JP3492573B2 - 硬貨包装機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、投入された硬貨を
所定枚数ずつ集積し、集積された硬貨を包装するととも
に、包装部において包装した硬貨の過不足を検知するよ
うになした硬貨包装機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、硬貨包装部における包装硬貨の過
不足検知装置として、例えば、特開平３−６１２号公報
に開示されたものがある。この装置では、集積された硬
貨が包装部に搬送された後、包装紙が挿入され、さらに
上下加締爪が上下から移動して包装紙の上下端部を加締
めることにより包装することになるが、このとき上下加
締爪が集積硬貨の上下両端に当接することを利用して集
積硬貨の高さを検出するようになっている。すなわち、
加締め時の上下加締爪の上下の移動量をロータリエンコ
ーダにて絶対位置データとして検出し、この検出された
絶対位置データから集積硬貨の高さを算出し、比較手段
にてロータリエンコーダの絶対位置データから算出した
集積硬貨高さと予め定められた基準データとの差を算出
して、算出された値が許容範囲内であるか否かにより包
装硬貨の過不足を検出するのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように硬貨の枚数を包装中の加締爪の移動量で検出する
のでは、過不足が発生した場合に、過不足を検出した時
点では集積硬貨はすでに包装されており、しかも、この
とき、過不足が発生した集積硬貨も正常枚数の集積硬貨
と同様に包装されている。このため、後に、この過不足
のある包装硬貨が正常な包装硬貨と混ざってしまう状況
が生じた場合に、区別がつかなくなってしまうという問
題があった。したがって、本発明は、過不足のある包装
硬貨を作製してしまった場合に、視覚的に正常な包装硬
貨と見分けがつくようにすることで、過不足のある包装
硬貨が万が一正常な包装硬貨と混ざってしまっても、迅
速な対応を可能とする硬貨包装機の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１記載の硬貨包装機は、複数の硬貨
を一枚ずつ送り出す硬貨搬送手段と、送り出された硬貨
を積み重ね状態に集積する集積手段と、集積された硬貨
の周面に包装紙を供給して巻き付けるとともに該巻き付
けた包装紙を上下一対の加締爪を上下から移動させるこ
とでこれら加締爪で加締めて包装硬貨を作製する包装動
作を行う包装紙巻回加締手段と、前記包装硬貨の硬貨枚
数の過不足を検出する過不足検出手段とを具備するもの
であって、前記過不足検出手段によって一の包装硬貨の
硬貨枚数の過不足が検出されたときに、当該一の包装硬
貨に対し、さらに一度もしくは複数回前記包装動作を前
記包装紙巻回加締手段に行わせる包装紙複数回巻制御手
段を備えたことを特徴としている。

【０００５】これにより、過不足検出手段によって一の
包装硬貨の硬貨枚数の過不足が検出されたときに、包装
紙複数回巻制御手段が、当該一の包装硬貨に対し、さら
に一度もしくは複数回包装動作を包装紙巻回加締手段に
行わせることになるため、過不足があった当該包装硬貨
が、通常より多く巻かれ加締められた包装紙によって、
視覚的に正常な包装硬貨と見分けられることになる。

【０００６】また、本発明の請求項２記載の硬貨包装機
は、請求項１記載のものに関し、前記包装紙複数回巻制
御手段は、一の包装硬貨に対する２回目以降の前記包装
動作において、前記加締爪の移動量を当該一の包装硬貨
に対する１回目の前記包装動作における前記加締爪の移
動量に対し小さく制御することにより、加締め不良を発
生させることを特徴としている。

【０００７】これにより、過不足検出手段によって一の
包装硬貨の硬貨枚数の過不足が検出されたときに、包装
紙複数回巻制御手段が、当該一の包装硬貨に対し、さら
に一度もしくは複数回包装動作を包装紙巻回加締手段に
行わせることになるが、この２回目以降の包装動作にお
いて、加締爪の移動量を当該一の包装硬貨に対する１回
目の包装動作における加締爪の移動量に対し小さく制御
することにより、途中で加締めを止めて、二重以上の包
装でかつ包装硬貨の端部の加締め部分に故意に加締め不
良を発生させることになるため、過不足があった当該包
装硬貨が、通常より多く巻かれしかも不良状態で加締め
られた包装紙によって、視覚的に正常な包装硬貨と見分
けられることになる。

【０００８】さらに、本発明の請求項３記載の硬貨包装
機は、請求項２記載のものに関して、前記包装紙複数回
巻制御手段は、一の包装硬貨に対する２回目以降の前記
包装動作における前記上下一対の加締爪のいずれか一方
の移動量を、当該一の包装硬貨に対する１回目の前記包
装動作における前記加締爪の移動量に対し小さく規制す
る規制手段を有することを特徴としている。

【０００９】このように、規制手段が、上下一対の加締
爪のいずれか一方の移動量を１回目の包装動作における
移動量に対し小さく規制することで、途中で加締めを止
めて、二重以上の包装でかつ包装硬貨の端部のいずれか
一方の加締め部分に明らかな加締め不良を発生させるこ
とになる。

【００１０】加えて、本発明の請求項４記載の硬貨包装
機は、請求項２記載のものに関して、前記包装紙複数回
巻制御手段は、一の包装硬貨に対する２回目以降の前記
包装動作における前記上下一対の加締爪の両方の移動量
を、当該一の包装硬貨に対する１回目の前記包装動作に
おけるこれら加締爪の移動量に対し小さく規制する規制
手段を有することを特徴としている。

