JP3542871B2 - 柔軟化されたポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟化されたポリエステルフィルムに関する。柔軟化されたポリエステルフィルムは、軟質塩化ビニルフィルムあるいはナイロンフィルムに代わる透明性の高い軟質材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエステルの代表例であるポリエチレンテレフタレート(PET)は、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、透明性、その他の多くの優れた特性から、繊維、成形材料、包装材料、磁気記録材料などの幅広い分野で使用されているが、柔軟性が乏しいため、ラッピング用フィルムあるいは包装材料などには用いられておらず、透明性の高い軟質材料としては軟質塩化ビニルやナイロンなどが主として使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、軟質塩化ビニルでは、経時的な可塑剤のブリードアウトが起こりフィルムが硬化したり、さらに焼却処理では人体に有害な塩素ガスを発生するなど環境問題を有しており、またナイロンでは特に吸湿率および湿度膨張係数が大きくフィルムの平面性が損なわれ、蒸着加工が困難であり、吸湿時に印刷・ラミネート層の接着力が低下する等の問題がある。これらの問題から軟質塩化ビニルフィルムあるいはナイロンフィルムにかわる透明性の高い軟質材料として、柔軟化ポリエステルフィルムが期待されていた。
【0004】
これら問題を解決する手段として脂肪族ポリエステル成分と芳香族ポリエステル成分から成るブロックコポリエステルが提案されてきたが、脂肪族ポリエステルの数平均分子量が低いため成型の際の加熱で起こるランダム化反応による物性低下が著しかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、これらの従来技術の欠点を解消せしめ、可塑剤のブリードアウトが少なく、耐水性に優れ、柔軟性を有した、透明な軟質塩化ビニルあるいはナイロンに代わる柔軟化されたポリエステルフィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、芳香族ポリエステルと特定の脂肪族ポリエステルとを反応させて得られるブロックコポリエステルを含んでなるフィルムにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、芳香族ポリエステルと数平均分子量10000以上の脂肪族ポリエステルとを反応させて得られるブロックコポリエステルを含んでなり、前記芳香族ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、前記脂肪族ポリエステルが、多塩基酸あるいはそのエステルとグリコールとを重縮合してなるもの、環状酸無水物と環状エーテルとを開環重合してなるものから選ばれるものであり、前記ブロックコポリエステルが、前記芳香族ポリエステルと前記脂肪族ポリエステルとを重量比で5/95〜95/5の範囲で反応させてなるものである柔軟化されたポリエステルフィルムに関する。
【0007】
該フィルムの引張弾性率は、10〜10000kgf/cm2であることが、実用上好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で言う「柔軟化」とは、例えば厚さ100ミクロンのフィルムを、ASTM−D882−90(A法)に準じて引張弾性率を測定したときの値が、従来の芳香族ポリエステルフィルムに比較して低下していることを言う。
【0009】
本発明のフィルムの引張弾性率は、通常10〜10000kgf/cm2、好ましくは10〜5000kgf/cm2である。引張弾性率が10kgf/cm2未満の場合、フィルムに適度な腰がなくなり取り扱いにくい。引張弾性率が10000kgf/cm2を超える場合、柔軟性がなくなり包装材料としての特徴がなくなる。
【0010】
また本発明のフィルムの引張強度は、通常50kgf/cm2以上、好ましくは100kgf/cm2以上、破断伸度は200%以上、また融点は150℃以上が好ましい。引張強度および破断伸度がこれ以下の時は非常に脆い感じのフィルムとなり、また融点がこれ以下になると使用用途が限定される。
【0011】
ブロックコポリエステル
本発明に用いるブロックコポリエステルは、例えば、芳香族ポリエステルと、数平均分子量10000以上、通常10000〜100000の範囲の脂肪族ポリエステルとをブロック化反応させて得られる。
【0012】
前記芳香族ポリエステルと前記脂肪族ポリエステルとの反応比率は、特に制限はないが、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとの重量比で5/95〜95/5となるようにするのが好ましく、更に好ましくは25/75〜75/25である。脂肪族ポリエステルがこの範囲より少ないと柔軟化の効果が小さくなり好ましくない。またこの範囲より多いと融点が低くなり好ましくない。
【0013】
ブロック化反応させる方法としては、例えば前記芳香族ポリエステルと前記脂肪族ポリエステルとを溶融あるいは溶剤に溶解させて、
(a)エステル交換反応によりブロック化させる方法、あるいは、
(b)種々の鎖延長剤を用いてブロック化反応させる方法、
等が挙げられる。
【0014】
前記ブロック化反応では、用いる方法により反応条件は異なり、また反応せしめる芳香族ポリエステルの種類、脂肪族ポリエステルの種類、その末端基の濃度、溶剤の有無、溶剤の種類、鎖延長剤の種類、反応系内の水分率等の種々の条件により反応条件は異なる。
【0015】
ブロック化反応に使用できる溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0016】
前記(a)の方法におけるエステル交換反応は、一般的には窒素気流中、150℃以上、好ましくは200℃以上、更に好ましくは250℃以上の反応温度で行われる。前記(a)の方法は、加圧または減圧または常圧下の何れで行ってもよい。
【0017】
前記エステル交換反応には通常、少量の触媒を用いる必要がある。触媒としては、通常用いられているものであれば特に制限はないが、Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、Co、Zr、Hf、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、Mg、Sn、Ba、Ni等の有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が挙げられる。触媒の使用量は、通常得られる脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、このましくは0.01から0.5重量部である。ただし、すでにこれらの触媒を含んだ芳香族ポリエステルあるいは脂肪族ポリエステルを用いる場合は、新たに触媒を追加することなくエステル交換反応を行っても何ら差し支えない。
【0018】
また前記(b)の方法における鎖延長剤による反応は、一般的には窒素気流中、20〜300℃、好ましくは100〜200℃の反応温度で行われる。
【0019】
前記(b)の方法は、加圧または減圧または常圧下の何れで行ってもよい。
【0020】
前記鎖延長剤としては、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよい。
【0021】
イソシアナート化合物としては特に制限はないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有するものであり、例えば、トリレンジイソシアナート(「TDI」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等のイソシアナート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアナート化合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアナート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン(株)社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、ブロックイソシアナートを使用しても構わない。
【0022】
ポリエステルとイソシアナート化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシアナート化合物が有するイソシアナート基とポリエステルが有する水酸基との比率(NCO/OH(モル比))が0.5〜3.0であることが好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。
【0023】
なお、ポリエステルとイソシアネート化合物とのウレタン化反応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物や第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0024】
エポキシ化合物としては特に制限はないが、分子中に少なくとも二個エポキシ基を有するものであり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0025】
なお、ポリエステルとエポキシ化合物との反応を促進するために、必要に応じて、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0026】
アジリジン化合物としては特に制限はないが、例えば2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、N,N’−テトラメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ペンタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘキサメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘプタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−オクタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−フェニレンビスエチレン尿素、N,N’−トルイレンビスエチレン尿素、N,N’−ジフェニル−4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメトキシジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、ジフェニルメタンP,P−ビスエチレン尿素等が挙げられる。これらの一種または二種以上を用いることができる。
【0027】
アジリジン化合物の使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0028】
オキサゾリン化合物としては特に制限はないが、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。これらの中から一種または二種以上を用いることができる。さらに好ましくは2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドである。
【0029】
ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、オキサゾリン化合物が有する2−オキサゾリン基(Ox)とポリエステルが有するカルボキシル基(COOH)との比率(Ox/COOH(モル比))が0.5〜10.0であることが好ましく、0.8〜5.0であることがより好ましい。
【0030】
なお、ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応を促進するために、必要に応じて、酸性化合物のアミン塩等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0031】
多価金属化合物としては特に制限はないが、2価以上の有機金属化合物、金属塩および/または金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0032】
2価以上の有機金属化合物および/または金属塩の好ましい金属としては、亜鉛、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、コバルト、バリウムなどが挙げられる。さらに好ましくは中和後、反応系中から多価金属化合物の対アニオンを揮発分として分離・回収できる亜鉛(II)アセチルアセトネート、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
【0033】
金属アルコキシドとしてはアルミニウムイソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタンなどが挙げられる。
【0034】
ポリエステルと多価金属化合物との反応比率は特に限定されないが、ポリエステル末端のカルボキシル基と2価以上の有機金属化合物および/または金属塩との中和反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステルが有するカルボキシル基との比率(金属化合物/COOH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0035】
ポリエステル末端の水酸基と金属アルコキシドとの反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステルが有する水酸基との比率(金属化合物/OH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0036】
多官能酸無水物としては特に制限はないが、例えば、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0037】
多官能酸無水物の使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0038】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルとしては特に制限はないが、ジエステル、トリエステルいずれでもよくエステル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、2−エチルヘキシルなどが挙げられるが反応性、経済性を考慮するとメチル、エチル、フェニルが好ましい。
【0039】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルの使用量はポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0040】
また反応時間の目安としては、反応装置・反応スケールにもよるが、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとがブロック化した時点(反応系内が懸濁状から透明になった時点)から5時間程度の間であり、系内が懸濁状の時に反応を終了すると単に芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルをブレンドしただけの剛直なフィルムしか得られず、また5時間以上になるとランダム化による融点の低下が著しく、また弾性率も増大し始めるので好ましくない。
【0041】
前記ブロック化反応の際には、前記芳香族ポリエステルと前記脂肪族ポリエステルとのランダム化反応の抑制・防止のために、リン系化合物、硫黄エステル系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を必要により添加することができる。
【0042】
また前記ブロックコポリエステルには、必要に応じて他の成分、例えば結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑剤、他の重合体を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
【0043】
芳香族ポリエステル
本発明におけるブロックコポリエステルの原料である芳香族ポリエステルは、主としてテレフタル酸と炭素数2以上のグリコールを用いて、公知の方法により得ることができる。テレフタル酸以外の多塩基酸としては、例えばイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、これらを小割合共重合したものであっても良く、場合によってはコハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を物性の低下しない範囲で少量共重合したものでも良い。炭素数2以上のグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール等が挙げられる。これらのうちで、得られる芳香族ポリエステルの融点、経済性を考慮するとテレフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸と1,4ーブタンジオールの組合せが好ましい。
【0044】
上記の如き芳香族ポリエステルは、更に二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き三官能以上の多官能化合物の一種以上を、必要により少量共重合したポリエステルであっても良い。
【0045】
脂肪族ポリエステル
本発明におけるブロックコポリエステルの原料である脂肪族ポリエステルの分子量は、数平均分子量10000以上であれば特に限定されないが、通常10000〜100000、好ましくは25000〜80000、更に好ましくは40000〜70000の範囲である。脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルのランダム化反応による物性低下を防ぐためには脂肪族ポリエステルの数平均分子量が少なくとも10000以上必要である。これよりも低くなるとランダム化による物性低下あるいは融点の低下が著しくなる。熱的な劣化や強度などを考慮すると脂肪族ポリエステルの数平均分子量は25000以上が好ましく、40000以上が更に好ましい。また、数平均分子量を100000以上にするには反応に長時間要し、工業的に不利である。長時間反応することで分解等により生成する揮発分が多くなるので、数平均分子量は100000以下であり、80000以下が好ましく、70000以下が更に好ましい。
【0046】
前記脂肪族ポリエステルを得るには、
(i)多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコールを重縮合する方法
(ii)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方法
等が挙げられる。
【0047】
(i)の方法で用いられる多塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸あるいはそれらのエステル等が挙げられ、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール等が挙げられる。また、グリコール成分の一部としてポリオキシアルキレングリコールを使用することも可能であり、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびこれらの共重合体が例示される。
【0048】
脂肪族ポリエステルの製造に際しては多塩基酸(あるいはそのエステル)成分およびグリコール成分の全量を初期混合し反応させてもよく、または反応の進行にともなって分割して添加してもさしつかえない。重縮合反応としては通常のエステル交換法またはエステル化法さらには両方の併用によっても可能であり、また必要により反応容器内を加圧または減圧にすることにより重合度を上げることができる。エステル交換反応には通常、少量の触媒を用いる必要がある。触媒としては、通常用いられているものであれば特に制限はないが、Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、Co、Zr、Hf、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、Mg、Sn、Ba、Ni等の有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が挙げられる。触媒の使用量は、通常得られる脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、このましくは0.01から0.5重量部である。
【0049】
以上の(i)の方法により、前記多塩基酸(あるいはそのエステル)と前記グリコールとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルが得られる。これらのうちで、得られる脂肪族ポリエステルの融点、ガラス転移点、経済性を考慮すると、コハク酸と炭素数2以上の前記グリコールとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルが好ましく、コハク酸とエチレングリコールとからなる構造単位、及び/またはコハク酸と1,4ーブタンジオールとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルがさらに好ましい。
【0050】
(ii)の方法で用いられる環状酸無水物としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、等が挙げられる。環状エーテルとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、テトラヒドロフラン、オキセパン、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。開環重合は公知の開環重合触媒を用い、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。
【0051】
以上の(ii)の方法により、前記環状酸無水物と前記環状エーテルとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルが得られる。これらのうちで、得られる脂肪族ポリエステルの融点、ガラス転移点、経済性を考慮すると、無水コハク酸と前記環状エーテルとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルが好ましく、無水コハク酸とエチレンオキシドとからなる構造単位を有する脂肪族ポリエステルがさらに好ましい。
【0052】
このような脂肪族ポリエステルを得る方法のなかで、比較的短い時間で工業的に効率よく製造できる方法としては、(ii)の環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方法がより好ましい。
【0053】
以下に、(ii)の環状酸無水物と環状エーテルの開環重合についてさらに詳しく説明する。
【0054】
(ii)の方法に用いられる無水コハク酸等の環状酸無水物は、これまで単独重合しないことが知られていた。このような単独重合しない環状酸無水物に対し、重合触媒の存在下に環状エーテルを逐次的に添加して重合させることによって、実質的に酸成分とアルコール成分が交互共重合したポリエステルを短時間で生成させ得る。
【0055】
該重合は溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。溶媒中での重合では環状酸無水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環状酸無水物を溶融させてから本発明に用いる。
【0056】
溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも行うことができ、その際使用される溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0057】
重合触媒としては、特に限定はなく、通常ポリエステルを開環重合する際に使用するものを用いる。例えばテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−ジ−iso−プロポキシアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、テトラエトキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、トリ−iso−プロポキシガリウム、トリ−iso−プロポキシアンチモン、トリ−iso−ブトキシアンチモン、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−t−ブトキシボロン、トリ−iso−プロポキシガリウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−t−ブトキシゲルマニウムなどの金属アルコキド;五塩化アンチモン、塩化亜鉛、臭化リチウム、塩化すず(IV)、塩化カドミウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテルなどのハロゲン化物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、トリ−iso−ブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛などのアルキル亜鉛;トリアリルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの三級アミン;リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸およびそのアルカリ金属塩;三塩化ジルコニウム、オクチル酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、硝酸ジルコニールなどのジルコニウム化合物等が挙げられ、中でもオクチル酸ジルコニール、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシアルミニウム化合物が特に好ましい。重合触媒の使用量には特に制限はないが、通常環状酸無水物および環状エーテルの合計量に対して0.001〜10重量%である。重合触媒の添加方法は環状酸無水物に添加しておいてもよく、環状エーテルのように逐次添加してもよい。
【0058】
重合温度は、環状酸無水物と環状エーテルが反応する温度であれば特に制限はないが、10〜250℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは100〜150℃である。反応に際して、反応容器内の圧力は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類によって異なるが、環状エーテルの逐次的な添加による圧力の上昇に伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成物中のポリエーテル成分を増やすことになり好ましくない。したがって、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm2 が好ましく、より好ましくは常圧〜15kgf/cm2 となるように環状エーテルを添加する。
【0059】
環状エーテルの逐次添加は、環状酸無水物100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを3〜90重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の割合で行なう。
【0060】
環状エーテルの添加速度が下限の3重量部より遅い場合には、反応が長時間となり生産性が低下するなど工業的に好ましくない。また、上限の90重量部より速い場合には、反応生成物中のポリエーテル成分が増加して融点の低いポリエステルしか得られなくなる。
【0061】
なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状エーテルを一括して添加しないことであり、連続的に滴下する方法や多段階に分割して断続的に添加する方法のいずれでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変動しないように連続的に添加するのがよい。
【0062】
以上の(ii)の方法の好ましい実施態様としては、具体的には、溶融あるいは溶媒中に溶解させた無水コハク酸を主成分とする環状酸無水物を仕込んだ反応容器に、重合触媒の存在下で反応容器内の圧力を0 kgf/cm2〜50kgf/cm2 に維持しながら、環状酸無水物100重量部に対し1時間あたり3〜90重量部の割合で酸化エチレンを主成分とする環状エーテルを逐次的に添加することが挙げられ、こうして得られた開環共重合体の脂肪族ポリエステルを用いることが好ましいものである。
【0063】
(ii)の方法における環状酸無水物および環状エーテルの反応比率は、これらのモル比で40/60〜60/40の比率となるようにするのが好ましく、残存環状酸無水物および脂肪族ポリエステルの末端カルボキシル基がポリエステルの物性を低下させることを考慮すると環状エーテルを過剰に添加するために40/60〜49/51の比率となるようにするのがさらに好ましい。このようにすることにより、脂肪族ポリエステルの末端カルボキシル基は全末端基中の50%未満となり、耐熱性が向上する。この比率の範囲をはずれると、未反応モノマーが増大して収率が低下することがある。本発明で前記モル比を考慮して決定した所定量の環状エーテルを逐次添加し終わった後、前記反応温度で重合を継続して熟成するのが好ましい。熟成反応後に重合系から生成したポリエステルを分離すればよい。
【0064】
(i)、(ii)の方法によって得られた脂肪族ポリエステルも数平均分子量が10000よりも低い場合、さらにエステル交換反応で高分子量化しても良いし、種々の鎖延長剤と反応させて高分子量化しても良い。
【0065】
それに用いることのできる鎖延長剤としては、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよい。
【0066】
イソシアナート化合物としては特に制限はないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有するものであり、例えば、トリレンジイソシアナート(「TDI」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等のイソシアナート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアナート化合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアナート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン(株)社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、ブロックイソシアナートを使用しても構わない。
【0067】
脂肪族ポリエステルとイソシアナート化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシアナート化合物が有するイソシアナート基と脂肪族ポリエステルが有する水酸基との比率(NCO/OH(モル比))が0.5〜3.0であることが好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。
【0068】
なお、脂肪族ポリエステルとイソシアネート化合物とのウレタン化反応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物や第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0069】
エポキシ化合物としては特に制限はないが、分子中に少なくとも二個エポキシ基を有するものであり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0070】
エポキシ化合物との反応は、まず環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させ、得られた脂肪族ポリエステルとエポキシ化合物を反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルとエポキシ化合物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルとエポキシ化合物を同時に開環反応させ、さらにエポキシ化合物を反応させる方法がある。
【0071】
なお、脂肪族ポリエステルとエポキシ化合物との反応を促進するために、必要に応じて、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0072】
アジリジン化合物としては特に制限はないが、例えば2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、N,N’−テトラメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ペンタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘキサメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘプタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−オクタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−フェニレンビスエチレン尿素、N,N’−トルイレンビスエチレン尿素、N,N’−ジフェニル−4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメトキシジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、ジフェニルメタンP,P−ビスエチレン尿素等が挙げられる。これらの一種または二種以上を用いることができる。
【0073】
アジリジン化合物の使用量は脂肪族ポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0074】
オキサゾリン化合物としては特に制限はないが、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。これらの中から一種または二種以上を用いることができる。さらに好ましくは2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドである。
【0075】
脂肪族ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、オキサゾリン化合物が有する2−オキサゾリン基(Ox)と脂肪族ポリエステルが有するカルボキシル基(COOH)との比率(Ox/COOH(モル比))が0.5〜10.0であることが好ましく、0.8〜5.0であることがより好ましい。
【0076】
なお、脂肪族ポリエステルとオキサゾリン化合物との反応を促進するために、必要に応じて、酸性化合物のアミン塩等の公知の触媒を用いることは自由である。
【0077】
多価金属化合物としては特に制限はないが、2価以上の有機金属化合物、金属塩および/または金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0078】
2価以上の有機金属化合物および/または金属塩の好ましい金属としては、亜鉛、カルシウム、銅、鉄、マグネシウム、コバルト、バリウムなどが挙げられる。さらに好ましくは中和後、反応系中から多価金属化合物の対アニオンを揮発分として分離・回収できる亜鉛(II)アセチルアセトネート、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
【0079】
金属アルコキシドとしてはアルミニウムイソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタンなどが挙げられる。
【0080】
脂肪族ポリエステルと多価金属化合物との反応比率は特に限定されないが、脂肪族ポリエステル末端のカルボキシル基と2価以上の有機金属化合物および/または金属塩との中和反応の場合、例えば、金属化合物とポリエステルが有するカルボキシル基との比率(金属化合物/COOH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0081】
脂肪族ポリエステル末端の水酸基と金属アルコキシドとの反応の場合、例えば、金属化合物と脂肪族ポリエステルが有する水酸基との比率(金属化合物/OH(モル比))が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0082】
多官能酸無水物としては特に制限はないが、例えば、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0083】
多官能酸無水物との反応は、まず環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させ、得られた脂肪族ポリエステルと多官能酸無水物を反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルと多官能酸無水物を同時に開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテルと多官能酸無水物を同時に開環反応させ、さらに多官能酸無水物を反応させる方法がある。
【0084】
多官能酸無水物の使用量は脂肪族ポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0085】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルとしては特に制限はないが、ジエステル、トリエステルいずれでもよくエステル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、2−エチルヘキシルなどが挙げられるが反応性、経済性を考慮するとメチル、エチル、フェニルが好ましい。
【0086】
リン酸エステルまたは亜リン酸エステルの使用量は脂肪族ポリエステルに対して0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0087】
鎖延長剤と脂肪族ポリエステルの反応温度は20〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜200℃である。
【0088】
鎖延長剤と脂肪族ポリエステルとの反応方法は特に制限はないが、脂肪族ポリエステルを適当な溶媒に溶かして鎖延長剤と反応させる方法、脂肪族ポリエステルを加熱溶融させて鎖延長剤と反応させる方法などが挙げられる。
【0089】
フィルムの製造方法
本発明のフィルムの製造方法は、特に限定されないが、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法、キャスト法、切削法、エマルション法、およびホットプレス法などがある。
【0090】
例えばTダイ法であれば、ブロックコポリエステルを押し出し機より溶融押し出しして、T型口金等を用いて、シート状に口金より吐出させ、冷却ロールまたは水等の冷媒中に導いて固化させる。通常押し出し温度は融点〜融点+80℃の温度範囲であり、また冷却温度は5〜90℃の範囲であることが好ましい。
【0091】
またホットプレス法は、ペレットを2枚の熱板の間で、圧縮成形機により加圧して製膜する方法である。この時のプレス温度は融点〜融点+80℃の範囲であり、プレス圧は10〜200kgf/cm2、また冷却温度は5〜90℃の範囲であることが好ましい。
【0092】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、例中の部は重量部を表わす。実施例で実施した評価方法は以下の通りである。結果は、表1および表2に示した。
【0093】
(融点)
DSC(セイコー電子工業社製SSC5200型)を用いて、サンプル20mgを窒素気流下で280℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。このサンプルを6℃/分の速度で昇温する過程で結晶溶融に基づく吸熱ピーク温度を融点とした。
【0094】
(引張試験)
厚さ100ミクロンのフィルムを作成し、ASTM−D882−90(A法)に準じて引張強度(破断時)、破断伸度、引張弾性率を測定した。
【0095】
(実施例1)
オートクレーブに無水コハク酸500.0部およびオクチル酸ジルコニール4.90部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートクレーブを徐々に130℃まで昇温して無水コハク酸を溶融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.5kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレン231.1部を1時間あたり58部の添加速度で4.0時間にわたって連続的に導入した。酸化エチレン導入後130℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にもどすことにより、重合生成物を得た。得られた重合生成物をクロロホルムに溶解させてテトラヒドロフラン中で沈澱精製する操作を3回繰り返して脂肪族ポリエステル(1)を得た。この脂肪族ポリエステル(1)の収率を求めたところ99.2%であった。また、GPC測定による数平均分子量は14600、DSCによる融点は101.2℃であった。
【0096】
得られた脂肪族ポリエステル(1)とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)とを 25/75の重量比率でフラスコに仕込み、窒素気流中、0.9〜1.1mmHgの減圧下、280℃の条件で1時間反応させると系内の樹脂が透明になったので反応を終了した。
【0097】
得られたブロック化コポリエステルを、240℃、100kgf/cm2、2分間の条件でホットプレス法により、厚さ100ミクロンのフィルムを得た。
【0098】
(実施例2〜4)
実施例1で得られた脂肪族ポリエステル(1)とポリエチレンテレフタレート(同上)との反応比率(重量比)を、それぞれ40/60、50/50、75/25に変えた以外は実施例1と同様にして、厚さ100ミクロンのフィルムを得た。
【0099】
(実施例5)
実施例1で得られた脂肪族ポリエステル(1)12.0部を、温度計、攪拌装置および窒素導入管を付した50ミリリットルのセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで0.9〜1.1mmHgの減圧下、温度240℃の条件で1.5時間反応させ、脂肪族ポリエステル(2)を得た。GPC測定による数平均分子量は44000、DSC測定による融点は、102.0℃であった。
【0100】
得られた脂肪族ポリエステル(2)40.0部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)60.0部をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.9〜1.1mmHgの減圧下、280℃の条件で1.0時間反応させると系内の樹脂が透明になったので反応を終了した。
【0101】
得られたブロックコポリエステルを260℃、100kgf/cm2、2分間の条件でホットプレス法により、厚さ100ミクロンのフィルムにした。
【0102】
(実施例6)
実施例1で得られた脂肪族ポリエステル(1)12.0部を温度計、攪拌装置、窒素導入管を付した50ミリリットルのセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで0.9〜1.1mmHgの減圧下、温度240℃の条件で3.0時間反応させ、脂肪族ポリエステル(3)を得た。GPC測定による数平均分子量は60000、DSC測定による融点は、102.1℃であった。
【0103】
得られた脂肪族ポリエステル(3)40.0部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)60.0部をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.9〜1.1mmHgの減圧下、280℃の条件で1.0時間反応させると系内の樹脂が透明になったので反応を終了した。
【0104】
得られたブロックコポリエステルを260℃、150kgf/cm2、2分間の条件でホットプレス法により、厚さ100ミクロンのフィルムを得た。
【0105】
(比較例1)
温度計、攪拌機、窒素導入管および分流冷却器を備えた容量200ミリリットルのセパラブルフラスコに無水コハク酸60.06部、エチレングリコール37.24部およびオクチル酸ジルコニール0.36部を加え、窒素置換を行った。次に8.2時間かけて反応温度148〜208℃、フラスコ内の圧力を常圧から0.2mmHgに減圧しながら反応させ、重合生成物を得た。GPC測定による数平均分子量は6500であった。
【0106】
得られた重合生成物40.0部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)60.0部をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.9〜1.1mmHgの減圧下、280℃の条件で1.0時間反応させると系内の樹脂が透明になったので反応を終了した。
【0107】
得られたブロックコポリエステルを240℃、100kgf/cm2、2分間の条件でホットプレス法により、厚さ100ミクロンのフィルムを得た。
【0108】
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)を260℃、150kgf/cm2、2分間の条件でホットプレス法により、厚さ100ミクロンのフィルムを製造し、本発明の柔軟化されたポリエステルフィルムと物性を比較した。
【0109】
(比較例3〜4)
厚さ100ミクロンの、市販の軟質塩化ビニル(PVC)フィルム(三菱化成ビニル(株)製アルトロン#380)およびナイロン6(PA6)フィルムを、本発明のポリエステルフィルムと物性を比較した。
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、脂肪族ポリエステル成分と芳香族ポリエステル成分とを含むブロックコポリエステルの成型の際の加熱で起こるランダム化反応による物性低下がなく、可塑剤のブリードアウトが少なく、柔軟性を有し、透明な軟質塩化ビニルやナイロンに代わる柔軟化されたポリエステルフィルムを提供できる。
【0113】
本発明の柔軟化されたポリエステルフィルムは、例えば一般用あるいは食品用包装用フィルム、マーキングフィルム、農業用ハウスフィルム、農業用マルチフィルム、カバーフィルム、粘着テープ、粘着ラベル、包装ケース、建材ラミネート用フィルム等に有用である。
Claims (4)
- 芳香族ポリエステルと数平均分子量10000以上の脂肪族ポリエステルとを反応させて得られるブロックコポリエステルを含んでなり、
前記芳香族ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、
前記脂肪族ポリエステルが、多塩基酸あるいはそのエステルとグリコールとを重縮合してなるもの、環状酸無水物と環状エーテルとを開環重合してなるものから選ばれるものであり、
前記ブロックコポリエステルが、前記芳香族ポリエステルと前記脂肪族ポリエステルとを重量比で5/95〜95/5の範囲で反応させてなるものである
柔軟化されたポリエステルフィルム。 - 前記ポリエステルフィルムの引張弾性率が10〜10000kgf/cm2である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 前記脂肪族ポリエステルに含まれる鎖延長剤が10重量%以下である
請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。 - 前記脂肪族ポリエステルが、溶融あるいは溶媒中に溶解させた無水コハク酸を主成分とする環状酸無水物を仕込んだ反応容器に、重合触媒の存在下で反応容器内の圧力を0 kgf/cm2〜50kgf/cm2に維持しながら、環状酸無水物100重量部に対し1時間あたり3〜90重量部の割合で酸化エチレンを主成分とする環状エーテルを逐次的に添加して得られた開環共重合体である請求項1〜3の何れかに記載のポリエステルフィルム。
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