JP3574627B2 - 高分子量ポリエステルおよび成型品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子量脂肪族ポリエステルおよび成型品に関する。詳しくは、「裂け易さ」の改良された高分子量ポリエステル、および、この高分子量ポリエステルを用いた成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂肪族ポリエステルは一般に生分解性が認められており、単独あるいは種々の添加剤を配合して繊維、シート、フィルム等の成型品に使用することが期待されている。特にシートやフィルムに利用する場合は十分な強度が要求されるだけではなく、裂けにくい性質が必要とされている。
【0003】
脂肪族ポリエステルを製造する方法としては、ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させる方法、ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換させてグリコールエステル及び/又はその低重合体を得、次いでこれを高真空下で長時間加熱撹拌して重縮合させる方法等が知られている。
【0004】
しかしながらこれらの方法で得られた脂肪族ポリエステルは数平均分子量が30000以下であり、シートやフィルムに成形しても裂けやすいものしか得られなかった。
【0005】
従来、「裂け易さ」を改良する方法としては、例えば特開平5−295071号公報等に3官能以上の共重合成分を用いることが開示されているが、この方法ではゲル化の危険性が高く工業的製法とは言い難い。またたとえ製造できたとしても製品中にゲル状物が混ざって実用的な用途に適さなかった。
【0006】
またこれまで実際的な「裂け易さ」の評価方法も知られておらず、シートやフィルムの物性評価にはプラスチックの引張試験(JIS K7113、ASTMD638等)が一般に広く用いられているが、このような試験方法では強度、弾性率、伸度を求めることはできるが、実際的な「裂け易さ」を評価することはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、シート、フィルムおよびその他成型品として利用することのできる裂け易さの改良された高分子量脂肪族ポリエステルと、該高分子量脂肪族ポリエステルを含有してなる成型品とを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、まず実際的な裂け易さを定量的に測定できる方法を鋭意検討した結果、プラスチックの引張試験(ASTM−D882−90(A法))における引張速度1000mm/分で測定したときの破断伸度が、実際的な「裂け易さ」に比例することを見出した。
【0009】
この方法により評価した結果、数平均分子量が30000未満の脂肪族ポリエステルは裂け易く、実用的ではないということがわかった。
【0010】
また分岐状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(A)と、直鎖状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(B)とからなる高分子量脂肪族ポリエステルにより、「裂け易さ」を改良できることを見いだした。
【0011】
すなわち本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、分岐状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(A)を1モル%以上と、直鎖状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(B)を99モル%以下とを含み、数平均分子量30000〜200000である
【0012】
また本発明は、プラスチックの引張試験(ASTM−D882−90(A法))における引っ張り強度1000mm/分で測定したときの破断伸度が10%以上である数平均分子量30000〜200000の高分子量脂肪族ポリエステルに関する。
【0013】
例えば前記高分子量脂肪族ポリエステルは、分岐した炭化水素基を有する脂肪族ジカルボン酸および/またはその無水物と環状酸無水物とを含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、環状エーテルを含有する脂肪族グリコール成分とを、開環重合させることより得られる高分子量脂肪族ポリエステルである。
【0014】
また本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの製法は、以下の(1)〜(3)が採用できる。
(1)分子内に2個のカルボキシル基を有しかつ該カルボキシル基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸および/またはその無水物を含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、脂肪族グリコール成分とを反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
(2)脂肪族ジカルボン酸成分と、分子内に2個の水酸基を有しかつ該水酸基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールを含有する脂肪族グリコール成分とを反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
(3)分子内に2個のカルボキシル基を有しかつ該カルボキシル基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸および/またはその無水物を含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、分子内に2個の水酸基を有しかつ該水酸基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールを含有する脂肪族グリコール成分とを、反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
前記(1)〜(3)の製造方法において、前記脂肪族ジカルボン酸成分が、環状酸無水物を含有するものであり、かつ前記脂肪族グリコール成分が環状エーテルを含有するものであることが効率的に製造できるので好ましい。
