JP3479052B2 - 半導体装置のダミー配置判定方法 - Google Patents

半導体装置のダミー配置判定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上のメ
タル配線のような導電部分を覆う絶縁層の平坦化のため
に、該絶縁層に前記導電部分と共にダミーを埋設すべき
か否かを判定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造では、一般的
に、半導体基板上の導電部分を絶縁層で埋設すべく、例
えば化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:以
下、単に「CVD」と称す。)のための装置を用いて、
前記基板上に絶縁層が形成される。
【0003】また、多層配線構造にあっては、この絶縁
層上への新たな上層配線となる導電部分のパターニング
のために、それに先立って絶縁層の隆起面を平坦化すべ
く、前記絶縁層の表面に、例えば化学機械研磨装置(Ch
emical Mechanical Polishing:以下、単に「CMP装
置」と称す。)を用いた平坦化処理が施される。
【0004】前記CMP装置を用いた平坦化処理によれ
ば、研磨を受ける絶縁層内に埋設された導電部分が、ほ
ぼ均等な密度で配置されている限り、絶縁層上に平坦な
表面が得られる。
【0005】ところが、設計上、基板上の導電部分の配
置密度を平均化することは容易ではなく、また、この配
置密度に差が生じると、研磨を受けた絶縁層の表面で
は、前記配置密度が高い密の領域と密度が低い疎の領域
との間に、いわゆるグローバル段差が生じる。このグロ
ーバル段差は、絶縁層上へ、前記した上層配線のための
フォトリソグラフィを施すときの精度を低下させる原因
となる。
【0006】そこで、前記グローバル段差の低減のため
に、従来、基板上の導電部分を除く基板部分にダミーを
配置することが試みられている。従来の方法では、設計
者等の目算により、半導体ウエハの各チップ領域すなわ
ち各基板部分毎に、適宜ダミーの配置が決定されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような人間の目算によるダミーの配置は、設計者の主
観に大きく依存する。例えば、実際は導電部分の配置密
度が比較的高い領域であっても、前記密度が作業者によ
り疎であると判断されると、その領域にダミーが配置さ
れてしまうことがある。この場合、前記領域で更に導電
部分の密度が高められることから、素子全体では、前記
グローバル段差が十分に緩和されず、これとは逆に、段
差が一層大きくなる虞がある。
【0008】また、設計者ごとに前記した判断が異な
り、ダミーの配置に関する決定にばらつきが生じると、
グローバル段差の緩和を適正に行うことが困難となる。
【0009】本発明の目的は、グローバル段差の低減を
図ることにより高精度での半導体装置の製造を可能とす
ダミー配置判定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板上
に配置される導電部分の配置密度の均等化を図るべく、
配置密度の下限値を規定し、この下限値を下回る領域
に、該領域での配置密度が前記下限値を超えるようにダ
ミーを配置することにより、前記段差の緩和を図ること
を企図する。
【0011】 本発明は、半導体基板上に導電部分を埋設
するために形成される絶縁層を、平坦に研磨して半導体
装置を製造するために基板にダミーを配置するか否かを
判定する方法において、基板を複数の領域に分けるこ
と、絶縁層を平行平板型プラズマCVD装置にて形成す
る場合、各領域に位置する導電部に対し実幅寸法よりも
所定寸法分大きな仮想幅寸法を設定し、仮想幅寸法に基
づいて導電部に仮想面積を設定すること、絶縁層を高密
度プラズマCVD装置にて形成する場合、各領域に位置
する導電部に対し実幅寸法よりも所定寸法分小さな仮想
幅寸法を設定し、仮想幅寸法に基づいて導電部に仮想面
積を設定すること、各領域毎に、領域の面積に対する領
域の導電部の仮想面積の割合を配置密度として算出し、
算出した配置密度が所定の密度閾値より小さいと、対応
する領域に対しダミーを配置すべきと判定すること、を
特徴とする。
【0012】前記判定方法によれば、前記ダミーを形成
すべきか否かの絶縁層の形成に先立つ判定が、設計者等
の主観によらず、所定の判定基準に沿って、基板上の各
領域毎に行われることから、この判定結果により基板上
へのダミーの配置を適正に決定することができる。さら
に、この決定に基づいて基板上に形成されたダミーと導
電部分とを覆う絶縁層の表面が平坦化処理を施されるこ
