JP3601875B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、化粧料に関する。さらに詳しくは、すぐれた美白効果や抗炎症作用を奏し、基礎化粧品をはじめ、メイクアップ化粧品、浴用剤などに好適に使用しうる化粧料(ただし、養毛剤を除く)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、美白効果や抗炎症作用を奏する化粧料の必要性が高まるにつれて、種々の研究が行なわれ、各種化粧料が提案されている。しかしながら、従来の化粧料には、皮膚などに対する安全性や保存安定性に加え、とくにその美白効果や抗炎症作用を充分に満足するものがない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の属に属する植物を抽出してえられる抽出物が、培養色素細胞のチロシナーゼ活性を低下させ、メラニンの生成を抑制し、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着をも抑制するうえ、リポキシゲナーゼ活性を低下させ、炎症の発生を抑制し、肌に潤いを与えて肌質を改善するといったすぐれた効果を奏することを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、白芥子(ブラシカ ヒルタ(Brassica hirta))を抽出してなる抽出物が配合された化粧料(ただし、養毛剤を除く)に関する。
【0005】
【作用および実施例】
本発明の化粧料は、前記したように、アブラナ科のブラシカ属(Brassica)に属する植物である白芥子(ブラシカ ヒルタ(Brassica hirta))を抽出してえられた抽出物が配合されたものである。
【0006】
白芥子は、抽出してえられる抽出液が、たとえば黄芥子(Brassica juncea)、黒芥子(Brassica nigra)、アブラナ(Brassica ropa)などの抽出液の単独または2種以上の混合物よりすぐれた美白効果や抗炎症作用を奏するという点から、とくに好ましい。
【0007】
なお、本発明においては、前記白芥子の種子、葉、茎および根を含む全草を用いることができる。
【0008】
前記白芥子の抽出は、中性媒体を用いて行なわれることが好ましく、かかる抽出の際に用いられる溶媒としては、たとえば精製水などの水;エタノールなどの1価の低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの1価の高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどのポリオール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ヘキサン、クロロホルム、ベンゼンなどの炭化水素系溶剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、精製水、エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールや、精製水と、エタノール、グリセリンおよび1,3−ブチレングリコールの1種または2種以上との混合溶媒が好ましい。
【0009】
なお、前記混合溶媒を用いるばあいには、たとえば精製水とエタノールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜25:1、精製水とグリセリンとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1、精製水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1であることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記白芥子の抽出を行なう際には、該植物を含有した抽出溶液のpHが5〜9程度であることが好ましく、前記溶媒をそのまま用いてもよいが、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カリウムなどのカリウム塩などのアルカリ性調整剤や、たとえばクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤などを前記溶媒に配合し、目的とするpHとなるように調整することもできる。これら調整剤のなかでは、低濃度で目的とするpHとなるように調整することができるという点から、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩酸およびリン酸が好ましい。
【0011】
前記抽出処理に要する時間は、用いる溶媒の種類、目的とするpH、抽出温度などによって異なるので一概には決定することができないが、たとえばpHが5〜9のばあい、通常室温で6時間〜7日間程度、なかんづく12〜48時間程度であることが好ましい。なお、抽出温度は、好ましくは4〜40℃程度、さらに好ましくは10〜30℃程度である。
【0012】
かくしてえられた抽出物は、そのまま化粧料に配合してもよく、たとえば減圧下で濃縮して濃度を調整したのち配合してもよく、またたとえば凍結乾燥法やスプレードライ法などによって粉末化したものを配合してもよい。
【0013】
前記抽出物の配合量は、目的とする化粧料の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、該抽出物を配合したことによる美白効果や抗炎症作用を充分に発現させるためには、かかる抽出物の配合量は、化粧料100部(重量部、以下同様)に対して固形分換算で0.0005部以上、なかんづく0.005部以上となるように調整することが好ましい。また該抽出物を化粧料に技術的に安定に配合するためには、かかる抽出物の配合量は、化粧料100部に対して固形分換算で5部以下、なかんづく1部以下となるように調整することが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる抽出物は、培養色素細胞のチロシナーゼ活性の低下、メラニン生成の抑制効果、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着の抑制効果や、リポキシゲナーゼ活性の低下および保湿効果を同時に奏するものであり、かかる抽出物が配合された本発明の化粧料を用いたばあいには、メラニンの蓄積によるシミ、ソバカスなどの発現が抑制されるほか、炎症の発生が抑制され、潤いのある肌質が改善された白く美しい肌が維持される。
【0015】
本発明の化粧料は、前記したように、白芥子を抽出してえられた抽出物が配合されたものであるが、本発明においては、これらのほかにも、たとえば一般に化粧料に用いられている賦形剤、香料などをはじめ、油脂類、界面活性剤、保湿剤、美白剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤などの各種化粧料成分を化粧料に適宜配合することができる。
【0016】
前記油脂類としては、一般に化粧料に汎用されている、たとえば流動パラフィン、パラフィン、セタノール、アボカド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油などの植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワランなどの動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリルカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリン、シリコーンオイルなどの合成油脂などがあげられる。
