JPH10231415A - ポリエステルエラストマー - Google Patents

ポリエステルエラストマー

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JPH10231415A
JPH10231415A JP5097797A JP5097797A JPH10231415A JP H10231415 A JPH10231415 A JP H10231415A JP 5097797 A JP5097797 A JP 5097797A JP 5097797 A JP5097797 A JP 5097797A JP H10231415 A JPH10231415 A JP H10231415A
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JP
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epoxy
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JP5097797A
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English (en)
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Atsushi Watabe
淳 渡部
Ichiji Watanabe
一司 渡辺
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高融点を有し、製造に要する時間が短縮され
たポリエステルエラストマーを提供すること。 【解決手段】 硬質成分(A)として結晶性芳香族ポリ
エステル、軟質成分(B)として脂肪族ポリエステル、
ポリエーテルおよびポリカーボネートの群から選ばれた
少なくとも1種、および1分子中に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物を少なくとも1種含むエポキ
シ基含有化合物(C)を反応させて得られるポリエステ
ルエラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエステル
エラストマーに関するものである。更に詳しくは、硬質
成分(A)として結晶性芳香族ポリエステルと軟質成分
(B)として脂肪族ポリエステル、ポリエーテルおよび
ポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも1種、お
よび1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物を少なくとも1種含むエポキシ基含有化合物
(C)を反応させて得られるポリエステルエラストマー
に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性芳香族ポリエステルを硬質成分と
するポリエステルエラストマーは古くから知られてお
り、例えば米国特許第2623031号、同第3446
778号等で開示されている。米国特許第262303
1号の方法は、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステ
ルとを溶融状態で混合するもので、相溶性の悪い両ポリ
エステルからエラストマーを得るためには長時間反応を
行う必要があり、得られるポリマーの物性も十分な伸度
を有していない等問題がある。特公昭48−4115号
公報、特公昭48−4116号公報、特公昭52−49
037号公報では、芳香族ポリエステルとラクトン類を
反応させる方法および多官能アシル化剤を反応させる方
法が報告されている。しかし、これらの方法、特に固相
重合を行う特公昭52−49037号公報の方法はラク
トンの重合反応に長時間の反応時間が必要であり、特公
昭48−4115号公報、特公昭48−4116号公報
の方法では得られるポリマーの融点が低下するとか、生
成する樹脂中のラクトン残分の除去が必要等の問題を有
する。
【0003】また、米国特許第2623031号および
特公昭48−4116号公報の方法では十分な機械的物
性を有する高分子量のポリマーを得るためには高分子量
の芳香族ポリエステルが必要となるが、一般に芳香族ポ
リエステルは高分子量のものほど製造コストが上昇する
ため好ましくない。これを回避するため、比較的低分子
量のポリエステルエラストマーを種々の鎖延長剤により
高分子量化する方法が特公昭48−4115号公報、特
公昭60−4518号公報、特公平3−77826号公
報、特公昭63−31491号公報に報告されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも前述したような
方法で得たポリエステルエラストマーを鎖延長するもの
であり、長すぎる反応時間、融点が低いこと等の問題を
解決していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高融
