JP3475722B2 - 静電荷像現像用カラートナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用カラートナーの製造方法

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JP3475722B2 JP15819497A JP15819497A JP3475722B2 JP 3475722 B2 JP3475722 B2 JP 3475722B2 JP 15819497 A JP15819497 A JP 15819497A JP 15819497 A JP15819497 A JP 15819497A JP 3475722 B2 JP3475722 B2 JP 3475722B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法における静電潜像の現像のために使
用される静電荷像現像用カラートナー及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、静電気を利用して光導電体上
に像形成することは良く知られている。例えば、電子写
真法としては米国特許第2,297,691号、特公昭
42−23910号公報等の種々の方法が知られている
が、光導電性物質を用いて種々の手段により感光体上に
静電潜像を形成し、係る潜像を現像剤で現像し、紙等の
被転写材にトナー粉画像を転写した後、加熱、圧力、加
熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得
る。そして、光導電体上に残留した現像剤を除去するク
リーニング工程(又は機構)が通常設けられている。静
電潜像を可視化する現像方法は例えば、米国特許第2,
874,063号に記載されている磁気ブラシ法、同
2,618,522号に記載のカスケード現像法、同
3,909,258号に記載の導電性の磁性現像剤を用
いる方法などが知られている。
【0003】これらの現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成樹脂中に染料又は顔料を分
散させた微粉末が用いられている。例えば、ポリエステ
ルなどの結着樹脂中に着色剤を分散させたものを1〜2
0μm程度に微粉砕した粒子がトナーとして使用されて
いる。また、上記トナーと鉄粉などのキャリア粒子とを
混合してなるいわゆる二成分現像剤も使用されている。
近年、このような記録方法は、一般的な複写機だけでな
くコンピューターの出力などに広く利用されているた
め、要求される性能もより高度になり、カラー化、小型
化、軽量化、低エネルギー化、メンテナンスフリー化と
いった種々の要求がなされるようになってきた。特に、
カラートナーに対しては、鮮明性、着色性、透明性に加
えて、カラートナーの用途が汎用化し、例えばカレンダ
ー、ポスターまたはマーキング材等に使われるようにな
ったため、耐光性なども要求されるようになってきた。
【0004】従来から、一般的に顔料の粒子径を小さく
して分散度を挙げていくと、着色性、鮮明性、透明性が
向上することは知られているが、サンドミル、3本ロー
ル、ボールミル等の通常の分散機では一次粒子まで分散
されるとそれ以上着色性等は上がらなくなる。これは通
常の分散機による分散工程は、主に二次粒子を壊して一
次粒子にするだけだからであり、それ以上着色性等を向
上させるためには一次粒子そのものを細かくする必要が
ある。
【0005】一次粒子そのものを細かくする手段とし
て、顔料を濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解したもの
を冷水に投入して、顔料を微細粒子として析出させる方
法が知られているが、この方法では顔料の強酸に対する
溶解性や安定性の点で、用い得る顔料が著しく限定され
る。例えば、特公平7−27282号公報ではアシッド
ペースト法などで析出したフタロシアニン顔料を用いて
青色トナーを得る方法が提案されているが、せっかく微
細化した一次粒子を得ても結着樹脂中に顔料を分散させ
る工程において溶剤を用いたり高温に加熱したりするた
めに、係る一次粒子顔料が強い二次凝集を起こすのでト
ナー中において再び一次粒子まで分散することは難し
く、透明性などの点で満足できるものではない。
【0006】他の方法として、顔料と固形樹脂を加熱し
ながら2本ロールやバンバリーミキサー等で強力に練り
混む方法も知られている。しかし、一般に有機顔料は高
温下では結晶成長するため、顔料の微細化には限界があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、着色性、鮮
