JP2691896B2 - ラクトンポリオールの製造方法 - Google Patents

ラクトンポリオールの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐加水分解性に優れた新規なラクトンポリオ
ールの製造方法に関するものである。 ラクトンポリオールはエラストマー、接着剤、合成皮
革等のポリウレタン重合体及び塗料等の原料として非常
に有用なものである。 又、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
塩化ビニール樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂
等の強靱性、加工性等を付与するための改質剤及びウレ
タンアクリル樹脂原料等に利用されている。 (従来技術) しかし、従来から知られているエチレングリコール、
ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4
ブタンジオール、等の開始剤を用いてラクトン類を開環
重合させて得られたラクトンポリオールとジイソシアネ
ートと化合物を反応させて得られたポリウレタン重合体
の場合、ラクトンのエステル基に基づく耐加水分解性が
低いという欠点を有している。 この欠点を克服する目的で一般には、カルボジイミド
等の加水分解防止剤等を添加して使用している。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、カルボジイミドは皮膚刺激性等の毒性があ
り、人体に直接触れるような用途に使用するのは好まし
くない。 また、添加量が多いと製品の表面に粉吹き現像(ブル
ーミング)を起こすような場合もある。 そこで、これらの欠点を改良すべく、本発明者が鋭意
検討した結果、炭素数6個以上の高級アルカンジオール
または脂環式ジオールにラクトン類を開環重合させて得
た、ラクトンポリオールを用いてウレタン化した場合、
そのウレタン自身が耐水性を有しており、前記のような
添加剤を添加する必要がなく、他の特性を損うことがな
いことを見出だし、本発明に到った。 (発明の構成) すなわち、本発明は、開始剤を用いたε−カプロラク
トンの開環重合でε−カプロラクトンポリオールを製造
する方法において、炭素数10個以上の高級アルカンジオ
ールを開始剤に用いることを特徴とする式(I) (ただし、Yはε−カプロラクトンが開環重合した残
基、Rは開始剤から末端OHを2つ除いたもの、nおよび
mはε−カプロラクトンの付加モル数で、n+m=2〜
50) で示される耐加水分解性を有するε−カプロラクトンポ
リオールの製造方法である。 本発明で開始剤に用いられるジオールには例えば式
(II)および(III)で示される公知の物質を使用する
ことができる。 (II) HO−(CH210−OH (III) HO−(CH212−OH これらの物質は(II)1,10−デカンジオールおよび
(III)1,12−ドデカンジオールとして広く工業界で用
いられているものである。 (II)および(III)式で表わされる化合物とε−カ
プロラクトンとの反応モル比は(II)および(III)の
化合物1モルに対してε−カプロラクトン2〜50モルが
適切である。 2モル以下では生成されたラクトン付加物中のε−カ
プロラクトンの有する可とう性が充分付与されない。 逆に50モルを越えると分子量が大きくなり過ぎ、ウレ
タン化の際、粘度が高くなり、取り扱いがしにくくな
る。また、1分子中に占める物質(II)および(III)
の割合が低下するのでラクトンのエステル基が大きく影
響し、目的とする耐水性付与を妨げることとなる。 本発明に用いる化合物を付加反応に用いる場合、液体
であるラクトンに溶解して所定の触媒を添加して反応さ
せる。 本発明においては、ε−カプロラクトンを使用するこ
とが必須である。 また、高級アルカンジオール、脂環式ジオールによる
ラクトン類の開環重合を行うには、常圧の窒素雰囲気中
で50℃ないし230℃、好ましくは130℃ないし220℃に加
熱する。雰囲気を窒素ガスにするのは生成物が著しく着
色するのを防ぐためである。50℃以下では反応速度が著
しく遅く、230℃を越えると解重合や熱分解のため、酸
価が高くなるので好ましくない。 本発明に用いられる化合物(II)および(III)は一
般的なラクトンの開環反応の開始剤であるアルキレング
リコールなどと比較しても反応性において劣ることはな
い。 なお、開環重合にあたって反応を促進させるために触
媒を添加することが望ましい。触媒としてテトラブチル
チタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチル
チタネート等の有機チタン系化合物、オクチル酸スズ、
ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズラウレート等の
有機スズ化合物、塩化第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化
第1スズ等のハロゲン化第1スズ等が用いられる。触媒
の添加量は出発原料に対して0.05〜1000ppm、好ましく
は0.1〜100ppmである。 反応は、未反応のラクトンがガスクロマトグラフなど
で1%以下であることを確認することによって終点と
し、反応は6〜12時間で終了する。 得られた反応生成物は常温で白色ワックス状の固体物
質、あるいは液体物質であり、これをウレタン化する場
合には加熱して融解、均一化させ使用する。 (発明の効果) 本発明の方法により得られるε−カプロラクトンポリ
オール中には炭素数10個以上のアルキル基の残基が存在
するため、このアルキル基が防水性効果を高め、ウレタ
ン化した場合に非常に耐水性が高くなる。特に側鎖にア
ルキル基を含有するものは、同等のラクトン含有率で直
鎖のみのものと比較すると高い耐水性を示すようにな
る。 そして構造は両末端が水酸基である線状重合体であ
り、分子量は目的・用途に応じてε−カプロラクトンの
量を加減することにより広範囲に設定することができ
る。 たとえば、ポリウレタン重合体、ポリエステル及びウ
レタンアクリル樹脂等のジオール成分として用いる場合
はウレタン化やエステル化のプロセスから考えて500〜2
000が適切であるか、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニール、アクリロニトリル−スチ
レン系樹脂等の変性改質剤として使用する場合はある程
度分子量が高い方が好ましく、数平均分子量としては少
なくとも1000以上、好ましくは2000ないし5000である。 次に実施例を挙げて、本発明の内容を具体的に説明す
るが、実施例に示す水酸基価はJISK−1557に基づき、無
水フタール酸−ピリジン法で測定した値であり、酸価は
アセトン溶剤を使用し中和適定して得られた値である。 生成物の耐加水分解性の評価方法としては次の試験を
とった。生成したポリオール2部に蒸留水5部を加え耐
熱ガラス瓶に封入し、100℃オーブンに3日間おき、加
水分解を加熱促進させる。これを冷却、アセトン30部を
使用、中和適定し酸価を得る。エステル基がH2Oと反応
し、カルボン酸をつくることを利用したもので、より高
い酸価が得られるほど加水分解を受けたものと評価す
る。 なお、例中の部はいずれも重量部を示す。 (比較例−1) 撹拌棒、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサーをセ
ットした四ツ口フラスコに1.6ヘキサンジオール334部、
ε−カプロラクトン1166部、テトラブチルチタネート0.
015部を仕込み、窒素雰囲気下、170℃で8時間反応さ
せ、水酸基価(KOHmg/g)211.1、酸価(KOHmg/g)0.76
を有する白色液状のラクトンポリオール1500部を得た。
水酸基価から求めた平均分子量は532であった。耐加水
分解性試験では、9.88の酸価(KOHmg/g)を得た。 (比較例−2) 実施例−1と同様の装置に2.2.4トリメチル1.3ペンタ
ンジオール275.5部、ε−カプロラクトン724.5部、テト
ラブチルチタネート0.001部を仕込み、窒素雰囲気下、1
70℃で12時間反応させ、水酸基価(KOHmg/g)161.8、酸
価(KOHmg/g)1.04を有する透明な液状のラクトンポリ
オール1000部を得た。水酸基価から求めた平均分子量は
694、耐加水分解性試験では、酸価(KOHmg/g)4.41を得
た。 (比較例−3) 実施例−1と同様の装置に2nブチル2エチル1.3プロ
パンジオール301.9部、ε−カプロラクトン698.1部、テ
トラブチルチタネート0.001部を仕込み、窒素雰囲気
下、170℃で6時間反応させ、水酸基価(KOHmg/g)207.
