉末(白糠)を回収し、デンプンの約60重量%が除去された低デンプン化処理米の粉末約500gをえた。
【0075】
つぎに前記低デンプン化処理米の粉末100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0076】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0077】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0078】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0079】
調製例6(発芽処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
水分を含有した不織布が敷きつめられた棚床上に、玄米100gを並べ、20℃で1〜2mm程度発芽させた。こののち、発芽部分を分取し、発芽処理米約120gをえた。
【0080】
つぎに、前記発芽処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0081】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0082】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0083】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0084】
調製例7(焙煎処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを120〜300℃で加熱して焙煎を行なったのち、焙煎処理米約800gをえた。
【0085】
つぎに、前記焙煎処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0086】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0087】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0088】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0089】
調製例8(低タンパク化処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gに乳酸菌を接種し、通常の方法にて培養してタンパク質を資化させ、精白米に含まれるタンパク質の約30重量%をペプチドに変換し、低タンパク化処理米約800gをえた。
【0090】
つぎに、前記低タンパク化処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0091】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0092】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0093】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0094】
調製例9(加圧処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の製造)
精白米1000gを2660mmHgの高圧下で60分間処理し、アレルゲン物質を分解したのち、水洗して乾燥させ、加圧処理米約800gをえた。
【0095】
つぎに、前記加圧処理米100gを精製水1000mlに加え、0.1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを11〜13に調整し、室温下で約24時間浸漬して抽出し、抽出液(固形分含量:約5重量%)約500mlをえた。
【0096】
つぎに、前記抽出物に、アクチナーゼ(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、ついでペプシン(至適pH2.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行ない、最後にトリプシン(至適pH8.0)5mgを添加して35〜45℃で1〜2時間かけて処理を行なった。
【0097】
なお、各酵素を添加する際には、抽出液が各酵素の至適pHとなるように調整した。
【0098】
これをろ過して淡黄色透明の酵素分解物溶液(固形分含量:約3重量%)約300mlをえた。
【0099】
調製例10(低デンプン化処理米のアルカリ抽出液の酵素分解物の凍結乾燥処理物の製造)
調製例5でえられた酵素分解物溶液100mlを濃縮し、ついで真空凍結乾燥して分解物の乾燥粉末約2gをえた。
【0100】
試験例1〜5
調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液をサンプルとして用い、以下に示す試験を行なった。
【0101】
試験例1(過酸化脂質生成抑制作用)
0.5Mリノール酸エタノール1.0ml、0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mlおよびエタノール9.0mlをそれぞれ正確に秤量し、共栓付き三角フラスコ中で充分に撹拌した。これにそれぞれ正確に秤量した調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液5.0mlを加えて充分に撹拌した。
【0102】
つぎに、この調製直後の溶液と、40℃の恒温槽中で7日間放置した溶液とについて、それぞれ0.1mlずつを正確に秤量し、これに75%エタノール4.7ml、30%チオシアン酸アンモニウム溶液0.1mlおよび0.02M塩化第一鉄の3.5%塩酸溶液0.1mlを加えて充分に混合撹拌したのち、正確に3分後の500nmにおける吸光度を測定し、以下の式に基づいて過酸化物価指数を求めた。
【0103】
【数1】
【0104】
なお、式中、T7 は試験開始から7日間経過後の酵素分解物溶液が添加された溶液の吸光度、B7 は試験開始から7日間経過後の酵素分解物溶液のかわりに精製水が添加された溶液の吸光度、T0 は試験開始直後の酵素分解物溶液が添加された溶液の吸光度、B0 は試験開始直後の酵素分解物溶液のかわりに精製水が添加された溶液の吸光度を示す。
