JP3704916B2 - トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤 - Google Patents

トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電潜像を現像する時に使用される静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を使用して形成されるトナー並びに現像剤に関する。更に詳しくはマゼンタ、シアン、イエロー、及び黒色トナーを用いて複写等を行った時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を使用して形成されたトナー並びに現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機及びプリンター等に於いてフルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実用化も大きくなされている。しかし写真や印刷物等と比較すると、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は、必ずしも満足し得る画質まで到達しているとは言い難い。また近年、コンピュータやハイビジョン等の進歩発展により、更に高精細なフルカラー画像を形成する方法が強く要望されている。この為に、フルカラー電子写真画像を更に高品質化することが強く求められている。
【0003】
電子写真法は、一般に静電潜像をトナーを用いて現像する。その方法には大きく分類して、トナーをキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させた二成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いない一成分系現像剤を用いる方法がある。フルカラーの電子写真の場合、キャリアとトナーを混合攪拌して用いる二成分系現像剤がしばしば使用される。
【0004】
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に3原色であるマゼンタ、シアン、イエローの3色、好ましくは墨入れ用としてブラックの4色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。その方法は例えば、先ず原稿からの光をアナログ又はデジタル的に色分解し、感光体の光導電層に導き、1色目の静電潜像を形成する。続いて現像、転写工程を経てトナーは、紙等の被転写材上に保持される。更に2色目以降についても前述の工程を順次複数回行い、同一被転写材上に複数色のトナーが重ね合わせられ、一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0005】
C.I.ピグメントレッド177(4,4’−ジアミノ−1,1’−ジアントラキノニル)は鮮明な色調と高い着色力を有する、実用上有用な赤色顔料である。しかし、これをそのまま静電荷像現像用トナー用の着色剤として使用しても、目的とする鮮明で十分な色再現性、発色性が得られない。
【0006】
また、異種の顔料を混合して使用する場合には、凝集による色別れ等の現象により、画像を形成した時に色むらや著しい着色力の低下となって現れることがある。更に所定の樹脂等に添加して予備混合し、エクストルーダー等により溶融混練して分散させる時に、エネルギー的に不安定なC.I.ピグメントレッド177の結晶粒子がその大きさ、形態を変化させて安定状態に移行する為に、画像に於いて著しい色相の変化、着色力の減少、粗大粒子の発生等により商品価値を損なうことがある。
【0007】
これらの問題を解決する為に、銅フタロシアニン顔料やキナクリドン顔料を中心として、数多くの提案がされている。その内容を技術的手法から分類すると大きく次のような2つに分けられる。第1の方法は、USP3370971号公報及びUSP2965511号公報に見られるように、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び第3級ブチル安息香酸のように無色の化合物で、顔料粒子の表面を被覆するものである。第2の方法は、特公昭41−2466号公報及びUSP2761865公報に代表されるように、有機顔料を母体骨格とし、側鎖にスルホン基、スルホンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合物を混合する方法である。
【0008】
第2の方法は第1の方法と比較して非水性ビヒクル中での顔料の非集合性、結晶安定性等に関する効果が著しく大きく、また顔料組成物の製造の容易さから判断しても非常に有利な方法である。特開昭63−172772公報には、特にC.I.ピグメントレッド177のスルホン化誘導体を混合する第2の方法が提案されているが、この方法により得られた顔料組成物は品質的に十分に満足出来るものではない。
【0009】
フルカラー複写機やフルカラープリンター等を使用して、オーバー・ヘッド・プロジェクター(以下、OHPと省略する。)用シートのような透明基材上にフルカラー画像を形成することも増加して来た今日、フルカラーの画像形成に供されるトナーには、従来の最も一般的な黒色トナーの場合と同様に、種々の特性、例えば安定した帯電性や良好な流動性が求められる他に、透明性、鮮明性、色再現性等が更に要求される。