【００１１】このように、規制手段が、上下一対の加締
爪の両方の移動量を１回目の包装動作における移動量に
対し小さく規制することで、途中で加締めを止めて、二
重以上の包装でかつ包装硬貨の両端部の加締め部分に明
らかな加締め不良を発生させることになる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態に係る硬
貨包装機を図１〜図６を参照しつつ以下に説明する。ま
ず、図１〜図３を参照してこの実施の形態に係る硬貨包
装機の基本構成を説明する。図１において、符号１で示
すものは硬貨が一括投入される回転円盤（硬貨搬送手
段）であって、この回転円盤１内の硬貨は、該回転円盤
１の遠心力により、水平に設けられた硬貨通路（硬貨搬
送手段）２に対して一枚ずつ送り出されるようになって
いる。

【００１３】硬貨通路２は、その上方位置に硬貨を一枚
ずつ移送させる送りベルト（硬貨搬送手段）３を有して
いる。硬貨通路２の途中位置には、図示しない硬貨判別
部が設けられており、硬貨の真偽および金種が判別され
るようになっている。この硬貨通路２を経由した硬貨
は、次の集積部（集積手段）４に供給されて、一枚ずつ
集積されるようになっている。

【００１４】集積部４は、螺旋状の突起部５をそれぞれ
有する一対の集積ドラム６によって構成されている。こ
れら集積ドラム６は、相互の突起部５の高さ位置を一致
させた状態で、硬貨通路２からの硬貨の供給に同期させ
て、互いに反対方向に間欠的に回転駆動させられるよう
になっている。これにより、硬貨通路２を通じて供給さ
れた硬貨が集積ドラム６の突起部５に乗せられて一段下
降させられ、その後に供給された硬貨が先の硬貨の上に
積み重ねられる結果、これら集積ドラム６間に、複数の
硬貨が上下方向に積み重ね状態に集積され、集積硬貨７
（図２参照）が構成されるようになっている。

【００１５】また、これら集積ドラム６の下方位置に
は、該集積ドラム６において所定枚数（例えば、５０枚
等）集積された集積硬貨７をその上面に載置させるシャ
ッタ８が設けられている。そして、該シャッタ８が解放
されたときには、該シャッタ８の上面に載置されていた
集積硬貨７が落下して、下方の包装部（包装紙巻回加締
手段）９に受け渡されるようになっている。

【００１６】包装部９には、シャッタ８から落下させら
れた集積硬貨７を下から支える支持棒１０と、該支持棒
１０の周囲に鉛直方向に沿って配置される相互に近接離
間可能な３本の平行な包装ローラ１１により集積硬貨７
の周囲に包装紙１２を供給して巻回する包装機構１３
と、巻回された包装紙１２を集積硬貨７の上下端におい
て加締める加締機構１４とが設けられている。前記包装
ローラ１１は、図示しない包装モータによって、その軸
心回りに回転駆動されるようになっている。また、これ
ら包装機構１３および加締機構１４には、これらの機構
の動作を制御する制御装置１５（図３参照）が接続され
ている。

【００１７】前記支持棒１０は、昇降可能に設けられる
支持棒アーム１６の先端に固定されており、図示しない
支持棒アームカムおよび支持棒アーム逃がしカムの作動
により、シャッタ８の解放時に、該シャッタ８の直下に
配されていて、落下してくる集積硬貨７をその上端に受
け止め、その後に鉛直方向に下降させられることによっ
て、集積硬貨７を３本の包装ローラ１１の間に配置する
ようになっている。

【００１８】前記包装機構１３は、このようにして包装
ローラ１１間に配置された集積硬貨７に対して、これら
の包装ローラ１１を図示しない包装ローラ開閉カムの作
動によって相互に近接させることにより、該包装ローラ
１１によって集積硬貨７をその半径方向３方向から挟持
するようになっている。また、これら包装ローラ１１の
近くには、包装紙供給ローラ１７が設けられており、こ
の包装紙供給ローラ１７の作動によって、包装紙１２が
集積硬貨７と包装ローラ１１との間に供給されるように
なっている。そして、包装紙供給ローラ１７によって包
装紙１２を集積硬貨７と包装ローラ１１との間に供給し
た状態で、包装モータの作動により包装ローラ１１を回
転させることによって、包装紙１２が集積硬貨７の円筒
面に巻回されるようになっている。ここで、包装紙１２
は、集積硬貨７の高さよりも大きな幅寸法を有するもの
である。

【００１９】前記加締機構１４は、図２に示すように、
集積硬貨７が包装ローラ１１（図２では省略されてい
る。）間に配置された後に、図示しない加締爪逃がしカ
ムの作動により包装ローラ１１どうしの隙間から集積硬
貨７の上下に挿入される一対の加締爪１８，１９と、こ
れら加締爪１８，１９を上下方向に沿って近接離間させ
る加締爪駆動機構２０とを具備している。加締爪駆動機
構２０は、上部加締爪１８を固定する上部アーム２１
と、下部加締爪１９を固定する下部アーム２２と、これ
ら上部アーム２１および下部アーム２２を上下方向に移
動自在に支持するガイドロッド２３と、上部アーム２１
に固定されたラック２４と、該ラック２４に噛合され下
部アーム２２に回転自在に支持されるピニオン２５と、
該ピニオン２５の回転軸に連結されたアブソリュートタ
イプのロータリエンコーダ（過不足検出手段）２６とを
具備している。

【００２０】すなわち、上部加締爪１８と下部加締爪１
９とを相互に近接離間させるように上部アーム２１およ
び下部アーム２２をガイドロッド２３に沿って変位させ
ると、上部アーム２１に固定されたラック２４が上下方
向に変位する結果、ラック２４に噛み合っているピニオ
ン２５が回転させられて、その回転量がロータリエンコ
ーダ２６によって検出されるようになっている。検出さ
れた回転量は、上部加締爪１８と下部加締爪１９の移動
量の和と正比例する関係にあるため、加締爪１８，１９
の相対的な移動量を求めることができるようになってい
る。

