JP2014177575A - モノアゾ顔料組成物の製造方法、トナーおよびインクジェットインキ - Google Patents

モノアゾ顔料組成物の製造方法、トナーおよびインクジェットインキ Download PDF

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Abstract

【課題】高い透明性、着色力を維持しつつ、耐光性を向上させたモノアゾ顔料組成物の製造方法に関するものであり、さらにこれを利用したトナー、インクジェット用インクを提供する。
【解決手段】モノアゾ顔料(X)とカルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)に基づく化学構造を有するモノアゾ化合物(Y)から成る粗モノアゾ顔料組成物を、顔料化処理を行う製造方法、およびその製造方法により得られたモノアゾ顔料組成物からなるトナー及びインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、色材として、透明性、着色力、耐光性に優れているアゾ顔料の製造方法に関するものであり、さらにはこれを利用した、電子写真、静電印刷などにおける静電荷像を現像するためのカラートナー及びノンインパクトプリンティングであるインクジェット用インキに関するものである。
モノアゾ黄色顔料は古くから印刷インキ、塗料、プラスチックなどの着色剤として使用されているが、さらに近年では、液晶ディスプレー用のカラーフィルタ、インクジェット記録用インキやカラートナー用等の着色剤に使用することが特開2004−26930号公報に開示されている。しかしながら、高結晶性であるため耐光性は優れるものの鮮明性が不十分であった。
また、特開2002−138233号公報には、耐光性及び高彩度を達成するため、ある特定のX線回折ピーク及び粒子径に特徴のある有機顔料を含有したインキ組成物が開示されているが、透明性、着色力に関しては不十分であった。
また、耐水性が良く、吐出安定性の良好なインクジェット用記録を得るべく、特開平9−157559号公報には、粒子サイズが非常に細かい有機顔料を分散させてなるインクジェット用記録液が提案されているが、粒子サイズが微細化になりすぎて、耐光性が不十分であった。
特開2004−26930号公報 特開2002−138233号公報 特開平9−157559号公報
そこで、本発明は、高い透明性、着色力を維持しつつ、耐光性を向上させたモノアゾ顔料組成物の製造方法に関するものであり、さらにこれを利用したカラートナー、インクジェット用インキの提供を目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、モノアゾ顔料(X)とカルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)に基づく化学構造を有するモノアゾ化合物(Y)から成る粗モノアゾ顔料組成物を、顔料化処理を行う製造方法により得られたモノアゾ顔料組成物が従来のモノアゾ顔料化合物からは予想出来ない程、耐光性を顕著に向上できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は次の発明を提供するものである。
モノアゾ顔料組成物の製造方法において、
1)アゾカップリング工程において、質量換算で、モノアゾ顔料(X)100部に対してジアゾニウム塩(A)と、カルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)とを反応させた構造のモノアゾ化合物(Y)を0.1〜20部含有する粗モノアゾ顔料組成物を得る第一工程と、
2)第一工程で得た粗モノアゾ顔料組成物をソルベントソルトミリングまたは、溶媒による仕上げ処理を行う第二工程、
から成ることを特徴とするモノアゾ顔料組成物の製造方法。
前記モノアゾ化合物(Y)が、以下の一般式(y)で表されるモノアゾ化合物、及びそのNa、Ca、Al、Ba、またはSr塩である請求項1記載のモノアゾ顔料組成物の製造方法。
一般式(y)
Figure 2014177575
〔但し、一般式(y)中、R、R及びRは独立に、H、CH、C、OCH、OC、NO、Clを示す。XはOHを、YはCOOHを、ZはH、CH、C、OCH、OC、NO、Cl、SOH、OH、COOHのいずれかを示す。〕
前記仕上げ処理において、溶媒が水、有機溶媒、または水及び有機溶媒であり、溶媒中、50〜200℃で加熱処理を行う請求項1記載のモノアゾ顔料組成物の製造方法。
上記のいずれかの製造方法で得られたモノアゾ顔料組成物を含有する静電荷現像用トナーまたは、インクジェット用インキ。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される顔料用添加剤は、モノアゾ顔料(X)用のもので、ジアゾニウム塩(A)と、カルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)とを反応させた構造のモノアゾ化合物(Y)からなる。
このモノアゾ化合物(Y)は、前記構造を有していれば、その製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、ジアゾニウム塩(A)と、カルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)との反応により得ることができる。
本発明で使用されるジアゾニウム塩(A)とは、ベンゼン環に置換基を有していても良いアニリンのジアゾニウム塩を言う。このジアゾニウム塩(A)は、例えば、アニリン化合物と塩酸と亜硝酸ソーダとを反応させれば得ることが出来る。
本発明に使用できるアニリン化合物としては、一般的に知られているものを用いることができる。例えば、2−ニトロ−4−メチルアニリン、2−ニトロ−4−クロルアニリン、2−ニトロアニリン、2−メチル−4−クロルアニリン、2−ニトロ−4−メトキシアニリン、2−メトキシ−4−ニトロアニリン、2−メトキシ−4−スルホンアミドフェニル−5−メトキシアニリンなどがあげられる。