とから、グローバル段差を効果的に緩和することができ
る。
【0013】前記導電部分は、製造時において前記半導
体基板上から突出し、前記半導体基板上に形成された素
子に電気的に接続されるように形成することができる。
前記ダミーは、前記半導体基板上から突出し、前記素子
に電気的に非接続状態に置くことができる。前記導電部
分の配置密度の均等化を図るべく、前記ダミーを、前記
配置密度が所定の値を下回る領域に該領域での配置密度
が前記所定値を超えるように配置する。
【0014】前記基板に、半導体ウエハで集合的に形成
される複数の基板部分の一つを用いることができる。こ
のとき、前記ダミーに関する前記した判定のための領
として、前記基板を区画してなる複数の矩形領域のそれ
ぞれを適用することができる。前記各矩形領域は正方形
にすることができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】前記基板の前記領域の面積と、領域の前記
導電部分の面積との比に応じて、前記基板上に形成すべ
き前記各ダミーの配置面積を増減させることができる。
例えば、所定領域の面積に対する導電部分の面積の比率
が低いほど、ダミー面積をより大きくすることができ
る。
【0021】 他の発明は、半導体基板上に導電部分を埋
設するために形成される絶縁層を、平坦に研磨して半導
体装置を製造するために基板にダミーを配置するか否か
を判定する方法において、基板を複数の領域に分けるこ
と、絶縁層を平行平板型プラズマCVD装置にて形成す
る場合、各領域に位置する導電部に対し実幅寸法よりも
所定寸法分大きな仮想幅寸法を設定し、仮想幅寸法に基
づいて導電部に仮想面積を設定すること、絶縁層を高密
度プラズマCVD装置にて形成する場合、各領域に位置
する導電部に対し実幅寸法よりも所定寸法分小さな仮想
幅寸法を設定し、仮想幅寸法に基づいて導電部に仮想面
積を設定すること、各領域毎に、自己の領域及び自己の
領域を中心とする周囲の複数の領域をローカル領域とし
て総面積を算出し、総面積に対するローカル領域に位置
する全ての導電部の仮想面積の総和の割合をローカル配
置密度として算出し、算出したローカル配置密度が所定
の密度閾値より小さいと、自己の領域に対しダミーを配
置すべきと判定すること、を特徴とする。
【0022】上記判定方法において、個数が同一で大き
さの異なるダミー組合体を予め設定し、ダミーを配置す
べきと判定された自己の領域に対しそのローカル配置密
度が小さいと、大きさの大きいダミー組合体を配置すべ
く判定し、ローカル配置密度が大きいと、大きさの小さ
いダミー組合体を配置すべく判定すること、を特徴とす
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 〈具体例1〉 具体例1は、本発明に係る半導体装置のダミー配置判定
方法を、図1に示されているような半導体ウエハ10上
に半導体装置を集合的に形成すべく前記ウエハ10の各
チップ領域10aへ半導体装置を製造する方法に適用し
た例を示す。各チップ領域10aは、グリッドライン1
0bで互いに区画されている。
【0024】半導体装置の製造過程では、図2に示され
ているように、一般的に、半導体ウエハ10の各チップ
領域10aに対応する半導体基板10a上に凸状に形成
された従来よく知られた金属配線のような各導電部分1
1を埋め込むために、前記半導体ウエハ10上に絶縁層
12が形成される。半導体基板10aから突出して形成
された前記各導電部分11は、当該基板上に形成された
素子に電気的に接続されている。絶縁層12の形成に
は、例えば平行平板型プラズマCVD装置または高密度
プラズマCVD装置等を用いることができる。
【0025】ところで、半導体基板10a上で、導電部
分11の配置密度が低い疎領域(I)と、配置密度がこ
れより高い密領域(II)とが生じると、この基板10a
上に絶縁層12が形成されたとき、前記各領域に形成さ
れる隆起部12aの頂部における断面形状がそれぞれ異
なる。図2に示されているように、前記密領域の隆起部
12aは、その頂部が比較的平坦な形状となり、他方、
前記密領域の隆起部12aは、孤立した導電部分11に
対応して、その頂部が急峻な形状となる。
【0026】このような各隆起部12aを、研磨により
平坦化するために、例えば発泡ポリウレタンのような弾
性を有する材質で形成され平坦な研磨面を有するパッド
が設けられたCMP装置が用いられている。前記平坦化
処理時、この平坦なパッド研磨面が前記隆起面の頂面に
押し当てられる。
【0027】前記疎領域では、前記したように、密領域
に比べて隆起面12aの頂部が急峻な形状であることか
