JP2006126440A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

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Masanori Fujimaki
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Isao Kitajima
勇夫 北島
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Mayumi Tokuoka
真由美 徳岡
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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、顔料の分散性が良好で着色画像の透明性がより高く、帯電安定性にもより優れる静電荷現像用トナーを提供する。
【解決手段】 結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷現像用トナーにおいて、前記着色剤として、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。更にジエチレングリコールとの接触角が10〜15°の範囲にある前記β型銅フタロシアニン顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための静電荷現像用トナーに関する。
水との接触角が85〜110°の範囲にあるロジン類の多価金属塩処理アゾレーキ顔料を用いた静電荷現像用トナーが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
顔料と水との接触角が小さい場合、結着樹脂と着色剤である前記顔料を用いた静電荷現像用トナーは、着色画像の透明性が低く、フルカラー画像における十分な色再現性が得られない。しかも帯電安定性が不十分であり、多数枚現像時や高温高湿現像時の画像に欠陥(画像濃度の変化やカブリ等)が見られる。トナーにおける着色画像の透明性と帯電安定性の向上には、顔料の疎水性(顔料と水との接触角が大きい)が大きく寄与することが記載されている。
また、インクジェットプリンター用記録液のシアン色用着色剤として、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン誘導体を使用することが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
トナーの着色剤として使用できる旨の記載はあるが、トナー特性が実際に如何様になるかという技術的効果の記載やその示唆もない。
特開2003−122055号公報(第2頁特許請求の範囲、第2頁段落番号0010、第3頁段落番号0016)。 特開平11−43636号公報(第2頁特許請求の範囲、第2頁段落番号0009〜0011、第5頁段落番号0039)。
本発明が解決しようとする課題は、着色画像の透明性がより高く、帯電安定性により優れる静電荷現像用トナーを提供することにある。
本発明者らは、上記実状を鑑みて鋭意検討したところ、シアン画像の透明性が高く、帯電安定性に優れる静電荷現像用トナーを得る手段として、驚くべき事に、水との接触角が従来の銅フタロシアニン顔料よりも小さい(顔料の疎水性が低い)β型銅フタロシアニン微細顔料組成物を使用することにより、前記課題を解決出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷現像用トナーにおいて、前記着色剤として、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷現像用トナーに関する。
本発明によれば、静電荷現像用トナーの着色剤として、窒素吸着法におけるBET比表面積と、水との接触角が特定範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を使用することにより、従来公知のβ型銅フタロシアニン顔料を使用した場合には得られなかった、顔料の分散性が良好でシアン画像の透明性がより高く、モノカラー画像のみならず、フルカラー画像における十分な色再現性を有する静電荷現像用トナーが得られるという格別顕著な効果を奏する。また、帯電安定性により優れることから、多数枚現像時や高温高湿現像時にも画像濃度の変化やカブリ等の画像欠陥が見られない静電荷現像用トナーが得られるという格別顕著な効果を奏する。
したがって、本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、静電荷現像用トナーの形成に最適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあることを特徴とする。
更に本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、ジエチレングリコールとの接触角が10〜15°の範囲にあることを特徴とする。
本発明の窒素吸着法におけるBET比表面積は、日本工業規格(Japanese Industrial Standard;JIS) Z 8830−1990(気体吸着による粉体の比表面積測定方法)附属書2に定める方法に従って測定されるものである。尚、本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物のBET比表面積については、BET式自動比表面積測定装置(Mountech社製のMacsorb HM model−1208)を使用して測定した。