【0010】
即ち、フルカラー画像は、上記したように転写材上に複数色のトナーが重ね合わさられることによって得られる為に、個々のトナーの光透過性が不足すると、色再現性が悪化し、鮮明な画像を得ることが困難となる。特にOHP用シートのような透明基材上にフルカラー画像を形成した時にこの現象は著しく、良好な透明画像は得難い。
【0011】
その対策として顔料の分散の程度を上げる、即ちトナー中の顔料粒径をより小さくすることが考えられる。一般に顔料の粒子径を小さくして分散度を上げていくと顔料分散体の透明性が向上する。しかし、サンドミル、3本ロールミル、ボールミル、エクストルーダー等の通常の分散機は、主に顔料の二次粒子(一次粒子が弱く凝集している)を壊して一次粒子にするだけであり、此れ等の通常の分散機では、顔料をより微細化することは困難である。高速のサンドミル等を用いることによって、顔料の種類によっては更に顔料を微細化することも可能ではあるが、非常に多大なエネルギーを必要とする。
【0012】
一次粒子を細かくする手段として、顔料を濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解したものを冷水に投入して、顔料を微細粒子として析出させる方法が知られている。この方法では顔料の強酸に対する溶解性や安定性の点で、用い得る顔料が著しく限定される。又、この方法で微細化した顔料は乾燥すると強い二次凝集を起こす為に、乾燥したものを一次粒子まで再分散することは非常に困難である。
【0013】
他の方法として、顔料と固形樹脂を加熱しながら2本ロールやバンバリーミキサー等で強力に練り込む方法も知られている。しかし、顔料は一般に高温下では結晶成長する為に、本方法では機械的な破砕力と結晶成長が平衡状態になった時に終点となり、顔料の微細化には限界がある。
【0014】
更に顔料の一次粒子を細かくする方法として、顔料と食塩等の水溶性無機塩の混合物を少量の水溶性の溶剤で湿潤したものを、ニーダー等で強く練り込んだ後、無機塩と溶剤を水洗除去、乾燥して一次粒子の細かい顔料を得る方法がある。この方法は、一般には食塩を磨砕剤として用い、粗製銅フタロシアニンを水溶性の有機溶剤の共存下で機械的に磨砕するβ型銅フタロシアニンの顔料化方法として知られている。この場合、水溶性の有機溶剤は、粘結剤としての働きとβ型結晶がニーダーによる機械的剪断力によるα型結晶に結晶転移するのを防ぐ為に用いられる。一般的には、この方法はソルベントソルトミリングと呼ばれ、単に磨砕剤を用いないで機械的に微細化する方法(ドライミリングと呼ばれている)とは区別されている。又、広義ではソルベントを用いないソルトミリングもドライミングと呼ばれる。
しかし、この方法では乾燥の際に顔料の強い二次凝集を起こし易く、顔料粒径が大きくなってしまう問題がある。
【0015】
顔料を乾燥する前の顔料を高濃度に含有する水性スラリーや水性ケーキに、樹脂又は樹脂溶液を添加し、混合攪拌し、顔料の周囲の水分を樹脂又は樹脂溶液で置換した後、水分及び溶剤を除去する方法を一般にフラッシングと言う。この方法は顔料を乾燥させる工程が無いので顔料の凝集が起き難く、顔料粒子を細かい状態のまま樹脂で被覆することができるので、かかる方法による処理顔料を用いると品位の高い顔料分散体が得られる。
【0016】
カラートナーによるフルカラー画像の形成が一般的になるに連れて、ユーザーの要望品位が向上し、電子写真に於いても通常の銀塩写真並みの品位が求められる様になって来た。そこで、従来のフラッシング処理顔料を用いた場合以上に
▲1▼トナー中の顔料の分散を更に改良し、画像を形成した時の光透過性が改善して、同一転写材上に複数色のトナーが重ね合わせられてフルカラー画像を形成した時に、オリジナルにより近い色再現性を得られるようにする。
▲2▼トナー中の顔料の分散が更に良くして、顔料が十分に発色させ、濃度の濃い良好な画像を得られる様にする。
▲3▼OHP用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を形成した場合に、画像の鮮明性・透明性を向上する。
ことが要求される様になってきた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、C.I.ピグメントレッド177を含有する顔料組成物の上記の欠点を改良し、乾燥時の顔料粒子が比表面積値で50〜150m2 /gとなるように微細で且つ均一な形状に整粒された顔料組成物の製造を可能にすることにより、それを着色剤として使用して、フルカラーの複写機やプリンター等を使用してフルカラー画像を形成した時に、さらに鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子を用いて成るトナー並びに現像剤の提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式[1]
【0019】
【化5】
Figure 0003704916
で表される、C.I.ピグメントレッド177と下記一般式[2]
【0020】
一般式[2]
【化6】
Figure 0003704916
〔式中、Xは置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、下記一般式[3]
【0021】
一般式[3]
【化7】
Figure 0003704916
