JP6038471B2 - 保湿剤及び保湿性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物からなる保湿剤及びそれを含有する保湿性化粧料及び着色剤に関するものである。
化粧品分野においては、日々多くの新規の素材の研究開発が進められており、特に天然物由来の素材については、安全性や商品イメージ等の観点から多くの素材が検討されている。これらの素材については、各種の生理活性や保湿性能等の点から検討が進められている。
八丁味噌は、大豆に麹をつけた豆麹のみを使用して仕込む豆味噌の一種であり、2年以上という長期間にわたって熟成させるという特徴も有する。近年、日本古来からの食品が有する活性に注目が集まる中、八丁味噌が有する活性についても研究が行われつつある。
特許文献1には、八丁味噌が有するカルシストニン遺伝子関連ペプチドの産生及び放出促進作用、ならびに、インスリン成長因子−1の分泌促進作用について記載されている。しかし、このような特許文献1は、八丁味噌が有する保湿効果については記載されていない。
特許文献2には、大豆発酵液を含む美白化粧料が記載されているが、2年以上熟成させた大豆発酵物を使用することは記載されていない。また、このような大豆発酵物の保湿性能については一切記載されていない。
また、特に化粧品の技術分野においては、天然由来の着色剤への要望は大きい。これらの特許文献には大豆発酵物を着色剤として使用することに関する記載は存在しない。着色剤は目的とする色を発色するのみで充分ではなく、化粧料中に添加して長期間保存した後でも変色しないという長期安定性を有することが必要である。また、種々の色に対応できる着色剤が存在することが好ましいことから、新たな着色剤は常に要求されるものである。
特許文献3には、味噌を配合した石鹸が開示されている。味噌として豆味噌、米糀味噌、麦麹味噌等が例示されているが、具体的に八丁味噌は記載されていない。また、天然由来の着色剤としての機能について、検討はなされていない。
特許文献4には、味噌の着色剤としての使用について開示されている。しかしながら、特許文献4に記載されているような通常の味噌を着色剤として使用した場合、経時での色変化が大きく、着色剤としての安定性は不充分であった。
特開2010−1282号公報 特開2005−314286号公報 特開2004−256506号公報 国際公開第2008/117407号公報
本発明はこのような現状に鑑み、天然素材由来の新規な保湿剤を見出し、新規な保湿性化粧料を得ることを目的とするものである。更に、新規の着色剤を得ることも目的とする。
本発明は、2年以上熟成した大豆発酵物の水抽出物からなることを特徴とする保湿剤である。
上記2年以上熟成した大豆発酵物は、八丁味噌であることが好ましい。
本発明は、上述した保湿剤を含有することを特徴とする保湿性化粧料でもある。
本発明によって、優れた保湿性能を有する保湿剤及び保湿性化粧料、並びに、長期保存安定性に優れた着色剤が得られるものである。
実施例17の各サンプルの色差(ΔE)変化を示したグラフである。
本発明は、2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物からなる保湿剤である。このように大豆を2年以上熟成した大豆発酵物中に含まれる成分は、優れた保湿性を有するため、化粧品用の保湿剤として優れた性能を有する。特に、2年以上熟成させたものは、2年未満の短期間の熟成によるものに比べても、顕著に優れた保湿性能を有するものである。
本発明において使用する2年以上熟成した大豆発酵物としては特に限定されるものではないが、例えば八丁味噌を挙げることができる。八丁味噌は、愛知県地方特産の味噌であり、製造において豆麹のみを使用すること、製造後、長期間にわたって熟成させるものである点で特徴的なものである。2年以上とは2回夏期と2冬期を越したものが好ましい。
また、2年以上熟成した大豆発酵物は、特有の濃褐色を有するものであるが、このような濃褐色は長期間保存しても変化することがない。また、種々の成分と混合した状態でも安定的にその色調を保つことができる。よって、組成物中で多くの種類の化合物と併用して使用される化粧品用の天然由来着色剤としても使用することができる。
上記2年以上熟成した大豆発酵物が有する着色剤としての効果及び用途は、従来知られていなかったものである。すなわち、天然由来の着色剤は、安定性が不充分なものが多く、化粧料組成物に添加した場合は、組成物中に存在するその他の成分との反応や日照による影響等の作用によって、変色する場合が多かった。これに対して上記2年以上熟成した大豆発酵物は、化粧品組成物の状態で、他の成分と混合して長期間使用しても変色がほとんど生じないという点でも好ましいものであり、このような効果を見出すことによって新規な用途を見出したものである。
本発明においてはこのような2年以上熟成した大豆発酵物をそのまま保湿剤又は着色剤として使用してもよいし、抽出物を使用してもよい。上記2年以上熟成した大豆発酵物の抽出の方法は、特に限定されないが、例えば、2年以上熟成した大豆発酵物を直接、又は、これを、酸、アルカリ、酵素を用いて加水分解した後、水又は水溶性溶媒の抽出溶媒を使用して抽出することができる。また、抽出溶媒を使用して抽出した後に、加水分解を行うこともできる。また、酵素を用いて分解した後に抽出溶媒を使用して抽出することもできる。
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等を挙げることができる。なかでも、水を使用することが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記抽出を行った後は、濾過、遠心分離又はデカンテーション等により固形物を除去し、目的とする抽出物を得ることができる。
また、2年以上熟成した大豆発酵物は、塩化ナトリウム等のイオン性化合物を多く含有するものである場合も多いから、脱塩処理を行うことによって、イオン性化合物を低減したものであってもよい。脱塩処理は、特に限定されず、公知の任意の方法を使用することができる。例えば、電気分解法による脱塩、イオン交換樹脂による処理、限外濾過等を挙げることができる。