【0017】
前記界面活性剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ジエタノールアミドなどの陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン性界面活性剤;グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪酸アミドなどの非イオン性界面活性剤などがあげられる。
【0018】
前記保湿剤としては、たとえばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パントテテイン−S−スルホン酸塩などの合成保湿剤;ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー、微生物発酵液、たとえばキチン、キトサン、ペクチンなどや、その他の植物や動物由来の抽出液などの天然保湿液などがあげられる。
【0019】
前記美白剤としては、たとえばコウジ酸、アスコルビン酸、アルブチン、胎盤抽出液やこれらの誘導体などのほかにも、その他の植物や動物由来の抽出液などがあげられる。
【0020】
前記pH調整剤としては、たとえばクエン酸、クエン酸ナトリウムなどの有機酸およびその塩類などがあげられる。
【0021】
前記増粘剤としては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどがあげられる。
【0022】
前記防腐剤としては、たとえばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸などがあげられる。
【0023】
前記酸化防止剤としては、たとえばビタミンE、ブチルオキシトルエン(BHT)、ブチルオキシアニゾール(BHA)などがあげられる。
【0024】
前記顔料としては、たとえばベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、セリサイト、マイカ、タルクなどがあげられる。
【0025】
前記洗浄剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられる。
【0026】
前記乳化剤としては、たとえば大豆レシチン油などがあげられる。
【0027】
前記賦形剤としては、たとえば硫酸ナトリウムなどがあげられる。
【0028】
これら各化粧料成分の配合量は、目的とする化粧料の用途などにより異なるので一概には決定することができず、用途に応じて適宜調整されることが好ましい。
【0029】
本発明の化粧料の形態は任意であり、とくに限定されるものではないが、本発明の化粧料は、肌のくすみやシミ、ソバカスの発現を防ぐほか、炎症の発生を抑制し、若々しく健康で、潤いのある肌質が改善された白く美しい肌の状態を維持するなどのすぐれた性質を有するので、たとえばクリーム、乳液、ローション、エッセンス、洗顔料、パックなどの基礎化粧品、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、プレスパウダーなどのメイクアップ化粧品、ボディーソープ、石鹸などのトイレタリー製品などとして用いることができる。
【0030】
さらに、前記抽出物やこれらの乾燥粉末を湯に投入したばあいには、経皮吸収によって肌の状態の向上に効果があることから、本発明の化粧料は、浴用剤などとしても使用することができる。このように本発明の化粧料を浴用剤として用いるばあいには、前記抽出物の化粧料への配合量は、かかる抽出物が奏する肌の状態の向上効果を考慮すると、化粧料100部に対して抽出物の固形分換算で0.0005〜5.0部、なかんづく0.001〜0.1部であることが好ましい。なお、前記浴用剤を用いるばあい、該浴用剤の使用量は、通常湯200リットルに対して浴用剤が5〜50g程度となるように調整することが好ましい。
【0031】
つぎに本発明の化粧料を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
調製例1(白芥子の種子の水抽出物の製造)
白芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0033】
調製例2(白芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0034】
調製例3(黄芥子の種子の水抽出物の製造)
黄芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0035】
調製例4(黄芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0036】
調製例5(黒芥子の種子の水抽出物の製造)
黒芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0037】
調製例6(黒芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0038】
調製例7(アブラナの全草の水抽出物の製造)
アブラナの全草の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約7に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0039】
調製例8(アブラナの全草のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0040】
つぎに、調製例1でえられた抽出液および調製例2でえられた抽出液を用い、以下に示す試験を行なった。
【0041】
試験例1(チロシナーゼ活性阻害作用)
L−チロシンの0.03%水溶液1ml、マックイルベイン緩衝液(pH6.8)1mlおよび調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液の10%水溶液1mlを混合し、混合溶液をえた。
【0042】
前記混合溶液に、600unit/mlのチロシナーゼ0.1mlを添加して37℃でチロシナーゼ反応を行なったのち、分光光度計(HITACHI U−2000、(株)日立製作所製)を用い、波長475nmでの時間の経過にともなう吸光度を測定した。調製例1でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図1のグラフAに、調製例2でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図1のグラフBに示す。
【0043】
なお、図1中のグラフCは、抽出液の10%水溶液1mlのかわりに、精製水1mlを用いた混合溶液(ブランク)についての結果である。
【0044】
図1に示されたグラフから、抽出液が用いられていない混合溶液は、時間の経過にともなって吸光度が急激に上昇するのに対し、調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液が配合された混合溶液は、いずれも時間が経過しても吸光度の上昇がかなり小さく、これらの抽出液によってチロシナーゼ活性が充分に阻害されていることがわかる。
【0045】
試験例2(細胞内チロシナーゼ活性抑制作用)
