JP3850460B2 - 含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法 - Google Patents
含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法Info
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、下記一般式(II)で表される含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
一般式(II):
【0003】
【化3】
【0004】
(式中、nは1または2、mは1または2である。)
本発明によって提供される含フッ素芳香族アミノ化合物は、高分子材料、農薬、医薬等の出発原料として有用であり、特に医薬品合成における出発原料として有用なものである。
【0005】
【従来の技術】
本発明における含フッ素芳香族アミノ化合物の中で、たとえば4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリルの製造方法について、J.Chem.Soc.(C),p.1345(1971)にJ.M.Birchallらが、ペンタフルオロベンゾニトリルとアンモニア水溶液を封管中で60℃に加熱し、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリルを得る方法が記載されている。しかしこの方法では、収率が70%と低く工業的に行う場合に十分ではない。
【0006】
また、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの製造方法について、有機合成化学協会誌、第29巻、第8号、第794頁(1971年)に石川らが、テトラフルオロフタロニトリルをアンモニア水とアセトニトリルの混合溶媒中0℃で反応し、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルを得る方法が記載されており、またジャーナル・オブ・ケミカル・ソサャティ[J.Chem.Soc.(C)],p.456(1970)にJ.M.Birchallらが、テトラフルオロフタロニトリルをアンモニア水とジオキサンの混合溶媒中、還流温度で反応し、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルを得る方法が記載されている。しかし、J.M.Birchallらの方法では、収率が低く工業的規模で実施する方法としては採用し難い問題があった。
【0007】
また、前記の方法に共通した問題点として、副生成物のフッ化アンモニウムを除去しようとした場合、生成物を一旦水に難溶性の有機溶媒に溶解した後、水洗する等の操作が必要となり、精製方法が非常に煩雑になる問題があった。
【0008】
【発明が解決しようする課題】
本発明の目的は従来技術が有していた、低収率、精製方法が煩雑になる等の問題点を解決すべくなされたものであり、工業的で簡便な前記一般式(II)で表される含フッ素芳香族アミノ化合物の製法を提供するものである。
【0009】
本発明の他の目的は、含フッ素芳香族アミノ化合物中にフッ化アンモニウムがある一定以上に残存したまま各種の用途に用いる場合、目的によってはフッ酸が発生し腐食の原因になり得るのでフッ化アンモニウムを簡便かつ容易に除去する必要があり、その除去方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I):
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、nは1または2である。)
で表される含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ下記一般式(II):
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、nは1または2、mは1または2である。)
で表される含フッ素芳香族アミノ化合物を製造するに際して、水と、水と二相状態になる有機溶媒を用いて二相状態で反応を行うことを特徴とする含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法に関するものである。
【0015】
すなわち本発明の方法によれば、含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ含フッ素芳香族アミノ化合物を製造するに際して、水と、水と二相状態になる有機溶媒を用いて二相状態で反応を行うことにより、反応終了後、有機溶媒層を水層から分離し、簡便に含フッ素芳香族アミノ化合物を得ることができる。また、水層から分離した有機溶媒層に新たに水を加えて水洗する一連の分離操作を行うことで容易に副生するフッ化アンモニウムの除去を行うことができる。
【0016】
含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ含フッ素芳香族アミノ化合物を製造する方法において、例えば含フッ素芳香族ニトリル化合物が液体の場合は、アンモニア水溶液と反応する際、新たに水と二相状態になる有機溶媒を加えなくとも二相反応の形態となる。しかし、液体の含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニア水溶液の反応で得られる含フッ素芳香族アミノ化合物は、通常室温では固体であるため、反応終了後、水洗により副生するフッ化アンモニウムの除去を行なうためには生成する含フッ素芳香族アミノ化合物を溶解し得るだけの有機溶媒を用いる必要がある。水と二相状態になる有機溶媒として含フッ素芳香族ニトリル化合物を用いることは生成物を溶解する点からは可能であるが、アンモニアに対して大過剰の原料が反応系中に存在することになり、反応の選択率が低下してしまうといった欠点がある。そのため本発明の方法のように、含フッ素芳香族ニトリル化合物が液体の場合にも、アンモニアに対して不活性で水と二相状態になる有機溶媒を反応溶媒として用いる必要がある。
【0017】
本発明で用いる含フッ素芳香族ニトリル化合物としては、ペンタフルオロベンゾニトリル、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタロニトリルなどがあげられ、アンモニアと反応させることで、含フッ素芳香族アミノ化合物で表される、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル、2−アミノ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−アミノ−2,5,6−トリフルオロイソフタロニトリル、2,4−ジアミノ−3,5,6−トリフルオロベンゾニトリルなどが得られる。
【0018】
本発明で用いるアンモニアとしては、アンモニア水溶液、アンモニアが挙げられる。
【0019】
本発明で用いる水としては、水、アンモニア水溶液が挙げられる。
【0020】
本発明の反応に用いる水と二相状態になる有機溶媒は、含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ、含フッ素芳香族アミノ化合物を製造するに際して、水と二相状態になるものである。