本発明における顔料と水との接触角は、液滴法により測定される。粉末顔料でそのまま前記接触角の測定するのは難しいので、具体的には、顔料を錠剤成型器を使用して錠剤化し、平板となした試料の表面上に水を滴下し、試料と水のなす角で水を含む側の角を測定して、この接触角とする。この様な液滴法による接触角の求め方は、例えば、「ぬれ性と制御」(株式会社技術情報協会2001年1月31日発行)に記載されている。
液滴法による表面上の液滴の接触角の測定には、市販の公知慣用の装置が使用できるが、例えば、Dataphysics社製の接触角計OCA20型を用いることが出来る。本発明では、平板試料(顔料ペレット)上に蒸留水を滴下して、上記装置にて顔料に対する水の接触角を測定した。
表面が平滑で水が浸透せず、接触角の測定に影響を及ぼさないこの平板試料は、日本分光製φ20mm錠剤成型器とφ20mmの鏡面板と20t油圧プレスを用い、φ20mmの鏡面板の間に粉末顔料を入れ、これを錠剤成型器に入れ、400kg重/cm(39226.6×103Pa)5分間加重することで調製する。一方、水としては蒸留水を使用する。これの表面張力は、20℃において72.75×10−3N/mである。
本発明においては、β型銅フタロシアニン顔料組成物の水との接触角が65〜70°の範囲にあることが重要である。従来、β型銅フタロシアニン顔料の水との接触角は、80°程度である。該顔料と水との接触角がこれ以上の範囲にあるということは、平板試料表面上が比較的水滴で濡れにくく(顔料の疎水性が高い)、静電荷現像用トナーにおけるシアン画像の透明性と帯電安定性が向上することを意味する。顔料と水との接触角が80°未満では、結着樹脂と着色剤である顔料を用いた静電荷現像用トナーにおいて、シアン画像の透明性と帯電安定性が不十分で、例えば、高温高湿環境下において、トナーの帯電性が低下し、カブリ等の画像欠陥を生ずる可能性が高い。トナーにおけるシアン画像の透明性と帯電安定性については、顔料の疎水性(接触角が大きい)が大きく寄与している。
しかしながら、本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、該顔料組成物と水との接触角が80°未満と低いにもかかわらず、これを用いた静電荷現像用トナーは、顔料の分散性が良好でシアン画像の透明性がより高く、モノカラー画像のみならず、フルカラー画像(黄色トナー、マゼンタトナーとの組み合わせ)における十分な色再現性を有するものである。また、帯電安定性にもより優れることから、多数枚現像時や高温高湿現像時にも画像濃度の変化やカブリ等の画像欠陥が生じないという格別顕著な技術的効果を奏するものである。
顔料に対するジエチレングリコールとの接触角の測定は、前記した水との接触角の測定に準じて行った。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、前記した様に窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m2/gの範囲にあることが好ましく、なかでも95〜130m2/gの範囲にあることがより好ましい。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、β型銅フタロシアニン顔料とフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体とを含み、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.04μmの範囲にあることが好ましい。ここで、フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体としては、1分子中にフタルイミドメチル基を平均1〜2個有する銅フタロシアニン誘導体であることが好ましい。
本発明で使用するフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、濃硫酸中で、パラホルムアルデヒドとともに、銅フタロシアニンとフタルイミドとを反応させた後、反応液を水中に取り出しフタルイミドメチル銅フタロシアニンを得る方法(英国特許695,523号公報)等がある。これらの製造方法では、反応条件により、フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体のフタルイミドメチル基数は、通常1分子当たり平均1〜4個が得られるが、なかでも静電荷現像用トナーの帯電安定性に優れる点を考慮して1分子当たり平均1〜2個が好ましい。
フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体は、質量換算で、β型銅フタロシアニン顔料100部に対して1〜10部であることが好ましい。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、例えば、β型銅フタロシアニンクルード(粗製顔料とも称する。)とフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体(以下、誘導体と略記する。)を、該クルードに対する水溶性無機塩の倍率が従来より高い条件で、熱時長時間ソルベントソルトミリング処理することにより得ることが出来る。
ここでβ型銅フタロシアニンクルードとは、一次粒子の平均粒子径が0.2〜50μmの範囲にあるβ型銅フタロシアニン粗製顔料を意味するものである。