一方、カルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)とは、芳香環にカルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミドを言う。
本発明に使用できる化合物(B)としては、一般式(I)で表される化合物、及びそのNa、Ca、Al、Ba、またはSr塩がある。
一般式(I)
Figure 2014177575
〔但し、一般式(I)中、XはOHを、YはCOOHを、ZはH、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、NO2、Cl、SO3H、OH、COOHのいずれかを示す。〕
この様な一般式(I)で表されるアセト酢酸アリールアミド化合物(B)としては、例えば2−カルボキシアセトアセトアニリド、3−カルボキシアセトアセトアニリド、4−カルボキシアセトアセトアニリド、4−カルボキシ−2−メチルアセトアセトアニリド、4−カルボキシ−3−メチルアセトアセトアニリド、2−クロル−4−カルボキシアセトアセトアニリド、3−クロル−4−カルボキシアセトアセトアニリド、3,5−ジカルボキシアセトアセトアニリド、2−スルホアセトアセトアニリド、3−スルホアセトアセトアニリド、4−スルホアセトアセトアニリド、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアセトアセトアニリドなどの極性カップラーがあげられる。
ジアゾニウム塩(A)と化合物(B)とは、モル比1/1で、公知慣用のジアゾカップリング反応させることにより、モノアゾ化合物(Y)とすることが出来る。この反応は、例えば酢酸酸性下、pH3〜6、温度5〜30℃、時間30分〜180分の範囲で行った後、温度80〜95℃とし、1〜3時間保持することにより行うことが出来る。この反応条件は、後述するモノアゾ顔料(X)、モノアゾ化合物(Y)、さらには(X)や(Y)以外のモノアゾ化合物の場合もほぼ同様である。
モノアゾ化合物(Y)として、代表的なものは、以下の一般式(y)で表されるモノアゾ化合物、及びそのNa、Ca、Al、Ba、またはSr塩である。
一般式(y)
Figure 2014177575
〔但し、一般式(y)中、R、R、及びRは独立に、H、CH、C、OCH、OC、NO、Clを示す。XはOHを、YはCOOHを、ZはH、CH、C、OCH、OC、NO、Cl、SOH、OH、COOHのいずれかを示す。〕
本発明のモノアゾ顔料(X)としては、黄色モノアゾ顔料として公知慣用のものがいずれも使用でき、例えば、C.I.ピグメント イエロー1、C.I.ピグメント イエロー3、C.I.ピグメント イエロー5、C.I.ピグメント イエロー49、C.I.ピグメント イエロー65、C.I.ピグメント イエロー74、C.I.ピグメント イエロー97などがあげられる。
本発明の顔料組成物は、モノアゾ顔料(X)に、添加剤たるモノアゾ化合物(Y)を含有してなる。モノアゾ顔料(X)100重量部に対して、モノアゾ化合物(Y)は、0.1〜100重量部、好ましくは、5〜20部となる様にする。
本発明では、モノアゾ顔料(X)とモノアゾ化合物(Y)とは、それぞれ別々に調製してから両者を混合するのではなく、それらが同時に生成するようにする方が、結果的により顔料近傍にモノアゾ化合物(Y)を配置することが出来、得られる顔料組成物の高透明性、高着色力、高耐光性はより向上することも見出した。
モノアゾ顔料(X)とモノアゾ化合物(Y)とは、それぞれ別々に調製してから両者を混合するのではなく、それらが同時に生成するようにすると、モノアゾ化合物(Y)の少なくとも一部が、モノアゾ顔料(X)の一次粒子表面に均一に吸着しているか、或いは結晶構造中に含まれている形態をとることになり、顔料近傍にモノアゾ化合物(Y)を配置することが出来る。
本発明におけるモノアゾ顔料組成物は、従来公知の方法による合成法を用いて同時に生成するように合成することができる。アニリン化合物と亜硝酸ソーダからジアゾニウム塩(A)溶液を調製した後、このジアゾニウム塩(A)溶液を、非極性カップラー、及び上記一般式(I)を必須成分とする極性カップラーとの混合物からなる懸濁液と反応させ、モノアゾ顔料(X)とモノアゾ化合物(Y)とを必須として同時に合成する。その後、必要に応じて加熱し、ろ過、水洗、乾燥、粉砕して本発明による黄色モノアゾ顔料組成物を得ることが出来る。
非極性カップラーとは、ジアゾニウム塩(A)と反応してモノアゾ顔料(X)を形成するアセト酢酸アリールアミド化合物である。
非極性カップラーとは、ジアゾニウム塩(A)と反応してモノアゾ顔料(X)を形成するアセト酢酸アリールアミド化合物である。これは、例えば一般式(II)で表されるアセト酢酸アリールアミド化合物が挙げられる。
一般式(II)
Figure 2014177575
〔但し、一般式(II)中、L、M、及びNは独立に、H、CH、C、OCH、OC、NO、Clのいずれかを示す。〕
本発明に使用できる一般式(II)で表されるアセト酢酸アリールアミド化合物としては、例えば、アセトアセトアニリド、2−メチルアセトアセトアニリド、4−メチルアセトアセトアニリド、2−メトキシアセトアセトアニリド、4−メトキシアセトアセトアニリド、4−エトキシアセトアセトアニリド、2−クロルアセトアセトアニリド、2,4−ジメチルアセトアセトアニリド、2−メチル−4−クロルアセトアセトアニリド、2,5−ジメトキシ−4−クロルアセトアセトアニリドなどの非極性カップラーがあげられる。
次に本発明の製造方法において、第二工程とする顔料化方法について詳細に説明する。一般に顔料化とは、合成反応で得られた粗顔料に、インキ、塗料、プラスチック用の着色、ここでは特にカラートナー用やインクジェットインキ用等の各用途特性に合わせた粒子サイズ、及びその分布、表面エネルギー状態、結晶性を制御する工程である。本発明において、顔料化工程はカラートナー用、及びインクジェットインキ用に求められる高透明性、高着色力を維持しつつ、高耐光性を具備するためには、必要不可欠な工程である。