点を有し、製造に要する時間が短縮されたポリエステル
エラストマーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硬質成分
(A)として結晶性芳香族ポリエステル、軟質成分
(B)として特別に選択された樹脂および特定されたエ
ポキシ基含有化合物(C)を反応させて得られるポリエ
ステルエラストマーがかかる課題を解決しうることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、硬質成分(A)として
結晶性芳香族ポリエステル、軟質成分(B)として脂肪
族ポリエステル、ポリエーテルおよびポリカーボネート
の群から選ばれた少なくとも1種、および1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を少なくと
も1種含むエポキシ基含有化合物(C)(以下、「エポ
キシ基含有化合物(C)」と称する)を反応させて得ら
れるポリエステルエラストマーを提供する。また、本発
明は硬質成分(A)として結晶性芳香族ポリエステル、
軟質成分(B)として脂肪族ポリエステル、ポリエーテ
ルおよびポリカーボネートの群から選ばれた少なくとも
1種、更に1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
るカルボン酸(D)(以下、「カルボン酸(D)」と称
す)またはその酸無水物から選ばれた少なくとも1種の
化合物を予め反応させた後、前記エポキシ基含有化合物
(C)を反応させて得られるポリエステルエラストマー
を提供する。これらのポリエステルエラストマーは、高
い融点を有し、製造時間の短縮されたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において硬質成分(A)として用いられる結晶性
芳香族ポリエステルとは、主としてエステル結合または
エステル結合とエーテル結合とからなるポリマーであっ
て、少なくとも1個の芳香族基を主たる繰り返し単位に
有し、分子末端に水酸基、カルボキシル基を有するもの
で数平均分子量は好ましくは2000〜200,00
0、更に好ましくは5,000〜100,000のもの
である。分子末端としての水酸基、カルボキシル基は合
計1.5〜2.5当量/モルの範囲が好ましい。この値
が2当量/モルに近いほど好ましい。この値が低過ぎる
と、エポキシ基含有化合物(C)との反応が十分に進行
せず、生成するポリマーの物性が低下する。逆に高いと
生成するポリマー中でゲル化が進行しやすくなる。
【0008】一方、結晶性芳香族ポリエステルの分子量
が低いと、使用するエポキシ基含有化合物(C)の量が
増加し、十分な融点を有するポリマーを得ることが難し
くなる。逆に分子量が高すぎると生成するポリマーにエ
ラストマーとしての物性が発現しない。結晶性芳香族ポ
リエステルの好適な具体例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートなどのホモポリエステル
およびこれらを主成分として、脂肪族ポリエステル、ポ
リエーテル、ポリカーボネートなどの成分を共重合成分
とする共重合ポリエステル、共重合ポリエーテルエステ
ルなどを挙げることができる。
【0009】本発明で軟質成分(B)として用いられる
脂肪族ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート
とは、主としてエステル結合および/またはエーテル結
合からなるポリマー(原料ポリマー)であって、分子末
端に水酸基、カルボキシル基を有するものであり、数平
均分子量は好ましくは1000〜200,000、更に
好ましくは20,000〜100,000のものであ
る。分子末端としての水酸基、カルボキシル基は合計で
1.5〜2.5当量/モルが好ましく、2当量/モルに近
いほど好ましい。この値が低いと、エポキシ基含有化合
物(C)との反応が十分に起こり難く、生成するポリマ
ーの物性が低下する。逆に高いと生成するポリマー中で
ゲル化が進行し易くなる。
【0010】一方、この原料ポリマーの分子量が低い
と、使用するエポキシ基含有化合物(C)の量が増加
し、十分な融点を有するポリマーを得ることが難しくな
る。逆に分子量が高すぎると生成するポリマーにエラス
トマーとしての物性が発現しない。この原料ポリマーの
好適な具体例としては、ポリε−カプロラクトン、ポリ
ブチロラクトン、ポリエナントラクトン、ポリカプロラ
クトンなどのポリラクトン類、ポリ乳酸、ポリエチレン
アジペート、ポリエチレンセバケートなどの脂肪族ポリ
エステル、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリ
コールなどのポリエーテルおよびポリカーボネート等の
ホモポリマーが、さらにこれらを主成分とし、芳香族ポ
リエステル、主成分以外の前記成分を共重合成分とする
共重合ポリエステル、共重合ポリエーテルエステル等で
ある。これらの中、ポリラクトン類が軟質成分(B)と