明性、透明性に加えて耐光性に優れた静電荷像現像用カ
ラートナーの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】 第1の発明は、有機顔料と水溶性の無機
塩と酸化チタンと水溶性の溶剤とを機械的に混合した
後、水洗することによって水溶性の無機塩及び水溶性の
溶剤を除去してなる微粒子有機顔料(a1)と微粒子酸
化チタン(a2)とを含有する着色剤(A)と結着樹脂
(B)とを溶融混練してなることを特徴とする静電荷像
現像用カラートナーの製造方法である。
【0013】 第2の発明は、水溶性の無機塩及び水溶
性の溶剤を除去してなる微粒子有機顔料(a1)と微粒
子酸化チタン(a2)と水との混合物を分散用の樹脂と
共に機械的剪断力を用いて混練し、水を除去してなる着
色剤(A2)と結着樹脂(B)とを溶融混練してなるこ
とを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用カラー
トナーの製造方法である。
【0014】 第3の発明は、微粒子有機顔料(a1)
の粒子径が0.01〜0.5μmであり、微粒子酸化チ
タン(a2)の粒子径が0.001〜0.1μmである
ことを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像現
像用カラートナーの製造方法である。
【0015】 第4の発明は、水溶性の溶剤に対して水
溶性の無機塩を重量比で2〜20倍用いることを特徴と
する第1の発明ないし第3の発明いずれか記載の静電荷
像現像用カラートナーの製造方法である。
【0016】 第5の発明は、微粒子有機顔料(a1)
が、キナクリドン系、フタロシアニン系、アゾ系、イソ
インドリノン系、ジアンスラキノニルレッド系、スレン
系、ペリレン系からなる群より選ばれる少なくとも1種
であることを特徴とする第1の発明ないし第4の発明
ずれか記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の静電荷像現像用カラート
ナーは、微粒子有機顔料(a1)と微粒子酸化チタン
(a2)とを含有することを特徴としている。微粒子有
機顔料(a1)の他に微粒子酸化チタン(a2)を含有
することによってトナーを被転写材に定着させた時に画
像の鮮明性に優れる。本発明において使用される微粒子
有機顔料(a1)の粒子径は、得られる画像の発色性、
透明性の点から0.01〜0.5μmであることが好ま
しく、さらに0.01〜0.2μmであることが好まし
く、微粒子酸化チタン(a2)の粒子径は0.001〜
0.1μmであることが好ましく、さらに0.001〜
0.6μmであることが好ましい。
【0018】係る微細な有機顔料(a1)及び酸化チタ
ン(a2)を含有する着色剤(A)は、無機塩を破砕助
剤とし、有機顔料の一次粒子を機械的に細かくする(こ
の工程を以降ソルトミリングと呼ぶ)工程において酸化
チタンを併用することによって、結着樹脂中における有
機顔料微粒子の凝集を防止し、より微細な分散状態を確
保できるようになったため、従来のソルトミリングのみ
による有機顔料を使用する場合に比べ、発色性・鮮明性
・透明性に優れる画像を得ることができるようになった
ものである。
【0019】本発明における酸化チタンを併用するソル
トミリングの方法について、以下に具体的方法を示す。
有機顔料100重量部及び酸化チタン1〜150重量
部、好ましくは5〜120重量部に水溶性の無機塩の混
合物に少量の水溶性溶剤を加え、ニーダー等で強く練り
込んだ後、係る混練物を水中に投入するか、あるいは係
る混練物中に水を投入するかして、水溶性の無機塩及び
水溶性の溶剤を溶解させスラリー状とする。次に、この
スラリーの濾過、水洗をくりかえして無機塩と溶剤を除
去して微粒子有機顔料(a1)と微粒子酸化チタン(a
1)との混合物の水性分散体を得る。上記工程において
有機顔料100重量部に対して、微粒子酸化チタンが1
重量部より少ないと、得られる微粒子有機顔料(a1)
と微粒子酸化チタン(a1)とをトナーの着色剤(A)
として用いても、画像の鮮明性が向上せず、一方、15
0重量部を超えると発色性に悪影響を与え、画像の鮮明
性が低下する。
【0020】本発明においてソルトミリング処理に用い
られる水溶性の無機塩としては、食塩、塩化カリウム、
芒硝等が挙げられる。水溶性の無機塩の使用量は、水溶
性の溶剤に対して重量比で2〜20倍、より好ましくは
3〜15倍である。
【0021】本発明においてソルトミリング処理に用い
られる水溶性の溶剤は、水溶性であれば特に限定されな
いが、溶剤が蒸発し難いようにするために高沸点の溶剤