そこで、本発明の第二工程は、第一工程のアゾカップリング工程において得られた粗顔料組成物をソルベントソルトミリング、または各種溶媒による仕上げ処理から成る。
本発明で行われるソルベントソルトミリングとは、第一工程で得られた粗モノアゾ顔料組成物と、水溶性無機塩と親水性有機溶剤とを混練することを意味する。具体的には、粗モノアゾ顔料組成物と、水溶性無機塩と、それを溶解しない親水性有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この操作により、モノアゾ顔料の一次粒子を微細化し、二次粒子を均一にするという操作を行う。
水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
また、当該無機塩の使用量は、有機顔料1重量部に対して3〜100重量部とするのが好ましく、5〜20重量部とするのがより好ましい。無機塩の使用量は、多すぎても生産性が低くなり、製造コストもかかることから、上記範囲が望ましい。
水溶性有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得るものが好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1−メトキシ−2−プロパノール等を用いることができるが、エチレングリコール、またはジエチレングリコールが好ましい。
当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、有機顔料1重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
混練温度は、60〜150℃の間で行うことが好ましく、モノアゾ顔料組成物の場合、上記温度が70〜120℃の間で行うことがさらに好ましい。混練温度が70℃未満であると、結晶成長が進まないのと共に、二次粒子の分布も均一にならない。また、120℃を超える温度では、結晶成長が促進されすぎて粗大な粒子となり、所望の微細で均一な粒子を得ることが出来ない。
この混練に用いる装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008公報に記載のプラネタリー型ミキサーである井上製作所株式会社製のトリミックス(商標名)や、特開平4−122778号公報に記載の連続式二軸押出機や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である浅田鉄工株式会社製のミラクルKCK等を用いることができる。
ソルベントソルトミリングで得られたモノアゾ顔料組成物の一次粒子のサイズは、走査型電子顕微鏡による測定において、30〜100nmであった。
次に第一工程で得た粗モノアゾ顔料組成物を溶媒中での加熱処理を行う溶媒による顔料化について説明する。
第一工程で得た粗モノアゾ顔料組成物は、乾燥、粉砕して単離した乾燥物を使用してもよいし、合成後にろ過、洗浄し、水分を含んだウェットケーキを使用しても良い。第二工程の操作性を考慮し、また乾燥工程のエネルギーが必要でないため、ウェットケーキでの使用がより好ましい。
使用される溶媒量は、粗モノアゾ顔料組成物1部に対して、5〜100部が好ましい。生産性と効果を考慮すると5〜20部がより好ましい。処理温度は、もちろん使用する溶媒によって処理効果、つまり顔料粒子に及ぼす結晶成長効果が異なるため、一概には言及出来ないが、低すぎると効果が得られないため、常圧では、50℃〜沸点、加圧条件下では沸点以上の温度で行う。また、用いられる溶媒は単独、または下記に挙げるいかなる溶媒をも組み合せて使用できるため、混合溶媒の場合は、常圧では、50℃〜共沸点、加圧条件下では、共沸点以上の温度で行う。
溶媒による顔料化で使用可能な溶媒としては、公知公用の溶媒が使用できる。水、及び適当な有機溶媒には、炭素数1〜10のアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール(例:n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール)、ペンタノール(例:n−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール)、ヘキサノール(例:2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3−エチル−3−ペンタノール)、オクタノール(例:2,4,4−トリメチル−2−ペンタノール)及びシクロヘキサノール;グリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはグリセロール;ポリグリコール、例えばポリエチレンまたはポリプロピレングリコール;エーテル、例えばメチルイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンまたはジオキサン;グリコールエーテル、例えばアルキルがメチル、エチル、プロピル及びブチルであり得るエチレングリコール、プロピレングリコールまたはジエチレングリコールのモノアルキルエーテル(例:ブチルグリコールまたはメトキシブタノール)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル及びポリエチレングリコールジメチルエーテル;ケトン、例えばアセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノン;脂肪酸アミド、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド;尿素誘導体、例えばテトラメチル尿素;環状カルボキサミド、例えばN−メチルピロリドン、バレロラクタムまたはカプロラクタム;ニトリル、例えばアセトニトリル;脂肪族または芳香族アミン、例えばn−ブチルアミン;非ハロゲン化またはハロゲン化脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジ−,トリ−またはテトラクロロエチレン、ジ−またはテトラクロロエタン、ベンゼン、或いはアルキル−、アルコキシ−、ニトロ−、シアノ−またはハロゲン−置換ベンゼン(例:トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ベンゾニトリルまたはブロモベンゼン);または他の置換芳香族、例えばフェノール、クレゾール、ニトロフェノール(例:o−ニトロフェノール)、フェノキシエタノールまたは2−フェニルエタノール;芳香族ヘテロ環、例えばピリジン、モルホリン、ピコリンまたはキノリン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;スルホン及びスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド及びスルホラン;及び前記有機液体の混合物が含まれる。