上記2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物は、必要に応じてpHを調整し、ゲル濾過又は限外濾過にて高分子を除去しても活性は失われることはない。また、上記2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物は減圧濃縮、限外濾過又は凍結濃縮等の方法により濃縮してもよく、凍結乾燥、噴霧乾燥又は平板乾燥等の方法により乾燥粉末化することもできる。
本発明者らはこのような2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物が保湿性能を有することを見出すことによって本発明を完成するに至った。その作用は不明であるが、上記2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物は化粧料等に配合して皮膚上に適用することで、優れた保湿機能を発揮し、皮膚生理上好適な効果が得られるものである。
本発明において、2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物は、ローション、クリーム、乳液、ジェル等の各種皮膚化粧料、固形石鹸、ボディーソープ、洗顔料、ハンドソープ、シャンプー洗浄剤等の各種化粧料に配合することができる。このような保湿性化粧料も本発明の一つである。上記2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物は、保湿性化粧料100質量%中において、0.01〜10質量%であることが好ましい。0.01質量%未満であると、充分な保湿効果を得ることができないおそれがある。10質量%を超えても、その増量分に見合った効果の増大が見られないおそれがある。0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることが更に好ましい。また、2年以上熟成した大豆発酵物又はその抽出物を化粧料用の着色剤として使用する場合、化粧料への配合量は、上述した保湿剤として使用する場合の使用量と同様とすることができる。
上記皮膚外用剤には、上述した成分の他にも、必要とする効能、効果に応じて以下の物質から適宜選択して配合することができる。例えば、一般に用いられている油脂類、界面活性剤、保湿剤、美白剤、pH調整剤、粘結剤及び増粘剤、多価アルコール類、精油及び香料類、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、植物粉砕物及び生薬粉末類、無機塩類及び無機酸類、洗浄剤、乳化剤等の各種化粧料成分が挙げられる。
上記油脂類としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、大豆油、アーモンド油、パラフィン、セタノール、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヌカ油、卵黄油、ひまし油、スクワラン、ラノリン、流動パラフィン、白色ワセリン等の植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワラン等の動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、流動パラフィン、DHA、EPA等の合成油脂等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ジエタノールアミド等の陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤;グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪酸アミド等の非イオン性界面活性剤、高分子界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリペプチド誘導体、天然系界面活性剤等が挙げられる。
上記保湿剤としては、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パンテテイン−Sスルホン酸塩等の合成保湿剤;ヒアルロン酸、エラスチン、ケラチン、デルマタン硫酸、コラーゲン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー及びこれらの加水分解物、微生物発酵液、例えばキチン、キトサン、ペクチン、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン等や、その他の植物や動物由来の抽出液、植物油及びそのエステル化物、誘導体等の天然保湿剤等が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩や誘導体、アルブチンやこれらの誘導体、胎盤抽出液、その他の植物や動物由来の抽出液等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の有機酸、無機酸及びその塩類等が挙げられる。
上記粘結剤及び増粘剤としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カゼイン、ぺクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガム、寒天、カーボポール、キサンタンガム、ベントナイト等が挙げられる。
上記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン(26E.O)等が挙げられる。
上記精油及び香料類としては、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョウ油、スギ油、ヒバ油、ラズベリー油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール、ミカン油、トウヒ油、シトロネロール、テルペン類、コーヒー油、茶油、椿油、ラズベリーケトン等の天然及び合成香料等が挙げられる。
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、EDTA4Na、EDTA2Na、ブチルオキシトルエン、ヒドロキシブチルトルエン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びこれらの誘導体等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、紫外線を選択的に吸収する性質を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、メトキシケイ皮酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク、カーボン、薬用炭等が挙げられる。
