JP3018333B2 - 高分子量ポリエステルの製造方法 - Google Patents

高分子量ポリエステルの製造方法

Info

Publication number
JP3018333B2
JP3018333B2 JP6269095A JP26909594A JP3018333B2 JP 3018333 B2 JP3018333 B2 JP 3018333B2 JP 6269095 A JP6269095 A JP 6269095A JP 26909594 A JP26909594 A JP 26909594A JP 3018333 B2 JP3018333 B2 JP 3018333B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
cyclic
polyester
aliphatic polyester
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6269095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08127648A (ja
Inventor
宏 伊藤
宣延 山本
広二 福原
博也 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP6269095A priority Critical patent/JP3018333B2/ja
Priority to US08/550,964 priority patent/US5616681A/en
Priority to DE69532462T priority patent/DE69532462T2/de
Priority to EP01202050A priority patent/EP1148074A3/en
Priority to EP95307780A priority patent/EP0710685B1/en
Publication of JPH08127648A publication Critical patent/JPH08127648A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3018333B2 publication Critical patent/JP3018333B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルの製造方
法に関する。詳しくは、数平均分子量10000〜10
0000の高分子量脂肪族ポリエステルを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステルは一般に生分解性が
認められており、単独あるいは種々の添加剤を配合して
繊維、成型品、シートやフィルムに使用することが期待
されている。このようなポリエステルを製造する方法と
しては、ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化
させるか、又はジカルボン酸のアルキルエステルとグリ
コールとをエステル交換させてグリコールエステル及び
/又はその低重合体を得、次いでこれを高真空下で長時
間加熱撹拌して重縮合させる方法が一般に実施されてい
る。たとえば、特開平5−310898号公報には、グ
リコール成分とジカルボン酸成分から触媒の存在下、1
80〜230℃、0.05〜0.1mmHgの条件下で
高分子量脂肪族ポリエステルを製造することが提案され
ている。
【0003】しかしながら、高真空下に長時間重縮合す
るという方法は、長い時間にわたって高い動力が必要で
あり、高真空に保つための高価な真空ポンプを使用する
ことは工業的に効率のよいものでなかった。さらに、重
縮合の触媒としてチタン化合物を用いた場合、ゲル状物
の生成、着色、副生物および解重合による低分子化合物
の生成による減圧度の低下、真空ポンプの性能低下など
の問題があった。
【0004】また、環状酸無水物と環状エーテルの開環
共重合によりポリエステルを製造することも既知であ
る。たとえば、特公昭42−26708号公報には、ア
ルキレンオキシドと環状酸無水物とを周期律表第I族か
ら第III族の金属の有機化合物を一成分とする触媒系
により共重合することが提案されている。
【0005】しかしながら、この方法では重合時間が5
日〜10日かかったり、得られる重合体の収率が低いな
どの問題があった。
【0006】そこで、反応時間を短縮するために無水コ
ハク酸と酸化エチレンを一括で仕込み反応温度を上げる
方法もあるが、この方法ではポリエーテル連鎖が生成し
てポリエステルの融点が低下するという欠点が生じるの
で好ましくなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するものである。したがって、本発明
の目的は、数平均分子量10000〜100000の高
分子量脂肪族ポリエステルを製造するに際し、高融点
で、生分解性を有する高分子量脂肪族ポリエステルを短
い反応時間で工業的に効率よく製造する方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記高分
子量脂肪族ポリエステルを製造するに際し、特定の条件
で製造する工程を含むことにより上記目的を達成できる
ことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、数平均分子量10000〜100000の高分子量
脂肪族ポリエステルを製造するに際し、重合触媒として
テトラアルコキシジルコニウムおよび/またはオキシジ
ルコニウム塩を用い、a)多塩基酸(あるいはそのエス
テル)とグリコールを重縮合する方法、b)ヒドロキシ
カルボン酸(あるいはそのエステル)を重縮合する方
法、c)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方
法、d)環状エステルを開環重合する方法の何れかで得
られたポリエステルを、上記重合触媒の存在下、温度1
80〜280℃、減圧度0.15〜2.0mmHgの条
件で反応させる工程を含むことを特徴とする高分子量脂
肪族ポリエステルの製造方法である。また、本発明は、
数平均分子量10000〜100000の高分子量脂肪
族ポリエステルを製造するに際し、重合触媒としてオキ
シジルコニウム塩を用い、a)多塩基酸(あるいはその
エステル)とグリコールを重縮合する方法、b)ヒドロ
キシカルボン酸(あるいはそのエステル)を重縮合する
方法、c)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する
方法、d)環状エステルを開環重合する方法の何れかで
得られたポリエステルを、上記重合触媒の存在下、温度
180〜280℃の条件で反応させる工程を含むことを
特徴とする高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法であ
る。
【0009】前記工程の温度条件としては、好ましくは
235〜280℃である。
【0010】前記工程の減圧度としては、減圧度0.1
5〜2.0mmHgの条件で製造することが好ましく、
より好ましくは、温度235〜280℃でかつ、減圧度
0.15〜2.0mmHgの条件で製造することであ
る。
【0011】また前記高分子量脂肪族ポリエステルが、
無水コハク酸を主成分とする環状酸無水物(A)および
酸化エチレンを主成分とする環状エーテル(B)とから
得られるものであることが特に効果的である。
【0012】またこれらに加えて、高粘度用反応装置を
用いることによって、驚くべき短時間の反応時間で高分
子量の脂肪族ポリエステルを得られるものである。
【0013】
【作用】本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの製造方
法は、重合触媒としてテトラアルコキシジルコニウムお