β型銅フタロシアニンクルードの製造方法としては、公知慣用の製造方法をいずれも採用することが出来る。β型銅フタロシアニンクルードの製造方法としては、例えば、ワイラー法と呼ばれる無水フタル酸と尿素と銅塩を反応させてβ型銅フタロシアニンを合成する方法や、フタロニトリル法と呼ばれるフタロニトリルと銅塩を反応させてβ型銅フタロシアニンを合成する方法が挙げられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、同イミド、同エステルの如き誘導体の存在下で無水フタル酸と尿素と銅塩を反応させβ型銅フタロシアニンを合成する方法(特開昭61−203175号公報)や、パラフィン系炭化水素溶媒とナフテン系炭化水素溶媒とを併用して銅フタロシアニンを合成する方法(特開平8−27388号公報)等が挙げられる。
本発明で使用するβ型銅フタロシアニンクルードとしては、例えば、PT MONOKEM SURYA社製の粗製顔料を使用出来るが、これに限定されるものではない。β型銅フタロシアニンクルードを、以下、粗製顔料と略記することとする。
この様にして得られた粗製顔料は、次いで顔料化処理が施される。この顔料化処理方法としては、特に限定されるものではなく、公知慣用の顔料化処理法をいずれも採用することができる。本発明においては、多量の有機溶剤中で粗製顔料と誘導体とを加熱攪拌するソルベント処理よりも、著しい結晶成長を抑制でき、且つ、窒素吸着法におけるBET比表面積が前記した範囲となる顔料組成物が簡便に得られる点で、ソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
このソルベントソルトミリング処理とは、粗製顔料と誘導体と水溶性無機塩と有機溶剤とを混練磨砕することを意味する。具体的には、粗製顔料と、誘導体と、水溶性無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で熱時混練磨砕を行う。この際の混練機としては、例えば、ニーダーやミックスマーラー等が挙げられる。
上記水溶性無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、なかでも平均粒子径が0.5〜50μmの水溶性無機塩を用いることが好ましい。この様な水溶性無機塩は、通常の水溶性無機塩を微粉砕することにより容易に得ることが出来る。
水溶性無機塩の使用量は、質量換算で、粗製顔料1部に対して6〜20部とするのが好ましく、なかでも8〜15部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る水溶性有機溶剤を好適に使用することでき、例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。
水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、粗製顔料1部に対して0.01〜5部が好ましい。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、粗製顔料と誘導体とを熱時ソルベントソルトミリング処理することが、前記した窒素吸着法におけるBET比表面積が特定範囲のβ型銅フタロシアニン顔料組成物をより簡便に得ることが出来る点で好ましい。
ソルベントソルトミリング処理時に粗製顔料と共に混練磨砕する(以下、共磨砕と称する。)ことが出来る誘導体としては、前記した1分子中にフタルイミドメチル基を平均1〜2個有する銅フタロシアニン誘導体が好ましく、質量換算で、粗製顔料100部に対して1〜10部添加することが好ましい。ここで得られる本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、その一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.04μmの範囲を有するものである。尚、誘導体は、例えば、マススペクトルにおける質量分析測定法により、β型銅フタロシアニン顔料に含まれていることを確認することが出来る。
ソルベントソルトミリング処理時の温度は、30〜150℃が好ましく、なかでも60〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリング処理の時間は、5時間から20時間が好ましく、7〜10時間がより好ましい。
誘導体は、粗製顔料のみを熱時ソルベントソルトミリング処理して得た微細化顔料に添加することも出来るが、粗製顔料と誘導体とを共磨砕して微細化顔料組成物を得る方が、静電荷現像用トナーの帯電安定性により優れた効果をもたらす点で好ましい。
以上、本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、好ましくは、質量換算で、粗製顔料1部に対して、誘導体0.01〜0.1部と、水溶性無機塩8〜15部と、水溶性有機溶剤0.01〜5部とを用い、60〜100℃で7〜10時間熱時ソルベントソルトミリング処理することにより得られ、静電荷現像用トナーに最も適した窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m2/gの範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物が得られる。