【0015】
また本発明の成型品は、前記高分子量脂肪族ポリエステルを含有してなる成型品に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
高分子量脂肪族ポリエステル
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの破断伸度の測定方法としては、プラスチックの引張試験(ASTM−D882−90(A法))に準じて行い、引張速1000mm/分で引張試験をしたときの破断伸度を測定した。具体的には例えば高分子量脂肪族ポリエステルを、圧縮成型器を用いて成形温度130℃、成形圧力150kgf/cm 、成形時間2分間の条件下で成形し、厚さ200フィルムを作成し、このフィルムをダンベルに打ち抜き、引張速度1000mm/分で引張試験をして測定した。
【0017】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、前記方法における引っ張り速度1000mm/分で測定したときの破断伸度が10%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは100%以上である。破断伸度が10%未満の場合は、急激な力が加わったり、鋭角な物があたった場合その衝撃を吸収しきれずに非常に裂けやすいフィルムとなる。
【0018】
また本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、さらに前記方法における引っ張り速度1000mm/分で測定したときの破断強度が10kgf/cm 以上、好ましくは50kgf/cm 以上、さらに好ましくは100kgf/cm 以上であることが、さらに破断に強いフィルムとなる点で好ましい。
【0019】
また本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、さらに前記方法における引っ張り速度1000mm/分で測定したときの引張弾性率が200kgf/mm 以下、好ましくは100kgf/mm 以下であることが、さらに柔軟性に富むフィルムとなる点で好ましい。
【0020】
本発明の高分子量ポリエステルは、分岐状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(A)と、直鎖状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(B)とを含んでなる高分子量脂肪族ポリエステルである。
【0021】
分岐状の炭化水素基としては、プロピレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチル−エチレン基、メチルメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、オクタデシルエチレン基、1−メチル−トリメチレン基、プロピルエチレン基、1,3−ジメチル−トリメチレン基、ブチルエチレン基、2,5−ジメチル−テトラメチレン基、2,2−ジメチル−トリメチレン基、1,1,3,3−テトラメチル−トリメチレン基、1,1,4,4−テトラメチル−テトラメチレン基、1−ブチル−2−エチル−トリメチレン基、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−トリメチレン基、2−ブチル−2−エチル−1,3−トリメチレン基、デカニルエチレン基、ドデカニルエチレン基、ジプロピレングリコールから水酸基を除いた基等が挙げられる。
【0022】
直鎖状の炭化水素基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、オクタデカメチレン基等が挙げられる。
【0023】
また前記脂肪族エステル単位(A)および(B)には、エーテル基、ケトン基、スルフィド基等の炭化水素基以外の基を含んでいても良い。
【0024】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの分子量は、数平均で30000〜200000であるが、好ましくは40000〜150000、更に好ましくは50000〜100000である。脂肪族ポリエステルをフィルム、シート、その他成型物として利用するには、数平均分子量が少なくとも30000以上必要である。これよりも低くなると脆かったり、延伸できないなど工業的に問題があり、鎖延長剤と反応させて高分子量化することも可能であるが、工程が多段階になったり、使用した鎖延長剤がフィルムのフィッシュアイの原因になったりして工業的に不利である。熱的な劣化や強度などを考慮すると高分子量脂肪族ポリエステルの数平均分子量は40000以上が好ましく、50000以上が更に好ましい。また、数平均分子量を200000以上にするには反応に長時間要し、工業的に不利である。長時間反応することにより生成揮発分が多くなるので、数平均分子量は200000以下であり、150000以下が好ましく、100000以下が更に好ましい。
【0025】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルを得る方法としては、特に限定されないが、その具体的製造方法としては、後記の本発明の製造方法(1)〜(3)が好適であり、特に分岐した炭化水素基を有する脂肪族ジカルボン酸および/またはその無水物と環状酸無水物とを含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、環状エーテルを含有する脂肪族グリコール成分とを、開環重合させる方法が、製造上効率的である点で好適である。前記環状酸無水物としては、無水コハク酸が特に好ましく、前記環状エーテルとしては、エチレンオキシドが特に好ましい。前記環状エーテルは、分岐した炭化水素基を有していてもよい。
【0026】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルには、必要に応じて他の成分、例えば結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑剤、他の重合体を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