【0021】
本発明の反応に用いる水と二相状態になる有機溶媒は、アンモニア、含フッ素芳香族ニトリル化合物および含フッ素芳香族アミノ化合物に対して不活性で水と二相状態になる有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、好ましくは20℃で水が15重量%以下の溶解度である有機溶媒であり、特に好ましくは20℃で水が10重量%以下の溶解度である有機溶媒である。好ましくは脂肪酸エステル類、ケトン類およびベンゾニトリル類からなる群から選ばれた少なくとも一種を用いるのがよい。脂肪酸エステル類としては例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピルを用いるのがよい。ケトン類としては例えばメチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンを用いるのがよい。ベンゾニトリル類としては例えばベンゾニトリルを用いるのがよい。そしてこれらは1種類のみで用いてもよいが、2種類以上を混合しても用いることができる。
【0022】
本発明において、水と二相状態になる有機溶媒に対する含フッ素芳香族ニトリル化合物の濃度は、使用する有機溶媒および種類により異なるが、通常1〜70重量%の濃度で反応を行うことができ、特に3〜50重量%の濃度で反応を行うことが好ましい。濃度が低い場合は生産性が低下し、濃度が高い場合には反応の制御が困難になる。
【0023】
本発明において含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアの比率は、
下記一般式(II):
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、nは1または2、mは1または2である。)
で表される含フッ素芳香族アミノ化合物のmが1のモノアミノ体を得る場合には、通常含フッ素芳香族ニトリル化合物1モル部に対して、アンモニアを少なくとも2モル部使用する必要があり、含フッ素芳香族アミノ化合物のmが2のジアミノ体を得る場合には、通常含フッ素芳香族ニトリル化合物1モル部に対して、アンモニアを少なくとも4モル部使用する必要がある。使用するアンモニアの比率の上限については、特に制限されるものではないが反応選択率、経済性などの観点から、含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアの比率は、前記モノアミノ体を得る場合には、含フッ素芳香族ニトリル化合物1モル部に対して、アンモニアを2〜20モル部使用することが好ましく、前記ジアミノ体を得る場合には、含フッ素芳香族ニトリル化合物1モル部に対して、アンモニアを4〜40モル部使用することが好ましい。
【0026】
本発明の含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ含フッ素芳香族アミノ化合物を製造する方法において、反応の際に相間移動触媒を用いることができる。相間移動触媒を用いることで、反応速度を増加させ、効率よく目的物の製造を行うことができる。相間移動触媒は、特に限定されないが、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニム塩およびクラウンエーテル類などがある。例えば、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、12−クラウン−4、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6などがあげられる。好ましくは、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドが用いられる。
【0027】
本発明において反応に用いる相間移動触媒は、1種類のみで用いてもよいが、2種類以上を混合しても用いることができる。反応に用いる相間移動触媒の量としては、特に限定されるものではないが、含フッ素芳香族ニトリル化合物100重量部に対して相間移動触媒0.1〜10重量部用いるのが好ましい。
【0028】
本発明において、反応温度は、通常反応液中のアンモニアの濃度が飽和濃度以下となるような温度であれば問題なく反応を行うことができ、70℃以下、特に55℃以下の範囲で行うことができる。
【0029】
本発明において、反応時間は、反応に使用する含フッ素芳香族ニトリル化合物の化合物の種類、水と二相状態になる有機溶媒の種類および量、相間移動触媒の有無、反応温度などにより決まるが、通常1〜24時間の範囲で行うことができる。
【0030】
反応終了後、反応液の有機溶媒層を分液した後、洗浄工程として、有機溶媒層に水を加え水洗し、分液するといった操作を行うことで容易にフッ化アンモニウムの除去を行うことができる。洗浄回数は、反応に使用する有機溶媒の種類と量、洗浄する水の量、蒸発乾固後に含フッ素芳香族アミノ化合物中で許容されるフッ化アンモニウムの量などにより決まる。通常は含フッ素芳香族アミノ化合物が含有する有機物中に残存するフッ化アンモニウムがフッ素イオン濃度として100ppm以下、特に30ppm以下になる様に操作するのが望ましい。洗浄工程終了後、有機溶媒層を蒸発乾固することで目的とする前記一般式(II)で表される含フッ素芳香族アミノ化合物を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0032】
実施例1
攪拌装置、冷却還流管、温度計および滴下装置を備えた100ml四ツ口フラスコに、ペンタフルオロベンゾニトリル10g(0.052mol)、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.1gおよび酢酸イソプロピル[水の溶解度1.9重量%(20℃)]70gを加え、25℃で攪拌し、28重量%アンモニア水8.5g(NH3 として0.14mol)を滴下装置より加え、25℃で4時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル9.5gを得た(対ペンタフルオロベンゾニトリル収率96.5mol%、純度97.5%)。
【0033】
実施例2
実施例1と同様の装置を用い、ペンタフルオロベンゾニトリル10g(0.052mol)、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.5gおよびメチルイソブチルケトン[水の溶解度1.8〜2.2重量%(20℃)]50gを加え、5℃で攪拌し、28重量%アンモニア水8.5g(NH3 として0.14mol)を滴下装置より加え、5℃で6時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水15gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル9.4gを得た(対ペンタフルオロベンゾニトリル収率95.5mol%、純度97.3%)。
【0034】
実施例3