よび/またはオキシジルコニウム塩を用い、a)多塩基
酸(あるいはそのエステル)とグリコールを重縮合する
方法、b)ヒドロキシカルボン酸(あるいはそのエステ
ル)を重縮合する方法、c)環状酸無水物と環状エーテ
ルを開環重合する方法、d)環状エステルを開環重合す
る方法の何れかで得られたポリエステルを、上記重合触
の存在下、温度180〜280℃、減圧度0.15〜
2.0mmHgの条件で反応させることによって達成さ
れる。また、本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの製
造方法は、重合触媒としてオキシジルコニウム塩を用
い、上記a)〜d)の何れかの方法で得られたポリエス
テルを、上記重合触媒の存在下、温度180〜280℃
の条件で反応させることによって達成される。
【0014】a)の方法で用いられる多塩基酸として
は、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデ
カンジカルボン酸、ダイマー酸あるいはそれらのエステ
ル等が挙げられ、グリコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、デカメチレングリコール等が挙げられる。ま
た、グリコール成分の一部としてポリオキシアルキレン
グリコールを使用することも可能であり、例えばポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびこれ
らの共重合体が例示される。これらのうちで、得られる
ポリエステルの融点、生分解性、経済性を考慮するとコ
ハク酸とエチレングリコール及び/またはコハク酸と
1,4ーブタンジオールの組合せが好ましい。高分子量
脂肪族ポリエステルの製造に際しては多塩基酸(あるい
はそのエステル)成分およびグリコール成分の全量を初
期混合し反応させてもよく、または反応の進行にともな
って分割して添加してもさしつかえない。重縮合反応と
しては通常のエステル交換法またはエステル化法さらに
は両方の併用によっても可能であり、また必要により反
応容器内を加圧または減圧にすることにより重合度を上
げることができる。
【0015】b)の方法で用いられるヒドロキシカルボ
ン酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、3−ヒドロ
キシプロピオン酸、3−ヒドロキシ−2、2−ジメチル
プロピオン酸、3−ヒドロキシ−3−メチル−酪酸、4
−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸、クエン酸、リンゴ酸あ
るいはそれらのエステル等が挙げられる。重縮合反応と
しては通常のエステル交換法またはエステル化法さらに
は両方の併用によっても何らさしつかえなく、また必要
により反応容器内を加圧または減圧にすることにより重
合度を上げることができる。
【0016】c)の方法で用いられる環状酸無水物とし
ては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラ
コン酸、等が挙げられる。環状エーテルとしては、例え
ばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキ
センオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリ
ン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、オキセパン、1,3−ジ
オキソランなどが挙げられる。これらのうちで、得られ
るポリエステルの融点、生分解性、経済性を考慮すると
無水コハク酸とエチレンオキシドの組合せが好ましい。
開環重合は公知の開環重合触媒を用い、溶媒中での重合
や塊状重合等の方法により行うことができる。
【0017】d)の方法で用いられる環状エステルとし
ては、例えばβ−プロピオラクトン、β−メチル−β−
プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラ
クトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。開環
重合は公知の開環重合触媒を用い、溶媒中での重合や塊
状重合等の方法により行うことができる。
【0018】このような高分子量脂肪族ポリエステルを
得る方法のなかで比較的短い時間で工業的に効率よく製
造できる方法として、c)の環状酸無水物と環状エーテ
ルを開環重合する方法が好ましい。以下、環状酸無水物
と環状エーテルの開環重合についてさらに詳しく説明す
る。
【0019】本発明で用いられる無水コハク酸等の環状
酸無水物は、これまで単独重合しないことが知られてい
た。このような単独重合しない環状酸無水物に対し、重
合触媒の存在下に環状エーテルを逐次的に添加して重合
させることによって、実質的に酸成分とアルコール成分
が交互共重合したポリエステルが短時間で生成させ得
る。
【0020】重合は溶媒中での重合や塊状重合等の方法
により行うことができる。溶媒中での重合では環状酸無
水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環状酸無水
物を溶融させてから本発明に用いる。
【0021】溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも
行うことができ、その際使用される溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0022】重合触媒としては例えばテトラメトキシ
ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−
iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−ブ
トキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウ
ム、テトラ−t−ブトキシジルコニウムなどのアルコキ
シジルコニウム;オキシ酸塩化ジルコニウム、オキシオ
クチル酸ジルコニウム、オキシステアリン酸ジルコニウ
ム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ水酸化ジルコニウ
ム、オキシ炭酸ジルコニウム、オキシリン酸ジルコニウ
ム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム
アンモニウムなどのオキシジルコニウム塩が挙げら
中でもオキシジルコニウム塩が特に好ましく、さら
にオキシジルコニウム塩の中でもオキシオクチル酸ジル
コニウム、オキシ炭酸ジルコニウム、オキシ水酸化ジル
コニウムが特に好ましい。
【0023】重合触媒の使用量には特に制限はないが、
通常環状酸無水物および環状エーテルの合計量に対して
0.001〜10重量%である。重合触媒の添加方法は
環状酸無水物に添加しておいてもよく、環状エーテルの
ように逐次添加してもよい。
【0024】重合温度は環状酸無水物と環状エーテルが
反応する温度であれば特に制限はないが、10〜250
℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは10
0〜150℃である。反応に際して、反応容器内の圧力
は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類によって異な
るが、環状エーテルの逐次的な添加による圧力の上昇に
伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成物中のポリ
エーテル成分を増やすことになり好ましくない。したが
って、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm2