【0027】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、押し出し成形、射出成形、中空成形、真空成形等の通常の成型方法に適用することができ、各種部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維、不織布等の成型品とすることができる。
【0028】
高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法の発明は、以下の(1)〜(3)に関する。
(1)分子内に2個のカルボキシル基を有しかつ該カルボキシル基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸および/またはその無水物を含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、脂肪族グリコール成分とを反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
(2)脂肪族ジカルボン酸成分と、分子内に2個の水酸基を有しかつ該水酸基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールおよび/またはそのエポキシドを含有する脂肪族グリコール成分とを反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
(3)分子内に2個のカルボキシル基を有しかつ該カルボキシル基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族カルボン酸および/またはその無水物を含有する脂肪族ジカルボン酸成分と、分子内に2個の水酸基を有しかつ該水酸基が結合した炭素数2以上の分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールおよび/またはそのエポキシドを含有する脂肪族グリコール成分とを、反応させることを特徴とする前記高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
前記分岐状炭化水素基を有する脂肪族ジカルボン酸またはその無水物としては、例えばメチルコハク酸、エチルコハク酸、ジメチルコハク酸、メチルマロン酸、3−メチルアジピン酸、オクタデシル無水コハク酸などが挙げられる。
【0029】
本発明で言う脂肪族ジカルボン酸成分としては、前記分岐状炭化水素基を有する脂肪族ジカルボン酸またはその無水物の他、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸;それらジカルボン酸のエステル;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体等の酸無水物などが挙げられる。また前記ジカルボン酸もしくはそのエステルまたはその酸無水物の一部を、二官能以上の多価カルボン酸およびその無水物、並びに三官能以上のオキシカルボン酸から選ばれたものに変えてもよい。三官能以上のオキシカルボン酸としてはリンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。なかでも酸成分とアルコール成分とが直線状に結合したポリエステルを生成するためには、カルボキシル基を1分子中に2個有するものが好ましい。
【0030】
分岐状脂肪族ジカルボン酸および/またはその無水物を用いる割合は脂肪族ジカルボン酸成分全体の1〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。前記範囲では、融点の低下がなく、裂け易さ改善に効果がある点で好ましい。
【0031】
前記分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールとしては、例えば1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール等が挙げられ、それらグリコールのエポキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン等が挙げられる。
【0032】
本発明で言う脂肪族グリコール成分としては、前記分岐状炭化水素基を有する脂肪族グリコールの他、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール等のグリコール;該グリコールのエポキシド等が挙げられる。また、グリコール成分の一部としてポリオキシアルキレングリコールを使用することも可能であり、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびこれらの共重合体が例示される。また、グリコール成分の一部として三官能以上の多価アルコールを使用することも可能である。特に酸成分とアルコール成分とが直線状に結合したポリエステルを生成するためには水酸基を1分子中に2個有するものが好ましい。前記多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットなどが例示される。また、グリコール成分の一部としてジエポキシドを使用することも可能であり、例えば(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
分岐状脂肪族グリコールおよび/またはそのエポキシドを用いる割合は、脂肪族グリコール成分全体の1〜40重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。前記範囲では、融点の低下がなく、裂け易さ改善に効果がある点で好ましい。
【0034】
本発明の製造方法において、反応方法は特に限定されず、原料によって適宜選択されるものであるが、例えば、
(i)ジカルボン酸もしくはそのエステルまたはその酸無水物とグリコールとを重縮合する方法
(ii)環状酸無水物と環状エーテルとを開環重合させてから、さらに重縮合する方法
等が挙げられる。
【0035】
(i)の方法による高分子量脂肪族ポリエステルの製造に際しては、ジカルボン酸(あるいはそのエステル)成分およびグリコール成分の全量を初期混合し反応させてもよく、または反応の進行にともなって分割して添加してもさしつかえない。重縮合反応としては通常のエステル化反応をおこなってからエステル交換法により重合度を上げる。この際、エステル化反応とエステル交換反応の区別は必ずしも明確である必要はない。
