JPH10237179A - 低硬度ポリエステルエラストマーおよびその製造方法 - Google Patents
低硬度ポリエステルエラストマーおよびその製造方法Info
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- JPH10237179A JPH10237179A JP5837297A JP5837297A JPH10237179A JP H10237179 A JPH10237179 A JP H10237179A JP 5837297 A JP5837297 A JP 5837297A JP 5837297 A JP5837297 A JP 5837297A JP H10237179 A JPH10237179 A JP H10237179A
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Abstract
トとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントに有す
るポリエステルエラストマーであって、低硬度で成形加
工性、柔軟性、耐衝撃性等に優れたポリエステルエラス
トマーおよびその製造方法を提供すること 【解決手段】 結晶性芳香族ポリエステル成分をハード
セグメントとし、脂肪族ポリエステル成分をソフトセグ
メントとするポリエステルエラストマーにおいて、ソフ
トセグメントの含有量が50wt%〜95wt%であ
り、且つ、ソフトセグメントが少なくとも2種の脂肪族
ポリエステル単位を有する脂肪族ポリエステル成分から
なることを特徴とする低硬度ポリエステルエラストマー
およびその製造方法
Description
性、柔軟性、耐衝撃性等に優れたポリエステルエラスト
マーに関する。更に詳しくは、耐熱性、耐候性、耐摩耗
性、塗装性等のポリエステルエラストマーの長所を生か
し、成形加工性や耐衝撃性等を大幅に改善したポリエス
テルエラストマーであり、ホース、チューブ、ベルト、
コネクター、タンク、ソケット、コード被覆、バンパー
等の外装、天井部等の内装等の自動車部品に好ましく用
いられるポリエステルエラストマーおよびその製造方法
に関する。
ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエス
テルをソフトセグメントに有するタイプのものは、耐熱
性、耐油性、耐候性、耐摩耗性等に優れたエラストマー
材料として自動車部品等に用いられている。しかしなが
ら、硬度が高いことにより、成形加工性、柔軟性、耐衝
撃性等を必要とされるバンパーや天井内装部等には使用
されることが殆ど無かった。 通常のポリオレフィン、
ポリスチレン系等のエラストマーであれば、ソフトセグ
メントの割合を増加させることで硬度を低く調整するこ
とが可能である。一方、前述のポリエステルエラストマ
ーの場合、ソフトセグメントの脂肪族ポリエステルの割
合が50wt%を上回るとソフトセグメントの結晶化が
起こり、硬度を低くしたり、耐衝撃性を向上させるには
至らなかった。
性芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族
ポリエステルをソフトセグメントに有するポリエステル
エラストマーであって、低硬度で成形加工性、柔軟性、
耐衝撃性等に優れたポリエステルエラストマーおよびそ
の製造方法を提供することにある。
香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリ
エステルをソフトセグメントに有するポリエステルエラ
ストマーにおいて、ソフトセグメントに脂肪族ポリエス
テル単位を少なくとも2種有する脂肪族ポリエステル成
分を用いると、ソフトセグメントの割合が50wt%以
上であっても、ソフトセグメントの結晶化が起こらない
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
成分をハードセグメントとし、脂肪族ポリエステル成分
をソフトセグメントとするポリエステルエラストマーに
おいて、ソフトセグメントの含有量が50wt%〜95
wt%であり(両セグメントの合計は100wt%、以
下同様。)、且つ、ソフトセグメントが脂肪族ポリエス
テル単位を少なくとも2種有する脂肪族ポリエステル成
分からなることを特徴とする低硬度ポリエステルエラス
トマーを提供する。また、本発明は、ソフトセグメント
が共重合脂肪族ポリエステル成分である低硬度ポリエス
テルエラストマーを提供する。また本発明は、結晶性芳
香族ポリエステル成分と脂肪族ポリエステル単位を少な
くとも2種有する脂肪族ポリエステル成分若しくは脂肪
族ポリエステルを少なくとも2種形成できる単量体とを
反応させることを特徴とする前記低硬度ポリエステルエ
