JP3100314B2 - 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルの製造方法に関する。詳しくは、数平均分子量100
00〜100000の高分子量脂肪族ポリエステルを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステルは一般に生分解性が
認められており、単独あるいは種々の添加剤を配合して
繊維、成型品、シートやフィルムに使用することが期待
されている。このようなポリエステルを製造する方法と
しては、ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化
させるか、又はジカルボン酸のアルキルエステルとグリ
コールとをエステル交換させてグリコールエステル及び
/又はその低重合体を得、次いでこれを高真空下で長時
間加熱撹拌して重縮合させる方法が一般に実施されてい
る。
【0003】たとえば、特開平5−310898号公報
には、グリコール成分とジカルボン酸成分から触媒の存
在下、180〜230℃、0.05〜0.1mmHgの条件
下で脱グリコール反応を行って、高分子量脂肪族ポリエ
ステルを製造することが提案されている。さらに特開平
6−322081号公報には、グリコール成分とジカル
ボン酸成分から触媒の存在下、240℃、1mmHg以下の
条件を含む反応条件下で、高分子量脂肪族ポリエステル
を製造することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高真空
下に長時間重縮合するというこれらの方法では、エステ
ル化反応で生成する水やエステル交換反応で生成するグ
リコールはもとより、長い時間にわたって高真空に保つ
ため、副生物および解重合による低分子化合物が多量に
生成する。これら揮発分はほとんど利用されることがな
いため、経済的に大きな問題であった。さらに、これら
揮発分による減圧度の低下、真空ポンプの性能低下など
により、反応時間が著しく長くなったり、所定の分子量
まで到達しなかったりするなどの問題もあった。
【0005】また、このような高真空を保つためのポン
プは特殊なポンプで高価であるばかりか、高真空を保つ
ための保守・整備にかなりの労力を必要とするので工業
的であるとはとても言えない。
【0006】高分子量脂肪族ポリエステルを工業的に製
造するためには、通常の飽和ポリエステル、いわゆるP
ET等の製造に使われている減圧度が0.5mmHg、望ま
しくは1mmHg程度までの汎用のポンプで製造できる製造
方法の開発が必要不可欠である。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るものである。したがって、本発明の目的は、汎用のポ
ンプを用いることができ、実用的な減圧度で副生物およ
び解重合による低分子化合物の発生を低く抑え、高分子
量脂肪族ポリエステルを工業的に効率よく、かつ経済的
に製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
脂肪族ポリエステルを製造するに際し、特定の条件で製
造することにより上記目的を達成できることを見出し、
本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、数平均分子量100
00〜100000の高分子量脂肪族ポリエステルを製
造するに際し、原料から少なくとも数平均分子量500
0の予備重(縮)合物を得る工程(I)と、前記工程
(I)で得られた予備重(縮)合物から前記高分子量脂
肪族ポリエステルを製造する工程(II)とを有し、前
記工程(II)が、温度を180〜280℃の範囲、お
よび反応容器中の減圧度を前記工程(I)における減圧
度より高く維持しかつ0.5mmHg〜3.0mmHgの範囲で
反応させることを特徴とする高分子量脂肪族ポリエステ
ルの製造方法に関する。
【0010】本発明は、数平均分子量10000〜10
0000の高分子量脂肪族ポリエステルを製造する際に
用いられるものであって、その具体的製造方法には特に
限定されないが、通常高分子量脂肪族ポリエステルを得
る方法としては、 (i)多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコール
を重縮合する方法 (ii)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合させて
から、さらに重縮合する方法 等が挙げられる。
【0011】したがって本発明で言う高分子量脂肪族ポ
リエステル原料とは、例えば(i)の方法の場合、多塩
基酸(あるいはそのエステル)とグリコールと必要によ
り触媒とを示し、(ii)の方法の場合、環状酸無水物
と環状エーテルと触媒とを示す。
【0012】(i)の方法で用いられる多塩基酸は、二
官能以上の多価カルボン酸またはその無水物および三官
能以上のオキシカルボン酸から選ばれたものであるが、
酸成分とアルコール成分とが直線状に結合したポリエス
テルを生成するためにはカルボキシル基を1分子中に2
個有するものが好ましい。(i)の方法で用いられる多
塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン
酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸あるいはそ
れらのエステル等が挙げられ、酸無水物としては、例え
ば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、無
水フタル酸、無水トリメリット酸、二無水ピロメリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マ
レイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重
合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイ
ン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブ
チルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリ
ロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合
体などが挙げられ、三官能以上のオキシカルボン酸とし
てはリンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0013】(i)の方法で用いられるグリコールとし
ては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコー
ル等が挙げられる。また、グリコール成分の一部として
ポリオキシアルキレングリコールを使用することも可能
であり、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコールおよびこれらの共重合体などが例示される。
また、グリコール成分の一部として三官能以上の多価ア
ルコールを使用することも可能であり、例えばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットなど
が例示される。また、グリコール成分の一部としてジエ
ポキシドを使用することも可能であり、例えば(ポリ)
エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラ
メチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシン
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ο−フ
タル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジ
ルエステル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、グリセロールジ
グリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエー
テル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセ
ロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
ポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テルなどが挙げられる。
【0014】これらのうちで、得られるポリエステルの
融点、生分解性、経済性等を考慮すると、コハク酸とエ
チレングリコール及び/またはコハク酸と1,4ーブタ
ンジオールの組合せが好ましい。
【0015】(i)の方法での高分子量脂肪族ポリエス
テルの製造に際しては、多塩基酸(あるいはそのエステ
ル)成分およびグリコール成分の全量を初期混合し反応
させてもよく、または反応の進行にともなって分割して
添加してもさしつかえない。重縮合反応としては通常の
エステル化反応をおこなってからエステル交換法により
重合度を上げる。この際、エステル化反応とエステル交
換反応の区別は必ずしも明確である必要はない。エステ
ル化反応およびエステル交換反応には通常、少量の触媒
を用いる必要がある。脱水縮合によるエステル化法とエ
ステル交換反応を併用する場合は、無触媒でエステル化
をおこなってから触媒を用いたエステル交換反応をおこ
なうこともできる。
【0016】(i)の方法で必要により用いることがで
きる触媒としては、通常用いられているものであれば特
に制限はないが、Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、C
o、Zr、Hf、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、
Mg、Sn、Ba、Ni等の有機金属化合物、有機酸
塩、金属アルコキシド、金属酸化物、金属水酸化物、炭
酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられ
る。前記触媒の使用量は、通常得られる高分子量脂肪族
ポリエステル100重量部に対して、0.001〜5重
量部であり、好ましくは0.01〜0.5重量部であ
る。
【0017】(ii)の方法で用いられる環状酸無水物
は、酸無水物基を1分子中に1個有していてもよいし2
個以上有していてもよいが、酸成分とアルコール成分と
が直線状に結合したポリエステルを生成するためには酸
無水物基を1分子中に1個有するものが好ましい。(i
i)の方法で用いられる環状酸無水物としては、例えば
無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、無水
フタル酸、無水トリメリット酸、二無水ピロメリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ブタン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、無水マ
レイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重
合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイ
ン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブ
チルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−アクリ
ロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合
体などが挙げられる。
【0018】(ii)の方法で用いられる環状エーテル
は、エポキシ基を1分子中に1個有していてもよいし2
個以上有していてもよいが、酸成分とアルコール成分と
が直線状に結合した脂肪族ポリエステルを生成するため
にはエポキシ基を1分子中に1個有するものが好まし
い。(ii)の方法で用いられる環状エーテルとして
は、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シ
クロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロ
ヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル、テトラヒドロフラン、オキセパン、1,
3−ジオキソラン、(ポリ)エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジ
グリシジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノ
ンジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジ
ルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソル
ビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、
ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジ
ルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、
グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロール
プロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。こ
れらのうちで、得られるポリエステルの融点、生分解
性、経済性を考慮すると無水コハク酸とエチレンオキシ
ドの組合せが好ましい。開環重合は公知の開環重合触媒
を用い、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行う
ことができる。
【0019】(ii)の方法で用いられる触媒として
は、特に限定はなく、通常ポリエステルを開環重合する
際に使用するものを用いる。例えばテトラメトキシジル
コニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−is
o−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキ
シジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、
テトラ−t−ブトキシジルコニウム、トリエトキシアル
ミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−
iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシ
アルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、
トリ−sec−ブトキシアルミニウム、モノ−sec−
ブトキシ−ジ−iso−プロポキシアルミニウム、エチ
ルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、テト
ラエトキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタ
ン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブト
キシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ
−t−ブトキシチタン、トリ−iso−プロポキシガリ
ウム、トリ−iso−プロポキシアンチモン、トリ−i
so−ブトキシアンチモン、トリメトキシボロン、トリ
エトキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、ト
リ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−ブトキシボ
ロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−sec−ブト
キシボロン、トリ−t−ブトキシボロン、トリ−iso
−プロポキシガリウム、テトラメトキシゲルマニウム、
テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポ
キシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウ
ム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−
n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシ
ゲルマニウム、テトラ−t−ブトキシゲルマニウムなど
の金属アルコキド;五塩化アンチモン、塩化亜鉛、臭化
リチウム、塩化すず(IV)、塩化カドミウム、三フッ
化ホウ素ジエチルエーテルなどのハロゲン化物;トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロラ
イド、トリ−iso−ブチルアルミニウムなどのアルキ
ルアルミニウム;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソ
プロピル亜鉛などのアルキル亜鉛;トリアリルアミン、
トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ベンジ
ルジメチルアミンなどの三級アミン;リンタングステン
酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸などのヘテ
ロポリ酸およびそのアルカリ金属塩;酸塩化ジルコニウ
ム、オクチル酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニー
ル、硝酸ジルコニールなどのジルコニウム化合物等が挙
げられ、中でもオクチル酸ジルコニール、テトラアルコ
キシジルコニウム、トリアルコキシアルミニウム化合物
が特に好ましい。前記触媒の使用量には特に制限はない
が、通常環状酸無水物および環状エーテルの合計量に対
して0.001〜10重量%である。前記触媒の添加方
法は環状酸無水物に添加しておいてもよく、環状エーテ
ルのように逐次添加してもよい。
【0020】このような高分子量脂肪族ポリエステルを
得る方法のなかで比較的短い時間で工業的に効率よく製
造できる方法として、(ii)の環状酸無水物と環状エ
ーテルを開環重合する方法が好ましく、さらに、環状酸
無水物に対し、重合触媒の存在下に環状エーテルを逐次
的に添加して開環重合させる方法が、実質的に酸成分と
アルコール成分が交互共重合したポリエステルが短時間
で生成させ得る点で好ましい。
【0021】前記開環重合は溶媒中での重合や塊状重合
等の方法により行うことができる。溶媒中での重合では
環状酸無水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環
状酸無水物を溶融させてから本発明に用いる。
【0022】溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも
行うことができ、その際使用される溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0023】前記の環状エーテルの逐次添加は、環状酸
無水物100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを
3〜90重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重
量部の割合で行なう。環状エーテルの添加速度が下限の
3重量部より遅い場合には、反応が長時間となり生産性
が低下するなど工業的に好ましくない。また、上限の9
0重量部より速い場合には、反応生成物中のポリエーテ
ル成分が増加して融点の低いポリエステルしか得られな
くなる。なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状エー
テルを一括して添加しないことであり、連続的に滴下す
る方法や多段階に分割して断続的に添加する方法のいず
れでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変動し
ないように連続的に添加するのがよい。
【0024】本発明における環状酸無水物および環状エ
ーテルの反応比率は、これらのモル比で40/60〜6
0/40の比率となるようにするのが好ましく、残存環
状酸無水物およびポリエステルの末端カルボキシル基が
ポリエステルの物性を低下させることを考慮すると環状
エーテルを過剰に添加するために40/60〜49/5
1の比率となるようにするのがさらに好ましい。このよ
うにすることにより、ポリエステルの末端カルボキシル
基の50%未満がカルボキシル基となり、耐熱性が向上
する。この比率の範囲をはずれると、未反応モノマーが
増大して収率が低下することがある。本発明で前記モル
比を考慮して決定した所定量の環状エーテルを逐次添加
し終わった後、前記反応温度で重合を継続して熟成する
のが好ましい。熟成反応後に重合系から生成したポリエ
ステルを分離すればよい。
【0025】本願発明者らは前記高分子量脂肪族ポリエ
ステルの製造についてかねてより鋭意研究を行ったとこ
ろ、従来の方法では長い時間にわたって高真空に保つた
め、反応中に生成する揮発分が著しく多く、このことが
反応系内の減圧度の低下、真空ポンプの性能低下などを
ひきおこし、反応時間が著しく長くなったり、所定の分
子量まで到達しなかったりするなどの問題があることが
判明した。さらに、これら揮発分は利用されることがな
いため、経済的に大きな問題であることもわかった。
【0026】特にエステル交換反応である脱グリコール
化工程、数平均分子量5000以上になってからの反応
条件は、従来、反応系内の減圧度として1.0mmHg以
下、望ましくは0.5mmHg以下の高真空が不可欠の条件
とされてきた(例えば特開平5−310898公報、特
開平6−322081公報)。
【0027】このような高真空を維持するとポリエステ
ルの分解反応に起因するオリゴマーの生成により揮発分
が著しく多くなり、真空ラインの閉塞、真空ポンプのオ
イルへのオリゴマーの混入などを引き起こし、反応時間
が著しく長くなる。その結果、熱履歴が長くなり更にポ
リエステルの分解反応が起こりオリゴマーの生成が増え
ると言った悪循環を引き起こす。
【0028】また、オリゴマーの生成そのものは、ポリ
エステル収率の著しい低下を意味し、工業的な製造方法
とは言いがたい。
【0029】更に、このような高真空を保つためのポン
プは特殊なポンプで高価であるばかりか、オリゴマー飛
散による性能低下は著しく、高真空を保つための保守・
整備にかなりの労力を必要とする。場合によっては、製
造中に反応をいったん中断し、ポンプを整備することも
度々であり工業的であるとはとても言えない。
【0030】高分子量脂肪族ポリエステルを工業的に効
率よく製造するためには、通常の飽和ポリエステル、い
わゆるPET等の製造に使われている減圧度が0.5mm
Hg、望ましくは1mmHg程度まで達成可能な汎用のポンプ
で製造できる製造方法の開発が必要不可欠である。
【0031】そこで本願発明者らは、数平均分子量10
000〜100000の高分子量脂肪族ポリエステルを
製造するに際し、原料から少なくとも数平均分子量50
00の予備重(縮)合物を得る工程(I)と、前記工程
(I)で得られた予備重(縮)合物から前記高分子量脂
肪族ポリエステルを製造する工程(II)とを有し、前
記工程(II)が、温度を180〜280℃の範囲、お
よび反応容器中の減圧度を前記工程(I)における減圧
度より高く維持しかつ0.5mmHg〜3.0mmHgの範囲で
反応させることにより、前記問題点が解消され工業的に
も経済的にも極めて有用な製造方法を完成するに至っ
た。
【0032】前記工程(I)及び工程(II)を有しな
いと、反応中に反応容器とトラップの間に大量の揮発分
が詰まり、たびたび反応を中断することになったり、あ
るいは大量の揮発分が発生するのでトラップでは揮発分
を取りきれずに真空ポンプに揮発分が多量に侵入し、減
圧度の低下を引き起こしたり、ポンプそのものの性能低
下さらには故障して反応継続が不可能になったりする等
の問題がある。
【0033】反応条件は、例えば前記工程(I)におい
て、(i)の方法によって少なくとも数平均分子量50
00の予備重(縮)合物を得る場合、エステル化反応の
条件としては公知の方法で何ら問題はない。例えば反応
温度180〜280℃、常圧〜1mmHgの減圧度で反応さ
せて引き続きエステル交換反応をおこなう。エステル交
換反応の条件としては、反応温度180〜280℃、好
ましくは230〜270℃、減圧度0.5mmHg以上、好
ましくは1.0mmHg以上である。反応温度がこの範囲よ
り低い場合は、反応時間が著しく長くなり、この範囲よ
り高い場合は、著しく着色したり、揮発分が多くなった
りして、工業的に不利である。減圧度は0.5mmHg未満
の場合、すなわち高真空になると副生物および解重合に
よる低分子化合物が多量に生成する。これら揮発分発生
による減圧度の低下、真空ポンプの性能低下などによ
り、反応時間が著しく長くなったり、所定の分子量まで
到達しなかったりする。さらに、揮発分の発生により収
率は著しく低下し、これら揮発分は例え回収されても利
用されることがないため、経済的に大きな問題となる。
【0034】前記工程(I)において、(ii)の方法
によって少なくとも数平均分子量5000の予備重
(縮)合物を得る場合、重合温度は環状酸無水物と環状
エーテルが反応する温度であれば特に制限はないが、1
0〜250℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ま
しくは100〜150℃である。反応に際して、反応容
器内の圧力は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類に
よって異なるが、環状エーテルの逐次的な添加による圧
力の上昇に伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成
物中のポリエーテル成分を増やすことになり好ましくな
い。したがって、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm
2 が好ましく、より好ましくは常圧〜15kgf/cm2 とな
るように環状エーテルを添加する。
【0035】前記工程(II)の反応条件としては、前
記工程(II)の反応容器中の減圧度を前記工程(I)
の該減圧度より高く維持し、かつ0.5mmHg〜3.0mm
Hgの範囲にすることが必須である。特に反応温度180
〜280℃、好ましくは230〜270℃の範囲で、減
圧度0.5mmHg〜3.0mmHg、さらに好ましくは1.0
〜3.0mmHgの範囲である。前記工程(II)の反応容
器中の減圧度が、前記工程(I)の反応容器中の減圧度
と同じか低い場合は、不必要に反応時間が長くなり好ま
しくない。前記反応温度がこの範囲より低い場合は、反
応時間が著しく長くなり、この範囲より高い場合は、著
しく着色したり、揮発分が多くなったりして、工業的に
不利である。また前記減圧度が0.5mmHg未満の場合、
すなわち高真空になると副生物および解重合による低分
子化合物が多量に生成する。これら揮発分発生による減
圧度の低下、真空ポンプの性能低下などにより、反応時
間が著しく長くなったり、所定の分子量まで到達しなか
ったりする。さらに、揮発分の発生により収率は著しく
低下し、これら揮発分は例え回収されても利用されるこ
とがないため、経済的に大きな問題となる。また前記減
圧度が3.0mmHgよりも低い場合は、反応時間が著しく
長くなり、工業的に不利である。
【0036】さらに、高分子量脂肪族ポリエステルの製
造の全工程にわたって、生成揮発分をより少量に抑える
には、水などの生成がない開環重合による工程、すなわ
ち(ii)の方法を含むことがより好ましい。
【0037】このようにして得られた高分子量脂肪族ポ
リエステルは、さらに種々の鎖延長剤と反応させて高分
子量化しても良い。
【0038】高分子量脂肪族ポリエステルの分子量は数
平均で10000〜100000であるが、好ましくは
25000〜80000、更に好ましくは40000〜
70000である。脂肪族ポリエステルをフィルム、シ
ート、その他成型物として利用するには数平均分子量が
少なくとも10000以上必要である。これよりも低く
なると脆かったり、延伸できないなど工業的に問題があ
り、鎖延長剤と反応させて高分子量化することも可能で
あるが、工程が多段階になったり、使用した鎖延長剤が
フィルムのフィッシュアイの原因になったりして工業的
に不利である。熱的な劣化や強度などを考慮すると高分
子量脂肪族ポリエステルの数平均分子量は25000以
上が好ましく、40000以上が更に好ましい。また、
数平均分子量を100000以上にするには反応に長時
間要し、工業的に不利である。長時間反応することによ
り生成揮発分が多くなるので、数平均分子量は1000
00以下であり、80000以下が好ましく、7000
0以下が更に好ましい。
【0039】本発明の高分子量脂肪族ポリエステルを製
造するに際し、反応装置は公知のものを用いることがで
きるが、高粘度用反応装置を使用することも可能であ
る。
【0040】本発明の効果をより高めるためには、更に
反応条件としてエステル交換反応中に生成するグリコー
ルを揮発し易くする必要がある。すなわち反応系の内容
物の自由表面更新性を高め、広い気液接触面(自由表面
積)を確保する必要がある。具体的には、縦型反応装置
では、通常の攪拌装置の付いたフラスコや反応釜を使用
する場合は内容物量を減らすことにより内容物の体積に
対する表面積を大きくすることにより広い気液接触面を
確保することができる。また、ヘリカルリボン翼や螺旋
状変形バッフルの付いた反応釜ではより効率的に表面積
を大きくすることができる。
【0041】また横型反応装置では、変形翼を連ねた攪
拌軸を並べて配置した横型1軸或いは2軸混練装置が効
率的に表面積を大きくすることができる。
【0042】本発明で用いる高粘度用反応装置としては
バッチ式あるいは連続式でも良い。バッチ式としては例
えば、逆円錐リボン翼式リアクタ(三菱重工業(株)
製)、ねじり格子翼式リアクタ((株)日立製作所製)
を挙げることができる。連続式では例えば日立メガネ翼
重合機((株)日立製作所製)、日立格子翼重合機
((株)日立製作所製)、セルフクリーニング式リアク
タ(三菱重工業(株)製)、横型二軸式リアクタ(三菱
重工業(株)製)、KRCニーダー((株)栗本鉄工所
製)、TEX−K((株)日本製鋼所製)やプラスチッ
クの押出成形あるいは脱揮等に広く用いられている一軸
又は二軸の押出機等を挙げることができる。
【0043】本発明の高分子量脂肪族ポリエステルに
は、必要に応じて他の成分、例えば結晶核剤、顔料、染
料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、
安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑剤、他の重合体
を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができ
る。
【0044】このようにして得られた高分子量脂肪族ポ
リエステルは、押し出し成形、射出成形、中空成形、真
空成形等の通常の成型方法に適用することができ、各種
部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維等の
成型品とすることができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。なお、例中の部は重量部を表わす。
【0046】実施例で実施した評価方法は以下の通りで
ある。結果をまとめて表1に示した。
【0047】(分子量)ゲルパーミエーションクロマト
グラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定
した。
【0048】(融点)DSCにて測定した。
【0049】(生分解性試験)130℃、150kg/c
m2、2分間の条件で圧縮成形機により厚さ200ミクロ
ンのフィルムを作成し、得られたフィルムを土壌を仕込
んだプランター中に埋設して、一日一回散水し23℃、
相対湿度65%の恒温恒湿室中に保存し、100日後の
外観変化を観察した。
【0050】なお、土壌は箕面市小野原および吹田市西
御旅町で採取したもの、腐葉土を3:1:3の割合で混
合したものを使用した。
【0051】結果は下記の通りに記載した。
【0052】(+):外観変化が認められた。
【0053】(−):外観変化が認められなかった。
【0054】(実施例1)攪拌機、出口にドライアイス
−メタノールに浸したトラップを備えたウィグリュー分
留管及びガス導入管を付した三つ口フラスコに、無水コ
ハク酸120.08部、エチレングリコール76.63
部を入れ、オイルバス中に浸した。オイルバスを昇温
し、窒素をゆっくり流し、温度185℃、常圧〜1.5
mmHgの減圧度で52時間要して生成する水と過剰のエチ
レングリコールを留去し、数平均分子量6000のポリ
エステルを得た。
【0055】次いで、得られたポリエステル10.79
部とテトラ−n−ブチルチタネート0.0004部を温
度計、攪拌装置、窒素導入管を付した50ミリリットル
のセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなっ
た後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸した
トラップを備えた真空ポンプで1.0超〜1.1mmH
gの減圧下、温度240℃の条件で5.0時間反応さ
せ、高分子量脂肪族ポリエステル(1)を得た。GPC
測定による数平均分子量は65000、DSC測定によ
る融点は、104.6℃であった。また、トラップ、三
つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエ
ステルに対して7.2重量%であった。
【0056】反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプ
の性能低下は見られなかった。
【0057】(実施例2)攪拌機、出口にドライアイス
−メタノールに浸したトラップを備えたウィグリュー分
留管及びガス導入管を付した三つ口フラスコに、無水コ
ハク酸200.14部、エチレングリコール248.2
8部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.36部を
入れ、オイルバス中に浸した。オイルバスを昇温し、窒
素をゆっくり流し、温度200℃、常圧〜10.0mmHg
の減圧度で17時間要して生成する水と過剰のエチレン
グリコールを留去し、数平均分子量5500のポリエス
テルを得た。
【0058】次いで、得られたポリエステル10.10
部とテトラ−n−ブチルチタネート0.0079部を温
度計、攪拌装置、窒素導入管を付した50ミリリットル
のセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなっ
た後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸した
トラップを備えた真空ポンプで1.1〜1.2mmHg
の減圧下、温度240℃の条件で3.5時間反応させ、
高分子量脂肪族ポリエステル(2)を得た。GPC測定
による数平均分子量は74000、DSC測定による融
点は、104.1℃であった。また、トラップ、三つ口
フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステ
ルに対して9.6重量%であった。
【0059】反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプ
の性能低下は見られなかった。
【0060】(実施例3)オートクレーブに無水コハク
酸100.1部およびオクチル酸ジルコニール2.99
部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートク
レーブを徐々に130℃まで昇温して無水コハク酸を溶
融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.
1kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレン231.26
部を1時間あたり42部の添加速度で5.5時間にわた
って連続的に導入した。酸化エチレン導入後130℃で
1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にもどすこと
により、ポリエステルを得た。GPC測定による数平均
分子量は11400、DSCによる融点は103.1℃
であった。
【0061】得られたポリエステル9.67部を温度
計、攪拌装置、窒素導入管を付した50ミリリットルの
セパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった
後、窒素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したト
ラップを備えた真空ポンプで1.0超〜1.2mmHg
の減圧下、温度240℃の条件で3.0時間反応させ、
高分子量脂肪族ポリエステル(3)を得た。GPC測定
による数平均分子量は63400、DSC測定による融
点は、103.5℃であった。また、トラップ、三つ口
フラスコの上部に付着した揮発分は仕込んだポリエステ
ルに対して5.9重量%であった。
【0062】反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプ
の性能低下は見られなかった。
【0063】(実施例4)実施例3で得られたポリエス
テル9.69部を温度計、攪拌装置、窒素導入管を付し
た50ミリリットルのセパラブルフラスコに加え、窒素
置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−
メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで2.
1〜2.2mmHgの減圧下、温度240℃の条件で
3.1時間反応させ、高分子量脂肪族ポリエステル
(4)を得た。GPC測定による数平均分子量は575
00、DSC測定による融点は、103.5℃であっ
た。また、トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した
揮発分は仕込んだポリエステルに対して5.2重量%で
あった。
【0064】反応中、真空ラインの詰まり、真空ポンプ
の性能低下は見られなかった。
【0065】(比較例1)実施例3で得られたポリエス
テル10.37部を温度計、攪拌装置、窒素導入管を付
した50ミリリットルのセパラブルフラスコに加え、窒
素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ドライアイス
−メタノールに浸したトラップを備えた真空ポンプで
0.09〜0.18mmHgの減圧下、温度240℃の
条件で3.2時間反応させ、比較ポリエステル(1)を
得た。GPC測定による数平均分子量は65300、D
SC測定による融点は、103.3℃であった。また、
トラップ、三つ口フラスコの上部に付着した揮発分は仕
込んだポリエステルに対して20.9重量%であった。
【0066】反応中、真空ラインの詰まりが見られ、系
内の減圧度を維持するため反応を中断して、トラップ及
び真空ラインの詰まりを除去する必要があった。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性を有する高分
子量脂肪族ポリエステルを高真空にすることなく高収率
で合成することができる。本発明で得られる高分子量脂
肪族ポリエステルは、比較的高分子量で構造中にポリエ
ーテル成分をほとんど有しない高融点のものであるた
め、フィルムやシート等への成形加工が容易となり、成
形品としての耐久性にもすぐれている。したがって、本
発明で得られる高分子量脂肪族ポリエステルは、使い捨
ての包装材料や日用雑貨品等に有効に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平5−310898(JP,A) 特開 平6−322081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量10000〜100000
    の高分子量脂肪族ポリエステルを製造するに際し、原料
    から少なくとも数平均分子量5000の予備重(縮)合
    物を得る工程(I)と、前記工程(I)で得られた予備
    重(縮)合物から前記高分子量脂肪族ポリエステルを製
    造する工程(II)とを有し、前記工程(II)が、温
    度を180〜280℃の範囲、および反応容器中の減圧
    度を前記工程(I)における減圧度より高く維持しかつ
    0.5mmHg〜3.0mmHgの範囲で反応させることを特徴
    とする高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子量脂肪族ポリエステルが、炭
    素数が2〜6の脂肪族ジカルボン酸成分と、炭素数が2
    〜4の脂肪族グリコール成分とから得られるものであ
    る、請求項1に記載の高分子量脂肪族ポリエステルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子量脂肪族ポリエステルが、無
    水コハク酸を主成分とする環状酸無水物(A)および酸
    化エチレンを主成分とする環状エーテル(B)を開環共
    重合する工程を含む製造方法により得られるものであ
    る、請求項1に記載の高分子量脂肪族ポリエステルの製
    造方法。
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