好ましく、より好ましくは常圧〜15kgf/cm2
なるように環状エーテルを添加する。
【0025】環状エーテルの逐次添加は、環状酸無水物
100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを3〜9
0重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の
割合で行なう。
【0026】環状エーテルの添加速度が下限の3重量部
より遅い場合には、反応が長時間となり生産性が低下す
るなど工業的に好ましくない。また、上限の90重量部
より速い場合には、反応生成物中のポリエーテル成分が
増加して融点の低いポリエステルしか得られなくなる。
【0027】なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状
エーテルを一括して添加しないことであり、連続的に滴
下する方法や多段階に分割して断続的に添加する方法の
いずれでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変
動しないように連続的に添加するのがよい。
【0028】本発明における環状酸無水物および環状エ
ーテルの反応比率は、これらのモル比で40/60〜6
0/40の比率となるようにするのが好ましく、残存環
状酸無水物およびポリエステルの末端カルボキシル基が
ポリエステルの物性を低下させることを考慮すると環状
エーテル(B)を過剰に添加するために40/60〜49/51
の比率となるようにするのがさらに好ましい。このよう
にすることにより、ポリエステルの末端カルボキシル基
の50%未満がカルボキシル基となり、耐熱性が向上す
る。
【0029】この比率の範囲をはずれると、未反応モノ
マーが増大して収率が低下することがある。本発明で前
記モル比を考慮して決定した所定量の環状エーテルを逐
次添加し終わった後、前記反応温度で重合を継続して熟
成するのが好ましい。熟成反応後に重合系から生成した
ポリエステルを分離すればよい。
【0030】a)、b)、c)、d)のいずれの方法に
よって得られたポリエステルも数平均分子量が1000
0よりも低い場合、さらに引き続いて本発明の、重合触
媒としてジルコニウム化合物の存在下、温度180〜2
80℃の条件下、エステル交換反応で高分子量化する。
また、種々の鎖延長剤と反応させて、さらに高分子量化
することも可能である。
【0031】エステル交換反応は通常、触媒存在下、
(高)真空、高温度の条件で行われる。
【0032】一般に触媒としては、Ti、Ge、Znな
どの有機酸塩、アルコキシド、アセチルアセトナートな
どの有機金属化合物が使われる。ところが本発明者らの
研究によると高分子量脂肪族ポリエステルの製造に応用
した場合、ゲル状物の生成、着色、さらに副生物および
解重合による低分子量化合物の生成が生じることが判明
した。
【0033】また、これらの触媒を用いて高分子量脂肪
族ポリエステルを得ようとすると反応中の系内の真空度
を0.15mmHg以下、好ましくは0.10mmHg
以下に保たなければならない。一般的なポリエステルの
製造、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の
工業的製造設備では、0.1〜1.0mmHg程度を達
成できる真空ポンプが広く使われている。このような真
空ポンプを高分子量脂肪族ポリエステルの製造に使用で
きることで経済的な製造が可能となる。
【0034】本発明の第一番目の特徴は、ジルコニウム
化合物を用いることによって始めて従来の真空ポンプを
用いて高分子量脂肪族ポリエステルの製造が可能になっ
たという点である。
【0035】また、さらに高分子量脂肪族ポリエステル
を得るには、従来、高真空下、長時間の反応が必要であ
り、効率的な製造法は知られていなかった。
【0036】本発明のもう一つの特徴は、ジルコニウム
化合物の存在下、反応温度を180〜280℃、好まし
くは235〜280℃、さらに好ましくは、240〜2
70℃の特定の温度範囲にすることにより、また、これ
らに加えて、高粘度用反応装置を用いることによって、
驚くべき短時間の反応時間で高分子量の脂肪族ポリエス
テルを得られたことである。
【0037】これらの結果、ゲル状物の生成、着色、さ
らに副生物および解重合による低分子量化合物の生成が
少ない高分子量脂肪族ポリエステルの製造法を発明する
に至った。
【0038】本発明で用いるジルコニウム化合物として
は、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジル
コニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、
テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−
ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニ
ウム等のアルコキシジルコニウム;オキシ酸塩化ジルコ
ニウム、オキシオクチル酸ジルコニウム、オキシステア
リン酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ
水酸化ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム、オキシ
リン酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、オキシ
炭酸ジルコニウムアンモニウムなどのオキシジルコニウ
ム塩が挙げられ、中でもオキシジルコニウム塩が好ま
しく、さらにオキシジルコニウム塩の中でもオキシオク
チル酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム、オキシ
水酸化ジルコニウムが特に好ましい。
【0039】鎖延長剤としては、イソシアナート、エポ
キシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化合物、多
官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が
挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよ
い。
【0040】イソシアナート化合物としては特に制限は
ないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有する
ものであり、例えば、トリレンジイソシアナート(「T
DI」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアナート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキ
シリレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソ
シアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレ
ンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の
イソシアナート化合物;スミジュールN(住友バイエル
ウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアナート化
合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)
製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアナ
ート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン
(株)社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合
