JP3486765B2 - 低温リサイクル式排ガス処理方法 - Google Patents
低温リサイクル式排ガス処理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみおよび産
業廃棄物の焼却処理により発生する排ガス処理方法に関
する。 【０００２】 【従来の技術】廃棄物の焼却処理により発生する排ガス
は、ＨＣｌ、ＳＯｘ、ダイオキシン等の有害物質を含
む。従来の技術では、図３に示すように、ＨＣｌ、ＳＯ
ｘの酸性成分は排ガス中に吸収剤として消石灰を吹き込
み、またダイオキシンは排ガス中に吸着剤として活性炭
を吹き込み、これらをバグフィルターで飛灰と共に捕集
することにより排ガスから除去される。バグフィルター
で捕集された飛灰は、ダイオキシンを加熱分解した後、
重金属固定薬剤で処理され、ついで埋め立て処分され
る。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】排ガス処理では、上述
の如く、消石灰（Ｃａ（ＯＨ）2 ）の粒状物を排ガス煙
道内に吹き込むことによって、次式の如く排ガス中のＨ
Ｃｌ、ＳＯｘと反応させて排ガスを浄化するのが一般的
である。 【０００４】 ２ＨＣｌ ＋ Ｃａ（ＯＨ）2 → ＣａＣｌ2 ＋ ２Ｈ2 Ｏ ＳＯｘ ＋ Ｃａ（ＯＨ）2 → ＣａＳＯｘ+1 ＋ Ｈ2 Ｏ 【０００５】この方法では、ＨＣｌ、ＳＯｘ除去率は当
量比１でＨＣｌ：７０％、ＳＯｘ：３０％程度である。
これは、上記反応により、消石灰の粒子表面が反応生成
物（ＣａＣｌ2 、ＣａＳＯｘ+1）からなる殻で覆われ、
それ以上の反応の進行が阻止されてしまうためである。
つまり、粒子内部には未反応消石灰が残っていても、そ
の表面が反応生成物で覆われるために、排ガスは未反応
消石灰部分に接触しにくくなり反応が停止したようにな
る。 【０００６】本発明の目的は、上記未反応消石灰をリサ
イクル再使用して排ガス処理のコスト節減を果たすこと
にある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明による低温リサイ
クル式排ガス処理方法は、排ガスに酸性成分吸収剤粒子
およびダイオキシン吸着剤を吹き込み、バグフィルター
でこれらを飛灰と共に捕集し、捕集物を加熱してダイオ
キシンを熱分解除去する排ガス処理方法において、上記
捕集物を加熱すると共に、酸性成分の吸収により生じた
吸収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破壊物およびダイオキ
シン分解後の吸着剤を含む捕集物を冷却した後、バグフ
ィルター上流の排ガスに吹き込むことを特徴とする方法
である。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明による低温リサイ
クル式排ガス処理方法は、排ガスに酸性成分吸収剤粒子
およびダイオキシン吸着剤として活性炭を吹き込み、バ
グフィルターでこれらを飛灰と共に捕集し、捕集物を無
酸素ないしは酸素稀薄下で加熱して活性炭の分解を起こ
さずにダイオキシンを熱分解除去すると共に、酸性成分
の吸収により生じた吸収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破
壊物およびダイオキシン分解後の活性炭を含む捕集物を
冷却した後、バグフィルター上流の排ガスに吹き込むこ
とを特徴とする方法である。 【０００９】加熱装置(3) は加熱と共に撹拌を行うもの
であり、図２に示すように、ケーシング(4) の内面に設
けられた電気ヒータ(7) と、ケーシング(4) 内に長さ方
向に配たれた回転軸(5) と、これに設けられた多数の撹
拌翼(6) とから主として構成されている。また、加熱装
置(3) の内部は、活性炭の分解を起こさないように、無
酸素状態ないしは酸素稀薄状態になされている。 【００１０】上記捕集物を加熱装置(3) によって３５０
℃程度に加熱すると共に撹拌することによって消石灰の
粒子殻を破壊する。消石灰の破壊物およびダイオキシン
分解後の活性炭を含む捕集物をついで６０℃程度に冷却
する。この冷却によって、消石灰による排ガス中の酸性
成分、特にＳＯｘの吸収効率が向上する。 【００１１】冷却後の消石灰の破壊物および活性炭を含
む捕集物の一部をバグフィルター(2) 上流の排ガスにリ
サイクルして吹き込む。捕集物のリサイクル量も調整可
能とする。この結果、消石灰および活性炭の各使用量は
半分に低減される。 【００１２】バグフィルター(2) による捕集物は、特別
管理廃棄物に指定されているので、上記捕集物の残部は
重金属固定薬剤処理した後、埋め立て処分する。この結
果、飛灰量は２／３に低減され、飛灰処理装置の容量は
２／３に軽減される。 【００１３】 【発明の効果】本発明による低温リサイクル式排ガス処
理方法では、バグフィルター捕集物を加熱すると共に吸
収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破壊物およびダイオキシ
ン分解後の吸着剤を含む捕集物を冷却した後、バグフィ
ルター上流の排ガスに吹き込むので、消石灰および活性
炭の吹き込み量を低減することができ、酸性成分および