実施例1と同様の装置を用い、ペンタフルオロベンゾニトリル10g(0.052mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.3gおよびベンゾニトリル[水の溶解度1重量%(20℃)]90gを加え、50℃で攪拌し、28重量%アンモニア水8.5g(NH3 として0.14mol)および水100gを滴下装置より加え、50℃で2時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル9.4gを得た(対ペンタフルオロベンゾニトリル収率95.5mol%、純度97.4%)。
【0035】
実施例4
実施例1と同様の装置を用い、ペンタフルオロベンゾニトリル10g(0.052mol)および酢酸エチル[水の溶解度3.6重量%(室温)]70gを加え、25℃で攪拌し、28重量%アンモニア水8.5g(NH3 として0.14mol)および水10gを滴下装置より加え、25℃で6時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル9.2gを得た(対ペンタフルオロベンゾニトリル収率93.4mol%、純度97.0%)。
【0036】
実施例5
実施例1と同様の装置を用い、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル10g(0.050mol)、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.2gおよび酢酸イソプロピル70gを加え、15℃で攪拌し、28重量%アンモニア水6.7g(NH3 として0.11mol)を滴下装置より加え、15℃で4時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル9.7gを得た(対テトラフルオロフタロニトリル収率98.5mol%、純度97.4%)。
【0037】
実施例6
実施例1と同様の装置を用い、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル10g(0.050mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.5gおよびメチルイソプロピルケトン70gを加え、50℃で攪拌し、28重量%アンモニア水6.7g(NH3 として0.11mol)および水50gを滴下装置より加え、50℃で3時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル9.6gを得た(対テトラフルオロフタロニトリル収率97.5mol%、純度97.2%)。
【0038】
実施例7
実施例1と同様の装置を用い、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル10g(0.050mol)、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.1gおよびベンゾニトリル90gを加え、25℃で攪拌し、28重量%アンモニア水6.7g(NH3 として0.11mol)を滴下装置より加え、25℃で4時間応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル9.5gを得た(対テトラフルオロフタロニトリル収率96.4mol%、純度97.3%)。
【0039】
実施例8
実施例1と同様の装置を用い、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル10g(0.050mol)および酢酸イソプロピル90gを加え、25℃で攪拌し、28重量%アンモニア水6.7g(NH3 として0.11mol)を滴下装置より加え、25℃で4時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル9.5gを得た(対テトラフルオロフタロニトリル収率96.4mol%、純度97.2%)。
【0040】
実施例9
実施例1と同様の装置を用い、ペンタフルオロベンゾニトリル10g(0.052mol)、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.1gおよび酢酸イソプロピル70gを加え、55℃で攪拌し、28重量%アンモニア水17.0g(NH3 として0.28mol)および水20gを滴下装置より加え、55℃で4時間反応させた。反応終了後、分液により有機層を分離した。その後、洗浄工程として、有機層に水20gを加え十分攪拌し、静置後、有機層を分離した。その後、前記洗浄工程をさらに2回行った。有機層に含有するフッ素イオン濃度は、最終水洗浄液中に含有するフッ素イオンを測定した値より換算して30ppm以下であることが確認された。得られた有機層を蒸発乾固することにより、含フッ素芳香族アミノ化合物9.3gを得た。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリルが88重量%、2,4−ジアミノ−3,5,6−トリフルオロベンゾニトリルが10重量%生成していた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、含フッ素芳香族ニトリル化合物とアンモニアを反応させ含フッ素芳香族アミノ化合物を製造するに際して、水と、水と二相状態になる有機溶媒を用いて二相状態で反応を行うことにより、反応終了後、有機溶媒層を水層から分離した後、新たに水を加えて水洗する一連の分離操作を行うことで容易に副生するフッ化アンモニウムの除去を行うことができ、簡便に高収率、高純度かつ効率よく含フッ素芳香族アミノ化合物を得ることができる。
Claims (6)
- 相間移動触媒の存在下に反応させる請求項1に記載の含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法。
- 反応温度が70℃以下である請求項1又は2に記載の含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法。
- 含フッ素芳香族ニトリル化合物がペンタフルオロベンゾニトリル、含フッ素芳香族アミノ化合物が4−アミノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリルである請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法。
- 含フッ素芳香族ニトリル化合物が3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリル、含フッ素芳香族アミノ化合物が4−アミノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルである請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法。
- 反応終了後、有機溶媒層を水層から分離した後、新たに水を加えて水洗を行う請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素芳香族アミノ化合物の製造方法。
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