物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きア
ダクトポリイソシアナート化合物等を挙げることができ
る。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用
することもできる。また、ブロックイソシアナートを使
用しても構わない。
【0041】ポリエステルとイソシアナート化合物との
反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシアナー
ト化合物が有するイソシアナート基とポリエステルが有
する水酸基との比率(NCO/OH(モル比))が0.
5〜3.0であることが好ましく、0.8〜1.5であ
ることがより好ましい。
【0042】なお、ポリエステルとイソシアネート化合
物とのウレタン化反応を促進するために、必要に応じ
て、有機スズ化合物や第3級アミン等の公知の触媒を用
いることは自由である。
【0043】エポキシ化合物としては特に制限はない
が、分子中に少なくとも二個エポキシ基を有するもので
あり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリ
シジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、
テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジ
ルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グ
リセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0044】エポキシ化合物との反応は、まず環状酸無
水物(A)と環状エーテル(B)を開環重合させ、得ら
れたポリエステルとエポキシ化合物を反応させる方法あ
るいは環状酸無水物(A)と環状エーテル(B)とエポ
キシ化合物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸
無水物(A)と環状エーテル(B)とエポキシ化合物を
同時に開環反応させ、さらにエポキシ化合物を反応させ
る方法がある。
【0045】なお、ポリエステルとエポキシ化合物との
反応を促進するために、必要に応じて、3級アミン、4
級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等の公知の触媒
を用いることは自由である。
【0046】アジリジン化合物としては特に制限はない
が、例えば2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール
−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネー
ト]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジ
ニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビ
ス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロ
ピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プ
ロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3
−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチ
レングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロ
ピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス
[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、、N,
N’−テトラメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ペ
ンタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘキサメチ
レンビスエチレン尿素、N,N’−ヘプタメチレンビス
エチレン尿素、N,N’−オクタメチレンビスエチレン
尿素、N,N’−フェニレンビスエチレン尿素、N,
N’−トルイレンビスエチレン尿素、N,N’−ジフェ
ニル−4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメチ
ルジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−
ジメトキシジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、ジ
フェニルメタンP,P−ビスエチレン尿素等が挙げられ
る。これらの一種または二種以上を用いることができ
る。
【0047】アジリジン化合物の使用量はポリエステル
に対して0.001〜10重量%であり、より好ましく
は0.01〜5重量%である。
【0048】オキサゾリン化合物としては特に制限はな
いが、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オ
キサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサ
ゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,2’−
ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビ
ス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス
−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビ
ス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン
−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチ
レン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタ
メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エ
チレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オ
キサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−
(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−
(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビ
ス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等
が挙げられる。これらの中から一種または二種以上を用
いることができる。さらに好ましくは2,2’−m−フ
ェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−
オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドである。
【0049】ポリエステルとオキサゾリン化合物との反
応比率は特に限定されないが、例えば、オキサゾリン化
合物が有する2−オキサゾリン基(Ox)とポリエステ
ルが有するカルボキシル基(COOH)との比率(Ox
/COOH(モル比))が0.5〜10.0であること
が好ましく、0.8〜5.0であることがより好まし
い。
