JPH0892360A - ほうき型ブロック共重合体 - Google Patents

ほうき型ブロック共重合体

Info

Publication number
JPH0892360A
JPH0892360A JP25124194A JP25124194A JPH0892360A JP H0892360 A JPH0892360 A JP H0892360A JP 25124194 A JP25124194 A JP 25124194A JP 25124194 A JP25124194 A JP 25124194A JP H0892360 A JPH0892360 A JP H0892360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
caprolactone
molecular weight
average molecular
polymer segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25124194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3447819B2 (ja
Inventor
Ichiji Watanabe
一司 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP25124194A priority Critical patent/JP3447819B2/ja
Publication of JPH0892360A publication Critical patent/JPH0892360A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3447819B2 publication Critical patent/JP3447819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】各種の樹脂添加剤の分散助剤、相溶化剤、ホッ
トメルト接着剤、各種のバインダー樹脂などの用途に供
される新規のほうき型ブロック共重合体を提供。 【構成】[A]、[B]、[C]のポリマーセグメント
から構成され、[A]、[B]セグメントが1カ所で結
合し、かつ[C1]〜[Cn]セグメントが[B]セグメ
ントから枝分かれした下記式[1]を有し、[A]セグ
メントがMn10,000〜200,000のポリスチ
レン、[B]セグメントがMn1,000〜20,00
0のポリ共重合体、[C1]〜[Cn]の各セグメントが
Mn1,000〜50,000でかつ、枝分れの平均本
数(n値)が5〜50のポリ(ε−カプロラクトン)等
から構成され、ポリスチレン換算数平均分子量が10,
000〜1,000,000の範囲。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は3種のポリマーセグメン
トから構成され、ほうきの形状に似た結合構造を有する
ブロックポリマーに関する。更に詳しくは、各種の樹脂
添加剤の分散助剤、相溶化剤、ホットメルト接着剤、各
種のバインダー樹脂などの用途に供される新規の組成、
結合構造を有するほうき型ブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】リビング
アニオン重合により製造されるスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体およびこれらのカップリング化、水素添
加、官能基変性等の技術によって製造される様々な構造
を有するスチレン系ブロック共重合体は、ポリスチレン
やエンジニアリングプラスチックス等の樹脂改質剤、靴
底、パッキン、シート、ホース、ガスケット、チューブ
等の成形品、アスファルト改質剤、粘・接着剤、ホット
メルト接着剤などの幅広い用途に使用される。
【0003】上記のスチレン系ブロック共重合体の結合
構造としては、ジブロック型、トリブロック型等の直鎖
状構造や放射状構造は知られていた。また一般的に、グ
ラフトポリマーと呼ばれる分岐構造を有したポリマーも
樹脂改質剤として使用されることもあった。
【0004】このように異なった2種以上のポリマーセ
グメントが、共有結合によりつながったポリマーは、広
く樹脂改質に用いられていることから、上記のような公
知の直鎖状構造、放射状構造、分岐状構造以外の特殊な
構造を有するポリマーに対する需要は高いにもかかわら
ず、商業的に製造できない等の問題から市場で入手でき
なかった。
【0005】一方、前記のスチレン系ブロック共重合体
は、通常、リビングアニオン重合により製造されるた
め、スチレンやブタジエン等の非極性モノマー以外の成