ら、前記研磨時には、前記パッドからの圧力がこの急峻
な頂面に集中し易い。そのため、疎領域の絶縁層が密領
域のそれより早く研磨され、これにより、研磨後の絶縁
層12の表面には、いわゆるグローバル段差12bが生
じる。
【0028】前記グローバル段差12bを緩和するため
に、図3に示されているように、前記基板10a上の導
電部分11を除く基板部分から突出するダミー13を配
置することが試みられている。前記したような凸状のダ
ミー13は、前記基板10a上に形成されている素子
に、電気的に接続されない。このダミーの配置にあたっ
ては、例えば、実配線となる導電部分のパターンが設計
された後に、前記ダミーのためのパターン設計が行われ
る。
【0029】具体例1の製造方法では、前記したダミー
パターンの設計時、図1に示されているように、前記基
板10a上を含む半導体ウエハ10の全領域が矩形領域
に分割される。各チップ領域である各基板10a上の各
矩形領域は、図示の例では、1辺が100μmの正方形とな
るように網目状に分割されているが、前記基板10a上
を複数に分割可能であれば、この分割単位を適宜選択す
ることができる。
【0030】前記基板10a上を前記したように網目状
に分割した後、この分割により得られる各領域を所定領
域14として、該所定領域毎に、該領域の面積に対する
導電部分11のパターン面積の割合が算出される。これ
により、所定領域14毎の導電部分11のパターン密度
が求められる。
【0031】前記製造方法では、前記所定領域14にダ
ミー13を配置するか否かについての判定基準、すなわ
ち前記密度に関する前記判定のための閾値として、例え
ば、25%が用いられる。この場合、求められた前記パタ
ーン密度が25%以下であるとき、その所定領域14は前
記した疎領域であり、そのため、前記領域14にダミー
13を配置すべきであるとの判定を下す。また、前記パ
ターン密度が、前記閾値を超える例えば50%のような値
である場合、その領域14は前記した密領域であり、そ
のため、この領域にはダミー13を配置する必要がない
との判定を下す。
【0032】前記した判定が行われた後、該判定の結果
に基づき、前記基板10a上に適宜ダミーパターン(1
3)が配置される。
【0033】このダミーパターンの配置は、例えば、コ
ンピュータ上のシミュレーションにより行うことがで
き、その場合、複数のダミーが所定の間隔を空けて均等
に配列されたパターンモデルを前記所定領域14に重ね
合わせ、導電部分11と重複しない所望箇所へのダミー
パターン(13)の配置が決定される。ダミー13の平
面形状を例えば1辺が2μmの正方形とすることができ、
各ダミー13をそれぞれ2μmの等間隔で配列すること
ができる。
【0034】ダミーパターンの設計時、前記したシミュ
レーションが、必要に応じて、前記基板10a上の所定
領域14毎に行われ、これにより、前記基板10a上の
全ての所定領域14について、所定領域毎にダミー13
の配置が決定される。
【0035】その後、必要に応じて前記ダミーパターン
(13)が挿入された配線のための露光マスクを用いた
従来よく知られたフォトリソグラフィにより、前記基板
10aを含む半導体ウエハ10上に、導電部分11およ
びダミー13が形成される。
【0036】前記導電部分11およびダミー13の形成
後、これら凸状の導電部分11およびダミー13を埋め
込むように、前記したCVD装置を用いて半導体ウエハ
10上に絶縁層12が形成され、該絶縁層上に、前記し
たCMP装置を用いた平坦化処理が施される。
【0037】このように、前記製造方法では、前記基板
10a上で疎領域(I)であると判定された領域にダミ
ー13が配置されることから、この領域での密度が高め
られ、疎領域(I)および密領域(II)間の密度差が縮
小される。その結果、前記疎領域における隆起部12a
の頂部が、前記ダミー13の配置前よりも平坦になるこ
とから、図3に示されているように、CMPの平坦化処
理によって生じるグローバル段差12b′は、図2に示
した前記段差12bに比較して小さくなる。
【0038】前記した具体例1の判定方法によれば、半
導体基板10a上に導電部分11と共にダミー13を形
成すべきか否かのグローバル段差の緩和を図るための判
定が、前記所定領域14毎に、導電部分11のパターン
が配置された密度に基づいて行われることから、ダミー
13の配置に関する適正な判定を行うことができる。
【0039】従って、前記したダミー13に関する判定
を、設計者等の主観に依存することなく所定の判定基準
に基づいて行うことができ、これにより、前記した基板
10a上の密領域(II)へダミー13を配置してしまう
ような、ダミー13の不適正な配置を防止することがで
きる。
【0040】また、前記判定結果に基づき必要に応じて
各所定領域14に形成されたダミー13と、導電部分1
1とを覆う絶縁層12に平坦化処理が施されることか
ら、グローバル段差を効果的に緩和することができる。 〈具体例2〉 本発明に係る半導体装置のダミー配置判定方法について
の具体例2では、各領域14への前記したダミー13の
配置を判定するために、図4に示されているように、前
記基板10a上の前記各領域14を取り巻く複数の領域
14を含む所定範囲を所定領域14aとし、この所定領
域14aについて、導電部分11のパターン密度が求め
られる。
【0041】前記所定領域14aは、図示の例では、前
記各領域14を中心とする1辺が4700μmの正方範囲で
規定されているが、この範囲は、平坦化処理を行うCM
P装置毎に設けられている所定の研磨設備および研磨条
件、例えばパッドの材質および回転数等に基づいて、適
宜設定することができる。また、半導体ウエハ10上で
前記基板10aと互いに隣合う基板(10a)の境界付
近に位置する領域14のように、その所定領域14aが
前記両基板の境界を超える場合、前記所定領域14aに
は、前記した隣接の基板(10a)上を含む領域が与え
られる。
【0042】前記判定方法では、前記基板10a上の前
記各領域14毎に、該領域を取り巻く所定領域14aの
面積に対する該所定領域内の導電部分11のパターン面
積の割合を算出し、各領域14についての判定のため
に、それぞれの所定領域14aについての導電部分11
のパターン密度が求められる。すなわち、具体例2の
方法では、各領域14にダミー13を配置すべきか否
かの判定には、この判定をうける各領域14を中心とし
てこれを取り巻く所定領域14aでのパターン密度すな
わちローカルパターン密度が採用され、このローカルパ
ターン密度と閾値との比較が行われる。
【0043】その比較の結果、前記ローカルパターン密
度が前記閾値以下である場合、前記所定領域14aの中
心に位置する領域14にダミー13を配置するとの判定
が下される。前記閾値は、前記した具体例1におけると
同様に、例えば25%とすることができ、前記パターン密
度が25%を超える場合、前記領域14にダミー13を配
置する必要がないと判定される。
【0044】その後、前記した具体例1におけると同様
に、導電部分11と、前記した判定の結果に基づいて必
要に応じて配置されたダミー13とが、絶縁層12に埋
設され、該絶縁層の表面にCMP装置を用いた平坦化処
理が施される。
【0045】このように、具体例2の判定方法によれ
ば、前記基板10a上の各領域14毎に、該領域を取り
巻く所定の周辺領域での平均化された前記ローカルパタ
ーン密度に基づいて、前記ダミー13に関する判定が行
われることから、前記各領域14とその周辺領域との干
渉を考慮した、より正確な判定を行うことができる。
【0046】〈具体例3〉 本発明に係る半導体装置のダミー配置判定方法について
の具体例3は、図4に示されているように、前記基板1
0a上の各領域14にダミー13を配置すべきか否かに
ついての判定に、前記した具体例2におけると同様に、
前記基板10a上の各領域14を取り巻く所定の範囲で
規定される所定領域14aのローカルパターン密度が用
いられる。
【0047】具体例1および2で説明した前記した導電
部分11のパターン設計では、前記したように、実際に
形成されるべき導電部分11の頂部寸法を考慮した値が
該導電部分のパターン寸法に適用され、そのパターン面
積が、前記パターン密度を算出する際に用いられる。
【0048】ところで、前記したようなCVD装置を用
いて形成される絶縁層12では、導電部分11が埋設さ
れている前記絶縁層部分で隆起部12aが形成される
が、この隆起部12aは、CVD装置の種類に応じて、
その断面形状に特徴が与えられる。
【0049】例えば、前記平行平板型プラズマCVD装
置を用いて形成された絶縁層12における隆起部12a
の断面形状は、一般的に、図5に示されているように、
その頂部12a′が、導電部分11の頂部11aよりも
幅広となる。そのため、前記隆起部12aの頂部12
a′の面積、すなわち該隆起部とCVD装置のパッドと
の接触面の面積が、前記導電部分11の頂部11aの面
積よりも実質的に大きくなる。
【0050】また、例えば、前記高密度プラズマCVD
装置を用いて形成された絶縁層12における隆起部12
aの断面形状は、図6に示されているように、その頂部
12a′が、導電部分11の頂部11aより狭小とな
り、そのため、前記隆起部12aの頂部面積は、前記導
電部分11のそれよりも実質的に小さい。