して好適に用いられる。
【0011】前記硬質成分(A)および軟質成分(B)
は、それぞれ2種以上を同時に用いることができる。本
発明において硬質成分(A)と軟質成分(B)の組成比
は、重量比で硬質成分(A)/軟質成分(B)=30/7
0〜95/5、好ましくは50/50〜90/10、さら
に好ましくは60/40〜80/20である。硬質成分
(A)が重量比で30より少ないと硬質成分(A)の結
晶性が阻害され、得られるポリマーの物性が低下する。
逆に重量比で95より多いと、得られるポリマーのエラ
ストマー性が発現しない。
【0012】本発明に用いられるエポキシ基含有化合物
(C)とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化合物を少なくとも1種含む化合物であり、分
子中に1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含ん
でいても差し支えない。本発明では、エポキシ基含有化
合物(C)をカップリング剤として用いる。1分子中に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物として
は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応させ
て得られるビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラッ
ク樹脂とエピクロルヒドリンより得られるノボラック型
エポキシ樹脂、ポリカルボン酸とエピクロルヒドリンよ
り得られるポリグリシジルエステル類、脂環化合物から
得られる脂環化合物型エポキシ化合物、アルコール性水
酸基を有する脂肪族化合物とエピクロルヒドリンより得
られるグリシジルエーテル類、エポキシ化ブタジエン、
および2重結合を有する化合物と過酸化物から得られる
エポキシ化合物がある。具体的にはメチルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテル、種々の脂肪酸グ
リシジルエステル、ジエチレングリコールジグリシジル
エーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒド
ロフタル酸ジグリシジルエステル、エポキシ化ポリブタ
ジエン、エポキシ化SBS等が挙げられる。
【0013】また、本発明の別の態様としてポリエステ
ルエラストマーの末端水酸基を前記カルボン酸(D)ま
たはその酸無水物から選ばれた少なくとも1種の化合物
によりカルボキシル基に変換することも好ましい。1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸
(D)としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリン酸等
の二塩基酸を挙げることができる。エポキシ基は水酸基
よりカルボキシル基と迅速に反応するため、これらのカ
ルボン酸またはその酸無水物から選ばれた少なくとも1
種の化合物を加えることは、ポリエステルエラストマー
の末端水酸基がカルボキシル基に変換され、カップリン
グ反応を迅速に進行させる観点から好ましい。尚、カル
ボン酸(D)およびその酸無水物は、実質的に全部反応
する。
【0014】本発明のポリエステルエラストマーはエポ
キシ基含有化合物(C)をそのエポキシ基が前記硬質成
分(A)と軟質成分(B)の末端カルボキシル基の総モ
ル数の好ましくは0.5〜2.0倍モル、更に好ましく
は0.5〜1.0倍モルとなる量反応させて得られる。
また、本発明の別の態様において、ポリエステルエラス
トマーがエポキシ基含有化合物(C)の他に前記カルボ
ン酸(D)の酸無水物を反応させて得られるものである
場合は、該カルボン酸(D)の酸無水物のカルボキシル
基(酸無水物1モルをカルボキシル基1モルと換算)が
硬質成分(A)、軟質成分(B)の末端水酸基の総モル
数の0.1〜2.0倍モル、更に好ましくは0.2〜
1.0倍モル、およびエポキシ基含有化合物(C)をそ
のエポキシ基が硬質成分(A)、軟質成分(B)のカル
ボキシル基、該カルボン酸(D)の酸無水物のカルボキ
シル基(酸無水物1モルをカルボキシル基1モルと換
算)の合計モル数の好ましくは0.5〜2.0倍モル、
更に好ましくは0.5〜1.0倍モルとなる量反応させ
ることが望ましい。さらに別の態様としてポリエステル
エラストマーが前記カルボン酸(D)およびその酸無水
物を反応させて得られる場合は、該カルボン酸(D)を
そのカルボキシル基が硬質成分(A)、軟質成分(B)
の末端水酸基およびカルボキシル基の総モル数の好まし
くは0.1〜10倍モル、更に好ましくは1〜5倍モ
ル、該カルボン酸(D)の無水物のカルボキシル基(酸
無水物1モルをカルボキシル基1モルと換算)が硬質成
分(A)、軟質成分(B)の末端水酸基モル数の0.1
〜2.0倍モル、更に好ましくは0.2〜1.0倍モ
ル、およびエポキシ基含有化合物(C)をそのエポキシ
基が硬質成分(A)、軟質成分(B)のカルボキシル
