JP3419894B2 - ポリスチレン−ポリラクトンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリスチレン−ポリラクトンブロック共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスチレン樹脂等の
改質剤に用いられるポリスチレン−ポリラクトンブロッ
ク共重合体(以下PS−PLと記す)の製造方法に関す
る。更に詳しくは、ブロック率の高いPS−PLを効率
よく製造できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PS−PLは、従来溶媒中でアルカリ金
属化合物を開始剤とするいわゆる“リビングアニオン重
合”により製造されていた。特公昭46−37737
号、特公昭47−27151号、特開昭62−2419
56、特開昭62−225519号および特開昭63−
258932号等には、シクロヘキサン、トルエン、テ
トラヒドロフラン等の溶媒中で、n−ブチルリチウム等
の開始剤を用いて、スチレンのアニオン重合を行い、必
要に応じてエチレンオキシド等で末端活性点のアルコキ
シド化を実施した後、カプロラクトンのアニオン重合を
行う技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スチレンやブタジエン
等の非極性モノマーの重合は、上記のリビングアニオン
重合により工業的スケールにて実施されているものの、
モノマーにカプロラクトン等の極性モノマーが含まれる
場合、工業的スケールでの実施は困難であった。その理
由の一つは、スチレン等の非極性モノマーのリビングア
ニオン重合の溶媒には一般的にシクロヘキサンが使用さ
れているが、カプロラクトン等はシクロヘキサンに非常
に難溶であることから、PS−PLを製造するためには
比較的高価なテトラヒドロフランやトルエン等の溶媒を
使用しなければならず、これらの溶媒を用いた場合、反
応溶液からPS−PLを分取するスチームストリッピン
グを行う際、特に温度条件が厳しく制限され、商業的製
造ができない点が挙げられる。更には、リビングアニオ
ン重合の開始剤になるアルカリ金属化合物は水と非常に
激しく反応しアルカリ金属水酸化合物を与えることか
ら、系中の水分を可能な限り除去した後に、リビングア
ニオン重合は実施されるが、逆に系中に微量残存する水
分は、開始剤のアルカリ金属化合物によって除かれ、過
剰分のアルカリ金属化合物のみからモノマーの重合が開
始する。スチレン等の非極性モノマーの場合、生成する
アルカリ金属水酸化合物とは全く反応しないため、リビ
ング重合の実施ができるが、カプロラクトン等は開始剤
たるアルカリ金属化合物および生成するアルカリ金属水
酸化物の両方共に反応することから、現在の脱水技術で
はどのようにしてもカプロラクトンホモポリマー等の生
成を避けることができない。このため、得られたPS−
PLのブロック率が低下したり、PS−PLの用途にお
いて靱性や相溶性が低下するという問題があった。この
ようにラクトンモノマーを用いてブロック率が高いPS
−PLを商業ベースで製造する方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、工業的スケ
ールでかつ商業ベースでPS−PLを製造する方法を鋭
意検討した結果、リビングアニオン重合等により得られ
た水酸基変性ポリスチレン樹脂とラクトンモノマーを重
合触媒の存在下、高温で溶融混練することが極めて効果
的で前記課題を解決できる製法であることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、水酸基変性ポリスチレ
ン樹脂10〜90重量部、ラクトンモノマー90〜10
重量部および重合触媒0.001〜1重量部を押出機ま
たはスタティックミキサー型重合装置を用いて溶融混練
することを特徴とするポリスチレン−ポリラクトンブロ
ック共重合体の製造方法を提供するものである。
【0006】本発明における水酸基変性ポリスチレン樹
脂とは、分子内に水酸基を1個以上含有し、かつ全樹脂
中の50重量%以上は、スチレンまたはα−メチルスチ
レンにより構成される樹脂を示す。ポリスチレン樹脂に
水酸基を導入する方法については特に制限を受けず、任
意の方法、例えばリビングアニオン重合により、スチレ
ンの重合を行った後、エチレンオキシド等で末端活性点
をアルコキシド化し、続いて水、アルコール等で処理す
る方法、あるいはスチレンと2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート等のモノマーを共重合する方法、およびポリ