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレート(コーニング社(CORNING)製)に8000個/穴播種し、5容量%仔牛血清(FCS)含有イーグル最少必須培地(MEM)で37℃、5%CO2の条件下で24時間プレ培養した。こののち、この培養液と、調製例1でえられた抽出液を1容量%または3容量%添加した5容量%FCS含有イーグルMEMとを交換し、さらに37℃、5%CO2の条件下で48時間培養した。
【0046】
つぎに、培養後の培養液を除去し、界面活性剤(Triton X−100)を添加した細胞処理液に、L−ドーパ5ミリモルを添加して37℃でチロシナーゼ反応を行なったのち、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオ・ラッド社(BIO RAD)製)を用い、波長490nmでのドーパ(Dopa)値および波長570〜630nmでのMTT値を測定した。
【0047】
調製例1でえられた抽出液の添加量とドーパ値との関係を図2のグラフに、調製例1でえられた抽出液の添加量とMTT値との関係を図3のグラフに示す。
【0048】
なお、前記ドーパ値が大きくなるにつれて、細胞内チロシナーゼ活性が増大し、前記MTT値が小さくなるにつれて、マウスメラノーマ細胞の細胞活性が低下する。
【0049】
図2および図3に示されたグラフから、調製例1でえられた抽出液の添加量が増加するにつれて、マウスメラノーマ細胞の細胞活性をほとんど阻害することなく、ドーパ値が低下し、細胞内チロシナーゼ活性が抑制されることがわかる。
【0050】
試験例3(リポキシゲナーゼ活性抑制作用)
リノール酸アセトンの2mg/ml溶液0.025ml、クエン酸緩衝液(pH6.5)0.125mlおよび調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液2.4mlを混合し、基質濃度が1mg/mlまたは2.5mg/mlとなるようにして混合溶液を調製し、室温で15分間以上放置した。
【0051】
前記混合溶液に、16000unit/mlのリポキシゲナーゼ0.1mlを添加して20℃でリポキシゲナーゼ反応を行ない、試験例1で用いたものと同じ分光光度計を用い、波長234nmでの反応時間の経過にともう吸光度を測定した。調製例1でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図4のグラフD(基質濃度1mg/ml)およびグラフF(基質濃度2.5mg/ml)に、調製例2でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図5のグラフH(基質濃度1mg/ml)およびグラフJ(基質濃度2.5mg/ml)に示す。
【0052】
なお、図4中のグラフEおよびグラフG、ならびに図5中のグラフIおよびグラフKは、抽出液2.4mlのかわりに精製水2.4mlを用いた混合溶液(ブランク)についての結果であり、グラフEおよびグラフIは、基質濃度が1mg/mlのものであり、グラフGおよびグラフKは、基質濃度が2.5mg/mlのものである。
【0053】
図4および図5に示されたグラフから、抽出液が用いられていない混合溶液(ブランク)は、いずれも反応時間の経過にともなって吸光度が急激に上昇するのに対し、調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液が配合された混合溶液は、反応時間が経過しても、いずれも対応するブランクの吸光度と比べて吸光度の上昇がかなり小さく、これらの抽出液によってリポキシゲナーゼ活性が充分に抑制されていることがわかる。
【0054】
処方例1〜9および比較処方例1〜9
処方例1(クリーム)
[(A)成分] (部)
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン 4.0
(トリオクタン酸グリセリル)
パラフィン 5.0
セタノール 2.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20) 6.0
ソルビタンモノステアレート
ブチルパラベン 0.1
[(B)成分]
調製例1でえられた抽出液 10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
モイストン・C 1.0
(ナチュラルモイスチャライジングファクター)
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100.0部になる量
[(C)成分]
香料 適量
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌混合して均一なクリームを調製した。
【0055】
比較処方例1(クリーム)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例1と同様にしてクリームを調製した。
【0056】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌混合して均一な乳液を調製した。
【0057】
比較処方例2(乳液)
調製例3でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例aと同様にして乳液を調製した。
【0058】
前記成分を混合して均一なローションを調製した。
【0059】
比較処方例3(ローション)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例2と同様にしてローションを調製した。
【0060】
前記成分を混合して均一なパックを調製した。
【0061】
比較処方例4(パック)
調製例5でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例bと同様にしてパックを調製した。
【0062】
前記成分を85℃に加温して混合し、均一な洗顔料を調製した。
【0063】
比較処方例5(洗顔料)
調製例7でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例cと同様にして洗顔料を調製した。
【0064】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み、急冷して口紅を調製した。
【0065】
比較処方例6(口紅)
調製例1でえられた抽出物をスプレードライ処理した粉末のかわりに精製水を用いたほかは処方例3と同様にして口紅を調製した。
【0066】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み、室温になるまで撹拌混合してリキッドファンデーションを調製した。
【0067】
比較処方例7(リキッドファンデーション)
調製例2でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例4と同様にしてリキッドファンデーションを調製した。
【0068】
前記成分を混合して均一な浴用剤を調製した。
【0069】
比較処方例8(浴用剤)
調製例7でえられた抽出液の凍結乾燥物のかわりにマンニット(D−マンニトール)を用いたほかは比較処方例dと同様にして浴用剤を調製した。
【0070】
前記成分を混合して均一な石鹸を調製した。
【0071】
比較処方例9(石鹸)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例5と同様にして石鹸を調製した。
【0072】
実施例1
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、日常生活における皮膚の色素沈着に対する抑制作用を調べた。