【0050】なお、ポリエステルとオキサゾリン化合物
との反応を促進するために、必要に応じて、酸性化合物
のアミン塩等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0051】多価金属化合物としては特に制限はない
が、2価以上の有機金属化合物、金属塩および/または
金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0052】2価以上の有機金属化合物および/または
金属塩の好ましい金属としては、亜鉛、カルシウム、
銅、鉄、マグネシウム、コバルト、バリウムなどが挙げ
られる。さらに好ましくは中和後、反応系中から多価金
属化合物の対アニオンを揮発分として分離・回収できる
亜鉛(II)アセチルアセトネート、酢酸亜鉛、蟻酸亜
鉛、プロピオン酸亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
【0053】金属アルコキシドとしてはアルミニウムイ
ソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラス
テアリルオキシチタンなどが挙げられる。
【0054】ポリエステルと多価金属化合物との反応比
率は特に限定されないが、ポリエステル末端のカルボキ
シル基と2価以上の有機金属化合物および/または金属
塩との中和反応の場合、例えば、金属化合物とポリエス
テルが有するカルボキシル基との比率(金属化合物/C
OOH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ま
しく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0055】ポリエステル末端の水酸基と金属アルコキ
シドとの反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステ
ルが有する水酸基との比率(金属化合物/OH(モル
比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2
〜1.2であることがより好ましい。
【0056】多官能酸無水物としては特に制限はない
が、例えば、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テ
トラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、
無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸
−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共
重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共
重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、
無水マレイン酸−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0057】多官能酸無水物との反応は、まず環状酸無
水物(A)と環状エーテル(B)を開環重合させ、得ら
れたポリエステルと多官能酸無水物を反応させる方法あ
るいは環状酸無水物(A)と環状エーテル(B)と多官
能酸無水物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸
無水物(A)と環状エーテル(B)と多官能酸無水物を
同時に開環反応させ、さらに多官能酸無水物を反応させ
る方法がある。
【0058】多官能酸無水物の使用量はポリエステルに
対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは
0.01〜5重量%である。
【0059】リン酸エステルまたは亜リン酸エステルと
しては特に制限はないが、ジエステル、トリエステルい
ずれでもよくエステル基としては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル、2−エチルヘキシル
などが挙げられるが反応性、経済性を考慮するとメチ
ル、エチル、フェニルが好ましい。
【0060】リン酸エステルまたは亜リン酸エステルの
使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%
であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0061】鎖延長剤とポリエステルの反応温度は20
〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜200
℃である。
【0062】鎖延長剤とポリエステルとの反応方法は特
に制限はないが、ポリエステルを適当な溶媒に溶かして
鎖延長剤と反応させる方法、ポリエステルを加熱溶融さ
せて鎖延長剤と反応させる方法などが挙げられる。
【0063】本発明の高分子量脂肪族ポリエステルを製
造するに際し、重合触媒としてジルコニウム化合物の存
在下、温度235〜280℃、減圧度0.15〜2.0
mmHgの条件で製造する工程および鎖延長剤と反応さ
せる工程で使用する反応装置は公知の高粘度用反応装置
が使用することが可能である。
【0064】本発明で用いる高粘度用反応装置としては
バッチ式あるいは連続式でも良い。バッチ式としては例
えば、逆円錐リボン翼式リアクタ(三菱重工業(株)
製)、ねじり格子翼式リアクタ((株)日立製作所製)
を挙げることができる。連続式では例えば日立メガネ翼
重合機((株)日立製作所製)、日立格子翼重合機
((株)日立製作所製)、セルフクリーニング式リアク
タ(三菱重工業(株)製)、横型二軸式リアクタ(三菱
重工業(株)製)、KRCニーダー((株)栗本鉄工所
製)、TEX−K((株)日本製鋼所製)やプラスチッ
クの押出成形あるいは脱揮等に広く用いられている一軸
又は二軸の押出機等を挙げることができる。
【0065】このようにして得られた高分子量脂肪族ポ
リエステルは、押し出し成形、射出成形、中空成形、真
空成形等の通常の成型方法に適用することができ、各種
部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維等の
成型品とすることができる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。なお、例中の部は重量部を表わす。
【0067】実施例で実施した評価方法は以下の通りで
ある。結果をまとめて表1に示した。
【0068】(分子量)ゲルパーミエーションクロマト
グラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定
した。
【0069】(融点)DSCにて測定した。
【0070】(生分解性試験)130℃、150kg/
cm2、2分間の条件で圧縮成形機により厚さ200ミ
クロンのフィルムを作成し、得られたフィルムを土壌を
仕込んだプランター中に埋設して、一日一回散水し23
℃、相対湿度65%の恒温恒湿室中に保存し、100日
後の外観変化を観察した。
【0071】なお、土壌は箕面市小野原および吹田市西
御旅町で採取したもの、腐葉土を3:1:3の割合で混
合したものを使用した。
【0072】結果は下記の通りに記載した。
【0073】(+):外観変化が認められた。
【0074】(−):外観変化が認められなかった。
【0075】(実施例1)オートクレーブに無水コハク
酸500.0部およびオクチル酸ジルコニール3.68
部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートク
レーブを徐々に130℃まで昇温して無水コハク酸を溶
融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.
5kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレン23
1.1部を1時間あたり58部の添加速度で4.0時間
にわたって連続的に導入した。酸化エチレン導入後13
0℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にもど
すことにより、重合生成物を得た。得られた重合生成物
をクロロホルムに溶解させてテトラヒドロフラン中で沈
澱精製する操作を3回繰り返して脂肪族ポリエステル
(1)を得た。この脂肪族ポリエステル(1)の収率を
求めたところ99.2%であった。また、GPC測定に
よる数平均分子量は13000、DSCによる融点は1
04.4℃であった。中和滴定によりポリエステル中の
カルボキシル基量を求めたところ0.0420mmol
/gであった。以上の測定結果よりポリエステル末端に
対するカルボキシル基の割合は27.3%であった。
【0076】脂肪族ポリエステル(1)70.0部と亜
リン酸ジフェニル0.700部をセルフクリーニング型
2軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクタ
ー、内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、
0.15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジ
ャケット温度240℃の条件で1.5時間反応させ、高
分子量脂肪族ポリエステル(1)を得た。GPC測定に
よる数平均分子量は50000、DSC測定による融点
は、104.2であった。
【0077】(実施例2)オートクレーブに無水コハク
酸500.0部およびテトラ−t−ブトキシジルコニウ
ム3.70部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下
にオートクレーブを徐々に130℃まで昇温して無水コ
ハク酸を溶融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を
4.0〜8.4kgf/cm2 に維持しながら、酸化エ
チレン231.5部を1時間あたり58部の添加速度で
4.0時間にわたって連続的に導入した。酸化エチレン
導入後130℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を
常温にもどすことにより、重合生成物を得た。得られた
重合生成物をクロロホルムに溶解させてテトラヒドロフ
ラン中で沈澱精製する操作を3回繰り返して脂肪族ポリ
エステル(2)を得た。この脂肪族ポリエステル(2)
の収率を求めたところ99.5%であった。また、GP
C測定による数平均分子量は15000、DSCによる
融点は103.9℃であった。中和滴定によりポリエス
テル中のカルボキシル基量を求めたところ0.0330
mmol/gであった。以上の測定結果よりポリエステ
ル末端に対するカルボキシル基の割合は24.8%であ
った。
【0078】脂肪族ポリエステル(2)70.0部と亜
リン酸ジフェニル0.70部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、0.
15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジャケ
ット温度240℃の条件で1.75時間反応させ、高分
子量脂肪族ポリエステル(2)を得た。GPC測定によ
る数平均分子量は52000、DSCによる融点は10
3.5℃であった。
【0079】(実施例3)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)70.0部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、0.
15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジャケ
ット温度270℃の条件で0.83時間反応させ、高分
子量脂肪族ポリエステル(3)を得た。GPC測定によ
る数平均分子量は51000、DSCによる融点は10
4.0℃であった。
【0080】(実施例4)オートクレーブに無水コハク
酸500.0部およびオクチル酸ジルコニール3.68
部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートク
レーブを徐々に130℃まで昇温して無水コハク酸を溶
融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.
0kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレン23
1.0部およびアジピン酸ジグリシジルエステル(デナ
コールEX−701、ナガセ化成(株)社製)2.58
部の混合物を1時間あたり58部の添加速度で4.0時
間にわたって連続的に導入した。酸化エチレン導入後1
30℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にも
どすことにより、重合生成物を得た。得られた重合生成
物をクロロホルムに溶解させてテトラヒドロフラン中で
沈澱精製する操作を3回繰り返して脂肪族ポリエステル
(4)を得た。この脂肪族ポリエステル(4)の収率を
求めたところ99.2%であった。また、GPC測定に
よる数平均分子量は14000、DSCによる融点は1
04.6℃であった。中和滴定によりポリエステル中の
カルボキシル基量を求めたところ0.0350mmol
/gであった。以上の測定結果よりポリエステル末端に
対するカルボキシル基の割合は24.5%であった。
【0081】脂肪族ポリエステル(4)70.0部と亜
リン酸ジフェニル0.70部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、0.
15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジャケ
ット温度240℃の条件で1.75時間反応させ、高分
子量脂肪族ポリエステル(4)を得た。GPC測定によ
る数平均分子量は55000、DSCによる融点は10
4.1℃であった。
【0082】(実施例5)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)70.0部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、10
0rpm、ジャケット温度270℃の条件で4.0時間
反応させ、高分子量脂肪族ポリエステル(5)を得た。
GPC測定による数平均分子量は47000、DSCに
よる融点は103.1℃であった。
【0083】(実施例6)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)70.0部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、0.
15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジャケ
ット温度190℃の条件で5.0時間反応させ、高分子
量脂肪族ポリエステル(6)を得た。GPC測定による
数平均分子量は50000、DSCによる融点は10
3.4℃であった。
【0084】(比較例1)温度計、攪拌機、窒素導入管
および分流冷却器を備えた容量1リットルのセパラブル
フラスコに無水コハク酸300.0部、エチレングリコ
ール195.0部およびチタンテトライソプロポキシド
0.54部を加え、窒素置換を行った。次に150〜2
20℃、6.5時間、さらに0.1〜10mmHgの減
圧下、70〜210℃、16時間反応させ、比較脂肪族
ポリエステル(1)を得た。GPC測定による数平均分
子量は13300であった。
【0085】得られた重合生成物70.0部をセルフク
リーニング型2軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KR
Cリアクター、内径25mm、L/D=10.2)で窒
素気流中、0.1〜0.2mmHgの減圧下、100r
pm、ジャケット温度240℃の条件で5.0時間反応
させ、比較高分子量脂肪族ポリエステル(4)を得た。
GPC測定による数平均分子量は53000、DSCに
よる融点は105.1℃であった。
【0086】(比較例2)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)70.0部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、10
0rpm、ジャケット温度220℃の条件で5.0時間
反応させ、比較高分子量脂肪族ポリエステル(2)を得
た。GPC測定による数平均分子量は21000、DS
Cによる融点は103.7℃であった。
【0087】(比較例3)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)70.0部をセルフクリーニング型2
軸混合機((株)栗本鉄工所製S1KRCリアクター、
内径25mm、L/D=10.2)で窒素気流中、0.
15〜0.2mmHgの減圧下、100rpm、ジャケ
ット温度160℃の条件で5.0時間反応させ、比較高
分子量脂肪族ポリエステル(3)を得た。GPC測定に
よる数平均分子量は20000、DSCによる融点は1
02.9℃であった。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性を有するポリ
エステルを短い反応時間で高収率で合成することができ
る。また本発明を用いれば、ゲル状物の生成、着色、さ
らに副生物および解重合による低分子量化合物の生成が
少ない高分子量脂肪族ポリエステルを製造できる。
【0091】本発明で得られるポリエステルは、比較的
高分子量で構造 中にポリエーテル成分をほとんど有し
ない高融点のものであるため、フィルムやシート等への
成形加工が容易となり、成形品としての耐久性にもすぐ
れている。したがって、本発明で得られるポリエステル
は、使い捨ての包装材料や日用雑貨品等に有効に使用で
きる。
フロントページの続き (72)発明者 福原 広二 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 機能開発研究所内 (72)発明者 小林 博也 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 機能開発研究所内 (56)参考文献 特開 平5−287068(JP,A) 特開 平5−39353(JP,A) 特開 昭49−4790(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合触媒としてテトラアルコキシジルコニ
    ウムおよび/またはオキシジルコニウム塩を用い、a)
    多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコールを重縮
    合する方法、b)ヒドロキシカルボン酸(あるいはその
    エステル)を重縮合する方法、c)環状酸無水物と環状
    エーテルを開環重合する方法、d)環状エステルを開環
    重合する方法の何れかで得られたポリエステルを、上記
    重合触媒の存在下、温度180〜280℃、減圧度0.