【００２１】また、加締爪駆動機構２０は、プーリ２７
に巻回され上部アーム２１および下部アーム２２に連結
されたスプリング２８を具備している。このスプリング
２８は、これら上部アーム２１と下部アーム２２とを相
互に近接する方向に常時付勢するようになっている。さ
らに、加締爪駆動機構２０は、前記上部アーム２１およ
び下部アーム２２を近接離間させるためのカム機構２９
を具備している。

【００２２】このカム機構２９は、図示しないカムモー
タによって鉛直面内で回転駆動される加締爪カム３０，
３１と、これら加締爪カム３０，３１のカム面を転動さ
せられるカムフォロワ３２，３３と、該カムフォロワ３
２，３３を長手方向の途中位置に回転自在に取り付けか
つそれぞれ固定軸３４，３５を中心に揺動自在に設けら
れる上部揺動アーム３６および下部揺動アーム３７とか
ら構成されている。これら上部揺動アーム３６および下
部揺動アーム３７の先端には、前記上部アーム２１の下
面および前記下部アーム２２の上面にそれぞれ転動させ
られるローラ３８，３９が回転自在に取り付けられてい
る。

【００２３】したがって、集積硬貨７が包装ローラ１１
の間に配置された状態で、カムモータが作動させられる
と、加締爪カム３０，３１が回転駆動され、該加締爪カ
ム３０，３１のカム面に倣ってカムフォロワ３２，３３
が変位させられる。これにより、カムフォロワ３２，３
３を取り付けた上部揺動アーム３６および下部揺動アー
ム３７が、それぞれの固定軸３４，３５を中心に鉛直面
内で揺動運動させられる。

【００２４】そして、各揺動アーム３６，３７が、それ
らの先端のローラ３８，３９によって、上部アーム２１
の下面および下部アーム２２の上面をそれぞれ押圧する
ように揺動させられた場合には、上部アーム２１および
下部アーム２２は、スプリング２８による付勢力に抗し
て加締爪１８，１９を離間させるように上下方向に移動
させられる。また、各揺動アーム３６，３７が上記とは
逆方向にそれぞれ揺動させられた場合には、上部アーム
２１および下部アーム２２はスプリング２８の付勢力に
よって、相互に近接するように上下方向に移動させられ
るようになっている。

【００２５】これにより、上部アーム２１に固定された
上部加締爪１８および下部アーム２２に固定された下部
加締爪１９は、集積硬貨７に対して上下方向に離間した
離間位置と、集積硬貨７の上下面に接触させられること
となる接触位置との間で往復移動させられるようになっ
ている。この離間位置は、カム機構２９によって一義的
に決定される一定位置であるが、接触位置は、集積硬貨
７の金種および集積枚数に応じて変化する位置である。
なお、包装部９の下方には、適正枚数の集積硬貨７が包
装紙１２で包装されてなる包装硬貨７Ａ（図５参照）を
受け入れるロールシュート（図示略）、包装硬貨７Ａの
集積枚数が適正でない場合にこれを受け入れるリジェク
トボックス（図示略）、および、包装硬貨７Ａを、ロー
ルシュートまたはリジェクトボックスに振り分けるゲー
ト（図示略）が設けられている。

【００２６】そして、上部揺動アーム３６の側方には、
該上部揺動アーム３６に下方から当接することにより該
上部揺動アーム３６の揺動量すなわち上部加締爪１８の
下方への移動量を規制可能なストッパ（規制手段）５０
と、該ストッパ５０を上部揺動アーム３６の揺動領域に
突出させる状態と離間させる状態とに切り替えるソレノ
イド（規制手段）５１とが設けられている。すなわち、
ソレノイド５１が励磁状態にあってストッパ５０が上部
揺動アーム３６の揺動領域に突出した状態においては、
上部加締爪１８は、上部揺動アーム３６がこのストッパ
５０に当接して揺動が規制される所定の停止位置までし
か下降できず、他方、ソレノイド５１が消磁状態にあっ
てストッパ５０が上部揺動アーム３６の揺動領域から離
間した状態においては、上部揺動アーム３６の揺動がス
トッパ５０で規制されないため、上部加締爪１８は、前
記停止位置を超えてさらに下降できることになる。

【００２７】また、前記制御装置１５は、前記加締爪駆
動機構２０のロータリエンコーダ２６において検出され
たデータ等を入出力するＲＡＭ４０と、適正な場合の集
積高さ等の設定データを記憶してあるＲＯＭ４１と、こ
れらＲＡＭ４０およびＲＯＭ４１に格納されたデータを
処理するＣＰＵ４２とを具備している。ＣＰＵ４２は、
集積枚数判定手段（過不足検出手段）４３と、包装動作
指令手段４４と、回転方向切替手段４５と、包装紙複数
回巻制御手段５４の各機能を果たすよう構成されてい
る。

【００２８】前記集積枚数判定手段４３は、前記ＲＡＭ
４０に入力されたロータリエンコーダ２６からのピニオ
ン２５の加締動作に伴う回転量のデータに基づいて、包
装硬貨７Ａ内の集積硬貨７の集積高さを算出するととも
に、この集積高さをＲＯＭ４１に記憶されている適正な
場合の集積高さと比較して包装硬貨７Ａの集積枚数に過
不足があるか否かを判定するようになっている。具体的
には、上部加締爪１８および下部加締爪１９が最大に離
間したときの距離Ｌ₁から、加締動作に伴って移動した
移動距離Ｌ₂を差し引いた値が包装硬貨７Ａ内の集積硬
貨７の集積高さである。

【００２９】前記包装動作指令手段４４は、包装紙供給
ローラ１７を駆動する包装紙供給モータ４６および包装
モータ４７に動作指令あるいは動作停止指令を出力する
ようになっている。前記回転方向切替手段４５は、前記
集積枚数判定手段４３の判定結果に基づいて、後述する
ようにカムモータ４８の回転方向を切り替えるようにな
っている。