【0036】
エステル化反応およびエステル交換反応には通常、少量の触媒を用いる必要がある。脱水縮合によるエステル化法とエステル交換反応を併用する場合は、無触媒でエステル化をおこなってから触媒を用いたエステル交換反応をおこなうこともできる。触媒としては、通常用いられているものであれば特に制限はないが、Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、Co、Zr、Hf、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、Mg、Sn、Ba、Ni等の有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が挙げられる。触媒の使用量は、通常得られる高分子量脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、このましくは0.01から0.5重量部である。
【0037】
(i)の方法によって重(縮)合物を得る場合のエステル化反応の条件としては公知の方法で何ら問題はない。例えば反応温度180〜280℃、常圧〜1mmHgの減圧度で反応させて、引き続きエステル交換反応をおこなう。エステル交換反応の条件としては、反応温度180〜280℃、好ましくは230〜270℃、減圧度0.5mmHg以上、好ましくは1.0mmHg以上、さらに好ましくは1.0〜3.0mmHgである。である。反応温度がこの範囲より低い場合は、反応時間が著しく長くなり、この範囲より高い場合は、著しく着色したり、揮発分が多くなったりして、工業的に不利である。減圧度は0.5mmHg未満の場合、すなわち高真空になると副生物および解重合による低分子化合物が多量に生成する。これら揮発分発生による減圧度の低下、真空ポンプの性能低下などにより、反応時間が著しく長くなったり、所定の分子量まで到達しなかったりする。さらに、揮発分の発生により収率は著しく低下し、これら揮発分は例え回収されても利用されることがないため、経済的に大きな問題となる。減圧度が3.0mmHgよりも低い場合は、反応時間が著しく長くなり、工業的に不利である。
【0038】
(ii)の方法については、まず環状酸無水物と環状エーテルの開環重合の工程について、以下に説明する。
【0039】
本発明で用いられる無水コハク酸等の環状酸無水物は、これまで単独重合しないことが知られていた。このような単独重合しない環状酸無水物に対し、重合触媒の存在下に環状エーテルを逐次的に添加して重合させることによって、実質的に酸成分とアルコール成分が交互共重合したポリエステルが短時間で生成させ得る。
【0040】
重合は溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。溶媒中での重合では環状酸無水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環状酸無水物を溶融させてから本発明に用いる。
【0041】
溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも行うことができ、その際使用される溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0042】
重合触媒としては、特に限定はなく、通常ポリエステルを開環重合する際に使用するものを用いる。例えばテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−ジ−iso−プロポキシアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、テトラエトキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、トリ−iso−プロポキシガリウム、トリ−iso−プロポキシアンチモン、トリ−iso−ブトキシアンチモン、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−t−ブトキシボロン、トリ−iso−プロポキシガリウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−t−ブトキシゲルマニウムなどの金属アルコキド;五塩化アンチモン、塩化亜鉛、臭化リチウム、塩化すず(IV)、塩化カドミウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテルなどのハロゲン化物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、トリ−iso−ブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛などのアルキル亜鉛;トリアリルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの三級アミン;リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸およびそのアルカリ金属塩;酸塩化ジルコニウム、オクチル酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、硝酸ジルコニールなどのジルコニウム化合物等が挙げられ、中でもオクチル酸ジルコニール、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシアルミニウム化合物が特に好ましい。重合触媒の使用量には特に制限はないが、通常環状酸無水物および環状エーテルの合計量に対して0.001〜10重量%である。重合触媒の添加方法は環状酸無水物に添加しておいてもよく、環状エーテルのように逐次添加してもよい。
【0043】
重合温度は環状酸無水物と環状エーテルが反応する温度であれば特に制限はないが、10〜250℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは100〜150℃である。反応に際して、反応容器内の圧力は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類によって異なるが、環状エーテルの逐次的な添加による圧力の上昇に伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成物中のポリエーテル成分を増やすことになり好ましくない。したがって、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm が好ましく、より好ましくは常圧〜15kgf/cm となるように環状エーテルを添加する。
