JP3508498B2 - トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤 - Google Patents

トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等に於ける静電潜像を現像する時に使用さ
れる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒子
を使用して形成される現像剤に関する。更に詳しくはマ
ゼンタ、シアン、イエロー、及び黒色トナーを用いて複
写等を行った時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得
られる静電荷像現像用トナー母粒子、及び該トナー母粒
子を使用して形成されたトナー並びに現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びプリンター等に於いて
フルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実
用化も大きくなされている。しかし写真や印刷物等と比
較すると、現在実用化されているフルカラー電子写真画
像は、必ずしも満足し得る画質まで到達しているとは言
い難い。また近年、コンピュータやハイビジョン等の進
歩発展により、更に高精細なフルカラー画像を形成する
方法が強く要望されている。この為に、フルカラー電子
写真画像を更に高品質化することが強く求められてい
る。
【0003】電子写真法は、一般に静電潜像をトナーを
用いて現像する。その方法には大きく分類して、トナー
をキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させた二成分系現
像剤を用いる方法と、キャリアを用いない一成分系現像
剤を用いる方法がある。フルカラーの電子写真の場合、
キャリアとトナーを混合攪拌して用いる二成分系現像剤
がしばしば使用される。
【0004】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は、一般に3原色であるマゼンタ、シアン、イエロー
の3色、好ましくは墨入れ用としてブラックの4色のカ
ラートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。
その方法は例えば、先ず原稿からの光をアナログ又はデ
ジタル的に色分解し、感光体の光導電層に導き、1色目
の静電潜像を形成する。続いて現像、転写工程を経てト
ナーは紙の様な被記録体上に保持される。更に2色目以
降についても前述の工程を順次複数回行い、同一被記録
体上に複数色のトナーが重ね合わせられ、一回の定着に
よって最終のフルカラー画像が得られる。
【0005】フルカラー複写機やフルカラープリンター
等を使用して、オーバー・ヘッド・プロジェクター(以
下、OHPと省略する。)用シートの様な透明基材上に
フルカラー画像を形成することも増加してきた今日、フ
ルカラーの画像形成に供されるトナーには、従来の最も
一般的な黒色のトナーの場合と同様に、種々の特性、例
えば安定した帯電性や良好な流動性が求められる他に、
透明性、鮮明性、色再現性等がさらに要求される。即
ち、フルカラー画像は、上記したように被記録体上に複
数色のトナーが重ね合わせられることによって得られる
為に、個々のトナーの光透過性が不足すると、色再現性
が悪化し、鮮明な画像を得ることが困難となる。特にO
HP用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を形成
した時にこの現象は著しく、良好な透明画像が得難い。
【0006】その対策として顔料の分散の程度を上げ
る、即ちトナー中の顔料粒径をより小さくすることが考
えられる。一般に顔料の粒子径を小さくして分散度を上
げていくと顔料分散体の透明性が向上する。しかし、サ
ンドミル、3本ロールミル、ボールミル、エクストルー
ダー等の通常の分散機は、主に顔料の二次粒子(一次粒
子が弱く凝集している)を壊して一次粒子にするだけで
あり、これら通常の分散機では顔料をより微細化するこ
とは困難である。高速のサンドミル等を用いることによ
って、顔料の種類によってはさらに顔料を微細化するこ
とも可能ではあるが、非常に多大なエネルギーを必要と
する。
【0007】一次粒子を細かくする手段として、顔料を
濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解したものを冷水に投
入して、顔料を微細粒子として析出させる方法が知られ
ている。この方法では顔料の強酸に対する溶解性や安定
性の点で、用い得る顔料が著しく限定される。又、この
方法で微細化した顔料は乾燥すると強い二次凝集を起こ
す為に、乾燥したものを一次粒子まで再分散することは
非常に困難である。
【0008】顔料を微細化する他の方法として、顔料と
固形樹脂を加熱しながら2本ロールやバンバリーミキサ
ー等で強力に練り込む方法も知られている。しかし、顔
料は一般に高温下では結晶成長するので、かかる方法で
は機械的な破砕と結晶成長とが平衡状態になった時に終
点となり、顔料の微細化には限界がある。
【0009】更に顔料の一次粒子を細かくする方法とし
て、顔料と食塩等の水溶性無機塩の混合物を少量の水溶
性の溶剤で湿潤したものを、ニーダー等で強く練り込ん
だ後、無機塩と溶剤を水洗除去、乾燥して一次粒子の細
かい顔料を得る方法があるが、この方法でも乾燥の際に
顔料が強い二次凝集を起こし易く、顔料粒径が大きくな