【００３０】包装紙複数回巻制御手段５４は、前記集積
枚数判定手段４３によって一の包装硬貨７Ａ内の集積硬
貨７の集積高さから割り出される硬貨枚数の過不足が検
出されたときに、当該一の包装硬貨７Ａに対し、さらに
一度（複数回も可）、周面に包装紙１２を供給して巻き
付けるとともに該巻き付けた包装紙１２を上部加締爪１
８および下部加締爪１９を上下から移動させることでこ
れらで加締める包装動作を、包装部９に行わせるように
なっている。

【００３１】図４に、カムモータ４８によって連携して
駆動される、支持棒アーム１６、包装ローラ１１、加締
爪１８，１９の動作を制御する支持棒アームカム、支持
棒アーム逃がしカム、包装ローラ開閉カムおよび加締爪
カム３０，３１、加締爪逃がしカムのカム線図をそれぞ
れ示す。これらカム線図は、カムモータ４８の正転に伴
って右側へ移行するもので、最左端が各カムの初期位置
であり、右側に移行するに伴って各カムが動作し、最右
端において、１サイクルの動作を終了するようになって
いる。なお、加締爪カム３０，３１のカム線図として
は、上部加締爪１８を上下動させる加締爪カム３０のカ
ム線図のみを示し、これと上下対称となる下部加締爪１
９用の加締爪カム３１については、カム線図を省略して
ある。

【００３２】この図４のカム線図に基づいて、支持棒ア
ーム１６、包装ローラ１１、加締爪１８，１９の動作を
説明する。まず、支持棒アーム１６は、支持棒アームカ
ムによって垂直方向の動作を制御され、かつ、支持棒ア
ーム逃がしカムによって水平方向の動作を制御されてい
る。支持棒アーム１６は、カム線図の初期位置におい
て、支持棒１０を包装ローラ１１から水平方向に外れた
下方の退避位置に配しており、動作が開始されると支持
棒アームカムにより支持棒１０を上昇させつつ支持棒ア
ーム逃がしカムによって支持棒１０を包装ローラ１１の
中央位置の垂直線上に配置するようになっている。そし
て、図４中符号ａに示される位置では、支持棒１０は、
集積ドラム６下方のシャッタ８の直下に配置され、集積
ドラム６からシャッタ８を介して集積硬貨７を受け取
る。

【００３３】続いて、包装動作が開始される図４中符号
ｂに示される位置までの間に支持棒１０は集積硬貨７を
下方から支持しながら包装ローラ１１の間に下降させ
る。そして、全ての包装動作が終了した図４中符号ｆの
位置において、支持棒アームカムの作動により、支持棒
１０を若干下降させて包装硬貨７Ａから逃がした後に、
支持棒アーム逃がしカムの作動により、支持棒１０を包
装ローラ１１側方の退避位置まで移動させて１サイクル
の動作が終了する。

【００３４】次に、包装ローラ１１は、カム線図の初期
位置から図４中符号ｂに至る間、３本の包装ローラ１１
が互いに離間するように設定され、図４中符号ｂ時点す
なわち上記支持棒１０が集積硬貨７を包装ローラ１１の
間に配置した包装動作開始時点から、図４中符号ｃ時点
までの間に、包装ローラ開閉カムの作動により、集積硬
貨７の半径方向内方に向けて移動させられる。これによ
り、３本の包装ローラ１１により集積硬貨７が挟持され
る。そして、包装動作が終了し、支持棒アーム１６が退
避位置に退避した時点の図４中符号ｆ以降の時点で包装
硬貨７Ａを解放するように該包装硬貨７Ａの半径方向外
方に向けて変位させられ、包装硬貨７Ａを落下させて１
サイクルの動作を終了するようになっている。なお、包
装紙１２は、包装ローラ１１で集積硬貨７が挟持される
前の段階で包装ローラ１１と集積硬貨７との隙間に送り
込まれることになり、具体的には、包装ローラ１１が集
積硬貨７に近接を開始する包装動作開始時点である図４
中符号ｂ時点で包装紙供給ローラ１７による包装紙１２
の供給が開始されることになる。

【００３５】加締爪１８，１９は、まず、加締爪カム３
０，３１によって垂直方向の動作を制御され、かつ、加
締爪逃がしカムによって水平方向の動作を制御されてい
る。そして、加締爪１８，１９は、包装動作開始後、上
記包装ローラ１１により集積硬貨７が挟持された後の図
４中符号ｃの時点で、上部加締爪１８を最上位に、下部
加締爪１９を最下位に配した状態とし、図４中符号ｃ〜
ｄ間において、加締爪逃がしカムの作動により、包装ロ
ーラ１１に対して水平方向に外れた退避位置から集積硬
貨７の上下に配される離間位置に向けて移動させられ
る。そして、図４中符号ｅ〜ｆ間における加締爪カム３
０，３１の作動により、上部加締爪１８および下部加締
爪１９は、相互に近接させられて、集積硬貨７の上下面
に当接する接触位置まで変位させられる。

【００３６】なお、加締爪カム３０，３１は、図４に示
す１サイクル動作の間に、図４の初期位置と符号ｃとの
間で、さらにもう１回上部加締爪１８と下部加締爪１９
とを往復移動させるように形成されているが、この一往
復は、カム機構２９内における図示しない歯車のバック
ラッシュに基づく振動により支持棒１０上に載置されて
いる集積硬貨７の集積状態が崩れてしまうのを防止する
ための動作である。