スチレン樹脂または官能基変性ポリスチレン樹脂に対し
物理的および/または化学的処理を行う方法等により実
施される。本発明における水酸基変性ポリスチレン樹脂
の1分子当たりの水酸基の数としては、1個以上であ
り、好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜5個で
ある。上記樹脂中の水酸基の数があまりにも多くなりす
ぎると、PS−PLの剛性等の機械的強度が大幅に低下
するため好ましくない。また、最も好ましい水酸基の数
はPS−PLの用途により異なり、1個、2個または3
〜10個の場合、それぞれ得られるPS−PLの物性も
異なる。
【0007】上記樹脂中の水酸基の数を1個または2個
に制御するためには、リビングアニオン重合による製造
が最も好ましく、具体的には開始剤のアルカリ金属化合
物として、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、ブチレン−1、4−ジリチウムおよびナフタレンナ
トリウム等を使用し、スチレンおよび/またはα−メチ
ルスチレン、および必要に応じてブタジエン、イソプレ
ン等の共役ジエンモノマーのアニオン重合を行い、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、パラホルムアルデ
ヒド等で末端活性点をアルコキシド化し、続いて、水、
アルコール等で処理する方法により実施される。その際
使用する溶媒は一般的にはシクロヘキサンであり、スチ
ームストリッピングによる精製工程も、すでに工業的に
実施されている。
【0008】上記樹脂中の水酸基の数を3〜10個に制
御するには、日本油脂(株)で製造されているポリマー
開始剤を用いる、ラジカル重合でのブロックポリマー
(商品名「モディパー」)の製造プロセスの応用が最も
好ましい。具体的にはポリ〔ポリ(トリエチレングリコ
ール−alt−アジピン酸ジクロリド)−alt−(過酸化水
素)〕をラジカル重合開始剤として用い(前記altは交
互結合であることを示す)、第1モノマーとして、少量
のメチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを共重合し、続いて第2モノマーとして多
量のスチレンを単独重合することにより、片末端部に水
酸基が局在化した水酸基変性ポリスチレン樹脂が得られ
る。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの他に
は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等も同様に使用できる。本
発明に使用する水酸基変性ポリスチレン樹脂の組成にお
いて、全樹脂中のスチレンおよび/またはα−メチルス
チレンから構成される樹脂成分は、50重量%以上で、
好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%
以上である。上記成分の組成が50重量%を下回ると、
PS−PLの剛性等の機械的強度が著しく低下して好ま
しくない。
【0009】本発明における水酸基変性ポリスチレン樹
脂の組成において、スチレンおよび/またはα−メチル
スチレン以外の成分としては、リビングアニオン重合の
場合、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、パラホ
ルムアルデヒド等の水酸基変性剤を必須成分として、P
S−PLの靱性を向上させるため必要に応じてブタジエ
ン、イソプレン等の共役ジエンモノマーを含有すること
ができ、ラジカル重合の場合、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の水酸基変性モノマーを必須成
分として、PS−PLの相溶性を改良するため必要に応
じてメチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル等のラジカル重合性モノマーを含有することができ
る。
【0010】本発明に使用する水酸基変性ポリスチレン
樹脂の分子量は特に制限を受けないが、通常GPC測定
法による標準ポリスチレン換算数平均分子量が5,00
0〜500,000の範囲であり、好ましくは10,0
00〜300,000、更に好ましくは15,000〜
200,000の範囲である。上記分子量が5,000
を下回る場合はPS−PLの機械的強度が劣り、逆に5
00,000を上回る場合はPS−PLの加工性が悪化
するため好ましくない。上記分子量において、特にリビ
ングアニオン重合により製造された分子内に1個または
2個の水酸基を有するポリスチレン樹脂の数平均分子量