4、酸価(KOHmg/g)1.08を有する透明なラクトンポリオ
ール1000部を得た。水酸基価から求めた平均分子量は54
1、既述の耐加水分解性試験では、酸価(KOHmg/g)4.83
を得た。 (実施例−1) 同様に、1.10デカンジオール328.3部、ε−カプロラ
クトン671.1部、テトラブチルチタネート0.001部を仕込
み、窒素雰囲気下、170℃で6時間反応させ、水酸基価
(KOHmg/g)208.8、酸価(KOHmg/g)0.26を有する白
色、液状のラクトンポリオール1000部を得た。水酸基価
から求めた平均分子量537、耐加水分解性試験では、酸
価(KOHmg/g)2.54を得た。 (比較例−4) 同様に、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルエステル384.9部、ε−カプロラクトン615.1部、テト
ラブチルチタネート0.001部を仕込み、窒素雰囲気下、1
70℃で6時間反応させ、水酸基価(KOHmg/g)203.7、酸
価(KOHmg/g)0.28を有する透明な液状のラクトンポリ
オール1000部を得た。水酸基価から求めた平均分子量55
1、耐加水分解性試験では、酸価(KOHmg/g)4.23を得
た。 (実施例−2) 同様に、1.12ドデカンジオール381.1部、ε−カプロ
ラクトン618.9部、テトラブチルチタネート0.001部を仕
込み、窒素雰囲気下170℃で9時間反応させ、水酸基価
(KOHmg/g)204.8、酸価(KOHmg/g)0.28を有する白
色、液状のラクトンポリオール1000部を得た。水酸基価
から求めた平均分子量548、耐加水分解性試験では、酸
価(KOHmg/g)1.44を得た。 (比較例−5) 同様に、1.4シクロヘキサンジメタノール271.7部、ε
−カプロラクトン738.3部、テトラブチルチタネート0.0
01部を仕込み、窒素雰囲気下、170℃で12時間反応さ
せ、水酸基価(KOHmg/g)205.4、酸価(KOHmg/g)0.35
を有する透明な液状のラクトンポリオール1000部を得
た。水酸基価から求めた平均分子量546、耐加水分解性
試験では、酸価(KOHmg/g)2.19を得た。 (比較例−6) 比較として従来技術によるラクトンポリオールの性状
例を挙げる。 ジエチレングリコール200部、ε−カプロラクトン800
部、テトラブチルチタネート0.001部を仕込み窒素雰囲
気下、170℃で6時間反応させ、水酸基価(KOHmg/g)21
4、酸価(KOHmg/g)0.25を有する白色ワックス状ポリオ
ール1000部が得られる。水酸基価から求める平均分子量
は524、実施例と同様の耐加水分解性試験を行うと、酸
価(KOHmg/g)36.64の値をとる。 (比較例−7) 1−4ブタンジオール254.7部、ε−カプロラクトン1
245.3部、テトラブチルチタネート0.001部を仕込み窒素
雰囲気下、170℃で10時間反応させ、水酸基価(KOHmg/
g)208.1、酸価(KOHmg/g)0.67を有する白色の液状ポ
リオール1500部が得られる。水酸基価から求める平均分
子量は539、耐加水分解性試験では酸価(KOHmg/g)25.7
9の値をとる。 (表−1)に見られるように本発明によりラクトンポ
リオールに大幅に耐加水分解性を付与することが可能と
なる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.開始剤を用いたε−カプロラクトンの開環重合でε
    −カプロラクトンポリオールを製造する方法において、
    炭素数10個以上の高級アルカンジオールを開始剤に用い
    ることを特徴とする式(I) (ただし、Yはε−カプロラクトンが開環重合した残
    基、Rは開始剤から末端OHを2つ除いたもの、nおよび
    mはε−カプロラクトンの付加モル数で、n+m=2〜
    50) で示される耐加水分解性を有するε−カプロラクトンポ
    リオールの製造方法。
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