好ましい溶剤はC1−6アルコール、特にメタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール、イソブタノール、n−及びtert−ブタノール及びtert−アミルアルコール;C3−6ケトン、特にアセトン、メチルエチルケトンまたはジエチルケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはエチレングリコールC3−5アルキルエーテル、特に2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ブチルグリコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサンまたはメチルシクロヘキサンである。
上記のように常圧下では、環流管を備えた反応装置で実施され、加圧下ではオートクレーブ等の耐圧力容器で処理が行われる。
本発明におけるモノアゾ顔料組成物は、必要ならば、モノアゾ顔料組成物の合成の前後に、ロジン、界面活性剤等、従来公知の添加剤を加えて、本発明のモノアゾ黄色顔料組成物を合成することができる。
本発明の顔料組成物は、例えば平版インキやグラビアインキ等の各種印刷インキ、焼付塗料や常乾塗料等の各種塗料、ポリオレフィン、ポリウレタン成形品の着色等の着色成形品の他、静電荷像現像用トナー、インクジェットインキ等のハイテク用途など、公知慣用の用途にいずれも使用できる。しかしながら、本発明の顔料組成物は、ヒートセット定着過程を経る静電荷像現像用トナー、及び高い着色力と耐光性が要求されるインクジェットインキに、好適に用いることが出来る。
本発明におけるカラートナーは、カラートナー中に磁性体を含有する1成分色磁性トナー(磁性一成分現像用カラートナー)、磁性体を含有しない非磁性1成分色カラートナー(非磁性一成分現像用カラートナー)、またはキャリアを混合した2成分色現像剤用カラートナー(二成分現像用カラートナー)として用いることができる。
1成分色磁性トナーは、通常使用されているものと同様に、例えば着色剤、結着樹脂、磁性粉、電荷制御剤(CCA)や離型剤に代表されるその他添加剤等から構成出来る。
本発明で用いられる着色剤のカラートナー中に占める使用量は特に限定されないが、結着樹脂100重量部に対し0.5〜25重量部の割合で使用することが好ましく、着色剤自身の有する帯電性能を一層顕著ならしめる点から結着樹脂100重量部に対し2〜15重量部であることが更に好ましい。
本発明のカラートナーに用いられる結着樹脂としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、熱、または圧力の適用下で接着性を示す天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、合成ワックス等がいずれも使用できる。
本発明において有用な天然樹脂は、例えばバルサム樹脂、ロジン、シェラック、コーバル等であり、これらの樹脂は後述するビニル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等から選ばれる1種、またはそれ以上の樹脂で変性されていてもよい。
また、本発明のカラートナーに用いられる合成樹脂、及び合成ワックスとしては、例えばポリ塩化ビニル、ポリアセタール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプリピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ビニル樹脂、またはこれらの樹脂の各モノマー成分からできる共重合体、脂肪族、または脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
また、天然、または合成ゴム物質としては、例えば天然ゴム、塩素化ゴム、環化ゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロヒドリンゴム等が挙げられる。
本発明のカラートナーに用いられる結着樹脂は、これらに限定されるものではなく、結着樹脂成分の2種以上が適宜混合されて用いられてもよい。
尚、これらのうちでもスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエポキシ系樹脂がその透明性、及びトナーの色相面から有利に使用できる。
本発明のカラートナーに用いられる磁性粉としては、特に限定されるものではないが、それ自身の色が再現された色に影響を及ぼしにくいものが好ましく使用でき、例えば、γ−酸化鉄、黄色γ−酸化鉄、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、ポリ−1,4−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−オキシル−4−ピペリジル−1−オキシル)ブタジエンポルフィリン金属錯体の様な有機磁性体、及びそれらの混合物等が挙げられる。また、これらの中で特に色相の面から、黄色γ−酸化鉄の使用が好ましい。
これら磁性粉の粒径は平均粒径0.1〜1μmで使用でき、帯電安定性、及び色相の点から0.1〜0.5μmが好ましい。また、これらをトナーに含有させる量としては結着樹脂100重量部に対して30〜150重量%で使用でき、帯電安定性、及び色相の点から結着樹脂100重量部に対して40〜120重量%が好ましい。