【0051】具体例3の判定方法では、隆起部12aお
よび導電部分11のそれぞれの頂部面積間に前記したよ
うな差異が生じることを前提とし、導電部分11のロー
カルパターン密度の算出に先立ち、前記した差異を考慮
すべく導電部分11のパターン面積に後述するサイジン
グ(sizing)による加減処理が施される。
【0052】この加減処理の一例として、前記平行平板
型プラズマCVD装置を用いて絶縁層12が形成される
場合、所定領域14a内の導電部分11のパターン面積
を、前記所定領域14aにおける隆起部12aの頂面1
2a′の面積に対応して仮想的に増大させるべく、図7
に示されているように、実配線パターンとなる導電部分
11のパターン外周に、サイジング量(△x)が例えば
+0.40μmのサイジング処理を受ける。
【0053】他方、例えば、絶縁層12の形成に前記高
密度プラズマCVD装置を用いる場合、前記したよう
に、このCVD装置で形成される絶縁層12における隆
起部12aの頂部12a′の面積は、導電部分11の頂
部11aよりも小さくなることから、前記サイジングの
寸法に所定のマイナス値を適用することができる。
【0054】図示の例では、前記したように、サイジン
グ量(△x)を+0.40μmとしているが、このサイジング
量は、形成される絶縁層12における隆起部12aの形
状すなわちカバレージに応じて、適宜設定することがで
きる。
【0055】この判定方法では、前記基板10a上の各
領域14毎に、前記したサイジング処理により形成され
た仮想的なパターン11′の面積を用いて、所定領域1
4aのローカルパターン密度を求め、さらに、求められ
た前記密度に基づいて、前記領域14にダミーを配置す
るか否かの前記した判定が行われる。その後、前記した
具体例2におけると同様に、絶縁層12の形成および該
絶縁層上への平坦化処理が行われる。
【0056】このように、この判定方法では、ローカル
パターン密度の算出に先立って、形成されるべき絶縁層
12の隆起部12aの形状に応じた前記サイジング処理
が行われることから、平坦化処理の際の研磨面を考慮し
た前記密度を得ることができ、これにより、グローバル
段差を一層適正に緩和することができる。
【0057】従って、具体例3の判定方法によれば、前
記したダミー13に関する判定が、人間の主観に依ら
ず、基板上の各領域14毎に所定の判定基準に沿って行
われ、しかも、前記判定で用いられる前記ローカルパタ
ーン密度に、絶縁層12の隆起部12aの形状が予め
慮されることから、CVD装置の種類に応じて、高精度
に、グローバル段差の緩和を図ることができる。
【0058】〈具体例4〉 本発明に係る半導体装置のダミー配置判定方法について
の具体例4では、前記基板10a上に必要に応じて配置
される前記ダミー13について、その平面の寸法および
各ダミーの間隔が、前記した具体例3の判定方法の手順
で求められる前記ローカルパターン密度に応じて設定さ
れている。
【0059】具体例4の判定方法では、求められる前記
ローカルパターン密度が40%を下回る所定領域14aに
対応する前記領域14に、前記ダミー13が配置され
る。
【0060】図8は、前記ローカルパターン密度の所定
の範囲に対する前記したダミー寸法およびダミー間隔の
設定値を説明するための図である。ここでは、所定領域
14aのローカルパターン密度に応じて、使用されるダ
ミーの大きさが変更されるが、その個数は、一定の例を
示す。
【0061】具体例4で説明した前記製造方法につい
て、図8に示されているように、求められた前記ローカ
ルパターン密度が30%を越えて40%以下の間にあると
き、ダミー13は、その1辺が2μmの正方形のものが用
いられ、これら各ダミーは、それぞれの2μmの等間隔で
配置される。このとき、ダミー13の配置密度は25%と
なる。
【0062】また、前記ローカルパターン密度が20%を
越えて30%以下の間にあるとき、1辺が2.5μmの正方形
のダミー13が、それぞれ1.5μmの等間隔で配置され、
このとき、ダミー13の配置密度は39%となる。
【0063】さらに、前記ローカルパターン密度が20%
以下であるとき、1辺が3μmの正方形のダミー13が、
それぞれ1μmの等間隔で配置され、このとき、ダミー1
3の配置密度は56%となる。
【0064】このように、この判定方法では、各領域1
4についての各所定領域14a毎に求められる前記ロー
カルパターン密度が低いほど、前記各領域14に配置さ
れるダミー13の前記寸法が大きくなるように設定され
ている。このことから、求められる前記密度が、40%以
下となるとき、前記したいずれのローカルパターン密度
に応じて、その領域14に、前記各密度に応じた各設定
値を有する前記ダミー13が配置され、該領域の密度が
適正に高められる。
【0065】従って、具体例4の判定方法によれば、ダ
ミー13についての前記した各設定値に従って、前記各
領域14にダミー13を配置することにより、前記基板
10a上の疎領域の前記パターン密度がより一層適正に
高められ、その結果、高精度で前記グローバル段差を緩
和することができる。
【0066】さらに、前記パターン密度に応じて、配置
すべきダミーの大きさを可変とすることにより、ダミー
の個数を増大させることなく配置密度を適正に高めるこ
とができることから、ダミーパターンを含む設計ファイ
ルのファイル容量の増大を防止することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る判定方法によれば、基板上
に導電部分を埋設する絶縁層の形成に先立ち、ダミーを
配置すべきか否かの判定は、作業者の主観によらず、所
定の判定基準に沿って、基板上の各領域毎に行われるこ
とから、この判定結果により基板上へのダミーの配置を
適正に判定することができる。従って、この判定に基づ
いて製造時には基板上に形成されたダミーと導電部分と
を覆う絶縁層の表面が平坦化処理を施されることから、
グローバル段差を効果的に緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る具体例1の判定方法における半導
体基板の区画例を示す説明図(その1)である。
【図2】本発明に係る具体例1の半導体装置の製造工程
(その1)を示す側面図である。
【図3】本発明に係る具体例1の半導体装置の製造工程
(その2)を示す断面図である。
【図4】本発明に係る具体例2の判定方法における密度
計算手法を説明するための図1と同様な説明図(その
2)である。
【図5】平行平板型プラズマCVD装置を用いて絶縁層
が形成される半導体装置の側面図である。
【図6】高密度プラズマCVD装置を用いて絶縁層が形
成される半導体装置の側面図である。
【図7】本発明に係る具体例3の判定方法におけるサイ
ジング処理を説明するための説明図である。
【図8】ローカルパターン密度に応じたダミー寸法例を
示す説明図である。
【符号の説明】
10 半導体ウエハ 10a 半導体基板 11 導電部分 11′ 仮想パターン 12 絶縁層 12a 隆起部 12a′ 頂部 12b グローバル段差 13 ダミー 14 領域 14a 所定領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に導電部分を埋設するため
    に形成される絶縁層を、平坦に研磨して半導体装置を製
    造するために前記基板にダミーを配置するか否かを判定
    する方法において、 前記基板を複数の領域に分けること、 前記絶縁層を平行平板型プラズマCVD装置にて形成す
    る場合、前記各領域に位置する前記導電部に対し実幅寸
    法よりも所定寸法分大きな仮想幅寸法を設定し、該仮想
    幅寸法に基づいて前記導電部に仮想面積を設定するこ
    と、 前記絶縁層を高密度プラズマCVD装置にて形成する場
    合、前記各領域に位置する前記導電部に対し実幅寸法よ
    りも所定寸法分小さな仮想幅寸法を設定し、該仮想幅寸
    法に基づいて前記導電部に仮想面積を設定すること、 前記各領域毎に、自己の領域及び自己の領域を中心とす
    る周囲の複数の領域をローカル領域として総面積を算出
    し、該総面積に対する前記ローカル領域に位置する全て
    の導電部の仮想面積の総和の割合をローカル配置密度と
    して算出し、該算出したローカル配置密度が所定の密度
    閾値より小さいと、前記自己の領域に対し前記ダミーを
    配置すべきと判定すること、 を特徴とする半導体装置のダミー配置判定方法。
  2. 【請求項2】 前記基板は、半導体ウェハであることを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置のダミー配置判定
    方法
  3. 【請求項3】 個数が同一で大きさの異なるダミー組合
    体を予め設定し、 前記ダミーを配置すべきと判定された自己の領域に対し
    その前記ローカル配置密度が小さいと、大きさの大きい
    ダミー組合体を配置すべきと判定し、 前記ローカル配置密度が大きいと、大きさの小さいダミ
    ー組合体を配置すべきと判定すること、 を特徴とする請求項2記載の半導体装置のダミー配置設
    定方法。
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