JP3497510B2 - 光導波路モジュール - Google Patents
光導波路モジュールInfo
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- G02B6/26—Optical coupling means
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Description
岐、結合等に利用される光導波路デバイスが実装された
光導波路モジュールに関し、特に、高い信頼性が要求さ
れる光ファイバ通信システムに適用可能な光導波路モジ
ュールのパッケージ構造に関するものである。
に利用され、伝送路である光ファイバ間を光学的に接続
するための光導波路デバイスと、該導波路デバイスをそ
の内部に収納する筐体とを備えている。また、この筐体
と光導波路デバイスとの間の空間には、緩衝保護材が充
填されている。緩衝保護材は、筐体外部から光導波路デ
バイスに作り込まれた光導波路と光ファイバとの接続部
分等に加わる衝撃などを吸収するよう機能する。 ここで、上記光導波路デバイスは、光導波路がその上
面に設けられ、信号光の分岐、結合等の機能を有する導
波路基板と、該光導波路の一端と入力用光ファイバの一
端とを光学的に接続するための、該入力用光ファイバの
先端に取り付けられたシリコン製のV溝付き支持部材
(第1支持部材)と、該光導波路の他端と出力用光ファ
イバの一端とを光学的に接続するための、該出力用光フ
ァイバの先端に取り付けられたシリコン製のV溝付き支
持部材(第2支持部材)とを備えている。なお、これら
導波路基板の両端面には、光導波路と入力用及び出力用
光ファイバとが相互に光軸調心された状態(光学的に接
続された状態)で、それぞれ第1及び第2支持部材が固
着されている。 また、以上のような光導波路モジュールの構造は、例
えば、特開平5−27139号公報等に開示されている。
システムに適用可能な光導波路モジュールのパッケージ
構造に関するものである。そして、発明者らは上述され
た従来の光導波路モジュールについて検討した結果、従
来の光導波路モジュールでは、環境の温度変化に伴う筺
体の伸縮発生を十分には防止することができないことを
発見した。 すなわち、入力用光ファイバや出力用光ファイバなど
は、設置環境によっては、高温環境下で引張応力を受け
たり、低温環境下で剪断応力を受けたりすることにな
る。これにより、V溝付き支持部材と導波路基板とを接
合する接着剤の接着力が経時的に低下するので、これら
の部材間の接合面で光軸ずれによる光損失が増大するこ
ととなる。さらに、接着剤の接着力の低下が著しい場
合、V溝付き支持部材が導波路基板から剥離する可能性
もある。 対応策としては、筺体の材質を線膨張率の低いガラス
や液晶ポリマなどに変更することが考えられるが、この
場合、ガラスは撃力に弱いという強度特性を有し、液晶
ポリマは薄い厚さの筺体を形成し難いという加工上の特
質を有するため、結果的に筺体の小型化を達成すること
ができない。 また、入力用光ファイバ及び出力用光ファイバを予め
余長を与えて撓ませた状態で筺体の内部に収容すること
も考えられる。しかしながら、これらの光ファイバの収
容作業には手間がかかるので、量産を行うには不向きで
ある。 この発明は上述のような課題を解決するためになされ
たものであり、光導波路デバイスを格納するためのパッ
ケージ部品の個数を低減させるとともに、環境の温度変
化に起因した応力や外部から作用する衝撃などに対して
光導波路デバイスを保護するパッケージ構造を備え、耐
環境特性に優れた高信頼性を有する光導波路モジュール
を提供することを目的としている。
モジュールは、例えば図2〜図7に示されたように、光
ファイバ間を光学的に接続するための、信号光の分岐、
結合等の機能を有する光機能デバイスとしての光導波路
デバイス30、光導波路デバイス30を収納するケースの少
なくとも一部を構成する第1補強部材110(金属製の板
部材)と、少なくとも光導波路デバイス30及び光ファイ
バの一部を覆うとともに、第1補強部材110に所定の強
度で接着している緩衝保護材400とを備えている。特
に、当該光導波路モジュールは、緩衝保護材の少なくと
も一部が第1補強部材の外部に露出しており、該衝撃保