ダイオキシンの除去効率を向上させることができ、ま
た、飛灰処理装置の容量のコンパクト化を果たすことが
できる。こうして、排ガス処理のコスト節減を果たすこ
とができる。
業廃棄物の焼却処理により発生する排ガス処理方法に関
する。 【０００２】 【従来の技術】廃棄物の焼却処理により発生する排ガス
は、ＨＣｌ、ＳＯｘ、ダイオキシン等の有害物質を含
む。従来の技術では、図３に示すように、ＨＣｌ、ＳＯ
ｘの酸性成分は排ガス中に吸収剤として消石灰を吹き込
み、またダイオキシンは排ガス中に吸着剤として活性炭
を吹き込み、これらをバグフィルターで飛灰と共に捕集
することにより排ガスから除去される。バグフィルター
で捕集された飛灰は、ダイオキシンを加熱分解した後、
重金属固定薬剤で処理され、ついで埋め立て処分され
る。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】排ガス処理では、上述
の如く、消石灰（Ｃａ（ＯＨ）2 ）の粒状物を排ガス煙
道内に吹き込むことによって、次式の如く排ガス中のＨ
Ｃｌ、ＳＯｘと反応させて排ガスを浄化するのが一般的
である。 【０００４】 ２ＨＣｌ ＋ Ｃａ（ＯＨ）2 → ＣａＣｌ2 ＋ ２Ｈ2 Ｏ ＳＯｘ ＋ Ｃａ（ＯＨ）2 → ＣａＳＯｘ+1 ＋ Ｈ2 Ｏ 【０００５】この方法では、ＨＣｌ、ＳＯｘ除去率は当
量比１でＨＣｌ：７０％、ＳＯｘ：３０％程度である。
これは、上記反応により、消石灰の粒子表面が反応生成
物（ＣａＣｌ2 、ＣａＳＯｘ+1）からなる殻で覆われ、
それ以上の反応の進行が阻止されてしまうためである。
つまり、粒子内部には未反応消石灰が残っていても、そ
の表面が反応生成物で覆われるために、排ガスは未反応
消石灰部分に接触しにくくなり反応が停止したようにな
る。 【０００６】本発明の目的は、上記未反応消石灰をリサ
イクル再使用して排ガス処理のコスト節減を果たすこと
にある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明による低温リサイ
クル式排ガス処理方法は、排ガスに酸性成分吸収剤粒子
およびダイオキシン吸着剤を吹き込み、バグフィルター
でこれらを飛灰と共に捕集し、捕集物を加熱してダイオ
キシンを熱分解除去する排ガス処理方法において、上記
捕集物を加熱すると共に、酸性成分の吸収により生じた
吸収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破壊物およびダイオキ
シン分解後の吸着剤を含む捕集物を冷却した後、バグフ
ィルター上流の排ガスに吹き込むことを特徴とする方法
である。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明による低温リサイ
クル式排ガス処理方法は、排ガスに酸性成分吸収剤粒子
およびダイオキシン吸着剤として活性炭を吹き込み、バ
グフィルターでこれらを飛灰と共に捕集し、捕集物を無
酸素ないしは酸素稀薄下で加熱して活性炭の分解を起こ
さずにダイオキシンを熱分解除去すると共に、酸性成分
の吸収により生じた吸収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破
壊物およびダイオキシン分解後の活性炭を含む捕集物を
冷却した後、バグフィルター上流の排ガスに吹き込むこ
とを特徴とする方法である。 【０００９】加熱装置(3) は加熱と共に撹拌を行うもの
であり、図２に示すように、ケーシング(4) の内面に設
けられた電気ヒータ(7) と、ケーシング(4) 内に長さ方
向に配たれた回転軸(5) と、これに設けられた多数の撹
拌翼(6) とから主として構成されている。また、加熱装
置(3) の内部は、活性炭の分解を起こさないように、無
酸素状態ないしは酸素稀薄状態になされている。 【００１０】上記捕集物を加熱装置(3) によって３５０
℃程度に加熱すると共に撹拌することによって消石灰の
粒子殻を破壊する。消石灰の破壊物およびダイオキシン
分解後の活性炭を含む捕集物をついで６０℃程度に冷却
する。この冷却によって、消石灰による排ガス中の酸性
成分、特にＳＯｘの吸収効率が向上する。 【００１１】冷却後の消石灰の破壊物および活性炭を含
む捕集物の一部をバグフィルター(2) 上流の排ガスにリ
サイクルして吹き込む。捕集物のリサイクル量も調整可
能とする。この結果、消石灰および活性炭の各使用量は
半分に低減される。 【００１２】バグフィルター(2) による捕集物は、特別
管理廃棄物に指定されているので、上記捕集物の残部は
重金属固定薬剤処理した後、埋め立て処分する。この結
果、飛灰量は２／３に低減され、飛灰処理装置の容量は
２／３に軽減される。 【００１３】 【発明の効果】本発明による低温リサイクル式排ガス処
理方法では、バグフィルター捕集物を加熱すると共に吸
収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破壊物およびダイオキシ
ン分解後の吸着剤を含む捕集物を冷却した後、バグフィ
ルター上流の排ガスに吹き込むので、消石灰および活性
炭の吹き込み量を低減することができ、酸性成分および
ダイオキシンの除去効率を向上させることができ、ま
