JP3482968B2 - ラクトン重合体の製造方法 - Google Patents

ラクトン重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の触媒を用いるラク
トン重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、アル
キルスズヒドロキシオキシド又はこれに類似のスズ触媒
を用いることにより、ラクトン重合体を短時間で速やか
に得るための製造方法に関する。
【0002】ラクトン重合体はその平均分子量や官能基
等の違いにより産業上の多くの分野で広く用いられてい
る。例えば、グリコールを開始剤とした分子量が500
〜5000のラクトン重合体は、ポリウレタン、塗料等
の原料として非常に有用であり、ラジカル重合性二重結
合を有するラクトン重合体は自動車、家電製品等の分野
でアクリル系コーティング材料として利用されている。
【0003】また、分子量が10000を超えるラクト
ン重合体は実用的な機械的強度をもち、プラスチック成
形品、フィルム、ホットメルト接着剤等に用いられてい
る。
【0004】
【従来の技術】ラクトン重合体を得るために用いられる
触媒は、数多く知られているが代表的なものとしては、
テトラブチルチタネート(以下TBTと記す)などのチ
タン系化合物、アルミニウム系化合物(特公昭43−2
473)、アルカリ金属系化合物(特公昭40−265
57、 U.S. Patent 3,021,314)、アルカリ
土類金属化合物(U.S. Patent 3,021,310、
3,021,311)、スズ系化合物(特公昭41−1
9559)特公昭64−1491、および無機酸(特公
昭35−497)等が挙げられる。
【0005】これらの中で、アルミニウム系化合物、ア
ルカリ金属系化合物、アルカリ土類金属化合物等は、い
ずれも酸素や水分に接触すると直ちに発火したり分解し
たりするなど安定性、取扱上に問題がある。またラクト
ン重合体を得るために用いられる触媒量が比較的多く、
しばしば色相や熱安定性に悪い影響を与える。無機酸を
使用する場合、ラクトンの重合速度が遅く、さらに高分
子量のラクトン重合体が得られない問題がある。
【0006】TBT等のチタン系化合物やジブチルスズ
ラウレート、ジブチルスズオキシド、オクチル酸スズ等
のようなスズ系化合物は取扱い易く、ラクトン単量体に
対して
【0007】
【発明が解決しようとする課題】十分の溶解性を有して
おり、毒性も問題にならない。
【0008】しかしながら、比較的重合速度が遅くさら
に得られたラクトン重合体の色相や熱安定性は十分に満
足できるものではない。たとえば、分子量分布が広いた
め、産業的用途に適用できないこともたびたび見られ
た。本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究の結
果、ラクトン重合体を製造する際、特定のスズ触媒を用
いると、重合速度において極めて速やかに、かつ、色相
や熱安定性に優れたラクトン重合体が安定して得られる
ことを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は「下
記式[I] 《ここでRは水素、アルキル基又はアリール基、Xは水
酸基、アルコキシド基又はハロゲンを示す》で示される
スズ触媒を用いることを特徴とするラクトン重合体の製
造方法」である。
【0010】本発明におけるラクトン重合体とは、ラク
トン単量体の1分子以上が開始剤化合物に開環付加反応
することにより生成する化合物の集合、またはこれらの
化合物を50重量%以上含有する混合物である。
【0011】具体的には、グリコールや分子内に水酸基
を含有するポリマー等を開始剤として、ラクトン単量体
を開環付加重合させた粘稠液体、ろう状固体、プラスチ
ック等のオリゴマーやポリマーである。さらにヒドロキ
シエチルメタクリレートを開始剤としてラクトン単量体
の開環付加反応により生成するラジカル重合性二重結合
を有するモノマー(オリゴマー)等が挙げられる。
【0012】本発明におけるラクトン単量体としては、
δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、エナントラ
クトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)、8−ヒ
ドロキシオクタン酸ラクトン、12−ヒドロキシドデカ
ン酸ラクトン、13−ヒドロキシトリデカン酸ラクト
ン、14−ヒドロキシテトラデカン酸ラクトン、15−
ヒドロキシペンタデカン酸ラクトンおよびこれらラクト
ンのアルキル誘導体ならびにアルコキシ誘導体が挙げら
れる。
【0013】さらに、3−エチル−2−ケト−1,4−
ジオキサン、1,4−ジオキサン−2−オン、3−プロ
ピル−2−ケト−1,4−ジオキサン等のジオキサン類
も適用し得る。これらのラクトン単量体は単独又は2種
以上の混合物として用いられる。これらのラクトン単量
体の中で実用的価値の最も大きいε−カプロラクトンや
メチル化ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3
−エチル−2−ケト−1,4−ジオキサン等が好ましく
用いられる。
【0014】本発明のラクトン重合体の製造方法におい
て用いられる式[I]に示されるスズ触媒において、R
は水素、アルキル基、又はアリール基、Xは水酸基、ア