護材自体が硬化収縮したり熱膨張/収縮した際に生じる
内部応力を大幅に低減する構造となっている。 上記光導波路デバイス30は、その上面321に光導波路3
20が設けられた導波路基板32と、入力用光ファイバ340
の先端に取り付けられ、該光導波路320の一端と該入力
用光ファイバ340の一端とを光学的に接続させた状態で
該導波路基板32の一方の端面に固定された第1支持部材
31と、出力用光ファイバ360の先端に取り付けられ、該
光導波路320の他端と該出力用光ファイバ360の一端とを
光学的に接続させた状態で該導波路基板32の他方の端面
に固定された第2支持部材33とを有する(図1参照)。
なお、光ファイバは、所定の屈折率を有するコアと、該
コアの外周に設けられ、該コアよりも低い屈折率を有す
るクラッドを備えている。 上記第1補強部材110は、導波路基板32と向い合った
基準面111を有するとともに、少なくとも光導波路デバ
イス30の長手方向が開放された形状を有する金属板であ
って、互いに向い合うよう折り曲げられたエッジ部17
0、171(第1及び第2エッジ部)を有する。また、光導
波路デバイス30の少なくとも一部は、基準面111、該基
準面111と連続しているエッジ部170の面112、及び該基
準面111と連続しているエッジ部171の面113とで定義さ
れる空間内に収納されている。 上記緩衝保護材400は、少なくとも第1補強部材110の
基準面111に所定の強度で接着しており、第1補強部材1
10の基準面111上における、該緩衝保護材400と接触して
いる接着面積とその接着力の積が0.5kgf以上(ベルコア
規格)となるような接着力を有する。特に、緩衝保護材
400としては、硬化後に1kgf/cm2〜20kgf/cm2の範囲内の
弾性率を有する。 緩衝保護材400は、硬化後に1kgf/cm2〜20kgf/cm2の弾
性率を有するので比較的柔らかい。そのため、ケースが
環境の温度変化に伴って熱膨張または熱収縮を起こした
場合であっても、光導波路デバイス30に作用する熱応力
が、緩衝保護材400を介在することによって抑制され
る。 また、緩衝保護材400は、ケース注入直後は毛細管現
象に基づいて、ケースと光導波路デバイス30との間に均
一に充填される。そのため、ケースと光導波路デバイス
30との間に空隙が残存しないので、熱応力が緩衝保護材
400の内部から発生することもない。 さらに、緩衝保護材400が比較的低い弾性率を有する
とともに、ケース(金属板)が比較的高い強度を有する
ことから、ケース外部から光導波路デバイス30に作用す
る機械的な衝撃が、緩衝保護材400及びケースを介して
緩衝される。これらの構造により、環境の温度変化が発
生したり、外部から撃力が作用したりする場合であって
も、光導波路デバイス30は安定して位置決め固定され
る。加えて、第1支持部材31、導波路基板32、及び第2
支持部材33をそれぞれ接合している接着剤の接着力の経
時変化が低減する。 したがって、入力用光ファイバ340と光導波路321との
間の第1接合部と、光導波路321と出力用光ファイバ360
との間の第2接合部とにおいて、良好な調心状態がそれ
ぞれ維持される。加えて、入力光ファイバから出力光フ
ァイバに伝送される光信号の損失が経時的に安定して抑
制される。 さらに、この発明に係る光導波路モジュールは、入力
用光ファイバ340を貫通させるための貫通孔211(151)
を有するとともに、緩衝保護材400に接着される接着面2
12(153)を有する第1エッジ部品210(150)と、出力
用光ファイバ360を貫通させるための貫通孔221(161)
を有するとともに、緩衝保護材400に接着される接着面2
22(163)を有する第2エッジ部品220(160)とを備え
てもよい。このように、これら第1及び第2エッジ部品
210、220は、第1補強部材110の、光導波路デバイス30
の長手方向の開放領域を塞いでいる。 また、この発明に係る光モジュールは、上記緩衝保護
材400が、光導波路デバイス30全体を覆った状態で、第
1補強部材110の基準面111、該基準面111と連続してい
るエッジ部170の面112、及び該基準面111と連続してい
るエッジ部171の面113とで定義される空間内に提供され
るとともに、該第1補強部材110全体を包み込むように