【0105】
また、酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いて同様に操作したものをブランクとした。これらの結果を表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
表1に示された結果から明らかなように、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液は、すぐれた過酸化脂質生成抑制作用を奏することがわかる。
【0108】
試験例2(SOD様活性作用)
1Mトリス塩酸緩衝液0.15ml、1mMエチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAという)四ナトリウム塩溶液0.30ml、0.2mMチトクロームC溶液0.20mlおよび1mMキサンチン溶液0.30mlをそれぞれ正確に秤量し、共栓付き三角フラスコ中で充分に撹拌した。これにそれぞれ正確に秤量した調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液0.10ml、キサンチンオキシターゼ溶液(0.01U/0.01ml)0.05mlおよび精製水1.90mlを加えたのち、550nmにおける60秒間経過ごとの吸光度を測定した。その結果を図1のグラフA1〜A9(順に、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルに対応)に示す。
【0109】
また、酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いて同様に操作したものをブランクとした。その結果を図1のグラフBに示す。
【0110】
図1に示された結果から明らかなように、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液、とくに調製例1、3、5、6、9で得られた酵素分解物溶液は、すぐれたSOD様活性作用を奏することがわかる。
【0111】
試験例3(コラーゲン合成促進作用)
基本培地として、5容量%仔牛血清(以下、FBSという)含有イーグル最少必須培地(以下、MEMという)を用い、細胞として、ヒト真皮由来線維芽細胞を用いた。
【0112】
細胞を基本培地で一定期間培養したのち、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液をそれぞれ5容量%含有した培地を添加し、37℃で5日間培養した。そのあいだに培地交換を1回行なった。また基本培地のみを用いて培養したものをブランクとした。
【0113】
前記の操作で培養した線維芽細胞について、該細胞104個あたりのコラーゲン量および非コラーゲン量を測定し、コラーゲンの合成促進作用を調べた。なお、コラーゲンの定量は、コスモバイオ社のコラーゲンステインキットを用いて行なった。その結果を図2のグラフA1〜A9(順に、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルに対応)、およびグラフB(ブランク)に示す。
【0114】
図2に示された結果から明らかなように、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液は、すぐれたコラーゲン合成促進作用を奏することがわかる。
【0115】
試験例4(紫外線損傷回復作用)
基本培地として、10容量%FBS含有イーグルMEMを用い、細胞として、ヒト由来線維芽細胞を用いた。
【0116】
細胞を基本培地で一定期間培養したのち、紫外線ランプ(東芝健康線ランプ、(株)東芝製、出力30w)にて紫外線を照射しながら調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液をそれぞれ10容量%含有した培地を添加し、37℃で10日間培養した。そのあいだに培地交換を2回行なった。また基本培地のみを用いて培養したものをブランクとした。
【0117】
前記の操作で培養した線維芽細胞について、培養後にトリプシンEDTAを用い、細胞を剥離して各サンプル中の細胞数および調製例1でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプル中の蘇生細胞数を測定し、紫外線による損傷の回復作用を調べた。その結果を図3のグラフA1〜A9(順に、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルに対応)、グラフB(ブランク)およびグラフC(蘚生した細胞)に示す。
【0118】
図3に示された結果から明らかなように、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液は、紫外線による細胞の損傷回復作用にすぐれたものであることがわかる。
【0119】
試験例5(保存安定性)
調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液をそれぞれ50ml容のスクリュー管内に充填し、40℃で90日間にわたって恒温条件で保存した。
【0120】
試験開始後10日間、20日間、30日間、60日間および90日間経過後の酵素分解物溶液における着色および沈殿の有無を目視にて観察した。また、調製例1において、蒸気熱処理米のかわりに通常の米を用いてえられた酵素分解物溶液をブランクとし、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液と同様にして保存し、着色および沈殿の有無を目視にて観察した。その結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】
表2に示された結果から明らかなように、調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液は、90日間といった長期間にわたって着色や沈殿が認められないことから、品質が変化せず、保存安定性にすぐれたものであることがわかる。
【0123】
処方例1〜8、参考処方例a〜fおよび比較処方例1〜14