【００３７】このように構成されたこの実施の形態に係
る硬貨包装機の動作について、以下に説明する。硬貨を
回転円盤１に投入させ、該回転円盤１を回転させると、
当該回転円盤１によって生じた遠心力により、投入され
た硬貨が一枚ずつ硬貨通路２に送り込まれ、さらに搬送
ベルト３により搬送される。硬貨は、硬貨通路２上で送
りベルト３によって搬送される間に、設定された金種の
硬貨であるか否かが判別される。そして、設定金種以外
の硬貨はリジェクトされ、また設定された金種の硬貨は
その枚数が計数される。

【００３８】そして、硬貨通路２によって搬送されてき
た硬貨は、硬貨通路２の最後方に配置された集積ドラム
６に次々に供給され、この硬貨の供給と同期して回転駆
動させられる集積ドラム６によって積み重ね状態に集積
される。そして、所定枚数の硬貨が集積ドラム６によっ
て集積されると、集積ドラム６が更に回転駆動され、集
積硬貨７は、集積ドラム６の下方に配置されているシャ
ッタ８上に受け渡される。他方、硬貨通路２において所
定枚数の硬貨の計数が終了すると、カムモータ４８が正
転方向に駆動され、支持棒アームカムおよび支持棒アー
ム逃がしカムによる支持棒１０の移動が開始され、図４
中符号ａで示す時点において、支持棒１０はシャッタ８
の直下に配置される。

【００３９】さらに、この図４中符号ａの時点におい
て、集積硬貨７は、該集積硬貨７がシャッタ８上に載置
されていることを条件としてシャッタ８が開かれること
により支持棒１０上に受け渡される。この後、集積硬貨
７は、支持棒アームカムがさらに回転させられて支持棒
１０が下降されることによって、包装部９の包装ローラ
１１間の所定の包装位置に搬送される（図４におけるｂ
時点）。

【００４０】そして、この時点ｂから、包装動作が開始
されることになり、包装部９に搬送された集積硬貨７
は、包装ローラ開閉カムの作動により、半径方向外方に
配されている３本の包装ローラ１１によって挟持される
（図４におけるｃ時点）。他方、包装ローラ１１から水
平方向に離れた待機位置において、最大限に離間した状
態に配された上部加締爪１８および下部加締爪１９は、
加締爪逃がしカムの作動によって集積硬貨７の上下の離
間位置に配置される（図４におけるｅ時点）

【００４１】ここで、集積硬貨７が包装ローラ１１間の
所定の包装位置に位置する包装動作開始時点（図４にお
けるｂ時点）で、包装動作指令手段４４が、包装紙供給
モータ４６および包装モータ４７を起動させる。これに
より、包装紙供給ローラ１７により包装紙１２が包装ロ
ーラ１１と集積硬貨７との間に供給された後に、包装ロ
ーラ１１が集積硬貨７を挟持して回転し、その結果、包
装紙１２が集積硬貨７の円筒面に巻回されることにな
る。その一方で、包装紙供給モータ４６を包装紙１２の
一つの包装硬貨７Ａに対する通常の供給量を供給する回
転量駆動させた後、包装ローラ１１の回転はそのままで
包装紙供給モータ４６にブレーキをかけ、包装紙供給ロ
ーラ１７を急停止させる。これにより、包装ローラ１１
と包装紙供給ローラ１７との間の包装紙１２が張られる
ことになり、この部分が包装ローラ１１と包装紙供給ロ
ーラ１７との間に配置された図示せぬカッタに押しつけ
られて切断されることになる。

【００４２】そして、供給された包装紙１２が集積硬貨
７の円筒面に完全に巻回された後のタイミングで、正転
状態が持続されているカムモータ４８の回転により、加
締爪１８，１９は、離間位置から接触位置に向けて相互
に近接させられ、包装紙１２の上端部および下端部をそ
れぞれ加締める。これにより、集積硬貨７に対する包装
動作（１回目の包装動作）が完了し包装硬貨７Ａが作製
される（図４におけるｆ時点）。ここで、この包装動作
では、加締爪１８，１９は、スプリング２８の付勢力に
よって集積硬貨７の上面および下面にそれぞれ当接する
位置まで移動し、図５（ａ）に示すように、加締めによ
って丸められて形成される包装紙１２の上部加締部１２
ａを集積硬貨７の上面に接触させ、包装紙１２の同様の
下部加締部１２ｂを集積硬貨７の下面に接触させること
になる。

【００４３】一方、この実施の形態に係る硬貨包装機で
は、上記包装紙１２の加締め時において上下の加締爪１
８，１９が離間位置から接触位置に移動するまでの移動
量を、加締爪駆動機構２０のロータリエンコーダ２６に
よってピニオン２５の回転量として検出し、包装動作完
了時（図４におけるｆ時点）における移動量を制御装置
１５のＲＡＭ４０内に格納して集積枚数の過不足を判断
する。

【００４４】まず、格納された加締爪１８，１９の移動
量データは、ＣＰＵ４２内に組み込まれた集積枚数判定
手段４３によって、集積硬貨７の集積高さデータに変換
される。すなわち、離間位置における上部加締爪１８と
下部加締爪１９の位置は一義的に定まっているので、当
該離間位置における加締爪１８，１９間の距離は一定値
である。そして、その距離から加締爪１８，１９の移動
量、すなわち、上部加締爪１８の移動量と下部加締爪１
９の移動量との和を差し引きすることにより、集積硬貨
７の集積高さが求められることなる。次いで、このよう
にして求められた集積硬貨７の集積高さと、ＲＯＭ４１
に格納されている適正な場合の集積高さとが比較される
ことにより、集積硬貨７の枚数が適正であるか、あるい
は過不足であるかが判定されることになる。