本発明のカラートナーは上記各成分の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性等を調整する目的で各種の可塑剤、抵抗調整剤、及び電荷制御剤を更に添加してもよい。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が、抵抗調整剤としては酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン等が、電荷制御剤としては四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、含金属染料等が夫々挙げられる。
更に、本発明においてはトナー粒子の製造後、これにTiO、Al、SiO等の微粉末を添加してトナーの流動性改良を図ったり、ステアリン酸亜鉛、フタル酸等を添加して感光体の劣化防止を図っても良い。
本発明のカラートナーは、特定の製造方法に依らず極めて一般的な製造方法によって得ることができる。例えば、上記の各成分を押し出し機、2本ロール、3本ロール、または加熱ニーダー等の混練手段により混合し、冷却後、ジェットミル等の粉砕機で撹拌し、風力分級機により分級して本発明の目的とするカラートナーが得られる。尚、本発明のカラートナーの粒子径は5〜15μmが好ましい。
2成分色現像剤用カラートナーとして用いる場合も1成分色磁性トナーに使用されているものと同じ着色剤、結着樹脂、上記した様なその他添加剤等を使用できる。
更に、本発明のカラートナーに用いられるキャリアとしては、例えば、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ、或いはこれらを芯材とし表面にスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等、またはこれらの樹脂の混合物をコーティングしたものが使用でき、その粒径は50〜300μmの範囲にあるものが好ましい。
2成分色現像剤用カラートナーは、これらのキャリア粒子と本発明のカラートナーとを水平円筒形、V形等の容器回転型混合機で摩擦混合することによって得ることができる。
また、キャリアとカラートナーとの混合比は適切な画像濃度を得るために通常、キャリア100重量部に対してカラートナー2〜10重量部の範囲で使用できるが、好ましくはカラートナー3〜6重量部の範囲である。
次に本発明の実施形態を、好ましい形態に基づき説明する。
第一工程において、粗モノアゾ顔料組成物は、ジアゾニウム塩溶液と、非極性及び極性カップラーとの混合物からなる懸濁液とを反応させ、必要に応じて加熱した後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕し、顔料組成物を得る。第二工程のうち、ソルベントソルトミリングの場合は、このままのドライ顔料を処理し、モノアゾ顔料組成物を得る。一方、溶媒による加熱処理の場合は、第一工程の水洗後、ウェットケーキを処理し、モノアゾ顔料組成物を得る。
スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の結着樹脂100重量部と、上記顔料組成物2〜15重量部、必要に応じて結着樹脂100重量部当たり40〜120重量部の磁性体粉末、電荷制御剤、ワックスを、前記結着樹脂の溶融する温度で混練し、粉砕分級して、体積平均粒子径5〜15μmの静電荷像現像用乾式粉体カラートナーを得る。
これの100重量部に、前記したものより粒子径がより小さい疎水性シリカ0.3〜5重量部を外部添加して、トナー粒子表面に、前記シリカ粒子を付着させ、磁性、または非磁性一成分現像用静電荷像現像用乾式粉体カラートナーとする。
二成分現像法に上記トナーを用いる場合には、キャリア100重量部当たり3〜6重量部を上記トナーに混合して、現像剤とする。
本発明は、さらにインクジェットインキを提供する。インクジェットインキとは、水性ベースのインキ(マイクロエマルジョンインキを含む)、及び非水性ベース(溶媒ベース)、UV硬化性インキのみならず、ホットメルトプロセスにより操作するようなインキも意味する。
溶媒ベースインクジェットインキは、溶媒に可溶な担体材料またはバインダー(例は、ポリオレフィン、天然ゴム、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリ(ビニルブチノール)、ワックス−ラテックス系、またはその組合せ)を含むことができる。適切であれば、溶媒ベースインクジェットインキは、さらに添加剤を含むことができ、例えば、湿潤剤、ガス抜き剤/脱泡剤、防腐剤及び抗酸化剤である。
マイクロエマルジョンインキは、有機溶媒、水及び適切ならば、界面媒介物として作用する他の物質(界面活性剤)をベースとする。マイクロエマルジョンインキは、一般に、顔料0.5%から30重量%及び好ましくは1〜15重量%、水0.5〜95重量%及び有機溶媒及び/または界面媒介物0.5〜95重量%を含む。
UV硬化性インキは、顔料0.5〜30重量%、水0.5〜95重量%、有機溶媒または溶媒混合物0.5〜95重量%、放射線硬化性バインダー0.5〜50重量%及び適切ならば、光開始剤0から10重量%を含む。
ホットメルトインキは、通常、室温で固体で、加熱により液化するワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、またはスルホンアミドをベースとし、好ましい溶融範囲は、約60〜約140℃である。
ホットメルトインクジェットインキは、本質的にワックス20〜90重量%及び顔料1〜10重量%からなる。ホットメルトインクジェットインキは、さらに他のポリマー(「染料溶解剤」として)0〜20重量%、分散剤0〜5重量%、粘度改質剤0〜20重量%、可塑剤0〜20重量%、粘着性付与添加剤0〜10重量%、透明性安定剤(例えば、ワックスの結晶化を防止する)0〜10重量%及びまた抗酸化剤0〜2重量%をさらに含んでもよい。