を用いることが好ましい。水溶性の溶剤は粘結剤、結晶
防止効果のために加えるものである。例として、2−
(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノ
ール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−
(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエ
チレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、
1−エトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−
プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコ
ール等が用いられる。水溶性の溶剤の使用量は、処理す
る有機顔料に対して、重量比で2〜10倍であることが
好ましい。
【0022】本発明においてソルトミリング処理に供さ
れる有機顔料は、破砕助剤の無機塩より硬度の低い有機
顔料を用いることが好ましい。有機顔料の例としてカラ
ーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、フタロ
シアニン系としてはC.I.ピグメントブルー15、1
5:1、15:2、15:3、15:4、15:6、
C.I.ピグメントグリーン7、36、スレン系として
はC.I.ピグメントブルー60、64、ジオキサジン
系としてはC.I.ピグメントバイオレット23、3
7、アゾ系としてはC.I.ピグメントイエロー1、
2、3、5、6、10、12、13、14、17、4
9、55、60、61、62:1、63、65、73、
74、75、81、83、87、90、93、94、9
5、97、98、106、111、113、114、1
16、121、124、126、127、128、13
0、136、152、165、166、167、17
0、171、172、174、176、188、C.
I.ピグメントオレンジ1、6、13、15、16、3
1、34、64、C.I.ピグメントレッド37、3
8、41、48:1、48:2、48:3、48:4、
48:5、57:1、58:2、58:4、63:1、
63:2、64、64:1、111、144、166、
214、220、221、242、248、262、
C.I.ピグメントブラウン23、41、42、キナク
リドン系としてはC.I.ピグメントオレンジ48、4
9、C.I.ピグメントレッド122、192、20
2、206、207、209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、42、ナフトール系としては、C.I.
ピグメントオレンジ2、5、22、24、38、46、
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14、15、1
6、17、18、21、22、23、31、32、4
9、49:1、49:2、49:3、50:1、51:
1、53、53:1、60:1、66、67、68、9
5、112、114、119、136、146、14
7、148、150、151、164、170、18
4、187、188、210、212、213、22
2、223、237、243、245、247、24
7:1、253、256、258、261、C.I.ピ
グメントバイオレット13、25、44、50、C.
I.ピグメントブラウン1、ペリレン系としてはC.
I.ピグメントレッド123、149、178、17
9、190、224、C.I.ピグメントバイオレット
29、C.I.ピグメントブラック31、32、、ジケ
トピロロピロール系としてはC.I.ピグメントレッド
254、255、イソインドリノン系としてはC.I.
ピグメントイエロー109、110、173、ベンズイ
ミダゾロン系としてはC.I.ピグメントイエロー12
0、151、154、175、180、181、19
4、C.I.ピグメントオレンジ36、60、62、
C.I.ピグメントレッド175、176、185、2
08、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.
ピグメントブラウン25、キノフタロン系としては、
C.I.ピグメントイエロー138、アントラキノン系
としてはC.I.ピグメントイエロー123、147、
193、C.I.ピグメントレッド89、168、17
7、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.