【0044】
環状エーテルの逐次添加は、環状酸無水物100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを3〜90重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の割合で行なう。
【0045】
環状エーテルの添加速度が下限の3重量部より遅い場合には、反応が長時間となり生産性が低下するなど工業的に好ましくない。また、上限の90重量部より速い場合には、反応生成物中のポリエーテル成分が増加して融点の低いポリエステルしか得られなくなる。
【0046】
なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状エーテルを一括して添加しないことであり、連続的に滴下する方法や多段階に分割して断続的に添加する方法のいずれでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変動しないように連続的に添加するのがよい。
【0047】
本発明における環状酸無水物および環状エーテルの反応比率は、これらのモル比で40/60〜60/40の比率となるようにするのが好ましく、残存環状酸無水物およびポリエステルの末端カルボキシル基がポリエステルの物性を低下させることを考慮すると環状エーテルを過剰に添加するために40/60〜49/51の比率となるようにするのがさらに好ましい。このようにすることにより、ポリエステルの末端カルボキシル基の50%未満がカルボキシル基となり、耐熱性が向上する。この比率の範囲をはずれると、未反応モノマーが増大して収率が低下することがある。本発明で前記モル比を考慮して決定した所定量の環状エーテルを逐次添加し終わった後、前記反応温度で重合を継続して熟成するのが好ましい。熟成反応後に重合系から生成したポリエステルを分離すればよい。
【0048】
次に(ii)の方法の開環重合によって得られた重合物をさらに重(縮)合させる工程について説明する。
【0049】
(ii)の方法の開環重合によって得られた重合物をさらに重(縮)合させる工程の反応条件は、反応温度180〜280℃、好ましくは230〜270℃、減圧度0.5mmHg以上、好ましくは1.0mmHg以上、さらに好ましくは1.0〜3.0mmHgである。反応温度がこの範囲より低い場合は、反応時間が著しく長くなり、この範囲より高い場合は、著しく着色したり、揮発分が多くなったりして、工業的に不利である。減圧度は0.5mmHg以下の場合、すなわち高真空になると副生物および解重合による低分子化合物が多量に生成する。これら揮発分発生による減圧度の低下、真空ポンプの性能低下などにより、反応時間が著しく長くなったり、所定の分子量まで到達しなかったりする。さらに、揮発分の発生により収率は著しく低下し、これら揮発分は例え回収されても利用されることがないため、経済的に大きな問題となる。減圧度が3.0mmHgよりも低い場合は、反応時間が著しく長くなり、工業的に不利である。
【0050】
(ii)の環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させた後、さらに重縮合する方法は、生成揮発分をより少量に抑えることができ、水などの生成がなく比較的短い時間で工業的に効率よく製造できる点で好ましい。
【0051】
(i)または(ii)の方法等で得られた脂肪族ポリエステルは、さらに種々の鎖延長剤と反応させて高分子量化しても良い。
【0052】
鎖延長剤としては、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよい。
【0053】
イソシアナート化合物としては特に制限はないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有するものであり、例えば、トリレンジイソシアナート(「TDI」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等のイソシアナート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアナート化合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアナート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン(株)社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、ブロックイソシアナートを使用しても構わない。
【0054】
ポリエステルとイソシアナート化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシアナート化合物が有するイソシアナート基とポリエステルが有する水酸基との比率(NCO/OH(モル比))が0.5〜3.0であることが好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。
【0055】
なお、ポリエステルとイソシアネート化合物とのウレタン化反応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物や第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0056】
エポキシ化合物としては特に制限はないが、分子中に少なくとも二個エポキシ基を有するものであり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0057】
エポキシ化合物との反応は、まず環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させ、得られたポリエステルとエポキシ化合物を反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルとエポキシ化合物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルとエポキシ化合物を同時に開環反応させ、さらにエポキシ化合物を反応させる方法がある。