構成してもよい(図11及び図12参照)。 さらに、第1光導波路デバイス30を収納するケース
は、上記第1補強部材110とともに、導波路基板32と向
い合った基準面121を有し、少なくとも光導波路デバイ
ス30の長手方向が開放された形状を有する第2補強部材
120で構成してもよい。特に、この第2補強部材120も、
互いに向い合うよう折り曲げられたエッジ部180、181
(第3及び第4のエッジ部)を有する。そして、第2補
強部材120は、その基準面121が第1補強部材110の基準
面111と光導波路デバイス30を介して対向するよう配置
されている(図17参照)。このとき、第2補強部材120
は、そのエッジ部180、181が、第1補強部材30のエッジ
部170、171を把持することにより、該第1補強部材110
と係合する。 このように、上記第1及び第2補強部材110、120によ
ってケースを構成する場合にも、緩衝保護材400が、光
導波路デバイス30全体を覆った状態で、前記第1補強部
材110全体及び第2補強部材120全体を包み込むように構
成することが可能である。
の構成を、図1〜図18を用いて説明する。なお、図面中
の同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずし
も一致していない。 図1は、この発明に係る光導波路モジュールに搭載さ
れる光導波路デバイスの構造を説明するための組立工程
図である。この図に示されたように、光導波路デバイス
30は、信号光を伝搬するための入力用光ファイバ340の
先端に取り付けられ、該先端に固定されたファイバ支持
体31(第1支持部材)と、入力用光ファイバ340からそ
の入射端へ入射された信号光を分岐または結合して出射
端へ導く光導波路320がその上面321に設けられた導波路
基板32と、光導波路320の出射端から出射された信号光
を導くための出力用光ファイバ360の先端に取り付けら
れ、該先端に固定されたファイバ支持体33(第2支持部
材)とを備えている。また、これらファイバ支持体31、
33は、導波路基板32の各端面に第1接着剤37によって固
着されている。 ファイバ支持体31は、その表面に形成された単一のV
溝で単芯の入力用光ファイバ340を支持するシリコン製
の下側部材311と、該下側部材311とともに第2接着剤38
によって入力用光ファイバ340に接着され、下側部材311
の表面上に第2接着剤38によって接合された透明ガラス
製の上側部材310とを備える。この上側部材310はその裏
面で入力用光ファイバ340を下側部材311に押し当ててい
る。ここで、入力用光ファイバ340の光出射側端面は、
ファイバ支持体31の光出射側端面と一致した状態で露出
している。なお、入力用光ファイバ340は、先端部分を
除いてその表面がプラスティック・コーティングされて
おり、図中34は、入力用光ファイバ340を含むファイバ
・ケーブルである。 一方、ファイバ支持体33も、その表面に形成された8
本のV溝でそれぞれ8芯の出力用光ファイバ360を支持
するシリコン製の下側部材331と、該下側部材331ととも
に第2接着剤38によって出力用光ファイバ360に接着さ
れ、下側部材331の表面上に第2接着剤38によって接合
された透明ガラス製の上側部材330とを備える。この上
側部材330はその裏面で出力用光ファイバ360を下側部材
331に押し当てている。ここで、出力用光ファイバ360の
光入射側端面は、ファイバ支持体33の光入射側端面と一
致した状態で露出している。なお、各出力用光ファイバ
360は、先端部分を除いて一体的にその表面がプラステ
ィック・コーティングされており、図中36は、これら出
力用光ファイバ360を含むテープ型ファイバ・ケーブル
(リボン・ファイバ)である。 また、導波路基板32は、ガラス製部材であって、通常
の火炎堆積法によりその表面に1入力8出力型の8分岐
の光導波路320が形成されている。なお、導波路基板32
はシリコン製部材であってもよい。ここで、光導波路32
0の光入射側端面および光出射側端面は、導波路基板32
の光入射側端面および光出射側端面と一致した状態でそ
れぞれ露出している。 なお、ファイバ支持体31の光出射側端面と導波路基板
32の光入射側端面との間の第1接合部は、入力用光ファ
イバ340の光出射側端面と光導波路320の光入射側端面と
を光軸調心された状態で、第1接着剤37によって固定さ
れている。一方、導波路基板32の光出射側端面とファイ
バ支持体33の光入射側端面との間の第2接合部は、光導
波路320の光出射側端面と出力用光ファイバ360の光入射
側端面とを光軸調心された状態で、第1の接着剤37によ
って固定されている(図2参照)。 ただし、第1および第2接着剤37、38は、紫外線(U
V)硬化型接着剤である。また、第1接着剤37は、少な
くとも入力用光ファイバ340のコア領域、光導波路320、
及び出力用光ファイバ360のコア領域と整合した屈折率
を有するとともに、これらにより伝搬される信号光に対
して透明な材料である。なお、この第2接着剤は、紫外
線硬化型接着剤の他、熱硬化型接着剤、紫外線硬化触媒
と熱硬化触媒を含む複合型接着剤のいずれであってもよ
い。また、第2接着剤として、熱硬化型接着剤を利用す
る場合には、上記上側部材310、330としてシリコン製部
材を利用することも可能である。 特に、上記上側部材310、330の主材料としては、例え
ばシリコン、石英、ガラス(透明ガラス、紫外線が透過
可能であるため有利)、セラミックス等から選択可能で
ある。上記上側部材311、331としては、例えばシリコン
(V溝加工が容易)、石英ガラス(透明ガラス、紫外線
が透過可能であるため有利)、セラミックス(ジルコニ
ア、結晶化ガラス)等から選択可能である。さらに、上
記導波路基板32としては、例えばシリコン、石英ガラス
等から選択可能である。なお、該上側部材310及び下側
部材311のいずれもフィラーを80%以上含むエポキシ樹
脂で形成される場合には、ファイバ支持体31を一体成形
することが可能となる。また、他方の上側部材330及び
下側部材331もフィラーを80%以上含むエポキシ樹脂で
形成される場合には、同様にファイバ支持体33を一体成
形することが可能となる。 第1実施例 次に、図3〜図7を用いて、この発明に係る光導波路
モジュールの第1実施例を説明する。 図3に示されたように、この第1実施例の光導波路モ
ジュールは、光導波路デバイス30を収納するケースの少
なくとも一部を構成する第1補強部材110(金属製の板
部材)を備える。この第1補強部材110は、基準面111を
有するとともに、少なくとも光導波路デバイス30の長手
方向が開放された形状を有する金属板であって、互いに
向い合うよう、図中の矢印S1、S2で示された方向に、そ
れぞれ折り曲げられたエッジ部170、171を有する。光導
波路デバイス30は、その上面321(光導波路320が設けら
れている側)を第1補強部材110の基準面111に向い合せ
にした状態で、基準面111、該基準面111と連続している
エッジ部170の面112、及び該基準面111と連続している
エッジ部171の面113とで定義される空間内に収納され
る。なお、上記第1補強部材110と導波路デバイス30
は、上面321と対向する下面322と基準面111とが向い合
うように配置されてもよい。 さらに、第1補強部材110の、光導波路デバイス30の
長手方向の一方の開放領域には、入力光ファイバ340を
含むファイバ・ケーブルを貫通させた貫通孔211を有す
るとともに、接着面212を有する第1エッジ部品210(ゴ
ムブーツ)が設けられている。一方、第1補強部材110
の、光導波路デバイス30の長手方向の他方の開放領域に
は、出力光ファイバ360を含むファイバ・ケーブルを貫
通させた貫通孔221を有するとともに、接着面222を有す
る第2エッジ部品220(ゴムブーツ)が設けられてい
る。光導波路デバイス30は、これら面111、112、113、2
11、222によって定義される空間内に収納される。 なお、上記第1及び第2エッジ部材210、220は、それ
ぞれゴム性の部品であるが、図4に示されたように、そ
れぞれ貫通孔151、161を備えた金属性の板部材150、160
であってもよい。さらに、これら板部材150、160に切り
欠け部152、162を設けることで、より製造工程の簡略化
が可能となる。この構成の場合も、光導波路デバイス30
は、これら面111、112、113、153、163によって定義さ
れる空間内に収納される。 続いて、図5に示されたように、光導波路デバイス30
が、面111、112、113、212、222によって定義される空
間内に収納された状態で、緩衝保護材400が該空間内に
注入される。なお、この緩衝保護材400が注入される
際、各ファイバ・ケーブル34、36は図中の矢印S3、S4で
示された方向に所定の張力が加えられている。すなわ
ち、ケーブル34、36をS3、S4で示された方向にそれぞれ
引っ張ることにより、光導波路デバイス30は緩衝保護材
400が充填された空間中の所定位置に設置される。 以下の工程を経てこの発明に係る光導波路モジュール
(第1実施例)が得られる。なお、図6は、この発明に
係る光導波路モジュールの第1実施例の斜視図であり、
図7は、図6中のI−I線に示沿った、この発明に係る
光導波路モジュールの第1実施例の断面構造を示す図で
ある。 図6及び図7に示されたように、第1実施例の光導波
路モジュールにおいて、緩衝保護材400は、ケースを構
成する第1補強部材110の上部開口から露出している。 緩衝保護材400は、ウレタンゴムであり、硬化後に約1
kgf/cm2〜約20kgf/cm2の範囲内の弾性率を有する。具体
的には、日本ペルノックス(株)社製のMU−102を利用
した。この緩衝保護材400は、第1補強部材110の内部に
収納された光導波路デバイス30全体を覆っている。ま
た、緩衝保護材400は、少なくとも第1補強部材110の基
準面111に所定の強度で接着しており、第1補強部材110
の基準面111上における、該緩衝保護材400と接触してい
る接着面積とその接着力の積が0.5kgf以上(ベルコア規
格)となるような接着力を有する。さらに、第1補強部
材110は、高い強度を有する金属製部材であるステンレ
ス鋼、例えばSUS304である。 ここで、緩衝保護材400は、硬化後に約1kgf/cm2〜約2
0kgf/cm2の範囲の低い弾性率を有するので比較的柔らか
い。そのため、第1補強部材110が環境の温度変化に伴
って熱膨張または熱収縮を起こした場合であっても、当
該光導波路デバイス30に作用する熱応力が、緩衝保護材
400を介在することによって抑制される。 また、緩衝保護材400は、ケース注入直後は毛細管現
象に基づいて、第1補強部材110と光導波路デバイス30
との間に均一に浸入可能である。そのため、第1補強部
材110と光導波路デバイス30との間には空隙が残存しな
いので、熱応力が緩衝保護材400の内部から発生するこ
ともない。 さらに、緩衝保護材400が比較的低い弾性率を有する
とともに、第1補強部材110(ケース)が比較的高い強
度を有することから、外部から光導波路デバイス30に作
用する所定方向からの機械的な衝撃が、緩衝保護材400
及び第1補強部材110を介して緩衝される。 以上のことから、環境の温度変化が発生したり、外部
から撃力が作用したりする場合であっても、光導波路デ
バイス30は安定してケース内に位置決め固定され、ファ
イバ支持体31と導波路基板32との接合部分、及び導波路
基板32とファイバ支持体33との接合部分をそれそれ接合
する第1接着剤38の接着力の経時変化を低減できる。加
えて、入力用光ファイバ340と光導波路320との間の第1
接合部と、光導波路320と出力光ファイバ360との間の第
2接合部とにおいて、良好な調心状態がそれぞれ維持さ
れる。また、入力用光ファイバ340から出力用光ファイ
バ360に伝搬される信号光の伝送損失が経時的に安定し
て抑制できる。 さらに、図8に示されたように、該緩衝保護材400の
一部(エッジ部410、420)を第1補強部材110の外部へ
はみ出させてもよい。図8は、この発明に係る光導波路
モジュールの第1実施例(図6)の第1応用例を示す斜
視図である。 この第1応用例では、図6中のエッジ部品210、220が
不要である。また、緩衝保護材400の各エッジ部410、42
0はそれぞれファイバ・ケーブル34、36を保護するよう
機能する。 第2実施例 さらに、この発明に係る光導波路モジュールは、光導
波路デバイス30を収納した第1補強部材110(ケース)
全体を緩衝保護材400で包み込むよう構成してもよい。
なお、図9及び図10にこの第2実施例の光導波路モジュ
ールの製造工程を示す。 まず、図9に示されたように、それぞれ所定の凹みが