ピグメントブラック20等が例示できる。なお、ソルト
ミリング処理に供される有機顔料は、顔料合成反応後に
十分水洗されたウェットな状態でも製品化されたドライ
な状態でもいずれでも良い。また、顔料の表面に官能基
を付加させた表面処理顔料を用いても良い。
【0023】本発明においては、上記のように酸化チタ
ンを併用してソルトミリング処理をおこなったの微粒子
有機顔料(a1)と微粒子酸化チタン(a2)との混合
物(以下混合物という)の水性分散体を通常通り水洗、
乾燥して粉体顔料として用いても良いし、またはソルト
ミリング処理を行った上記混合物の水性分散体を後述す
るトナー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良
いし、あるいは上記混合物の水性分散体を分散用の樹脂
と一緒に機械的剪断力を加えて混練し、混合物を分散用
の樹脂に移行させ、水を除去して混合物の樹脂分散体を
得、該混合物の樹脂分散体を着色剤として後述するトナ
ー用の結着樹脂と共に混練してトナーを得ても良く、顔
料が凝集し難いという点で第3の方法が最も好ましい。
【0024】上記第3の方法の場合、着色剤、即ち混合
物の樹脂分散体を得る際に用いられる分散用の樹脂とし
ては、後述する結着樹脂と同様のものを用いても良い
し、別系統の樹脂を用いても良い。結着樹脂と別系統の
樹脂を用いる場合には、顔料を高分散させるべく結着樹
脂と相溶性が高い樹脂を用いることが好ましい。係る方
法は、分散用の樹脂と処理有機顔料との親和性を確保す
べく加熱下で行うことが好ましいので、有機溶剤も併用
するのであれば、溶剤が蒸発し難いようにするために加
熱温度を使用する有機溶剤の沸点以下にすることが好ま
しい。熱によって溶剤が蒸発してしまうと顔料微粒子が
凝集してしまい透明性、発色性が悪くなるからである。
但し、有機溶剤回収工程を必要とせず、エネルギーコス
ト及び環境保全の面からは水のみを使用する方が好まし
い。
【0025】また、本発明における着色剤(A)を得る
際にフタロシアニン顔料誘導体、高分子型分散剤等の分
散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良いし、2種以上
の処理有機顔料の水性分散体を混合して処理しても良
い。
【0026】本発明における着色剤(A)を得る処理に
おいて機械的剪断力を加える装置としては、上記したニ
ーダーの他、加圧ニーダー、3本ロール、エクストルー
ダー及びヘンシェルミキサーに代表される高速回転する
攪拌羽根等を複数具備する混合・混練ミキサーなどを挙
げることができる。
【0027】本発明における着色剤(A)を得る処理に
おいて、混合物を分散用の樹脂に移行させた後、水を除
去する方法としては、一般的な乾燥方法の他、必要なら
ば3本ロール等を用いても良い。
【0028】本発明は、上記のようにして得た着色剤
(A)と結着樹脂(B)とを加熱しながら溶融混練し、
冷却後、粉砕するか、あるいは係る混合物と水との混合
物を分散用の樹脂と一緒に機械的剪断力を加えて混練
し、混合物を分散用の樹脂に移行させ、水を除去してな
る着色剤(A1)と結着樹脂(B)とを加熱しながら溶
融混練し、冷却後、粉砕することを特徴とする静電荷像
現像用カラートナーの製造方法であり、顔料が凝集し難
いという点で後者の方法が好ましい。トナー粒子中には
上記のようにして得た微粒子有機顔料(a1)を1〜1
0重量%含有していることが好ましい。上記の範囲より
少ないと画像濃度が低下し、多いと帯電性が低下し、カ
ブリの原因となる。
【0029】本発明において用いられる結着樹脂は、定
着性が良好で透明性に優れる樹脂、例えばポリエステル
系、アクリル系、スチレン−アクリル系、エポキシ系等
が挙げられる。更に好ましくは、これらのうち非線状の
樹脂であり、特に好ましくはポリエステル系樹脂で、ジ
オール成分にビスフェノールA−アルキレンオキサイド
付加物に代表されるビスフェノール誘導体またはその置
換体を単独で用いるか、あるいは脂肪族ジアルコールと
併用して用い、これらのジオール成分と2価以上のカル
ボン酸、例えばフマル酸、テレフタル酸、トリメリット
酸等のカルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したものが
好適に用いられる。
【0030】本発明において着色剤(A)と結着樹脂
(B)との溶融混練温度、又は着色剤(A1)と結着樹
脂(B)との溶融混練温度は、100〜140℃が好ま
しく、更に好ましくは110〜130℃である。上記の
範囲で混練することによって、トナーの着色性等が向上
する。本発明においては、着色剤(A)等と結着樹脂
(B)とを溶融混練する際に、例えばサリチル酸誘導体
の金属塩、高分子型の4級アンモニウム塩等の公知の帯
電制御剤を含有させてもよく、ワックス類を内添するこ
ともできる。更に疎水化処理した金属酸化物(アルミ