【0073】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、各クリーム0.05gを1日1回、1カ月間左右の腋下部にそれぞれ塗布してもらったのち、各被験者の腋下部の色素沈着状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
【0074】
(評価基準)
A:色素沈着がなくなった。
B:色素沈着が明らかに少なくなった。
C:クリームを使用する前よりも色素沈着が少なくなった。
D:クリームを使用する前とほとんど変化がなかった。
E:クリームを使用する前よりも色素沈着がかえって多くなった。
【0075】
【表1】
【0076】
表1に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、色素沈着がなくなるないし少なくなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど色素沈着を抑制することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、すぐれた色素沈着抑制効果を奏するものであることがわかる。
【0077】
なお、実施例1において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0078】
実施例2
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、紫外線照射による紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を調べた。
【0079】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、その前腕内側部に1cm×1cmの紫外線照射部を2箇所設定した。UV−Bランプ((株)東芝製、FL20−SE)を用い、あらかじめ測定しておいた各被験者の最小紅斑量(MED)に相当する量の紫外線を1日1回(朝)、3日間連続して照射した。
【0080】
紫外線照射開始日から1カ月間連続して、紫外線照射期間(最初の3日間)は紫外線照射直後および夕刻の1日2回、紫外線照射期間経過後(4日目以降)は朝および夕刻の1日2回、各紫外線照射部に処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを約0.025gずつ塗布した。
【0081】
1カ月間経過後、各被験者の紫外線照射部の紅斑の発生状態および色素沈着状態を目視にて観察し、紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
【0082】
(評価基準)
A:紅斑の発生および色素沈着がなかった。
B:紅斑の発生および色素沈着が明らかに少なくなった。
C:クリームを使用する前よりも紅斑の発生および色素沈着が少なくなった。
D:クリームを使用する前とほとんど変化がなかった。
E:クリームを使用する前よりも紅斑の発生および色素沈着がかえって多くなった。
【0083】
【表2】
【0084】
表2に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、紅斑の発生および色素沈着がなくなるないし少なくなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど紅斑の発生および色素沈着を抑制することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、すぐれた紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を奏するものであることがわかる。
【0085】
なお、実施例2において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0086】
実施例3
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、保湿効果を調べた。
【0087】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、各クリーム0.05gを1日2回、1カ月間左右の前腕内側部にそれぞれ塗布してもらったのち、各被験者の前腕内側部の皮膚の水分量を、インピーダンスメーター(SKICON 200、アイ・ビー・エス社(IBS)製)を用いて測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
【0088】
(評価基準)
A:クリームを塗布する前と比べて、水分量が50重量%以上多くなった。
B:クリームを塗布する前と比べて、水分量が20重量%以上、50重量%未満多くなった。
C:クリームを塗布する前と比べて、水分量が10重量%以上、20重量%未満多くなった。
D:クリームを塗布する前と比べて、水分量が10重量%未満しか多くならないないしほとんど変化がなかった。
E:クリームを塗布する前よりも水分量がかえって少なくなった。
【0089】
【表3】
【0090】
表3に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、皮膚の水分量が10〜50重量%以上高くなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど保湿効果を発現することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、肌に潤いを与え、すぐれた保湿効果を奏するものであることがわかる。
【0091】
なお、実施例3において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0092】
また、処方例1でえられたクリームは、1カ月間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0093】
【発明の効果】
白芥子を抽出してえられた抽出物は、美白効果の指標となる培養色素細胞の細胞内チロシナーゼ活性を、細胞活性をほとんど阻害せずに低下させてメラニンの生成を抑制し、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着を抑制するほか、抗炎症作用の指標となるリポキシゲナーゼ活性を低下させたり、保湿性を向上させるといったすぐれた作用を同時に呈するものである。したがって、かかる抽出物が配合された本発明の化粧料は、メラニンの蓄積によるシミ、ソバカスの発現を抑制し、炎症の発生を抑制して肌の状態を向上させ、肌に潤いを与えて肌質を改善し、白く美しい肌を維持するという効果を奏する。
【0094】
また、本発明の化粧料は、前記のごとくすぐれた美白効果、保湿効果や抗炎症作用を奏するうえ、皮膚などに対する安全性や保存安定性にもすぐれるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
【図2】調製例1でえられた抽出液の添加量とドーパ値との関係を示すグラフである。
【図3】調製例1でえられた抽出液の添加量とMTT値との関係を示すグラフである。
【図4】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
【図5】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
【産業上の利用分野】