上記植物粉砕物及び生薬粉末類としては、レモンの皮、海藻、ヒノキ、ヒバ、フッカス、米ヌカ、ショウブ、ショウキョウ、カンゾウ、チンピ、ユズ、トウキ、ニンジン、ハッカ、ケイヒ、ウバイ、ヨモギ、ドクダミ、モモノハ、カミツレ、アロエ、ジャスミン、ローズヒップ、ラベンダー、グァバ、オウゴン、クコ、レイシ、ニワトコ、アシタバ、ウコギ、ゴボウ、黒ゴマ、黒米、高麗人参、田七人参、セッコツ草、センキュウ等の粉砕物及びその乾燥物が挙げられる。
上記無機塩類及び無機酸類としては、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ほう砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、硫黄、セスキ炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、無水ケイ酸、メタケイ酸、ホウ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、二水素化マグネシウム、海水乾燥物等が挙げられる。
上記洗浄剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤、脂肪族等が挙げられる。
上記乳化剤は、化粧品原料として公知の物質を用いることができる。特に好ましいものとして、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタステアリン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステル、デカグリセリンジイソステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタイソステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリントリオレイン酸エステル、デカグリセリンペンタオレイン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン分岐脂肪酸エステル;大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、更にこれらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチン及び/又は水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチン等のレシチン類;モノイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン分岐脂肪酸エステル:等を挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、上記皮膚外用剤は、上記のもの以外にも、必要に応じてその他の成分として、乳糖、牛乳、練乳等の乳由来成分;チタン、タルク等の無機顔料;イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン等の殺菌剤;ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンP、CoQ10、CoQ9、CoQ8、チオクト酸等のビタミン類及び補酵素、無水珪酸、合成珪酸アルミニウム等の流動化剤;医薬品、医薬部外品並びに化粧品用タール系色素等を適宜配合できる。
上記皮膚外用剤には、上述した成分の他にも、美容、美顔及び皮膚の治療等を目的とする薬効成分等の各種化粧料成分を適宜配合することができる。
上記薬効成分としては、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、アロエエキス、アシタバエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、海藻エキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、ケイヒエキス、酵母エキス、コンフリーエキス、米ヌカエキス、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、ショウキョウエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズナエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トマトエキス、トウキエキス、納豆エキス、ノバラエキス、ニンジンエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、パリエタリアエキス、ハッカエキス、ヒノキエキス、ヒバエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノ蜂蜜、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レンゲソウエキス、レモンエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキスヨモギエキス、ドクダミエキス、モモノハエキス、カミツレエキス、ジャスミンエキス、ローズヒップエキス、ラベンダーエキス、グァバエキス、オウゴンエキス、クコエキス、レイシエキス、ニワトコエキス、ウコギエキス、ゴボウエキス、黒ゴマエキス、黒米エキス、高麗人参エキス、田七人参エキス、セッコツ草エキス、センキュウエキス等が挙げられる。
また、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンC、ビタミンD、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンE及びビタミンE誘導体等の血行促進剤、β−カロチン及びカロチノイド誘導体等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、γ−オリザノール、タンパク質分解酵素等の創傷治癒剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、アセチルパントテニルエチルエーテル、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、メントールのピロリドンカルボン酸塩、モノニトログアヤコール、尿素、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン及び女性ホルモン様物質、カンタリスチンキ、シクロスポリン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も任意に配合することができる。