    15〜2.0mmHgの条件で反応させる工程を含むこ
    とを特徴とする数平均分子量10000〜100000
    高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】重合触媒としてオキシジルコニウム塩を用
    い、a)多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコー
    ルを重縮合する方法、b)ヒドロキシカルボン酸(ある
    いはそのエステル)を重縮合する方法、c)環状酸無水
    物と環状エーテルを開環重合する方法、d)環状エステ
    ルを開環重合する方法の何れかで得られたポリエステル
    を、上記重合触媒の存在下、温度180〜280℃の条
    件で反応させる工程を含むことを特徴とする数平均分子
    量10000〜100000の高分子量脂肪族ポリエス
    テルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記高分子量脂肪族ポリエステルが、無水
    コハク酸を主成分とする環状酸無水物(A)および酸化
    エチレンを主成分とする環状エーテル(B)から得られ
    るものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記高分子量脂肪族ポリエステルを製造す
    るに際して、高粘度用反応装置を用いることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子量脂肪族
    ポリエステルの製造方法。
JP6269095A 1994-11-01 1994-11-01 高分子量ポリエステルの製造方法 Expired - Fee Related JP3018333B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6269095A JP3018333B2 (ja) 1994-11-01 1994-11-01 高分子量ポリエステルの製造方法
US08/550,964 US5616681A (en) 1994-11-01 1995-10-31 Process for producing aliphatic polyester
DE69532462T DE69532462T2 (de) 1994-11-01 1995-11-01 Verfahren zum Herstellen von aliphatischem Polyester
EP01202050A EP1148074A3 (en) 1994-11-01 1995-11-01 Process for producing aliphatic polyester
EP95307780A EP0710685B1 (en) 1994-11-01 1995-11-01 Process for producing aliphatic polyester

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6269095A JP3018333B2 (ja) 1994-11-01 1994-11-01 高分子量ポリエステルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08127648A JPH08127648A (ja) 1996-05-21
JP3018333B2 true JP3018333B2 (ja) 2000-03-13

Family

ID=17467612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6269095A Expired - Fee Related JP3018333B2 (ja) 1994-11-01 1994-11-01 高分子量ポリエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3018333B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3013918B2 (ja) * 1994-11-01 2000-02-28 株式会社日本触媒 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2006274254A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Daicel Chem Ind Ltd 低分岐度高分子量脂肪族ポリエステル、その製造方法、成形品及びフィルム
JP2006274253A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Daicel Chem Ind Ltd 低分岐度高分子量脂肪族ポリエステル、その製造方法、成形品及びフィルム
JP2006274252A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Daicel Chem Ind Ltd 低分岐度高分子量脂肪族ポリエステル、成形品及びフィルム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS494790A (ja) * 1972-04-27 1974-01-16
JP2860185B2 (ja) * 1991-08-06 1999-02-24 昭和高分子株式会社 ウレタン結合を含むポリエステルの製造方法
JPH05287068A (ja) * 1992-04-09 1993-11-02 Showa Highpolymer Co Ltd 飽和ポリエステル樹脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08127648A (ja) 1996-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5470941A (en) Thermoplastic biodegradable resins and a process of preparation thereof
EP0710685B1 (en) Process for producing aliphatic polyester
JP2688330B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
US6730709B2 (en) Biodegradable recycled polyester resin and production process therefor
JP3018333B2 (ja) 高分子量ポリエステルの製造方法
KR101690082B1 (ko) 생분해성 수지 조성물 및 그로부터 제조되는 생분해성 필름
JP3392475B2 (ja) 高分子量ポリエステルの製造方法
JP2968466B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3155198B2 (ja) ポリエステルフィルム
US20240117112A1 (en) Process for branched polyesters for foaming and related products
JP3048313B2 (ja) 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3228690B2 (ja) 高分子量ポリエステル及びその製造方法
JP3279915B2 (ja) 柔軟化されたポリエステル樹脂の製造方法
JP3415338B2 (ja) 生分解性プラスチック材料
JP2002053652A (ja) 生分解性のリサイクルポリエステル樹脂およびその製造方法
JP3584991B2 (ja) 高分子量ポリエステルの製造方法
JP3100314B2 (ja) 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3410550B2 (ja) 高分子量ポリエステルの製造方法
JP3574627B2 (ja) 高分子量ポリエステルおよび成型品
JP3542871B2 (ja) 柔軟化されたポリエステルフィルム
KR101372857B1 (ko) 생분해성 폴리에스테르 블렌드 조성물, 이의 제조방법 및 이로부터 제조된 섬유
JP2005068358A (ja) 高分子量脂肪族ポリエステルおよびその製造方法
JP3394124B2 (ja) 高重合度脂肪族ポリエステルの製造方法
JPH093212A (ja) 脂肪族ポリエステルフィルム
CN116023636A (zh) 一种半芳香族聚酯及其制备方法和应用

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees