JPH0827256A - 高分子量ポリ乳酸共重合体及びその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリ乳酸共重合体及びその製造方法

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JPH0827256A
JPH0827256A JP6163571A JP16357194A JPH0827256A JP H0827256 A JPH0827256 A JP H0827256A JP 6163571 A JP6163571 A JP 6163571A JP 16357194 A JP16357194 A JP 16357194A JP H0827256 A JPH0827256 A JP H0827256A
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polylactic acid
diol
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average molecular
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JP6163571A
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Rika Miyoshi
里佳 三好
Tadaki Sakai
忠基 酒井
Noriaki Hashimoto
憲明 橋本
Yukihiro Sumihiro
幸弘 炭廣
Kayoko Yokota
佳代子 横田
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子内にポリウレタン構造を有する数平均分
子量(Mn)が50,000〜150,000のポリ乳
酸重合体、及び数平均分子量(Mn)が500〜5,0
00の乳酸プレポリマーをジオールオリゴマーと共重合
させポリ乳酸ジオールを得、このポリ乳酸ジオールとジ
イソシアネート化合物との鎖延長化反応を行うことを特
徴とするポリ乳酸共重合体の製造方法。 【効果】 工業的に有利に、優れた物性をもつポリマー
を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性プラスチック
として有用な高分子量のポリ乳酸共重合体、及び当該共
重合体又はその成形体を工業的に有利に製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性プラスチックは、使用目的を果
たした後には環境下で分解され、最終的に低分子化合物
の形で自然界へ還元されていく材料として、昨今注目を
集めている。中でも脂肪族のポリエステル類は、微生物
や水分などにより完全にモノマーまで分解され、最終的
には二酸化炭素や水として自然界へ還元される特性をも
つことから、医用材料を初め、最近では使用後に環境中
へ廃棄されることが予想される汎用資材への展開も検討
され始めている。
【0003】このような脂肪族ポリエステル系生分解性
プラスチックの代表として、ポリ乳酸はその優れた分解
特性や透明性などに加えて、他のポリマーとの相溶性も
良好で改質も容易に行えることから、最も将来性のある
材料の一つとしてその応用展開が期待されている。
【0004】このような性質をもつポリ乳酸の製造法に
は、乳酸の環状二量体すなわちラクチドを原料とし、こ
れを開環重合する方法、及び乳酸そのものを直接重縮合
する方法がある。
【0005】工業的には、前者のラクチドを経由するプ
ロセスの方が、イオン重合によって反応が連鎖的に進行
し、かつ得られるポリマーの分子量も数十万以上と高い
ことから有利であり、そのプロセスが既に確立されてい
る。
【0006】しかしながら、この方法では、原料である
ラクチドの合成や精製が複雑で多大な費用と人手を要す
ることから、ポリマー製品の価格を高騰化させ、同材料
の用途範囲を限定してしまう要因となっていた。
【0007】これに対して後者の直接重縮合法は、上述
のように煩雑な工程を経ないためにポリマーが安価に製
造できるという利点がある代わりに、原料である乳酸の
水酸基が第二級であり、第一級のそれに比べると反応性
が劣ること、またポリエステルの重縮合反応における平
衡は必ずしもポリマー生成側に移行するものではないこ
とから、反応時間が長くなる上に生成したポリマーの分
子量も数万程度に留まってしまうことが知られている。
【0008】一方、ポリ乳酸の用途として最も有望であ
ると思われるフィルムの分野では、成形品に対してかな
り厳しい物性が要求されることから、同ポリマーの分子
量(数平均分子量:Mn)を最低でも数万以上とする必
要があり、直接重縮合法により得られたポリ乳酸は、こ
の点で充分とは言えない。更に、ポリ乳酸は単体で成形
すると、光学活性体(L−体,D−体)は結晶性である
ため剛性が高く、光学活性のないラセミ体(D,L−
体)は非晶性のために絶対的な強度が不足するという製
品化に際しての問題点があった。
【0009】これらの課題を解決するために、乳酸オリ
ゴマーをプレポリマーとしてこれにジクロリド化合物な
どの酸塩化物を反応させた後、溶融重縮合を行わせた
り、アミン化合物と重合化させて高分子量化する方法が
開発されてきたが(特開昭62−280220号)、こ
の方法でも得られるポリマーの数平均分子量(Mn)は
最大でも40,000程度であり、用途としてはコーテ
ィング材など、あまり機械的な強度を必要としないもの
に限定されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、機械的強度に優れた高分子量のポリ乳酸及びその工
業的に有利な製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行ったところ、その分子内にポリウレ
タン構造を有するポリ乳酸共重合体が機械的強度が強
く、かつフィルム等に成形した場合に良好な柔軟性も有
する等の優れた特性を有することを見出した。さらに、
公知の方法で予め乳酸プレポリマーを製造しておき、こ
れにジオール化合物を反応させ、プレポリマーの末端カ
ルボキシル基をイソシアネートと反応し易い水酸基に置
換した後、ジイソシアネート化合物と鎖延長化反応を行
えば、従来の直接重縮合法のように高温、高真空下で長
時間反応させるという過酷な条件は必要なく、ポリマー
が熱分解や酸化劣化などを起こさずに、新たなモノマー
単位との共重合反応により無理なく高分子量化を図るこ
とができ、工業的に有利に当該ポリ乳酸共重合体が得ら
れることを見出し本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は分子内にポリウレタン
構造を有する数平均分子量(Mn)が50,000〜1
50,000のポリ乳酸共重合体及びその製造方法を提
供するものである。
【0013】本発明のポリ乳酸共重合体の数平均分子量
(Mn)は10,000〜150,000であれば特に
制限されないが、フィルム成形性、機械的強度等の観点
から30,000〜150,000、特に50,000
〜150,000が好ましい。また、本発明のポリ乳酸
共重合体における、ポリ乳酸構造とポリウレタン構造の
構成比は2/1〜1/1であり、生分解性の観点からす
るとポリウレタン構造の少ない方が好ましい。さらに、
当該共重合体は、数平均分子量(Mn)が500〜5,
000のポリ乳酸プレポリマー、ジオール化合物及びジ
イソシアネート化合物の共重合体であるのが好ましい。
【0014】本発明のポリ乳酸共重合体は、例えば数平
均分子量(Mn)が500〜5,000の乳酸プレポリ
マーをジオール化合物と共重合させてポリ乳酸ジオール
を得、次いでこのポリ乳酸ジオールとジイソシアネート
化合物との鎖延長化反応を行うことにより製造される。
【0015】本発明方法に用いる乳酸プレポリマーの原
料たる乳酸はD−体、L−体、さらにラセミ体である
D,L−体などの単体又はその混合物である。これらは
その用途によって使い分けられる。本発明で用いる乳酸
プレポリマーは、例えば原料の乳酸を回分式の反応槽を
用いて公知の方法(特公平2−52930号)で製造す
ることができるオリゴマーであり、この数平均分子量
(Mn)は500〜5,000の範囲、好ましくは1,
000〜5,000の範囲である。この乳酸オリゴマー
の数平均分子量(Mn)は、高い値を示す方がより良好
な特性を有する高分子量体となるが、通常、乳酸の脱水
重縮合によって合成されるオリゴマーの分子量は数平均
分子量(Mn)=5,000程度が限界となるため、そ
れ以上の高分子量体を原料とすることは難しく、工業的
にみても有利とは言えない。また、数平均分子量(M
n)が500以下のプレポリマーを用いると、ジオール
化したポリ乳酸共重合体中の乳酸成分の組成割合が低下
してくるので、分解特性が劣り、合成したポリマーを生
分解性の材料として利用することが難しくなる傾向があ
る。
【0016】このようにして合成した乳酸オリゴマーを
プレポリマーとして回分式反応槽に仕込み、重縮合触媒
の存在下でジオール化合物と反応させてポリ乳酸ジオー
ルを得る。このときの触媒としては、塩化第一スズ、オ
クチル酸スズ、炭酸マンガン、酢酸マンガン、酢酸アン
チモン、酸化アンチモンなどが挙げられ、中でもスズ系
の触媒が反応速度が高いことから好ましい。ポリマーの
熱安定性、着色などを考慮に入れると、触媒の濃度は低
い方が良い。通常は、0.01〜1.0重量部の範囲が
適当であり、より好ましくは0.05〜0.5重量部の
範囲である。
【0017】ジオール化合物としては、ポリエチレング
リコール、ポリカプロラクトンジオール、ブタンジオー
ル、ポリエチレンアジペート、ポリテトラヒドロフラ
ン、シスブテンジオール、ジヒドロキシエトキシナフタ
レン、ブチンジオールなどから選ばれる一種又は二種以
上が適当であり、反応性の点を考慮に入れるとポリエチ
レングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ブタン
ジオール、ポリエチレンアジペートがより好ましい。ま
た、これらは数平均分子量(Mn)=400〜2,00
0程度のものが好ましい。反応は100mmHg以下の減圧
下が好ましく、50mmHg以下に設定するのがより好まし
い。そのときの温度は120〜200℃とするのが好ま
しく、150〜180℃の範囲とすることがより好まし
い。
【0018】反応の進行状態は、ポリ乳酸ジオールの酸
価を測定することにより把握することができる。次の工
程である鎖延長化反応を短時間で効率的に行うために
は、その酸価を5以下にしておくことが望ましい。ま
た、同反応では乳酸プレポリマーとジオール化合物のモ
ル比を1/3〜2/1の範囲に調整すると良い。得られ
るポリ乳酸の特性という観点からすると、乳酸プレポリ
マーの組成比(モル比)が大きい方が望ましいが、ジオ
ール化合物の2倍を超えると目的とする酸価まで下げる
のに時間を要するという欠点があるので適当ではない。
【0019】上述の方法によりポリ乳酸ジオールが得ら
れたら、例えばこれをスクリュ式押出機に定量供給して
70〜180℃の温度、好ましくは80〜160℃の範
囲で連続的にジイソシアネート化合物と反応させる。こ
のとき、触媒としてオクチル酸スズ、塩化第一スズ、ス
タナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、トリ
エチレンジアミンなどを添加すると反応の加速化が図
れ、好ましい。このときの触媒の濃度は0.01〜1.
0重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5
重量部である。ウレタン化反応に用いるジイソシアネー
ト化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、
ジアニシジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、フェニルイソシアネート、オ
クタデシルイソシアネート、メタキシリレンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなど、高
い沸点をもつ化合物が反応工程中に気化損失することが
少なく好ましい。ここで用いるジイソシアネート化合物
の使用量はポリ乳酸ジオールに対して、二次反応である
架橋反応を防ぐ意味でも、ポリ乳酸ジオール中のOH基
と鎖延長化剤中のNCO基とのモル比が1/1となるよ
うに厳密に制御することが望ましい。
【0020】この反応に用いる装置は、スクリュ式押出
機、特に二軸スクリュ式押出機が好ましい。これは、生
成ポリマーの分子量が増大するにつれて高粘性となるこ
とから、該プロセスにスクリュ式押出機を用いれば、そ
の強力な攪拌力を利用して反応を均一に、かつ加速的に
進行させることができるからである。二軸スクリュ式押
出機は、かみ合い型異方向回転、かみ合い型同方向回
転、非かみ合い型などのいずれであっても良いが、特に
ウレタン化反応については、セルフクリーニング性を有
するかみ合い型同方向回転二軸スクリュ式押出機が好適
である。
【0021】反応は通常溶融重合によって行われるが、
反応せずに残存したジイソシアネート化合物がポリマー
の架橋反応を起こしてゲル化の原因となるため、これら
の現象を防ぐ目的でトルエン、ベンゼン、ジオキサンな
どの溶媒を利用した溶液重合を行っても良い。その場
合、滞留時間(反応時間)の延長を目的として、押出機
の出口部にストップバルブを装着し、これを閉鎖した状
態で一定時間回分操作にて反応を行い、その後連続的に
生成したポリマーを押し出す方法によれば、より高分子
量の重合体を得ることができる。なお、溶液重合の場合
は、溶媒中の固形分(ここではポリ乳酸ジオール)の割
合が20〜30重量部、好ましくは20〜25重量部と
なるようにそれぞれの量を調整する。
【0022】上記の如き方法の他、回分式の重合反応槽
で行うポリ乳酸のジオール化反応をスクリュ式押出機で
行い、更にこれを原料とする鎖延長化反応を同時に一つ
のスクリュ式押出機で連続的に行う方法を採用してもよ
い。ただし、この方法では反応時間(滞留時間)の配分
上ジオール化及び鎖延長化の両反応が充分に進行しない
可能性があり、それぞれの反応工程を別々のスクリュ式
押出機にて行い、これらを組合せることにより連続的な
プロセスとすることが好ましい。
【0023】鎖延長化反応後のポリ乳酸共重合体は、ス
クリュ式押出機より溶融状態で吐出されるので、直ちに
ダイを通して直接フィルムやシートに加工したり、金型
に注入して中空成形品や射出成形品などを製造すること