ナ、チタニア、シリカ)の流動化剤やポリマー(ポリス
チレン、ポリメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン
等)微粉末などのクリーニング助剤または転写助剤等の
外添剤を用いることもできる。
【0031】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を説明する。例
中部とあるのは、重量部を示す。 [実施例1]粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製 銅
フタロシアニン):250部、塩化ナトリウム:250
0部、MT−100S(テイカ製の酸化チタン)を25
0部、およびジエチレングリコール200部(東京化成
製)をステンレス1ガロンニーダー(井上製作所製)に
仕込み、3時間混練した。つぎにこの混合物を2.5リ
ットルの温水に投入し、約80℃まで加熱、攪拌した。
約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5
回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、固形
分50%の水性顔料分散体(処理顔料分散体)を得た。
ここで得られた水性顔料分散体を透過型電子顕微鏡で観
察したところ、銅フタロシアニンの粒子径が0.12μ
m、酸化チタンの粒子径が0.015μmであった。
【0032】 (シアン着色剤(A1)の製造方法) 上記有機顔料(処理顔料分散体 固形分50%品) 100部 線状ポリエステル樹脂 50部 高分子型分散剤 2.5部 スーパーミキサー(カワタ)に上記の原料を混合し、9
0℃で加熱混練し、水を除去して冷却後、粉砕してシア
ン着色剤を作製した。
【0033】 (シアントナーの製造方法) 非線状ポリエステル樹脂 100部 シアン着色剤 5部 ヘンシェルミキサー(三井鉱山)で上記原料を混合し、
エクストルーダーで溶融混練し、粉砕、分級して体積平
均粒径8.5μmの母体シアントナー粒子Aを得た。次
いで、疎水化処理したアナターゼ型酸化チタン微粒子を
上記母体シアントナー粒子A100重量部に対して0.
6部添加し、シアントナーとした。
【0034】(シアン現像剤の調整)上記シアントナー
を5部とシリコーン樹脂で被覆してなる平均粒径50μ
mのフェライトキャリア95部を混合してカラー現像剤
を作製した。
【0035】[実施例2]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、黄色顔料(ヘキスト製 ホスターパー
ム エロー H3G:ハンザエロー系)260部を用い
て実施例1と同様にして水性顔料分散体、黄色着色剤、
母体黄色トナー、黄色トナー及び黄色現像剤を得た。
【0036】[実施例3]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、赤色顔料(ヘキスト製 ホスターパー
ム ピンクE:キナクリドン系)250部を用いて実施
例1と同様にして水性顔料分散体、赤色着色剤、母体赤
色トナー、赤色トナー及び赤色現像剤を得た。
【0037】〔比較例1〕実施例1、2、3で用いた青
色顔料、黄色顔料、赤色顔料について水性顔料分散体を
得る際に酸化チタンを用いずに水性顔料分散体を得、得
られた水性顔料分散体を乾燥して粉体顔料とし、これを
着色剤として各色カラートナーを得た。
【0038】〔比較例2〕実施例1で粗製フタロシアニ
ン250部を500部に代える以外は実施例1と同様に
して水性顔料分散体、シアン着色剤、シアン着色剤、母
体シアントナー、シアントナー及びシアン現像剤を得
た。
【0039】[実施例4]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、黄色顔料(東洋インキ製 ベンジジン
イエロー:アゾ系)250部を用いて実施例1と同様に
して水性顔料分散体、黄色着色剤、母体黄色トナー、黄
色トナー及び黄色現像剤を得た。
【0040】[実施例5]赤色顔料(CIBA製 クロ
モフタルレッドA−2B:ジアミノジアントラニル系)
240部、塩化ナトリウム1600部およびジエチレン
グリコール200部をステンレス1ガロンニーダーに仕
込み、3時間混練した。この混合物を実施例1で使用し
たコロイダルシリカ250部とともに2.5リットルの
温水に投入し、約80℃まで加熱、攪拌した。約1時間
してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返し塩
化ナトリウムおよび溶剤を除き、実施例1と同様にして
固形分50%の水性顔料分散体、赤色着色剤、母体赤色
トナー、赤色トナー及び赤色現像剤を得た。
【0041】[実施例6]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、青色顔料(東洋インキ製 リオノゲン