ってしまう問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の方法の問題点を解決し、フルカラーの複写機やプリ
ンター等を使用してフルカラー画像を形成した時に、鮮
明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用
トナー母粒子、及び該トナー母粒子を用いて成る現像剤
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機顔料
(A)、下記一般式(1)にて示される顔料誘導体
(B)、水溶性の無機塩(C)及び水溶性の溶剤(D)
の少なくとも4つの成分から成る混合物を機械的に混練
し、その後(C)及び(D)を水洗して除去して成る有
機顔料(E)を含有することを特徴とする静電荷像現像
用トナー母粒子である。一般式(1) P−〔X−Y−
Z−N(R1 )R 2 〕n (但し、式中のPは有機色素
残基又は複素環残基、又は芳香族多環化合物残基、Xは
C、Hである2〜15個の原子で構成される化学的に合
理的な組合せから成る2価の結合基、Yは−NR−(但
し,RはH又は炭素数1〜18のアルキル基)である
価の結合基、Zは炭素数1〜6のアルキレン基、R1
2はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1
〜18のアルキル基、又はR1 、R 2とで複素環を形成
してもよく、該複素環は置換を有していてもよいもので
あり、nは,1〜3の整数を示す)
【0012】第2の発明は、有機顔料(A)が、キナク
リドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、アゾ系
有機顔料から成る群より選ばれる1種であることを特徴
とする第1の発明記載の静電荷像現像用トナー母粒子で
ある。
【0013】第3の発明は、水溶性の溶剤(D)に対し
て、水溶性の無機塩(C)を重量比で2〜20倍使用す
ることを特徴とする第1又は第2の発明記載の静電荷像
現像用トナー母粒子である。
【0014】第4の発明は、第1ないし第3の発明いず
れか記載の静電荷像現像用トナー母粒子と、外添剤とを
混合して成ることを特徴とする静電荷像現像用トナーで
ある。
【0015】第5の発明は、第4の発明記載の静電荷像
現像用トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴
とする現像剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、無機塩を破砕助剤と
し、有機顔料の一次粒子を機械的に細かくする、いわゆ
るソルトミリング時に一般式(1)で示される顔料誘導
体(B)を用いることが重要である。本発明は、有機顔
料(A)と顔料誘導体(B)及び水溶性の無機塩(C)
の混合物に湿潤剤として少量の水溶性の溶剤(D)を加
え、ニーダー等で強く練り込んだ後、水中に投入し水溶
性の無機塩(C)、水溶性の溶剤(D)を溶解させスラ
リー状とし、次にこのスラリーの濾過、水洗を繰り返し
て無機塩(C)と溶剤(D)を除去することによって、
微細化された有機顔料を得ることができるようになり、
かかる処理顔料(E)をトナー母粒子の着色剤として用
いることによって、従来法より透明で且つ鮮明性に優れ
た画像を得ることができるようになったものである。
【0017】本発明では有機顔料(A)として、トルイ
ジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベン
ジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレ
ット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロ
シアニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼン
タ等のキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカ
ーレット等のペリレン系、イソインドリノンエロー、イ
ソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系、ジア
ンスラキノニルレッド等が用いられる。
【0018】この様な顔料としては,下記の顔料が例示
出来る。カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。
C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、
24、74、83、86、93、109、110、11
7、125、137、138、147、148、15
3、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ
16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグ
メントレッド9、48、49、52、53、57、9
7、122、123、149、168、177、18
0、192、215、216、217、220、22
3、224、226、227、228、238、24
0、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、3
0、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15,1
5:1,15:4,15:6,22、60、64、C.I.
ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン
23、25、26等が例示出来る。
【0019】本発明のトナー母粒子のうち、黒色のトナ
ー母粒子の場合は、イエロー、シアン、レッドの3色の
処理顔料を得、これら3色の処理顔料を着色剤として用
いればよい。尚、本発明のトナー母粒子のうち、黒色の
トナー母粒子の場合は、着色剤としてカーボンブラック
の使用を妨げるものではない。
【0020】本発明にて用いる顔料誘導体(B)は、有
機色素の誘導体であり、一般式(1)に於けるP、即ち
有機色素残基又は複素環残基に,置換基を付加し、有機
顔料(A)の分散に有効な誘導体としたものである。
【0021】一般式(1)に於けるP、即ち有機色素残
基又は複素環残基としては、アゾ系、フタロシアニン
系、キナクリドン系、ベンズイミダゾール系、アントラ
キノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、
ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン
系、トリフェニルメタン系、金属錯塩系等が挙げること
が出来る。
【0022】なお、有機顔料(A)と顔料誘導体(B)
に於けるP、即ち有機色素残基又は複素環残基とは、通
常色相の関係から同一の系のものが組み合わされ、特に
青色顔料に対してはフタロシアニン系残基、赤色顔料に
対してはキナクリドン系残基、黄色顔料に対してはベン
ズイミダゾール系残基のものを組み合わせることが好ま
しいが、必ずしも一致している必要はない。
【0023】此れ等の有機色素残基又は複素環残基Pに
付加される置換基としては、−〔X−Y−Z−N
(R1 )R 2n であり、Xは、C、Hである2〜1
5個の原子で構成される化学的に合理的な組合せからな
る2価の結合基であり、例えば、−CH2 −である。
は−N(R)−(但し,RはH又は炭素数1〜18のア
ルキル基)であり、Zは炭素数1〜6のアルキレン基,
又はR1 、R2とで複素環を形成していても良く、該複
素環の炭素以外の構成元素としてはN、O、Sが挙げら
れ、該複素環は置換基を有していてもよいものである。
nは,1〜3の整数を表す。
【0024】此れ等の有機色素残基又は複素環残基Pに
付加される置換基の数(n)は1〜3であり、具体的に
は下記の様な置換基が例示出来る。
【0025】
【化1】
【0026】此れ等の顔料誘導体(B)は、ソルトミリ
ング時の湿潤剤として用いる水溶性溶剤に一部可溶であ
ることが望ましい。又、可溶性でない時には、顔料誘導
体に希薄な酸を加え、中和処理等を行い可溶性にしても
良い。この様な酸としては、酢酸、塩酸、硫酸等が使用
出来る。又、室温で液状の顔料誘導体を用いてソルトミ
リングを行うことも出来る。又、二種類以上の誘導体を
併用してソルトミリングをすることも出来る。又、その
際に一部液状の誘導体を用いてもよい。
【0027】好ましい処理顔料(E)の粒子径として
は、レーザー散乱法による測定に於いて平均粒径が1.
0μ以下、更に好ましくは、0.2μ以下である。この
様な粒径であると,鮮明で十分な色再現性、発色性が得
られる静電荷現像用トナーが形成出来た。
【0028】本発明で用いられる水溶性の無機塩(C)
としては、食塩、塩化カリウム等がが挙げられる。
【0029】本発明に用いられる水溶性の溶剤(D)
は、水溶性であれば特に限定されないが、ソルトミリン
グ時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になる為
に、安全性の点から高沸点の溶剤が好ましい。例とし
て、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキ
シエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノー
ル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体
ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ
−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレン
グリコール等が用いられる。
【0030】上記化合物の他に,ソルトミリング時に分
散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く,また2種以
上の顔料を混合して処理しても良い。
【0031】本発明のトナー母粒子は、常法に従い、得
ることができる。即ち、上記処理顔料(E)を濾過し
て、乾燥粉砕し、かかる乾燥処理顔料(E)にバインダ
ー樹脂、必要に応じてその他荷電制御剤や添加剤等を加
えて、ヘンシェルミキサー等で予備混合を行い、その後
エクストルーダー等を用いて溶融混練を行う。次いで冷
却後ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル等で微粉
砕すし、風力分級機等で分級し、平均粒径5〜20μm
程度の所定の粒度分布を有する分級品を得ればよい。
【0032】本発明のトナー母粒子のバインダー樹脂と
しては、従来公知のものが広く使用可能であるが、画像
の透明性を考慮すると無色透明の樹脂がより好適であ
る。例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ロジン・エステル、ロジン等を挙げる事が出来
る。何れの樹脂もその製造方法は特に制約されるもので
はない。
【0033】本発明のトナー母粒子は、荷電制御剤を配
合することも好ましい。荷電制御剤としては、正・負帯
電いずれも公知のものが全て使用出来るが、画像の色調
に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好まし
い。例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば
ジターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体、アルミ
ニウム錯体、又は亜鉛錯体等)の様な有機金属錯体等が
好適に使用できる。
【0034】本発明のトナー母粒子には、流動性向上
剤、クリーニング助剤等として、種々の粒子を外添剤と
して配合することも好ましい。外添剤としては公知のも
のが全て使用出来る。例えば0.01〜0.5μmのシ
リカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭化珪
素、炭化タングステン等の研磨剤、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、
その他1〜50μmのポリテトラフロロエチレン、ポリ
ビニリデンフロライド、ポリメタアクリレート、ポリス
チレン、シリコーン等の微粉末を添加することが好適で
ある。此れ等の混合物、更に此れ等微粉末を各種表面処
理した外添剤を添加することも好適である。
【0035】本発明の現像剤は、上記トナーとキャリア
とを混合してなるものであり、従来公知の方法で得るこ
とができ、特に制約されるものではない。本発明の現像
剤に用いられるキャリアとしては、既知のキャリアは全
て使用可能である。一般に二成分現像剤を構成するキャ
リアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別される。
導線性キャリアとしては、通常、酸化又は未酸価の鉄粉
等が用いられる。絶縁性キャリアとしては、一般に強磁
性体より成るキャリアコア材粒子の表面を絶縁性樹脂に
より均一に被覆したキャリアが代表的である。キャリア
のコア材としては、例えば、酸化鉄(マグネタイト)、
還元鉄、銅、フェライト、ニッケル、コバルト等やこれ
らと亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子を挙げること
が可能である。被覆樹脂としては、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等の公知の材
料のいずれのものでもよい。キャリアとしては20〜2
00μm程度の大きさのものが好ましい。また、一般的
に現像剤中にはトナーを1〜30重量%含有することが
好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を
更に詳細に説明する。但し、これによって本発明の実施
の形態が何等限定されるものではない。実施例及び比較
例中、部及び%は、重量部及び重量%をそれぞれ表す。 [実施例1] 粗製銅フタロシアニン : 250部 (リオノールブルーSL、東洋インキ製造製) 塩化ナトリウム :2500部 青色顔料分散剤 : 25部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 2 3 、Pは銅フタロシアニ ン残基) ジエチレングリコール : 160部 をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕
込み、3時間混練した。次にこの混合物を2.5リット
ルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピー
ドミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした。その
後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶
剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(顔料誘導体
処理顔料分散体)を得た。これを乾燥粉砕して、処理顔
料(E1)を得た。
【0037】 上記処理顔料(E1) 3.0部 不飽和ポリエステル樹脂 100.0部 負帯電荷電制御剤 3.0部 上記各処方量をヘンシェルミキサーで予備混合を行い、
二軸エクストルーダーにて溶融混練を行う。冷却後、ハ
ンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミルにて微
粉砕した後、風力分級機で平均粒径10.0μmのトナ
ー母粒子を得る。上記トナー母粒子100.0部に酸化
チタン微粉末を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーで
混合してシアントナーを得る。
【0038】得られたシアントナーをフェライト100
部に対し6部加え、ボールミル混合機で混合して現像剤
を得た。この現像剤を用い市販のフルカラー複写機(C
LC350、キャノン製)により画像を得たところ、鮮
明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られた
トナーを熱プレスにより溶融させ、ガラス板上に均一な
薄層を作り、光学顕微鏡により顔料の分散状態を観察し
たところ、凝集の無い非常に良好な分散状態を呈してい
た。
【0039】[実施例2]実施例1の粗製銅フタロシア
ニンの代わりに、黄色顔料(リオノールイエローGR、
東洋インキ製造社製)260部を用い,青色顔料分散剤
の代わりに黄色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(C
2 4 N(CH3 2 3 、Pはベンズイミダゾール
残基)15部を用い、実施例1と同様にして処理して、
トナー母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施例1と同
様にしてフルカラー複写機を用いて画像を形成したとこ
ろ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得
られたトナーの分散状態も良好であった。
【0040】 [実施例3] 粗製銅フタロシアニン : 250部 (リオノールブルーSL、東洋インキ製造社製) 塩化ナトリウム : 900部 青色顔料分散剤 : 25部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 )23 、Pは銅フタロシアニン 残基) ジョンクリル682 : 100部 (ジョンソンワックス製アクリル系オリゴマー) ジエチレングリコール : 160部 を実施例1記載のニーダーに仕込み、2時間混練した。
これを実施例1と同様にして処理顔料(E3)を得た。
次いで、飽和ポリエステル樹脂の代わりにスチレン−ア
クリル樹脂を使用して、実施例1と同様にして、トナー
母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施例1と同様にし
てフルカラー複写機を用いて画像を形成したところ、鮮
明で十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られた
トナーの分散状態も良好であった。
【0041】 〔実施例4〕 赤顔料 : 250部 (リオノ−ルレッド6B4206−P、東洋インキ製造社製) 塩化ナトリウム :2500部 赤色顔料分散剤 : 10部 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(CH3 2 3 、Pはキナクリドン残 基) ポリエチレングリコール300 : 160部 をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕
込み、3時間混練した。次にこの混合物を2.5リット
ルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピー
ドミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾
過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除
き、固形分50%の水性顔料分散体(顔料誘導体処理顔
料分散体)を得た。これを乾燥粉砕して処理顔料(E
4)を得た。次いで、不飽和ポリエステル樹脂の代わり
にスチレン−アクリル樹脂を使用して、実施例1と同様
にして、トナー母粒子、トナー、及び現像剤を得、実施
例1と同様にしてフルカラー複写機を用いて画像を形成
したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られ
た。又、得られたトナーの分散状態も良好であった。
【0042】〔比較例1〕実施例1で用いた処理顔料
(E1)の代わりにソルベントソルトミリング処理を施
さない青顔料を用いて、実施例1と同様にしてトナー母
粒子、トナー及び現像剤を得、同様に市販のフルカラー
複写機を用いて画像を形成したところ、画質が著しく低
下した。
【0043】〔比較例2〕実施例1で用いた処理顔料
(E1)の代わりにソルベントソルトミリング処理を施
さない青顔料を用い、不飽和ポリエステル樹脂の代わり
に(スチレン−アクリル樹脂)を用いた以外は実施例1
と同一工程を経て、トナー及び現像剤を形成した。更に
実施例1と同様な市販のフルカラー複写機にて画像を形
成して評価したところ、鮮明で十分な色再現性、発色性
が得られず、実施例1との差は歴然としたいた。
【0044】
【発明の効果】本発明により、トナー中の顔料粒子径が
小さく、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電
荷像現像用トナー及び現像剤が得られた。顕微鏡による
トナー中の顔料の分散状態を観察したところ、凝集の無
い良好な分散状態になっていることが確認出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/09 G03G 9/087

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料(A)、下記一般式(1)にて
    示される顔料誘導体(B)、水溶性の無機塩(C)及び
    水溶性の溶剤(D)の少なくとも4つの成分から成る混
    合物を機械的に混練し、その後(C)及び(D)を水洗
    して除去して成る有機顔料(E)を含有することを特徴
    とする静電荷像現像用トナー母粒子。一般式(1) P
    −〔X−Y−Z−N(R1 )R 2 〕n (但し、式中の
    Pは有機色素残基又は複素環残基、又は芳香族多環化合
    物残基、XはC、Hである2〜15個の原子で構成され
    る化学的に合理的な組合せから成る2価の結合基、Yは
    −NR−(但し,RはH又は炭素数1〜18のアルキル
    基)である2価の結合基、Zは炭素数1〜6のアルキレ
    ン基、R1 、R 2はそれぞれ独立に、置換されていても
    よい炭素数1〜18のアルキル基、又はR1 、R 2とで
    複素環を形成してもよく、該複素環は置換を有していて
    もよいものであり、nは,1〜3の整数を示す)
  2. 【請求項2】 有機顔料(A)が、キナクリドン系有機
    顔料、フタロシアニン系有機顔料、アゾ系有機顔料から
    成る群より選ばれる1種であることを特徴とする請求項
    1記載の静電荷像現像用トナー母粒子。
  3. 【請求項3】 水溶性の溶剤(D)に対して、水溶性の
    無機塩(C)を重量比で2〜20倍使用することを特徴
    とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー母粒
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の静電荷
    像現像用トナー母粒子と、外添剤とを混合して成ること
    を特徴とする静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の静電荷像現像用トナー
    と、キャリアとを混合して成ることを特徴とする現像
    剤。
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