基、該カルボン酸(D)およびその酸無水物のカルボキ
シル基の合計モル数の好ましくは0.5〜2.0倍モ
ル、更に好ましくは0.5〜1.0倍モルとなる量反応
させることが望ましい。
【0015】ポリエステルエラストマーの製造に際しエ
ポキシ基含有化合物(C)は、溶融状態で添加し反応に
供する。エポキシ基含有化合物(C)の溶融混練温度
(反応温度)は、硬質成分(A)、軟質成分(B)およ
び生成する樹脂が実際に溶融する温度であればよい。通
常170〜280℃の温度で行われる。反応温度が高い
場合には硬質成分(A)、軟質成分(B)および生成す
る樹脂の熱分解に注意する必要があり、反応温度が低い
場合には結晶化や反応速度の低下に注意する必要があ
る。混練時間は1〜100分程度であり、混合方式や温
度、後述するカルボン酸類の反応などの条件により決定
される。好ましくは2〜60分で設定する。
【0016】前記カルボン酸(D)を用いる場合は、好
ましく硬質成分(A)、軟質成分(B)の一方または両
方にあらかじめ溶融状態でこのものを添加するが、エポ
キシ基含有化合物(C)と同時に硬質成分(A)および
軟質成分(B)に溶融状態で添加してもよい。前記カル
ボン酸(D)を含んだ際の反応温度は、硬質成分
(A)、軟質成分(B)および生成する樹脂が実際に溶
融する温度であればよく、好ましくは170〜280℃
で行われる。反応温度が高い場合には硬質成分(A)、
軟質成分(B)および生成する樹脂の熱分解が起こるこ
とがあり、反応温度が低い場合には、結晶化や反応速度
の低下を起こすことがある。反応時間は好ましくは1〜
100分程度、さらに好ましくは2〜60分であり、混
合方式や温度等の諸条件により決定される。
【0017】エポキシ基含有化合物(C)のカップリン
グ反応は、触媒としてトリフェニルホスフィン等のホス
フィンおよびアミン類(3級)、トリエチルアミン、ジ
アザビシクロウンデカンおよびピリジン等が用いられ
る。また、硬質成分(A)と軟質成分(B)とカルボン
酸類との反応は錫、チタン、ジルコニウム化合物、中で
もモノブチル錫および塩化第1錫が反応速度が大きく好
ましい。
【0018】このような触媒は、エポキシ基含有化合物
(C)またはエポキシ基含有化合物(C)と前記カルボ
ン酸(D)またはその酸無水物と同時に添加してもよい
し、あるいはこれらをあらかじめ溶融状態で硬質成分
(A)および/または軟質成分(B)に分散させた後、
触媒を添加してもよい。また、逆にあらかじめ触媒を分
散させてた後、これらのエポキシ基含有化合物(C)ま
たはエポキシ基含有化合物(C)と前記カルボン酸
(D)若しくはその酸無水物とを別々または一緒に添加
しても差し支えない。
【0019】本発明により実施されるそれぞれの反応
は、酸素や空気の雰囲気下でも行うことができるが、生
成する樹脂の着色を防止する観点から不活性ガスの雰囲
気下で行うのが好ましい。具体的には窒素、ヘリウム、
アルゴン、メタン等が挙げられる。圧力は反応温度およ
び用いるエポキシ基含有化合物(C)、カルボン酸類、
触媒の物性により変化するが、好ましくは0.001〜
10atm、さらに好ましくは0.01〜2atmの範
囲内が望ましい。原料類の留出が問題となる場合は高い
圧力を保ち、逆に残存する低沸点成分を取り除くために
は0.1atm以下に保つとよい。
【0020】本発明において、硬質成分(A)、軟質成
分(B)、エポキシ基含有化合物(C)、カルボン酸
(D)またはその酸無水物および触媒を溶融状態で混
練、反応させる方法は、それぞれを異なる方法で行って
もよい。また、その方法は回分式、半連続式、連続式の
いずれであってもよい。また装置の形式も特に制限はな
く、撹拌型反応器、ニーダー型反応器、押出機型反応器
等が使用できる。さらに前記の方法、装置を繰り返し、
または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】本発明により得られるポリエステルエラス
トマーは、押出成形、射出成形、ブロー成形等の種々の
成形方法が適用でき、各種成形品、例えばチューブ、ホ
ース、フィルム、シート、パッキン、ボトル、ロール、
ベルト、ギア、ネームプレート、カバー、フック、スイ
ッチ、樹脂バネ、ファスナー、自動車外装部品、防振制
振材等の成形品あるいはコーティング剤として使用し得
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (評価方法) 1.平均分子量およびMw/Mn:GPC(50℃、流
量1ml/分)、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロ
パノール=9/1(容量比)を溶媒に用い、GPC測定に
より算出された標準ポリスチレン換算数分子量 2.溶融粘度:島津製作所製メルトフローテスター使
用、240℃、10kg/cm2 3.硬質成分(A)/軟質成分(B)重量比:1H−NM
Rから算出 4.硬質成分(A)鎖長、軟質成分(B)鎖長:13C−
NMRから算出、参考文献「高分子論文集」Vol.49,No.