【００４５】集積枚数判定手段４３により集積硬貨７の
枚数が適正であると判定された場合には、その後も、カ
ムモータ４８を正転させ続けることにより、上下加締爪
１８，１９を離間位置に配しつつ加締爪逃がしカムの作
動により退避位置に移動させる。また、これと同時に、
支持棒アームカムおよび支持棒アーム逃がしカムを作動
させて支持棒１０を退避位置に配置した後に、包装ロー
ラ開閉カムを作動させて包装硬貨７Ａを挟持していた包
装ローラ１１を相互に離間させることにより、包装硬貨
７Ａをその下方に配されているロールシュート（図示
略）に放出する。

【００４６】他方、集積枚数判定手段４３により集積硬
貨７の枚数に過不足があったと判定された場合には、過
不足判断が行われた包装動作完了時点（図４におけるｆ
時点）で、集積枚数に過不足があった旨の信号が包装紙
複数回巻制御手段５４に送られる。すると、包装紙複数
回巻制御手段５４は、以下のように２回目の包装動作を
包装部９に行わせることになる。

【００４７】すなわち、包装紙複数回巻制御手段５４
は、前記回転方向切替手段４５によりカムモータ４８の
回転方向を逆転させる。このカムモータ４８の逆転動作
は、加締爪１８，１９が離間位置に配され、かつ包装紙
１２の再挿入が可能となる図４の符号ｂの位置まで続け
られ、この位置ｂに到達した時点で、２回目の包装動作
を開始させるべく、再度カムモータ４８の回転方向が正
転方向に切り替えられることになる。

【００４８】また、包装紙複数回巻制御手段５４は、カ
ムモータ４８の逆転動作を終了し正転方向に切り替える
２回目の包装動作開始のタイミング（図４におけるｂ位
置に戻った時点）で、包装動作指令手段４４により、包
装紙供給モータ４６および包装モータ４７を起動させ
る。これにより、包装紙供給ローラ１７により包装紙１
２が、包装ローラ１１と、すでに１回目の包装動作が完
了している包装硬貨７Ａとの間に供給された後に、包装
ローラ１１がこの包装硬貨７Ａを挟持して回転し、その
結果、２枚目の包装紙１２がすでに１回包装されている
この包装硬貨７Ａの円筒面にさらに巻回されることにな
る。その一方で、包装紙供給モータ４６を包装紙１２の
一つの包装硬貨７Ａに対する通常の供給量を供給する回
転量駆動させた後、包装ローラ１１の回転はそのままで
包装紙供給モータ４６にブレーキをかけ、包装紙供給ロ
ーラ１７を急停止させる。これにより、包装ローラ１１
と包装紙供給ローラ１７との間の包装紙１２が張られる
ことになり、この部分が包装ローラ１１と包装紙供給ロ
ーラ１７との間に配置された図示せぬカッタに押しつけ
られて切断されることになる。

【００４９】さらに、包装紙複数回巻制御手段５４は、
カムモータ４８の逆転動作を終了し正転方向に切り替え
る２回目の包装動作開始時点（図４におけるｂ位置に戻
った時点）で、消磁状態にあったソレノイド５１を励磁
してストッパ５０を上部揺動アーム３６の揺動領域に突
出させる。

【００５０】そして、今回すなわち２回目の包装動作で
供給された包装紙１２が集積硬貨７の円筒面に完全に巻
回された後のタイミングで、正転状態が持続されている
カムモータ４８の回転により、加締爪１８，１９は、離
間位置から接触位置に向けて相互に近接させられ、包装
紙１２の上端部および下端部をそれぞれ加締めることに
なる。このとき、上部加締爪１８は、上部揺動アーム３
６がストッパ５０に当接して揺動が規制される所定の停
止位置（集積硬貨７の上面に当接する位置よりも上側）
までしか下降できない。その結果、図５（ｂ）に示すよ
うに、２回目の包装動作により上部加締爪１８で形成さ
れる包装紙１２’の上部加締部１２ａ’は、スプリング
２８の付勢力により可能な、１回目の包装動作による包
装紙１２の上部加締部１２ａ側に最も近接する位置に対
し、これよりも上側に離れた所定位置に形成されること
になる。他方、２回目の包装動作により下部加締爪１９
で形成される包装紙１２’の下部加締部１２ｂ’は、ス
プリング２８の付勢力により可能な、１回目の包装動作
による包装紙１２の下部加締部１２ｂ側に最も近接する
位置に形成されることになる。

【００５１】この２回目の包装動作の完了後（図４にお
けるｆ時点）、カムモータ４８を正転させ続けることに
より、上下加締爪１８，１９を離間位置に配しつつ加締
爪逃がしカムの作動により退避位置に移動させる。ま
た、これと同時に、支持棒アームカムおよび支持棒アー
ム逃がしカムを作動させて支持棒１０を退避位置に配置
した後に、包装ローラ開閉カムを作動させて過不足のあ
る包装硬貨７Ａを挟持していた包装ローラ１１を相互に
離間させることにより、過不足のある包装硬貨７Ａは落
下させられる（図４中符号ｆ以降参照）。このとき、図
示しないゲートを切り替えることにより、正常な包装硬
貨７Ａが投入されるロールシュートとは別のリジェクト
ボックス（図示略）に、枚数に過不足のある包装硬貨７
Ａが放出されることになる。

【００５２】なお、必要に応じて、２回目の包装動作の
完了後、過不足のある包装硬貨７Ａを放出させずに、さ
らにこれに対して３回目以降の包装動作を行う設定にす
ることもできるようになっている。