ラストマーの製造方法を提供する。また本発明は、ハー
ドセグメントとして結晶性芳香族ポリエステル成分と、
ソフトセグメントとして共重合脂肪族ポリエステル成分
とをカップリング反応させることを特徴とする前記低硬
度ポリエステルエラストマーの製造方法を提供する。更
に本発明は、ハードセグメントとして結晶性芳香族ポリ
エステル成分と、ソフトセグメント形成単量体として少
なくとも2種のラクトンモノマーとを溶融状態で混合す
ることからなる前記低硬度ポリエステルエラストマーの
製造方法を提供する。
本発明においてハードセグメントとして用いられる結晶
性芳香族ポリエステルとは、主としてエステル結合また
はエステル結合とエーテル結合とからなるポリマーであ
って、少なくとも1個の結晶性芳香族基を主たる繰り返
し単位に有し、分子末端に水酸基、カルボキシル基を有
するもので数平均分子量は好ましくは2000〜20
0,000、更に好ましくは5,000〜100,00
0のものである。結晶性芳香族ポリエステルの好適な具
体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートなどのホモエステルおよびこれらを構成する単
量体と任意の成分との共縮合ポリエステルを挙げること
ができる。
少なくとも2種有する脂肪族ポリエステル成分として
は、特に限定はなく、得られるポリエステルエラストマ
ー中に少なくとも2種の脂肪族ポリエステル単位を有す
るものであればよい。ポリエステルエラストマー製造
時、結晶性芳香族ポリエステルと共に反応系に仕込むに
際し、異なる単量体単位を有する共重合脂肪族ポリエス
テルであってもよいし、また、少なくとも2種のラクト
ンモノマーのような単量体であってもよい。一般的に
は、共重合ポリラクトン、2種以上の脂肪族ジカルボン
酸と2種以上のグリコールから縮合される共縮合ポリエ
ステル、2種以上のヒドロキシカルボン酸化合物および
2種以上のラクトン、ジカルボン酸、グリコール、ヒド
ロキシカルボン酸からなるポリエステルを挙げることが
できる。より具体的には、ε−カプロラクトンとその他
のラクトンから成る共重合ポリラクトンやアジピン酸系
ポリエステルとε−カプロラクトンとの共重合ポリエス
テル等が挙げられ、ε−カプロラクトン以外のラクトン
としては、4−メチルカプロラクトン等のモノメチルカ
プロラクトンやトリメチルカプロラクトン、バレロラク
トン、プロピオラクトン、グリコリド、ラクチドおよび
ヘテロ原子を含む環ラクトンが例示できる。
マーとは、JIS K7215で規定されるデュローメ
ータ硬度(ショアD)が10〜50、好ましくは20〜
40の範囲にあるものを云う。硬度を低い範囲に維持す
ることにより、成形加工性、柔軟性、耐衝撃性等に優れ
ポリエステルエラストマーとなる。低硬度ポリエステル
エラストマーにおけるソフトセグメントの含有量は50
wt%〜95wt%であり、好ましくは55〜80wt
%、更に好ましくは60〜70wt%の範囲である。前
記含有量が50wt%未満の場合、従来のポリエステル
エラストマーと同じレベルの硬度となり、本発明の意味
がなくなり、逆に、95wt%を上回る場合には、ただ
の共重合脂肪族ポリエステルと物性上大差なくなり、ポ
リエステルエラストマーの機能(耐熱性、ゴム弾性等)
を大幅に損なうため好ましくない。
原料(ハードセグメントおよびソフトセグメントを形成
するもの)は、溶融状態で反応させる。反応温度は、ハ
ードセグメント形成原料、ソフトセグメント形成原料お
よび生成するポリエステルエラストマーが実際に溶融す
る温度であればよい。通常170〜280℃の温度で行
われる。反応温度が高い場合にはハードセグメント形成
原料、ソフトセグメント形成原料、生成するポリエステ
ルエラストマーの熱分解に注意する必要があり、反応温
度が低い場合には結晶化や反応速度の低下に注意する必
要がある。混練時間は1〜100分程度であり、混合方
式や温度、その他の条件により決定される。好ましくは
2〜60分に設定する。また、前記反応の際、カップリ
ング剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、MDI
等のジイソシアナートやジエポキシ化合物等を用いるこ
とも好ましい。
気の雰囲気下でも行うことができるが、生成するポリエ
ステルエラストマーの着色を防止する観点から不活性ガ
スの雰囲気下で行うのが好ましい。具体的には窒素、ヘ
リウム、アルゴン、メタン等が挙げられる。圧力は反応
温度および用いる原料、添加剤、触媒等の物性により変
化するが,好ましくは0.001〜10Torr、さら
に好ましくは0.01〜2Torrの範囲内が望まし
い。試薬類の留出が問題となる場合は高い圧力を保ち、
逆に残存する低沸点成分を取り除くためには0.1To