7,pp561-568(Jul.1992) なお、ブロック鎖長とは、この文献中でいう平均連鎖長
のことであり、平均連鎖数とそれぞれの繰り返し単位の
分子量の積で求められるものである。 5.引張強度50%モジュラス(kg/cm2):JIS
K7113 6.破断強度(kg/cm2):JIS K7113 7.破断伸度(%):JIS K7113 8.融点(℃):JIS K7121 9.結晶化温度(℃):JIS K7121
【0023】(実施例1)撹拌機、窒素導入管、減圧設
備を備えた20リットル回分式反応槽に、結晶性芳香族
ポリエステル樹脂として、数平均分子量19,000の
ポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチックス
(株)社製、ジェラネート400FP)を12kg、脂
肪族ポリエステル樹脂として、数平均分子量10,00
0のポリカプロラクトン(「PCL」と略称することも
ある)(ダイセル化学工業(株)社製、プラクセルHI
P)8kg、2個以上のカルボキシル基を有するカルボ
ン酸無水物として無水フタル酸を0.42kg、エポキ
シ基含有化合物(C)とカルボキシル基との反応触媒と
してトリフェニルホスフィンを0.1kgおよびポリマ
ー末端水酸基とカルボン酸無水物との反応触媒としてモ
ノブチル錫トリス(2−エチルヘキサネート)20gを
仕込み、反応槽内を十分窒素置換した後、窒素を流しな
がら230℃に加熱溶融させた。温度を230℃に保
ち、窒素を流した状態で10torrに減圧し20分間
撹拌混合し、ポリマー末端水酸基とカルボン酸無水物と
の反応を進行させた。混合後減圧を解き、2気圧に圧力
をかけて内容物のストランドを水槽で冷却し、ペレタイ
ザーでペレットとした。得られたペレットは、窒素気流
下160℃で2時間乾燥した。次いで、乾燥ペレットを
平均滞留時間が5分である二軸押出機の仕込み口に定量
フィーダーを用い15kg/時間で供給し、同時にエポ
キシ基含有化合物(C)として脂環化合物型エポキシ化
合物であるセロキサイド2021(ダイセル化学工業
(株)社製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト)を0.265kg/時間で定量ポンプを用い仕込み
口に供給し、240℃で溶融混練し、ポリエステルエラ
ストマーを得た。反応に要した時間は、上述の如く25
分であった。このもののGPCで測定した平均分子量、
溶融粘度、硬質成分(A)/軟質成分(B)重量比、硬
質成分(A)鎖長、軟質成分(B)鎖長、融点、結晶化
温度および引張試験結果を表1に示した。
【0024】(比較例1)実施例1と同様の20リット
ル回分式反応槽に結晶性芳香族ポリエステル樹脂とし
て、数平均分子量19、000のポリブチレンテレフタ
レート(ポリプラスチックス(株)社製、ジュラネート
400FP)を12kgおよびε−カプロラクトンモノ
マー8kgを仕込み、反応槽内を窒素置換した後230
℃で加熱溶融させた。温度を230℃に保ち、ε−カプ
ロラクトンモノマーの開環重合反応およびエステル交換
反応を進行させるため90分混合撹拌した。更に窒素を
流した状態で徐々に減圧にして、10torr減圧下で
30分間撹拌混合し、ポリエステルエラストマーを製造
した。反応に要した時間は、上述の如く120分であっ
た。このものも実施例1と同様にペレット化した後物性
測定を行った。このものの物性評価結果を表1に示し
た。
【0025】(比較例2)結晶性芳香族ポリエステル樹
脂(A)として数平均分子量41,000のポリブチレ
ンテレフタレート(ポリプラスチックス(株)社製、ジ
ュラネート800FP)を用いる以外は比較例1と同様
に行った。このものの物性評価結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】上記の如く硬質成分(A)と軟質成分
(B)とエポキシ基含有化合物(C)を反応させて得ら