本発明は、化粧料に関する。さらに詳しくは、すぐれた美白効果や抗炎症作用を奏し、基礎化粧品をはじめ、メイクアップ化粧品、浴用剤などに好適に使用しうる化粧料(ただし、養毛剤を除く)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、美白効果や抗炎症作用を奏する化粧料の必要性が高まるにつれて、種々の研究が行なわれ、各種化粧料が提案されている。しかしながら、従来の化粧料には、皮膚などに対する安全性や保存安定性に加え、とくにその美白効果や抗炎症作用を充分に満足するものがない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の属に属する植物を抽出してえられる抽出物が、培養色素細胞のチロシナーゼ活性を低下させ、メラニンの生成を抑制し、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着をも抑制するうえ、リポキシゲナーゼ活性を低下させ、炎症の発生を抑制し、肌に潤いを与えて肌質を改善するといったすぐれた効果を奏することを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、白芥子(ブラシカ ヒルタ(Brassica hirta))を抽出してなる抽出物が配合された化粧料(ただし、養毛剤を除く)に関する。
【0005】
【作用および実施例】
本発明の化粧料は、前記したように、アブラナ科のブラシカ属(Brassica)に属する植物である白芥子(ブラシカ ヒルタ(Brassica hirta))を抽出してえられた抽出物が配合されたものである。
【0006】
白芥子は、抽出してえられる抽出液が、たとえば黄芥子(Brassica juncea)、黒芥子(Brassica nigra)、アブラナ(Brassica ropa)などの抽出液の単独または2種以上の混合物よりすぐれた美白効果や抗炎症作用を奏するという点から、とくに好ましい。
【0007】
なお、本発明においては、前記白芥子の種子、葉、茎および根を含む全草を用いることができる。
【0008】
前記白芥子の抽出は、中性媒体を用いて行なわれることが好ましく、かかる抽出の際に用いられる溶媒としては、たとえば精製水などの水;エタノールなどの1価の低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの1価の高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールなどのポリオール類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ヘキサン、クロロホルム、ベンゼンなどの炭化水素系溶剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、化粧料への幅広い適用が可能であるという点から、精製水、エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールや、精製水と、エタノール、グリセリンおよび1,3−ブチレングリコールの1種または2種以上との混合溶媒が好ましい。
【0009】
なお、前記混合溶媒を用いるばあいには、たとえば精製水とエタノールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜25:1、精製水とグリセリンとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1、精製水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒のばあいには、両者の容量比は1:1〜15:1であることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記白芥子の抽出を行なう際には、該植物を含有した抽出溶液のpHが5〜9程度であることが好ましく、前記溶媒をそのまま用いてもよいが、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カリウムなどのカリウム塩などのアルカリ性調整剤や、たとえばクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤などを前記溶媒に配合し、目的とするpHとなるように調整することもできる。これら調整剤のなかでは、低濃度で目的とするpHとなるように調整することができるという点から、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩酸およびリン酸が好ましい。
【0011】
前記抽出処理に要する時間は、用いる溶媒の種類、目的とするpH、抽出温度などによって異なるので一概には決定することができないが、たとえばpHが5〜9のばあい、通常室温で6時間〜7日間程度、なかんづく12〜48時間程度であることが好ましい。なお、抽出温度は、好ましくは4〜40℃程度、さらに好ましくは10〜30℃程度である。
【0012】
かくしてえられた抽出物は、そのまま化粧料に配合してもよく、たとえば減圧下で濃縮して濃度を調整したのち配合してもよく、またたとえば凍結乾燥法やスプレードライ法などによって粉末化したものを配合してもよい。
【0013】
前記抽出物の配合量は、目的とする化粧料の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、該抽出物を配合したことによる美白効果や抗炎症作用を充分に発現させるためには、かかる抽出物の配合量は、化粧料100部(重量部、以下同様)に対して固形分換算で0.0005部以上、なかんづく0.005部以上となるように調整することが好ましい。また該抽出物を化粧料に技術的に安定に配合するためには、かかる抽出物の配合量は、化粧料100部に対して固形分換算で5部以下、なかんづく1部以下となるように調整することが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる抽出物は、培養色素細胞のチロシナーゼ活性の低下、メラニン生成の抑制効果、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着の抑制効果や、リポキシゲナーゼ活性の低下および保湿効果を同時に奏するものであり、かかる抽出物が配合された本発明の化粧料を用いたばあいには、メラニンの蓄積によるシミ、ソバカスなどの発現が抑制されるほか、炎症の発生が抑制され、潤いのある肌質が改善された白く美しい肌が維持される。
【0015】
本発明の化粧料は、前記したように、白芥子を抽出してえられた抽出物が配合されたものであるが、本発明においては、これらのほかにも、たとえば一般に化粧料に用いられている賦形剤、香料などをはじめ、油脂類、界面活性剤、保湿剤、美白剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤などの各種化粧料成分を化粧料に適宜配合することができる。
【0016】
前記油脂類としては、一般に化粧料に汎用されている、たとえば流動パラフィン、パラフィン、セタノール、アボカド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油などの植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワランなどの動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリルカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリン、シリコーンオイルなどの合成油脂などがあげられる。