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌混合して均一なクリームを調製した。
【0124】
参考処方例a(乳液)
[(A)成分] (部)
流動パラフィン 6.00
ヘキサラン
(トリオクタン酸グリセリル、(株)テクノーブル製) 4.00
ホホバ油 1.00
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.00
大豆レシチン 1.50
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
酢酸dl−α−トコフェロール 0.10
[(B)成分]
調製例2でえられた酵素分解物溶液 30.00
グリセリン 3.00
1,3−ブチレングリコール 2.00
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.30
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100.00部となる量
[(C)成分]
香 料 0.05
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃になるまで加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌し、均一な乳液を調製した。
【0125】
処方例2(ローション)
[成 分] (部)
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
水溶性プラセンタエキス 1.0
調製例3でえられた酵素分解物溶液 10.0
香 料 微量
精製水 全量が100.0部となる量
前記成分を混合して均一なローションを調製した。
【0126】
前記成分を混合して均一なエッセンスを調製した。
【0127】
処方例3(パック)
[成 分] (部)
ポリビニルアルコール 15.0
ヒドロキシメチルセルロース 5.0
プロピレングリコール 5.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
調製例5でえられた酵素分解物溶液 10.0
カラギーナン 0.5
香 料 微量
精製水 全量が100.0部となる量
前記成分を混合して均一なパックを調製した。
【0128】
処方例4(洗顔料)
[成 分] (部)
ステアリン酸 15.0
ラウリン酸 5.0
ミリスチン酸 15.0
グリセリルモノステアレート 4.0
水酸化カリウム 7.0
グリセリン 8.0
調製例6でえられた酵素分解物溶液 10.0
メチルパラベン 0.2
アルギン酸ナトリウム 0.1
精製水 全量が100.0部となる量
前記成分を85℃に加温し混合して均一な洗顔料を調製した。
【0129】
前記成分を80℃以上に加温したのち、混合撹拌して均一なシャンプーを調製した。
【0130】
参考処方例d(リンス)
[成 分] (部)
塩酸ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5
セタノール 2.0
2-オクチルドデカノール 1.0
カチオン化セルロース 0.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0
プロピレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
香料 微量
調製例8でえられた酵素分解物溶液 50.0
精製水 全量が100.0部となる量
前記成分を80℃以上に加温したのち、混合撹拌して均一なリンスを調製した。
【0131】
処方例5(トリートメント)
[成 分] (部)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
調製例9でえられた酵素分解物溶液 50.0
精製水 全量が100.0部となる量
前記成分を80℃に加温したのち、混合撹拌して均一なトリートメントを調製した。
【0132】
前記成分を混合して均一な整髪料を調製した。
【0133】
処方例7(浴用剤)
[成 分] (部)
硫酸ナトリウム 35.0
炭酸水素ナトリウム 52.0
ホウ砂 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
赤色201 号 微量
香料 微量
調製例10でえられた乾燥粉末 全量が100.0部となる量
前記成分を混合して均一な浴用剤を調製した。
【0134】
処方例8(口紅)
[(A)成分] (部)
ヒマシ油 50.0
オクチルドデカノール 5.0
ラノリン 5.0
液状ラノリン 5.0
ミツロウ 4.0
オゾケライト 7.0
キャンデリラロウ 2.0
カルナバロウ 1.0
[(B)成分]
酸化チタン 1.0
色素(赤色201号など) 合計4.0
調製例10でえられた乾燥粉末 全量が100.0部となる量
[(C)成分]
香 料 微量
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み急冷して口紅を調製した。
【0135】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し前記(C)成分を添加して型に流しこみ室温になるまで撹拌してリキッドファンデーションを調製した。
【0136】
前記成分を混合して均一な石鹸を調製した。
【0137】
比較処方例1(クリーム)
調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例1と同様にしてクリームを調製した。
【0138】
比較処方例2(乳液)
調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例2と同様にして乳液を調製した。
【0139】
比較処方例3(ローション)
調製例3でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例3と同様にしてローションを調製した。
【0140】
比較処方例4(エッセンス)
調製例4でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例4と同様にしてエッセンスを調製した。
【0141】
比較処方例5(パック)
調製例5でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例5と同様にしてパックを調製した。
【0142】
比較処方例6(洗顔料)
調製例6でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例6と同様にして洗顔料を調製した。
【0143】
比較処方例7(シャンプー)
調製例7でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例7と同様にしてシャンプーを調製した。
【0144】
比較処方例8(リンス)
調製例8でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例8と同様にしてリンスを調製した。
【0145】
比較処方例9(トリートメント)
調製例9でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例9と同様にしてトリートメントを調製した。
【0146】
比較処方例10(整髪料)
調製例1でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例10と同様にして整髪料を調製した。
【0147】
比較処方例11(浴用剤)
調製例10でえられた乾燥粉末のかわりに硫酸ナトリウムを用いたほかは処方例11と同様にして浴用剤を調製した。
【0148】
比較処方例12(口紅)
調製例10でえられた乾燥粉末のかわりにナイロンパウダーを用いたほかは処方例12と同様にして口紅を調製した。
【0149】
比較処方例13(リキッドファンデーション)
調製例4でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例13と同様にしてリキッドファンデーションを調製した。
【0150】
比較処方例14(石鹸)
調製例2でえられた酵素分解物溶液のかわりに精製水を用いたほかは処方例14と同様にして石鹸を調製した。
【0151】
実施例1
処方例1〜4および比較処方例1〜6でえられた化粧料について、それぞれ以下に示すモニターテストを行なった。その結果を表3に示す。
【0152】
(モニターテスト)
無作為に抽出した年齢25〜57歳の健常な成人女性100名を被験者とし、各化粧料を顔面の皮膚に連日1カ月間使用したのちの、(イ)肌のくすみ、しみに対する改善効果、(ロ)小ジワに対する改善効果および(ハ)角質細胞間の面積のバラツキに対する縮小効果についてそれぞれ調べた。
【0153】
(イ)肌のくすみ、しみに対する改善効果
皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0154】
(評価基準)
A:非常に改善された。
B:改善された。
C:変化がない。
D:少し目につく。
E:目立つようになった。
【0155】
(ロ)小ジワに対する効果
皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0156】
(評価基準)
A:きれいに消えた。
B:少し目立たなくなった。
C:変化がない。
D:少し増えた。
E:増えた。
【0157】
(ハ)角質細胞間の面積のバラツキ対する縮小効果
被験者の顔面左頬部に両面紙テープ(ナイスタック、(株)ニチバン製)を貼布し、テープストリッピング法により角質細胞を剥離させ、細胞1個ずつの面積を測定した。細胞30個について細胞面積を求め、標準偏差を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0158】
(評価基準)
A:標準偏差が50%小さくなった。
B:標準偏差が25%小さくなった。
C:変化がない。
D:標準偏差が25%大きくなった。
E:標準偏差が50%大きくなった。
【0159】
なお、かかるモニターテストにおいて、処方例1〜4でえられた化粧料を用いた際に、皮膚に異常が生じた被験者は1名もなかった。
【0160】
また、処方例1〜4でえられた化粧料は、いずれも1カ月間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0161】
【表3】
【0162】
表3に示された結果から明らかなように、処方例1〜4でえられた化粧料を用いたばあいには、角質細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小され、肌のくすみ、しみや小ジワが改善されることがわかる。
【0163】
実施例2
処方例5〜6および比較処方例7〜10でえられた頭髪用化粧料について、それぞれ以下に示すハーフヘッドテストを行なった。その結果を表4に示す。
【0164】
(ハーフヘッドテスト)
無作為に抽出した年齢25〜60歳の健常な成人女性20名を被験者とし、各頭髪用化粧料を頭髪に1日1回、30日間使用したのちの、頭髪の(ニ)枝毛、(ホ)コシおよび(ヘ)ツヤについて、それぞれ以下の評価基準に基づいて評価した。
【0165】
(ニ)枝毛
(評価基準)
A:なくなった。
B:少なくなった。
C:変化がない。
D:少し増えた。
E:増えた。
【0166】
(ホ)コシ
(評価基準)
A:強くなった。
B:少し強くなった。
C:変化がない。
D:少し弱くなった。
E:弱くなった。
【0167】
(ヘ)ツヤ
(評価基準)
A:よくなった。
B:少しよくなった。
C:変化がない。
D:少しわるくなった。
E:わるくなった。
【0168】
なお、かかるハーフヘッドテストにおいて、処方例5〜6でえられた頭髪用化粧料を用いた際に、頭髪や頭皮に異常が生じた被験者は1名もなかった。
【0169】
また、処方例5〜6でえられた頭髪用化粧料は、いずれも30日間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0170】
【表4】
【0171】
表4に示された結果から明らかなように、処方例5〜6でえられた頭髪用化粧料を用いたばあいには、頭髪の枝毛、コシおよびツヤがいずれも改善されることがわかる。
【0172】
実施例3
処方例7および比較処方例11でえられた浴用剤について、それぞれ以下に示すモニターテストを行なった。その結果を表5に示す。
【0173】
(モニターテスト)
無作為に抽出した年齢27〜59歳の健常な成人男女20名を被験者とし、各浴用剤を4週間使用したのち、肌の状態として(ト)角質細胞間の面積のバラツキに対する縮小効果について調べた。なお、浴用剤はお湯200リットルに対して25gを添加して溶解させた。
【0174】
(ト)角質細胞間の面積のバラツキ対する縮小効果
被験者の左脇腹部の細胞30個を用いたほかは、実施例1と同様にして標準偏差を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0175】
(評価基準)
A:標準偏差が50%小さくなった。
B:標準偏差が25%小さくなった。
C:変化がない。
D:標準偏差が25%大きくなった。
E:標準偏差が50%大きくなった。
【0176】
なお、かかるモニターテストにおいて、処方例7でえられた浴用剤を用いた際に、皮膚に異常が生じた被験者は1名もなかった。
【0177】
また、処方例7でえられた浴用剤は、4週間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0178】
【表5】
【0179】
表5に示された結果から明らかなように、処方例7でえられた浴用剤を用いたばあいには、角質細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小されることがわかる。
【0180】
実施例4
処方例8および比較処方例12〜13でえられた化粧料について、それぞれ以下に示すモニターテストを行なった。その結果を表6に示す。
【0181】
(モニターテスト)
無作為に抽出した年齢25〜57歳の健常な成人女性100名を被験者とし、各化粧料を顔面頬部の皮膚に連日1カ月間使用したのちの(チ)小ジワに対する改善効果、唇または顔面頬部の皮膚に連日1カ月間使用したのちの(リ)角質細胞間の面積のバラツキに対する縮小効果についてそれぞれ調べた。
【0182】
(チ)小ジワに対する効果
皮膚の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0183】
(評価基準)
A:きれいに消えた。
B:少し目立たなくなった。
C:変化がない。
D:少し増えた。
E:増えた。
【0184】
(リ)角質細胞間の面積のバラツキ対する縮小効果
処方例8および比較処方例12の化粧料については被験者の唇の細胞30個を、また比較処方例13の化粧料については被験者の顔面左頬部の細胞30個を用いたほかは、実施例1と同様にして標準偏差を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0185】
(評価基準)
A:標準偏差が50%小さくなった。
B:標準偏差が25%小さくなった。
C:変化がない。
D:標準偏差が25%大きくなった。
E:標準偏差が50%大きくなった。
【0186】
なお、かかるモニターテストにおいて、処方例8でえられた化粧料を用いた際に、皮膚に異常が生じた被験者は1名もなかった。
【0187】
また、処方例8でえられた化粧料は、いずれも1カ月間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0188】
【表6】
【0189】
表6に示された結果から明らかなように、処方例8でえられた化粧料を用いたばあいには、角質細胞間の面積のバラツキがいちじるしく縮小されることがわかる。
【0190】
【発明の効果】
本発明に用いられる加工米のアルカリ抽出液を1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物は、従来から要求されてきた皮膚の老化防止効果の指標となる過酸化脂質生成抑制作用、SOD様活性作用、コラーゲン合成促進作用、紫外線損傷回復作用などの効果を併せもつものである。したがって、該分解物が配合された本発明の老化防止化粧料は、単なる保湿効果を有するものではなく、ヒトの皮膚に対してターンオーバーを正常にし、角質細胞間の面積のバラツキを縮小して肌のくすみ、しみを防止し、皮膚の細胞を活性化することによって小ジワを改善するといったすぐれた効果を奏する。また、頭髪用化粧料としたばあいには、頭髪の枝毛、コシ、ツヤなどを改善するといった効果を奏する。
【0191】
さらに、本発明に用いられる分解物は、米をあらかじめ加工した加工米からえられたものであるので、その品質の安定性が高い。したがって、該分解物が配合された本発明の老化防止化粧料は、保存安定性にすぐれるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルおよびブランクの、550nmにおける60秒間経過ごとの吸光度を示すグラフである。
【図2】調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルおよびブランク中の、細胞104個あたりのコラーゲン量および非コラーゲン量を示すグラフである。
【図3】調製例1〜9でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプルおよびブランク中の細胞数、ならびに調製例1でえられた酵素分解物溶液を含有したサンプル中の蘇生細胞数を示すグラフである。
Claims (3)
- 蒸気熱処理米、脱脂処理米、低デンプン化処理米、発芽処理米および加圧処理米から選ばれた加工米(米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米を除く)のアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物が配合されてなる老化防止化粧料。
- アルカリ抽出液を処理する酵素がアクチナーゼ類、ペプシン類、トリプシン類、パパイン類、ペプチターゼ類およびブロメラインから選ばれた蛋白分解酵素の少なくとも1種である請求項1記載の老化防止化粧料。
- 蒸気熱処理米、脱脂処理米、低デンプン化処理米、発芽処理米および加圧処理米から選ばれた加工米(米をあらかじめ蛋白分解酵素で処理してえた低アレルゲン米を除く)のアルカリ抽出液を、1種または2種以上の酵素で処理してえられた分解物からなるSOD様活性作用剤。
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