れる本発明のポリエステルエラストマーは、その製造時
間が短く、融点の高いものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質成分(A)として結晶性芳香族ポリ
    エステル、軟質成分(B)として脂肪族ポリエステル、
    ポリエーテルおよびポリカーボネートの群から選ばれた
    少なくとも1種、および1分子中に2個以上のエポキシ
    基を有するエポキシ化合物を少なくとも1種含むエポキ
    シ基含有化合物(C)を反応させて得られるポリエステ
    ルエラストマー。
  2. 【請求項2】 硬質成分(A)として結晶性芳香族ポリ
    エステル、および軟質成分(B)として脂肪族ポリエス
    テル、ポリエーテルおよびポリカーボネートの群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物に1分子中に2個以上の
    カルボキシル基を有するカルボン酸(D)またはその酸
    無水物から選ばれた少なくとも1種の化合物を反応させ
    た後、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
    シ化合物を少なくとも1種含むエポキシ基含有化合物
    (C)を反応させて得られるポリエステルエラストマ
    ー。
  3. 【請求項3】 硬質成分(A)と軟質成分(B)とが重
    量比で硬質成分(A)/軟質成分(B)=30/70〜9
    5/5であり、該エポキシ基含有化合物(C)をそのエ
    ポキシ基が硬質成分(A)と軟質成分(B)の末端カル
    ボキシル基の総モル数の0.5〜2.0倍モルとなる量
    反応させることを特徴とする請求項1記載のポリエステ
    ルエラストマー。
  4. 【請求項4】 硬質成分(A)と軟質成分(B)とが重
    量比で硬質成分(A)/軟質成分(B)=30/70〜9
    5/5であり、1分子中に2個以上のカルボキシル基を
    有するカルボン酸(D)の酸無水物をそのカルボキシル
    基(酸無水物基1モルをカルボキシル基1モルと換算)
    が硬質成分(A)と軟質成分(B)の末端水酸基の総モ
    ル数の0.1〜2倍モル、およびエポキシ基含有化合物
    (C)をそのエポキシ基が硬質成分(A)と軟質成分
    (B)のカルボキシル基、該カルボン酸(D)の酸無水
    物のカルボキシル基の合計モル数の0.5〜2.0倍モ
    ルとなる量反応させることを特徴とする請求項2記載の
    ポリエステルエラストマー。
  5. 【請求項5】 硬質成分(A)と軟質成分(B)とが重
    量比で硬質成分(A)/軟質成分(B)=30/70〜9
    5/5であり、1分子中に2個以上のカルボキシル基を
    有するカルボン酸(D)をそのカルボキシル基が硬質成
    分(A)と軟質成分(B)の末端水酸基およびカルボキ
    シル基の総モル数の0.1〜10倍モル、該カルボン酸
    (D)の酸無水物のカルボキシル基(酸無水物基1モル
    をカルボキシル基1モルと換算)が硬質成分(A)と軟
    質成分(B)の末端水酸基モル数の0.1〜2倍モル、
    およびエポキシ基含有化合物(C)をそのエポキシ基が
    硬質成分(A)、軟質成分(B)のカルボキシル基、該
    カルボン酸(D)およびその酸無水物のカルボキシル基
    の合計モル数の0.5〜2.0倍モルとなる量反応させ
    ることを特徴とする請求項2記載のポリエステルエラス
    トマー。
  6. 【請求項6】 軟質成分(B)がポリラクトン類からな
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポ
    リエステルエラストマー。
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