分は共重合することが非常に困難であった。
【0006】特公昭46−37737号、特公昭47−
27151号、特開昭62−241956、特開昭62
−225519号、および特開昭63−258932号
等の各公報には、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒ
ドロフラン等の溶媒中でn−ブチルリチウム等の開始剤
からスチレンのアニオン重合を行い、必要に応じてエチ
レンオキシド等で末端活性点のアルコキシド化を実施し
た後、カプロラクトンのアニオン重合を行う技術が開示
されている。
【0007】しかしながら、カプロラクトン等の極性モ
ノマーのリビングアニオン重合は困難で、カプロラクト
ンのホモポリマーの生成等好ましくない問題が多く生
じ、現在商業的には製造されていない。
【0008】また、グラフトポリマーにおいては、例え
ば、ポリスチレンの主鎖セグメントにポリラクトンの分
岐セグメントを導入することは可能であるが、生成した
グラフトポリマーは、ポリマー界面等における界面活性
の能力が乏しく、樹脂添加剤の分散助剤や相溶化剤とし
て効率が低いという問題点があった。
【0009】すなわち、ポリマー界面などを制御するこ
とで、分散性、相溶性、接着性などを向上させる意味で
の界面活性の能力が優れた、新規の組成・結合構造を有
した共重合ポリマーが求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、特定のほうき型ブロック共重合体がこれらの要求を
満足させる共重合体であることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0011】すなわち本発明によれば、[A]、[B]
および[C]の3種のポリマーセグメントから構成さ
れ、[A]ポリマーセグメントおよび[B]ポリマーセ
グメントが1カ所で結合し、かつ[C1]〜[Cn]ポリ
マーセグメントが[B]ポリマーセグメントから枝分か
れした下記結合構造式[1]を有し、[A]ポリマーセ
グメントが数平均分子量10,000〜200,000
のポリスチレン、[B]ポリマーセグメントが数平均分
子量1,000〜20,000のポリ(メチルメタクリ
レート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート)共重合
体、[C1]〜[Cn]の各ポリマーセグメント(以下、
単に[C]セグメントと略す)が数平均分子量1,00
0〜50,000でかつ、枝分れの平均本数(結合構造
式[1]中でのnの値)が5〜50のポリ(ε−カプロ
ラクトン)またはε−カプロラクトン系共重合体から構
成され、GPC測定による標準ポリスチレン換算数平均
分子量が10,000〜1,000,000の範囲であ
ることを特徴とする、ほうき型ブロック共重合体が提供
される。
【0012】
【化2】
【0013】[A]、[B]および[C]は、それぞれ
異なった3種のポリマーセグメントであり、各々のポリ
マーセグメントの一部または全部は複数種のモノマーか
ら構成されていてもよい。
【0014】また、[A]および[B]ポリマーセグメ
ントは1カ所のみで共有結合し、かつ[C]ポリマーセ
グメントは[B]ポリマーセグメントから、平均5〜5
0本枝分かれした結合構造を有す。
【0015】また、結合構造式[1]のほうき型ブロッ
クポリマーのGPC測定による標準ポリスチレン換算数
平均分子量は、10,000〜1,000,000の範
囲である。本発明のほうき型ブロックポリマーのGPC
測定による数平均分子量が10,000未満の場合は、
ポリマーとしての機械的強度が不足し、逆に1,00
0,000を超える場合は、成形加工性が著しく損なわ
れ好ましくない。
【0016】上記ほうき型ブロックポリマーを製造する
ための必要条件としては、2つ挙げられ、1つは[A]
および[B]ポリマーセグメントは公知の技術によって
[A]−[B]ジブロック型のブロックポリマーが製造
できること、もう1つは[B]ポリマーセグメント中に
[C]ポリマーセグメントを導入または連結するための
官能基を平均5〜50個有していることである。
【0017】[A]−[B]ジブロック型のブロックポ
リマーの製造方法としては、リビングアニオン重合法と
高分子ラジカル開始剤を用いるラジカル重合法に大別さ
れる。上記のリビングアニオン重合法の具体例として
は、アルキルリチウムを開始剤に用いるスチレンや共役
ジエン等の重合、シリルケテンアセタールを用いるメチ
ルメタクリレート等のアクリルモノマーの重合、ジシク
ロペンテニルサマリウム錯体等を用いるエチレン、アク
リルモノマー、環状カーボネートおよびラクトン等の重
合、アルコキシ金属化合物を用いる環状エーテル等の重
合が挙げられる。上記の高分子ラジカル開始剤を用いる
ラジカル重合法の具体例としては、日本油脂(株)で開
発された分子内にパーオキサイド結合を有す高分子ラジ
カル開始剤を用いるブロックポリマーの合成プロセス
(例えば、高分子論文集,44巻No.2,81〜88
頁)や上田、永井らのアゾ基で連結された高分子ラジカ
ル開始剤を用いるプロセスなどが挙げられる。
【0018】上記[A]−[B]ジブロックポリマーの
[B]ポリマーセグメント中に特定の官能基を平均5〜
50個導入する方法としては、リビングアニオン重合法
による場合は、特定の官能基およびリビングアニオン重
合性を共に有するモノマーを直接、または官能基を保護
した後リビングアニオン重合を行う方法が、また高分子
ラジカル開始剤を用いるラジカル重合法による場合は、
特定の官能基およびラジカル重合性を共に有するモノマ
ーを1成分として使用する方法が例示できる。上記の特
定の官能基として本発明では水酸基を用いる。
【0019】本発明のほうき型ブロック共重合体の製造
方法において、[A]、[B]および[C]のどのポリ
マーセグメントから重合すべきかは限定されず、
[A]、[B]および[C]がどのような組成または分
子量のポリマーにあるかによって最適の方法を用いるこ
とが望ましい。
【0020】以下、本発明のほうき型ブロック共重合体
の具体例として、ほうき型スチレン−カプロラクトン系
ブロック共重合体およびこの製造方法について詳細に説
明する。
【0021】上記のほうき型スチレン−カプロラクトン
系ブロック共重合体は結合構造式[1]で表され、かつ
[A]ポリマーセグメントが数平均分子量10,000
〜200,000のポリスチレン、[B]ポリマーセグ
メントが数平均分子量1,000〜20,000のポリ
(メチルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)共重合体、[C]ポリマーセグメントが数平
均分子量1,000〜50,000かつ枝分かれの平均
本数(結合構造式[1]中でのnの値)が5〜50のポ
リ(ε−カプロラクトン)またはε−カプロラクトン系
共重合体から構成される。
【0022】ポリスチレンセグメントの数平均分子量が
10,000を下回る場合は、ほうき型スチレン−カプ
ロラクトン系ブロック共重合体の剛性などの機械的強度
や前記載の樹脂改質剤としての分散性、相溶性、接着性
などの界面活性の能力が低下するため好ましくない。逆
に200,000を上回る場合は、本発明のほうき型ブ
ロック共重合体の加工性が低下するため好ましくない。
【0023】ポリ(メチルメタクリレート・2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)共重合体セグメントのメチ
ルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トはランダム結合であり、その数平均分子量が1,00
0を下回る場合、また逆に20,000を上回る場合、
共にポリスチレンセグメントとのブロック化が困難とな
り、ブロック効率が低下するため好ましくない。
【0024】また[C]ポリマーセグメントであるポリ
(ε−カプロラクトン)またはε−カプロラクトン系共
重合体の枝分かれの平均本数は、[B]ポリマーセグメ
ント中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの平均個
数にほぼ等しい。このため、[B]ポリマーセグメント
中の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの平均個数は
5〜50である。ポリ(ε−カプロラクトン)またはε
−カプロラクトン系共重合体各セグメントの数平均分子
量が1,000を下回る場合は、本発明のほうき型ブロ
ック共重合体の機械的強度や前記載の樹脂改質剤として
の界面活性の能力が低下するため好ましくない。逆に5
0,000を上回る場合は本発明のほうき型ブロック共
重合体の加工性が低下するため好ましくない。
【0025】[A]、[B]および[C]ポリマーセグ
メントの好ましい数平均分子量の範囲としては、[A]
ポリマーセグメントは30,000〜100,000、
[B]ポリマーセグメントは5,000〜10,000
および[C]ポリマーセグメントは、枝分かれの平均本
数が5〜20の範囲の場合は5,000〜30,00
0、枝分かれの平均本数が21〜50の範囲の場合は
1,000〜10,000が挙げられる。また、上記枝
分れの平均本数(結合構造式[1]中でのnの値)は、
5〜50の範囲であるが10〜30の範囲が好ましい。
【0026】本発明のほうき型スチレン−カプロラクト
ン系ブロック共重合体のGPC測定による標準ポリスチ
レン換算数平均分子量としては10,000〜1,00