【0017】
前記界面活性剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ジエタノールアミドなどの陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン性界面活性剤;グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪酸アミドなどの非イオン性界面活性剤などがあげられる。
【0018】
前記保湿剤としては、たとえばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パントテテイン−S−スルホン酸塩などの合成保湿剤;ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー、微生物発酵液、たとえばキチン、キトサン、ペクチンなどや、その他の植物や動物由来の抽出液などの天然保湿液などがあげられる。
【0019】
前記美白剤としては、たとえばコウジ酸、アスコルビン酸、アルブチン、胎盤抽出液やこれらの誘導体などのほかにも、その他の植物や動物由来の抽出液などがあげられる。
【0020】
前記pH調整剤としては、たとえばクエン酸、クエン酸ナトリウムなどの有機酸およびその塩類などがあげられる。
【0021】
前記増粘剤としては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどがあげられる。
【0022】
前記防腐剤としては、たとえばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸などがあげられる。
【0023】
前記酸化防止剤としては、たとえばビタミンE、ブチルオキシトルエン(BHT)、ブチルオキシアニゾール(BHA)などがあげられる。
【0024】
前記顔料としては、たとえばベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、セリサイト、マイカ、タルクなどがあげられる。
【0025】
前記洗浄剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられる。
【0026】
前記乳化剤としては、たとえば大豆レシチン油などがあげられる。
【0027】
前記賦形剤としては、たとえば硫酸ナトリウムなどがあげられる。
【0028】
これら各化粧料成分の配合量は、目的とする化粧料の用途などにより異なるので一概には決定することができず、用途に応じて適宜調整されることが好ましい。
【0029】
本発明の化粧料の形態は任意であり、とくに限定されるものではないが、本発明の化粧料は、肌のくすみやシミ、ソバカスの発現を防ぐほか、炎症の発生を抑制し、若々しく健康で、潤いのある肌質が改善された白く美しい肌の状態を維持するなどのすぐれた性質を有するので、たとえばクリーム、乳液、ローション、エッセンス、洗顔料、パックなどの基礎化粧品、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、プレスパウダーなどのメイクアップ化粧品、ボディーソープ、石鹸などのトイレタリー製品などとして用いることができる。
【0030】
さらに、前記抽出物やこれらの乾燥粉末を湯に投入したばあいには、経皮吸収によって肌の状態の向上に効果があることから、本発明の化粧料は、浴用剤などとしても使用することができる。このように本発明の化粧料を浴用剤として用いるばあいには、前記抽出物の化粧料への配合量は、かかる抽出物が奏する肌の状態の向上効果を考慮すると、化粧料100部に対して抽出物の固形分換算で0.0005〜5.0部、なかんづく0.001〜0.1部であることが好ましい。なお、前記浴用剤を用いるばあい、該浴用剤の使用量は、通常湯200リットルに対して浴用剤が5〜50g程度となるように調整することが好ましい。
【0031】
つぎに本発明の化粧料を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
調製例1(白芥子の種子の水抽出物の製造)
白芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0033】
調製例2(白芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0034】
調製例3(黄芥子の種子の水抽出物の製造)
黄芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0035】
調製例4(黄芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0036】
調製例5(黒芥子の種子の水抽出物の製造)
黒芥子の種子の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約5に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0037】
調製例6(黒芥子の種子のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0038】
調製例7(アブラナの全草の水抽出物の製造)
アブラナの全草の粉砕物100gと精製水1000gとを混合してpHを約7に調整し、室温下で24時間抽出したのち、これをろ過して抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0039】
調製例8(アブラナの全草のエタノール抽出物の製造)
調製例1において、精製水1000gのかわりにエタノール1000gを用いたほかは、調製例1と同様にして抽出液(固形分含量:約1重量%)をえた。
【0040】
つぎに、調製例1でえられた抽出液および調製例2でえられた抽出液を用い、以下に示す試験を行なった。
【0041】
試験例1(チロシナーゼ活性阻害作用)
L−チロシンの0.03%水溶液1ml、マックイルベイン緩衝液(pH6.8)1mlおよび調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液の10%水溶液1mlを混合し、混合溶液をえた。
【0042】
前記混合溶液に、600unit/mlのチロシナーゼ0.1mlを添加して37℃でチロシナーゼ反応を行なったのち、分光光度計(HITACHI U−2000、(株)日立製作所製)を用い、波長475nmでの時間の経過にともなう吸光度を測定した。調製例1でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図1のグラフAに、調製例2でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図1のグラフBに示す。
【0043】
なお、図1中のグラフCは、抽出液の10%水溶液1mlのかわりに、精製水1mlを用いた混合溶液(ブランク)についての結果である。
【0044】
図1に示されたグラフから、抽出液が用いられていない混合溶液は、時間の経過にともなって吸光度が急激に上昇するのに対し、調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液が配合された混合溶液は、いずれも時間が経過しても吸光度の上昇がかなり小さく、これらの抽出液によってチロシナーゼ活性が充分に阻害されていることがわかる。
【0045】
試験例2(細胞内チロシナーゼ活性抑制作用)
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレート(コーニング社(CORNING)製)に8000個/穴播種し、5容量%仔牛血清(FCS)含有イーグル最少必須培地(MEM)で37℃、5%CO2の条件下で24時間プレ培養した。こののち、この培養液と、調製例1でえられた抽出液を1容量%または3容量%添加した5容量%FCS含有イーグルMEMとを交換し、さらに37℃、5%CO2の条件下で48時間培養した。
【0046】
つぎに、培養後の培養液を除去し、界面活性剤(Triton X−100)を添加した細胞処理液に、L−ドーパ5ミリモルを添加して37℃でチロシナーゼ反応を行なったのち、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオ・ラッド社(BIO RAD)製)を用い、波長490nmでのドーパ(Dopa)値および波長570〜630nmでのMTT値を測定した。
【0047】
調製例1でえられた抽出液の添加量とドーパ値との関係を図2のグラフに、調製例1でえられた抽出液の添加量とMTT値との関係を図3のグラフに示す。
【0048】
なお、前記ドーパ値が大きくなるにつれて、細胞内チロシナーゼ活性が増大し、前記MTT値が小さくなるにつれて、マウスメラノーマ細胞の細胞活性が低下する。
【0049】
図2および図3に示されたグラフから、調製例1でえられた抽出液の添加量が増加するにつれて、マウスメラノーマ細胞の細胞活性をほとんど阻害することなく、ドーパ値が低下し、細胞内チロシナーゼ活性が抑制されることがわかる。
【0050】
試験例3(リポキシゲナーゼ活性抑制作用)
リノール酸アセトンの2mg/ml溶液0.025ml、クエン酸緩衝液(pH6.5)0.125mlおよび調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液2.4mlを混合し、基質濃度が1mg/mlまたは2.5mg/mlとなるようにして混合溶液を調製し、室温で15分間以上放置した。
【0051】
前記混合溶液に、16000unit/mlのリポキシゲナーゼ0.1mlを添加して20℃でリポキシゲナーゼ反応を行ない、試験例1で用いたものと同じ分光光度計を用い、波長234nmでの反応時間の経過にともう吸光度を測定した。調製例1でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図4のグラフD(基質濃度1mg/ml)およびグラフF(基質濃度2.5mg/ml)に、調製例2でえられた抽出液を用いたばあいの結果を図5のグラフH(基質濃度1mg/ml)およびグラフJ(基質濃度2.5mg/ml)に示す。
【0052】
なお、図4中のグラフEおよびグラフG、ならびに図5中のグラフIおよびグラフKは、抽出液2.4mlのかわりに精製水2.4mlを用いた混合溶液(ブランク)についての結果であり、グラフEおよびグラフIは、基質濃度が1mg/mlのものであり、グラフGおよびグラフKは、基質濃度が2.5mg/mlのものである。
【0053】
図4および図5に示されたグラフから、抽出液が用いられていない混合溶液(ブランク)は、いずれも反応時間の経過にともなって吸光度が急激に上昇するのに対し、調製例1でえられた抽出液または調製例2でえられた抽出液が配合された混合溶液は、反応時間が経過しても、いずれも対応するブランクの吸光度と比べて吸光度の上昇がかなり小さく、これらの抽出液によってリポキシゲナーゼ活性が充分に抑制されていることがわかる。
【0054】
処方例1〜9および比較処方例1〜9
処方例1(クリーム)
[(A)成分] (部)
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン 4.0
(トリオクタン酸グリセリル)
パラフィン 5.0
セタノール 2.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20) 6.0
ソルビタンモノステアレート
ブチルパラベン 0.1
[(B)成分]
調製例1でえられた抽出液 10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
モイストン・C 1.0
(ナチュラルモイスチャライジングファクター)
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100.0部になる量
[(C)成分]
香料 適量
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌混合して均一なクリームを調製した。
【0055】
比較処方例1(クリーム)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例1と同様にしてクリームを調製した。
【0056】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ80℃以上に加温後、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを50℃まで冷却後、前記(C)成分を加えてさらに撹拌混合して均一な乳液を調製した。
【0057】
比較処方例2(乳液)
調製例3でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例aと同様にして乳液を調製した。
【0058】
前記成分を混合して均一なローションを調製した。
【0059】
比較処方例3(ローション)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例2と同様にしてローションを調製した。
【0060】
前記成分を混合して均一なパックを調製した。
【0061】
比較処方例4(パック)
調製例5でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例bと同様にしてパックを調製した。
【0062】
前記成分を85℃に加温して混合し、均一な洗顔料を調製した。
【0063】
比較処方例5(洗顔料)
調製例7でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは比較処方例cと同様にして洗顔料を調製した。
【0064】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み、急冷して口紅を調製した。
【0065】
比較処方例6(口紅)
調製例1でえられた抽出物をスプレードライ処理した粉末のかわりに精製水を用いたほかは処方例3と同様にして口紅を調製した。
【0066】
前記(A)成分および(B)成分をそれぞれ加温したのち、(A)成分および(B)成分を混合撹拌した。これを再加温し、前記(C)成分を添加して型に流し込み、室温になるまで撹拌混合してリキッドファンデーションを調製した。
【0067】
比較処方例7(リキッドファンデーション)
調製例2でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例4と同様にしてリキッドファンデーションを調製した。
【0068】
前記成分を混合して均一な浴用剤を調製した。
【0069】
比較処方例8(浴用剤)
調製例7でえられた抽出液の凍結乾燥物のかわりにマンニット(D−マンニトール)を用いたほかは比較処方例dと同様にして浴用剤を調製した。
【0070】
前記成分を混合して均一な石鹸を調製した。
【0071】
比較処方例9(石鹸)
調製例1でえられた抽出液のかわりに精製水を用いたほかは処方例5と同様にして石鹸を調製した。
【0072】
実施例1
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、日常生活における皮膚の色素沈着に対する抑制作用を調べた。
【0073】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、各クリーム0.05gを1日1回、1カ月間左右の腋下部にそれぞれ塗布してもらったのち、各被験者の腋下部の色素沈着状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
【0074】
(評価基準)
A:色素沈着がなくなった。
B:色素沈着が明らかに少なくなった。
C:クリームを使用する前よりも色素沈着が少なくなった。
D:クリームを使用する前とほとんど変化がなかった。
E:クリームを使用する前よりも色素沈着がかえって多くなった。
【0075】
【表1】
【0076】
表1に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、色素沈着がなくなるないし少なくなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど色素沈着を抑制することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、すぐれた色素沈着抑制効果を奏するものであることがわかる。
【0077】
なお、実施例1において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0078】
実施例2
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、紫外線照射による紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を調べた。
【0079】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、その前腕内側部に1cm×1cmの紫外線照射部を2箇所設定した。UV−Bランプ((株)東芝製、FL20−SE)を用い、あらかじめ測定しておいた各被験者の最小紅斑量(MED)に相当する量の紫外線を1日1回(朝)、3日間連続して照射した。
【0080】
紫外線照射開始日から1カ月間連続して、紫外線照射期間(最初の3日間)は紫外線照射直後および夕刻の1日2回、紫外線照射期間経過後(4日目以降)は朝および夕刻の1日2回、各紫外線照射部に処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを約0.025gずつ塗布した。
【0081】
1カ月間経過後、各被験者の紫外線照射部の紅斑の発生状態および色素沈着状態を目視にて観察し、紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
【0082】
(評価基準)
A:紅斑の発生および色素沈着がなかった。
B:紅斑の発生および色素沈着が明らかに少なくなった。
C:クリームを使用する前よりも紅斑の発生および色素沈着が少なくなった。
D:クリームを使用する前とほとんど変化がなかった。
E:クリームを使用する前よりも紅斑の発生および色素沈着がかえって多くなった。
【0083】
【表2】
【0084】
表2に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、紅斑の発生および色素沈着がなくなるないし少なくなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど紅斑の発生および色素沈着を抑制することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、すぐれた紅斑の発生および色素沈着に対する抑制効果を奏するものであることがわかる。
【0085】
なお、実施例2において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0086】
実施例3
処方例1でえられたクリームおよび比較処方例1でえられたクリームを用い、保湿効果を調べた。
【0087】
無作為に抽出した年齢20〜60歳の健常な成人男女20名を被験者群とし、各クリーム0.05gを1日2回、1カ月間左右の前腕内側部にそれぞれ塗布してもらったのち、各被験者の前腕内側部の皮膚の水分量を、インピーダンスメーター(SKICON 200、アイ・ビー・エス社(IBS)製)を用いて測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
【0088】
(評価基準)
A:クリームを塗布する前と比べて、水分量が50重量%以上多くなった。
B:クリームを塗布する前と比べて、水分量が20重量%以上、50重量%未満多くなった。
C:クリームを塗布する前と比べて、水分量が10重量%以上、20重量%未満多くなった。
D:クリームを塗布する前と比べて、水分量が10重量%未満しか多くならないないしほとんど変化がなかった。
E:クリームを塗布する前よりも水分量がかえって少なくなった。
【0089】
【表3】
【0090】
表3に示された結果から、処方例1でえられたクリームを用いたばあいには、皮膚の水分量が10〜50重量%以上高くなることから、比較処方例1でえられたクリームがほとんど保湿効果を発現することができないのに対し、処方例1でえられたクリームが、肌に潤いを与え、すぐれた保湿効果を奏するものであることがわかる。
【0091】
なお、実施例3において、処方例1でえられたクリームを塗布した際に、皮膚に異常などが生じた被験者は1名もなかった。
【0092】
また、処方例1でえられたクリームは、1カ月間でその状態に変化が生じることはなかった。
【0093】
【発明の効果】
白芥子を抽出してえられた抽出物は、美白効果の指標となる培養色素細胞の細胞内チロシナーゼ活性を、細胞活性をほとんど阻害せずに低下させてメラニンの生成を抑制し、紫外線照射によって生じる紅斑や色素沈着を抑制するほか、抗炎症作用の指標となるリポキシゲナーゼ活性を低下させたり、保湿性を向上させるといったすぐれた作用を同時に呈するものである。したがって、かかる抽出物が配合された本発明の化粧料は、メラニンの蓄積によるシミ、ソバカスの発現を抑制し、炎症の発生を抑制して肌の状態を向上させ、肌に潤いを与えて肌質を改善し、白く美しい肌を維持するという効果を奏する。
【0094】
また、本発明の化粧料は、前記のごとくすぐれた美白効果、保湿効果や抗炎症作用を奏するうえ、皮膚などに対する安全性や保存安定性にもすぐれるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
【図2】調製例1でえられた抽出液の添加量とドーパ値との関係を示すグラフである。
【図3】調製例1でえられた抽出液の添加量とMTT値との関係を示すグラフである。
【図4】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
【図5】時間経過にともなう混合溶液の吸光度の変化を示すグラフである。
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- 白芥子(ブラシカ ヒルタ)を抽出してなる抽出物が配合された化粧料(ただし、養毛剤を除く)。
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