本発明の化粧料としては、例えば、局所又は全身用の皮膚洗浄料又は皮膚化粧料類;頭皮・頭髪に適用する薬用、化粧用の製剤類;浴湯に使用する浴用剤;皮膚貼付用シート、化粧用シート等を挙げることができる。本発明の化粧料は、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を含むものであり、その剤形も目的に応じて任意に選択することができる。
具体的には、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ジェル、ローション、オイル、パック、ミスト、顔面用化粧用シート等の皮膚化粧料、ひげ剃り用剤、洗顔料、皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、整髪料、パーマ剤、ヘアートニック、染毛料、育毛・養毛料等の頭髪化粧料、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等のメークアップ化粧料、香水類、皮膚用消臭剤、制汗剤、入浴剤、ボディリンス等を挙げることができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量はすべて質量%を表す。
(製造例1)
2年以上熟成して得られた八丁味噌(株式会社まるや八丁味噌製)170kgに850Lの水を加えて、80℃に加温し、15分保持した。その後、60℃に冷却し、フィルタープレスを用いて濾過し、ろ液を濃縮後スプレードライ乾燥することで、八丁味噌抽出物40kgを得た。
(製造例2)
2年以上熟成して得られた八丁味噌(株式会社まるや八丁味噌製)170kgに850Lの水を加えて、80℃に加温し、15分保持した。その後、60℃に冷却し、フィルタープレスを用いて濾過した。ろ液を濃縮後、電気分解法にて脱塩し、スプレードライ乾燥することで、脱塩八丁味噌抽出物27kgを得た。
(比較製造例1)
八丁味噌を通常の赤味噌に変更した以外は製造例1と同様にして味噌抽出物を得た。
(保湿性能試験)
試験者の前腕内側に5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶液を用いて、カップ洗浄試験法による乾燥肌を作成したと同時に、0.5%脱塩八丁味噌抽出物(製造例2によって得られたもの)を含有する5%SDS溶液を用いてSDSによる乾燥肌への影響を評価した。比較例としては、大豆を原料とした普通の赤味噌(熟成期間が約1年)を使用して、上記製造例2と同様にして製造した抽出物0.5%、ヒアルロン酸0.125%を用いて同様に検討した。測定項目としては、処理前の水分蒸散量、水分量及び処理210分後の水分蒸散量、水分量を測定した。これらの測定結果から、処理前と処理後210分後の水分蒸散量、水分量の差を算出し、表1に示した。
表1に示すように、5%SDS単独処理に比べて、0.5%脱塩八丁味噌抽出物を含有する5%SDS溶液では、水分蒸散量及び水分量の変化量はいずれも有意に低くなった。このような効果は比較例で使用した普通の赤味噌と比べても顕著に優れたものである。
以上より、2年以上熟成した大豆発酵物の抽出物は、優れた保湿性を有するものであることが明らかになった。
実施例2〜7
以下の組成により、八丁味噌の抽出物を含む保湿性皮膚化粧料(化粧水、乳液、クリーム、シート状パック、粉末状パック、入浴剤)を調製した。
実施例2(化粧水)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
エタノール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)1.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
リン酸塩 0.5
メチルパラベン 0.1
脱塩八丁味噌抽出物 0.1
精製水 残量
実施例3(乳液)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
(A成分)
ステアリン酸 1.0
ステアリン酸グリセルエステル 2.0
セタノール 1.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワレン 5.0
流動パラフィン 5.0
シリコーン油 1.0
プチルパラベン 0.1
八丁味噌抽出物 0.5
(B成分)
アシルグルタミン酸塩 1.0
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 2.0
ジプロピレングリコール 3.0
精製水 総量を100とする残量
〔調製法〕
上記に示す成分Bを成分Aに添加し攪拌することにより、乳液を調製した。
実施例4(クリーム)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
(A成分)
ステアリン酸 2.0
ステアリン酸グリセリンエステル 2.0
セタノール 3.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワレン 5.0
流動パラフィン 10.0
シリコーン油 1.0
ブチルパラベン 0.1
八丁味噌抽出物 1.0
(B成分)
アシルグルタミン酸塩 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.15
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
精製水 残量
(調製法)
上記に示したA、B成分を各々80℃に加熱溶解した後、混合して撹拌しつつ、30℃まで冷却して各スキンクリ−ムを調製した。
実施例5(シート状パック)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム 2.0
ポリビニルピロリドン 0.5