設けられた下側型500と上側型510とを用意する。そし
て、これら型500、510の凹みによって定義されるキャビ
ティ内に、光導波路デバイス30と第1補強部材110と
を、該第1補強部材110内に該光導波路デバイス30を設
置した状態で収納するよう、該下側型500の開口部と上
側型510の開口部とを合せる。なお、このとき、下側型5
00と上側型510の各凹み表面には剥離剤が塗付されてお
り、また、該下側型500の凹みには予め緩衝保護材400の
一部が注入されている。 続いて、図10に示されたように、上側型510に設けら
れた樹脂注入孔511から緩衝保護材400を該下側型500と
上側型510の各凹みによって定義されたキャビティ内に
注入する。このとき、各光ファイバ340、360には図中の
矢印S5、S6で示された方向に所定の張力が加えられてい
る。すなわち、ケーブル34、36を、それぞれS5、S6の矢
印の方向に引っ張った状態で緩衝保護材400の注入を行
うことにより、光導波路デバイス30が第1補強部材110
内の所定位置に設置される。 以上の工程を経てこの発明に係る光導波路モジュール
(第2実施例)が得られる。なお、図11は、この発明に
係る光導波路モジュールの第2実施例の斜視図であり、
図12は、図11中のII−II線に示沿った、この発明に係る
光導波路モジュールの第2実施例の断面構造を示す図で
ある。 以上のように製造された光導波路モジュールにおいて
も、緩衝保護材400は、上述の第1実施例の緩衝保護材4
00と同様に機能し、結果的に、上述の第1実施例の光導
波路モジュールと実質的に同等な作用効果を得ることが
できる。 次に、この第2実施例について、発明者らが行った実
験結果について図13〜図15を用いて説明する。 まず、発明者らは、この第2実施例に対し熱負荷に起
因した光損失変動を確認する実験を行った。この実験で
は、対比する光導波路モジュールとして、緩衝保護材40
0の弾性率が0.5kgf/cm2〜約100kgf/cm2の範囲内に含ま
れた、異なる6サンプルを用意した。 これら6種類の光導波路モジュールに負荷した環境温
度の時間変化を図13に示す。この図13において、横軸は
経過時間(h)、縦軸は環境温度(℃)である。なお、
最高温度THは+75℃であり、最低温度TLは−45℃であ
り、TRは室温である。 このような周期8時間のヒートサイクル試験を2週間
に渡って繰り返す前後で、用意された各光導波路モジュ
ールにおける光導波路デバイス30の全てについて、その
最大光損失変動を測定した結果を図14に示す。なお、光
損失の測定は、入力用ファイバ340と出力用ファイバ360
の各芯との間において入射光量と出射光量をそれぞれ測
定することにより行われる。この図14において、横軸は
緩衝保護材400の弾性率(kgf/cm2)であり、縦軸は光導
波路デバイス30の最大光損失変動(dB)である。図14に
よれば、緩衝保護材400の弾性率が20kgf/cm2よりも大き
くなると、光導波路デバイス30における最大光損失変動
が0.2dB以内から急増している。そのため、緩衝保護材4
00の弾性率が20kgf/cm2以下であれば、光導波路デバイ
ス30の最大光損失変動を、実用上問題とならないレベル
である0.2dB以下に抑制することができる。 さらに、発明者らは、この第2実施例に対し、外力負
荷に起因した光損失変動を確認するための実験を行っ
た。この実験では、対比する光導波路モジュールとし
て、緩衝保護材400の弾性率が0.5kgf/cm2〜約100kgf/cm
2の範囲内に含まれた、異なる6サンプルを用意した。 これら6種類の光導波路モジュールの中央部を固定
し、その中央部よりも出力用光ファイバ360側に位置す
る端部に、実用上発生すると考えられる引張力として5N
を1分間程度だけ加えた。このような外力負荷試験の前
後で、用意された各光導波路モジュールにおける光導波
路デバイス30の全ての接合部分(光ファイバ34、36と光
導波路320との接続部分)について、その最大光損失変
動を測定した結果を図15に示す。この図15において、横
軸は緩衝保護材400の弾性率、縦軸は光導波路デバイス3
0の最大光損失変動である。 図15によれば、緩衝保護材400の弾性率が1kgf/cm2未
満になると、光導波路デバイス30の最大光損失変動が0.
2dB以内から急増している。そのため、緩衝保護材400の
弾性率が1kgf/cm2以上であれば、光導波路デバイス30の
最大光損失変動を、実用上問題とならないレベルとして
0.2dB以下に抑制することができる。 したがって、以上の実験結果から、緩衝保護材400の
弾性率が1kgf/cm2〜約20kgf/cm2の範囲内であれば、光
導波路デバイス30の光損失変動を実用上問題とならない
レベルに抑制することができる。 第3実施例 さらに、この発明に係る光導波路モジュールは、光導
波路デバイス30を有能するケースを構成する第1及び第
2補強部材110、120全体を、緩衝保護材400で包み込む
よう構成してもよい。なお、このケースは、光導波路デ
バイス30の長手方向が開放されている。 この第3実施例の光導波路モジュールも、第2実施例
の光導波路モジュールと同様に、図9及び図10に示され
た工程を経て得られる。 なお、図16に、この発明に係る光導波路モジュールの
第3実施例の断面構造を示す。この第3実施例の断面図
は、例えば図11中のII−II線に沿った断面に相当してい
る。さらに、この第3実施例においても、緩衝保護材40
0は、上述の第1実施例の緩衝保護材400と同様に機能
し、結果的に、上述の第1実施例の光導波路モジュール
と実質的に同等な作用効果を得ることができる。 ここで、この発明は上述された実施例に限られるもの
ではなく、種々の変形を行うことが可能である。例え
ば、ケース(第1補強部材110、あるいは第1及び第2
補強部材110、120の両方)及び光導波路デバイス30を被
覆して保護する緩衝保護材400は、ウレタン樹脂で形成
されている。しかしながら、このウレタン樹脂に代え、
シリコン樹脂またはエポキシ樹脂をこの緩衝保護材400
として利用してもよい。この場合も上述された第1〜第
3実施例と実質的に同等の作用効果が得られる。 また、上述された第1〜第3実施例において、光導波
路デバイス30を収納するケースは、ステンレス鋼であっ
た。しかしながら、このステンレス鋼に代え、チタン金
属、アルミ金属、またはバネ鋼のいずれかを該ケースの
材料として利用しても、上述された各実施例と実質的に
同等の作用効果が得られる。 また、上述された各実施例において、ファイバ支持体
31、導波路基板32、及びファイバ支持体33のそれぞれ
は、第1接着剤として紫外線硬化型接着剤により接合さ
れている。しかしながら、この紫外線硬化型接着剤に代
え、熱硬化型接着剤、あるいは紫外線硬化触媒と熱硬化
触媒とを含む複合型接着剤を第1接着剤として利用して
も、各実施例と実質的に同等の作用効果が得られる。 また、上述された各実施例において、光導波路320は
1入力8出力型の分岐器であった。しかしながら、一入
力多出力型、多入力一出力型、あるいは多入力多出力型
のいずれの光導波路を適用しても、上述された各実施例
と実質的に同等の作用効果が得られる。 さらに、上述された各実施例において、入力用光ファ
イバ340は単芯の光ファイバであり、出力用光ファイバ3
60は8芯の光ファイバであった。しかしながら、これら
光ファイバを、光導波路の光入出力型式に対応して、い
かなる本数の光ファイバを含む構成として入力用及び出
力用光ファイバとしてもよい。また、この場合も、上述
された各実施例と実質的に同等の作用効果が得られる。 加えて、図8に示された光導波路モジュールに第2補
強部材120(図16参照)を被せることにより、図17に示
されたような光導波路モジュールを構成してもよい。図
17は、第8図に示された光導波路モジュールのさらなる
変形例であり、この発明に係る光導波路モジュールの第
1実施例の第2応用例を示す斜視図である。この第2応
用例も緩衝保護材400が第1及び第2補強部材110、120
の外部にはみ出したエッジ部410、420を備えている。 また、図18に示されたように、図17に示された光導波
路モジュールの外周に再度緩衝保護材400を付着させる
ことにより、図16に示された、この発明に係る光導波路
モジュールの第3実施例と同様の構造を備えた光導波路
モジュールが得られる。なお、図18に示された製造方法
は、図6に示された第1実施例にも適用可能であり、こ
の製造方法(図18参照)により、この発明に係る光導波
路モジュールの第2実施例(図11及び図12)と同様の構
造を備えた光導波路モジュールが得られる。
路モジュールは、緩衝保護材が、ケースの内部に充填さ
れて光導波路デバイス全体を被覆するとともに、該ケー
スの、少なくとも光導波路デバイス(あるいは光ファイ
バ)の長手方向の開放領域を閉塞している。 これにより、この発明に係る光導波路モジュールは、
環境温度に起因した応力や外部から作用する衝撃などに
対して、緩衝保護材によって光導波路デバイスを保護さ