(式中、Yは−CH 2 NHCOCH 2 NH−である2価の結合基を表し、5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、R5 とR6 とで窒素原子又は酸素原子を含んでもよく、炭素数5以下のアルキル基を置換基として有してもよい5員または6員のヘテロ環を表す。mは0〜6の整数を表す。)、又は下記一般式[4]
【0022】
一般式[4]
【化8】
Figure 0003704916
(式中、Zは−NH−、−CH2 NH−、−SO2 NH−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選ばれる2価の結合基を表す。R1 、R2 はそれぞれ独立に水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチルアミノ基、−NH(CH2 n NR3 4 を表す。R3 、R4 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の整数を表す。)
で示される基を表す。pは1〜8の整数を表す。〕
【0023】
で示される少なくとも1種類の化合物との混合物である顔料組成物(A)、水溶性の無機塩(B)、水溶性の溶剤(C)の少なくとも3つの成分から成る混合物を機械的に混練し、その後(B)及び(C)を水洗除去して、乾燥時の顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /gとなるように微細に整粒した処理顔料の水性ペースト(D)を得、次いで係る処理顔料の水性ペースト(D)と、常温固体の樹脂(E)とを加熱混練した後、水分を除去して得られる樹脂被覆顔料(F)と、結着樹脂(G)とを加熱混練して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0024】
第2の発明は、一般式[2]中のXが一般式[4]で表される化合物であることを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0025】
第3の発明は、顔料組成物(A)に対し、水溶性の無機塩(B)を重量比で1〜20倍使用することを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0026】
第4の発明は、顔料組成物(A)に対し、水溶性の溶剤(C)を重量比で0.1〜10倍使用することを特徴とする第1乃至第3の発明何れか記載の静電荷像現像用トナー母粒子である。
【0027】
第5の発明は、第1乃至第4の発明何れか記載の静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0028】
第6の発明は、第5の発明記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像剤である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に於いてC.I.ピグメントレッド177と混合して用いられる、一般式[2]で示される化合物の製造は、母体ジアントラキノン骨格へ置換基Xを導入することにより行う。母体のジアントラキノン骨格への置換基Xの導入方法としては、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基は、硫酸中、ヒドロキシメチルフタルイミドと反応させる公知の方法により導入することが出来る。一般式[3]の構造を有する置換基の導入方法としては、母体のジアントラキノン骨格に公知の方法により−CH 2 NHCOCH 2 Clの置換基を導入し、H2 N(CH2 m NR5 6 またはHNR5 6 の構造を有するアミン成分と反応させることにより導入することが出来る。
【0030】
一般式[4]の構造を有する置換基の導入方法としては、母体のジアントキノン骨格が有するアミノ基と塩化シアヌルとの反応または母体のジアントラキノン骨格に公知の方法により導入したハロゲン基、クロロメチル基等とメラミンとの反応によりまずトリアジン骨格を導入し、次いでこのトリアジン骨格に残ったハロゲン基、水酸基、アミノ基等をHN(CH2 n NR3 4 (nは1〜6の整数を表す)の構造を有するアミン成分、アルコール類、ヒドロキシメチルフタルイミドと反応させることにより導入することが出来る。
【0031】
本発明に於いてC.I.ピグメントレッド177と混合して用いられる、一般式[2]で示される化合物中の、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基の例としては、フタルイミドメチル基、クロロフタルイミドメチル基、ジクロロフタルイミドメチル基、メチルフタルイミドメチル基、ジメチルフタルイミドメチル基、ニトロフタルイミドメチル基、t−ブチルフタルイミドメチル基等が挙げられるが、此れ等に限定されるものではない。
【0032】
また同じく一般式[2]中の、−NR3 4 又は−NR5 6 で表されるアミン残基の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−アミルアミノ基、イソアミルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、ステアリルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、N−メチルヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ基、2−ヒドロキシメチルアミノエタノール基、ジエタノールアミノ基、3−アミノプロパノール基、2−アミノプロパノール基、3−メトキシプロピルアミノ基、3−エトキシプロピルアミノ基、3−プロポキシプロピルアミノ基、3−ブトキシプロピルアミノ基、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミノ基、3−ラウリロキシプロピルアミノ基、ピペリジニル基、2−ピペコリニル基、4−ピペコリニル基、2,4−ルペチジニル基、2,6−ルペチジニル基、3−ピペリジンメタノール基、N−アミノピペリジニル基、N−アミノ−4−ピペコリニル基、2−ピペリジンエタノール基、ピロリジニル基、3−ヒドロキシピロリジニル基、N−メチルホモピペリジニル基、N−メチルピペラジニル基、1−アミノ−4−シクロペンチルピペラジニル基、1−シクロペンチルピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホニリル基、ジメチルアミノエチルアミノ基、エチルアミノエチルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、メチルアミノプロピルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジブチルアミノプロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミノ基、ラウリルアミノプロピルアミノ基、ジエタノールアミノプロピルアミノ基、N−アミノエチルピペリジニル基、N−アミノエチル−4−ピペコリニル基、N−アミノエチルモルホニリル基、N−アミノプロピルピペリジニル基、N−アミノプロピル−2−ピペコニル基、N−アミノプロピルモルホニリル基等が挙げることが可能だが、此れ等に限定されるものではない。
【0033】
此れ等側鎖に導入されたアミン残基は、ビヒクルに含まれる樹脂成分のカルボキシル基等の部分と強い親和性を示し、多種用途に於いてC.I.ピグメントレッド177の分散性の向上に寄与するものと考えられる。
【0034】
本発明において一般式[2]で示される化合物の、C.I.ピグメントレッド177に対する配合比は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して0.3〜30重量部が好ましい。0.3重量部より少ないと効果が少なくなり、また30重量部より多く用いても用いた分の効果は得られず、顔料組成物として使用後の着色物の諸耐性を劣化させる恐れがある。最も好ましいのは0.5〜20重量部である。
【0035】
本発明では、無機塩を破砕助剤とし、有機顔料の一次粒子を機械的に細かくする、いわゆるソルトミリングを行い、引き続き顔料を乾燥することなくフラッシングすることが重要である。本発明は、有機顔料(A)、水溶性の無機塩(B)の混合物に湿潤剤として少量の水溶性の溶剤(C)を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、水中に投入し水溶性の無機塩(B)、水溶性の溶剤(C)を溶解させてスラリー状とし、次にこのスラリーの濾過、水洗を繰り返して無機塩(B)と溶剤CD)を除去することによって、微細化された有機顔料の水性ペースト(D)を得、かかる処理顔料の水性ペースト(D)を常温固体の樹脂(E)と加熱混練することによって、処理顔料を上記常温固体の樹脂(E)で被覆して成る樹脂被覆顔料(F)、いわゆるフラッシング顔料をトナー母粒子の着色剤として用いることによって、従来よりもはるかに鮮明性・透明性に優れる画像を得ることが出来る様になったものである。
【0036】
静電荷像現像用トナーの着色剤としては、用いる顔料の一次粒子径が微細であるほど好ましい。本発明に於いて、水溶性の無機塩(B)及び水溶性の溶剤(C)の存在下で機械的に混練し、乾燥時の顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /gとなるように整粒した処理顔料の水性ペースト(D)を使用する。
【0037】
本発明に於いて、機械的に混練する際に用いる水溶性の無機塩(B)としては、食塩、塩化カリウム、ボウ硝等が挙げられるが、此れ等に限定されるものではない。水溶性の無機塩は、顔料組成物(A)に対し、重量比で1〜20倍使用するのが好ましく、3〜10倍用いるのが最も好ましい。
【0038】
本発明に於いて用いられる水溶性の溶剤(C)としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等を挙げることが出来る。これらの水溶性の溶剤(C)は特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になる為に、安全性の点から高沸点の溶剤が好ましい。また、水溶性の溶剤(C)は、顔料組成物(A)に対し、重量比で0.1〜10倍使用するのがが好ましく、0.5〜5倍用いるのが最も好ましい。
【0039】
本発明に於いて、ソルトミリング即ち、機械的に混練する際に必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることが出来る。用いられる樹脂は好ましくは室温で固体で、水不溶性であり、且つ混練の際に溶剤を用いる場合には、その溶剤に一部可溶であることが更に好ましい。