こうして、本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物、水溶性無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と水溶性無機塩とを除去し、必要に応じてβ型銅フタロシアニン顔料組成物を主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕の各工程を経ることにより、β型銅フタロシアニン顔料組成物の粉体を得ることが出来る。洗浄工程としては、水洗、湯洗のいずれも採用することが出来る。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。
上記した濾別工程、洗浄工程後の乾燥工程としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱操作等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては、例えば、一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり、一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料がランプ状等となった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。
こうして、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m2/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物の粉末が得られる。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、前記した特定比表面積であることにより、着色すべき合成樹脂等への分散性が良好となり、着色された合成樹脂等上でのシアン色の透明性がより良好となる。なかでも、窒素吸着法におけるBET比表面積が95〜130m2/gの範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、この点について特に優れるものである。
また本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、従来のβ型銅フタロシアニン顔料に比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を有する。電子顕微鏡写真により、従来のβ型銅フタロシアニン顔料では観察できない、凝集体を構成する個々の顔料一次粒子を観察することが出来る(ほぼ一次粒子径で分散している)。本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.04μmの範囲に均一に分布していることが、前記分散性がより良好となる点で好ましい。
本発明における顔料の一次粒子の平均粒子径は、顔料を有機溶剤に超音波分散させてから、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により測定することが出来る。具体的には、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の顔料を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、更に縦横のアスペクト比が1〜2の範囲にあることが、静電荷現像用トナーとした場合に緑味の青色色相でフルカラー画像における色再現性が良好となる点で好ましい。縦横のアスペクト比が前記した好適範囲を超えると透明性が低下する傾向にあり、モノカラー画像では使用可能であるが、フルカラー画像における充分な色再現性を得るためには、前記好適範囲が好ましい。また、縦横のアスペクト比が前記好適範囲にあれば、トナーの製造方法として、トナー用樹脂と顔料組成物とを溶融混練する工程を含む製造方法を採用する場合には、縦横のアスペクト比が前記好適範囲を超えた場合に起こりやすい顔料粒子の折損が起こりにくく、混練条件により色相が変化するということもより少なくなる。
本発明における顔料の一次粒子の縦横のアスペクト比は、短径と前記長径とから求められる。短径は、透過型電子顕微鏡で視野内の顔料を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その短い方の径(短径)を各々求め、それを平均した値である。具体的には、抽出した顔料粒子各50個につき、長径を短径で除し、それらの平均を算出したものである。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、前記した様に、一次粒子の平均粒子径及び縦横のアスペクト比が前記した好適範囲にある(該顔料組成物の粒子形状が球状に近く、しかも均一に微細化されている)と、シアン画像を形成した時に透明性および鮮明性が得やすく、更に十分な色再現性、発色性が得やすい点で好ましい。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、静電荷現像用トナーの製造に用いると前記優れたトナー特性を発現する。本発明の静電荷現像用トナーは、結着樹脂と、着色剤として、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m2/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を必須成分として用いて調製することが出来る。以下、静電荷現像用トナーは、単にトナーと略記する。
本発明において、前記特定範囲の比表面積を有するβ型銅フタロシアニン顔料組成物を用いてトナーを製造すると、顔料の凝集も比較的弱く、結着樹脂への顔料分散が容易となり、近年要求されているシアン画像の透明性と帯電安定性がいずれも良好な静電荷現像用トナーがより簡便に得られる。