ブルー6505:インダンスレン系)200部を用いて
実施例1と同様にして水性顔料分散体、シアン着色剤、
シアン着色剤、母体シアントナー、シアントナー及びシ
アン現像剤を得た。
【0042】[実施例7]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、赤色顔料(CIBA製 パリオトール
レッドL3670:ペリレン系)250部を用いて実
施例1と同様にして水性分散(処理顔料分散体)を得
た。その後、実施例1と同様にして水性顔料分散体、赤
色着色剤、母体赤色トナー、赤色トナー及び赤色現像剤
を得た。
【0043】〔評価〕 (透明性)デジタルカラー複写機により、各実施例、各
比較例で得た各色の現像剤をそれぞれ用い、OHPシー
ト上に各カラートナーの付着量を0.8mg/cm2
なるように定着させ、透明性を評価した。結果を表1に
示す。 <目視透明性基準> ○:透明性良好である △:ほぼ透明であるが、鮮明性が悪くくすんでいる。 ×:透明性が著しく劣る。
【0044】(鮮明性)デジタルカラー複写機により、
各実施例、各比較例で得た各色の現像剤をそれぞれ用
い、白色の標準普通紙1万枚複写後の鮮明性を評価し
た。結果を表1に示す。 <目視鮮明性基準> ○:濃色部分も淡色部分も発色が良く鮮明 △:濃色部分は鮮明だが淡色部分は発色不十分で若干不
鮮明 ×:濃色部分も淡色部分も発色悪くで不鮮明
【0045】(カブリ)上記鮮明性と同様に白色の標準
普通紙に1万枚複写後の非画像部の反射濃度と標準普通
紙との反射濃度差を求め、カブリの状況を評価した。結
果を表1に示す。 <カブリ評価基準> 測定はフォトボルト577(フォトボルト社)を使用。 ○:良好 カブリ値 1.0未満 △:実用レベル カブリ値 1.0以上1.5未満 ×:不可 カブリ値 1.5以上
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明により、酸化チタンをソルトミリ
ング時に併用することにより、カラートナー中の有機顔
料がより微粒子状に分散されるために、OHPシート上
における光透明性を損なうことなく、鮮明性の良好なカ
ブリのない画像を与える静電荷像現像用カラートナーを
得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087 G03G 9/08 368 G03G 9/09

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料と水溶性の無機塩と酸化チタンと
    水溶性の溶剤とを機械的に混合した後、水洗することに
    よって水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を除去してなる
    微粒子有機顔料(a1)と微粒子酸化チタン(a2)と
    を含有する着色剤(A)と結着樹脂(B)とを溶融混練
    してなることを特徴とする静電荷像現像用カラートナー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を除去し
    てなる微粒子有機顔料(a1)と微粒子酸化チタン(a
    2)と水との混合物を分散用の樹脂と共に機械的剪断力
    を用いて混練し、水を除去してなる着色剤(A2)と結
    着樹脂(B)とを溶融混練してなることを特徴とする請
    求項1記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 微粒子有機顔料(a1)の粒子径が0.0
    1〜0.5μmであり、微粒子酸化チタン(a2)の粒
    子径が0.001〜0.1μmであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の静電荷像現像用カラートナーの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性の溶剤に対して水溶性の無機塩を重
    量比で2〜20倍用いることを特徴とする請求項1ない
    し3いずれか記載の静電荷像現像用カラートナーの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 微粒子有機顔料(a1)が、キナクリドン
    系、フタロシアニン系、アゾ系、イソインドリノン系、
    ジアンスラキノニルレッド系、スレン系、ペリレン系か
    らなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1ないし4いずれか記載の静電荷像現像用
    カラートナーの製造方法。
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