0,000の範囲であるが、好ましくは50,000〜
500,000、更に好ましくは100,000〜30
0,000の範囲である。
【0027】本発明のほうき型スチレン−カプロラクト
ン系ブロック共重合体の製造方法としては、特に限定さ
れないが、第1ステップとして、[A]−[B]ジブロ
ック型ポリマー、すなわちポリスチレン−ポリ(メチル
メタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)共重合体ブロックポリマーを製造し、第2ステップ
としてブロックポリマー中の水酸基からε−カプロラク
トンモノマーまたはε−カプロラクトンモノマーと他の
共重合可能な単量体を開環付加(共)重合する方法が好
ましい。
【0028】第1ステップのジブロックポリマーの製造
方法としては、前記の日本油脂(株)で開発された、分
子内にパーオキサイド結合を有す高分子ラジカル開始剤
を用いるブロックポリマーの合成プロセス、を応用する
方法が最も好ましい。具体的には、水懸濁系において、
前記高分子論文集に記載のポリ〔ポリ(トリエチレング
リコール−alt−アジピン酸クロリド)−alt−
(過酸化水素)〕等を用い、50〜80℃の温度で適当
量のメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートのラジカル共重合を行い、分子内にパーオキ
サイド結合を有すポリ(メチルメタクリレート・2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)共重合体を得る。
【0029】この系に適当量のスチレンを添加し、前段
階より5〜20℃程高い温度で、前記高分子ラジカル開
始剤中の残存するパーオキサイド結合を開裂させポリス
チレンのブロック化を行う。
【0030】上記ジブロック型ポリマーの製造方法にお
いて、ポリスチレンセグメントの数平均分子量、ポリ
(メチルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)共重合体セグメントの数平均分子量、ジブロ
ック型ポリマー中の平均水酸基個数などの調整は各モノ
マーの仕込み組成、ポリ〔ポリ(トリエチレングリコー
ル−alt−アジピン酸クロリド)−alt−(過酸化
水素)〕等の開始剤量およびラジカル重合の温度などを
制御することにより実施できる。ジブロック型ポリマー
のビーズは濾過された後、乾燥して第2ステップのε−
カプロラクトンモノマー等の開環付加(共)重合反応に
供される。第2ステップのブロックポリマー中の水酸基
からε−カプロラクトンモノマーなどを開環付加(共)
重合する方法としては、特に限定を受けないが、第1ス
テップで得られたジブロック型ポリマー、ε−カプロラ
クトンモノマーまたはε−カプロラクトンモノマーと他
の共重合可能な単量体および重合触媒を溶融混練する方
法が最も好ましく用いられる。
【0031】上記のε−カプロラクトンモノマーと共重
合可能な単量体としては、メチル化カプロラクトンモノ
マー、中でも4−メチルカプロラクトン、δ-バレロラ
クトンモノマーおよびβ−プロピオラクトンモノマー等
のラクトンモノマーや環状カーボネートモノマーおよび
環状エーテルモノマー等が挙げられる。ε−カプロラク
トンモノマーとこれらの単量体の混合組成としては、特
に限定されず、任意の組成で共重合することができる。
【0032】また、重合触媒とは、ラクトンモノマーの
開環重合触媒であり、スズ化合物、チタン化合物、アル
ミニウム化合物、亜鉛化合物、モリブデン化合物および
ジルコニウム化合物などが例示できるが、取扱い易さ、
低毒性、反応性、無着色性、熱安定性などのバランスか
らスズ化合物およびチタン化合物が好ましく用いられ
る。スズ化合物としては具体的には、例えば塩化第一ス
ズ、オクチル酸第一スズ、モノブチルスズオキシド、モ
ノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネート)等のモ
ノブチルスズ化合物、ジブチルスズオキシド等のジブチ
ルスズ化合物が挙げられる。またチタン化合物として
は、テトラブチルチタネート、テトラiso−プロピル
チタネート等が挙げられる。これらは各単独であるいは
混合して使用することができる。
【0033】溶融混練を実施する装置としては単軸押出
機、2軸押出機、ニーダータイプ押出機およびスタティ
ックミキサー型重合装置を単独または連続的に連結した
装置を挙げることができる。上記スタティックミキサー
型重合装置とは駆動部のない攪拌機構を有した装置で、
通常、攪拌用エレメントを組み込んだ管内にモノマーを
ポンプにて送り出し、流動と同時に攪拌される機構のも
のを示す。具体的にSulzer Bros社製SM
V、SMX、Wymbs Engeneering L