ルコキシド基又はハロゲンを示す。
【0015】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、sec−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメ
チル基、ベンジル基等が挙げられ、アリール基として
は、フェニル基、ジフェニル基又はこれらのアルキル基
置換体やハロゲン核置換体が挙げられる。アルコキシド
基としては、メトキシド基、エトキシド基、プロポキシ
ド基、ブトキシド基、フェノキシド基等、ハロゲンとし
てはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。本発明
のラクトン重合体の製造方法において用いられる式
[I]に示されるスズ触媒において、RおよびXの種類
によって、触媒活性、安定性、ラクトン単量体に対する
溶解性、低毒性などの点に大きな差はなく、いずれも問
題なく用いられるが、最も汎用に利用できるn−ブチル
スズヒドロキシオキシド(下式参照)が好ましい。
【化学式1】
【0016】本発明のラクトン重合体の製造方法におい
て、重合条件は特に限定されないが活性水素を有する開
始剤の存在下、一般的には80〜230℃、好ましくは
100〜180℃の温度で、本発明の式[I]に示すス
ズ触媒を0.1〜1000ppm 好ましくは1〜100pp
m 添加し、ラクトン単量体を開環重合(付加)反応する
方法が望ましい。
【0017】ここでの活性水素を有する開始剤とは水酸
基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等を分子内
に有する化合物やポリマーであり、水、グリコール等の
多価アルコール、ラジカル重合性二重結合等の官能基を
有するアルコール、アミン類等が挙げられる。
【0018】具体的には水、エチレングリコール、およ
び分子内に水酸基を含有するポリマージエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレ
ンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、メト
キシエタノール、モノアセチルエチレングリコール、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−アミノエタノール、6ーヒドロ
キシヘキサン酸、アリルアルコール、4−ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、水酸基を含有するエポキシ樹脂、水酸基を含有す
るポリブタジエン、ポリエチレンオキシド、ポリテトラ
メチレングリコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを共重合又はグラフト化したポリマー等が挙げられ
る。
【0019】反応温度が80℃を下回る場合は反応速度
が遅く、230℃を上回る場合は、酸化反応による着色
や生じた重合体の分解反応等が発生するため好ましくな
い。触媒量が0.1ppm を下回る場合にも反応速度が遅
く、逆に1000ppm を超えると生じた重合体の色相、
熱安定性が悪化するため好ましくない。
【0020】また、本発明の製造方法によりラクトン重
合体を製造する上で、塊重合、溶液重合、懸濁重合等、
いかなる重合方法も問題なく用いられる。溶液重合に使
用できる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素類が反応に不活性で比較的沸点が高いた
め好ましく用いられる。溶媒は実質的に無水のものが望
ましい。
【0021】本発明の製造方法において製造装置の形式
には特に制限がない。たとえば、バッチ式、半連続式お
よび連続式の通常の撹拌型反応器、ニーダー型反応器が
問題なく使用できる。
【0022】また、反応系中の圧力、気体雰囲気も特に
制限を受けない。すなわち、0.01torr〜10気圧、
チッ素不活性ガス、空気等の条件下で任意に反応を行う
ことが可能である。本発明においてスズ触媒、ラクトン
単量体、開始剤等の添加方法、添加順序も特に制限を受
けない。すなわち、任意の方法、順序で反応を行うこと
が可能である。
【0023】
【発明の効果】以下、実施例によって本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0024】[実施例1]撹拌機、チッ素導入管、温度
計およびコンデンサーを備えた1リットルのフラスコに
ε−カプロラクトン(水分0.005%)500g、触
媒としてブチルスズヒドロキシオキシド0.02gおよ
び開始剤としてジエチレングリコール0.5gを仕込
み、窒素ガスをふき込みながら160℃で撹拌した。
【0025】4時間後、白色剛性の結晶性ポリエステル
が得られた。このもののゲルパーミエーションクロマト
グラフィー測定によるポリスチレン換算数平均分子量、
分子量分布値(数平均分子量/重量平均分子量)酸価、
重合率、および色相(固形分30%キシレン溶液 JIS K
1557 の APHA 値を表1にまとめて記載した。
【0026】[実施例2]実施例1の装置と同様な装置
にε−カプロラクトン(水分0.005%)400g、
δ−バレロラクトン(水分0.010%)100g、触
媒としてブチルスズメトキシドオキシド0.03gおよ