せることができる。加えて、当該光導波路モジュール
は、入力用光ファイバと光導波路との間の第1接合部
と、光導波路と出力用光ファイバとの間の第2接合部と
において、それぞれ良好な調心状態が維持されるので、
耐環境特性に優れた高信頼性を有する。 さらに、この発明に係る光導波路モジュールは、従来
の光導波路モジュールと比較して、パッケージ部品の個
数を低減させることができる上に、材料費や組立加工費
などのコストも低減できるなどの効果がある。 [図面の簡単な説明]
れる光導波路デバイスの構造を説明するための組立工程
図である。
れる光導波路デバイスの平面図である。
施例を製造するための、第1組立工程を示す図である。
部材を使用)を説明するための図である。
施例を製造するための、第2組立工程を示す図である。
れた、この発明に係る光導波路モジュールの第1実施例
の斜視図である。
る光導波路モジュールの第1実施例の断面構造を示す図
である。
施例の第1応用例を示す斜視図である。
施例を製造するための、第1工程を示す図である。
施例を製造するための、第2工程を示す図である。
れた、この発明に係る光導波路モジュールの第2実施例
の斜視図である。
る光導波路モジュールの第2実施例の断面構造を示す図
である。
導波路モジュールの第2実施例について、熱負荷に起因
した光損失変動を確認するための実験結果であり、該光
導波路モジュールに付加された環境温度と時間変化との
関係を示すグラフである。
導波路モジュールの第2実施例について、熱負荷に起因
した光損失変動を確認した実験結果であり、緩衝保護材
の弾性率と光損失変動の関係を示すグラフである。
導波路モジュールの第2実施例について、外力負荷に起
因した光損失変動を確認した実験結果であり、緩衝保護
材の弾性率と光損失変動の関係を示すグラフである。
施例の断面構造を示す図である。
施例の第2応用例を示す斜視図である。
施例を製造するための、図9及び図10に示された製造方
法と異なる製造方法を説明するための図である。
Claims (7)
- 【請求項1】その上面に光導波路が設けられた導波路基
板と、光ファイバの先端に取り付けられ、該光導波路の
一端と該光ファイバの一端とを光学的に接続させた状態
で該導波路基板の端面に固定された支持部材とを有する
光導波路デバイスと、 前記導波路基板と向い合った第1基準面を有するととも
に、前記光導波路デバイスを挟んで互いに向い合う第1
及び第2エッジ部を有する部材であって、少なくとも前
記光導波路デバイスの長手方向が開放された形状を有す
る第1補強部材と、 前記光ファイバの一部とともに、少なくとも前記導波路
基板と前記支持部材との間の接合部分を含む領域を覆っ
た状態で、前記第1基準面、該第1基準面と連続してい
る前記第1エッジ部の第1面、及び該第1基準面と連続
している前記第2エッジ部の第2面とで定義される空間
内に提供され、前記第1補強部材の第1基準面に所定の
強度で接着している緩衝保護材とを備え、 前記緩衝保護材は、その一部が前記第1補強部材の外部
にはみ出していることを特徴とする光導波路モジュー
ル。 - 【請求項2】前記緩衝保護材は、前記第1補強部材の第
1基準面上における、該緩衝保護材と接触している接着
面積とその接着力の積が0.5kgf以上となるような接着力
を有することを特徴とする請求項1記載の光導波路モジ
ュール。 - 【請求項3】前記緩衝保護材は、前記光導波路デバイス
全体を覆った状態で、前記第1補強部材全体を包み込ん
でいることを特徴とする請求項1記載の光導波路モジュ
ール。 - 【請求項4】前記導波路基板と向い合った第2基準面を
有するとともに、少なくとも前記光導波路デバイスの長
手方向が開放された形状を有する部材であって、互いに
向い合うよう折り曲げられた第3及び第4エッジ部を有
する第2補強部材をさらに備えるとともに、 該第2補強部材は、その第2基準面が前記第1補強部材
の第1基準面と前記光導波路デバイスを介して対向する
よう配置されていることを特徴とする請求項1記載の光
導波路モジュール。 - 【請求項5】前記第2補強部材は、前記第3及び第4エ
ッジ部が、前記第1補強部材の第1及び第2エッジ部を
把持することにより、該第1補強部材と係合しているこ
とを特徴とする請求項4記載の光導波路モジュール。 - 【請求項6】前記緩衝保護材は、前記光導波路デバイス
全体を覆った状態で、前記第1補強部材全体及び第2補
強部材全体を包み込んでいることを特徴とする請求項4
記載の光導波路モジュール。 - 【請求項7】前記緩衝保護材は、硬化後に1kgf/cm2〜20
kgf/cm2の範囲内の弾性率を有することを特徴とする請
求項1記載の光導波路モジュール。
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