ジェット印刷可能なインキ、特にインクジェットインキは、顔料を、マイクロエマルジョン媒体中に、非水性媒体中に、またはUV硬化性インキ製造用の媒体中に、またはホットメルトインクジェットインキ製造用のワックス中に分散させることによって製造することができる。
有利には、インクジェット用途の得られたインキは、引き続き、例えば1μmフィルターを通して濾過される。
さらに、顔料は、加法的及び減法的発色の両方のカラーフィルター用着色剤として有用であり、及びまた電子インキ(「e−インキ」)または電子紙(「e−紙」)として有用である。カラーフィルター、反射ならびに透明カラーフィルター、を製造するためには、顔料は、それぞれのLCD構成部品(例えば、TFT−LCD=薄膜トランジスタ液晶ディスプレーまたは例えば、((s)TN−LCD=(超)ツイストネマチック−LCD)に対する適切なバインダー(アクリレート、アクリル酸エステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エポキシドポリエステル、メラミン、ゼラチン、カゼイン)中のペーストの形態において、または顔料着色されたフォトレジストとして適用される。高い熱安定性、高い顔料純度は、安定なペーストまたは顔料着色されたフォトレジストに対して不可欠である。その上、顔料着色されたカラーフィルターは、インクジェット印刷プロセスまたは他の適切な印刷プロセスによって適用することもできる。
以下、実施例、及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「重量部」、及び「重量%」を示す。
〈製造例1〉
2−メトキシ−4−ニトロアニリン59.4部を、水200部に撹拌分散しながら、35%塩酸137.3部を加えた。30分撹拌後、氷300部を加えて液温を下げた後、40%亜硝酸ソーダ61.2部を加えて1時間撹拌し、ジアゾ化反応を行った。その後、10%スルファミン酸6部と活性炭0.5部を加えて撹拌した後、ろ過することで不溶性物質を取り除いた。一方、2−メトキシアセトアセトアニリド69.2部と、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアセトアセトアニリド7.9部を水1000部中に加え、さらに、25%苛性ソーダ68部を加え、撹拌溶解した。この中に、18.7%酢酸480部を0〜5℃で30分かけて加え、カップラーを析出した。さらにこの中に、25%苛性ソーダ172.8部を加え、pHを6.5に調整した。氷浴で内温を5〜10℃に保持しながら、前記ジアゾ液を2時間かけて加え、カップリング反応を行った。カップリング終了後、25%苛性ソーダ39.5部を加えてpHを7.0に調整した後、10%ロジン133.8部を加えて30分撹拌し、次いで4.1部の塩化カルシウムを適量の水に溶解させて加え10分撹拌した。その後、90℃に加温し、30分保持し、ろ過、水洗することでウェットケーキを得た。
次にウェットケーキを100℃の乾燥機で乾燥し、黄色顔料組成物の固形物を得た。この固形物40部、塩化ナトリウム400部、及びジエチレングリコール83部をニーダーに仕込み、混練摩砕を開始した。温度が90℃になるように調節しながら、5時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物を40℃に加温した水中に投入して撹拌した後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、及びエチレングリコールを除去し、100℃の乾燥機で乾燥した。得られた固形物を粉砕し、本発明による黄色顔料組成物27.3部を得た。
〈製造例2〉
2−メトキシ−4−ニトロアニリン59.4部を、水200部に撹拌分散しながら、35%塩酸137.3部を加えた。30分撹拌後、氷300部を加えて液温を下げた後、40%亜硝酸ソーダ61.2部を加えて1時間撹拌し、ジアゾ化反応を行った。その後、10%スルファミン酸6部と活性炭0.5部を加えて撹拌した後、ろ過することで不溶性物質を取り除いた。一方、2−メトキシアセトアセトアニリド69.2部と、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアセトアセトアニリド7.9部を水1000部中に加え、さらに、25%苛性ソーダ68部を加え、撹拌溶解した。この中に、18.7%酢酸480部を0〜5℃で30分かけて加え、カップラーを析出した。さらにこの中に、25%苛性ソーダ172.8部を加え、pHを6.5に調整した。氷浴で内温を5〜10℃に保持しながら、前記ジアゾ液を2時間かけて加え、カップリング反応を行った。カップリング終了後、25%苛性ソーダ39.5部を加えてpHを7.0に調整した後、10%ロジン133.8部を加えて30分撹拌し、次いで4.1部の塩化カルシウムを適量の水に溶解させて加え10分撹拌した。その後、90℃に加温し、30分保持し、ろ過、水洗することでウェットケーキを得た。
次に得られたウェットケーキ132.5部に467.5部の水を加え、30分撹拌することで再邂逅した。邂逅した溶液をオートクレーブに移し、温度が115℃になるように調節しながら5時間撹拌した。溶液を冷却した後にろ過し、得られた固形物を粉砕し、本発明による黄色顔料組成物18.7部を得た。
〈製造例3〉
2−メトキシ−4−ニトロアニリン59.4部を、水200部に撹拌分散しながら、35%塩酸137.3部を加えた。30分撹拌後、氷300部を加えて液温を下げた後、40%亜硝酸ソーダ61.2部を加えて1時間撹拌し、ジアゾ化反応を行った。その後、10%スルファミン酸6部と活性炭0.5部を加えて撹拌した後、ろ過することで不溶性物質を取り除いた。一方、2−メトキシアセトアセトアニリド69.2部と、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアセトアセトアニリド7.9部を水1000部中に加え、さらに、25%苛性ソーダ68部を加え、撹拌溶解した。この中に、18.7%酢酸480部を0〜5℃で30分かけて加え、カップラーを析出した。さらにこの中に、25%苛性ソーダ172.8部を加え、pHを6.5に調整した。氷浴で内温を5〜10℃に保持しながら、前記ジアゾ液を2時間かけて加え、カップリング反応を行った。カップリング終了後、25%苛性ソーダ39.5部を加えてpHを7.0に調整した後、10%ロジン133.8部を加えて30分撹拌し、次いで4.1部の塩化カルシウムを適量の水に溶解させて加え10分撹拌した。その後、90℃に加温し、30分保持した。次いで、ろ過、水洗し、100℃の乾燥機で乾燥した。得られた固形物を粉砕し、黄色顔料組成物144.7部を得た。