【0040】
更に本発明では、顔料粒子の凝集の原因となる乾燥工程を省略したフラッシング工程を採用しているでの、それで静電荷像現像用トナーの着色剤を形成した場合には、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られ、特にOHP用シートのような透明基材上に画像を形成した時に、鮮明で著しい染料並みの透明性が得られるようになったものである。
【0041】
この処理顔料を使用してフラッシング法により得られた静電荷像現像用トナーは、未処理顔料(ソルトミリング処理をしていない)を用いた場合に比べて顔料が微細に分散され、画像を形成した時に鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる。特にOHP用シートのような透明基材上にフルカラー画像を形成した時に、著しく透明性が改良された静電荷像現像用トナーが、分散時間を多大にかけること無く、短時間で且つ容易に得られる。
【0042】
このように顔料をソルトミリング工程で処理して小粒径のものが得られても、その後で乾燥工程を導入すると、顔料が強い凝集を起こして大きな粒径のものと成り易い。此れを再び小粒径のものに分散するには、非常に大きなエネルギーを必要とする。顔料の凝集を防止する為に、ソルトミリング工程の後にフラッシング工程を導入することにした。顔料を含んだスラリーや水性ペーストに樹脂を添加して、顔料分を樹脂に移行させるフラッシングは、トナーの製造工程では広く採用されている。
【0043】
本発明における樹脂被覆顔料(F)は、例えば以下のようにして得ることができる。
処理顔料の水性ペースト(D)を、ニーダー若しくはスーパーミキサー等の混合分散機に移し、常温固体の樹脂(E)、必要に応じてその他の各種添加剤等を加えて混合攪拌を行う。この時に必要に応じて加熱してもよい。約10分〜20分で顔料分が樹脂に移行する。分離した水をデカンテーションにより除去し、残った混練物を必要に応じて2本又は3本ロールを使用して水分を除去し、樹脂被覆顔料(F)(顔料高濃度チップ)を得ればよい。
【0044】
常温固体の樹脂(E)即ちフラッシングに用いることの出来る樹脂として、公知のものを含めて広く使用可能である。画像の透明性を考慮して、無色透明の樹脂の方がより好適である。例えばアクリルニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、及びそれらの混合物等のスチレン−アクリル系、ポリエステル系等の公知の樹脂が全て使用可能である。この他にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン等を挙げることが出来る。何れの樹脂もその製造方法は特に制約されるものではない。
【0045】
本発明のトナー母粒子は、常法に従い、得ることが出来る。即ち、上記樹脂被覆顔料(F)に結着樹脂(G)、必要に応じてその他荷電制御剤や添加剤等を加えて、ヘンシェルミキサー等により予備混合を行う。その後エクストルーダー等により希釈、溶融混練を行う。
【0046】
次いで冷却後にハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル等で微粉砕する。その後に風力分級機等で分級し、平均粒径5〜20μm程度の所定の粒度分布を有する分級品、即ちトナー母粒子を得る。
【0047】
結着樹脂(G)即ちフラッシング後の溶融混練に用いることの出来る樹脂として、公知のものを含めて広く使用出来る。画像の透明性を考慮して、無色透明の樹脂の方がより好適である。樹脂(E)と同じ種類の樹脂が使用可能だが、必ずしも結着樹脂(G)は樹脂(E)と一致している必要は無い。
【0048】
本発明のトナー母粒子に、荷電制御剤を配合することも好ましい。荷電制御剤としては公知のものが全て使用出来るが、その際に色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体、アルミニウム錯体、又は亜鉛錯体等)のような有機金属錯体等を挙げることが出来る。
【0049】
本発明のトナー母粒子に、流動性向上剤、クリーニング助剤として外添剤を配合することも好ましい。
外添剤としては公知のものが全て使用出来る。例えば0.01〜0.5μmのシリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭化珪素、炭化タングステン等の研磨剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、その他1〜50μmのポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、シリコーン等の微粉末を添加することが好適である。此れ等の混合物、更に此れ等の微粉末を各種表面処理した外添剤を添加することも好適である。
【0050】
本発明の現像剤は、上記トナーとキャリアとを混合して成るものであり、従来の公知の方法で得ることが可能で、特に制約されるものではない。
本発明に係わる現像剤に用いられるキャリアとしては、既知のキャリアは全て使用可能である。一般に二成分現像剤を構成するキャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別される。
導電性キャリアとしては、通常、酸化又は未酸化の鉄粉が用いられる。
絶縁性キャリアとしては、一般に強磁性体よりなるキャリアコア材粒子表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代表的である。キャリアをコア材としては、例えば酸化鉄(マグネタイト)、還元鉄、銅、フェライト、ニッケル、コバルト等や此れ等と亜鉛、アルミニウム等の合金等の粒子を挙げることが可能である。被覆樹脂としてはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等の公知の材料の何れのものでもよい。キャリアの粒径としては20〜200μm程度のものが好ましい。又、一般的に現像剤中にはトナーを1〜30%含有することが好ましい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。但し、これによって本発明の実施の形態が何等限定されるものではない。実施例及び比較例中、部及び%は、重量部及び重量%をそれぞれ表す。
【0052】
参考例1
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[5]で示される化合物5.3部、粉砕した食塩600部及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で3時間混練した。次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時に混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混合物を濾過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩及びジエチレングリコールを除去し、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)を90部を得た。85℃の乾燥機中で乾燥して得られた顔料組成物について、比表面積を窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、90m2 /gであった。
【0053】
式[5]
【化9】
Figure 0003704916
【0054】
次いで、フラッシング工程に移る。
上記水性ペースト(固形分50%) 100.0部
不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(E) 25.0部
メタノール 0.5部
上記原料をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃に加熱しながら混合したところ、約10分で顔料分が樹脂に移行(フラッシング)した。分離した水及び溶剤分をニーダーから除去した後に、残った混練物を加熱型2本ロールで5回パスさせ、樹脂被覆顔料(F)即ち高濃度チップを得た。
【0055】
不飽和ポリエステル樹脂、結着樹脂(G) 100.0部
上記樹脂被覆顔料(F) 5.0部
負帯電荷電制御剤 4.0部
次いで、上記原料をエクストルーダーにて溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミルにて微粉砕した後、風力分級機で平均粒径10.0μmのトナー母粒子を得る。
上記トナー母粒子100.0部に酸化チタン微粉末を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得る。
【0056】
得られたトナーをフェライト100部に対し6部加え、ボールミル混合機で混合して現像剤を得た。この現像剤を用い市販のフルカラー複写機(CLC350、キャノン製)により画像を得たところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。特にOHP用シートに画像を形成した時に、従来と比較して著しい透明性の改良が見られた。又、得られたトナーを熱プレスにより溶融させ、ガラス板上に均一な薄層を作り、光学顕微鏡により顔料の分散状態を観察したところ、凝集の無い非常に良好な分散状態になっていることが確認出来た。
【0057】
参考例2
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[6]で示される 化合物11.1部、粉砕した食塩400部及びポリエチレングリコール150部をス テンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃で3時間混練 した。次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌し た。この時に混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混 合物を濾過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩及びポリエ チレングリコールを除去し、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)21 0部を得た。85℃の乾燥機中で乾燥して得られた顔料組成物について、比表面 積を窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、95m2 /g であった。
【0058】
式[6]
【化10】
Figure 0003704916
【0059】
次いで、フラッシング工程に移る。
上記水性ペースト(固形分50%) 100.0部
不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(E) 25.0部
メタノール 0.5部
以下、参考例1と同様にしてトナー及び現像剤を形成し評価した結果、参考例1と同様であった。
【0060】
実施例1
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[7]で示される化合 物13.5部、粉砕した食塩1000部及びジエチレングリコール200部をス テンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で3時間混練 した。次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌し た。この時に混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混 合物を濾過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩及びジエチ レングリコールを除去し、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)を18 0部を得た。85℃の乾燥機中で乾燥して得られた顔料組成物について、比表面 積を窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、105m2 / gであった。
【0061】
式[7]
【化11】
Figure 0003704916
【0062】
次いで、フラッシングに移る。
上記水性ペースト(固形分50%) 100.0部
不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(E) 25.0部
メタノール 0.5部
以下、参考例1と同様にしてトナー及び現像剤を形成し評価した結果、参考例1と同様であった。
【0063】
参考例3
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[8]で示される 化合物1.0部、粉砕した食塩700部及びジエチレングリコール200部をステン レス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。 次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。こ の時に混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混合物を 濾過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩及びジエチレング リコールを除去し、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)を195部を 得た。85℃の乾燥機中で乾燥して得られた顔料組成物について、比表面積を窒 素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、100m2 /gであ った。
【0064】
式[8]
【化12】
Figure 0003704916
【0065】
次いで、フラッシング工程に移る。
上記水性ペースト(固形分50%) 100.0部
不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(E) 25.0部
メタノール 0.5部
以下、参考例1と同様にしてトナー及び現像剤を形成し評価した結果、参考例1と同様であった。
【0066】
実施例2
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[9]で示される 化合物1.5部、粉砕した食塩400部及びジエチレングリコール250部をステン レス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で4時間混練した。 次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。こ の時に混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混合物を ろ過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩およびジエチレン グリコールを除去し、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)を190部 を得た。85℃の乾燥機中で乾燥して得られた顔料組成物について、比表面積を 窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、80m2 /gであ った。
【0067】
式[9]
【化13】
Figure 0003704916
【0068】
次いで、フラッシング工程に移る。
上記水性ペースト(固形分50%) 100.0部
不飽和ポリエステル樹脂、常温固体の樹脂(E) 25.0部
メタノール 0.5部
以下、参考例1と同様にしてトナー及び現像剤を形成し評価した結果、参考例1と同様であった。
【0069】
以下の比較例1では、C.I.ピグメントレッド177単独で、ソルトミリングは行わず、フラッシングのみ行った例を示す。
【0070】
比較例1
C.I.ピグメントレッド177:50部に精製水を50部加え、10分間攪拌して、固形分50%の処理顔料の水性ペースト(D)を100部を得た。
【0071】
以下、参考例1と同様にトナー母粒子、トナー、現像剤を形成した。この 現像剤を用い市販のフルカラー複写機(CLC350、キャノン製)により画像を得たところ、それはは彩度が高く鮮明な画像が得られた。また、個々の色のトナーを使った中間色も鮮明な画像が得られた。OHP用シートへ画像を形成した時に、かなりの透明性が得られているが、実施例よりは劣り、ソルトミリングを行った効果が確認出来た。
【0072】
以下の比較例2では、C.I.ピグメントレッド177単独で、通常の方法で形成したトナーの例を示す。即ち、ソルトミリングもフラッシングも行っていない。
【0073】
比較例2
不飽和ポリエステル樹脂 100.0部
C.I.ピグメントレッド177 3.0部
(注:通常の乾燥工程を経て形成された顔料)
負帯電電荷制御剤 4.0部
次いで、上記組成物をスーパーミキサーで混合した後、エクストルーダーにて溶融混練し、その後、参考例1と同様にしてトナーを作成した。更に現像剤を作成し、実施例1と同様に市販のフルカラー複写機にて画像を形成し、評価した。
【0074】
比較例2は、通常の製法でトナーを形成した。即ちその時には、ソルトミリングも行わなければ、フラッシングも行わなかった。評価結果は、何れも鮮明で十分な色再現性、発色性が得られず、実施例及び比較例1との差は明白であった
【0075】
【発明の効果】
本発明により鮮明で十分な色再現性、発色性の画像が得られた。又、光学顕微鏡によるトナー中の顔料の分散状態を観察したところ、凝集の無い非常に良好な分散状態になっていることが確認出来た。

Claims (6)

  1. 下式[1]
    Figure 0003704916
    で表される、C.I.ピグメントレッド177と下記一般式[2]
    一般式[2]
    Figure 0003704916
    〔式中、Xは置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、下記一般式[3]
    一般式[3]
    Figure 0003704916
    (式中、Yは−CH 2 NHCOCH 2 NH−である2価の結合基を表し、R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、R5 とR6 とで窒素原子又は酸素原子を含んでもよく、炭素数5以下のアルキル基を置換基として有してもよい5員又は6員のヘテロ環を表す。mは0〜6の整数を表す。)、又は下記一般式[4]
    一般式[4]
    Figure 0003704916
    (式中、Zは−NH−、−CH2 NH−、−SO2 NH−、−CH2 NHCOCH2 NH−、−CONH−、−SO2 −、−CH2 NHCOCH2 −、−CO−から選ばれる2価の結合基を表す。R1 、R2 はそれぞれ独立に水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいフタルイミドメチルアミノ基、−NH(CH2 n NR3 4 を表す。R3 、R4 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の整数を表す。)で示される基を表す。pは1〜8の整数を表す。〕で示される少なくとも1種類の化合物との混合物である顔料組成物(A)、水溶性の無機塩(B)、水溶性の溶剤(C)の少なくとも3つの成分から成る混合物を機械的に混練し、その後(B)及び(C)を水洗除去して、乾燥時の顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /gとなるように微細に整粒した処理顔料の水性ペースト(D)を得、次いで係る処理顔料の水性ペースト(D)と、常温固体の樹脂(E)とを加熱混練した後、水分を除去して得られる樹脂被覆顔料(F)と、結着樹脂(G)とを加熱混練して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒子。
  2. 一般式[2]中のXが一般式[4]で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  3. 顔料組成物(A)に対し、水溶性の無機塩(B)を重量比で1〜20倍使用することを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  4. 顔料組成物(A)に対し、水溶性の溶剤(C)を重量比で0.1〜10倍使用することを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  5. 請求項1乃至4何れか記載の静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項5記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像剤。
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