【００５３】以上のように、この実施の形態に係る硬貨
包装機によれば、集積枚数判定手段４３によって一の包
装硬貨７Ａの硬貨枚数の過不足が検出されたときに、包
装紙複数回巻制御手段５４が、当該一の包装硬貨７Ａに
対し、さらに一度もしくは複数回包装動作を包装部９に
行わせることになる。しかも、この２回目以降の包装動
作において、上部加締爪１８の移動量を当該一の包装硬
貨７Ａに対する１回目の包装動作における上部加締爪１
８の移動量に対し小さく制御することにより、途中で加
締めを止めて、二重以上の包装でかつ包装硬貨７Ａの端
部の加締め部分に故意に加締め不良を発生させることに
なる。すなわち、図５（ｂ）に示すように、２回目の包
装動作により上部加締爪１８で形成される包装紙１２’
の上部加締部１２ａ’は、スプリング２８の付勢力によ
り可能な、１回目の包装動作による包装紙１２の上部加
締部１２ａ側に最も近接する位置に対し、これよりも上
側に離れた所定位置に形成され、２回目の包装動作によ
り下部加締爪１９で形成される包装紙１２’の下部加締
部１２ｂ’は、スプリング２８の付勢力により可能な、
１回目の包装動作による包装紙１２の下部加締部１２ｂ
側に最も近接する位置に形成されることになり、上部側
に明らかな加締め不良を形成することになる。このた
め、過不足があった当該包装硬貨７Ａが、通常より多く
巻かれしかも不良状態で加締められた包装紙１２’によ
って、視覚的に正常な包装硬貨７Ａと見分けられること
になる。したがって、過不足のある包装硬貨７Ａが、万
が一正常な包装硬貨７Ａと混ざってしまっても、より明
確にこれを見分けることができる。

【００５４】さらに、ストッパ５０およびソレノイド５
１が、上部加締爪１８の移動量を１回目の包装動作にお
ける移動量に対し小さく規制することで、途中で加締め
を止めて、二重以上の包装でかつ包装硬貨７Ａの上端加
締部１８に明らかな加締め不良を発生させることにな
る。したがって、簡素な構成で上部加締爪１８の移動量
を小さくすることができる。

【００５５】ここで、包装硬貨に対し２回目以降の包装
動作を行うと、包装紙が紙である場合、厚みがフィルム
に対し厚めとなるので、加締部が何重にも丸められにく
く、さらに、包装される硬貨の外径が小さくなればなる
ほど丸められにくくなるため、正常な包装硬貨に対し容
易に見分けることができることになる。また、包装紙が
一軸延伸フィルムなどのフィルムである場合、厚みが紙
に対し薄くなるので、比較的何重にも丸めることは可能
であるが、経験上、２回目以降の加締部は延びるような
形状になるため、正常な包装硬貨に対し容易に見分ける
ことができることになる。

【００５６】なお、以上の実施の形態においては、スト
ッパ５０およびソレノイド５１を上部揺動アーム３６に
対し設けて、集積枚数の過不足が検出されたときに、こ
のストッパ５０を上部揺動アーム３６に当接させること
により上部加締爪１８の移動を機械的に規制する場合を
例にとり説明したが、これに代えて、ストッパ５０およ
びソレノイド５１を下部揺動アーム３７に対し設けるこ
と等により、集積枚数の過不足が検出されたときに、こ
のストッパ５０を下部揺動アーム３７に当接させること
により下部加締爪１９の移動を機械的に規制するように
してもよい。

【００５７】この場合、図６（ａ）に示すように、２回
目の包装動作により下部加締爪１９で形成される包装紙
１２’の下部加締部１２ｂ’は、スプリング２８の付勢
力により可能な、１回目の包装動作による包装紙１２の
下部加締部１２ｂ側に最も近接する位置に対し、これよ
りも下側に離れた所定位置に形成され、２回目の包装動
作により上部加締爪１８で形成される包装紙１２’の上
部加締部１２ａ’は、スプリング２８の付勢力により可
能な、１回目の包装動作による包装紙１２の上部加締部
１２ａ側に最も近接する位置に形成されることになり、
下部側に明らかな加締め不良が形成される。

【００５８】さらには、ストッパ５０およびソレノイド
５１を上部揺動アーム３６および下部揺動アーム３７の
両方に対し設けること等により、集積枚数の過不足が検
出されたときに、これらストッパ５０を上部揺動アーム
３６および下部揺動アーム３７に当接させることで上部
加締爪１８および下部加締爪１９の両方の移動を機械的
に規制するようにしてもよい。

【００５９】この場合、図６（ｂ）に示すように、２回
目の包装動作により上部加締爪１８および下部加締爪１
９で形成される包装紙１２’の上部加締部１２ａ’およ
び下部加締爪１２ｂ’は、スプリング２８の付勢力によ
り可能な、１回目の包装動作による包装紙１２の上部加
締部１２ａおよび下部加締爪１２ｂ側に最も近接する位
置に対し、これらよりも上下両側に離れた所定位置に形
成されることになり、上下両方に明らかな加締め不良が
形成される。

【００６０】また、加締爪１８，１９の移動を規制せ
ず、単に２回目以降の包装動作のみを行わせるようにし
てもよい。この場合も、過不足があった包装硬貨７Ａ
が、通常より多く巻かれ加締められた包装紙１２によっ
て、視覚的に正常な包装硬貨７Ａと見分けられることに
なるため、過不足があって、万が一正常な包装硬貨７Ａ
と混ざってしまっても、迅速な対応が可能となる。

【００６１】さらに、２回目以降の包装動作における加
締爪１８，１９の移動を規制させるものとして、上記し
たストッパ５０に代えてリンク部材やレバー部材を用い
てもよく、また、ソレノイド５１に代えてモータ類を用
いてもよい。