ができる。図1に、これらのプロセスの概要を示したも
のを例示する。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。なお装置の番号は、図1の番号である。
【0025】実施例1 回分式の反応槽に数平均分子量(Mn)=5,000の
D,L−乳酸プレポリマー100重量部に対してポリエ
チレングリコール(数平均分子量(Mn)=400)を
6重量部仕込み、これに触媒としてオクチル酸スズを
0.5重量部添加し、窒素を充填させながら50mmHgの
減圧下にて180℃、2時間のジオール化反応を行っ
た。得られたポリ乳酸ジオールは数平均分子量(Mn)
=10,000で、反応後の酸価は2であった。
【0026】このポリ乳酸ジオールを押出機に供給し、
シリンダのゾーン2及び5に設けられた投入口から鎖延
長化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)を添加して、常圧でウレタン化反応を行った。この
ときのHMDI添加量は、ポリ乳酸ジオール中のOH基
とHMDI中のNCO基のモル比(以下OH/NCOと
略記)が1/1となるように調整した。
【0027】本発明で使用した押出機は日本製鋼所社製
TEX30XSSTで、L/D(L:スクリュ長,D:
スクリュ直径)比=42、スクリュ径32mmの深溝タイ
プの二軸スクリュ式押出機である。スクリュの回転方向
は同方向・異方向に切替可能となっており、本実施例で
は同方向回転で実施した。図1に示すように、本装置は
シリンダの計12ゾーンのそれぞれが異なる温度に設定
可能であり、かつ各ゾーンごとに脱気可能な3つのベン
ト口を有しているものである。なお、ここでいうゾーン
とは、シリンダの各位置によって異なる加熱温度に設定
可能という意味でのみ用いており、各ゾーン間が区切ら
れているという意味ではない。そのときの運転条件は次
の通りである。
【0028】(運転条件) 原料供給量:3.5kg/hr スクリュー回転数:100rpm シリンダ温度:ゾーン2〜5:120〜130℃、ゾー
ン6〜11:140〜160℃、ゾーン12:140℃
【0029】反応時間は、押出機内の滞留時間より算定
すると約11分であった。このようにして得られたポリ
乳酸共重合体は数平均分子量(Mn)=123,000
を示す高分子量体となった。直ちにこれをTダイを通し
て押し出し、フィルムに成形して、その機械的強度を測
定したところ、引張強さは150kgf/cm2、伸びは13
0%となり、ポリ乳酸を単独で成形したフィルムに比べ
て柔軟性などに格段の向上がみられた。
【0030】実施例2 回分式の反応槽に数平均分子量(Mn)=2,870の
D,L−乳酸プレポリマー92重量部と数平均分子量
(Mn)=490のポリカプロラクトンジオールを8重
量部仕込み、これに触媒として酢酸マンガンを0.25
重量部添加してジオール化反応を行わせた。このときの
反応温度は180℃、反応槽内を10mmHgの減圧状態と
して4時間反応を行った。得られたポリ乳酸ジオールの
酸価は3.1で、数平均分子量(Mn)は33,000
であった。
【0031】次に、このポリ乳酸ジオールを原料供給量
4.0kg/hrで実施例1と同一の押出機に投入し、シリ
ンダのゾーン2より触媒としてスタナスオクトエートを
0.5重量部の割合で添加し、さらに1,5−ナフタレ
ンジイソシアネートをゾーン2より原料供給量に対して
OH/NCO=1/1となるように投入してウレタン化
反応を行った。そのときのスクリュ回転数は100rp
m、シリンダ温度はゾーン2〜5を110〜130℃、
ゾーン6〜11を140〜150℃、ゾーン12を14
0℃に設定した。なお、反応時間は押出機内における原
料の滞留時間により算定すると、約12.5分であっ
た。反応終了後に得られたポリ乳酸共重合体の分子量を
測定したところ、数平均分子量(Mn)は85,000
であった。このポリマーを押出機より吐出後、直ちにT
ダイに通してフィルムに成形してその機械的強度を測定
したところ、引張強さは123kgf/cm2、伸びは125
%となり、透明性が高く柔軟性にも優れたフィルムであ
ることが確認された。
【0032】実施例3 回分式の反応槽に数平均分子量(Mn)=1,800の
L−乳酸プレポリマー43重量部と数平均分子量(M
n)=1,250のポリカプロラクトンジオールを57
重量部仕込み、これに触媒として塩化第一スズを0.5
重量部添加してジオール化反応を行わせた。このときの
反応温度は180℃、反応槽内を2〜3mmHgの減圧状態
として2時間反応を行った。得られたポリ乳酸ジオール
の酸価は3.0で、数平均分子量(Mn)=12,20
0であった。
【0033】次に、このポリ乳酸ジオールを実施例1と
同一の押出機に投入し、シリンダのゾーン2より触媒と
してオクチル酸スズを投入原料に対して0.5重量部の
割合で添加し、さらにHMDIを同じくゾーン2よりO