グリセリン 25.0
1、3−ブチレングリコール 10.0
パラベン 0.1
香料 0.1
L−メントール 0.1
含浸不織布 10.0
精製水 残量
実施例6(粉末状パック)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
脱塩八丁味噌抽出物 2.0
アルギン酸ナトリウム 15.0
タルク 20.0
クエン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.6
パラベン 0.1
香料 微量
焼セッコウ 残量
実施例7(入浴剤)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 0.5
ジオウエキス 0.1
ニンジンエキス 0.05
チンピ末 1.0
マカデミアナッツ油 0.05
ヒバ油 0.1
1、3−ブチレングリコール 1.0
キシリトール 0.5
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5
無水硫酸ナトリウム 残量
実施例8(ボディクリーム)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 0.5
セタノール 5.0
白色ワセリン 5.0
スクワラン 15.0
ステアリン酸 3.0
ヤシ油脂肪酸カリウム 2.5
1,3−ブチレンブリコール 3.0
濃グリセリン 8.0
メチルパラベン 0.2
トリエタノールアミン 0.1
エデト酸塩 微量
精製水 残量
実施例9(クレンジングジェル)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 1.5
カルボキシビニルポリマー 1.0
水酸化カリウム 0.025
エタノール 6.0
N-ラウロイルメチルアラニンナトリウム 5.0
1,3−ブチレンブリコール 3.0
メチルパラベン 0.2
精製水 残量
実施例10(全身ジェル)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 3.5
キサンタンガム 0.3
カブボキシビニルポリマー 0.1
濃グリセリン 3.0
フェノキシエタノール 0.2
精製水 残量
実施例11(消臭スプレー)
[組成]
脱塩八丁味噌抽出物 1.5
エタノール 20.0
塩化ベンザルコニウム 0.05
茶エキス 2.0
精製水 残量
実施例12(固形石鹸)
[組成]
八丁味噌抽出物 5.0
エデト酸塩 0.2
石鹸素地 全量を100とする。
実施例13(固形石鹸)
[組成]
脱塩八丁味噌抽出物 1.0
エデト酸塩 0.1
カリ石鹸 20.0
石鹸素地 全量を100とする。
実施例14(ボディソープ)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
八丁味噌抽出物 0.2
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム 40%水溶液 30.0
ヤシ油脂肪酸時エタノールアミド 3.0
ジステアリン酸エチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
エデト酸塩 微量
精製水 残量
実施例15(ボディソープ)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
脱塩八丁味噌抽出物 2.5
ココイルメチルタウリン 18.0
ラウロイルアスパルギン酸 12.0
ベタイン 1.0
メチルパラベン 0.2
エデト酸塩 微量
精製水 残量
実施例16
次に、本発明の保湿剤の効果について検証した。表2に示した処方に基づき、固形石鹸を調製した(単位:質量%)。製造例2で得られた脱八丁味噌抽出物を2.0重量%配合し、比較例は配合しないものを用いた。
1.洗浄保湿性試験
健常人の左前腕屈側部から左手指先まで表2、実施例16の組成からなる試料について2.0%水溶液15mlを30秒間泡立てて、25℃の水で洗浄し、30分後の水分量をインピーダンスメーターで電気導伝度として測定した。結果は、塗布前を100とした際の相対値で示した。
比較例1は右前腕屈側部から右手指先まで行い、同様に2週間後に比較例2を左前腕屈側部から左手指先まで、比較例3を表2、比較例1は右前腕屈側部から右手指先まで、表2の組成からなる試料について2.0%水溶液を同様に行った。
2.官能試験
15名のパネラーによる官能試験を実施し、しっとり感を感じるか否かを評価し、「感じる」と答えたパネラーの人数で示した。
結果を表2に示す。
表3の結果から明かに、本発明の脱八丁味噌抽出物洗浄保湿性試験水溶液は保湿性試験及び官能試験に於いて何れも優れていた。グリセリンは官能検査には優れているものの、保湿性試験では本発明の洗浄試験ではやや劣っていた。
実施例17
次に、本発明の着色剤の効果について検証した。表2に示した処方に基づき、水溶性ジェルを調製した(単位:質量%)。上記水溶性ジェルの10質量%水溶液に、製造例1で得られた八丁味噌抽出物、比較製造例1の上記味噌抽出物、及び、クチナシ赤色素(商品名:ガーデニアレッドNYSP、メーカー:ヤエガキ発酵技研株式会社)を30ml水溶性ジェル10%溶液中に色素は濃度1mg/mlになるように、味噌は濃度5mg/mlになるように調製し、サンプルとした。得られたサンプルのpHは、6.9であった。サンプルを日照下で静置し、初期、3日後、6日後の色差(ΔE)を色差計(日本電色工業(株)製 ND−300A)により測定した。なお、ΔEが大きいほど、色変化が大きいと考えられる。結果を図1に示した。
図1より、八丁味噌抽出物は経時での色変化が味噌抽出物よりも小さく、安定な着色剤であることが示された。
本発明の保湿性化粧料は、ローション、クリーム、乳液、ジェル等の各種皮膚化粧料、固形石鹸、ボディーソープ、洗顔料、ハンドソープ、シャンプー洗浄剤等の各種化粧料として使用することができる。また、本発明の着色剤は各種化粧料の着色剤として使用することができる。

Claims (3)

  1. 2年以上熟成した大豆発酵物の水抽出物からなることを特徴とする保湿剤。
  2. 2年以上熟成した大豆発酵物は、八丁味噌である請求項1記載の保湿剤。
  3. 請求項1又は2記載の保湿剤を含有することを特徴とする保湿性化粧料。
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