【0058】
なお、ポリエステルとエポキシ化合物との反応を促進するために、必要に応じて、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0059】
アジリジン化合物としては特に制限はないが、例えば2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、、N,N’−テトラメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ペンタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘキサメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘプタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−オクタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−フェニレンビスエチレン尿素、N,N’−トルイレンビスエチレン尿素、N,N’−ジフェニル−4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメトキシジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、ジフェニルメタンP,P−ビスエチレン尿素等が挙げられる。これらの一種または二種以上を用いることができる。
【0060】
アジリジン化合物の使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0061】
オキサゾリン化合物としては特に制限はないが、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。これらの中から一種または二種以上を用いることができる。さらに好ましくは2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドである。
【0062】
ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、オキサゾリン化合物が有する2−オキサゾリン基(Ox)とポリエステルが有するカルボキシル基(COOH)との比率(Ox/COOH(モル比))が0.5〜10.0であることが好ましく、0.8〜5.0であることがより好ましい。
【0063】
なお、ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応を促進するために、必要に応じて、酸性化合物のアミン塩等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0064】
多価金属化合物としては特に制限はないが、2価以上の有機金属化合物、金属塩および/または金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0065】
2価以上の有機金属化合物および/または金属塩の好ましい金属としては、亜鉛、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、コバルト、バリウムなどが挙げられる。さらに好ましくは中和後、反応系中から多価金属化合物の対アニオンを揮発分として分離・回収できる亜鉛(II)アセチルアセトネート、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
【0066】
金属アルコキシドとしてはアルミニウムイソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタンなどが挙げられる。
【0067】
ポリエステルと多価金属化合物との反応比率は特に限定されないが、ポリエステル末端のカルボキシル基と2価以上の有機金属化合物および/または金属塩との中和反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステルが有するカルボキシル基との比率(金属化合物/COOH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0068】
ポリエステル末端の水酸基と金属アルコキシドとの反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステルが有する水酸基との比率(金属化合物/OH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0069】
多官能酸無水物としては特に制限はないが、例えば、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0070】
多官能酸無水物との反応は、まず環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させ、得られたポリエステルと多官能酸無水物を反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルと多官能酸無水物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルと多官能酸無水物を同時に開環反応させ、さらに多官能酸無水物を反応させる方法がある。
【0071】
多官能酸無水物の使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0072】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルとしては特に制限はないが、ジエステル、トリエステルいずれでもよくエステル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、2−エチルヘキシルなどが挙げられるが反応性、経済性を考慮するとメチル、エチル、フェニルが好ましい。
【0073】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルの使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0074】