td.のEtoflo混合エレメントやTranske
m PlantのROSSエレメント、Lightni
n Mixers and AeratorsのLig
htnin混合エレメントおよび住友重機械工業のスル
ザーミキサー重合装置がある。
【0034】また第2ステップのε−カプロラクトンモ
ノマー等の開環付加(共)重合の具体的な方法として
は、第1ステップで得られたジブロック型ポリマー10
〜90重量部、ε−カプロラクトンモノマーまたはε−
カプロラクトンモノマーと他の共重合可能な単量体の合
計90〜10重量部(ジブロック型ポリマーとε−カプ
ロラクトンモノマーなどの合計100重量部)、および
重合触媒0.001〜1重量部を温度100〜280
℃、好ましくは120〜240℃、更に好ましくは15
0〜200℃の範囲で、反応装置が押出機の場合、1〜
30分間、好ましくは2〜20分間、更に好ましくは3
〜10分間、反応装置がスタティックミキサー型重合装
置の場合、10分〜5時間、好ましくは20分〜2時
間、更に好ましくは30分〜1時間混練する方法が挙げ
られる。
【0035】第1ステップで得られたジブロック型ポリ
マー、ε−カプロラクトンモノマー等のどちらかの仕込
み割合が90重量部を上回る場合は、得られるほうき型
ブロック共重合体の物理的および化学的性質が、組成の
多い側のポリマーの性質に似かよってしまい、特徴が発
揮されなくなるため好ましくない。重合触媒は、ジブロ
ック型ポリマーとラクトンモノマー等の合計100重量
部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは0.0
1〜0.5重量部、更に好ましくは0.05〜0.1重
量部添加する。上記添加量が0.001重量部を下回る
場合には、ラクトンモノマーなどの開環付加重合速度が
遅く、逆に1重量部を上回ると、得られたほうき型ブロ
ック共重合体の着色や熱安定性が低下するなどの問題が
生じ好ましくない。また重合温度が100℃未満の場
合、ラクトンモノマーなどの開環付加重合速度が遅く、
280℃を超える場合には、得られたほうき型ブロック
共重合体が着色したり、熱分解、酸化劣化、加水分解な
どの好ましくない分解反応が生じ好ましくない。反応時
間が上記の範囲下限を下回る場合には、ラクトンモノマ
ーなどの重合率が満足できるレベルではなく、後に未反
応ラクトンモノマーを除去するとしても、労力や費用に
要し、反応時間が上記の上限を上回る場合には、必要以
上に加熱することから、費用を要すばかりか、ほうき型
ブロック共重合体の熱分解、酸化劣化、加水分解等の好
ましくない分解反応が生じ好ましくない。
【0036】
【実施例】以下、実施例において本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0037】(実施例1) (ほうき型スチレン−カプロラクトンブロック共重合
体)日本油脂(株)製ポリスチレン−ブロック−ポリ
(メチルメタクリレート−ランダム・2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)共重合体(スチレン/メチルメタ
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート組成
=90/9/1、GPC測定数平均分子量76,00
0)5kg、ε−カプロラクトンモノマー10kgおよ
びモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサネート)1
gを混合し、住友重機械工業(株)製小型スルザーミキ
サー型重合装置に10g/分の速度で供給し、重合装置
内を180℃に保ち、平均滞留時間5時間で溶融混練し
た。連続的に得られるほうき型スチレン−カプロラクト
ンブロック共重合体のストランドをペレタイザーにてカ
ッティングし、ペレットを得た。得られたほうき型ブロ
ック共重合体のGPC測定による数平均分子量は24
3,000、ペレット内に残存するカプロラクトンモノ
マーは、ガスクロ分析の結果0.21%であった。図1
にその1H−NMRチャートを、図2にそのIRチャー
トを示す。
【0038】(実施例2) (ほうき型スチレン−非晶共重合ラクトンブロック共重
合体)実施例1で用いた原料のε−カプロラクトンモノ
マー10kgのかわりにε−カプロラクトンモノマー7
kgと4−メチル−カプロラクトンモノマー3kgの混
合ラクトンモノマー10kgを使用する以外は、全く同
じ原料、重合装置および重合条件により、透明非晶ポリ
マーであるほうき型スチレン−非晶共重合ラクトンブロ
ック共重合体を得た。このもののGPC測定による数平
均分子量は282,000、ペレット内に残存する2つ
のラクトンモノマーの合計は、ガスクロ分析の結果0.