尚、この透明性が良好なほど、混色、例えば、各色のトナーを重ね合わせて、被記録媒体上にフルカラー画像を形成する時に、より鮮明性に優れた着色画像が得られる。この効果は、紙よりも透明性フィルムの場合に特に顕著である。
本発明におけるβ型銅フタロシアニン顔料組成物のトナー中に占める使用量は、特に限定されるものではないが、質量換算で、結着樹脂成分100部に対して0.5〜25部であることが好ましく、該顔料組成物自身が有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100部に対し2〜15部であることがより好ましい。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、それを静電荷現像用トナーに用いる場合、前記したフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体を含み、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.04μmの範囲にあると、(1)色相がより緑味で鮮明の青色となり、色再現性もより良好となる。(2)トナー製造時の易分散性や分散安定性、更にはトナーの帯電安定性が向上する。(3)シアン画像の彩度が高く、青色領域及び緑色領域間の色域が広いことから、色相域も広く、任意の青色が再現可能であるばかりか、高い演色性も得られる。(4)分光反射率特性が良好(460〜470nmの波長領域における透過率が高い)である。(5)同一顔料分での画像濃度(OD値)が高い。画像濃度は顔料の粒子径が小さいほど画像濃度は高い傾向にある。従来、画像濃度は顔料量が増加するほど高くなる傾向にあるが、ある特定量を超えると飽和する傾向(帯電安定性が悪く、トナーを形成し難い)にある。しかしながら、本発明のトナーは帯電安定性に優れ、顔料量がある特定量を超えても飽和することなく画像濃度が更に高くなる傾向にある。尚、画像濃度は、反射濃度計(例えば、マクベス社製のMacbeth D−196を使用)で印刷済用紙の青色ベタ部の光学反射密度を画像濃度として測定し、複数回の平均値により算出したものである。
本発明においてトナー中の顔料量と画像濃度(OD値)の関係について、該画像濃度は特に限定されるものではないが、1.4〜2.5の範囲にあるものが好ましい。画像濃度が前記好適範囲にある場合は、トナーとして十分に実使用可能な状態である。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物の粒度分布や粉体全体の平均粒子径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計9220FRA乾式型(日機装株式会社製)や小角X線散乱装置を用いて測定することが出来る。
尚、本発明においては、以下に例示した有機顔料を混合して使用することも出来る。該有機顔料をカラーインデックスに従い、挙げると次の通りである。
不溶性アゾ系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red 5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.Pigment Violet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等が挙げられる。
縮合アゾ系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.Pigment Orange 31、C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等が挙げられる。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:6、16、C.I.Pigment Green 7、同36等が挙げられる。
キナクリドン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等が挙げられる。
スレン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange 40等が挙げられる。
ペリレン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Violet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等が挙げられる。
フタロン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等が挙げられる。
ジオキサジン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Violet 23、同37等が挙げられる。
イソインドリノン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等が挙げられる。
メチン・アゾメチン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.Pigment Brown 38等が挙げられる。
ジケトピロロピロール系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 254、同255、同264、同272、Orange 71、同73等が挙げられる。
本発明で用いられる結着樹脂としては、熱又は圧力の適用下で接着性を示す天然又は合成樹脂、ゴム、ワックス等をいずれも使用することができる。
本発明において有用な天然樹脂としては、例えば、バルサム樹脂、ロジン、シエラック、コーバル等であり、これらの樹脂は後述するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる一種又はそれ以上の樹脂で変性されていてもよい。
また、本発明において有用な合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ふっ素樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、又はこれらモノマー類の共重合体、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等の公知の樹脂を挙げることができ、これらの結着樹脂の二種以上が適宜混合されて用いられてよいことはいうまでもない。
また、天然又は合成ゴム物質としては、例えば、天然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ふっ素ゴム、クロロヒドリンゴム等が挙げられる。
尚、結着樹脂としては、熱定着性を有する結着樹脂が好ましく、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂の使用が有利である。
本発明のトナーは上記各成分のほかに、必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性等を調整する目的で各種の可塑剤、抵抗調整剤及び電荷制御剤を更に添加してもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が、抵抗調整剤としては、例えば、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン等が、荷電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、含金属染料等が夫々挙げられる。
更に、本発明においては、トナー粒子を製造後、これにTiO2、Al23、SiO2等の微粉末を添加してトナーの流動性改良を図ったり、ステアリン酸亜鉛、フタル酸等を添加して感光体の劣化防止を図っても良い。TiO2、Al23、SiO2等の微粉末は、平均粒径が0.02μm以下の微粉末と、平均粒径が0.03〜1μmの微粉末を併用する様にすると、より連続印刷を行った場合に、長期に亘って良好な着色画像が得られる。
本発明のトナーは、特定の製造方法に依らずに極めて一般的な製造方法によって得ることができる。例えば、上記の各成分を押出機、2本ロール、3本ロール又は加熱ニーダー等の混練手段により混合し、冷却後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機により分級して本発明の目的とするトナーが得られる。
尚、本発明のトナーの粒子径は1〜15μmの範囲にあるものが好ましい。
トナーの製造に当たっては、予めトナーの調製に用いる結着樹脂の一部と、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m2/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物とから、顔料が高濃度のマスターバッチを調製してから、それをトナーの調製に用いる結着樹脂の残部と混合し希釈して所定顔料濃度のトナーとする様にしても良い。
即ち、顔料化後の水性スラリー又は湯洗後のウェットケーキをトナー用樹脂と特公昭61−23828号公報に記載のフラッシング法によりマスターバッチとした後、トナー用樹脂で希釈混合し、冷却後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機により分級する、いわゆる粉砕法と称される方法により本発明の目的とするトナーが得られる。尚、上記粉砕法以外にも、ケミカルトナーと総称される、懸濁重合法や乳化重合法、或いは分散重合法等において本発明の目的とするトナーが得られる。
本発明で用いるキャリアとしては、例えば、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ、或いはこれらを芯材とし表面にスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂等又はこれらの樹脂の混合物をコーティングしたものが使用でき、その粒径は50〜300μmの範囲にあるものが好ましい。
本発明のトナーは、静電荷現像用トナー中に磁性体を含有しない非磁性一成分カラートナー(非磁性一成分現像用カラートナー)又はキャリアと混合した二成分カラートナー(二成分現像用カラートナー)として用いることが出来る。
二成分現像用カラートナーは、上記キャリア粒子と本発明の静電荷現像用トナーとを水平円筒形、V形等の容器回転型混合機で磨砕混合することによって得ることが出来る。
また、キャリアと静電荷現像用トナーとの混合比は、適切な画像濃度を得るために通常、質量換算で、キャリア100部に対して静電荷現像用トナー2〜10部の範囲で使用することが出来るが、3〜6部の範囲で使用することが好ましい。
こうして得られた本発明のトナーは、被記録媒体上に着色画像を形成させるために用いられる。被記録媒体としては、例えば、紙、合成樹脂フィルム、金属箔等が挙げられる。
本発明のβ型銅フタロシアニン顔料組成物は、静電荷現像用トナーで使用する以外にも、ウェットケーキ或いは粉末状で、印刷インキ、塗料、プラスチック、カラーフィルター、インクジェットプリンター用記録液、金属インキ、捺染剤、文具等、種々の物品の着色剤として使用することも出来る。
以下、製造例、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(製造例1)
(フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体の合成)
98%硫酸91.4部、25%発煙硫酸36.7部、フタルイミド7.0部、92%パラホルムアルデヒド2.8部を45℃に冷却しながら仕込み、30分間撹拌した後、銅フタロシアニンブルークルード8.0部を徐々に仕込み、80℃まで昇温し、3時間反応を行った。反応終了後、30℃まで冷却した。この反応液を25℃の水750部に取り出して、スラリーを濾過、水洗、乾燥してフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体を得た。該誘導体の赤外線吸収スペクトルを測定し、1390cm-1の吸収強度からフタルイミドメチル基の平均置換基数を算出したところ、1.2個であった。
(製造例2)
(β型銅フタロシアニン顔料組成物の製造)
PT MONOKEM SURYA社製の粗製顔料(β型銅フタロシアニンブルークルード、一次粒子の平均粒子径1.2μm、窒素吸着法によるBET比表面積11m2/g。)250部、粉砕した塩化ナトリウム2500部、ジエチレングリコール510部、製造例1で合成したフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体(フタルイミドメチル基の平均置換基数1.2個)が12.5部を8Lの双腕型ニーダーに仕込み、90℃で7時間混練した。混練後、25Lのお湯に解膠し、1時間攪拌保持した。次いで0.4%塩酸水溶液となる様に、前記お湯に20%塩酸を500部加え、1時間攪拌保持した。β型顔料組成物を含むスラリーを濾過、湯洗、熱風乾燥機(90℃、24時間)で乾燥、粉砕し、β型銅フタロシアニン顔料組成物(a)を得た。該顔料組成物(a)の窒素吸着法によるBET比表面積は、112m2/g、水との接触角は66.9°、ジエチレングリコールとの接触角は11.9°であった。また、一次粒子の平均粒子径は0.02μm、一次粒子の縦横のアスペクト比は1.2であった。
該顔料組成物(a)の窒素吸着法によるBET比表面積については、Mountech社製のMacsorb HM model−1208を用いて測定した。また、一次粒子の平均粒子径及び一次粒子の縦横のアスペクト比については、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で測定した結果から求めた。更に、水及びジエチレングリコールとの接触角については、日本分光製φ20mm錠剤成型器とφ20mmの鏡面板と20t油圧プレスを用い、φ20mmの鏡面板の間に顔料粉末を入れ、これを錠剤成型器に入れ、400kg重/cm(39226.6×103Pa)で5分間加重することで平板試料(顔料ペレット)を作成した。Dataphysics社製の接触角計OCA20型を用い、平板試料(顔料ペレット)上に蒸留水、ジエチレングリコールを滴下し、液滴法で顔料に対する水の接触角及びジエチレングリコールの接触角をそれぞれ測定した。
スチレン−アクリル酸共重合体(ハイマーSBM100、三洋化成工業株式会社製)100部及び製造例2で作製したβ型銅フタロシアニン顔料組成物(a)5部を押出機で混練後、分級粉砕して平均粒子径10μmのトナーを得、次いでこのトナー100部に対して疎水性シリカを1.0部を混合した。この疎水性シリカ含有のトナーとフェライトキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行った結果、複写5000枚目でも帯電量の変動が小さく、高い帯電量を維持出来るため、地肌カブリのない鮮明で高彩度のシアン画像が得られた。また、OHPシートに現像し透明性を評価したところ、470nmの透過率が良好であった。
次に、C.I.Pigment Yellow 17を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーと組み合わせて現像を行った結果、鮮明な緑色が再現された。前記した様にシアン画像の彩度が高く、しかも青色領域及び緑色領域間の色域が広いことから、色相域も広く、高い演色性が得られた。又、C.I.Pigment Red 122を使用したマゼンタ色疎水性シリカ含有のトナーと組み合わせて現像を行った結果、鮮明な紫色が得られた。更に、C.I.Pigment Yellow 17を使用した黄色疎水性シリカ含有のトナーとC.I.Pigment Red 122を使用したマゼンタ色疎水性シリカ含有のトナーとを組み合わせて現像を行った結果、原稿の黒に相当する部分が純黒色に再現された。
また、市販複写機を高温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で画像評価を行ったところ、地肌カブリのない鮮明で高彩度のシアン画像が得られた。
最後に、反射濃度計(マクベス社製のMacbeth D−196)で印刷済用紙の青色ベタ部の光学反射密度を画像濃度(OD値)として測定した結果、反射濃度が高く、十分に実使用可能な状態であった。
(比較例1)
製造例2で作製したβ型銅フタロシアニン顔料組成物(a)の代わりに、KET Blue 111(該顔料の窒素吸着法によるBET比表面積は43m2/g、水との接触角は79.9°、ジエチレングリコールとの接触角は21.3°、一次粒子の平均粒子径は0.06μm、一次粒子の縦横のアスペクト比は2.5;大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Blue 15:3)を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径10μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。この疎水性シリカ含有のトナーとフェライトキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行った結果、実施例1で得られたほど鮮明なシアン画像は得られなかった。また、複写5000枚目でシアン画像に画像欠陥が見られた。更に、OHPシートに現像し透明性を評価したところ、470nmの透過率が不良であった。
次に、C.I.Pigment Yellow 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとの組み合わせ、C.I.Pigment Red 122を使用した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わせ、及びC.I.Pigment Yellow 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとC.I.Pigment Red 122を使用した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わせてそれぞれ現像を行った結果、何れも鮮明でない緑色、紫色及び黒色となり再現性の低いものであった。
また、市販複写機を高温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で画像評価を行ったところ、地肌カブリがある不鮮明なシアン画像が得られた。
最後に、実施例1と同様の操作で画像濃度を評価した結果、反射濃度が低く、実使用不可能な状態であった。
(比較例2)
製造例2で作製したβ型銅フタロシアニン顔料組成物(a)の代わりに、Fastogen Blue TGR(該顔料の窒素吸着法によるBET比表面積は67m2/g、水との接触角は72.0°、ジエチレングリコールとの接触角は27.0°、一次粒子の平均粒子径は0.05μm、一次粒子の縦横のアスペクト比は2.5;大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Blue 15:3)を用いた以外は実施例1と同様にして平均粒子径10μmの疎水性シリカ含有のトナーを得た。この疎水性シリカ含有のトナーとフェライトキャリアーを用いて乾式普通紙複写機(リコピーFT3010、株式会社リコー製;以下同じ)で現像を行った結果、実施例1で得られたほど鮮明なシアン画像は得られなかった。また、複写5000枚目でシアン画像に画像欠陥が見られた。更に、OHPシートに現像し透明性を評価したところ、470nmの透過率が不良であった。
次に、C.I.Pigment Yellow 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとの組み合わせ、C.I.Pigment Red 122を使用した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わせ、及びC.I.Pigment Yellow 17を使用した疎水性シリカ含有の黄色トナーとC.I.Pigment Red 122を使用した疎水性シリカ含有のマゼンタ色トナーとを組み合わせてそれぞれ現像を行った結果、何れも鮮明でない緑色、紫色及び黒色となり再現性の低いものであった。
また、市販複写機を高温高湿(30℃、85%RH)室に入れ、同条件下で画像評価を行ったところ、地肌カブリがある不鮮明なシアン画像が得られた。
最後に、実施例1と同様の操作で画像濃度を評価した結果、反射濃度が低く、実使用不可能な状態であった。

Claims (5)

  1. 結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷現像用トナーにおいて、前記着色剤として、窒素吸着法におけるBET比表面積が90〜150m/gの範囲にあり、且つ、水との接触角が65〜70°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 更にジエチレングリコールとの接触角が10〜15°の範囲にあるβ型銅フタロシアニン顔料組成物を含有する請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  3. β型銅フタロシアニン顔料組成物が、β型銅フタロシアニン顔料とフタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体とを含み、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.04μmの範囲にある請求項1又は2のうちいずれか1項記載の静電荷現像用トナー。
  4. フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体が、1分子中にフタルイミドメチル基を平均1〜2個有する銅フタロシアニン誘導体である請求項3記載の静電荷現像用トナー。
  5. フタルイミドメチル銅フタロシアニン誘導体が、質量換算で、β型銅フタロシアニン顔料100部に対して1〜10部である請求項3又は4のうちいずれか1項記載の静電荷現像用トナー。
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