び開始剤としてエチレングリコール0.3gを仕込み、
窒素ガスをふきこみながら160℃で撹拌した。5時間
後、透明で極めて粘調なポリエステルが得られた。
【0027】[実施例3]実施例1の装置と同様な装置
にε−カプロラクトン(水分0.005%)500g、
触媒としてブチルスズオキシドクロリド0.02gおよ
び開始剤としてエチレングリコール16gを仕込み、窒
素ガスをふきこみながら140℃で撹拌した。5時間
後、白色ろう状のポリエステルが得られた。
【0028】[実施例4]実施例1の装置と同様な装置
にε−カプロラクトン(水分0.005%)500g、
触媒としてメチルスズヒドロキシオキシド0.01gお
よび開始剤としてジエチレングリコール58gを仕込
み、窒素ガスをふきこみながら140℃で撹拌した。5
時間後、白色ワックス状のポリエステルが得られた。実
施例2、3および4で得られたものの物性を実施例1と
同様に測定し、その結果を表1にまとめて記載した。
【0029】[比較例1〜4]実施例1の装置と同様な
装置に、使用した触媒以外はまったく同様の条件でε−
カプロラクトン(水分0.005%)500gおよびジ
エチレングリコール0.5gを仕込み、チタン系触媒
(比較例1;TBT)またはスズ系触媒(比較例2;ジ
ブチルスズオキシド・比較例3;オクチル酸第1スズ・
比較例4;塩化第1スズ)をそれぞれ0.02gずつ添
加後、窒素ガスをふき込みながら160℃で撹拌した。
【0030】実施例1の場合と同様に重合率が99%を
上回ったところで結晶性ポリエステルを取り出した。重
合率が99%を上回るまでに要した反応時間および得ら
れたものの物性を実施例1と同様に測定し、その結果を
併せて表1に記載した。
【0031】また実施例1および比較例1、3における
反応時間と重合率の関係を図1に示した。
【0032】[比較例5]実施例1の装置と同様な装置
に、使用した触媒以外は実施例3とまったく同様の条件
で、ε−カプロラクトン(水分0.005%)500g
およびエチレングリコール16gを仕込み、触媒として
TBTを0.02g添加し、窒素ガスをふき込みながら
140℃で撹拌した。19時間後、重合率99.1%と
なったので、ろう状のポリエステルを取り出した。この
ものの物性を実施例3と同様に測定し、その結果を併せ
て表1に記載した。
【0033】表1および図1によって、本発明の触媒を
用いるとラクトン単量体の重合速度が他のチタン系触媒
またはスズ系触媒と比較して、著しく速いことが明らか
である。また実施例1〜4で得られたポリエステルは色
相その他の物性において非常に優れている。
【0034】[実施例5]実施例1の装置と同様な装置
にε−カプロラクトン(水分0.005%)300g、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート342g、重合禁
止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル3gおよ
び触媒としてブチルスズヒドロキシオキシド0.03g
を入れ空気をふきこみながら120℃で7時間反応させ
た。ε−カプロラクトンの反応率は99.4%、反応物
の色相は1(ガードナ)であった。このラクトン変性2
−ヒドロキシエチルメタクリレートに他のモノマーを共
重合させたところ良好なるアクリルポリオール樹脂を得
た。(応用例1参照) [応用例1]撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及びコン
デンサーを備えた4つ口フラスコに酢酸ブチル333
g、トルエン333g、ジターシャリブチルパーオキシ
ド10gを仕込み120℃まで昇温し、120℃に達し
たところでスチレン400g、メチルメタクリレート1
00g、ブチルアクリレート100g、メタクリル酸1
0g、実施例5で合成したラクトン変性2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート400gおよびアゾビスイソブチ
ロニトリル10gを4時間で滴下し、さらに4時間反応
を継続して良好なるアクリルポリオール樹脂透明溶液を
得た。このものの性状は固形分61.5%、色相1以下
(ガードナ)、酸価4.98KOHmmg/gおよび水酸基価5
3.0KOHmmg/gであった。
【0035】[比較例6]実施例1の装置と同様な装置
にε−カプロラクトン(水分0.005%)300g、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート342g、重合禁
止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル3gおよ
び触媒としてTBT0.03gを加え、空気をふきこみ
ながら120℃で反応した。ε−カプロラクトンの反応
率が99%を上回るまで(99.2%)28時間を要し
た。反応物の色相は2(ガードナ)であった。このもの
を応用例1と同様に共重合させたところ反応中に増粘し
遂にはゲル化し、アクリルポリオール樹脂を得ることは
できなかった。
【0036】また実施例5および比較例6における反応
時間と反応率の関係を図2に示した。[実施例6]実施
例1の装置と同様な装置にε−カプロラクトン(水分
0.005%)740.3g、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエ−テル766.8gおよび触媒としてブチルスズ