H/NCO=1/1の割合で投入して、トルエン中にて
溶液重合を行った。このとき、トルエン中の固形分(ポ
リ乳酸ジオール)の割合が25重量部となるように投入
量を調整した。その際、ダイ部に取り付けたストップバ
ルブを使用して押出機内を密閉状態とし、スクリュー回
転数80rpm で約15分間の回分操作にて重合反応を行
わせた。このときのシリンダ温度はゾーン2〜5を90
〜120℃、ゾーン6〜11を130〜150℃、ゾー
ン12を130℃に設定した。なお、反応時間は押出機
内における原料の滞留時間と回分操作による反応時間を
合計すると、約18.5分であった。
【0034】反応終了後に得られたポリ乳酸共重合体の
分子量を測定したところ、数平均分子量(Mn)で10
5,000であった。このポリマーを押出機より吐出
後、直ちにTダイに通してフィルムに成形してその機械
的強度を測定したところ、引張強さは189kgf/cm2
伸びは160%となり、透明性が高く柔軟性にも優れた
フィルムであることが確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明では、低価格の乳酸を原料として
おり、従来のラクチドを開環重合する方法に比べて、格
段に安価にポリマーを得ることができる。さらに、リア
クティブプロセッシング技術を有効に利用することによ
り、ポリマーを過酷な条件で高分子量化させなくても良
いため、反応工程中に熱劣化などの品質低下を起こすこ
となく、従来製造不可能であった高分子量でかつ良好な
物性をもったポリマーが合成できる。
【0036】また、共重合体成分としてのジオール化合
物やジイソシアネート化合物の種類、配合量を選択すれ
ば、ポリマーの物性を用途に応じて自由に制御すること
ができ、ポリ乳酸がもつ成形加工性及び製品の物性上の
問題点をも解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるポリ乳酸共重合体の製造及びフ
ィルムの直接成形システムの一例を示す図である。
【符号の説明】
1.プレポリマー製造用重合反応槽 2.二軸スクリュ式押出機 3.ギアポンプ 4.ホッパー 5.スクリーン 6.Tダイ 7.キャストロール 8.触媒及び鎖延長化剤(ジイソシアネート化合物)投
入口 9.乳酸オリゴマー 10.ジオール化合物 11.ポリ乳酸ジオール(プレポリマー) 12.ポリ乳酸共重合体 13.ポリ乳酸フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 炭廣 幸弘 広島県広島市安芸区船越南1丁目6−1 株式会社日本製鋼所内 (72)発明者 横田 佳代子 広島県広島市安芸区船越南1丁目6−1 株式会社日本製鋼所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にポリウレタン構造を有する数平
    均分子量(Mn)が50,000〜150,000のポ
    リ乳酸共重合体。
  2. 【請求項2】 数平均分子量(Mn)が500〜5,0
    00のポリ乳酸プレポリマー、ジオール化合物及びジイ
    ソシアネート化合物の共重合体である請求項1記載のポ
    リ乳酸共重合体。
  3. 【請求項3】 数平均分子量(Mn)が500〜5,0
    00の乳酸プレポリマーをジオール化合物と共重合させ
    てポリ乳酸ジオールを得、次いでこのポリ乳酸ジオール
    とジイソシアネート化合物との鎖延長化反応を行うこと
    を特徴とする分子内にポリウレタン構造を有する数平均
    分子量(Mn)が50,000〜150,000のポリ
    乳酸共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸ジオールを得る反応を回分式の
    反応槽で行った後、鎖延長化の溶融重合反応をスクリュ
    式押出機を用いて行なうことを特徴とする請求項3記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリ乳酸ジオールを得る反応と鎖延長化
    の溶融重合反応とを同時に一つのスクリュ式押出機内で
    又は複数のスクリュ式押出機を組み合わせて連続的に行
    うことを特徴とする請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5の反応において、スクリ
    ュ式押出機で生成したポリ乳酸共重合体を当該押出機か
    ら押し出すことにより成形することを特徴とするポリ乳
    酸共重合体成形体の製造方法。
JP6163571A 1994-07-15 1994-07-15 高分子量ポリ乳酸共重合体及びその製造方法 Pending JPH0827256A (ja)

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