35%であった。図3にその1H−NMRチャートを、
図4にそのIRチャートを示す。
【0039】
【発明の効果】本発明により提供される新規ほうき型ブ
ロック共重合体は、ポリマー界面における活性が向上し
ているので、樹脂添加剤や粘・接着剤用樹脂として使用
することにより、分散性、相溶性、接着性などを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−カプロラクトンブロック共重合体の1H−NMRチ
ャートを示す。
【図2】 実施例1で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−カプロラクトンブロック共重合体のIRチャートを
示す。
【図3】 実施例2で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−非晶共重合ラクトンブロック共重合体の1H−NM
Rチャートを示す。
【図4】 実施例2で得られた本発明のほうき型スチレ
ン−非晶共重合ラクトンブロック共重合体のIRチャー
トを示す。
【化1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]、[B]および[C]の3種のポ
    リマーセグメントから構成され、[A]ポリマーセグメ
    ントおよび[B]ポリマーセグメントが1カ所で結合
    し、かつ[C1]〜[Cn]ポリマーセグメントが[B]
    ポリマーセグメントから枝分かれした下記結合構造式
    [1]を有し、[A]ポリマーセグメントが数平均分子
    量10,000〜200,000のポリスチレン、
    [B]ポリマーセグメントが数平均分子量1,000〜
    20,000のポリ(メチルメタクリレート・2−ヒド
    ロキシエチルメタクリレート)共重合体、[C1]〜
    [Cn]の各ポリマーセグメントが数平均分子量1,0
    00〜50,000でかつ、枝分れの平均本数(結合構
    造式[1]中でのnの値)が5〜50のポリ(ε−カプ
    ロラクトン)またはε−カプロラクトン系共重合体から
    構成され、GPC測定による標準ポリスチレン換算数平
    均分子量が10,000〜1,000,000の範囲で
    あることを特徴とする、ほうき型ブロック共重合体。
JP25124194A 1994-09-20 1994-09-20 ほうき型ブロック共重合体 Expired - Fee Related JP3447819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25124194A JP3447819B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ほうき型ブロック共重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25124194A JP3447819B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ほうき型ブロック共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0892360A true JPH0892360A (ja) 1996-04-09
JP3447819B2 JP3447819B2 (ja) 2003-09-16

Family

ID=17219833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25124194A Expired - Fee Related JP3447819B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ほうき型ブロック共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3447819B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3447819B2 (ja) 2003-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Karayannidis et al. Alkyd resins derived from glycolized waste poly (ethylene terephthalate)
JP4189815B2 (ja) ニトロオキシド存在下の制御されたラジカル重合で得られるブロック共重合体を含む耐衝撃性に優れた材料の製造方法および使用
US7960479B2 (en) Brush copolymers
US20020183473A1 (en) Process for preparation of graft polymers
CN102666617B (zh) 用于制备聚(甲基)丙烯酸酯-接枝-聚内酯聚合物的方法
EP1910435B1 (en) Methods of producing vinyl aromatic polymers using (meth)acrylic macroinitiators
JP2005515281A6 (ja) ニトロオキシド存在下の制御されたラジカル重合で得られるブロック共重合体を含む耐衝撃性に優れた材料の製造方法および使用
TW201016731A (en) Coupled polyester acrylate graft polymers
CA2495213A1 (en) Block copolymers containing functional groups
CN103261236B (zh) 在链末端附近具有湿气可固化官能团簇的可固化组合物
JP2842782B2 (ja) 星型ブロック重合体およびその製造方法
CA1281449C (en) Hybrid acrylic star polymers and preparation
JP2010539317A (ja) 乳酸ホモポリマーとブロックコポリマーとを含む組成物
JPH0967414A (ja) ポリビニルアルコール系熱可塑性共重合体及びその製造方法
JP3447819B2 (ja) ほうき型ブロック共重合体
Shemper et al. Synthesis of linear and starlike polymers from poly (propylene glycol) methacrylate using controlled radical polymerization
WO2004094522A3 (en) Poly ((polythioalkyl)esters), their applications and derivatives
JP3194656B2 (ja) (ビニル重合体−ポリラクトン)ブロック共重合体
JP3426057B2 (ja) 高酸価ラクトン重合体およびその製造方法
JPS63128002A (ja) 重縮合性マクロモノマ−の製造法
JP3426065B2 (ja) ラクトングラフト共重合体およびその製造方法
JP2001310920A (ja) 反応性ビニル系ブロック共重合体及び反応性ビニル系ブロック共重合体を含む硬化性組成物
Parthiban et al. Triblock copolymers composed of soft and semi-crystalline segments—synthesis and characterization of poly [(n-butyl acrylate)-block-(ε-caprolactone)-block-(L-lactide)]
WO2002068485A1 (en) Process for preparation of graft polymers
JP3506774B2 (ja) エポキシ化重合体または共重合体−ポリラクトン系ブロック共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees