JP3447819B2 - ほうき型ブロック共重合体 - Google Patents

ほうき型ブロック共重合体

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は3種のポリマーセグメン
トから構成され、ほうきの形状に似た結合構造を有する
ブロックポリマーに関する。更に詳しくは、各種の樹脂
添加剤の分散助剤、相溶化剤、ホットメルト接着剤、各
種のバインダー樹脂などの用途に供される新規の組成、
結合構造を有するほうき型ブロック共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術・発明が解決しようとする課題】リビング
アニオン重合により製造されるスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体およびこれらのカップリング化、水素添
加、官能基変性等の技術によって製造される様々な構造
を有するスチレン系ブロック共重合体は、ポリスチレン
やエンジニアリングプラスチックス等の樹脂改質剤、靴
底、パッキン、シート、ホース、ガスケット、チューブ
等の成形品、アスファルト改質剤、粘・接着剤、ホット
メルト接着剤などの幅広い用途に使用される。 【0003】上記のスチレン系ブロック共重合体の結合
構造としては、ジブロック型、トリブロック型等の直鎖
状構造や放射状構造は知られていた。また一般的に、グ
ラフトポリマーと呼ばれる分岐構造を有したポリマーも
樹脂改質剤として使用されることもあった。 【0004】このように異なった2種以上のポリマーセ
グメントが、共有結合によりつながったポリマーは、広
く樹脂改質に用いられていることから、上記のような公
知の直鎖状構造、放射状構造、分岐状構造以外の特殊な
構造を有するポリマーに対する需要は高いにもかかわら
ず、商業的に製造できない等の問題から市場で入手でき
なかった。 【0005】一方、前記のスチレン系ブロック共重合体
は、通常、リビングアニオン重合により製造されるた
め、スチレンやブタジエン等の非極性モノマー以外の成
分は共重合することが非常に困難であった。 【0006】特公昭46−37737号、特公昭47−
27151号、特開昭62−241956、特開昭62
−225519号、および特開昭63−258932号
等の各公報には、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒ
ドロフラン等の溶媒中でn−ブチルリチウム等の開始剤
からスチレンのアニオン重合を行い、必要に応じてエチ
レンオキシド等で末端活性点のアルコキシド化を実施し
た後、カプロラクトンのアニオン重合を行う技術が開示
されている。 【0007】しかしながら、カプロラクトン等の極性モ
ノマーのリビングアニオン重合は困難で、カプロラクト
ンのホモポリマーの生成等好ましくない問題が多く生
じ、現在商業的には製造されていない。 【0008】また、グラフトポリマーにおいては、例え
ば、ポリスチレンの主鎖セグメントにポリラクトンの分
岐セグメントを導入することは可能であるが、生成した
グラフトポリマーは、ポリマー界面等における界面活性
の能力が乏しく、樹脂添加剤の分散助剤や相溶化剤とし
て効率が低いという問題点があった。 【0009】すなわち、ポリマー界面などを制御するこ
とで、分散性、相溶性、接着性などを向上させる意味で
の界面活性の能力が優れた、新規の組成・結合構造を有
した共重合ポリマーが求められていた。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、特定のほうき型ブロック共重合体がこれらの要求を
満足させる共重合体であることを見い出し、本発明を完
成するに至った。 【0011】すなわち本発明によれば、[A]、[B]
および[C]の3種のポリマーセグメントから構成さ
れ、[A]ポリマーセグメントおよび[B]ポリマーセ
グメントが1カ所で結合し、かつ[C1]〜[Cn]ポリ
マーセグメントが[B]ポリマーセグメントから枝分か
れした下記結合構造式[1]を有し、[A]ポリマーセ
グメントが数平均分子量10,000〜200,000
のポリスチレン、[B]ポリマーセグメントが数平均分
子量1,000〜20,000のポリ(メチルメタクリ
レート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合
体、[C1]〜[Cn]の各ポリマーセグメント(以下、
単に[C]セグメントと略す)が数平均分子量1,00
0〜50,000でかつ、枝分れの平均本数(結合構造
式[1]中でのnの値)が5〜50のポリ(ε−カプロ
ラクトン)またはε−カプロラクトン系共重合体から構
成され、GPC測定による標準ポリスチレン換算数平均
分子量が10,000〜1,000,000の範囲であ
ることを特徴とする、ほうき型ブロック共重合体が提供
される。 【0012】 【化2】 【0013】[A]、[B]および[C]は、それぞれ
異なった3種のポリマーセグメントであり、各々のポリ
マーセグメントの一部または全部は複数種のモノマーか
ら構成されていてもよい。 【0014】また、[A]および[B]ポリマーセグメ
ントは1カ所のみで共有結合し、かつ[C]ポリマーセ
グメントは[B]ポリマーセグメントから、平均5〜5
0本枝分かれした結合構造を有す。 【0015】また、結合構造式[1]のほうき型ブロッ
クポリマーのGPC測定による標準ポリスチレン換算数
平均分子量は、10,000〜1,000,000の範
囲である。本発明のほうき型ブロックポリマーのGPC
測定による数平均分子量が10,000未満の場合は、
ポリマーとしての機械的強度が不足し、逆に1,00
0,000を超える場合は、成形加工性が著しく損なわ
れ好ましくない。 【0016】上記ほうき型ブロックポリマーを製造する
ための必要条件としては、2つ挙げられ、1つは[A]
および[B]ポリマーセグメントは公知の技術によって
[A]−[B]ジブロック型のブロックポリマーが製造
できること、もう1つは[B]ポリマーセグメント中に
[C]ポリマーセグメントを導入または連結するための
官能基を平均5〜50個有していることである。 【0017】[A]−[B]ジブロック型のブロックポ
リマーの製造方法としては、リビングアニオン重合法と
高分子ラジカル開始剤を用いるラジカル重合法に大別さ
れる。上記のリビングアニオン重合法の具体例として
は、アルキルリチウムを開始剤に用いるスチレンや共役
ジエン等の重合、シリルケテンアセタールを用いるメチ
ルメタクリレート等のアクリルモノマーの重合、ジシク
ロペンテニルサマリウム錯体等を用いるエチレン、アク
リルモノマー、環状カーボネートおよびラクトン等の重
合、アルコキシ金属化合物を用いる環状エーテル等の重
合が挙げられる。上記の高分子ラジカル開始剤を用いる
ラジカル重合法の具体例としては、日本油脂(株)で開
発された分子内にパーオキサイド結合を有す高分子ラジ
カル開始剤を用いるブロックポリマーの合成プロセス
(例えば、高分子論文集,44巻No.2,81〜88
頁)や上田、永井らのアゾ基で連結された高分子ラジカ
ル開始剤を用いるプロセスなどが挙げられる。 【0018】上記[A]−[B]ジブロックポリマーの
[B]ポリマーセグメント中に特定の官能基を平均5〜
50個導入する方法としては、リビングアニオン重合法
による場合は、特定の官能基およびリビングアニオン重
合性を共に有するモノマーを直接、または官能基を保護
した後リビングアニオン重合を行う方法が、また高分子
ラジカル開始剤を用いるラジカル重合法による場合は、
特定の官能基およびラジカル重合性を共に有するモノマ
ーを1成分として使用する方法が例示できる。上記の特
定の官能基として本発明では水酸基を用いる。 【0019】本発明のほうき型ブロック共重合体の製造
方法において、[A]、[B]および[C]のどのポリ
マーセグメントから重合すべきかは限定されず、
[A]、[B]および[C]がどのような組成または分
子量のポリマーにあるかによって最適の方法を用いるこ
とが望ましい。 【0020】以下、本発明のほうき型ブロック共重合体
の具体例として、ほうき型スチレン−カプロラクトン系
ブロック共重合体およびこの製造方法について詳細に説
明する。 【0021】上記のほうき型スチレン−カプロラクトン
系ブロック共重合体は結合構造式[1]で表され、かつ
[A]ポリマーセグメントが数平均分子量10,000
〜200,000のポリスチレン、[B]ポリマーセグ
メントが数平均分子量1,000〜20,000のポリ
(メチルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)共重合体、[C]ポリマーセグメントが数平
均分子量1,000〜50,000かつ枝分かれの平均
本数(結合構造式[1]中でのnの値)が5〜50のポ
リ(ε−カプロラクトン)またはε−カプロラクトン系
共重合体から構成される。 【0022】ポリスチレンセグメントの数平均分子量が
10,000を下回る場合は、ほうき型スチレン−カプ
ロラクトン系ブロック共重合体の剛性などの機械的強度
や前記載の樹脂改質剤としての分散性、相溶性、接着性
などの界面活性の能力が低下するため好ましくない。逆
に200,000を上回る場合は、本発明のほうき型ブ
ロック共重合体の加工性が低下するため好ましくない。 【0023】ポリ(メチルメタクリレート・2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)共重合体セグメントのメチ
ルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トはランダム結合であり、その数平均分子量が1,00
0を下回る場合、また逆に20,000を上回る場合、
共にポリスチレンセグメントとのブロック化が困難とな
り、ブロック効率が低下するため好ましくない。 【0024】また[C]ポリマーセグメントであるポリ
(ε−カプロラクトン)またはε−カプロラクトン系共
重合体の枝分かれの平均本数は、[B]ポリマーセグメ
ント中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの平均個
数にほぼ等しい。このため、[B]ポリマーセグメント
中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの平均個数は
5〜50である。ポリ(ε−カプロラクトン)またはε
−カプロラクトン系共重合体各セグメントの数平均分子
量が1,000を下回る場合は、本発明のほうき型ブロ
ック共重合体の機械的強度や前記載の樹脂改質剤として
の界面活性の能力が低下するため好ましくない。逆に5
0,000を上回る場合は本発明のほうき型ブロック共
重合体の加工性が低下するため好ましくない。 【0025】[A]、[B]および[C]ポリマーセグ
メントの好ましい数平均分子量の範囲としては、[A]
ポリマーセグメントは30,000〜100,000、
[B]ポリマーセグメントは5,000〜10,000
および[C]ポリマーセグメントは、枝分かれの平均本
数が5〜20の範囲の場合は5,000〜30,00
0、枝分かれの平均本数が21〜50の範囲の場合は
1,000〜10,000が挙げられる。また、上記枝
分れの平均本数(結合構造式[1]中でのnの値)は、
5〜50の範囲であるが10〜30の範囲が好ましい。 【0026】本発明のほうき型スチレン−カプロラクト
ン系ブロック共重合体のGPC測定による標準ポリスチ
レン換算数平均分子量としては10,000〜1,00
0,000の範囲であるが、好ましくは50,000〜
500,000、更に好ましくは100,000〜30
0,000の範囲である。 【0027】本発明のほうき型スチレン−カプロラクト
ン系ブロック共重合体の製造方法としては、特に限定さ
れないが、第1ステップとして、[A]−[B]ジブロ
ック型ポリマー、すなわちポリスチレン−ポリ(メチル
メタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)共重合体ブロックポリマーを製造し、第2ステップ
としてブロックポリマー中の水酸基からε−カプロラク
トンモノマーまたはε−カプロラクトンモノマーと他の
共重合可能な単量体を開環付加(共)重合する方法が好
ましい。 【0028】第1ステップのジブロックポリマーの製造
方法としては、前記の日本油脂(株)で開発された、分
子内にパーオキサイド結合を有す高分子ラジカル開始剤
を用いるブロックポリマーの合成プロセス、を応用する
方法が最も好ましい。具体的には、水懸濁系において、
前記高分子論文集に記載のポリ〔ポリ(トリエチレング
リコール−alt−アジピン酸クロリド)−alt−
(過酸化水素)〕等を用い、50〜80℃の温度で適当
量のメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートのラジカル共重合を行い、分子内にパーオキ
サイド結合を有すポリ(メチルメタクリレート・2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)共重合体を得る。 【0029】この系に適当量のスチレンを添加し、前段
階より5〜20℃程高い温度で、前記高分子ラジカル開
始剤中の残存するパーオキサイド結合を開裂させポリス
チレンのブロック化を行う。 【0030】上記ジブロック型ポリマーの製造方法にお
いて、ポリスチレンセグメントの数平均分子量、ポリ
(メチルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)共重合体セグメントの数平均分子量、ジブロ
ック型ポリマー中の平均水酸基個数などの調整は各モノ
マーの仕込み組成、ポリ〔ポリ(トリエチレングリコー
ル−alt−アジピン酸クロリド)−alt−(過酸化
水素)〕等の開始剤量およびラジカル重合の温度などを
制御することにより実施できる。ジブロック型ポリマー
のビーズは濾過された後、乾燥して第2ステップのε−
カプロラクトンモノマー等の開環付加(共)重合反応に
供される。第2ステップのブロックポリマー中の水酸基
からε−カプロラクトンモノマーなどを開環付加(共)
重合する方法としては、特に限定を受けないが、第1ス
テップで得られたジブロック型ポリマー、ε−カプロラ
クトンモノマーまたはε−カプロラクトンモノマーと他
の共重合可能な単量体および重合触媒を溶融混練する方
法が最も好ましく用いられる。 【0031】上記のε−カプロラクトンモノマーと共重
合可能な単量体としては、メチル化カプロラクトンモノ
マー、中でも4−メチルカプロラクトン、δ-バレロラ
クトンモノマーおよびβ−プロピオラクトンモノマー等
のラクトンモノマーや環状カーボネートモノマーおよび
環状エーテルモノマー等が挙げられる。ε−カプロラク
トンモノマーとこれらの単量体の混合組成としては、特
に限定されず、任意の組成で共重合することができる。 【0032】また、重合触媒とは、ラクトンモノマーの
開環重合触媒であり、スズ化合物、チタン化合物、アル
ミニウム化合物、亜鉛化合物、モリブデン化合物および
ジルコニウム化合物などが例示できるが、取扱い易さ、
低毒性、反応性、無着色性、熱安定性などのバランスか
らスズ化合物およびチタン化合物が好ましく用いられ
る。スズ化合物としては具体的には、例えば塩化第一ス
ズ、オクチル酸第一スズ、モノブチルスズオキシド、モ
ノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネート)等のモ
ノブチルスズ化合物、ジブチルスズオキシド等のジブチ
ルスズ化合物が挙げられる。またチタン化合物として
は、テトラブチルチタネート、テトラiso−プロピル
チタネート等が挙げられる。これらは各単独であるいは
混合して使用することができる。 【0033】溶融混練を実施する装置としては単軸押出
機、2軸押出機、ニーダータイプ押出機およびスタティ
ックミキサー型重合装置を単独または連続的に連結した
装置を挙げることができる。上記スタティックミキサー
型重合装置とは駆動部のない攪拌機構を有した装置で、
通常、攪拌用エレメントを組み込んだ管内にモノマーを
ポンプにて送り出し、流動と同時に攪拌される機構のも
のを示す。具体的にSulzer Bros社製SM
V、SMX、Wymbs Engeneering L
td.のEtoflo混合エレメントやTranske
m PlantのROSSエレメント、Lightni
n Mixers and AeratorsのLig
htnin混合エレメントおよび住友重機械工業のスル
ザーミキサー重合装置がある。 【0034】また第2ステップのε−カプロラクトンモ
ノマー等の開環付加(共)重合の具体的な方法として
は、第1ステップで得られたジブロック型ポリマー10
〜90重量部、ε−カプロラクトンモノマーまたはε−
カプロラクトンモノマーと他の共重合可能な単量体の合
計90〜10重量部(ジブロック型ポリマーとε−カプ
ロラクトンモノマーなどの合計100重量部)、および
重合触媒0.001〜1重量部を温度100〜280
℃、好ましくは120〜240℃、更に好ましくは15
0〜200℃の範囲で、反応装置が押出機の場合、1〜
30分間、好ましくは2〜20分間、更に好ましくは3
〜10分間、反応装置がスタティックミキサー型重合装
置の場合、10分〜5時間、好ましくは20分〜2時
間、更に好ましくは30分〜1時間混練する方法が挙げ
られる。 【0035】第1ステップで得られたジブロック型ポリ
マー、ε−カプロラクトンモノマー等のどちらかの仕込
み割合が90重量部を上回る場合は、得られるほうき型
ブロック共重合体の物理的および化学的性質が、組成の
多い側のポリマーの性質に似かよってしまい、特徴が発
揮されなくなるため好ましくない。重合触媒は、ジブロ
ック型ポリマーとラクトンモノマー等の合計100重量
部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは0.0
1〜0.5重量部、更に好ましくは0.05〜0.1重
量部添加する。上記添加量が0.001重量部を下回る
場合には、ラクトンモノマーなどの開環付加重合速度が
遅く、逆に1重量部を上回ると、得られたほうき型ブロ
ック共重合体の着色や熱安定性が低下するなどの問題が
生じ好ましくない。また重合温度が100℃未満の場
合、ラクトンモノマーなどの開環付加重合速度が遅く、
280℃を超える場合には、得られたほうき型ブロック
共重合体が着色したり、熱分解、酸化劣化、加水分解な
どの好ましくない分解反応が生じ好ましくない。反応時
間が上記の範囲下限を下回る場合には、ラクトンモノマ
ーなどの重合率が満足できるレベルではなく、後に未反
応ラクトンモノマーを除去するとしても、労力や費用に
要し、反応時間が上記の上限を上回る場合には、必要以
上に加熱することから、費用を要すばかりか、ほうき型
ブロック共重合体の熱分解、酸化劣化、加水分解等の好
ましくない分解反応が生じ好ましくない。 【0036】 【実施例】以下、実施例において本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 【0037】(実施例1) (ほうき型スチレン−カプロラクトンブロック共重合
体)日本油脂(株)製ポリスチレン−ブロック−ポリ
(メチルメタクリレート−ランダム・2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)共重合体(スチレン/メチルメタ
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート組成
=90/9/1、GPC測定数平均分子量76,00
0)5kg、ε−カプロラクトンモノマー10kgおよ
びモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネート)1
gを混合し、住友重機械工業(株)製小型スルザーミキ
サー型重合装置に10g/分の速度で供給し、重合装置
内を180℃に保ち、平均滞留時間5時間で溶融混練し
た。連続的に得られるほうき型スチレン−カプロラクト
ンブロック共重合体のストランドをペレタイザーにてカ
ッティングし、ペレットを得た。得られたほうき型ブロ
ック共重合体のGPC測定による数平均分子量は24
3,000、ペレット内に残存するカプロラクトンモノ
マーは、ガスクロ分析の結果0.21%であった。図1
にその1H−NMRチャートを、図2にそのIRチャー
トを示す。 【0038】(実施例2) (ほうき型スチレン−非晶共重合ラクトンブロック共重
合体)実施例1で用いた原料のε−カプロラクトンモノ
マー10kgのかわりにε−カプロラクトンモノマー7
kgと4−メチル−カプロラクトンモノマー3kgの混
合ラクトンモノマー10kgを使用する以外は、全く同
じ原料、重合装置および重合条件により、透明非晶ポリ
マーであるほうき型スチレン−非晶共重合ラクトンブロ
ック共重合体を得た。このもののGPC測定による数平
均分子量は282,000、ペレット内に残存する2つ
のラクトンモノマーの合計は、ガスクロ分析の結果0.
35%であった。図3にその1H−NMRチャートを、
図4にそのIRチャートを示す。 【0039】 【発明の効果】本発明により提供される新規ほうき型ブ
ロック共重合体は、ポリマー界面における活性が向上し
ているので、樹脂添加剤や粘・接着剤用樹脂として使用
することにより、分散性、相溶性、接着性などを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例1で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−カプロラクトンブロック共重合体の1H−NMRチ
ャートを示す。 【図2】 実施例1で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−カプロラクトンブロック共重合体のIRチャートを
示す。 【図3】 実施例2で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−非晶共重合ラクトンブロック共重合体の1H−NM
Rチャートを示す。 【図4】 実施例2で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−非晶共重合ラクトンブロック共重合体のIRチャー
トを示す。 【化1】

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 [A]、[B]および[C]の3種のポ
    リマーセグメントから構成され、[A]ポリマーセグメ
    ントおよび[B]ポリマーセグメントが1カ所で結合
    し、かつ[C1]〜[Cn]ポリマーセグメントが[B]
    ポリマーセグメントから枝分かれした下記結合構造式
    [1]を有し、[A]ポリマーセグメントが数平均分子
    量10,000〜200,000のポリスチレン、
    [B]ポリマーセグメントが数平均分子量1,000〜
    20,000のポリ(メチルメタクリレート・2−ヒド
    ロキシエチルメタクリレート)共重合体、[C1]〜
    [Cn]の各ポリマーセグメントが数平均分子量1,0
    00〜50,000でかつ、枝分れの平均本数(結合構
    造式[1]中でのnの値)が5〜50のポリ(ε−カプ
    ロラクトン)またはε−カプロラクトン系共重合体から
    構成され、GPC測定による標準ポリスチレン換算数平
    均分子量が10,000〜1,000,000の範囲で
    あることを特徴とする、ほうき型ブロック共重合体。【化1】
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