rr以下に保つとよい。
グメント形成原料、その他の添加物および触媒を溶融状
態で混練、反応する方法は、それぞれを異なる方法で行
ってもよい。また、その方法は回分式、半連続式、連続
式のいずれであってもよい。また装置の形式も特に制限
はなく、撹拌型反応器、ニーダー型反応器、押出機型反
応器等が使用できる。さらに前記の方法、装置を繰り返
し、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
トマーは、押出成形、射出成形、ブロー成形等の種々の
成形方法が適用でき、各種成形品、例えばチューブ、ホ
ース、フィルム、シート、パッキン、ボトル、ロール、
ベルト、ギア、ネームプレート、カバー、フック、スイ
ッチ、樹脂バネ、ファスナー、自動車外装部品、防振制
振材等の成形品あるいはコーティング剤として使用し得
る。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (測定及び評価方法) 1.数平均分子量:GPC(50℃,流量1ml/
分)、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール
=9/1(容量比)を溶媒に用い、GPC測定により算
出された標準ポリスチレン換算数分子量 2.溶融粘度:島津製作所製メルトフローテスター使
用,240℃,10kg/cm2 3.A(ハードセグメント)/B(ソフトセグメント)
(重量比):1H−NMRから算出 4.引張強度50%モジュラス(kg/cm2):JIS
K7113 5.破断強度(kg/cm2):JIS K7113 6.破断伸度(%):JIS K7113 7.融点(℃):JIS K7121 8.結晶温度(℃):JIS K7121 9.硬度(ショアD):JIS K7215
設備を備えた20リットル回分式反応槽に結晶性結晶性
芳香族ポリエステル樹脂(A)として、数平均分子量1
9,000のポリブチレンテレフタレート(ポリプラス
チック(株)製ジュラネート400FP)を8kg、ε
−カプロラクトン6kg、4−メチルカプロラクトン6
kgおよび重合触媒として、モノブチルスズオキサイド
1gを仕込み反応槽内を十分チッ素置換した後、チッ素
を流しながら230℃に加熱溶融させた。温度を230
℃に保ち、2時間溶融状態で攪拌した。その後、10T
orrの減圧下、30分間を要し、極わずかの未反応ラ
クトンモノマーを留出し、減圧をほどき、2気圧の圧力
をかけてストランドを引き、水槽で冷却し、ペレタイザ
ーでカッテイングした。得られたペレットは、チッ素を
流しながら、120℃で5時間乾燥し、ポリエステルエ
ラストマー(1)を得た。
ル回分式反応槽に、結晶性芳香族ポリエステル樹脂
(A)として、数平均分子量19,000のポリブチレ
ンテレフタレート(ポリプラスチック(株)製ジュラネ
ート400FP)を8kg,2種以上の共重合ポリエス
テルとして後記製造例1によって得られた数平均分子量
8,000の共重合脂肪族ポリエステル12kgを仕込
み、反応槽内を十分チッ素置換した後、チッ素を流しな
がら230℃に加熱溶融させた。温度を230℃に保
ち、チッ素を流した状態で、100Torrに減圧し、
20分間攪拌混合した。混合後、減圧をほどき、カップ
リング剤としてヘキサメチレンジイソシアネート200
gを添加し、粘度が上昇していくことを確認した。ジイ
ソシアネート添加30分後、粘度の上昇がおさまったこ
とを確認し、2気圧の圧力下、内容物のストランドを水
槽で冷却し、ペレタイザーでカッテイングした。得られ
たペレットは、チッ素を流しながら120℃で5時間乾
燥し、ポリエステルエラストマー(2)を得た。
製造)実施例1と同様な20リットル回分式反応槽に、
共重合脂肪族ポリエステルの原料として、アジピン酸
3.5kg、ネオペンチルグリコール2.8kgおよび
ε-カプロラクトンモノマー5.7kgおよび重合触媒
としてモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネー
ト)20gを仕込み、チッ素を流しながら180℃に加
熱溶融させた。温度を180℃に保ち、1時間溶融状態
で攪拌し、数平均分子量8,000の共重合ポリエステ
ルを製造した。
カプロラクトン6kg、4−メチルカプロラクトン6kg
をε-カプロラクトンのみ12kgに変更する以外は実
施例1と同様に行いポリエステルエラストマー(3)を
得た。実施例1、2および比較例1で得たエラストマー
の溶融粘度、A/B(ハードセグメントとソフトセグメ
ントの重量比)、融点、結晶化温度、引張試験結果およ
び硬度を表1に示した。
族ポリエステル成分のハードセグメントと、ソフトセグ
メントとしての含有量が50重量%から95重量%であ
る2種以上の単量体単位を有する脂肪族ポリエステルか
らなるポリエステルエラストマーにより、硬度が低く、
成形加工性、柔軟性、耐衝撃性等に優れたポリエステル
エラストマーおよびその製造方法を得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 結晶性芳香族ポリエステル成分をハード
セグメントとし、脂肪族ポリエステル成分をソフトセグ
メントとするポリエステルエラストマーにおいて、ソフ
トセグメントの含有量が50wt%〜95wt%であ
り、且つ、ソフトセグメントが脂肪族ポリエステル単位
を少なくとも2種有する脂肪族ポリエステル成分からな
ることを特徴とする低硬度ポリエステルエラストマー。 - 【請求項2】 ソフトセグメントが共重合脂肪族ポリエ
ステルからなることを特徴とする請求項1記載の低硬度
ポリエステルエラストマー。 - 【請求項3】 結晶性芳香族ポリエステル成分をハード
セグメントとし、含有量が50wt%〜95wt%であ
る脂肪族ポリエステル成分をソフトセグメントとする低
硬度ポリエステルエラストマーの製造方法であって、結
晶性芳香族ポリエステル成分と脂肪族ポリエステル単位
を少なくとも2種有する脂肪族ポリエステル成分若しく
は脂肪族ポリエステルを少なくとも2種形成できる単量
体とを反応させることを特徴とする低硬度ポリエステル
エラストマーの製造方法。 - 【請求項4】 ハードセグメントとして結晶性芳香族ポ
リエステル成分と、ソフトセグメントとして共重合脂肪
族ポリエステル成分とをカップリング反応させることを
特徴とする請求項3記載の低硬度ポリエステルエラスト
マーの製造方法。 - 【請求項5】 ハードセグメントとして結晶性芳香族ポ
リエステル成分と、ソフトセグメント形成単量体として
少なくとも2種のラクトンモノマーとを溶融状態で混合
することからなる請求項3記載の低硬度ポリエステルエ
ラストマーの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05837297A JP3678867B2 (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 低硬度ポリエステルエラストマーおよびその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002317057A (ja) * | 2001-04-20 | 2002-10-31 | Du Pont Toray Co Ltd | 複合成形品 |
US6475618B1 (en) | 2001-03-21 | 2002-11-05 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Compositions for enhanced thermal bonding |
JP2012214599A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Research Institute Of Innovative Technology For The Earth | 室温成形可能な生分解性ポリエステル及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-02-26 JP JP05837297A patent/JP3678867B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6475618B1 (en) | 2001-03-21 | 2002-11-05 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Compositions for enhanced thermal bonding |
US6946195B2 (en) | 2001-03-21 | 2005-09-20 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Compositions for enhanced thermal bonding |
JP2002317057A (ja) * | 2001-04-20 | 2002-10-31 | Du Pont Toray Co Ltd | 複合成形品 |
JP2012214599A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Research Institute Of Innovative Technology For The Earth | 室温成形可能な生分解性ポリエステル及びその製造方法 |
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