〈実施例1〉
[カラートナーの製造]
スチレン−アクリル酸共重合体
(ハイマーSBM100、三洋化成工業株式会社製) 100.0部
製造例1で製造したモノアゾ黄色顔料組成物 5.0部
黄色γ−酸化鉄
(MAPICO Y−LOP、チタン工業株式会社製) 40.0部
上記成分を押出機で混練後、ジェットミルで粉砕分級して平均粒径10μmのトナーを得、これに疎水性シリカ(アエロジルR−972、日本アエロジル社製)を1.0%混合し1成分イエロー色磁性トナーとした。
[現像剤の調製と現像試験]
この1成分イエロー色磁性トナーを用い、乾式普通紙複写機(リコピーFT3010、株式会社リコー製;以下同じ)現像試験を実施した。
[画像の評価]
上記現像剤を用いてイエロー画像(ベタ部)が得られた印刷物について、グレタグ計によるY値の測定を行った。また、OHPシートに現像し、580nmの透過率を測定した。
[画像の耐光性試験]
上記現像剤を用いてイエロー画像(ベタ部)が得られた印刷物について、フェードメーター ロングライフタイプ(U48H、スガ試験機株式会社製)を用いて、カーボンアークランプ60時間照射による促進耐光性試験を実施し、光照射前後の色相の変化(以下、色差:ΔEという)を測定した。
〈実施例2〉
製造例1で製造した顔料組成物に代えて、製造例2で製造した顔料組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
〈比較例1〉
製造例1で製造した顔料組成物に代えて、製造例3で製造した顔料組成物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
以下に、実施例1、実施例2、及び比較例1の透過率、グレタグY値、耐光性試験の結果を表1にまとめて示した。尚、透過率が大きい程透明性に優れ、グレタグY値が大きい程着色力に優れ、光照射前後の色差(ΔE)が小さいほど耐光性に優れている静電荷像現像用イエロートナーである。
Figure 2014177575
表1から明らかなように、本発明の顔料組成物を用いた静電荷像現像用イエロートナーは、従来の顔料組成物を用いたものに比べて、画像の耐光性試験において光照射前後の色相変化が小さく、高い透明性、高い着色力を維持しつつ耐光性に優れ、退色しにくく、画像の保存安定性に優れていることがわかった。
次にインクジェットインキの製造、及び評価方法について述べる。
〈実施例3〉
[(メタ)アクリル酸エステル樹脂の合成]
撹拌装置、滴下装置、温度センサー、及び上部に窒素導入装置を有する還流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟産業株式会社製)の反応容器にイソプロピルアルコール1,200部を仕込み、撹拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置よりメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75.0部、メタクリル酸260.8部、スチレン400.0部、メタクリル酸ベンジル234.2部、メタクリル酸グリシジル30.0部、及び「パーブチル(登録商標)O」(有効成分ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂株式会社製)80.0部の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに同温度で15時間反応を継続させた後、IPAの一部を減圧留去し、不揮発分を50%に調整し、酸価170の(メタ)アクリル酸エステル樹脂溶液を得た。
[アニオン性基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の合成]
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール (n=27.5、PTMG2000)を480部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)を282部、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.007 部仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で1時間反応させた。その後、65℃以下に冷却し、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)を118.0部、ネオペンチルグリコール(NPG)、及びメチルエチルケトン(MEK)を447.8部添加し、80℃で16時間反応させた後、MEK408.1部、メタノールを加えて反応を停止し、酸価55、ポリスチレン換算で重量平均分子量33,000の直鎖状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液を得た(不揮発分42.5%)。このポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を54%含有し、NPG(分岐構造を有する低分子ジオール)とIPDIとの重付加反応構造をも含有している。
[水性顔料分散体Aの調製]
製造例1で製造したモノアゾ黄色顔料組成物 450部
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂溶液 158部
25%水酸化カリウム水溶液 46部
イソプロピルアルコール 134部
イオン交換水 896部
