JP3484561B2 - 4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2−オンの製造方法 - Google Patents

4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2−オンの製造方法

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penten
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成用中間
体、シリル化剤等として有機合成、各種表面処理等の分
野に有用な4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2
−オンの製造方法に関し、特に高純度な4−トリメチル
シロキシ−3−ペンテン−2−オンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アセチルアセトンのトリメチルシリルエ
ノールエーテルである4−トリメチルシロキシ−3−ペ
ンテン−2−オンは、有機合成用中間体として、また、
特に中性のシリル化剤として医薬、農薬合成の分野、各
種表面処理等の分野で有用である。4−トリメチルシロ
キシ−3−ペンテン−2−オンを合成する方法として
は、下記一般式(1)のように、アセチルアセトンとト
リメチルクロロシランから合成する方法がある。
【0003】
【化1】
【0004】しかしこの方法では、大量に溶媒を必要と
し、また、例えばトリエチルアミンのような塩基を使用
する必要があり、副生成物として生ずる塩基の塩酸塩を
濾過しなければならず、工程が煩雑となる。さらに、こ
れらの塩酸塩は、例えばトリエチルアミン塩酸塩の様に
昇華性を有するものが多く、溶解等により濾過において
も除去できない塩が蒸留単離の際に蒸留塔に付着した
り、目的物に混入したりするため工業的には不向きであ
る。特に電子材料等の分野では塩素分の少ない材料が求
められており、これらの分野ではこの方法は使用できな
い場合がある。
【0005】塩基の塩酸塩を生じない方法としては、下
記一般式(2)の如く、アセチルアセトンとヘキサメチ
ルジシラザンからの合成法があり、ジクロロメタンを溶
媒とする方法(Can.J.Chem.58,138
(1980))、テトラヒドロフランを溶媒とする方法
(Zh.Anal.Khim.,40,2087(19
85))等が知られている。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のアセチ
ルアセトンとヘキサメチルジシラザンからの合成法で
は、溶媒の使用により生産性が低下するだけでなく、非
極性溶媒を使用する場合は著しく反応速度が低下するた
め実用的ではなく、また極性溶媒を使用した場合には、
反応中に発生するアンモニアのため、下記一般式(3)
で示されるアセチルアセトンの一方のケトンがアミノ化
された4−アミノ−3−ペンテン−2−オンや、それが
さらにトリメチルシリル化された4−トリメチルシリル
アミノ−3−ペンテン−2−オン(一般式(4))が生
成し、
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】これらの副生成物は、目的物と沸点が近い
ために蒸留では除去しにくく、純度・収率の低下を招く
等の問題があった。一方、溶媒を使用しない場合には、
生産性は大きく向上するものの、低温下では反応速度が
遅く、また高温下で反応した場合には、上記の極性溶媒
を使用した場合と同様の副生成物が生成する問題点があ
った。なお、上記の副生成物の生成量は、スケールが大
きくなるほど顕著で、工業的スケールでの製造において
は、非常に大きな問題となる。本発明は、前記課題を解
決するためなされたもので、副生成物の生成を抑制し4
−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2−オンをより
簡便に高純度、高収率で、しかも工業的にも有利な製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討したところ、アンモニアを系外から除
去するために、不活性ガスのバブリング下または減圧下
で反応を行うと、同一温度では反応速度が高まるととも
に、効果的に近沸副生成物の生成を抑制でき、これによ
り、高純度、高収率での製造が可能になることを見いだ
し、更には、この反応を無溶媒で行うことが可能である
ことを発見し、本発明を完成するに至った。
【0012】従って、本発明における請求項1に記載の
発明は、アセチルアセトンとヘキサメチルジシラザンの
反応により4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2
−オンを製造する方法において、不活性ガスのバブリン
グまたは減圧下で反応を行うことを特徴とする。また、
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の4−トリメ
チルシロキシ−3−ペンテン−2−オンの製造方法であ
って、前記反応を無溶媒下で行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるバブリングに用い
る不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙
げられるが、窒素が最も好ましい。また減圧下で合成す
る場合の減圧度は、アンモニアを系外に除去するための
極く低い減圧度でよく、原料のアセチルアセトンとヘキ
サメチルジシラザンが揮発しない程度までで、実質的に
好ましくは50mmHgから700mmHg程度であ
る。
【0014】ヘキサメチルジシラザンの添加量として
は、アセチルアセトンに対して、理論量である0.5当
量から10当量、好ましくは0.7当量から2当量であ
る。反応温度は特に限定されないが、10℃から150
℃で反応させるのが好ましい。反応温度を高くすれば反
応速度は早くなるが、副生成物の生成が増大するので、
より好ましい反応温度は40℃から100℃である。
【0015】本発明においては、工業的観点から無溶媒
で行うことが好ましいが、適当な溶媒の存在下でも行う
ことができる。また、反応速度を高めるためにトリメチ
ルクロロシラン等のクロロシラン類、ドデシルベンゼン
スルホン酸等のスルホン酸類およびその塩、硫酸アンモ
ニウム等の硫酸塩などの触媒の添加も可能であるが、不
純物混入および副生成物生成の問題が発生し易いため、
無触媒で反応を行うのがより好ましい。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらにより本発明を限定するものではな
い。 〔実施例1〕窒素バブリング下での合成 攪拌機、還流器、滴下ロート、温度計および窒素導入管
を備えたフラスコにアセチルアセトンを300.3g
(3.0mol)入れ、温度を50℃に保持し、窒素を
液中にバブリングしながら滴下ロートよりヘキサメチル
ジシラザン484.2g(3.0mol)を3時間で滴
下した。ヘキサメチルジシラザンの滴下終了後、温度を
50℃に保持し、窒素を液中にバブリングしながらさら
に10時間熟成し、次いで2時間還流を行った。反応液
をガスクロマトグラフィーで分析したところ副生成物は
ほとんど見られなかった。得られた反応液を減圧蒸留
し、4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2−オン
を圧力:10mmHg、沸点:72〜73℃の留分とし
て461.9g、純度99.3%で得た。収率は89.
4%であった。
【0017】〔実施例2〕減圧下での合成 攪拌機、還流器、滴下ロート、温度計および減圧口を備
えたフラスコにアセチルアセトンを300.3g(3.
0mol)入れ、600mmHgに減圧し、温度を50
℃に保持しながら滴下ロートよりヘキサメチルジシラザ
ン484.2g(3.0mol)を3時間で滴下した。
ヘキサメチルジシラザンの滴下終了後、600mmHg
の減圧と温度50℃を保持しながら10時間熟成し、次
いで600mmHgの減圧下で2時間還流を行った。反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、副生
成物はほとんど見られなかった。得られた反応液を減圧
蒸留し、4−トリメチルシロキシ−3−ペンテン−2−
オンを圧力:10mmHg、沸点:72〜73℃の留分
として468.4g、純度99.3%で得た。収率は9
0.6%であった。
【0018】〔比較例1〕攪拌機、還流器、滴下ロート
および温度計を備えたフラスコにアセチルアセトンを1
10.1g(1.1mol)、トリエチルアミンを11
1.3g(1.1mol)、トルエンを300ml入
れ、滴下ロートよりトリメチルクロロシラン108.6
g(1.0mol)を室温、2時間で滴下した。トリメ
チルクロロシランの滴下終了後、1時間還流を行った。
ヘキサンを300ml加えた後、トリエチルアミン・塩
酸塩を濾過により除去し、濾液をロータリーエバポレー
ターで減圧濃縮した。減圧蒸留し、4−トリメチルシロ
キシ−3−ペンテン−2−オンを圧力:10mmHg、
沸点:72〜74℃の留分として90.6g、純度9
5.0%で得た。収率は52.6%であった。蒸留の
際、蒸留塔にトリエチルアミン・塩酸塩が付着し、目的
物にも混入していた。
【0019】〔比較例2〕攪拌機、還流器、滴下ロート
および温度計を備えたフラスコにアセチルアセトンを3
00.3g(3.0mol)入れ、温度を50℃に保持
しながら滴下ロートよりヘキサメチルジシラザン48
4.2g(3.0mol)を3時間で滴下した。ヘキサ
メチルジシラザンの滴下終了後、温度を50℃に保持
し、さらに10時間熟成し、次いで2時間還流を行っ
た。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、副生成物量は、目的物に対して一般式(3)の化合
物が0.6%、一般式(4)の化合物が1.7%であっ
た。得られた反応液を減圧蒸留し、4−トリメチルシロ
キシ−3−ペンテン−2−オンを圧力:10mmHg、
沸点:72〜74℃の留分として402.5g、純度9
5.3%で得た。収率は77.9%であった。
【0020】
【発明の効果】本発明の4−トリメチルシロキシ−3−
ペンテン−2−オンの製造方法は、副生成物の生成を効
果的に抑制し、また無溶媒で反応可能なので、工業的に
有利な方法である。本発明において得られる4−トリメ
チルシロキシ−3−ペンテン−2−オンは、塩素分を含
まず、高純度であるので、特に電子材料等の分野におい
て有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 Chemical Abstract s, 要約番号104:81274 Chemical Abstract s, 要約番号93:8237 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスのバブリング下または減圧下
    にアセチルアセトンとヘキサメチルジシラザンとを反応
    させることを特徴とする4−トリメチルシロキシ−3−
    ペンテン−2−オンの製造方法。
  2. 【請求項2】 実質上、無溶媒で反応を行うことを特徴
    とする請求項1記載の4−トリメチルシロキシ−3−ペ
    ンテン−2−オンの製造方法。
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