た、飛灰処理装置の容量のコンパクト化を果たすことが
できる。こうして、排ガス処理のコスト節減を果たすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による低温リサイクル式排ガス処理方
法の例を示すフローシートである。 【図２】 従来の排ガス処理方法の例を示すフローシー
トである。 【図３】 加熱装置の例を示す一部切欠き斜視図であ
る。 【符号の説明】 １：焼却炉 ２：バグフィルター ３：加熱装置
法の例を示すフローシートである。 【図２】 従来の排ガス処理方法の例を示すフローシー
トである。 【図３】 加熱装置の例を示す一部切欠き斜視図であ
る。 【符号の説明】 １：焼却炉 ２：バグフィルター ３：加熱装置
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ
Ｂ０１Ｄ 53/81
(56)参考文献 特開 平３−89916（ＪＰ，Ａ)
特開 平８−243341（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B01D 53/34 - 53/85
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 排ガスに酸性成分吸収剤粒子およびダイ
オキシン吸着剤として活性炭を吹き込み、バグフィルタ
ーでこれらを飛灰と共に捕集し、捕集物を無酸素ないし
は酸素稀薄下で加熱して活性炭の分解を起こさずにダイ
オキシンを熱分解除去すると共に、酸性成分の吸収によ
り生じた吸収剤粒子殻を破壊し、吸収剤の破壊物および
ダイオキシン分解後の活性炭を含む捕集物を冷却した
後、バグフィルター上流の排ガスに吹き込むことを特徴
とする低温リサイクル式排ガス処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21124298A JP3486765B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 低温リサイクル式排ガス処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21124298A JP3486765B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 低温リサイクル式排ガス処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000042357A JP2000042357A (ja) | 2000-02-15 |
| JP3486765B2 true JP3486765B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=16602653
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21124298A Expired - Fee Related JP3486765B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 低温リサイクル式排ガス処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3486765B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP4915508B2 (ja) * | 2006-07-27 | 2012-04-11 | 信六 西山 | バグフィルター型集塵機を用いた脱臭方法とバグフィルター型集塵機の脱臭装置 |
| CN103127795B (zh) * | 2013-02-07 | 2015-03-18 | 中国恩菲工程技术有限公司 | 处理烟气的方法和系统 |
| CN109603286B (zh) * | 2019-01-11 | 2019-07-30 | 天津市闻达石油钻采工程装备有限公司 | 固液混合物的处理工艺方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0716581B2 (ja) * | 1989-09-01 | 1995-03-01 | 日立造船株式会社 | 炉内脱硫方法 |
| JP3207019B2 (ja) * | 1993-07-20 | 2001-09-10 | 株式会社神戸製鋼所 | 排ガス中の有害物質除去方法 |
| JPH08243341A (ja) * | 1995-03-13 | 1996-09-24 | Ebara Corp | 排ガス処理方法 |
-
1998
- 1998-07-27 JP JP21124298A patent/JP3486765B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2000042357A (ja) | 2000-02-15 |
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Legal Events
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