JP3966485B2 - 塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法およびその装置 - Google Patents

塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化合物を含有する廃棄物を焼却処分する過程において生じる、ダイオキシン類を含有する排ガスからダイオキシン類を除去し、排ガス中のダイオキシン濃度を0.1ng−TEQ/Nm3 以下とする排ガスの処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシン排出規制の強化が進んできたことから、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分施設から排出される排ガスにおけるダイオキシン濃度を低下させるために、ダイオキシン類の発生を抑制する方法および発生したダイオキシン類を排ガスから除去する方法が提案されている。ダイオキシン類の発生を抑制する方法としては、たとえばガス化溶融炉のように廃棄物を高温燃焼させ、かつ、燃焼ガスの滞留時間を長くし、および/または当該廃棄物と空気との接触時間を長くする等して、廃棄物の燃焼方法の改善を行う方法である。
【0003】
また、発生したダイオキシン類を燃焼排ガスから除去する方法としては、次のものが提案されている。
(1)燃焼排ガスは熱回収され、次に粉状活性炭を噴霧され、その後段に設けられたバグフィルター等の集塵器でダイオキシン類の吸着した粉状活性炭を回収して、ダイオキシン類を除去する方法(図7A)。
(2)燃焼排ガスの処理過程における当該排ガスが適当な温度になる個所において、ダイオキシン類を分解する触媒を有する分解装置を設置し、前記触媒によってダイオキシン類を分解除去する方法(特開平7−75720号公報等参照,図7B)。
(3)燃焼排ガスの処理過程において活性炭吸着装置を設置し、当該排ガスをこの装置に送ることによって排ガスに含有されるダイオキシン類は活性炭に吸着され、ダイオキシン類を当該排ガスから除去する方法(特開平7−763号公報等参照,図7C)。
(4)燃焼排ガスをスプレー冷却塔において冷却した後、湿式電気集塵器またはバグフィルターによってダイオキシン類含有物を除去することにより、当該排ガスからダイオキシン類を除去する方法(特開平6−47224号公報、特開平8−229348号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の方法によっては、ダイオキシン類が吸着した活性炭粉を燃焼させ、燃焼によりダイオキシン類を分解する方法であるため吸着剤である活性炭を再利用できず、ランニングコストが高くなり不経済であった。上記(2)の方法によっては、触媒の寿命に対応した一定時間毎に触媒を交換する必要があるため、イニシャルコストおよびランニングコストが高く不経済であり、かつ、触媒の種類によっては反応温度の低下によってダイオキシン類の捕集率の低下をまねく場合があった。上記(3)の方法によっては、大型の活性炭吸着装置(固定床法、移動床法等)が必要であるため、イニシャルコストおよびランニングコストが高く不経済であった。また、上記(4)の方法においては、排ガスに含有される塩化水素による装置の腐食によってランニングコストが高くなり、あるいはダイオキシン濃度の基準値(0.1ng/Nm3 以下)を満たさないおそれがある。
【0005】
したがって、本発明の課題は、塩素化合物を含有する廃棄物の処理過程において生じたダイオキシン類を含有する、廃棄物処理施設における排ガスのダイオキシン類濃度を、活性炭および/または触媒等を用いることなく0.1ng−TEQ/Nm3 以下にすることができ、もって、廃棄物処理施設の運転におけるイニシャルコストおよびランニングコストを低減させる、塩素化化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法およびその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
したがって、上記課題を解決した本発明の請求項1記載の発明は、次記の工程を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法である。
(1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する工程。
(2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する工程。
(3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する工程。
(4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する工程。
(5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する工程。
(6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけられた条件下において水を噴霧した後、排ガスを大気中に放出する工程。
(7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する工程。
【0007】
この方法によれば、活性炭または触媒を使用する必要がなく、かつ、排ガスにおけるダイオキシン濃度を基準値(0.1ng/Nm3 )以下とすることができる。さらに、ダイオキシン類を水に溶解させて当該排ガスから除去できるため、排ガス処理におけるイニシャルコストおよびランニングコストの低減が可能である。
【0008】
請求項2記載の発明は、次記の工程を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法である。
(1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する工程。
(2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する工程。
(3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する工程。
(4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する工程。
(5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する工程。
(6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけられた条件下において水を噴霧した後、排ガスを大気中に放出する工程。
(7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する工程。
【0009】
この方法によれば、ダイオキシン類、塩化水素および硫黄酸化物を確実に当該排ガスから除去できる。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記(1)の廃棄物を焼却する工程における焼却温度が800℃以上であり、かつ、前記(7)の廃液を処理する工程が当該廃液を前記焼却工程に返送してダイオキシン類を分解し無害化するものであることを特徴とする請求項1または2記載の排ガスの処理方法である。
【0011】
この方法によれば、ダイオキシン類を含有する廃液の処理工程を、ダイオキシンを含有する新たな排ガスの処理と同時に同一装置(焼却炉)において行うことができるため、工程が簡易なものとなり、かつ、経済的である。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記(6)の排ガスを大気中に放出する工程において、圧力損失が250mmAq以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガスの処理方法である。
【0013】
この方法によれば、排ガスにおけるダイオキシン濃度をより低くすることができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、次記の手段を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理装置である。
(1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する手段。
(2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する手段。
(3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する手段。
(4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する手段。
(5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する手段。
(6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけ、かつ、この条件下において水を噴霧して排ガスを大気中に放出する手段。
(7)前記(5)及び(6)の手段における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する手段。
【0015】
この装置によれば、排ガスにおけるダイオキシン濃度を基準値(0.1ng/Nm3 )以下とすることができ、触媒等を用いる必要がなく、かつ、ダイオキシン類を水に溶解させて当該排ガスから除去できるため、排ガス処理におけるイニシャルコストおよびランニングコストの低減が可能である。
【0016】
請求項6記載の発明は、次記の手段を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理装置である。
(1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する手段。
(2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する手段。
(3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する手段。
(4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する手段。
(5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する手段。
(6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけ、かつ、この条件下において水を噴霧して排ガスを大気中に放出する手段。
(7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する手段。
【0017】
この装置によれば、ダイオキシン類、塩化水素および硫黄酸化物を確実に当該排ガスから除去できる。
【0018】
請求項7記載の発明は、前記(1)の廃棄物を焼却する手段における焼却温度が800℃以上であり、かつ、前記(7)の廃液を処理する手段が当該廃液を前記焼却手段に返送してダイオキシン類を分解し無害化する手段である、ことを特徴とする5または6記載の排ガスの処理装置である。
【0019】
この装置によれば、廃液を処理する手段として廃液を焼却炉に戻す返送手段のみを新たに設ければよいため、イニシャルコストを低減できる。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、前記(6)の排ガスを大気中に放出する手段において、圧力損失が250mmAq以上とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の排ガスの処理装置である。
【0021】
この装置によれば、排ガスにおけるダイオキシン濃度をより低くすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施の形態によってさらに詳説する。
図1は、本発明に係る排ガスの処理設備の第1の実施の形態を示すフローシートである。1は焼却炉、2は廃熱回収装置、3は脱塩兼脱硫装置、4は集塵器、5は冷却装置、6は脱ダイオキシン類装置、7は排気口および8は廃液処理装置を示す。
【0023】
本発明においては、塩素化合物を含有する廃棄物が焼却炉1に投入ライン11を通して投入されて、800℃以上の温度で焼却される。焼却炉1は、一般のごみ焼却炉、産業用廃棄物焼却炉等のいずれの形式の焼却炉も用いることができる。
【0024】
この焼却に伴う燃焼排ガスは、排気導路12から導管21を通して廃熱回収装置2に導かれる。廃熱回収装置2では、燃焼排ガスの有する廃熱の回収が行われ、廃熱回収装置2の出口22において、燃焼排ガスの温度は200〜250℃に冷却される。
【0025】
冷却された燃焼排ガスは、導管31に導かれ、この導管31の任意の位置において脱塩兼脱硫装置3から脱塩・脱硫剤が噴霧される。この脱塩・脱硫剤の噴霧によって、噴霧された脱塩・脱硫剤と燃焼排ガスに含有される塩化水素および硫黄酸化物とが反応して、燃焼排ガスから塩化水素および硫黄酸化物が除去される。脱塩兼脱硫装置3の別の実施の形態として、燃焼排ガスを脱塩兼脱硫装置3内に導管32を通して導き、脱塩兼脱硫装置3内部において脱塩・脱硫剤を噴霧した後、導管42を通って後述する集塵器4に燃焼排ガスを導く形式とすることもできる(図2)。
【0026】
脱塩・脱硫剤は、たとえば、アルカリ化合物(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウム等)の粉状物、水溶液あるいはスラリー等を用いることができる。
【0027】
冷却された燃焼排ガスは、導管31または導管42を通って集塵器4、たとえばバグフィルターに導かれる。集塵器4において、燃焼排ガスは、灰等の飛粒子等からなる固形分とガス成分に分離される。また、集塵器4の入口41における燃焼排ガスの温度は、好ましくは200〜210℃になる。
【0028】
固形分は、固形分固化装置10に導かれ、ここで固化されて排ガス処理系外へ排出される。
【0029】
ガス成分は、導管51を通って冷却装置5に導かれる。冷却装置5において水がガス成分に噴霧され、ガス成分の冷却が行われる。また、前記水の代わりに適宜pHの調整された水酸化ナトリウム水溶液をガス成分に噴霧することによって、ガス成分の冷却を行うとともに脱塩兼脱硫装置3において除去しきれなかった塩化水素および硫黄酸化物の除去を行うことができる。冷却装置5において水酸化ナトリウム水溶液を噴霧することにより、完全に塩化水素および硫黄酸化物を除去することができる。ガス成分は、冷却装置5の出口において、約100℃になるよう冷却される。冷却装置5において噴霧される水または水酸化ナトリウム水溶液は冷却装置5内で循環させて使用され、かつ、適宜装置外へ廃水として排出され、さらにこの排出量に対応する量の水または水酸化ナトリウム水溶液が図示しない給水装置から補給される。
【0030】
冷却されたガス成分は、導管61を通って上段62と下段63とからなる脱ダイオキシン類装置6の下段63に導かれる。下段63での圧力は、冷却装置5における圧力と同じであるが、上段62と下段63とを隔てる充填物60、たとえば第1の実施の形態で用いる高気液接触板の作用により、上段62においては、ガス成分に対して150mmAq以上、好ましくは250mmAq以上の圧力損失がかけられている。高気液接触板の設置枚数を変えることによって、上段62においてかけられる圧力損失の程度を変えることができる。図6から明らかなように圧力損失が増すとともにダイオキシンの捕集率が上昇するので、本発明において、高気液接触板の設置枚数を変えることは、非常に有用である。
【0031】
充填物60としては、高気液接触板、金網のようなメッシュ式のもの、テラレットおよびラッシヒリング等を用いることができる。また、脱ダイオキシン類装置6全体として、棚段塔およびベンチュリースクラバー等の圧力損失をかけて気液接触しやすい構造のものを用いることができる。
【0032】
ガス成分は充填物60を通って上段62に導かれ、前記圧力条件下において水が噴霧される。これにより、生成したダイオキシン類の分子表面に噴霧された水分子が凝集して、ダイオキシン類が水と混合して廃液となる。脱ダイオキシン類装置6において用いられる水は、脱ダイオキシン類装置6内で循環させて使用され、かつ、適宜装置外へ廃液として排出され、さらにこの排出量に対応する量の水が図示しない給水装置から補給される。
【0033】
ダイオキシン類の除去されたガス成分は、排ガスとして排気口7から約70℃の温度で大気中に放出される。
【0034】
冷却装置5において、ダイオキシンは水に不溶性であるが、100℃以下に冷却されることにより固体となったものが水に混合する、あるいは脱ダイオキシン類装置6における廃液が混合する等により冷却装置5からの廃水中にダイオキシンが含有される。そのため、冷却装置5における廃水と脱ダイオキシン類装置6における廃液とを廃液Wとし、この廃液Wを導管81を通して廃液処理装置8に導く。廃液処理装置8においてダイオキシン類の分解が図られ、廃液Wは廃棄物処理系外へ排出される。
【0035】
廃液処理装置8におけるダイオキシン類の分解方法としては様々な方法が考えられるが、たとえば微生物を用いる方法、超臨界水を利用する方法および熱分解する方法等のいずれの方法も用いることができる。
【0036】
第1の実施の形態においては冷却装置5と脱ダイオキシン類装置6とが一体化された装置を用いたが、これらを別々に設けることもできる(図示しない)。
【0037】
図3は本発明に係る排ガス処理設備の第2の実施の形態を示したものである。これは、第1の実施の形態における廃液Wを、焼却炉1において噴霧するものである。廃液Wは、導管9を通って焼却炉1に返送され、ダイオキシン類は、焼却炉1において800℃以上の温度で分解されて無害化される。このようにすることによって、廃液処理装置8を新たに設置することなく、ダイオキシン類を分解処理することができる。
【0038】
図4は本発明に係る廃棄物処理設備の第3の実施の形態を示したものである。これは、図2に示した実施の形態における冷却装置5からの廃水を脱塩兼脱硫装置3において噴霧し、かつ、脱ダイオキシン類装置6からの廃液Wを焼却炉1において噴霧するものである。
【0039】
冷却装置5からの廃水は、導管91を通って脱塩兼脱硫装置3に返送され、廃熱回収装置2において200〜250℃に冷却された燃焼排ガスおよび脱塩・脱硫剤に対して噴霧される。ダイオキシンを含有する冷却装置5からの廃水は、少なくとも100℃以下に冷却されているため、これを脱塩兼脱硫装置3において噴霧することにより、集塵器4入口における排ガスの温度は約150℃になる。図5から明らかなように、置換塩素数4以上のダイオキシン類において、融点は約200℃以上および沸点は約400℃以上であるので、集塵器4により置換塩素数4以上のダイオキシン類を捕集できることとなる。
【0040】
脱ダイオキシン類装置6からの廃液Wは、導管92を通って焼却炉1に返送され、ダイオキシン類は焼却炉1において800℃以上の温度で分解されて無害化される。
【0041】
もって、ダイオキシン類の廃棄物処理系外への排出を防止できる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の効果を詳説する。
第1の実施の形態における排ガス処理設備を用いて、塩素化合物を含有する廃棄物の処理を行った。脱ダイオキシン類装置6における充填物60として、高気液接触板を用い、この高気液接触板の設置枚数および冷却装置5における噴霧水量の条件を変えて実施した。実施条件およびその結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003966485
【0044】
実施例1〜3の結果から明らかなように、本発明によれば、大気中に放出される排ガス(排気口7における排ガス)のダイオキシン類濃度は0.1ng−TEQ/Nm3以下にすることができる。
【0045】
また、第1の実施の形態と第2の実施の形態において、集塵器4の入口41におけるダイオキシン濃度を測定したところ、ほぼ等しいダイオキシン濃度を得た。したがって、廃液W中に含有されるダイオキシン類は、焼却炉1で800℃以上の温度条件下に噴霧することによって、ほぼ完全に分解されることが明らかになった。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、塩素化合物を含有する廃棄物の処理過程において生じたダイオキシン類を含有する、廃棄物処理施設における排ガスのダイオキシン類濃度を、活性炭および/または触媒等を用いることなく0.1ng−TEQ/Nm3以下にすることができる。したがって、廃棄物処理施設の運転において、イニシャルコストおよびランニングコストを低減させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排ガスの処理設備の第1の実施の形態を示すフローシートである。
【図2】 第1の実施の形態における脱塩兼脱硫装置の別の実施の形態を示すフローシートである。
【図3】 本発明に係る排ガスの処理設備の第2の実施の形態を示すフローシートである。
【図4】 本発明に係る排ガスの処理設備の第3の実施の形態を示すフローシートである。
【図5】 ダイオキシン類の沸点および融点を示すグラフである。
【図6】 本発明における排ガスにかけられる圧力損失とダイオキシン類捕集率との関係を示すグラフである。
【図7】 従来の排ガス処理方法のフローシートである。
【符号の説明】
1…焼却炉、2…廃熱回収装置、3…脱塩兼脱硫装置、4…集塵器、5…冷却装置、6…脱ダイオキシン類装置、7…排気口、8…廃液処理装置、60…充填物。

Claims (8)

  1. 次記の工程を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法。
    (1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する工程。
    (2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する工程。
    (3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する工程。
    (4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する工程。
    (5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する工程。
    (6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけられた条件下において水を噴霧した後、排ガスを大気中に放出する工程。
    (7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する工程。
  2. 次記の工程を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法。
    (1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する工程。
    (2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する工程。
    (3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する工程。
    (4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する工程。
    (5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する工程。
    (6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけられた条件下において水を噴霧した後、排ガスを大気中に放出する工程。
    (7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する工程。
  3. 前記(1)の廃棄物を焼却する工程における焼却温度が800℃以上であり、かつ、前記(7)の廃液を処理する工程が当該廃液を前記焼却工程に返送してダイオキシン類を分解し無害化するものである、ことを特徴とする請求項1または2記載の排ガスの処理方法。
  4. 前記(6)の排ガスを大気中に放出する工程において、圧力損失が250mmAq以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガスの処理方法。
  5. 次記の手段を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理装置。
    (1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する手段。
    (2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する手段。
    (3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する手段。
    (4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する手段。
    (5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する手段。
    (6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけ、かつ、この条件下において水を噴霧して排ガスを大気中に放出する手段。
    (7)前記(5)及び(6)の手段における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する手段。
  6. 次記の手段を含むことを特徴とする、塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理装置。
    (1)塩素化合物を含有する廃棄物を焼却する手段。
    (2)前記焼却に伴う排ガスを200〜250℃に冷却する手段。
    (3)前記200〜250℃に冷却された排ガスに対して、脱塩・脱硫剤を噴霧する手段。
    (4)前記脱塩・脱硫剤の噴霧された排ガスから、固形分を除去する手段。
    (5)前記固形分の除去された排ガスに対して、水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、前記排ガスを100℃以下に冷却する手段。
    (6)前記100℃以下に冷却された排ガスに対して、100℃以下、かつ、150mmAq以上の圧力損失をかけ、かつ、この条件下において水を噴霧して排ガスを大気中に放出する手段。
    (7)前記(5)及び(6)の工程における使用済みの水分を回収して廃液とし、この廃液に含有されているダイオキシン類を無害物質となるよう前記廃液を処理する手段。
  7. 前記(1)の廃棄物を焼却する手段における焼却温度が800℃以上であり、かつ、前記(7)の廃液を処理する手段が当該廃液を前記焼却手段に返送してダイオキシン類を分解し無害化する手段である、ことを特徴とする請求項5または6記載の排ガスの処理装置
  8. 前記(6)の排ガスを大気中に放出する手段において、圧力損失が250mmAq以上とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の排ガスの処理装置
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