【００６２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項１
記載の硬貨包装機によれば、過不足検出手段によって一
の包装硬貨の硬貨枚数の過不足が検出されたときに、包
装紙複数回巻制御手段が、当該一の包装硬貨に対し、さ
らに一度もしくは複数回包装動作を包装紙巻回加締手段
に行わせることになるため、過不足があった当該包装硬
貨が、通常より多く巻かれ加締められた包装紙によっ
て、視覚的に正常な包装硬貨と見分けられることにな
る。したがって、過不足のある包装硬貨が、万が一正常
な包装硬貨と混ざってしまっても、迅速な対応が可能と
なる。

【００６３】また、本発明の請求項２記載の硬貨包装機
によれば、過不足検出手段によって一の包装硬貨の硬貨
枚数の過不足が検出されたときに、包装紙複数回巻制御
手段が、当該一の包装硬貨に対し、さらに一度もしくは
複数回包装動作を包装紙巻回加締手段に行わせることに
なるが、この２回目以降の包装動作において、加締爪の
移動量を当該一の包装硬貨に対する１回目の包装動作に
おける加締爪の移動量に対し小さく制御することによ
り、途中で加締めを止めて、二重以上の包装でかつ包装
硬貨の端部の加締め部分に故意に加締め不良を発生させ
ることになるため、過不足があった当該包装硬貨が、通
常より多く巻かれしかも不良状態で加締められた包装紙
によって、視覚的に正常な包装硬貨と見分けられること
になる。したがって、過不足のある包装硬貨が、万が一
正常な包装硬貨と混ざってしまっても、より明確にこれ
を見分けることができる。

【００６４】さらに、本発明の請求項３記載の硬貨包装
機によれば、規制手段が、上下一対の加締爪のいずれか
一方の移動量を１回目の包装動作における移動量に対し
小さく規制することで、途中で加締めを止めて、二重以
上の包装でかつ包装硬貨の端部のいずれか一方の加締め
部分に明らかな加締め不良を発生させることになる。し
たがって、簡素な構成で加締爪の移動量を小さくするこ
とができる。

【００６５】加えて、本発明の請求項４記載の硬貨包装
機によれば、規制手段が、上下一対の加締爪の両方の移
動量を１回目の包装動作における移動量に対し小さく規
制することで、途中で加締めを止めて、二重以上の包装
でかつ包装硬貨の両端部の加締め部分に明らかな加締め
不良を発生させることになる。したがって、簡素な構成
で加締爪の移動量を小さくすることができる。しかも、
両側の加締爪の移動量を規制し両側に加締め不良を生じ
させるため、加締め不良がより明確となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一の実施の形態に係る硬貨包装機の
全体概略構成を示す斜視図である。

【図２】 図１の硬貨包装機の加締爪駆動機構を示す斜
視図である。

【図３】 図１の硬貨包装機のブロック図である。

【図４】 図１の硬貨包装機の各カムの動作を示すカム
線図である。

【図５】 図１の硬貨包装機により作製された包装硬貨
であって、（ａ）は正常な包装硬貨、（ｂ）は枚数に過
不足があった場合の包装硬貨である。

【図６】 本発明の他の実施の形態に係る硬貨包装機に
より作製された、枚数に過不足があった場合の包装硬貨
であって、（ａ）は一例、（ｂ）は別の例である。

【符号の説明】

１ 回転円盤（硬貨搬送手段） ２ 硬貨通路（硬貨搬送手段） ３ 送りベルト（硬貨搬送手段） ４ 集積部（集積手段） ７ 集積硬貨 ７Ａ 包装硬貨 ９ 包装部（包装紙巻回加締手段） １２ 包装紙 １８ 上部加締爪（加締爪） １９ 下部加締爪（加締爪） ２６ ロータリエンコーダ（過不足検出手段） ４３ 集積枚数判定手段（過不足検出手段） ５０ ストッパ（規制手段） ５１ ソレノイド（規制手段） ５４ 包装紙複数回巻制御手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65B 11/00 - 11/58 B65B 57/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の硬貨を一枚ずつ送り出す硬貨搬送
   手段と、 送り出された硬貨を積み重ね状態に集積する集積手段
   と、 集積された硬貨の周面に包装紙を供給して巻き付けると
   ともに該巻き付けた包装紙を上下一対の加締爪を上下か
   ら移動させることでこれら加締爪で加締めて包装硬貨を
   作製する包装動作を行う包装紙巻回加締手段と、 前記包装硬貨の硬貨枚数の過不足を検出する過不足検出
   手段とを具備する硬貨包装機において、 前記過不足検出手段によって一の包装硬貨の硬貨枚数の
   過不足が検出されたときに、当該一の包装硬貨に対し、
   さらに一度もしくは複数回前記包装動作を前記包装紙巻
   回加締手段に行わせる包装紙複数回巻制御手段を備えた
   ことを特徴とする硬貨包装機。
2. 【請求項２】 前記包装紙複数回巻制御手段は、一の包
   装硬貨に対する２回目以降の前記包装動作において、前
   記加締爪の移動量を当該一の包装硬貨に対する１回目の
   前記包装動作における前記加締爪の移動量に対し小さく
   制御することにより、加締め不良を発生させることを特
   徴とする請求項１記載の硬貨包装機。
3. 【請求項３】 前記包装紙複数回巻制御手段は、一の包
   装硬貨に対する２回目以降の前記包装動作における前記
   上下一対の加締爪のいずれか一方の移動量を、当該一の
   包装硬貨に対する１回目の前記包装動作における前記加
   締爪の移動量に対し小さく規制する規制手段を有するこ
   とを特徴とする請求項２記載の硬貨包装機。
4. 【請求項４】 前記包装紙複数回巻制御手段は、一の包
   装硬貨に対する２回目以降の前記包装動作における前記
   上下一対の加締爪の両方の移動量を、当該一の包装硬貨
   に対する１回目の前記包装動作におけるこれら加締爪の
   移動量に対し小さく規制する規制手段を有することを特
   徴とする請求項２記載の硬貨包装機。