は10,000〜200,000の範囲が好ましく、更
に好ましくは15,000〜100,000の範囲であ
る。上記樹脂の分子量が200,000を上回る場合に
は、水酸基の数が非常に少なくなり、ラクトンモノマー
を付加する際の反応速度が低下するため好ましくない。
【0011】本発明におけるラクトンモノマーとは、主
にε−カプロラクトンモノマーを示すが、用途に応じて
メチル化カプロラクトンモノマー、中でも4−メチルカ
プロラクトン、およびδ−バレロラクトンを各単独また
はε−カプロラクトンモノマーと混合し使用することも
できる。
【0012】本発明における重合触媒とは、ラクトンモ
ノマーの開環重合触媒であり、スズ化合物、チタン化合
物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、モリブデン化合
物およびジルコニウム化合物等が例示できるが、取り扱
い易さ、低毒性、反応性、無着色性、熱安定性等のバラ
ンスからスズ化合物およびチタン化合物が好ましく用い
られる。スズ化合物としては具体的には、例えば塩化第
一スズ、オクチル酸第一スズ、モノブチルスズオキシ
ド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネート)
等のモノブチルスズ化合物、ジブチルスズオキシド等の
ジブチルスズ化合物が挙げられる。またチタン化合物と
しては、テトラブチルチタネート、テトラiso−プロピ
ルチタネート等が挙げられる。これらは各単独であるい
は混合して使用することができる。
【0013】本発明において製造されるPS−PLと
は、水酸基変性ポリスチレン樹脂中の水酸基からラクト
ンモノマーが開環付加重合して得られるポリスチレン樹
脂とポリラクトンから成る共重合体、またはこの共重合
体同士をカップリング剤により結合した共重合体であ
る。本明細書中では、とくに両者を区別する必要がある
ときは、後者を「カップリングされたPS−PL」と記
載する。上記PS−PLの分子量は特に制限を受けない
が、通常10,000〜1,000,000の範囲であ
り、好ましくは20,000〜500,000の範囲、
更に好ましくは30,000〜300,000の範囲で
ある。上記分子量が10,000を下回る場合には、機
械的強度が劣り、逆に1,000,000を上回る場合
は加工性が悪化するため好ましくない。上記PS−PL
の分子量において、原料である水酸基変性ポリスチレン
樹脂がリビングアニオン重合によって製造された分子内
に1個または2個しか水酸基を有さないポリスチレン樹
脂である場合は、数平均分子量は20,000〜30
0,000の範囲が好ましく、更に好ましくは30,0
00〜200,000の範囲である。上記樹脂の場合、
分子量が300,000を上回るには、原料の水酸基変
性ポリスチレン樹脂中の水酸基の数が非常に少なく製造
が困難となるため好ましくない。
【0014】本発明のPS−PLの製造方法において使
用する押出機またはスタティックミキサー型重合装置と
しては、単軸押出機、2軸押出機、ニーダータイプ押出
機およびスタティックミキサー型重合装置を単独または
連続的に連結した装置を挙げることができる。上記スタ
ティックミキサー型重合装置とは駆動部のない攪拌機構
を有した装置で、通常、攪拌用エレメントを組み込んだ
管内にモノマーをポンプにて送り出し、流動と同時に攪
拌される機構のものを示す。具体的にはSulzer
Bros社製SMV,SMX、Wymbs Engin
eeringLtd.のEtoflo混合エレメントや
Transkem PlantのROSSエレメント、
Lightnin Mixers and Aerat
orsのLightnin混合エレメントおよび住友重
機械工業のスルザミキサー重合装置がある。
【0015】本発明のPS−PCLブロック共重合体の
製造工程には原料の供給工程、ラクトンモノマーの開環
付加重合工程、また必要に応じて、カップリング化工
程、未反応ラクトンモノマーの除去工程等が含まれる。
原料の供給方法としては、(1)水酸基変性ポリスチレ
ン樹脂、ラクトンモノマーおよび重合触媒を同時に供給
口から供給する方法、(2)水酸基変性ポリスチレン樹
脂を供給口から、ラクトンモノマーおよび重合触媒をベ
ント口等の装置中間口から供給する方法および、(3)
水酸基変性ポリスチレン樹脂と重合触媒を供給口から、
ラクトンモノマーをベント口等の装置中間口から供給す
る方法等が挙げられる。また水酸基変性ポリスチレン樹
脂の供給時の状態としては、溶融状態であっても、粉末
やペレット状等の固体状態であっても、更にはラクトン
モノマー中に溶解または分散された状態であっても支障
ない。ラクトンモノマーの開環付加重合方法としては、
前記の原料の供給方法のいずれかの方法で供給された、
水酸基変性ポリスチレン樹脂10〜90重量部、ラクト
ンモノマー90〜10重量部(両者の合計100重量
部)、および重合触媒0.001〜1重量部を温度10
0〜280℃、好ましくは120〜240℃、更に好ま
しくは150〜200℃の範囲で、反応装置が押出機の
場合、1〜30分間、好ましくは2〜20分間、更に好
ましくは3〜10分間、反応装置がスタティックミキサ
ー型重合装置の場合、10分〜5時間、好ましくは20
分〜2時間、更に好ましくは30分〜1時間溶融混練す
る方法が挙げられる。水酸基変性ポリスチレン樹脂また
はラクトンモノマーのどちらかの仕込み割合が90重量
部を上回る場合は、得られるPS−PLの物理的および
化学的性質が、組成の多い側のホモポリマーの性質に似
かよってしまい、特徴が発揮されなくなるため好ましく
ない。重合触媒は、水酸基変性ポリスチレン樹脂とラク
トンモノマーの合計100重量部に対して、0.001
〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、更に
好ましくは0.05〜0.1重量部添加する。上記添加
量が0.001重量部を下回る場合には、ラクトンモノ
マーの開環付加重合速度が遅く、逆に1重量部を上回る
と、得られたPS−PLの着色や、熱安定性が低下する
などの問題が生じ好ましくない。また重合温度が100
℃未満の場合、ラクトンモノマーの開環付加重合速度が
遅く、280℃を越える場合には、得られたPS−PL
が着色したり、熱分解、酸化劣化、加水分解等の好まし
くない分解反応が生じ好ましくない。反応時間が上記の
範囲下限を下回る場合には、ラクトンモノマーの重合率
が満足できるレベルではなく、後に未反応ラクトンモノ
マーを除去するとしても、労力や費用に要し、反応時間
が上記の範囲上限を上回る場合には、必要以上に加熱す
ることから、費用を要すばかりか、PS−PLの分解反
応が発生するなどの問題が生じ好ましくない。
【0016】本発明のPS−PLの製造方法における溶
融混練時に、必要に応じて、PS−PL同士のカップリ
ング化反応を行ってもよく、あるいは未反応のラクトン
モノマーを除去してもよく、更に溶融混練により得られ
るPS−PLから直接ペレット、繊維、フィルム、シー
ト、ボトル、その他の成形品を成形してもよい。これら
を適宜組み合わせることができる。
【0017】PS−PLのカップリング化方法として
は、本発明における製造装置たる押出機またはスタティ
ックミキサー型重合装置の単独または複数を連続的に連
結した装置の中間から吐出口にかけての、好ましくは吐
出口に近いベント口等の仕込み口からカップリング剤を
添加し、PS−PLと溶融混練する方法が挙げられる。
【0018】上記カップリング剤としては、特に限定さ
れないが、具体的に例示すると多塩基酸誘導体、多価イ
ソシアネート化合物、多価エポキシ化合物および多価オ
キサゾリン化合物などが挙げられる。多塩基酸誘導体と
しては、多塩基酸またはこれらの多価エステル、モノエ
ステル、多価塩化物および無水物であり、シュウ酸、ア
ジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、および(メタ)アクリル酸の2〜10量体等の多
塩基酸、またはテレフタル酸ジメチル、モノメチルトリ
メリット酸、テレフタル酸ジクロリド、トリメリット酸
無水物、ピロメリット酸無水物等の前記多塩基酸の多価
エステル、モノエステル、多価塩化物および無水物が挙
げられる。多価イソシアネート化合物としては、2価お
よび3価のアルキレンイソシアネート、アリーレンイソ
シアネート、特にMDI(メチレンジフェニールジイソ
シアネート)およびTDI(トリレンジイソシアネー
ト)と称されるジイソシアネートやこれらのイソシアヌ
レートおよびヘキサメチレンジイソシアネート型イソシ
アヌレート等が好ましい。多価エポキシ化合物、多価オ
キサゾリン化合物としては、各種のジエポキシ化合物、
ジオキサゾリン化合物および分子内にエポキシ基または
オキサゾリン基を含有するポリマーなどが挙げられる。
これらのカップリング剤の中で、多塩基酸誘導体を用い
る場合は、カップリング化反応により生成する水、アル
コール、塩化水素等を除去するため、ベント口等から真
空度50Torr以下、好ましくは10Torr以下で脱気を行
う方法が好ましく用いられる。上記のカップリング剤の
仕込み量としては、カップリングさせるPS−PLの末
端水酸基の数に対するカップリング剤の反応官能数の総
数の比率として0.8〜1.2の範囲、好ましくは0.
9〜1.1の範囲、更に好ましくは設定可能のレベルで
1.0に近づけることが望ましい。前記比率が0.8〜
1.2の範囲外であると、カップリングされないPS−
PLの割合が増加するため、好ましくない。カップリン
グ化反応の温度および反応時間としては、100〜24
0℃好ましくは120〜200℃、更に好ましくは13
0〜180℃の温度で、本発明のPS−PL製造方法に
おいて溶融混練される時間全体の1/10〜1/100
程度の時間実施されることが望ましい。上記反応温度が
100℃未満であると反応速度が遅く、240℃を超え
るとPS−PLの着色等が起こり易くなり好ましくな
い。上記反応時間は、カップリング化反応が完結する最
短時間以上であれば、問題はほとんどなく、任意に設定
することができる。カップリング剤の添加時の状態につ
いては、適当量を正確に添加することが重要であり、カ
ップリング剤が固体または液体のどちらかの場合におい
ても、直接、またはラクトンモノマーまたは不活性溶媒
に溶解させるか固体の場合においては溶融状態で、定量
フィーダー、定量ポンプ等を利用して添加することが望
ましい。
【0019】本発明の溶融混練時に未反応のラクトンモ
ノマーを除去する方法としては、ベント口等から100
〜280℃、好ましくは120〜240℃、更に好まし
くは130〜200℃の温度、真空度50Torr以下、好
ましくは10Torr以下で、脱気する方法が好ましく用い
られる。温度が100℃未満で、真空度が50Torrを上
回る場合には、脱気速度が遅く、温度が280℃を上回
る場合には、得られたPS−PLが着色したり、熱分
解、酸化劣化、加水分解等の好ましくない分解反応が生
じ好ましくない。
【0020】また得られたPS−PLに対し、目的に応
じて公知の添加剤の任意量を混合することができる。添
加剤としては、ヒンダードフェノール系、リン系、チオ
エーテル系、アミン系などの酸化防止剤、ガラス繊維、
チタン酸カリファイバー、ガラスビーズ、シリカ、クレ
ー、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤、顔料、紫
外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、耐候剤等が挙げられる。
【0021】本発明において、得られたPS−PLをペ
レット、繊維、フィルム、シート、ボトル、その他の成
形品に成形する方法としては、特に限定されず、従来か
らの既知の方法を採用することができる。
【0022】
【実施例】以下実施例において、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。
【0023】(実施例1)『ポリスチレン−ポリカプロ
ラクトンジブロック共重合体(PS−PCL)の製造』 リビングアニオン重合により得られた数平均分子量2
0,000の末端に1個の水酸基を有する水酸基変性ポ
リスチレン5kg、ε−カプロラクトンモノマー10k
gおよびモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネー
ト)3gを混合し、住友重機械工業(株)製小型スルザ
ミキサー型重合装置に10g/分の速度で供給し重合装
置内を180℃に保ち、平均滞留時間5時間で溶融混練
した。連続的に得られるPS−PCLのストランドをペ
レタイザーにてカッティングし、ペレットを得た。得ら
れたPS−PCLのGPC測定による数平均分子量は6
4,000、ペレット内に残存するε−カプロラクトン
モノマーはガスクロ分析の結果0.23%であった。
【0024】(実施例2)『カップリング型PS−PC
Lの製造』 実施例1で得られたポリスチレン−ポリカプロラクトン
ジブロック共重合体10kgを、押出機に200g/分
の速度で供給し、液体仕込み口から25%ヘキサメチレ
ンジイソシアネート型イソシアヌレートのトルエン溶液
を4g/分の速度で供給し、ベント口からトルエンを脱
気しながら、平均溶融混練時間3分間、温度160℃の
条件で混練を行った。得られたカップリング型PS−P
CLのGPC測定による数平均分子量は225,000
であった。
【0025】
【発明の効果】本発明により、制約の多いリビング重合
法に代わり、ブロック率の高いPS−PLを簡単な操作
で効率よく製造できることとなった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基変性ポリスチレン樹脂(A)10
    〜90重量部、ラクトンモノマー(B)90〜10重量
    部((A)と(B)の合計は100重量部である)およ
    び重合触媒0.001〜1重量部を押出機またはスタテ
    ィックミキサー型重合装置を用いて溶融混練することを
    特徴とするポリスチレン−ポリラクトンブロック共重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水酸基変性ポリスチレン樹脂(A)10
    〜90重量部、ラクトンモノマー(B)90〜10重量
    部((A)と(B)の合計は100重量部である)およ
    び重合触媒0.001〜1重量部を押出機またはスタテ
    ィックミキサー型重合装置を用いて溶融混練し、生成し
    たポリスチレン−ポリラクトンブロック共重合体にカッ
    プリング剤を加えて更に溶融混練することを特徴とす
    る、カップリングされたポリスチレン−ポリラクトンブ
    ロック共重合体の製造方法。
JP16456094A 1994-06-23 1994-06-23 ポリスチレン−ポリラクトンブロック共重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3419894B2 (ja)

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