上記成分を配合し、乳化装置(IKA登録商標 LABOR−PILOT DR2000/4 IKA−WERKE GMBH&CO. KG社製)で混合した。得られた混合液に183.0部のイオン交換水を加え、直径0.3 mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミル SC100/32型、三井鉱山株式会社製)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により2.5時間分散した。分散工程中は、冷却用ジャケットに冷水を通して分散液温度を30℃以下に保つよう制御した。
分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水1,500部で混合槽、及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。
ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、イソプロピルアルコールの全量と水の一部を留去した。室温まで放冷後、撹拌しながら2%塩酸を滴下してpH3.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ウェットケーキを容器に採り、25%水酸化カリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、ディスパー(TKホモディスパー20型、特殊機化工業株式会社製)にて再分散した。その後、遠心分離工程(6000G、30分間)を経て、さらにイオン交換水を加え不揮発分21.6%の水性顔料分散体Aを得た。
[最終の水性顔料分散体B]
上記水性顔料分散体A 顔料換算で13.0部になる量
上記ポリウレタン樹脂溶液 12.2部
プロキセルGLX(S) (アーチケミカルズ社製防腐剤) 0.1部
イオン交換水 残部
[インクジェット記録用水性インキ]
以下の組成に従い、インクジェット記録用水性インキを調製した。
最終の水性顔料分散体B 顔料換算で4.0部になる量
グリセリン 10.0部
1,2−ヘキサンジオール 5.0部
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.5部
イオン交換水 残部
[印字試験]
調製したインクジェット記録用水性インキを市販のインクジェットプリンタ(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに充填し、普通紙(普通紙 XEROX4024)にDuty 100%で印字した。得られた印字物について、グレタグ計によるY値の測定を行った。また、OHPシートに現像し、580nmの透過率を測定した。
[印字物の耐光性試験]
得られた印字物について、フェードメーター ロングライフタイプ(U48H、スガ試験機株式会社製)を用いて、カーボンアークランプ60時間照射による促進耐光性試験を実施し、光照射前後の色相の変化(以下、色差:ΔEという)を測定した。
〈実施例4〉
製造例1で製造した顔料組成物に代えて、製造例2で製造した顔料組成物を用いた以外は実施例3と同様の操作を行った。
〈比較例2〉
製造例1で製造した顔料組成物に代えて、製造例3で製造した顔料組成物を用いた以外は実施例3と同様の操作を行った。
以下に、実施例3、実施例4、及び比較例2の透過率、グレタグY値、耐光性試験の結果を表2にまとめて示した。尚、透過率が大きい程、透明性に優れ、グレタグY値が大きい程着色力に優れ、光照射前後の色差(ΔE)が小さいほど耐光性に優れているインクジェット記録用水性インキである。
Figure 2014177575
表2から明らかなように、本発明の顔料組成物を用いたインクジェット記録用水性インキは、従来の顔料組成物を用いたものに比べて、画像の耐光性試験において光照射前後の色相変化が小さく、高い透明性、高い着色力を維持しつつ耐光性に優れ、退色しにくく、画像の保存安定性に優れていることがわかった。
本発明のモノアゾ顔料組成物の製造方法により得られたモノアゾ顔料組成物は、カルボキシル基と水酸基を有する特定化学構造のモノアゾ化合物を含有し、さらに顔料化を施されるため、従来の顔料組成物と比べて、耐光性に優れるという格別顕著な効果を奏する。また、このモノアゾ顔料組成物を使用した場合、高い透明性、高い着色力を維持し、退色しにくく画像の保存安定性に優れているカラートナー、及びインクジェット用インキを提供できる。

Claims (5)

  1. モノアゾ顔料組成物の製造方法において、
    1)質量換算で、モノアゾ顔料(X)100部に対してジアゾニウム塩(A)と、カルボキシル基と水酸基を有するアセト酢酸アリールアミド化合物(B)とを反応させた構造のモノアゾ化合物(Y)を0.1〜20部含有する粗モノアゾ顔料組成物を得る第一工程と、
    2)第一工程で得た粗モノアゾ顔料組成物をソルベントソルトミリングまたは、溶媒による仕上げ処理を行う第二工程、
    から成ることを特徴とするモノアゾ顔料組成物の製造方法。
  2. 前記モノアゾ化合物(Y)が、以下の一般式(y)で表わされるモノアゾ化合物である請求項1記載のモノアゾ顔料組成物の製造方法。
    一般式(y)
    Figure 2014177575
    〔但し、一般式(y)中、R、R及びRは独立に、H、CH、C、OCH、OC、NO、Clを示す。XはOHを、YはCOOHを、ZはH、CH、C、OCH、OC、NO、Cl、SOH、OH、COOHのいずれかを示す。〕
  3. 前記仕上げ処理において、溶媒が水、有機溶媒、または水および有機溶媒であり、溶媒中、50〜200℃で加熱処理を行う請求項1記載のモノアゾ顔料組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの製造方法で得られたモノアゾ顔料組成物を含有する静電荷現像用トナー。
  5. 請求項1〜3のいずれかの製造方法で得られたモノアゾ顔料組成物を含有するインクジェット用インク。
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