ヒドロキシオキシド0.015gを仕込み、窒素ガスを
ふき込みながら160℃で5時間反応させた。ε−カプ
ロラクトンの反応率は99.7%、反応物の色相はAPHA
30(JIS K 1557) 水酸基価は258.6KOHmmg/gであっ
た。
【0037】[比較例7]実施例1の装置と同様な装置
に、触媒以外は実施例6と同様にε−カプロラクトン
(水分0.005%)740.3g、4−ヒドロキシブ
チルビニルエ−テル756.8gを仕込み、触媒として
TBT0.015gを添加し、窒素ガスをふき込みなが
ら160℃で反応した。ε−カプロラクトンの反応率が
99%を上回るまで(99.7%)10時間を要した。
このものの色相はAPHA 90(JIS K 1557) 水酸基価は19
8.2KOHmmg/gであった。
【0038】4−ヒドロキシブチルビニルエーテルは不
安定で閉環反応より環状アセタールを生成し易く、TB
Tを触媒として用いた場合、副反応物である環状アセタ
ールの生成割合が高く、このため水酸基価が低くなっ
た。
【0039】実施例6および比較例7における反応時間
と反応率の関係を図3に示した。
【0040】[実施例7]実施例1の装置と同様な装置
に、エポキシ樹脂(チバガイギー社製アラルダイト60
84)420gを仕込み、減圧し水分を0.02%以下
まで除去した。次いでε−カプロラクトン(水分率0.
005%)180g、および触媒としてブチルスズヒド
ロキシオキシド0.006gを仕込み、窒素ガスをふき
込みながら170℃で3時間反応した。ε−カプロラク
トンの反応率は99.8%、反応物のNV30%ブチルカ
ルビトールドープの色相はAPHA 30(JIS K 1557) であっ
た。
【0041】[比較例8]実施例1の装置と同様な装置
に、エポキシ樹脂(チバガイギー社製アラルダイト60
84)420gを仕込み、減圧し水分を0.02%以下
まで除去した。次いでε−カプロラクトン(水分率0.
005%)180g、および触媒としてTBT0.00
6gを仕込み、窒素ガスをふき込みながら170℃で反
応した。
【0042】ε−カプロラクトンの反応率が99%を上
回るまで(99.5%)7時間を有した。このものの N
V 30%ブチルカルビトールドープの色相はAPHA 30(JI
S K1557) であったが、少量の不溶ゲル物が混在してい
た。
【0043】実施例7及び比較例8における反応時間と
反応率の関係を図4に示した。実施例5、6および7に
示した。種々のε−カプロラクトン単量体の付加物を製
造するにおいて、触媒にブチルスズヒドロキシオキシド
を用いたものの、反応速度はTBTを用いた比較例と比
べて著しく速い。しかも色相や副反応の抑制の点で非常
に優れている。
【0044】本発明のアルキルスズヒドロキシオキシド
またはこれに類似のスズ触媒を用いることにより、種々
のラクトン重合体が短時間で速やかに得られた。これら
のラクトン重合体は、色相やその他の一般的物性におい
て非常に優れていた。
【0045】本発明のアルキルスズヒドロキシオキシド
に代表されるスズ系触媒は、その他のチタン系またはス
ズ系触媒と比較して、ラクトン単量体の開環重合(付
加)反応において、抜群の活性を示すばかりでなくエス
テル交換反応等の副反応を抑制する点で非常に優れてい
た。本発明のスズ系触媒を用いることで、種々のラクト
ン重合体を従来よりも迅速、大量かつ品質良く製造する
ことが可能になった。
【0046】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1、比較例1および3における反
応率の経時変化である。
【図2】図2は実施例5および比較例6における反応率
の経時変化である。
【図3】図3は実施例6および比較例7における反応率
の経時変化である。
【図4】図4は実施例7および比較例8における反応率
の経時変化である。
【符号の説明】 なし (以下余白)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] 《ここでRは水素、アルキル基又はアリール基、Xは水
    酸基、アルコキシド基又はハロゲンを示す》で示される
    スズ触媒を用いることを特徴とするラクトン重合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】Xが水酸基である請求項1記載のラクトン
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】開始剤としてグリコールを用いる請求項1
    記載のラクトン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】開始剤として分子内に水酸基を有するポリ
    マーを用いる請求項1記載のラクトン重合体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】分子内に二重結合を有するアルコールを開
    始剤として用いる請求項1記載のラクトン重合体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】ラクトンモノマ−中の微量水分を開始剤と
    して用いる請求項1記載のラクトン重合体の製造方法。
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