鎖延長剤とポリエステルの反応温度は20〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜200℃である。
【0075】
鎖延長剤とポリエステルとの反応方法は特に制限はないが、ポリエステルを適当な溶媒に溶かして鎖延長剤と反応させる方法、ポリエステルを加熱溶融させて鎖延長剤と反応させる方法などが挙げられる。
【0076】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルを製造するに際し、反応装置は公知のものを用いることができるが、高粘度用反応装置を使用することも可能である。
【0077】
エステル交換反応を効率よく進めるには反応中に生成するグリコールを揮発し易くする必要がある。すなわち反応系の内容物の自由表面更新性を高め、広い気液接触面(自由表面積)を確保する必要がある。具体的には、縦型反応装置では、通常の攪拌装置の付いたフラスコや反応釜を使用する場合は内容物量を減らすことで内容物の体積に対する表面積を大きくすることになり広い気液接触面を確保することができる。また、ヘリカルリボン翼や螺旋状変形バッフルの付いた反応釜ではより効率的に表面積を大きくすることができる。
【0078】
横型反応装置では、変形翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型1軸或いは2軸混練装置が効率的に表面積を大きくすることができる。
【0079】
本発明で用いる高粘度用反応装置としてはバッチ式あるいは連続式でも良い。バッチ式としては例えば、逆円錐リボン翼式リアクタ(三菱重工業(株)製)、ねじり格子翼式リアクタ((株)日立製作所製)を挙げることができる。連続式では例えば日立メガネ翼重合機((株)日立製作所製)、日立格子翼重合機((株)日立製作所製)、セルフクリーニング式リアクタ(三菱重工業(株)製)、横型二軸式リアクタ(三菱重工業(株)製)、KRCニーダー((株)栗本鉄工所製)、TEX−K((株)日本製鋼所製)やプラスチックの押出成形あるいは脱揮等に広く用いられている一軸又は二軸の押出機等を挙げることができる。
【0080】
このようにして得られた高分子量脂肪族ポリエステルは、押し出し成形、射出成形、中空成形、真空成形等の通常の成型方法に適用することができ、各種部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維、不織布等の成型品とすることができる。
【0081】
成型品
本発明の成型品は、前記高分子量脂肪族ポリエステルを含有してなる成型品である。
【0082】
前記高分子量脂肪族ポリエステルを、例えば押し出し成形、射出成形、中空成形、真空成形等の通常の成型方法により、本発明の成型品が得られる。
【0083】
成型品の態様としては、各種部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維、不織布等が挙げられる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、例中の部は重量部を表わす。
【0085】
実施例で実施した評価方法は以下の通りである。結果をまとめて表1に示した。
【0086】
(分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
【0087】
(融点)
DSCにて測定した。
【0088】
(生分解性試験)
130℃、150kg/cm、2分間の条件で圧縮成形機により厚さ200μmのフィルムを作成し、得られたフィルムを、土壌を仕込んだプランター中に埋設して、一日一回散水し23℃、相対湿度65%の恒温恒湿室中に保存し、100日後の外観変化を観察した。
【0089】
なお、土壌は箕面市小野原および吹田市西御旅町で採取したもの、腐葉土を3:1:3の割合で混合したものを使用した。
【0090】
結果は下記の通りに記載した。
(+):外観変化が認められた。
(−):外観変化が認められなかった。
【0091】
(引張試験)
ASTM−D882−90(A法)に準じて引張速度1000mm/分で引張破断強度、引張弾性率、破断伸度を測定した。
【0092】
(実施例1)
1,2−ヘキサンジオール20.0部と無水コハク酸33.8部をスクリュー管に入れ、温度80℃で7時間攪拌した。得られた生成物の上澄みをとり、放冷したところ白色蝋状の分岐状オリゴマー(1)を得た。
【0093】
次に攪拌機、出口にドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えたウィグリュー分留管、及びガス導入管を付した三つ口フラスコに、無水コハク酸120.08部およびエチレングリコール76.63部を入れ、オイルバス中に浸した。オイルバスを昇温し、窒素をゆっくり流し、温度185℃、常圧〜1.0mmHgの減圧度で52時間要して生成する水と過剰のエチレングリコールを留去し、数平均分子量6000のポリエステル(1)を得た。
【0094】
次いで、得られたポリエステル(1)10.0部と分岐状オリゴマー(1)1.0部とテトラ−n−ブチルチタネート0.0004部とを、温度計、攪拌装置および窒素導入管を付したセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで1.0〜1.1mmHgの減圧下、温度240℃の条件で5.0時間反応させ、高分子量脂肪族ポリエステル(1)を得た。GPC測定による数平均分子量は75000、DSC測定による融点は、90.6℃であった。また、トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステルに対して4.3重量%であった。
【0095】
反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプの性能低下は見られなかった。
【0096】
得られた高分子量脂肪族ポリエステル(1)で、圧縮成型器を用いて成形温度130℃、成形圧力150kgf/cm 、成形時間2分間の条件下で成形し、厚さ200μmのフィルムを作成した。このフィルムをダンベルに打ち抜き、引張試験をした。結果を表1に示した。
【0097】
(実施例2)
1,2−プロパンジオール20.0部と無水コハク酸52.6部をスクリュー管に入れ、温度80℃で7時間攪拌した。得られた生成物の上澄みをとり、放冷したところ白色蝋状の分岐状オリゴマー(2)を得た。
【0098】
次いで、実施例1で得られたポリエステル(1)10.0部と分岐状オリゴマー(1)1.0部とテトラ−n−ブチルチタネート0.0004部とを、温度計、攪拌装置および窒素導入管を付したセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで1.0〜1.1mmHgの減圧下、温度240℃の条件で5.0時間反応させ、高分子量脂肪族ポリエステル(2)を得た。GPC測定による数平均分子量は80000、DSC測定による融点は、92.1℃であった。また、トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステルに対して5.0重量%であった。
【0099】
反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプの性能低下は見られなかった。
【0100】
得られた高分子量脂肪族ポリエステル(2)で、圧縮成型器を用いて成形温度130℃、成形圧力150kgf/cm 、成形時間2分間の条件下で成形し、厚さ200℃のフィルムを作成した。このフィルムをダンベルに打ち抜き、引張試験をした。結果を表1に示した。
【0101】
(実施例3)
オートクレーブに、無水コハク酸90.0部、オクタデシル無水コハク酸10.0部およびオクチル酸ジルコニール2.99部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートクレーブを徐々に130℃まで昇温し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.1kgf/cm に維持しながら、酸化エチレン231.26部を1時間あたり42部の添加速度で5.5時間にわたって連続的に導入した。酸化エチレン導入後130℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にもどすことにより、ポリエステルを得た。GPC測定による数平均分子量は28000、DSCによる融点は91.3℃であった。
【0102】
得られたポリエステル11.5部を温度計、攪拌装置、窒素導入管を付したセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで1.0〜1.2mmHgの減圧下、温度240℃の条件で3.0時間反応させ、高分子量脂肪族ポリエステル(3)を得た。GPC測定による数平均分子量は75000、DSC測定による融点は、90.9℃であった。また、トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステルに対して4.2重量%であった。
【0103】
反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプの性能低下は見られなかった。
【0104】
得られた高分子量脂肪族ポリエステル(3)で、圧縮成型器を用いて成形温度130℃、成形圧力150kgf/cm 、成形時間2分間の条件下で成形し、厚さ200μmのフィルムを作成した。このフィルムをダンベルに打ち抜き、引張試験をした。結果を表1に示した。
【0105】
(比較例1)
実施例1で得られたポリエステル(1)12.0部を温度計、攪拌装置、窒素導入管を付したセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで1.0〜1.2mmHgの減圧下、温度240℃の条件で3.0時間反応させ、比較ポリエステル(1)を得た。GPC測定による数平均分子量は89000、DSC測定による融点は、99.6℃であった。また、トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステルに対して5.6重量%であった。
【0106】
反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプの性能低下は見られなかった。
【0107】
得られた比較ポリエステル(1)で、圧縮成型器を用いて成形温度130℃、成形圧力150kgf/cm 、成形時間2分間の条件下で成形し、厚さ200μmのフィルムを作成した。このフィルムをダンベルに打ち抜き、引張試験をしたが、試験開始直後に破断し、測定は不可能であった。
【0108】
【表1】
Figure 0003574627
【0109】
【発明の効果】
本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、裂け易さの改良された高分子量脂肪族ポリエステルである。さらに高分子量脂肪族ポリエステルは、生分解性を有しかつ実用的な破断強度を持ち、ゲル状物が少ない点で優れている。したがって、本発明の高分子量脂肪族ポリエステルは、使い捨ての包装材料や日用雑貨品等に有効に使用できる。
【0110】
本発明の成型品は、裂け易さが改良され、生分解性を有しているため、使い捨ての包装材料や日用雑貨品等に有用である。

Claims (4)

  1. 分岐状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(A)を1モル%以上と、直鎖状の炭化水素基を有する脂肪族エステル単位(B)を99モル%以下とを含み、
    数平均分子量30000〜200000である
    高分子量脂肪族ポリエステル。
  2. プラスチックの引張試験(ASTM−D882−90(A法))における引張速度1000mm/分で測定したときの破断伸度が10%以上である
    請求項1に記載の高分子量脂肪族ポリエステル。
  3. 脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族グリコール成分とを反応させて得られたものであり、
    前記脂肪族ジカルボン酸成分全体の1〜40重量%の分岐状脂肪族ジカルボン酸および/またはその無水物、あるいは、前記脂肪族グリコール成分全体の1〜40重量%の分岐状脂肪族グリコールおよび/またはそのエポキシドが用いられてなる
    請求項1または2記載の高分子量脂肪族ポリエステル。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の高分子量脂肪族ポリエステルを含有してなる成型品。
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